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JP2007014241A - 循環型畜産農法 - Google Patents

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JP2007014241A JP2005197310A JP2005197310A JP2007014241A JP 2007014241 A JP2007014241 A JP 2007014241A JP 2005197310 A JP2005197310 A JP 2005197310A JP 2005197310 A JP2005197310 A JP 2005197310A JP 2007014241 A JP2007014241 A JP 2007014241A
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Abstract

【課題】 畜産業と農業を有機的に結合させた循環型畜産農法を提供する。
【解決手段】 サトウキビの搾り殻であるバガスを、微生物を使って発酵・分解させて飼料とし、この発酵バガス飼料を家畜に給与し、この家畜の糞を堆肥とし、この堆肥を有機肥料として農作地に投入し、この農作地で作物を栽培する。
【選択図】 なし

Description

この発明は、サトウキビから糖を搾った後の残り殻(バガス)を、微生物を使って発酵・分解させて飼料化し、この発酵バガス飼料を家畜(例えば、牛)に給与し、この家畜の糞(例えば、牛糞)を堆肥とし、この堆肥を有機肥料として農作地(以下、畑という)に投入して土壌の良質化、再生を図ると共に土壌汚染を防止し、この畑で作物を栽培する循環型畜産農法に関する。
サトウキビの搾り殻であるバガスは、粗繊維が主体であり、反すう動物である牛などの飼料として注目されているが、不良消化物としてのリグニンを含有する。リグニンは網状高分子化合物で分解されにくく、牛などの胃中で消化率を低下させたり、胃壁を損傷させたりする課題がある。そこでバガスを家畜の飼料とするためには、リグニンを分解し消化を促進させる技術が要求される。このような技術として、微生物を使って発酵させリグニンを分解してバガスを飼料化する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、畜産業における排泄物・廃棄物(以下、家畜糞という)は、堆肥として農作物の肥料に使用され処理されているが、その使用量は多量に発生する家畜糞の一部にすぎない。大部分は素堀投棄、野積み等の不適正な処理が行なわれていた。そのため流域汚染、悪臭問題、日本全土で問題になった〇−157などの病原性大腸菌、クリプトシポリジウムによる水質汚染など、畜産の土壌・環境汚染が深刻な問題となっている。家畜糞の悪臭を防止する消臭方法としては、従来、マスキング法、化学的消臭方法、物理的消臭方法、生物学的消臭方法等が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特公昭53−42710号公報(特許請求の範囲) 特許第3040234号公報(請求項10、段落番号0008、0028)
畜産業および農産業は、例えば、発酵バガス飼料の給与により健康な牛(乳牛・肉牛)が飼養され、これらの牛から栄養価が高く品質が良い美味しい生乳、牛肉が生産され、さらに排泄物である家畜糞が堆肥とされ、この堆肥を有機肥料として農作地に投入して農作物(例えば、野菜)を栽培する、というように密接な関係をもって循環する。
しかるに、従来の農業においては生産力向上をモットーに畑には多量の無機化学肥料と農薬が使用されてきた。そのため畑の土壌は硬くなり畑作物の発育不良、品質の低下を招き、また、植物の病原菌が農薬に対して抵抗力を高め、病原菌による作物障害も発生しており、さらには酸性化の土壌汚染まで及んでいる。そこで、最近は有機肥料に切り替えてはいるが、家畜糞の堆肥は悪臭を放つために敬遠され、また、病原性真菌増殖の温床となったりして病気が多く見られ、使用量の増加が図れないでいる。このことが畜産の土壌・環境汚染の一因でもある
