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JP2007185824A - 反射防止積層フィルム - Google Patents

反射防止積層フィルム Download PDF

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JP2007185824A
JP2007185824A JP2006004549A JP2006004549A JP2007185824A JP 2007185824 A JP2007185824 A JP 2007185824A JP 2006004549 A JP2006004549 A JP 2006004549A JP 2006004549 A JP2006004549 A JP 2006004549A JP 2007185824 A JP2007185824 A JP 2007185824A
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Takeshi Nishikawa
健 西川
Yukio Amano
幸雄 天野
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等の各種ディスプレイの表示画面表面に好適に使用される、特に高い帯電防止性と反射防止性を有し、かつ、高透明性、表面硬度、耐擦傷性、防汚性に優れる反射防止積層フィルムを低コストで提供することを目的とする。
【解決手段】基材上に、屈折率1.50以上のハードコート層と、バインダー及び有機帯電防止剤を含む、屈折率1.49以下の帯電防止性低屈折率層とを積層してなることを特徴とする反射防止積層フィルムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、生産性、高い帯電防止性と反射防止性を有し、かつ、高透明性、表面硬度、耐擦傷性、防汚性に優れる、ディスプレイ(液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等)の表示画面表面に適用される反射防止積層フィルムに関するものである。
多くのディスプレイは、室内外を問わず外光などが入射するような環境下で使用される。この外光などの入射光は、ディスプレイ表面等において正反射され、反射像が表示光と混合し表示品質を低下させ、表示画像を見にくくしている。このため、反射防止機能を付与するために金属酸化物の透明薄膜を積層させた多層膜が従来から用いられている。金属酸化物の透明薄膜は、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法により形成され、特に物理蒸着法である真空蒸着法により形成されている。このように形成された反射防止膜は優れた光学特性を示すが、蒸着による形成方法は生産性が低く、大量生産に適していないという問題を抱えていた。
さらには、プラスティックやフィルムなどの高分子材料の表面は比較的柔軟であることから、表面硬度を得る為に、物品表面にアクリル多官能化合物を重合させ、ハードコート層を設けるという手法がなされる。このようにして得られたハードコート層は、アクリル樹脂特有の性質である高い表面硬度、光沢性、透明性、擦傷性を有する。その一方で、絶縁特性に優れる為に帯電しやすく、ハードコート層を設けた製品表面への埃等の付着による汚れや、精密機械に使用された場合に、帯電してしまうことにより障害が発生するといった問題を抱えていた。
これらの問題を解消するためにハードコート層に導電剤を練り混むか、基材とハードコート層の間やハードコート層と低屈折率層の間に表面硬度を落とさない程度に極めて薄く導電層を設ける手法がなされている。また、その形成方法としては塗工法が用いられ、生産性の向上がはかられている。
用いられる導電剤としては、金属酸化物微粒子や、導電性ポリマー、各種活性剤、親水性化合物、イオン導電性化合物があげられる。電子伝導性の微粒子を使用する技術では、ハードコート練り混み方式と層間に導電層を設ける手法がなされている。練り混み方式(例えば、特許文献1参照)では、微粒子の屈折率が通常高いことや、電子伝導性であるために微粒子の配合量が決まってしまうことにより、基材との光干渉の低減と導電性を両立することが困難となる。配合量が少なすぎると導電性が発現せず、逆に多い場合には光線透過率が低下してしまう問題が発生し、透過率を上げるために膜厚を薄くすると基材保護の機能が低下してしまう問題がある。また、ハードコート層の上層に反射防止層を形成するために帯電防止性能が低下するなどの問題がある。導電性ポリマーも同様の問題を抱えている。基材とハードコート層間に導電層を設ける方式(例えば、特許文献2参照)では、導電層の上層に積層することにより、導電性を考慮して上層に特別な処理を行わなければ行けないことや、多層構成にすることにより、工程が増えて生産性が落ちることなどが問題となる。ハードコート層と反射防止層間に導電層を設ける方式(例えば、特許文献3参照)でも同様に、多層構成にすることにより、工程が増えて生産性が落ちることなどが問題となる。
特開平11−92750号公報 特開平11−326602号公報 特開2001−330702号公報
