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JP2007091083A - エアバッグ装置 - Google Patents

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JP2007091083A
JP2007091083A JP2005284308A JP2005284308A JP2007091083A JP 2007091083 A JP2007091083 A JP 2007091083A JP 2005284308 A JP2005284308 A JP 2005284308A JP 2005284308 A JP2005284308 A JP 2005284308A JP 2007091083 A JP2007091083 A JP 2007091083A
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Shigeyuki Suzuki
滋幸 鈴木
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

【課題】複数のエアバッグのうち所望するエアバッグを展開させることができるエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】エアバッグ装置20は、インフレータ50と、インフレータ50から発生するガスにより展開するサイドエアバッグ30及びアンチサブマリン用エアバッグ40を備えている。さらに、エアバッグ装置20は、ガスの供給先をサイドエアバッグ30及びアンチサブマリン用エアバッグ40のいずれかに切り換える切換手段61と、衝撃センサと、切換手段61を制御する制御部を備えている。そして、切換手段61は、ガスの供給先をサイドエアバッグ30としており、制御部は、衝撃センサの検知に基づき切換手段61を制御して、ガスの供給先をサイドエアバッグ30からアンチサブマリン用エアバッグ40に切り換える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス発生源から発生するガスによりエアバッグを展開させるエアバッグ装置に関するものである。
車両に設けられるエアバッグ装置としては、例えば特許文献1に記載のエアバッグ装置が挙げられる。このエアバッグ装置は、シートの座部における車外側に内蔵されたサイド用バッグ部(第1のエアバッグ)と、座部における前側に内蔵された補助バッグ部(第2のエアバッグ)の2つのバッグ部を備えている。前記サイド用バッグ部は、展開時には搭乗者の側方で展開し、補助バッグ部は展開時には座部の前側を上昇させるようになっている。さらに、エアバッグ装置において、前記サイド用バッグ部と補助バッグ部とは連通部を介して連通され、前記連通部内には1つのインフレータ(ガス発生源)が内蔵されている。上記のように1つのインフレータに連通部を介して2つのバッグ部を連通させることにより、エアバッグ装置の部品点数の低減及び組付工数の低減が図られている。
そして、上記エアバッグ装置においては、前記インフレータからガスが発生すると、該ガスは連通部を介して両バッグ部へ供給され、両バッグ部は同時に展開するようになっている。このため、特許文献1に記載のエアバッグ装置によれば、例えば、車両の側突時には前記サイド用バッグ部によって搭乗者の側方が保護される。その後、二次衝突として前突が起こっても、サイド用バッグ部と同時に展開された補助バッグ部がシートに着座した搭乗者の膝の裏面を持ち上げているため、二次衝突時に搭乗者の下半身が前方へ移動すること(サブマリン現象)を防止することができる。
特開2002−145003号公報
ところが、特許文献1に記載のエアバッグ装置において、サイド用バッグ部と補助バッグ部は、1つのインフレータに対して常に連通している。このため、インフレータからガスが発生した場合は、サイド用バッグ部と補助バッグ部の両バッグ部が必ず同時に展開してしまう。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、複数のエアバッグのうち所望するエアバッグを展開させることができるエアバッグ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ガス発生源と、該ガス発生源から発生するガスにより展開する第1のエアバッグ及び第2のエアバッグと、前記ガス発生源と前記第1のエアバッグ及び第2のエアバッグとの間に設けられ、前記ガス発生源から発生するガスの供給先を前記第1のエアバッグ及び前記第2のエアバッグのいずれかに切り換える切換手段と、前記ガスの供給先を判定するための情報を検知する検知手段と、前記切換手段を制御する制御手段とを備え、前記切換手段は、通常は前記ガスの供給先を前記第1のエアバッグとしており、前記制御手段は、前記検知手段の検知に基づき前記切換手段を制御して、前記ガスの供給先を前記第1のエアバッグから第2のエアバッグに切り換えることを要旨とする。
この構成によれば、切換手段は、通常はガスの供給先を第1のエアバッグとしている。そして、検知手段の検知に基づき、制御手段がガスの供給先を第1のエアバッグと判定した場合は、制御手段はガスの供給先を切り換えないように切換手段を制御し、ガス発生源から発生するガスは第1のエアバッグに供給される。一方、検知手段の検知に基づき、制御手段がガスの供給先を第2のエアバッグと判定した場合は、制御手段はガスの供給先を切り換えるように切換手段を制御し、ガス発生源から発生するガスは第2のエアバッグに供給される。
すなわち、切換手段を設けることで、ガスの供給先は第1のエアバッグ及び第2のエアバッグのいずれか一方のみに絞られるため、ガス発生源からガスが発生したとき、第1のエアバッグと第2のエアバッグが同時に展開することがない。さらに、検知手段の検知に基づき切換手段を制御することで、ガスの供給先を第1のエアバッグと第2のエアバッグから選択することができるため、ガス発生源からガスが発生したとき、2つのエアバッグのうち所望するエアバッグを展開させることができる。
