JP2007135253A - グロメット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動車に配索されるワイヤハーネスW/Hに外嵌固定して車体パネルPの貫通孔Paへ装着するグロメット10であって、ワイヤハーネスW/Hを密着させて貫通させる内筒11と、貫通孔Paへの挿入端となる内筒11の前端を外方に折り返すと共に後側に向けて拡径させて形成した拡径筒部12、該拡径筒部12の大径側の後端面部13と、該後端面部13の内周に連続して内筒11を囲む直管部14とからなる外筒15を備え、拡径筒部12の大径側の外周面に車体係止凹部16を設ける一方、内筒11の外周面には、拡径筒部12の前端小径側の内面に連続して後端面部13側へと延在する補強部30を突設している。
【選択図】図3
Description
この状態で、車体パネルPで仕切られた室外(A)から室内(B)へ、グロメット1の
第1小径筒部2側を車体パネルPの貫通孔Paに押し込むと共に、室内(B)側で第1小径筒部2から突出したワイヤハーネスW/Hを引っ張り込むワンモーションで、拡径筒部3の外周面に設けた車体係止凹部3aを車体パネルPの貫通孔Paの周縁に嵌合させて、グロメット1を車体パネルPに取り付けている。
しかしながら、前記グロメット1では、室内側において第1小径筒部2が突出し、かつ、該第1小径筒部2とワイヤハーネスW/Hとをテープ巻き固定しているために、車体パネルPから室内側に向けて、剛直で曲げにくい領域Lが長く延在することとなる。よって、車体パネルPの近くに外部干渉材があり、車体パネルPの近傍でワイヤハーネスW/Hを屈曲させる必要がある場合、グロメット1の第1小径筒部2側の剛直な領域を屈曲させる必要があるが、非常に曲げにくく、無理に曲げるとグロメット1の全体が変形し、グロメット1の車体係止凹部3aと車体パネルPの間に隙間が生じてシール性が劣ることとなる。
前記ワイヤハーネスを密着させて貫通させる内筒と、
前記貫通孔への挿入端となる前記内筒の前端を外方に折り返すと共に後側に向けて拡径させて形成した拡径筒部、該拡径筒部の大径側の後端面部と、該後端面部の内周に連続して前記内筒を囲む直管部とからなる外筒を備え、
前記拡径筒部の大径側の外周面に車体係止凹部を設ける一方、
前記内筒の外周面には、前記拡径筒部の前端小径側の内面に連続して上記後端面部側へと延在する補強部を突設していることを特徴とするグロメットを提供している。
車体パネルにグロメットを装着した状態において、車体パネルから車室側に突出するのは拡径筒部のみとなり、突出長さを短くすることができる。これにより、車体パネルの近くに外部干渉材が配置されていても、車体パネルの近傍で拡径筒部から突出したワイヤハーネスだけを容易に屈曲させることができ、かつ、グロメット自体を屈曲させる必要がないため、グロメットを変形させず止水性能を維持することができる。
これに対して、本発明のグロメットでは、前記のように、内筒の外面に補強部を設け、該補強部を拡径筒部の前端小径側の内面に連続させて補強しているため、拡径筒部の前端小径側の捲れ上がりを防止することができる。これにより、室外側からの押込力をグロメットに確実に負荷して、ワンモーションでグロメットを車体パネルの貫通孔に問題なく装着することができる。
即ち、貫通孔への挿入時に挿入側前端の変形を補強部で防止しているため、該補強部の幅、厚さ、及び長さを十分な補強力が発揮できるものとしている。
前記補強部を内筒の周方向に間隔をあけて複数設ける場合には、3個あるいは4個の補強部を等間隔で設けていることが好ましい。
該構成とすると、貫通孔へのグロメットの押し込み時に発生する反力で、補強部が後退方向に付勢されても、窪みの内面に補強部の後端面が当接して後退を阻止でき、押し込み力をグロメットに確実に伝達して、挿入力の低減を図ることができる。
さらに、グロメットを貫通孔に装着した後において、グロメットがワイヤハーネスにより室外側に引っ張られても、補強部が段状窪み部の内面に当接して移動が阻止でき、その結果、グロメットが車体パネルから脱落するのを防止することができる。即ち、挿入力を低減できるだけでなく、グロメットの保持力を向上させることができる。