しかし、畜産業と農作業が密接な関係をもって循環していることに鑑みれば、家畜に給与する飼料によってその家畜糞の堆肥が悪臭も少なく短期間で消臭すると共に、病原性真菌増殖の温床となることもなく作物の病気の発生も少なく畑の土壌改善に役立つものとなれば、循環型畜産農法が可能となり、前記したような従来の課題は全て解決できるはずである。
そこで、本発明者らは、飼料が家畜に与える影響、飼料と家畜糞との関係、飼料によって家畜糞の堆肥が畑の作物に影響するのか、等を鋭意研究の結果、家畜に発酵バガスを飼料として給与すると、その家畜糞の堆肥は、悪臭も少なく短期間で消臭し、畑に投入しても病原性真菌増殖の温床となることもなく、作物の病気の発生も少なく、土壌改善にも有効であることを見い出しこの発明を完成したものである。
前記課題を解決するため、この発明の循環型畜産農法は、サトウキビの搾り殻であるバガスを、微生物を使って発酵・分解させて飼料とし、この発酵バガス飼料を家畜に給与し、この家畜の糞を堆肥とし、この堆肥を有機肥料として農作地に投入し、この農作地で作物を栽培することを特徴とする。
発酵バガス飼料は、乳牛、肉牛に給与するとリグニンを分解させる酵素が作用して、ルーメン内発酵、消化・吸収を促す。これにより牛などの胃中で消化率が低下したり、胃壁を損傷させたりすることがなく、給与されたバガス飼料は、胃中(ルーメン内)で発酵、消化・吸収される。この栄養分摂取により高い泌乳能力、良質な乳質・乳成分、サシが増加し風味の向上した良質な牛肉、高い繁殖力が可能となり、また、消化・吸収されなかった部分は家畜糞として排泄される。この家畜糞は、胃中での消化・吸収が高いため糞のしまりがよく、悪臭が少なく、発酵促進により短期間で消臭する。堆肥としても酵素が残存するため早く完熟すると共に、畑に投入すると、土壌内微生物に活力を与え、土壌を再生する。即ち、畑に投入しても病原性真菌増殖の温床となることもなく、作物の病気の発生も極めて少なく土壌を改善する。さらに、この堆肥を投入した畑で栽培した作物は、発育が良好で品質の高いものとなる。例えば、イチゴでは株が長持ちし収量も増大し、品質も向上し、メロンやスイカでは株のバラツキが少なく、糖度もよくなり味のバラツキも極めて少なくなる。また、馬鈴薯では、根腐れ病などの作物障害もほとんど発生しない。
バガスを発酵・分解させる微生物としては、繊維分解菌、硝安化成菌、澱粉糖化菌、蛋白分解菌、及びリグニナーゼ生産性ペニシリウム属菌からなる混合菌、またはバチルス属微生物を挙げることができ、バチルス属微生物としてバチルス・サブチルス FERM BP−3418株(以下、単にBP−3418株と称す。)およびアフラトキシン分解性を有するバチルス・サブチルスDB9011株(以下、単にDB9011株と称す。)を挙げることができる。
混合菌はバガスの硬質繊維葉茎を発酵基質として利用するのであるが、この発酵段階においてセルラーゼ、ペクチナーゼ、リグニナーゼ、ヘミセルラーゼ等が生産され分解困難なリグニンをも分解し、これが高蛋白化され消化率のよい発酵バガス飼料となる。
また、DB9011株およびBP−3418株は家畜(例えば、牛)の胃中(消化管内)において、有害な細菌の増殖を阻害し、これに代わって増殖し、バガス中に含まれるリグニンを分解し、消化率をアップさせる。
なお、この発明の発酵バガス飼料とは、バガスを微生物(例えば、混合菌、BP−3418株、DB9011株)を使って発酵・分解させた飼料だけでなく、これに他の飼料材、例えば、フスマ、ヌカ、しょうちゅう粕、甘蔗糖蜜、ビール粕、アルコール粕、等を配合したものも包含する。また、この発明の堆肥とは、発酵バガス飼料を給与した家畜糞だけでなく、この家畜糞に他の材料、例えば、おがくず等を混合したものも包含する。
この発明の循環型畜産農法によれば、次のような効果を奏する。
(1)発酵バガス飼料の給与により健康な家畜(例えば、乳牛、肉牛)が飼養され、これらの家畜から栄養価が高く品質のよい生産物(例えば、生乳、牛肉)が生産され、この発酵バガス飼料を給与した家畜の糞が堆肥とされ、この堆肥が有機肥料として畑に投入され、この畑で農産物が栽培され、品質のよい農産物が収穫される、という循環型の畜産農法が可能となる。