請求項2に記載の発明は、ガス発生源と、該ガス発生源から発生するガスにより展開する第1のエアバッグ、第2のエアバッグ、及び第3のエアバッグと、前記ガス発生源と前記第1のエアバッグ及び第2のエアバッグとの間に設けられ、前記ガス発生源から発生するガスの供給先を前記第1のエアバッグ及びその他のエアバッグのいずれかに切り換える第1の切換手段と、前記ガス発生源と前記第2のエアバッグ及び第3のエアバッグとの間に配設され、前記ガスの供給先を前記第2のエアバッグ及び前記第3のエアバッグのいずれかに切り換える第2の切換手段と、前記ガスの供給先を判定するための情報を検知する検知手段と、前記第1の切換手段及び第2の切換手段を制御する制御手段とを備え、前記第1の切換手段及び第2の切換手段は、通常は前記ガスの供給先を前記第1のエアバッグとしており、前記制御手段は、前記検知手段の検知に基づき前記第1の切換手段及び第2の切換手段を制御して前記ガスの供給先を第1のエアバッグから前記第2のエアバッグ又は第3のエアバッグに切り換えることを要旨とする。
この構成によれば、第1の切換手段及び第2の切換手段は、通常はガスの供給先を第1のエアバッグとしている。そして、検知手段の検知に基づき、制御手段がガスの供給先を第1のエアバッグと判定した場合は、制御手段はガスの供給先を切り換えないように第1の切換手段及び第2の切換手段を制御し、ガス発生源から発生するガスは第1のエアバッグに供給される。一方、検知手段の検知に基づき、制御手段がガスの供給先を第2のエアバッグ又は第3のエアバッグと判定した場合は、制御手段はガスの供給先を切り換えるように第1の切換手段及び第2の切換手段を制御し、ガス発生源から発生するガスは第2のエアバッグ又は第3のエアバッグに供給される。
すなわち、第1の切換手段及び第2の切換手段を設けることで、ガスの供給先は第1のエアバッグ、第2のエアバッグ、及び第3のエアバッグのいずれかに絞られるため、ガス発生源からガスが発生したとき、第1〜第3のエアバッグが同時に展開することがない。さらに、第1の切換手段及び第2の切換手段を検知手段の検知に基づき制御することで、ガスの供給先を第1のエアバッグ、第2のエアバッグ、及び第3のエアバッグから選択することができるため、ガス発生源からガスが発生したとき、第1〜第3のエアバッグのうち所望するエアバッグを展開させることができる。
請求項3に記載のエアバッグ装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記切換手段は、マイクロガスジェネレータから発生するガスを駆動源とする移動体の移動によりガスの供給先を切り換えることを要旨とする。
この構成によれば、マイクロガスジェネレータからガスを発生させ、さらに、該ガスにより移動体が移動するまでのスピードは、例えば、電磁弁に駆動電流が供給されて電磁弁が切り換わるまでのスピードより速い。このため、例えば、前記電磁弁を切換手段に用いてガスの供給先を切り換える構成に比して、ガスの供給先を切り換えるスピードを速めることができる。
本発明によれば、複数のエアバッグのうち所望するエアバッグを展開させることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「前側」を車両の前進方向側とし、「後側」を車両の後進方向側とする。また、上下方向及び左右方向は、車両前進方向における上下方向及び左右方向と一致するものとする。
図1に示すように、車両の車室内にはシートとしての助手席シート11が設けられ、該助手席シート11は、座部12と、該座部12の後端側から上方へ延びる背もたれ部13と、該背もたれ部13の上端部に設けられたヘッドレスト14から構成されている。また、前記車両のインストルメントパネル(図示せず)には、前記座部12に着座した搭乗者と前記インストルメントパネルとの間で展開するエアバッグ(図示せず)が内蔵されている。
前記車両には、エアバッグ装置20が設けられている。前記エアバッグ装置20は、第1のエアバッグとしてのサイドエアバッグ30及び第2のエアバッグとしてのアンチサブマリン用エアバッグ40と、切換手段61と、ガス発生源としてのインフレータ50と、検知手段としての衝撃センサ60(図2参照)と、制御手段としての制御部70(図2参照)とから構成されている。
前記サイドエアバッグ30は、前記座部12におけるサイドドアS側(ボディサイド部側)に内蔵されており(図3(b)参照)、通常は折り畳まれた状態で第1ケース31内に収納されている。そして、サイドエアバッグ30は、前記インフレータ50から発生するガスによって、前記助手席シート11の座部12に着座した搭乗者とサイドドアSとの間で展開するようになっている。
前記アンチサブマリン用エアバッグ40は、前記座部12における前側に内蔵されており、通常は折り畳まれた状態で第2ケース41内に収納されている。そして、アンチサブマリン用エアバッグ40は、前記インフレータ50から発生するガスによって座部12の内側で展開するようになっている。図4(b)に示すように、アンチサブマリン用エアバッグ40が展開した状態では、座部12の前側を座部12の内側から上昇させるようになっている。
図1及び図2に示すように、前記インフレータ50は、前記座部12の前側に内蔵されている。前記インフレータ50の内部には高圧のガスを発生するガス発生剤(図示せず)が収容されている。そして、インフレータ50から発生する高圧のガスは、前記サイドエアバッグ30内又はアンチサブマリン用エアバッグ40内へ供給されるようになっている。
