JP2007018743A - 正極活物質およびその製造方法、並びに電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 正極21は、Li1+x Co1-y My O2-z で表される複合酸化物粒子に、LiとNi,Mnのうちの少なくとも一方とを含む酸化物よりなる被覆層が設けられた正極活物質を含んでいる。MはMg,Al,B,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Ni,Cu,Zn,Mo,Sn,W,Zr,Y,Nb,Ca,Srのうちの少なくとも1種、−0.10≦x≦0.10、0≦y<0.50、−0.10≦z≦0.20である。被覆層の上には、更に、Alを含む酸化物よりなる表面層が形成されている。
【選択図】 図2
Description
(化1)
Li(1+x) Co(1-y) My O(2-z)
(化1において、Mはマグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ホウ素(B),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),スズ(Sn),タングステン(W),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),ニオブ(Nb),カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)からなる群のうちの少なくとも1種であり、x,yおよびzは、それぞれ−0.10≦x≦0.10、0≦y<0.50、−0.10≦z≦0.20の範囲内の値である。)
Li(1+x) Co(1-y) My O(2-z)
化1において、Mはマグネシウム,アルミニウム,ホウ素,チタン,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,ニッケル,銅,亜鉛,モリブデン,スズ,タングステン,ジルコニウム,イットリウム,ニオブ,カルシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種である。
図2は本実施の形態に係る正極活物質を用いた第1の二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、電極反応物質としてリチウムを用い、負極の容量が、リチウムの吸蔵および放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池である。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、一対の帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11の内部には、液状の電解質である電解液が注入されており、セパレータ23に含浸されている。電池缶11は、例えばニッケルのめっきがされた鉄により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、また、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
図4は本実施の形態に係る正極活物質を用いた第2の二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものであり、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。
平均組成がLi1.03CoO2.02、レーザー散乱法により測定した平均粒子径が13μm、比表面積が0.3m2 /gの複合酸化物粒子20質量部を、80℃、2規定(水素イオン指数pH14.3)の水酸化リチウム水溶液300質量部に1時間撹拌して分散させた。次いで、この分散溶液に、硝酸ニッケル(Ni(NO3 )2 ・6H2 O)1.67質量部と、硝酸マンガン(Mn(NO3 )2 ・6H2 O)0.83質量部とを、10質量部の純水に溶解させた水溶液を2時間かけて添加し、ニッケルとマンガンとを含む水酸化物の被覆前駆層を形成した(ステップS110;図1参照)。その際の水酸化リチウム水溶液の水素イオン指数pHは14.2である。
硝酸ニッケルの添加量を3.33質量部、硝酸マンガンの添加量を3.30質量部、硝酸アルミニウムの添加量を0.80質量部、リチウム量を調節するために含浸させる2Nの水酸化リチウム水溶液の量を5質量部とし、硝酸ニッケルおよび硝酸マンガンを添加する際に溶解させる純水の量を20質量部としたことを除き、他は実施例1と同様にして正極活物質を作製した。
硝酸ニッケルの添加量を3.33質量部、硝酸マンガンの添加量を1.65質量部、硝酸アルミニウムの添加量を0.80質量部、リチウム量を調節するために含浸させる2Nの水酸化リチウム水溶液の量を4質量部とし、硝酸ニッケルおよび硝酸マンガンを添加する際に溶解させる純水の量を20質量部としたことを除き、他は実施例1と同様にして正極活物質を作製した。
硝酸ニッケルを添加しなかったことを除き、他は実施例1と同様にして正極活物質を作製した。
実施例1〜4とと同一ロットの複合酸化物粒子をそのまま正極活物質とした。
(比較例2)
硝酸アルミニウムを添加せず、表面前駆層を形成しなかったことを除き、他は実施例1と同様にして正極活物質を作製した。
(比較例3)
硝酸ニッケルおよび硝酸アルミニウムを添加しなかったことを除き、他は実施例1と同様にして正極活物質を作製した。すなわち、表面前駆層を形成しなかったことを除き、実施例4と同一である。
Claims (20)
- 平均組成がLi(1+x) Co(1-y) My O(2-z) (但し、Mはマグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ホウ素(B),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),スズ(Sn),タングステン(W),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),ニオブ(Nb),カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)からなる群のうちの少なくとも1種であり、x,yおよびzは、それぞれ−0.10≦x≦0.10、0≦y<0.50、−0.10≦z≦0.20の範囲内の値である。)で表される複合酸化物粒子と、
この複合酸化物粒子の少なくとも一部に設けられ、リチウム(Li)と、ニッケルおよびマンガンのうちの少なくとも一方の被覆元素とを含む酸化物よりなる被覆層と、
この被覆層の少なくとも一部に設けられ、アルミニウムを含む酸化物よりなる表面層と
を備えたことを特徴とする正極活物質。 - 前記被覆層におけるニッケルとマンガンとの組成比は、ニッケル:マンガンのモル比で、100:0から30:70の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の正極活物質。