(2)このときの発酵バガス飼料は、バガスが微生物(混合菌、BP−3418株、DB9011株)で発酵・分解され、消化管内(胃中)でリグニンを分解可能とし消化率をアップさせたものである。バガスは粗繊維が主体であり、特に牛などの反すう動物では、リグニンを分解させる酵素と相俟って胃中で発酵が促進され、有効な発酵菌が増殖される。従って、リグニンを分解し消化率がアップした発酵バガス飼料は、胃壁を損傷することなく、給与された家畜(例えば、牛)の消化管内(胃中)において発酵、消化・吸収される。これにより健康な家畜(例えば、牛)が飼養され、栄養価の高い品質のよい生産物が生産される。例えば、乳牛であれば、泌乳能力が高くなり、良好な乳質・乳成分の生乳が生産され、肉牛であればサシの入った良質な肉が生産され、いずれも繁殖力は向上する。
(3)発酵バガス飼料は、微生物(混合菌、BP−3418株、DB9011株)が消化管内(胃中)において有害な細菌の増殖を阻害しこれに代わって増殖し、発酵、消化・吸収を促すが、発酵バガス飼料を給与した家畜糞は、消化・吸収されなかった粗繊維、微生物を多量に含有するし、消化管内での消化・吸収が高いため糞のしまりがよい。そのため悪臭が少なく発酵促進により短期間で消臭する。
(4)堆肥としても酵素が残存するため早く完熟すると共に、畑に投入すると土壌内微生物に活力を与え、病原性真菌増殖の温床となることもなく、作物の病気の発生要因となることもない肥沃の土壌に改善する。
(5)発酵バガス飼料を給与した家畜糞の堆肥は悪臭を放ったり、作物の病気の発生要因となることもないので、使用量の増大を図ることができる。それにより家畜糞は、堆肥としての利用価値が向上し、使用量が増大するため、大部分は堆肥として処理することが可能となり、従来のように悪臭を放ったり、素堀投棄や野積み等の不適正な処理もなくなるので、流域汚染、悪臭問題、水質汚染などの畜産の土壌・環境汚染も防止できるものである。
(6)発酵バガス飼料を給与した家畜糞の堆肥を投入した畑で栽培した作物は、発育が良好で品質が向上する。当然にこの堆肥は牧草地に投入してもよく、この場合は牧草が良好となり、この牧草飼料より家畜の発育も良好となる。
この発明の循環型畜産農法では、まず、サトウキビの搾り殻(粕)であるバガスを、微生物を使って発酵・分解させて発酵バガス飼料とする。前記微生物は、その酵素がバガスが含有するリグニンを分解する発酵をするものであり、代表例として繊維分解菌、硝安化成菌、澱粉糖化菌、蛋白分解菌、及びリグニナーゼ生産性ペニシリウム属菌からなる混合菌(以下、単に混合菌と称す。)、またはバチルス属微生物を挙げることができ、バチルス属微生物としてバチルス・サブチルス FERM BP−3418株(以下、単にBP−3418株と称す。)およびアフラトキシン分解性を有するバチルス・サブチルスDB9011株(以下、単にDB9011株と称す。)を挙げることができる。バチルス属微生物としては、商品名「バクトクリアー」(株式会社エー・エイチ・シー製)が市販されている。混合菌、BP−3418株およびDB9011株は、発酵段階においてバガス中に含まれるリグニンを分解する。また、胃中(消化管内)において有害な細菌の増殖を阻害し、これに代わって増殖する。
この発酵バガス飼料は、バガスのリグニンを分解する微生物由来の酵素で処理した粗飼料であるが、この発酵バガス飼料は、配合飼料、濃厚飼料等として使用されている飼料材が配合されていてもよい。この配合する飼料材としては、フスマ、ヌカ、焼酎粕、甘蔗糖蜜、ビール粕、アルコール粕などを例示できる。
発酵バガス飼料は、実際には、混合菌やDB9011株、BP−3418株を培養させ、この培養菌をバガスに接種し所定時間培養させて完成する。このバガスに接種してからの培養時間は、各種の酵素が生成される点で24時間以上が好ましい。
