JP2007162584A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ホイルスピンの発生時に、ワンウェイクラッチの耐久性を悪化させない。
【課題】ECUは、1速かつアクセルONであると(S100にてYES)、タービン回転数NTを検知するステップ(S200)と、1速同期回転数N(1)を算出するステップと、ワンウェイクラッチ回転数NをNT−N(1)により算出するステップ(S400)と、ワンウェイクラッチ回転数Nの変動が大きいと(S500にてYES)、電子スロットルバルブの開度を予め定められた開度まで閉じるステップ(S700)と、予め定められた時間の経過後に(S800にてYES)、電子スロットルバルブの開度をスイープアップして元の開度に復帰させるステップ(S900)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図4
【課題】ECUは、1速かつアクセルONであると(S100にてYES)、タービン回転数NTを検知するステップ(S200)と、1速同期回転数N(1)を算出するステップと、ワンウェイクラッチ回転数NをNT−N(1)により算出するステップ(S400)と、ワンウェイクラッチ回転数Nの変動が大きいと(S500にてYES)、電子スロットルバルブの開度を予め定められた開度まで閉じるステップ(S700)と、予め定められた時間の経過後に(S800にてYES)、電子スロットルバルブの開度をスイープアップして元の開度に復帰させるステップ(S900)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図4
Description
本発明は、車両に搭載され、ワンウェイクラッチ(以下、一方向クラッチやOWCと記載する場合がある)を有する自動変速機の制御に関し、特に、ホイルスピンした場合に安価にワンウェイクラッチの耐久性の悪化を回避できる制御装置に関する。
自動変速機は各種摩擦係合要素(クラッチ、ブレーキ)を選択的に油圧作動(係合、解放)により所望の変速段を形成し、作動する摩擦係合要素の変更により他の変速段への変速を行なうよう構成される。
ところで、低速段から高速段へのアップシフト変速においては、低速段での動力伝達をワンウェイクラッチを介して行ない、高速段への変速がワンウェイクラッチの解放により完遂されるようにするのが、変速ショックの対策をし易くなる点で好ましく、多くの自動変速機がこの方式を採用している。
また、このワンウェイクラッチは、所望の変速比が選択されている状態での惰性走行時にエンジンブレーキが作用しないように設けられる。このため、惰性走行からの加速時には、このワンウェイクラッチが非駆動状態(浮動状態)から駆動状態(同期状態)に変化するまで、動力が伝達されない時間が存在する。
このようなワンウェイクラッチに関して、特開平6−185607号公報(特許文献1)は、惰性走行からパワーオン走行への移行時に自動変速機内ワンウェイクラッチの係合ショックを防止する自動変速機の係合ショック防止装置を開示する。この係合ショック防止装置は、ワンウェイクラッチを介してエンジン動力の伝達を行なう変速段を有し、変速段での惰性走行中は、トルクコンバータを入出力要素間が直結されたロックアップON状態から、入出力要素間の直結が解かれたロックアップOFF状態、またはロックアップON状態およびロックアップOFF状態の中間状態にするようにした自動変速機において、変速段での惰性走行からパワーオン走行への移行を検出する走行形態移行検出手段と、走行形態の移行を検出した後におけるエンジン回転の加速度を演算し、この加速度および現在のエンジン回転数から、エンジン回転数がロックアップON状態にされた変速段での変速機入力回転数に一致するタイミングを推定する同期タイミング推定手段と、この推定タイミングに同期するようトルクコンバータを入出力要素が直結されたロックアップON状態に復帰させるロックアップ復帰手段とを具備する。
この自動変速機のワンウェイクラッチ係合ショック防止装置によると、自動変速機は、ワンウェイクラッチを介してエンジン動力の伝達を行う変速段での惰性走行中、トルクコンバータをロックアップOFF状態、もしくはロックアップON状態およびロックアップOFF状態の中間状態を形成する。ここで、パワーオン走行へ移行すると、これを走行形態移行検出手段が検出した後において、同期タイミング推定手段はエンジン回転の加速度を演算し、この加速度および現在のエンジン回転数から、エンジン回転数がロックアップON状態にされた変速段での変速機入力回転数に一致するタイミングを推定する。ロックアップ復帰手段はこの推定タイミングに同期するようトルクコンバータをロックアップON状態に復帰させる。したがって、惰性走行からパワーオン走行への移行に伴うワンウェイクラッチの係合ショックをトルクコンバータのスリップにより防止することができる。ところで、トルクコンバータをロックアップON状態に戻すタイミングを上記の如く制御するから、その好適タイミングがアクセルペダル踏み込み量や、自動変速機作動油温や、車両の使用年数等に応じて種々に変化するものであると雖も、トルクコンバータをロックアップON状態に戻すタイミングを常時確実に当該好適タイミングに一致させることができ、上記の作用を確実に生起させ得て、パワーオン走行への移行に伴うワンウェイクラッチの係合ショックを確実に防止できなかったり、エンジンの空吹けを生ずる等といった問題の発生を回避することができる。