前記インフレータ50には、接続部材51を用いてガス供給路52が接続されている。前記ガス供給路52には、互いに相反する方向(上下方向)に向かって分岐する分岐路53が形成されている。この分岐路53の上端は閉鎖されている。前記分岐路53において、ガス供給路52よりも上方位置には、第1連通路54が連設され、該第1連通路54は前記第1ケース31に接続されている。そして、インフレータ50から発生するガスは、ガス供給路52、分岐路53、及び第1連通路54を介して第1ケース31内のサイドエアバッグ30に供給可能となっている。上記ガス供給路52、分岐路53、及び第1連通路54は、インフレータ50とサイドエアバッグ30とを連通し、インフレータ50から発生するガスをサイドエアバッグ30に供給する第1の供給路を構成している。
また、分岐路53において、ガス供給路52よりも下方位置には、前記第1連通路54とは別路となる第2連通路55が連設され、該第2連通路55は前記第2ケース41に接続されている。そして、インフレータ50から発生するガスは、ガス供給路52、分岐路53、及び第2連通路55を介して第2ケース41内のアンチサブマリン用エアバッグ40に供給可能となっている。上記ガス供給路52、分岐路53、及び第2連通路55は、インフレータ50とアンチサブマリン用エアバッグ40を連通し、インフレータ50から発生するガスをアンチサブマリン用エアバッグ40に供給する第2の供給路を構成している。
前記第1の供給路と第2の供給路を構成する分岐路53の下端の開口部にはマイクロガスジェネレータ(以下、MGGと記載する)56が接続されている。前記MGG56は、所定の信号を入力すると点火し、さらにガスを発生する装置であり、MGG56から発生するガスは分岐路53側へ噴出されるようになっている。前記分岐路53内であって、前記MGG56の上端面上には、MGG56から発生するガスを駆動源として分岐路53内を移動する移動体としてのピストン57が配設されている。
そして、図3(a)に示すように、MGG56が点火されず、ガスが発生していない状態では、ピストン57はMGG56の上端面上に位置し、第2連通路55の分岐路53側の開口を閉鎖している。このため、MGG56が点火されず、ガスが発生していない状態では、ガス供給路52と第1連通路54が分岐路53を介して連通している一方で、ガス供給路52と第2連通路55とは非連通となっている。すなわち、インフレータ50は、前記第1の供給路を介してサイドエアバッグ30に連通している一方で、インフレータ50とアンチサブマリン用エアバッグ40とは非連通となっている。
一方、図4(a)に示すように、MGG56が点火され、ガスが発生した状態では、ピストン57は前記ガスを駆動源として前記分岐路53内を上側へ移動し、分岐路53内の上側に固定されるようになっている。このとき、ピストン57は、第1連通路54の分岐路53側の開口を閉鎖する。このため、MGG56が点火され、ガスが発生した状態では、ガス供給路52と第1連通路54が非連通となる一方で、ガス供給路52と第2連通路55が分岐路53を介して連通している。すなわち、インフレータ50は、前記第2の供給路を介してアンチサブマリン用エアバッグ40に連通している一方で、インフレータ50とサイドエアバッグ30とは非連通となっている。
すなわち、前記ピストン57は、MGG56から発生するガスを駆動源として分岐路53内を移動して、インフレータ50に連通する供給路を第1の供給路と第2の供給路のいずれかに切り換えるようになっている。そして、上記分岐路53、第1連通路54、第2連通路55、MGG56、及びピストン57は、インフレータ50から発生するガスの供給先をサイドエアバッグ30及びアンチサブマリン用エアバッグ40のいずれかに切り換える切換手段61を構成している。
前記切換手段61は、通常(エアバッグ装置20の初期設定状態であり、MGG56が点火しない状態)は、第1の供給路を開放して、ガスの供給先をサイドエアバッグ30としている。そして、切換手段61は、MGG56が点火したときはピストン57の移動によって、ガスの供給先をサイドエアバッグ30からアンチサブマリン用エアバッグ40へ切り換えるようになっている。
図2に示すように、前記車両の車両ボディ(図示せず)には、前記衝撃センサ(例えば加速度検出器)60が設けられている。この衝撃センサ60は、前記制御部70に電気的に接続されている。また、衝撃センサ60は、車両に衝撃が加わったとき、該衝撃が車両の前方からの衝突(前突)によって生じる衝撃か、車両の側方からの衝突(側突)によって生じる衝撃かを検知する。さらに、衝撃センサ60は、検知した衝撃(前突又は側突)に係る情報を前記制御部70に入力する。そして、上記衝撃センサ60は、制御部70がガスの供給先(サイドエアバッグ30かアンチサブマリン用エアバッグ40)を判定するための情報(前突か側突)を検知する検知手段を構成している。
また、車両ボディには、前記制御部70が設けられ、この制御部70は、例えば電子制御装置(ECU)であり、前記インフレータ50、衝撃センサ60及びMGG56に電気的に接続されている。そして、制御部70は、前記衝撃センサ60から入力される情報に基づいて前記インフレータ50に所定の信号を入力し、インフレータ50からガスを発生させる。
また、制御部70は、前突に係る情報を入力した場合は、ガスの供給先をアンチサブマリン用エアバッグ40と判定し、前記MGG56を点火させる。一方、制御部70は、側突に係る情報を入力した場合は、ガスの供給先をサイドエアバッグ30と判定し、前記MGG56を点火させない。すなわち、制御部70は、衝突に係る情報に基づいてMGG56の制御を行い、前記切換手段61を制御するようになっている。
次に、上記構成のエアバッグ装置20の作用について以下に記載する。
さて、助手席シート11の座部12に搭乗者が着座した状態において、側突によって車両が所定値以上の衝撃を受けると、衝撃センサ60が側突に係る情報を制御部70に入力する。制御部70は、前記側突に係る情報に基づいてガスの供給先をサイドエアバッグ30と判定し、インフレータ50からガスを発生させる一方で、MGG56を点火させないようにする。