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、特に高い帯電防止性と反射防止性を有し、かつ、高透明性、表面硬度、耐擦傷性、防汚性に優れる反射防止積層フィルムを低コストで提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、すあなわち、請求項1に記載の発明は、基材上に、屈折率1.50以上のハードコート層と、バインダー及び有機帯電防止剤を含む、屈折率1.49以下の帯電防止性低屈折率層とを積層してなることを特徴とする反射防止積層フィルムである。
請求項2に記載の発明は、前記バインダーが熱硬化性であることを特徴とする請求項1記載の反射防止積層フィルムである。
請求項3に記載の発明は、前記帯電防止性低屈折率層にフッ素原子含有物質を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止積層フィルムである。
請求項4に記載の発明は、前記帯電防止性低屈折率層が、
nd=λ/4
(但し、nは層の屈折率、dは層厚を示し、λは光の波長を示し、450≦λ≦650を満たす整数である)
を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止積層フィルムである。
請求項5記載の発明は、前記ハードコート層が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能性モノマーを主成分とする重合体からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止積層フィルムである。
請求項6記載の発明は、前記ハードコート層に、さらに平均粒子径10nm以上10μm以下のフィラーが含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止積層フィルムである。
本発明により、特に高い帯電防止性と反射防止性を有し、かつ、高透明性、表面硬度、耐擦傷性、防汚性に優れる低コストの反射防止積層フィルムを提供することができる。本発明の反射防止積層フィルムは、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等の各種ディスプレイの表示画面表面に好適に使用される。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明のの一実施形態に係わる反射防止積層フィルムの一例を示す断面図である。
図1で示すように、本発明の一例としての反射防止積層フィルム1は、基材2上に、屈折率1.50以上のハードコート層3と、バインダー及び有機帯電防止剤を含む、屈折率1.49以下の帯電防止性低屈折率層4とを積層してなる反射防止積層フィルムである。
本発明における基材2は、透明支持体となるプラスチックフィルムが使用され、種々の
有機高分子からなるフィルムもしくはシートを用いることができる。通常、ディスプレイ等の光学部材に使用される基材は、透明性や光の屈折率等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性を考慮して、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナルタレート等)、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等)、ポルアミド系(ナイロン−6、ナイロン−66等)、アクリル系(ポリメチルメタクリレート等)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール等の有機高分子が用いられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートが好ましい。さらにはこれらの有機高分子に公知の添加剤、たとえば、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を添加し、機能を付加させたものも使用できる。また、この基材は上記物質単体、もしくは複数の物質を積層もしくは混合させたものでもよい。また、基材の厚みは表面保護フィルムを用いる用途によって適宜選択することができ、25〜300μmが好ましい。しかしこれに限定するものではない。また、基材上にもうけられる表面保護層との密着性を向上させる目的で、表面処理を施すことができる。この表面処理方法としては、例えばサンドブラスト法や溶剤処理法などによる表面の凹凸化処理、あるいはコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などの表面の酸化処理などが挙げられる。
本発明におけるハードコート層3は、前記プラスチックフィルムの上に積層するものであって、このハードコート層は紫外線および電子線硬化型樹脂単体、またはこの硬化物中に有機珪素アルコキシドおよびその加水分解物、フィラーが含まれたものである。