特開平6−185607号公報
このような自動変速機に用いられるワンウェイクラッチは、(たとえば)1速ギヤ段の駆動時において、アウターレースとインナーレースとの回転を制限し、被駆動時においてはアウターレースとインナーレースとの回転を許容している。ところで、ワンウェイクラッチを用いた変速段(上述の例では1速)を形成している場合に、アクセルペダルが急に大きく踏み込まれたり、路面のμ値(摩擦抵抗)が小さいと、ホイルスピンが発生する。このようなホイルスピンが発生した場合、ワンウェイクラッチの回転数が大きく変動して、ワンウェイクラッチのコマ(ローラやスプラグ)が異常に揺動する。これにより、変速機の耐久性を悪化させる可能性がある。
このような問題に対して、TRC(TRaction Control)等の駆動力制御システムを搭載することも有効な解決策ではある。
しかしながら、TRCの導入にあたってはコストの増加を招く。また、上述の特許文献1には、このような問題点に着目していない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ホイルスピンが発生したときに、ワンウェイクラッチの耐久性を悪化させることがない、車両の制御装置を安価で提供することである。
第1の発明に係る制御装置は、動力源と動力源に接続された自動変速機とを備えた車両を制御する。この自動変速機を含む動力伝達経路にはワンウェイクラッチが介設されており、このワンウェイクラッチは、自動変速機の入力側から動力が入力されるときにロックし、自動変速機の出力側から動力が入力されるときに空転する構造を有する。車両の制御装置は、ワンウェイクラッチの前後の回転数差を検知するための回転数検知手段と、検知された回転数に基づいて、車両がホイルスピン状態であるか否かを判断するための判断手段と、ホイルスピン状態であることを検知すると、出力を低下するように動力源を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、ワンウェイクラッチ(一方向クラッチ)の前後の回転数差が、たとえば、大きく変動していると、車両がホイルスピンしていると判断されて、動力源の出力が低下される。このため、自動変速機の入力側の動力が減じられるので、ワンウェイクラッチののコマ(ローラやスプラグ)が異常に揺動することを回避できる。このような構成であるために特別な機構を有する必要もない。その結果、ホイルスピンが発生したときに、安価でワンウェイクラッチの耐久性を悪化させることがない、車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、判断手段は、回転数差の変動が大きいと、車両がホイルスピン状態であると判断するための手段を含む。
第2の発明によると、ワンウェイクラッチの前後の回転数差が、大きく変動していると(振動周期が大きい、振動幅が大きい)、車両がホイルスピンしていると判断することができる。
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、制御手段は、動力源の出力を徐変させて低下するように動力源を制御するための手段を含む。
第3の発明によると、動力源の出力を徐変させて低下するための、動力源の急激な出力低下によるショックの発生を回避できる。
第4の発明に係る車両の制御装置は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、出力を低下するように動力源を制御した後に、出力を徐変させて上昇するように動力源を制御するための手段をさらに含む。
第4の発明によると、車両がホイルスピンしている状態でなくなっても、動力源の出力を徐変させて上昇するための、再度ホイルスピンすること可能性を低下せしめることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両について説明する。この車両は、FF(Front engine Front drive)車両である。なお、FF以外の車両であってもよい。
車両は、エンジン1000と、オートマチックトランスミッション2000と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成するプラネタリギヤユニット3000と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成する油圧回路4000と、ディファレンシャルギヤ5000と、ドライブシャフト6000と、前輪7000と、ECU(Electronic Control Unit)8000とを含む。
エンジン1000は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。
オートマチックトランスミッション2000は、トルクコンバータ3200を介してエンジン1000に連結される。オートマチックトランスミッション2000は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。