- 前記被覆層の酸化物は、更に、マグネシウム,アルミニウム,ホウ素,チタン,バナジウム,クロム,鉄,コバルト(Co),銅,亜鉛,モリブデン,スズ,タングステン,ジルコニウム,イットリウム,ニオブ,カルシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1記載の正極活物質。
- 前記被覆層の量は、前記複合酸化物粒子の0.5質量%以上50質量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の正極活物質。
- 前記表面層の酸化物は、更に、マグネシウム,ホウ素,チタン,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅,亜鉛,モリブデン,スズ,タングステン,ジルコニウム,イットリウム,ニオブ,カルシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1記載の正極活物質。
- 前記表面層におけるアルミニウムの量は、前記複合酸化物粒子の表面積1m2 当たり1.0×10-5mol以上1.0×10-2mol以下の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の正極活物質。
- 平均粒子径は2.0μm以上50μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の正極活物質。
- 平均組成が化1で表される複合酸化物粒子の少なくとも一部に、ニッケルおよびマンガンのうちの少なくとも一方の被覆元素を含む水酸化物の被覆前駆層を形成する工程と、
被覆前駆層を形成したのち、前記複合酸化物粒子の少なくとも一部に、アルミニウムを含む表面前駆層を形成する工程と、
表面前駆層を形成したのち、加熱処理することにより、前記複合酸化物粒子の少なくとも一部に、リチウム(Li)と被覆元素とを含む酸化物よりなる被覆層、およびアルミニウムを含む酸化物よりなる表面層を形成する工程と
を含むことを特徴とする正極活物質の製造方法。
(化1)
Li(1+x) Co(1-y) My O(2-z)
(化1において、Mはマグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ホウ素(B),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),スズ(Sn),タングステン(W),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),ニオブ(Nb),カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)からなる群のうちの少なくとも1種であり、x,yおよびzは、それぞれ−0.10≦x≦0.10、0≦y<0.50、−0.10≦z≦0.20の範囲内の値である。) - 前記被覆前駆層は、水素イオン指数pHが12以上の水溶液中において形成することを特徴とする請求項8記載の正極活物質の製造方法。
- 前記水溶液に水酸化リチウムを添加することを特徴とする請求項9記載の正極活物質の製造方法。
- 前記被覆前駆層は、前記複合酸化物粒子を分散させた水素イオン指数pHが12以上の水溶液に被覆元素の化合物を添加することにより形成する
ことを特徴とする請求項9記載の正極活物質の製造方法。 - 前記表面前駆層は、水素イオン指数pHが12以上の水溶液中においてアルミニウムを含む水酸化物を析出させることにより形成することを特徴とする請求項8記載の正極活物質の製造方法。
- 正極および負極と共に、電解質を備えた電池であって、
前記正極は、複合酸化物粒子の少なくとも一部に被覆層が設けられた正極活物質を含有し、
前記複合酸化物粒子は、平均組成がLi(1+x) Co(1-y) My O(2-z) (但し、Mはマグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ホウ素(B),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),スズ(Sn),タングステン(W),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),ニオブ(Nb),カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)からなる群のうちの少なくとも1種であり、x,yおよびzは、それぞれ−0.10≦x≦0.10、0≦y<0.50、−0.10≦z≦0.20の範囲内の値である。)で表され、
前記被覆層は、リチウム(Li)と、ニッケルおよびマンガンのうちの少なくとも一方の被覆元素とを含む酸化物よりなり、
この被覆層の少なくとも一部には、アルミニウムを含む酸化物よりなる表面層が設けられた
ことを特徴とする電池。 - 前記被覆層におけるニッケルとマンガンとの組成比は、ニッケル:マンガンのモル比で、100:0から30:70の範囲内であることを特徴とする請求項13記載の電池。
- 前記被覆層の酸化物は、更に、マグネシウム,アルミニウム,ホウ素,チタン,バナジウム,クロム,鉄,コバルト(Co),銅,亜鉛,モリブデン,スズ,タングステン,ジルコニウム,イットリウム,ニオブ,カルシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項13記載の電池。
- 前記被覆層の量は、前記複合酸化物粒子の0.5質量%以上50質量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項13記載の電池。
- 前記表面層の酸化物は、更に、マグネシウム,ホウ素,チタン,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅,亜鉛,モリブデン,スズ,タングステン,ジルコニウム,イットリウム,ニオブ,カルシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項13記載の電池。
- 前記表面層におけるアルミニウムの量は、前記複合酸化物粒子の表面積1m2 当たり1.0×10-5mol以上1.0×10-2mol以下の範囲内であることを特徴とする請求項13記載の電池。
- 前記正極活物質の平均粒子径は、2.0μm以上50μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項13記載の電池。
- 前記正極活物質は、前記複合酸化物粒子の少なくとも一部に、被覆元素を含む水酸化物の被覆前駆層を形成したのち、アルミニウムを含む表面前駆層を形成し、これを加熱処理することにより得られたものであることを特徴とする請求項13記載の電池。
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