ハードコート層に用いる紫外線および電子線硬化型樹脂化合物としては基材の表面改質を目的として、スチールウールラビング試験による耐擦傷性、鉛筆ひっかき試験による表面硬度、セロテープ(登録商標)剥離試験による密着性、最小曲げ試験によるクラック性等の諸特性を要求されるスペックを満足させるように樹脂を選択して使用することが出来る。この化合物は、光重合性プレポリマー、光重合性モノマー、光重合開始剤等を含有するものである。
前記光重合性プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系等が挙げられる。これらの光重合性プレポリマーは1種用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、光重合性モノマーとしては、例えばポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、これらの屈折率は1.5前後であるが、屈折率が高いモノマーとしては、環状基を有するものさらに/またはフッ素原子以外のハロゲン原子やS、N、P等の原子を含むものが挙げられる。環状基には芳香族基、複素環基および脂肪族環基が含まれる。例えば、ビス(4−メタクリロイルチオフェノキシ)スルフィド、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、 テトラブロモビスフェノールAジエポキシアクリレートなどが挙げられる。特に本発明では、プレポリマーとしてウレタンアクリレート系、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート等を用いることが好ましい。
さらに、光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類等が挙げられる。
また、光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。・・・
本発明におけるハードコート層は、さらに、有機珪素アルコキシドおよびその加水分解物を添加することができる。有機珪素アルコキシドは、下記一般式を満たすものである。R’ySi(OR)4-y・・・一般式(B)
(但し、式中Rはアルキル基を示し、R’は末端にアルキル基、フッ化アルキル基などの未反応性官能基やビニル基、アミノ基、エポキシ基、アリール基、(メタ)アクリロイル基などの反応性官能基を示し、yは1≦y≦3を満たす整数である。)例えば、オクチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、3、3、3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、1H、1H、2H、2H−パープルオロヘキシルトリメトキシシラン、1H、1H、2H、2H−パープルオロデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロビルトリメトキシシラン、3−アミノプロビルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランがあげられる。
本発明におけるハードコート層は、さらに平均粒子径10nm以上10μm以下のフィラーを添加し、反射防止フィルムに新たに機能を付与することができる。フィラー添加により、高硬度、屈折率調整を行うことができる。
粒子径が大きい(0.1μm以上)の粒子を用いると、フィルムに防眩性を付与させることができる。
10μm以上ではハードコート層の厚さより粒子径が大きすぎることから、上層の帯電防止性低屈折率層が積層しにくくなる。フィラーは、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の無機フィラーおよびこれら2種類以上の複合酸化物フィラー、アクリル、スチレン、ウレタン、メラミン、ベンゾアナミン等の有機フィラーおよびこれら2種類以上の共重合フィラーを用いることができる。フィラーは単体で用いても2種類以上を混合して用いても良い。また、ハードコート層の強度を向上させるために、平均粒子径0.5μm以下のコロイド粒子を加えることができる。コロイド粒子径は透明性の観点から、0.1μm以下が好ましい。コロイド粒子は、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニアがあげられる。これらは単体で用いても、2種類以上の複合酸化物でも、2種類以上の混合物でもよい。
ハードコート層の硬度は、鉛筆硬度でH以上であるのが好ましく、反射防止積層フィルムに必要な耐擦傷性を備えることができる。
ハードコート層形成用のハードコート剤の調整において、各成分の配合順序については特に制限はなく、各種溶媒中に紫外線および電子線硬化型樹脂化合物等を加えて混合する。
溶媒としては、特に限定することはないが、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソプチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエー
テル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類等を挙げることができる。また、このハードコート剤には、所望により消泡剤やレベリング剤等の公知の添加剤を配合することができる。ハードコート剤の固形分濃度については特に制限はなく、塗工性、乾燥性、経済性等の面から10〜70重量%の範囲が好ましく、特に30〜50重量%の範囲が好適である。