オートマチックトランスミッション2000の出力ギヤは、ディファレンシャルギヤ5000と噛合っている。ディファレンシャルギヤ5000にはドライブシャフト6000がスプライン嵌合などによって連結される。ドライブシャフト6000を介して、左右の前輪7000に動力が伝達される。
ECU8000には、車速センサ8002と、シフトレバー8004のポジションスイッチ8006と、アクセルペダル8008のアクセル開度センサ8010と、ブレーキペダル8012のストロークセンサ8014と、電子スロットルバルブ8016のスロットル開度センサ8018と、エンジン回転数センサ8020と、入力軸回転数センサ8022と、出力軸回転数センサ8024とがハーネスなどを介して接続されている。
車速センサ8002は、ドライブシャフト6000の回転数から車両の速度を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。シフトレバー8004の位置は、ポジションスイッチ8006により検知され、検知結果を表す信号がECU8000に送信される。シフトレバー8004の位置に対応して、オートマチックトランスミッション2000のギヤ段が自動で形成される。また、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択できるように構成してもよい。
アクセル開度センサ8010は、アクセルペダル8008の開度を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。ストロークセンサ8014は、ブレーキペダル8012のストローク量を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。
スロットル開度センサ8018は、アクチュエータにより開度が調整される電子スロットルバルブ8016の開度を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。電子スロットルバルブ8016により、エンジン1000に吸入される空気量(エンジン1000の出力)が調整される。
エンジン回転数センサ8020は、エンジン1000の出力軸(クランクシャフト)の回転数を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。入力軸回転数センサ8022は、オートマチックトランスミッション2000の入力軸回転数NIを検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。出力軸回転数センサ8024は、オートマチックトランスミッション2000の出力軸回転数NOUTを検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。なお、オートマチックトランスミッション2000の入力軸回転数NIは、後述するトルクコンバータ3200のタービン回転数NTである。
ECU8000は、車速センサ8002、ポジションスイッチ8006、アクセル開度センサ8010、ストロークセンサ8014、スロットル開度センサ8018、エンジン回転数センサ8020、入力軸回転数センサ8022、出力軸回転数センサ8024などから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態において、ECU8000は、シフトレバー8004がD(ドライブ)ポジションであるときに、別途定められた変速線図に従って自動的に1速〜6速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されるように、オートマチックトランスミッション2000を制御する。1速〜6速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されることにより、オートマチックトランスミッション2000は前輪7000に駆動力を伝達し得る。
図2を参照して、プラネタリギヤユニット3000について説明する。プラネタリギヤユニット3000は、クランクシャフトに連結された入力軸3100を有するトルクコンバータ3200に接続されている。プラネタリギヤユニット3000は、遊星歯車機構の第1セット3300と、遊星歯車機構の第2セット3400と、出力ギヤ3500と、ギヤケース3600に固定されたB1ブレーキ3610、B2ブレーキ3620およびB3ブレーキ3630と、C1クラッチ3640およびC2クラッチ3650と、ワンウェイクラッチF3660とを含む。
第1セット3300は、シングルピニオン型の遊星歯車機構である。第1セット3300は、サンギヤS(UD)3310と、ピニオンギヤ3320と、リングギヤR(UD)3330と、キャリアC(UD)3340とを含む。
サンギヤS(UD)3310は、トルクコンバータ3200の出力軸3210に連結されている。ピニオンギヤ3320は、キャリアC(UD)3340に回転自在に支持されている。ピニオンギヤ3320は、サンギヤS(UD)3310およびリングギヤR(UD)3330と噛合している。
リングギヤR(UD)3330は、B3ブレーキ3630によりギヤケース3600に固定される。キャリアC(UD)3340は、B1ブレーキ3610によりギヤケース3600に固定される。