すると、図3(a)に示すように、切換手段61においてはピストン57が移動せず、ガスの供給先の切り換えが行われないため、第1の供給路が開放された状態が維持される。そして、インフレータ50から発生したガスは、第1の供給路(ガス供給路52、分岐路53及び第1連通路54)を介して第1ケース31内のサイドエアバッグ30に供給される。その結果、図3(b)に示すように、該ガスによってサイドエアバッグ30のみが展開し、該サイドエアバッグ30によって搭乗者の側方が保護される。
一方、助手席シート11の座部12に搭乗者が着座した状態において、前突によって車両が所定値以上の衝撃を受けると、衝撃センサ60が前突に係る情報を制御部70に入力する。すると、前記インストルメントパネルに内蔵されたエアバッグが展開する。また、制御部70は、前記前突に係る情報に基づいてガスの供給先をアンチサブマリン用エアバッグ40と判定すると、インフレータ50からのガスの発生よりも前にMGG56を点火させ、その後、インフレータ50からガスを発生させる。すなわち、インフレータ50からのガス発生と同時、又はインフレータ50からのガスの発生に先駆けてMGG56を点火させる。
すると、図4(a)に示すように、切換手段61においては、MGG56から発生するガスによってピストン57が移動して、ガスの供給先が第1の供給路から第2の供給路へ切り換えられる。そして、インフレータ50から発生したガスは、第2の供給路(ガス供給路52、分岐路53及び第2連通路55)を介して第2ケース41内のアンチサブマリン用エアバッグ40に供給される。その結果、図4(b)に示すように、該ガスによってアンチサブマリン用エアバッグ40のみが展開し、該アンチサブマリン用エアバッグ40によって搭乗者の膝の裏面が持ち上げられる。
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)インフレータ50と、サイドエアバッグ30及びアンチサブマリン用エアバッグ40との間には切換手段61が設けられている。切換手段61により、ガスの供給先は通常(エアバッグ装置20の初期設定状態)はサイドエアバッグ30とされており、制御部70によってガスの供給先がアンチサブマリン用エアバッグ40と判定されたとき(前突時)、制御部70は切換手段61を制御して、ガスの供給先をサイドエアバッグ30からアンチサブマリン用エアバッグ40に切り換える。このため、切換手段61を用いることで、インフレータ50から発生するガスをサイドエアバッグ30及びアンチサブマリン用エアバッグ40のいずれか一方のみに供給する構成となり、サイドエアバッグ30とアンチサブマリン用エアバッグ40が同時に展開することがない。さらに、制御部70によって切換手段61を制御することで、所望するエアバッグ30,40のみを展開することができる。
したがって、背景技術のように両バッグ部が同時に展開し、一方のバッグ部が搭乗者によって圧迫されたとき、ガスが他方のバッグ部へ押し出されてしまい他方のバッグ部による搭乗者の拘束力が低下してしまうことを防止できる。特に、側突時、搭乗者を二次的に保護するアンチサブマリン用エアバッグ40が展開することを阻止し、ガスの供給をサイドエアバッグ30に集中させることで、サイドエアバッグ30による搭乗者の拘束力を低下させることなく搭乗者の保護を確実とすることができる。
(2)エアバッグ装置20によれば、1つのインフレータ50でサイドエアバッグ30及びアンチサブマリン用エアバッグ40を展開させることができる。したがって、例えば、サイドエアバッグ30とアンチサブマリン用エアバッグ40のそれぞれにインフレータ50を必要とする構成に比してエアバッグ装置20の部品点数及び組付工数を低減させることができ、さらには重量の軽量化を図ることができる。また、サイドエアバッグ30とアンチサブマリン用エアバッグ40のそれぞれにインフレータ50を必要とする構成に比してインフレータ50の数を減らし、インフレータ50のリサイクル料金を抑えることができる。
(3)エアバッグ装置20は、ガスの供給先をサイドエアバッグ30としており、側突時は切換手段61による供給先の切り換えが行われることなくサイドエアバッグ30が展開される。そして、前突時だけ切換手段61による供給先の切り換えが行われてアンチサブマリン用エアバッグ40が展開される。このため、エアバッグ装置20は、サイドエアバッグ30をアンチサブマリン用エアバッグ40よりも優先的に展開させる構成であり、側突時にサイドエアバッグ30を速やかに展開させて搭乗者を有効に保護することができる。
(4)切換手段61は、MGG56から発生するガスによってピストン57を分岐路53内を移動させることでガスの供給先をサイドエアバッグ30からアンチサブマリン用エアバッグ40へ切り換える。MGG56からガスが発生し、さらにピストン57が移動して閉鎖する連通路54,55を切り換えるスピードは、例えば、電磁弁に駆動電流が供給されてポートを切り換えるスピードより速い。このため、切換手段61を、例えば前記電磁弁とした構成に比して、ガスの供給先を切り換えるスピードを速めることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図5〜図7に基づき説明する。
図5に示すように、車両の車室内には前記助手席シート11と、シートとしての運転席シート15が並設されている。前記運転席シート15は、座部16と、該座部16の後端側から上方へ延びる背もたれ部17と、該背もたれ部17の上端部に設けられたヘッドレスト18から構成されている。
前記車両には、前記助手席シート11及び運転席シート15に対応してエアバッグ装置80が設けられている。第2の実施形態のエアバッグ装置80は、第1の実施形態のエアバッグ装置20が、さらに第3のエアバッグを備える構成であるため、既に説明した第1の実施形態と同一構成については、同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。なお、図7において、右側のエアバッグ装置80が助手席シート11に対応するエアバッグ装置80であり、左側のエアバッグ装置80が運転席シート15に対応するエアバッグ装置80である。そして、助手席シート11に対応するエアバッグ装置80と、運転席シート15に対応するエアバッグ装置80は構成が同じであるため、必要に応じて助手席シート11に対応するエアバッグ装置80をエアバッグ装置80Aとし、運転席シート15に対応するエアバッグ装置80をエアバッグ装置80Bとして説明する。