ハードコート剤の基材への塗工方法については特に制限はなく、バーコート法、マイクログラビア法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法等を用いることができる。
ハードコート層の厚さは、ハードコート剤の固形分濃度および硬化後におけるハードコート層の密度から必要なハードコート剤の塗工量を算出することにより、制御する事ができる。2μm〜20μmの厚さが好ましく、特に3μm〜10μmの厚さが好ましい。
また、乾燥後の塗工層に窒素パージした雰囲気下で紫外線および電子線を照射して硬化させ、酸素障害が少なく、表面硬度の高いハードコート層を形成しても良い。
硬化に用いる紫外線照射装置については、特に制限はなく、例えば高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を用いた公知の紫外線照射装置を使用することができる。紫外線照射量は、通常100〜800mJ/cm2程度である。電子線照射装置については特に制限はなく、加速電圧は通常50〜300kVである。
このようにして得られたハードコート層は、物品の表面に基材との密着性、表面硬度、屈曲性、耐擦傷性、透明性または防眩性に優れるものである。
本発明における帯電防止性低屈折率層4は、上記ハードコート層の上に設けられ、有機帯電防止剤をバインダーに添加し、塗膜とすることで帯電防止性能を発現させることができる。有機帯電防止剤は。これらの有機帯電防止剤は、単体での使用、2種類以上の混合での使用、およびこれら2種類以上の複合微粒子を使用することができる。
有機帯電防止剤の添加量は特に制限はないが、添加量が多いとブリードし透明性を損なう場合があるため、固形分の1〜30重量%の範囲が好ましく、特に5〜20重量%の範囲が好適である。
有機帯電防止剤としては、四級アンモニウム塩基含有重合体、四級アンモニウム塩基含有シランカップリング剤またはその加水分解縮合物がある。このような四級アンモニウム塩基含有重合体の具体例を以下例示する。(a)N、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸エステル/他の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、の四級アンモニウム塩、(b)N、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド/他の(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、の四級アンモニウム塩、(c)N、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸エステル/他の(メタ)アクリル酸エステル(/スチレン類)/ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステルの共重合体と、(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物との付加物、の四級アンモニウム塩、(d)N、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸エステル/他の(メタ)アクリル酸エステル(/スチレン類)/ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステル/(メタ)アクリロイル末端ポリジメチルシロキサンの共重合体と、(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物との付加物、の四級アンモニウム塩、(e)N、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸エステル/他の(メタ)アクリル酸エステル/(/スチレン類)/ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステル/(メタ)アクリロイル末端ポリジメチルシロキサンの共重合体、と(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物との
付加物、の四級アンモニウム塩に、さらにアミノ基含有ポリジメチルシロキサンを付加したポリマー、(f)N、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸エステル/(メタ)アクリル酸エステル(/スチレン類)/ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステル/メルカプト末端ポリジメチルシロキサンの共重合体、と(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物との付加物、の四級アンモニウム塩、(g)N、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド/(メタ)アクリル酸エステル(/スチレン類)/ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステル/メルカプト末端ポリジメチルシロキサンの共重合体、と(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物との付加物、の四級アンモニウム塩、等を例示することができる。