第2セット3400は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。第2セット3400は、サンギヤS(D)3410と、ショートピニオンギヤ3420と、キャリアC(1)3422と、ロングピニオンギヤ3430と、キャリアC(2)3432と、サンギヤS(S)3440と、リングギヤR(1)(R(2))3450とを含む。
サンギヤS(D)3410は、キャリアC(UD)3340に連結されている。ショートピニオンギヤ3420は、キャリアC(1)3422に回転自在に支持されている。ショートピニオンギヤ3420は、サンギヤS(D)3410およびロングピニオンギヤ3430と噛合している。キャリアC(1)3422は、出力ギヤ3500に連結されている。
ロングピニオンギヤ3430は、キャリアC(2)3432に回転自在に支持されている。ロングピニオンギヤ3430は、ショートピニオンギヤ3420、サンギヤS(S)3440およびリングギヤR(1)(R(2))3450と噛合している。キャリアC(2)3432は、出力ギヤ3500に連結されている。
サンギヤS(S)3440は、C1クラッチ3640によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。リングギヤR(1)(R(2))3450は、B2ブレーキ3620により、ギヤケース3600に固定され、C2クラッチ3650によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。また、リングギヤR(1)(R(2))3450は、ワンウェイクラッチF3660に連結されており、1速ギヤ段の駆動時に回転不能となる。
ワンウェイクラッチF3660は、B2ブレーキ3620と並列に設けられる。すなわち、ワンウェイクラッチF3660のアウターレースはギヤケース3600に固定され、インナーレースはリングギヤR(1)(R(2))3450に回転軸を介して連結される。
図3に、各変速ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表を示す。この作動表に示された組み合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより、1速〜6速の前進ギヤ段と、後進ギヤ段が形成される。
図3に示すように、C1クラッチ3640は、1速ギヤ段〜4速ギヤ段のすべてのギヤ段において係合される。すなわち、C1クラッチ3640は、1速ギヤ段〜4速ギヤ段における入力クラッチであるといえる。C2クラッチ3650は、5速ギヤ段〜6速ギヤ段において係合される。すなわち、C2クラッチ3650は、5速ギヤ段〜6速ギヤ段における入力クラッチであるといえる。
このような構成において、本実施の形態においては、1stでの発進時において車両の駆動輪がホイルスピンしても、ワンウェイクラッチF3660の耐久性を悪化させることのないように、エンジン1000の出力を調整する。
図4を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000が実行するプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU8000は、1速(1st)かつアクセルペダルが踏まれたアクセルON状態であるか否かを判定する。1速(1st)かつアクセルペダルが踏まれたアクセルON状態であると(S100にてYES)、処理はS200へ移される。もしそうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。
S200にて、ECU8000は、タービン回転数NTを検知する。S300にて、ECU8000は、1速同期回転数N(1)を算出する。S400にて、ECU8000は、(タービン回転数NT−1速同期回転数N(1))により算出される回転数差をワンウェイクラッチ(OWC)回転数Nとして算出する。
S500にて、OWC回転数Nの変動を算出して、その変動が予め設定されたしきい値(振動幅、振動周期)を越えているか否かを判断する。OWC回転数Nの変動が予め設定されたしきい値(振動幅、振動周期)を越えていると(S500にてYES)、処理はS600へ移される。もしそうでないと(S500にてNO)、この処理は終了する。
S600にて、変速指令は、1速(1st)の状態が維持されているか否かを判断する。変速指令は、1速(1st)の状態が維持されていると(S600にてYES)、処理はS700へ移される。もしそうでないと(S600にてNO)、この処理は終了する。
S700にて、ECU8000は、エンジン1000の電子スロットルバルブ8016を予め定められた開度まで閉じて、エンジン1000の出力を低下させる。このとき、急変させることによるショックを回避するためにステップ状に低下させるのではなく、ランプ状に低下させることが好ましい。ただし、本実施の形態においてステップ状に低下させることを除外するものではない。