次に、前記発酵バガス飼料を家畜、例えば、牛に給与する。発酵バガス飼料は、胃内においてリグニン分解酵素によりバガスに含有するリグニンも分解されるため胃壁を損傷することもなく、かつ、ミネラル及び酢酸の生成にかかわる繊維を多く含むため牛のルーメン(胃)で酢酸が生成されpHが維持され、繊毛が発達し、消化性が向上し、消化産物の吸収効率も向上する(従来は、濃厚飼料過多となりルーメン内が極端に酸性になりルーメン内壁の多くの繊毛が欠損していた。)。結果として健康な胃となり、乳牛では乳質の向上、乳量のアップがみられ、肉牛ではサシの増加等による肉質の向上、風味の向上がみられると共に、牛の乳房炎や繁殖障害なども解消する。
次に、発酵バガス飼料を給与した家畜、例えば牛の排泄物(家畜糞)を堆肥とする。発酵バガス飼料を給与した家畜糞は、消化管内(胃中)での消化・吸収が高く、粗繊維が多いために糞のしまりがよく、悪臭が少なく、しかも、胃中に増殖された発酵菌を多く含有するため発酵が促進され、短期間で消臭する。そのため悪臭を放つ問題も影響を少なくすることができる。
また、発酵バガス飼料を給与した家畜糞は、堆肥とすると糞のしまりがよく粗繊維が多く酵素が残存するため早く完熟する。そして、この堆肥は、酵素が残存するため、畑に投入すると土壌内微生物に活力を与え増殖し、有害な細菌(例えば、病原性真菌)の増殖を阻害する。また、病原性真菌増殖の温床となることも、作物の病気の発生要因となることもない。
次に、前記堆肥を有機肥料として農作地に投入する。土壌中の微生物は、投入された堆肥、植物の葉や生物の死がい等を分解することで農作物(植物)に栄養を供給する。投入した堆肥は、前記のように土壌内微生物に活力を与え増殖が促進されるので、肥沃の土壌となる。投入された堆肥は、土壌中の微生物や小動物の餌となり、そこに含まれていた窒素、カリ、リン酸やその他ミネラルは、最終的に農作物(植物)に吸収される。
また、従来のような多量の無機化学肥料が使用され、畑の土壌が硬くなり畑作物の発育不良、品質の低下を招き、病原菌による作物障害が発生する農作地(土壌)であっても、発酵バガス飼料を給与した家畜糞の堆肥をその農作地に投入することによって、土壌内微生物に活力を与え、病原性真菌増殖の温床となることもなく、作物障害も発生しない肥沃な土壌に改善する。
最後に、発酵バガス飼料を給与した家畜糞の堆肥を投入した農作地(畑)で、農作物を栽培する。この堆肥が投入された農作地は、土壌内微生物に活力を与え増殖し、有害な細菌(例えば、病原性真菌)の増殖を阻害する土壌となり、土壌中の微生物は、投入された堆肥、植物の葉や生物の死がい等を分解することで農作物に栄養を供給する。即ち、投入された堆肥は、土壌中の微生物や小動物の餌となり、そこに含まれていた窒素、カリ、リン酸やその他のミネラルは、最終的に農作物に吸収される。従って、この堆肥が投入された農作地で栽培する農作物は、作物障害の発生もなく、発育が良好で品質の高いものとなる。例えば、イチゴ栽培では株が長持ちし収量が増大するし、甘みも増す等の品質も向上する。メロンやスイカの栽培では株のバラツキが少なく、糖度もよくなり味のバラツキも極めて少なくなる。また馬鈴薯では、根腐れ病などの作物障害もほとんど発生しない。
前記農作物としては、牧草やサトウキビも含むため、栽培された牧草やサトウキビ(発酵バガスとして)は、家畜、例えば牛に飼料として給与される。その意味で畜産と農業が循環する格好となるため、この発明では循環型畜産農法と称している。次に実施例を挙げて説明する。
米ヌカ20kgに37℃前後の温湯を注ぎ撹拌し、水分70%程度のヌカ液に仕上げ、このヌカ液に混合菌20gを接種し、略12時間培養し、中種子を得る。次に、バガス70kgに焼酎粕20kgを配合し、これに前記中種子1kgを接種し、約24時間培養し、発酵バガス飼料を得た。前記いずれの接種と培養もpH4.0〜5.5に保ち、30℃〜45℃の雰囲気中で行なった。
この発酵バガス飼料5kgを毎日、他の飼料(例えば、配合飼料)の他に乳牛(以下、実施牛という)に給与した。この給与を開始した日から7日経過後からの実施牛の糞にオガクズを、約糞90重量%、オガクズ10重量%の割合で配合し、堆肥舎において14日間撹拌、発酵させ有機肥料を得た。この有機肥料をイチゴ畑及びトマト畑に投入し、イチゴ及びトマトを栽培した。