前記構成によれば、グロメットを車体パネルに取り付ける際、拡径筒部の外面が車体パネルに設けた貫通孔の周縁に当接することにより拡径筒部にかかる負荷を前記環状溝によって拡径筒部と内筒との連続位置に伝わりにくくすることができる。これにより、さらに内筒がワイヤハーネスからめくり上がりにくくなり、ワイヤハーネスを押し込む力がグロメットに伝達されやすくなり、グロメットの挿入力を低減することができる。
前記のように、拡径筒部の外周面に凸部を設けると、車体パネルの貫通孔の内周面との接触面積を低減でき、グロメットの挿入力の低減に寄与できる。
また、内筒と外筒との間に密閉空間を設けることで、エンジンルーム等の室外からの騒音が室内に伝達するのを低減、遮断することができる。
図1乃至図5は実施形態を示し、グロメット10はゴムまたはエラストマーで一体成形しており、車体パネルPの貫通孔Paへの挿入端となる内筒11と、該内筒11の前端を外方に折り返すと共に後側に向けて拡径させて形成した拡径筒部12、該拡径筒部12の大径側の後端面部13、該後端面部13の内周に連続して内筒11を囲む直管部14からなる外筒15とを備えている。拡径筒部12の大径側を厚肉とし、その外周面に車体係止凹部16を環状に設けている。
拡径筒部12の外周面には、周方向に間隔をあけて、小径側より車体係止凹部16の大径側まで、軸線方向に延在する帯状の凸部20を複数突設している。該凸部20は拡径筒部12の外周面より段状に厚肉に突出させた言わばリブ形状としている。前記車体係止凹部16の側面16bの先端と同一高さとなる位置の凸部20の外面には、周方向に延在する細溝20aを設けている。
本実施形態では、8本の凸部20を小径側から大径側にかけて周方向に同一幅で軸線方向に延在させ、8本の凸部20は同一形状としている。
また、拡径筒部12と内筒11との連続位置である拡径筒部12の小径側先端に内筒11を囲む環状溝18を設けている。
エンジンルーム側(A)より拡径筒部12を車体パネルPの貫通孔Paに押し込む。この時、グロメット10が斜め傾斜していると凸部20の一部が貫通孔Paの内周面に当たり接触抵抗が生じる。これにより、作業者はグロメット10の挿入姿勢を矯正する。
しかも、凸部20を薄肉の拡径筒部12の外周面に多数突設しているため、拡径筒部12の剛性が高まり、グロメット10が斜め挿入された時に、貫通孔内周面と圧接した部分の拡径筒部12が折り曲がるように変形することを確実に防止できる。
作業者はこの時点から、グロメット10を一気に押し込み、凸部20を押し潰すように貫通孔Paに通すと、拡径筒部12の車体係止凹部16が車体パネルPの貫通孔Paの周縁に嵌合されて、グロメット10が車体パネルPに取り付けられる。
11 内筒
12 拡径筒部
13 後端面部
14 直管部
15 外筒
16 車体係止凹部
18 環状溝
20 凸部
30 補強部
P 車体パネル
Pa 貫通孔
Claims (4)
- 自動車に配索されるワイヤハーネスに外嵌固定して車体パネルの貫通孔へ装着するグロメットであって、
前記ワイヤハーネスを密着させて貫通させる内筒と、
前記貫通孔への挿入端となる前記内筒の前端を外方に折り返すと共に後側に向けて拡径させて形成した拡径筒部、該拡径筒部の大径側の後端面部と、該後端面部の内周に連続して前記内筒を囲む直管部とからなる外筒を備え、
前記拡径筒部の大径側の外周面に車体係止凹部を設ける一方、
前記内筒の外周面には、前記拡径筒部の前端小径側の内面に連続して上記後端面部側へと延在する補強部を突設していることを特徴とするグロメット。 - 前記補強部は前記内筒の全周あるいは周方向に所要間隔をあけて複数設けると共に該補強部は所要の厚さで前記内筒より段状に突出させ、かつ、該補強部の後端部を前記外筒の後端面部の内周に設けた段状窪み部の内部に位置させ、補強部の後方移動を規制する構成としている請求項1に記載のグロメット。
- 前記拡径筒部の前端小径側に前記内筒を囲む環状溝を設けている請求項1に記載のグロメット。
- 前記拡径筒部の外周面には前端小径側より後端大径側にかけて放射状に帯状の凸部を設けていると共に、前記外筒の直管部と内筒の後端部を挿通させるワイヤハーネスと共にテープ巻き固定して、内筒と外筒との間に密閉された空間を設けている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のグロメット。
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