前記エアバッグ装置80は、第1のエアバッグとしてのサイドエアバッグ30及び第2のエアバッグとしてのアンチサブマリン用エアバッグ40に加え、第3のエアバッグとしてのサイドエアバッグ90を備えている。なお、前記サイドエアバッグ30(第1ケース31)は、前記座部12,16におけるサイドドアS側に内蔵されており、サイドエアバッグ90は、座部12,16における車両の中央部側に内蔵されている。前記サイドエアバッグ90は、通常は折り畳まれた状態で第3ケース91内に収納されている。そして、サイドエアバッグ90は、前記インフレータ50から発生するガスによって、前記助手席シート11と運転席シート15との間で展開するようになっている。
また、エアバッグ装置80は、第1の実施形態の切換手段61である第1の切換手段61に加え、第2の切換手段62を備えている。なお、エアバッグ装置80において、ガス供給路52、分岐路53、及び第1連通路54は、第1の実施形態と同様に第1の供給路を構成している。
エアバッグ装置80において、前記分岐路53の下側に連設された前記第2連通路55には、互いに相反する方向(上下方向)に向かって分岐する分岐路63が形成されている。前記分岐路63において、第2連通路55よりも下方位置には、第3連通路58が連設され、該第3連通路58は前記第2ケース41に接続されている。
そして、インフレータ50から発生するガスは、ガス供給路52、分岐路53、第2連通路55、分岐路63、及び第3連通路58を介して第2ケース41内のアンチサブマリン用エアバッグ40に供給可能となっている。上記ガス供給路52、分岐路53、第2連通路55、分岐路63、及び第3連通路58は、インフレータ50と第2ケース41とを連通し、インフレータ50から発生するガスをアンチサブマリン用エアバッグ40に供給する第2の供給路を構成している。
また、分岐路63において、第2連通路55よりも上方位置には、第4連通路59が連設され、該第4連通路59は前記第3ケース91に接続されている。そして、インフレータ50から発生するガスは、ガス供給路52、分岐路53、第2連通路55、分岐路63、及び第4連通路59を介して第3ケース91内のサイドエアバッグ90に供給可能となっている。上記ガス供給路52、分岐路53、第2連通路55、分岐路63、及び第4連通路59は、インフレータ50と第3ケース91とを連通し、インフレータ50から発生するガスをサイドエアバッグ90に供給する第3の供給路を構成している。
前記第2の供給路と第3の供給路を構成する分岐路63の下端の開口部には、第1の実施形態のMGG56と同様の構成のマイクロガスジェネレータ(以下、MGGと記載する)64が接続されている。そして、前記分岐路63内であって、前記MGG64の上端面上には、MGG64から発生するガスを駆動源として移動する移動体としてのピストン66が配設されている。
そして、図7に示すように、例えば、助手席シート11のエアバッグ装置80AのMGG56,64が点火されず、ガスが発生していない状態では、ピストン57はMGG56の上端面上に位置している。このため、ピストン57は、第2連通路55の分岐路53側の開口を閉鎖するとともに、ピストン66はMGG64の上端面上に位置し、第3連通路58の分岐路63側の開口を閉鎖している。したがって、MGG56,64が点火されず、ガスが発生していない状態では、ガス供給路52と第1連通路54が分岐路53を介して連通している一方で、ガス供給路52と第2連通路55とは非連通となっている。すなわち、インフレータ50は、前記第1の供給路を介してサイドエアバッグ30に連通している一方で、インフレータ50とアンチサブマリン用エアバッグ40及びサイドエアバッグ90とは非連通となっている。
また、例えば、運転席シート15のエアバッグ装置80Bに示すように、2つのMGG56,64のうち1つのMGG56が点火され、ガスが発生した状態では、分岐路53内にてピストン57は第1連通路54の分岐路53側の開口を閉鎖するとともに、分岐路63内にてピストン66は第3連通路58の分岐路63側の開口を閉鎖している。このため、2つのMGG56,64のうち1つのMGG56が点火された状態では、ガス供給路52と第1連通路54が非連通となる一方で、ガス供給路52と第2連通路55が分岐路53を介して連通し、さらに、第2連通路55と第4連通路59が分岐路63を介して連通している。また、このとき、ガス供給路52と第3連通路58とは非連通となっている。すなわち、インフレータ50は、前記第3の供給路を介してサイドエアバッグ90に連通している一方で、インフレータ50とサイドエアバッグ30及びアンチサブマリン用エアバッグ40とは非連通となっている。
さらに、図示しないが、2つのMGG56,64が点火され、ガスが発生した状態では、分岐路53内にてピストン57は第1連通路54の分岐路53側の開口を閉鎖するとともに、分岐路63内にてピストン66は第4連通路59の分岐路63側の開口を閉鎖している。このため、2つのMGG56,64が点火された状態では、ガス供給路52と第1連通路54が非連通となる一方で、ガス供給路52と第2連通路55が分岐路53を介して連通し、さらに、第2連通路55と第3連通路58が分岐路63を介して連通している。また、このとき、ガス供給路52と第4連通路59とは非連通となっている。すなわち、インフレータ50は、前記第2の供給路を介してアンチサブマリン用エアバッグ40と連通している一方で、インフレータ50とサイドエアバッグ30及びサイドエアバッグ90とは非連通となっている。