フスマと米ヌカを、7:3の割合で混合した混合物20kgに37℃前後の温湯を注ぎ撹拌し、水分略70%程度の液状に仕上げ、この液状物に混合菌20gを接種し、略12時間培養し、中種子を得る。次に、バガス70kgに、甘蔗糖蜜、ビール粕、アルコール粕の配合物30kgを加え、これに前記中種子1kgを接種し、約24時間培養し、発酵バガス飼料を得た。後は、前記実施例1と同様である。
フスマと米ヌカを5:5の割合で混合した混合物に1g当り1×10個のDB9011株を接種し、20時間培養し中種子を得る。次にバガス70kgに、この中種子2kgを接種し30時間培養し発酵バガス飼料を得た。
この発酵バガス飼料5kgを毎日、他の飼料(例えば、配合飼料)の他に肉牛(以下、実施牛という)に給与した。この給与を開始した日から5日経過後からの実施牛の糞を、堆肥舎に2ヶ月積んで発酵させ堆肥(有機肥料)を得た。この堆肥を有機肥料としてスイカ畑に投入し、スイカを栽培した。この堆肥作りにおいては、2ヶ月間に8回の切り返しを行なった。
ビール粕と米ヌカを6:4の割合で混合した混合物に1g当り1×10個のBP−3418株を接種し、24時間培養し中種子を得る。次にバガス100kgに、この中種子5kgを接種し30時間培養し、これに焼酎粕3kg、甘蔗糖蜜2kgを配合し発酵バガス飼料を得た。
この発酵バガス飼料5kgを毎日、他の飼料(例えば、配合飼料)の他に乳牛(以下、実施牛という)に給与した。この給与を開始した日から5日経過後からの実施牛の糞を、堆肥舎に2ヶ月積んで発酵させ堆肥(有機肥料)を得た。このとき、2ヶ月で8回の切り返しを行なった。この堆肥を有機肥料として馬鈴薯畑に投入し、馬鈴薯を栽培した。
バガス700kgに、バスチル属微生物としてバクトクリアー(商品名、株式会社エー・エイチ・シー製)10kgを配合し、24時間培養し発酵バガス飼料を得た。
この発酵バガス飼料5kgを毎日、他の飼料(例えば、配合飼料)の他に肉牛(以下、実施牛という)に給与した。この給与を開始した日から5日経過後からの実施牛の糞にオガクズを、糞70重量%に対しオガクズ30重量%の割合で配合し、堆肥舎において12日間撹拌、発酵させ堆肥(有機肥料)を得た。この堆肥を有機肥料としてキャベツ畑に投入し、キャベツを栽培した。
比較例
発酵バガス飼料5kgに替えて青草、ワラ5kgとし、他の給与条件は実施例1と同じとした乳牛(以下、比較牛という)の糞を使用した場合で、他は実施例1と同じとした場合が比較例1、
発酵バガス飼料5kgに替えて青草、ワラ5kgとし、他の給与条件は実施例3と同じとした肉牛(以下、比較牛という)の糞を使用した場合で、他は実施例3と同じとした場合が比較例2、
発酵バガス飼料5kgに替えて青草、ワラ5kgとし、他の給与条件は実施例4と同じとした乳牛(以下、比較牛という)の糞を使用した場合で、他は実施例4と同じとした場合が比較例3、
発酵バガス飼料5kgに替えて青草、ワラ5kgとし、他の給与条件は実施例5と同じとした肉牛(以下、比較牛という)の糞を使用した場合で、他は実施例5と同じとした場合が比較例4である。
前記実施例および比較例における試験結果は、次の通りであった。
(1)実施例1、2および4の発酵バガス飼料を給与した実施牛は、比較例1および3の発酵バガス飼料を給与しなかった比較牛に比べ、実施牛(乳牛)の乳量が1日4%〜5%増加し、乳質も向上した。
(2)実施例3および5の発酵バガス飼料を給与した実施牛は、比較例2および4の発酵バガス飼料を給与しなかった比較牛に比べ、実施牛(肉牛)の肉の方がサシが増加し、風味も向上し品質の良質化が認められた。
これらは発酵バガス飼料を給与するとリグニンを分解させる酵素が作用して、消化管内(胃中)発酵、消化・吸収を促し、これにより牛などの胃中で消化率が低下したり、胃壁を損傷させたりすることがなく、給与された発酵バガス飼料は、消化管内で発酵、消化・吸収される。この栄養分摂取により高い泌乳能力、良質な乳質・乳成分、肉のサシが増加し風味が向上すると考えられる。
(3)実施例1乃至5の発酵バガス飼料を給与した実施牛の糞は、比較例1乃至4の発酵バガス飼料を給与しない比較牛の糞より悪臭が少なく、発酵促進も早く短期間で消臭した。