アミノ基を四級アンモニウム塩に変性するための四級化剤としては、ハロゲン化アルキル(メチルクロリド等)、ハロゲン化アルケニル(アリルクロリド等)、ハロゲン化アラルキル(ベンジルクロリド等)、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のアルキル硫酸類、p−トルエンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル類、クロロ酢酸メチル等のα−ハロ脂肪族カルボン酸誘導体、クロロアセトン等のα−ハロケトン類、クロロアセトニトリル等のα−ハロアルキルニトリル等を例示することができる。これらのうち、優れた帯電防止性を得るためには、炭素数4以下のハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、α−ハロ脂肪族カルボン酸誘導体等を四級化剤として用いるのが好ましい。また、上記(f)のようなN、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸エステルと、他の(メタ)アクリル酸エステルおよび/またはスチレン類と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステルと、メルカプト末端ポリジメチルシロキサンの共重合体と(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物との付加物を、メチルクロリド、アリルクロリド、クロロ酢酸メチル等の四級化剤で変性した四級アンモニウム塩基含有重合体が特に好ましい。
四級アンモニウム塩基含有シランカップリング剤は、一部市販のものもあるが、帯電防止剤としての機能は一般に低い。これは、その分子量が低いために、無機酸化物粒子の表面に容易に吸着されてしまい、四級アンモニウム基の濃度が低くなってしまうためである。以下に示すように、N、N−ジアルキルアミノアルコールと、NCO基を有するシランカップリング剤とをウレタン結合で接続した後、適切な四級化剤で四級化した、分子量が400以上のシランカップリング剤、および/またはこの加水分解縮合物、あるいはN、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸エステルと、SH基を有するシランカップリング剤のチオエーテル結合での付加物を四級化した分子量が400以上のシランカップリング剤、またはこのようなシランカップリング剤単独の加水分解縮合物、他のシランカップリング剤との加水分解共縮合物等が好ましい。
このような四級アンモニウム塩基含有シランカップリング剤の具体例を例示すると、N、N−ジアルキルアミノ脂肪族アルコール(N、N−ジメチルアミノエタノール、N、N−ジメチルアミノプロパノール等)とNCO基を含有するトリアルコキシシラン(γ−トリメトキシシリルプロピルイソシアネート等)の反応物の四級アンモニウム塩、N、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸エステル(N、N−ジメチルアミノメタクリレート等)とメルカプト基を有するトリアルコキシシラン(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)との反応物の四級アンモニウム塩、これらの単独加水分解縮合物、これらと他のシランカップリング剤との共加水分解縮合物等を挙げることができる。他のシランカップリング剤としては、既に例示したアルキレンオキシド鎖を有するシランカップリング剤や、ラジカル重合可能なシランカップリング剤が特に好ましい。
他の帯電防止剤としては、アルキル基を有する四級ホスホニウム塩基化合物を例示することができる。このような化合物の代表例をいくつか具体的に示すと、ドデシルトリメチルホスホニウムクロリド等のテトラアルキルホスホニウムハライド、ベンジルトリメチルホスホニウムクロリド等のアラルキルトリアルキルホスホニウムハライド、メタクリルオ
キシエチルトリメチルホスホニウムクロリド等のラジカル重合可能な官能基を有する四級ホスホニウム塩等を例示することができる。
他の帯電防止剤としては、エチレンオキシド鎖を有する多価アルコールまたはその誘導体を例示することができる。このような化合物の代表例をいくつか具体的に示すと、ポリエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等)のアルキレンオキシド付加体、およびその(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることができる。
他の帯電防止剤として、リン酸塩を例示することができる。このような物質の代表例をいくつか示すと、ビス(β−メタクリロキシエチル)ホスフェートの3級アミン塩、ポリ燐酸ナトリウム等を挙げることができる。