そして、エアバッグ装置80において、上記分岐路53、第1連通路54、第2連通路55、MGG56、及びピストン57は、インフレータ50から発生するガスの供給先をサイドエアバッグ30及びその他のエアバッグ40,90のいずれかに切り換える第1の切換手段61を構成している。また、分岐路63、MGG64、ピストン66、第3連通路58、及び第4連通路59は、インフレータ50から発生するガスの供給先をサイドエアバッグ90及びアンチサブマリン用エアバッグ40のいずれかに切り換える第2の切換手段62を構成している。
エアバッグ装置80において、第1の切換手段61及び第2の切換手段62は、通常(エアバッグ装置80の初期設定状態であり、MGG56,64が点火しない状態)は第1の供給路を開放してガスの供給先をサイドエアバッグ30としている。そして、制御部70による第1の切換手段61及び第2の切換手段62の制御によって、ガスの供給先をサイドエアバッグ30からアンチサブマリン用エアバッグ40又はサイドエアバッグ90へ切り換えるようになっている。
なお、図7に示すように、助手席シート11に対応して設けられるエアバッグ装置80Aと、運転席シート15に対応して設けられるエアバッグ装置80Bとは、共通の1つの制御部70によって制御されている。また、制御部70には、各エアバッグ装置80A,80Bに対応する2つの衝撃センサ60が電気的に接続されている。
次に、上記構成のエアバッグ装置80の作用について以下に記載する。
さて、運転席シート15の座部16に搭乗者が着座し、助手席シート11の座部12に搭乗者が着座した状態において、助手席シート11側への側突によって車両の助手席シート11側が所定値以上の衝撃を受けると、衝撃センサ60が側突に係る情報を制御部70に入力する。制御部70は、前記側突に係る情報に基づいて、助手席シート11側のエアバッグ装置80Aのガスの供給先をサイドエアバッグ30と判定し、インフレータ50からガスを発生させる一方で、MGG56,64を点火させないようにする。
すると、図7に示すように、エアバッグ装置80Aにおいて、第1及び第2の切換手段61,62においてはピストン57,66が移動せず、ガスの供給先の切り換えが行われないため、第1の供給路が開放された状態が維持される。そして、エアバッグ装置80Aにおいて、インフレータ50から発生したガスは、第1の供給路(ガス供給路52、分岐路53及び第1連通路54)を介して第1ケース31内のサイドエアバッグ30に供給される。その結果、図6に示すように、助手席シート11のサイドエアバッグ30のみが展開し、該サイドエアバッグ30によって助手席シート11の搭乗者の側方が保護される。
また、制御部70は、前記側突に係る情報に基づいて運転席シート15側のエアバッグ装置80Bのガスの供給先をサイドエアバッグ90と判定する。そして、制御部70は、インフレータ50からガスを発生させる前にMGG56のみを点火させ、その後、インフレータ50からガスを発生させる。すると、図7に示すように、エアバッグ装置80Bにおいて、第1の切換手段61においてはピストン57が移動し、第2の切換手段62においてはピストン66が移動しない状態でガスの供給先の切り換えが行われる。その結果、ガスの供給先が第1の供給路から第3の供給路へ切り換えられ、インフレータ50から発生したガスは、第3の供給路(ガス供給路52、分岐路53、第2連通路55、分岐路63、及び第4連通路59)を介して第3ケース91のサイドエアバッグ90に供給される。その結果、図6に示すように、ガスによって運転席シート15のサイドエアバッグ90が展開し、該サイドエアバッグ90によって助手席シート11の搭乗者が運転席シート15側へ移動することが防止される。
したがって、第2の実施形態のエアバッグ装置80によれば、第1の実施形態の(1)〜(4)に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(5)2つのエアバッグ装置80A,80Bを用いることで、側突時、サイドドアS側のサイドエアバッグ30によって搭乗者を保護することができ、さらに、助手席シート11と運転席シート15の間で展開するサイドエアバッグ90によって搭乗者が車室の中央側へ移動することを防止することができる。
(変更例)
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 図8に示すように、サイドドアS(ボディサイド部)に第1の実施形態のエアバッグ装置20を内蔵してもよい。この場合、第1のエアバッグ(図示せず)の第1ケース31を、サイドドアSにて搭乗者の側方となる位置に内蔵し、搭乗者とサイドドアSとの間で展開するようにする。一方、前記第2のエアバッグ(図示せず)の第2ケース41を、サイドドアSにて搭乗者の前方となる位置に内蔵し、搭乗者とインストルメントパネル(図示せず)の間で展開するようにしてもよい。
・ 図9に示すように、助手席シート11又は運転席シート15において(図9では助手席シート11のみ図示)、背もたれ部13,17に、第1の実施形態のエアバッグ装置20を内蔵してもよい。この場合、第1のエアバッグ35を、例えば、体格の大きい搭乗者の側方にて頭部から胸部にかけての部位に対応する位置で展開するサイドエアバッグとし、該第1のエアバッグ35は背もたれ部13,17の上側に内臓されている。一方、第2のエアバッグ36を体格の大きい搭乗者にとっては腰部に対応するとともに体格の小さい搭乗者にとっては胸部に対応する位置で展開するサイドエアバッグとし、第2のエアバッグ36は背もたれ部13,17の下側に内蔵されている。この第2のエアバッグ36は、前記第1のエアバッグ35よりも小型サイズとなっている。
また、エアバッグ装置20において、切換手段61によりガスの供給先は通常は第1のエアバッグ35とされている。さらに、座部12,16には、搭乗者の重量を検知する検知手段としての重量センサ73が内蔵され、この重量センサ73は制御部70に電気的に接続されている。また、前記制御部70には、前記重量センサ73からの情報に基づいて搭乗者の体格の大小を判定する際の基準となる基準重量値が記憶されている。