S800にて、ECU8000は、エンジン1000の電子スロットルバルブ8016を予め定められた開度まで閉じてから、予め定められた時間が経過したか否かを判断する。予め定められた時間が経過したと判断されると(S800にてYES)、処理はS900へ移される。もしそうでないと(S800にてNO)、予め定められた時間が経過するまでS900の処理を待つ。
S900にて、ECU8000は、電子スロットルバルブ8016をスイープアップして、元の開度まで戻す。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000により制御されるホイルスピン時のワンウェイクラッチの耐久性の悪化を防止する動作について、図5を参照して説明する。図5の上側に従来技術を、図5の下側に本発明技術を、それぞれ示す。
従来技術においては、1速かつアクセルONの状態であるときに、ステップ状に開かれたアクセルペダル開度に対応するように電子スロットル8016の開度をステップ状に開いていた。このため、エンジン1000の出力が上昇するため、ホイルスピンが発生して、OWC回転数Nの振動幅や振動周期が設定値を越えてしまい、ホイルスピンによる車両の振動が大きくなり、ワンウェイクラッチF3660が破損する可能性があった。
一方、本発明技術においては、1速かつアクセルONの状態であるときに、(S100にてYES)、ステップ状にアクセルペダルが開かれると一旦はステップ状に電子スロットルバルブ8016を開くものの(時刻t(0))、OWC回転数Nの変動が大きくかつ1速指令の状態を維持していると(S500にてYESかつS600にてYES)、アクセルペダル開度に対応するのではなく、電子スロットル8016の開度を絞って、エンジン1000の出力を低下せしめている(S700)。これが時刻t(1)から時刻t(2)に対応する。これにより、エンジン1000の出力が低下させるので、ホイルスピンが抑制されて、ワンウェイクラッチF3660の回転数が大きく変動することが回避できる。このため、ワンウェイクラッチF3660のコマ(ローラやスプラグ)が異常に揺動しないので、変速機の耐久性を悪化させる可能性が減じられる。
なお、予め定められた時間である(時刻t(1)から時刻t(2)までの時間)が経過すると(S800にてYES)、OWC回転数Nの変動が大きくなくなるので、電子スロットルバルブ8016の開度を緩やかに上昇せしめて(スイープアップさせて)、ショックの発生を回避できる。
なお、S800においては、時間の経過に基づいて判断するのではなく、OWC回転数Nの変動に基づいて判断するようにしてもよい。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置によると、TRC等の駆動力制御システムを採用することなく、ホイルスピンを抑制して、車両の発進時に係合状態となるワンウェイクラッチの耐久性の悪化を回避できる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1000 エンジン、2000 オートマチックトランスミッション、3000 プラネタリギヤユニット、3100 入力軸、3200 トルクコンバータ、3210 出力軸、3610 B1ブレーキ、3620 B2ブレーキ、3630 B3ブレーキ、3640 C1クラッチ、3650 C2クラッチ、3660 ワンウェイクラッチF、4000 油圧回路、8000 ECU、8002 車速センサ、8004 シフトレバー、8006 ポジションスイッチ、8008 アクセルペダル、8010 アクセル開度センサ、8012 ブレーキペダル、8014 ストロークセンサ、8016 電子スロットルバルブ、8018 スロットル開度センサ、8020 エンジン回転数センサ、8022 入力軸回転数センサ、8024 出力軸回転数センサ。
Claims (4)
- 動力源と前記動力源に接続された自動変速機とを備えた車両の制御装置であって、前記自動変速機を含む動力伝達経路にはワンウェイクラッチが介設され、前記ワンウェイクラッチは、前記自動変速機の入力側から動力が入力されるときにロックし、前記自動変速機の出力側から動力が入力されるときに空転し、
前記ワンウェイクラッチの前後の回転数差を検知するための回転数検知手段と、
前記検知された回転数に基づいて、車両がホイルスピン状態であるか否かを判断するための判断手段と、
前記ホイルスピン状態であることを検知すると、出力を低下するように前記動力源を制御するための制御手段とを含む、車両の制御装置。 - 前記判断手段は、前記回転数差の変動が大きいと、車両がホイルスピン状態であると判断するための手段を含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記制御手段は、動力源の出力を徐変させて低下するように前記動力源を制御するための手段を含む、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
- 前記制御装置は、出力を低下するように前記動力源を制御した後に、出力を徐変させて上昇するように前記動力源を制御するための手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の制御装置。
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