これは発酵バガス飼料は、消化管内(胃中)での消化・吸収が高く、しかもバガスは粗繊維が多いためと、排泄された糞中にも消化管内で増殖した微生物が残存するため発酵が促進されるためと考えられる。
(4)実施例1乃至5の発酵バガス飼料を給与した実施牛の糞と、比較例1乃至4の発酵バガス飼料を給与しない比較牛の糞とを、同じ条件で堆肥化すると、実施牛の糞の方が比較牛の糞より短期間で堆肥に完熟する。この実施例および比較例の試験では、実施牛の糞の方が3分の1に短縮された。
これは発酵バガス飼料は、消化管内での消化・吸収が高く、しかもバガスは粗繊維が多いため排泄された糞のしまりがよく、かつ、排泄された糞中にも消化管内で増殖した微生物が多く残存するため発酵が促進されるためと考えられる。
(5)実施例1および2のイチゴ畑及びトマト畑で栽培したイチゴ及びトマトの方が、比較例1のイチゴ畑およびトマト畑で栽培したイチゴ及びトマトより発育がよく甘みも増し品質の向上が認められた。特に、イチゴでは実施例1および2の方が比較例1と比較し、株が長持ちし収量が増大した。また、トマトでは実施例1および2の方が比較例1より苗立枯病の発生も少なくほとんど認められなかった。
(6)実施例3のスイカ畑で栽培したスイカの方が、比較例2のスイカ畑で栽培したスイカと比較して発育がよく株のバラツキが少なく、糖度も高く味のバラツキも極めて少なかった。
(7)実施例4の馬鈴薯畑で栽培した馬鈴薯の方が、比較例3の馬鈴薯畑で栽培した馬鈴薯と比較して、発育がよく粒のバラツキが少なく甘みも増すなどの品質の向上が認められ、根腐れ病の発生も少なかった。
(8)実施例5のキャベツ畑で栽培したキャベツの方が、比較例4のキャベツ畑で栽培したキャベツより根の発達が優れ発育がよく大玉に生長し、品質の向上が認められた。
なお、各実施例において、堆肥作りに際しては糞に、および堆肥の畑への投入に際してはそれと伴に、混合菌、バチルス属微生物を更に添加すると効果が増大することが認められた。即ち、堆肥作りにおいては、完熟がさらに早くなるし、畑では土壌内微生物により活力を多く与え、土壌再生すると共に、作物の病気の発生もより少なくなり、それにより作物はより発育が良好で品質が向上する。

Claims (3)

  1. サトウキビの搾り殻であるバガスを、微生物を使って発酵・分解させて飼料とし、この発酵バガス飼料を家畜に給与し、この家畜の糞を堆肥とし、この堆肥を有機肥料として農作地に投入し、この農作地で作物を栽培することを特徴とする循環型畜産農法。
  2. 前記微生物は、繊維分解菌、硝安化成菌、澱粉糖化菌、蛋白分解菌、及びリグニナーゼ生産性ペニシリウム属菌からなる混合菌、またはバチルス属微生物であることを特徴とする請求項1記載の循環型畜産農法。
  3. 前記バチルス属微生物は、アフラトキシン分解性を有するバチルス・サブチルスDB9011株、または、バチルス・サブチルス FERM BP−3418株であることを特徴とする請求項2記載の循環型畜産農法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104150989A (zh) * 2014-08-18 2014-11-19 常州市生物技术发展中心 利用畜禽粪便制作堆肥的方法
CN105850883A (zh) * 2016-04-27 2016-08-17 连云港恒图农牧开发有限公司 一种生物菌肉羊循环养殖生态系统的构建方法
CN105918242A (zh) * 2016-04-27 2016-09-07 连云港恒图农牧开发有限公司 一种生态猪环保养殖方法
CN108046861A (zh) * 2018-01-23 2018-05-18 诸城金土地有机肥有限责任公司 微生物有机肥及其制备方法
CN110396015A (zh) * 2019-08-30 2019-11-01 山东庄氏农业科技有限公司 一种草莓定植用有机无机复混生物肥制备方法

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