他の帯電防止剤として、導電性重合体を例示することができる。このような物質の代表例をいくつか例示すると、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール等を挙げることができる。
他の帯電防止剤としては、イオン性液体を例示することができる。イオン性液体を構成するカチオンとしては、アミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオンおよび3級アンモニウムカチオンなどが挙げられる。イオン性液体を構成するアニオンとしてはハロゲン(フッ素、塩素、臭素など)イオン、アルキル(炭素数1〜12)ベンゼンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸など)イオンおよびポリ(n=1〜25)フルオロアルカンスルホン酸(ウンデカフルオロペンタンスルホン酸など)イオン等が挙げられる。
帯電防止性低屈折率層のバインダーとしては、電離放射線硬化性、熱硬化性の有機、無機の各種バインダーを用いることができる。熱硬化性のものであれば、屈折率の低い樹脂を選択しやすく、好ましい。
熱硬化性のバインダーとしては、熱硬化性樹脂や珪素アルコキシド(屈折率約1.45)を好適に用いることができる。
帯電防止性低屈折率層に含まれる珪素アルコキシドは、下記一般式(A)を満たすものである。
xSi(OR)4-x・・・一般式(A)
(但し、式中Rはアルキル基を示し、xは0≦x≦4を満たす整数である。)例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランがあげられる。
帯電防止性低屈折率層に含まれる有機珪素アルコキシドは、一般式(B)を満たすものである。
R’ySi(OR)4-y・・・一般式(B)
(但し、式中Rはアルキル基を示し、R’は末端にアルキル基、フッ化アルキル基などの未反応性官能基やビニル基、アミノ基、エポキシ基、アリール基、(メタ)アクリロイル基などの反応性官能基を示し、yは1≦y≦3を満たす整数である。)例えば、前記有機珪素アルコキシドがあげられる。
帯電防止性低屈折率層形成用の塗工液の調整において、各成分の配合順序については特に制限はなく、各種前述の溶媒中に珪素アルコキシド、およびその加水分解物と多孔質導電微粒子と有機珪素アルコキシド、およびその加水分解物を加えて混合する。
帯電防止性低屈折率層の形成方法としては、前述の各種塗工方法により、一般式(C)nd=λ/4(450≦λ≦650の範囲)を満たすように塗工し、乾燥処理を行った後、必要に応じて紫外線および電子線照射を行う。450≦λ≦650の範囲で層厚dを制御することにより、視感反射率の低い反射防止積層フィルムを得ることができる。
透明支持体である基材およびハードコート層に表面処理を行うことにより、各表面の表面張力を変化させることができるため、ハードコート層と帯電防止性低屈折率層との密着力を向上させることができる。表面処理法としては、アルカリ処理、プラズマ処理、レーザー処理、またはコロナ処理を行うことができる。各層間の密着力を向上させると共に各種表面処理を行うことにより、表面上の異物を低減させることができる。これにより、外観上において欠陥の無い反射防止積層フィルムを提供することができる。
このように、透明支持体である基材上にハードコート層、帯電防止性低屈折率層の2層構成にすることにより、多機能を少ない層数にて実現することができ、工程を少なくしてコストダウンすることができる。帯電防止性低屈折率層が反射防止積層フィルムの表面にあることから、帯電防止の性能が安定しやすい。ハードコート層による表面硬度、屈曲性、耐擦傷性、透明性または防眩性を備え、かつ帯電防止性低屈折率層による帯電防止性、反射防止性、表面硬度、耐擦傷性、防汚性の多機能を付与することができ、さらに層間の密着性を兼ね備えた低コストな反射防止フィルムを提供することができる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
下記の実施例で得られる反射防止積層フィルムの性能は、下記の方法に基づいて評価した。
<反射率の測定方法>
自動分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用い、分光反射率から視感反射率を測定した。なお、測定の際には塗布面と反対の面をにつや消し黒色塗料を塗布し、裏面側からの反射防止処置を行った。
<表面抵抗値の測定方法>
JIS K6911に準拠して測定した。
<防汚性の評価方法>
指紋、マジック、ティッシュくずを表面に付着させ、拭き取りの可否を判断した。(○:拭き取れる、×:拭き取れない)
<密着性の評価方法>
フィルム表面を1mm角100点カット後、粘着セロハンテープ[ニチバン(株)社製工業用24mm巾セロテープ(登録商標)]による剥離試験を行い、100点カット部の残存率で評価した。
アデカオプトマーKRX−559−37(旭電化製、固形分70%)をメチルイソブチ