そして、車両の衝突時(側突時)に、制御部70は前記重量センサ73からの情報と前記基準重量値とを比較することにより搭乗者の体格の大小を判定する。搭乗者の体格が大きいと判定された場合には、制御部70は、切換手段61を制御して第1のエアバッグ35を展開させる。一方、搭乗者の体格が小さいと判定された場合には、制御部70は、切換手段61を制御してガスの供給先を第1のエアバッグ35から第2のエアバッグ36に切り換え、第2のエアバッグ36を展開させる。したがって、重量センサ73を検知手段として用いることで搭乗者の体格に合わせて所望するエアバッグ35,36を展開させることができる。
・ 第1の実施形態のエアバッグ装置20において、図10に示すように、第1のエアバッグ37及び第2のエアバッグ38を、例えば、搭乗者の足下から展開するようにしてもよい。また、エアバッグ装置20において、切換手段61によりガスの供給先は通常は第1のエアバッグ37とされている。そして、このエアバッグ装置20において、車両の衝突時(前突時)、第1のエアバッグ37が展開した後、制御部70によって切換手段61を制御して、ガスの供給先を第1のエアバッグ37から第2のエアバッグ38に切り換え、第1のエアバッグ37に続けて第2のエアバッグ38を展開させてもよい。このように構成することで、第1のエアバッグ37によって搭乗者を保護した後、第2のエアバッグ38によって搭乗者の下半身が前方へ移動すること(サブマリン現象)を防止することができる。
・ 図11に示すように、第1の実施形態のエアバッグ装置20を次のように変更してもよい。すなわち、助手席シート11又は運転席シート15において(図11では助手席シート11のみ図示)の背もたれ部13,17にサイドエアバッグ45を内蔵し、このサイドエアバッグ45を構成する一対の基布45a同士をシーム46で縫着する。そして、前記シーム46によってサイドエアバッグ45を内側と外側に区画し、サイドエアバッグ45の外側を第1のエアバッグとしての外側エアバッグ47とするとともに、内側を第2のエアバッグとしての内側エアバッグ48とする。
このエアバッグ装置20において、切換手段61によりガスの供給先は通常は外側エアバッグ47とされている。また、座部12,16には、検知手段としての前記重量センサ73が内蔵されている。そして、重量センサ73によって搭乗者の体格が大きいと判定された場合には、制御部70は、切換手段61を制御して外側エアバッグ47を展開させる。一方、搭乗者の体格が小さいと判定された場合には、制御部70は、切換手段61を制御してガスの供給先を外側エアバッグ47から内側エアバッグ48に切り換え、内側エアバッグ48を展開させる。
・ 第1の実施形態において、切換手段61を次のように変更してもよい。すなわち、図12に示すように、第2連通路55の周壁に、アンチサブマリン用エアバッグ40へのガスの流入量を減少させる透孔55aを形成してもよい。このように構成した場合、第2の供給路を介してインフレータ50とアンチサブマリン用エアバッグ40が連通したとき、ガスは透孔55aから第2連通路55の外部へ洩れ出る。これにより、アンチサブマリン用エアバッグ40へ供給されるガス量が、サイドエアバッグ30へ供給されるガス量より減少される。したがって、透孔55aを形成することで、サイドエアバッグ30よりも容量が小さいアンチサブマリン用エアバッグ40へのガス流入量を減らし、その容量に合わせることができる。なお、前記透孔55aを形成する位置は、エアバッグの容量に合わせて適宜変更してもよい。
・ 第1の実施形態において、切換手段61を次のように変更してもよい。図13に示すように、分岐路53内の上側にボルトBを螺入し、該ボルトBによってボールバルブVを分岐路53の上側に位置決めした状態に配設してもよい。このとき、分岐路53の上端の開口部にMGG56が接続されるとともに、ボールバルブVは第1連通路54を閉鎖している。また、第2連通路55は分岐路53の下端に連設されており、分岐路53と第2連通路55の境界には、下側に向かって縮径する弁座53aが形成されている。そして、MGG56からガスが発生すると、ボールバルブVはガス圧によって落下し、弁座53aに着座して第2連通路55を閉鎖する一方で、第1連通路54を開放するようになっている。なお、第2の実施形態の第2の切換手段62に、上記ボールバルブVを用いた構成を適用してもよい。
・ 第1の実施形態又は第2の実施形態のエアバッグ装置20,80において、第1のエアバッグとしてのサイドエアバッグ30を背もたれ部13,17におけるサイドドアS側に内蔵し、第2のエアバッグをヘッドレスト14,18に内蔵してもよい。
・ 分岐路53,63に、MGG56,64から発生したガスにより移動したピストン57,66を、その移動した位置に固定する固定機構を設けてもよい。
・ 第1の実施形態において、ガス供給路52と、第1連通路54及び第2連通路55との間に電磁弁やアクチュエータを設け、該電磁弁やアクチュエータによってガスの供給先を切り換える構成してもよい。この場合、電磁弁やアクチュエータが切換手段61を構成する。
また、第2の実施形態において、ガス供給路52と、第1連通路54及び第2連通路55との間、さらには、第2連通路55と、第3連通路58及び第4連通路59との間に電磁弁やアクチュエータを設け、該電磁弁又はアクチュエータによってガスの供給先を切り換える構成してもよい。この場合、電磁弁又はアクチュエータが第2の切換手段62を構成する。
切換手段として電磁弁やアクチュエータを用いた場合、車両に衝撃センサ60に加えて検知手段としてのプリクラッシュセンサを設置する。そして、例えば、第1の実施形態において、プリクラッシュセンサによって前突に係る情報が制御部70に入力された場合、制御部70は切換手段61の切換動作を制御して、ガスの供給先をサイドエアバッグ30からアンチサブマリン用エアバッグ40に切り換える。その後、前突が回避された場合は、制御部70は切換手段61の切換動作を制御して、ガスの供給先をアンチサブマリン用エアバッグ40からサイドエアバッグ30へ切り換えるようにしてもよい。