ルケトンにて固形分40%に希釈し、東洋紡製A4100易接着面にバーコート法にて塗布し、80℃のオーブンにて1分乾燥した後、400mJ/cm2の紫外線にて硬化させ、厚み2.5μmの塗膜を得た(硬化膜屈折率1.62)。次にイオン伝導型帯電防止剤コルコートN−103X(コルコート製)100gにKBM−5103(信越化学工業製)を0.2g混合し、バーコート法により上記塗膜上に塗布し、120℃、5分にて硬化させ、厚み約0.1μmの塗膜を得た(硬化膜屈折率約1.45)。この層構成によるフィルムの最小反射率は1.8%であり、表面抵抗値は2.53+E9だった(500V印加)。
アデカオプトマーKRX−559−37(旭電化製、固形分70%)をメチルイソブチルケトンにて固形分40%に希釈し、東洋紡製A4100易接着面にバーコート法にて塗布し、80℃のオーブンにて1分乾燥した後、400mJ/cm2の紫外線にて硬化させ、厚み2.5μmの塗膜を得た(硬化膜屈折率1.62)。テトラエトキシシラン(関東化学製)1g、1NのHClを0.675g、IPAを24g、4級アンモニウム塩であるニッカタイボー(日本化成製)を0.1g、KBM−5103(信越化学工業製)を0.1gを混合した後、上記塗膜の上にバーコート法により塗布し、0.1μmの塗膜を得た(硬化膜屈折率約1.65)。この層構成によるフィルムの最小反射率は3.7%(硬化膜屈折率1.48)であり、表面抵抗値は9.0+E11だった(500V印加)。
(比較例)
アデカオプトマーKRX−559−37(旭電化製、固形分70%)をメチルイソブチルケトンにて固形分40%に希釈し、東洋紡製A4100易接着面にバーコート法にて塗布し、80℃のオーブンにて1分乾燥した後、400mJ/cm2の紫外線にて硬化させ、厚み2.5μmの塗膜を得た(硬化膜屈折率1.62)。この塗膜上にITO導電性コーティング剤EI−3(大日本塗料製)をバーコート法により塗布し、80℃、1分乾燥させた後、400mJ/cm2の紫外線を照射し硬化させ、厚み約0.1μmの塗膜を得た(硬化膜屈折率約1.65)。この層構成によるフィルムの最小反射率は5.8%であり、表面抵抗値は5.0+E6だった(10V印加)。
(比較例)
アデカオプトマーKRX−559−37(旭電化製、固形分70%)をメチルイソブチルケトンにて固形分40%に希釈し、東洋紡製A4100易接着面にバーコート法にて塗布し、80℃のオーブンにて1分乾燥した後、400mJ/cm2の紫外線にて硬化させ、厚み2.5μmの塗膜を得た(硬化膜屈折率1.62)。次に、テトラエトキシシラン
を1g、1NのHClを0.675g、IPAを24g混合した後、上記塗膜の上にバーコート法により塗布し、0.1μmの塗膜を得た(硬化膜屈折率約1.65)。この層構成によるフィルムの最小反射率は3.7%(硬化膜屈折率1.48)であり、表面抵抗値はOVERだった(500V印加)。
Figure 2007185824
表1より、実施例1、2で得られた本発明の反射防止積層フィルムは、本発明の比較例としての実施例3、4で得られた反射防止積層フィルムに比較して、反射率と表面抵抗値および防汚性共に優れている。このように、本発明の反射防止積層フィルムは、特に高い帯電防止性と反射防止性を有し、かつ、高透明性、表面硬度、耐擦傷性、防汚性に優れる低コストの反射防止積層フィルムを提供することができ、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等
の各種ディスプレイの表示画面表面に好適に使用されるものである。
本発明の一実施形態に係わる反射防止積層フィルムを示す断面図である。
符号の説明
1・・・反射防止積層フィルム
2・・・基材(透明支持体)
3・・・ハードコート層
4・・・帯電防止性低屈折率層

Claims (6)

  1. 基材上に、屈折率1.50以上のハードコート層と、バインダー及び有機帯電防止剤を含む、屈折率1.49以下の帯電防止性低屈折率層とを積層してなることを特徴とする反射防止積層フィルム。
  2. 前記バインダーが熱硬化性であることを特徴とする請求項1記載の反射防止積層フィルム。
  3. 前記帯電防止性低屈折率層にフッ素原子含有物質を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止積層フィルム。
  4. 前記帯電防止性低屈折率層が、
    nd=λ/4
    (但し、nは層の屈折率、dは層厚を示し、λは光の波長を示し、450≦λ≦650を満たす整数である)
    を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止積層フィルム。
  5. 前記ハードコート層が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能性モノマーを主成分とする重合体からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止積層フィルム。
  6. 前記ハードコート層に、さらに平均粒子径10nm以上10μm以下のフィラーが含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の反射防止積層フィルム。
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