・ 第1の実施形態において、第1のエアバッグをアンチサブマリン用エアバッグ40として、第1の供給路を介してインフレータ50とアンチサブマリン用エアバッグ40を連通させ、第2のエアバッグをサイドエアバッグ30として、第2の供給路を介してインフレータ50とサイドエアバッグ30を連通させた構成としてもよい。
・ 第1の実施形態のエアバッグ装置20又は第2の実施形態のエアバッグ装置80を車両のインストルメントパネル又は後部シートに設けてもよい。
・ 第2の実施形態において、衝撃センサ60を1つとし、該1つの衝撃センサ60が検知した情報に基づき制御部70が各エアバッグ装置80A,80Bを制御する構成としてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1) 前記第1のエアバッグは、車室内に設けられるシートの座部に内蔵されて車両のボディサイド部と前記シートに着座した搭乗者との間で展開するサイドエアバッグ、及び前記座部に内蔵されて該座部の内側で展開して座部の前側を上昇させるアンチサブマリン用エアバッグのうちのいずれか一方であり、他方が前記第2のエアバッグであって、前記検知手段は、車両の側突か前突かを検知する衝撃センサである請求項1に記載のエアバッグ装置。
(2) 前記第1のエアバッグは前記サイドエアバッグであり、前記第2のエアバッグは、前記アンチサブマリン用エアバッグである技術的思想(1)に記載のエアバッグ装置。
(3) 前記第1のエアバッグは、車室内に設けられるシートの座部に内蔵されて車両のボディサイド部と前記シートに着座した搭乗者との間で展開するサイドエアバッグであり、前記第2のエアバッグは、前記座部に内蔵されて該座部の内側で展開して座部の前側を上昇させるアンチサブマリン用エアバッグであり、前記第3のエアバッグは、前記シートの座部に内蔵されて車両の中央側で前記シートに着座した搭乗者の側方で展開するサイドエアバッグであって、該エアバッグ装置を運転席シート及び助手席シートに設け、一方のシートの第1のエアバッグが展開したときに他方のシートの第3のエアバッグを展開させる構成とした請求項2に記載のエアバッグ装置。
第1の実施形態のエアバッグ装置を示す斜視図。 第1の実施形態のエアバッグ装置を示す模式図。 (a)は側突時の切換手段を模式的に示す図、(b)は側突時のエアバッグの展開状態を示す平面図。 (a)は前突時の切換手段を模式的に示す断面図、(b)は前突時のエアバッグの展開状態を示す側面図。 第2の実施形態のエアバッグ装置を示す斜視図。 第2の実施形態のエアバッグ装置の使用状態を示す正面図。 側突時の第1及び第2の切換手段を示す断面図。 エアバッグ装置をサイドドアに設けた状態を示す側面図。 別例のエアバッグ装置を示す側面図。 別例のエアバッグ装置を示す側面図。 別例のエアバッグ装置を示す側面図。 別例の切換手段を示す断面図。 別例の切換手段を示す断面図。
符号の説明
20,80…エアバッグ装置、30…第1のエアバッグとしてのサイドエアバッグ、35,37…第1のエアバッグ、36,38…第2のエアバッグ、40…第2のエアバッグとしてのアンチサブマリン用エアバッグ、47…第1のエアバッグとしての外側エアバッグ、48…第2のエアバッグとしての内側エアバッグ、50…ガス発生源としてのインフレータ、56,64…マイクロガスジェネレータ(MGG)、57,66…移動体としてのピストン、60…検知手段としての衝撃センサ、61…第1の切換手段、62…第2の切換手段、70…制御手段としての制御部、73…検知手段としての重量センサ、90…第3のエアバッグとしてのサイドエアバッグ。

Claims (3)

  1. ガス発生源と、
    該ガス発生源から発生するガスにより展開する第1のエアバッグ及び第2のエアバッグと、
    前記ガス発生源と前記第1のエアバッグ及び第2のエアバッグとの間に設けられ、前記ガス発生源から発生するガスの供給先を前記第1のエアバッグ及び前記第2のエアバッグのいずれかに切り換える切換手段と、
    前記ガスの供給先を判定するための情報を検知する検知手段と、
    前記切換手段を制御する制御手段とを備え、
    前記切換手段は、通常は前記ガスの供給先を前記第1のエアバッグとしており、
    前記制御手段は、前記検知手段の検知に基づき前記切換手段を制御して、前記ガスの供給先を前記第1のエアバッグから第2のエアバッグに切り換えることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. ガス発生源と、
    該ガス発生源から発生するガスにより展開する第1のエアバッグ、第2のエアバッグ、及び第3のエアバッグと、
    前記ガス発生源と前記第1のエアバッグ及び第2のエアバッグとの間に設けられ、前記ガス発生源から発生するガスの供給先を前記第1のエアバッグ及びその他のエアバッグのいずれかに切り換える第1の切換手段と、
    前記ガス発生源と前記第2のエアバッグ及び第3のエアバッグとの間に配設され、前記ガスの供給先を前記第2のエアバッグ及び前記第3のエアバッグのいずれかに切り換える第2の切換手段と、
    前記ガスの供給先を判定するための情報を検知する検知手段と、
    前記第1の切換手段及び第2の切換手段を制御する制御手段とを備え、
    前記第1の切換手段及び第2の切換手段は、通常は前記ガスの供給先を前記第1のエアバッグとしており、
    前記制御手段は、前記検知手段の検知に基づき前記第1の切換手段及び第2の切換手段を制御して前記ガスの供給先を第1のエアバッグから前記第2のエアバッグ又は第3のエアバッグに切り換えることを特徴とするエアバッグ装置。
  3. 前記切換手段は、マイクロガスジェネレータから発生するガスを駆動源とする移動体の移動によりガスの供給先を切り換えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエアバッグ装置。
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