本出願は、2002年11月7日出願の米国仮特許出願06/424,566、及び2002年11月7日出願の米国仮特許出願06/424,569に基づく優先権を主張する。
本発明は、概して、車両用のルーフシステムに関し、特に、外部ルーフパネルを含むか或いは支持する構造部材を含み、ヘッドライナー及び車両、例えば自動車、バン、SUV、トラック等の頭上部分で通常使用される多様なシステムを支持するルーフシステムに関する。好適な実施形態において、本発明は、特に、ルーフパネル及び構造型支持部材が単一の本体として成形される一体型構造システムに関し、第2の実施形態においては、骨格の上部構造が、多様なオーバーヘッドコンポーネント及びルーフパネルのいずれかを受容するよう設計され、第3の実施形態においては、オーバーヘッドシステムコンポーネントが取り付けられ、側部或いは前方に移動する、ポッドとしての構造型要素が提供され、ルーフパネル或いはヘッドライナーのいずれか一方の構造強度の必要性を解消する。
今日、車両製造分野において、複数の部品或いは単一本体構造システム等を用いて、車両本体を形成することが通常の実務とされている。典型的には、車両ルーフパネルは、多様なピラー支持部材に取り付けられ、また、構造型ヘッドライナーをフロントグラス或いは他の車両のウインドウを貫通させ、オーバーヘッドシステムを側部レールに沿ってルーフパネルに、及び/又は他の構造型コンポーネント、例えば垂木に接続することによって、オーバーヘッドシステムコンポーネントが、車両に付加される。車両内部の範囲内におけるヘッドライナー及びオーバーヘッドシステムコンポーネントの組み立ては、時間を要し、車両組み立てにおける高価な部分を構成する。例えば、多数のコンポーネントが、Z軸上情報に取り付けられなければならず、こうした領域での操作は、ロボット工学を用いても困難であり、又は、多様な電気的接続等と同様、機械的取り付けを完了するのは重労働である。
多様なオーバーヘッドシステムコンポーネントが、現在、車両で使用されており、これらは、サンルーフ、天井灯、取っ手、HVAC制御機器、通気孔及びダクト、陽射しよけシステム、情報娯楽コンポーネント、音響部材、アンテナ、審美的処置部材、器具類及びナビゲーションシステム、貯蔵領域、スピーカシステム、緊急車両警告システム、例えば車両の後進や駐車を補助するよう配置されたカメラ等の後部視覚システム、エアバック、他の抗衝撃用装置或いはセンサ、多様な種類の照明、中央ハイマウントストップランプ(CHMSL)、電力及び信号分配(P&SD)システム、Dリング、側部視覚システム、閉止トリム、レールシステム、封止部材等を含むが、これらに限定されない。
しばしば、上記のコンポーネントのいくつか、及び当該技術分野で使用される他の物或いはオーバーヘッドシステムで使用されるよう将来開発される物は、オプション部品であり、従って、特定の車両はこれらのすべてを含んでよく、或いは多様な特徴のうちいくつかのより少ないサブコンビネーションを含んでよい。単純な例として、特定の車両は、サンルーフ/ムーンルーフを備えてもよく、備えなくてもよい。他の例として、車両は、オプションとして後部座席DVD又はVHSモニターを搭載するかもしれない。多数の付加的例は、本発明の属する技術分野の当業者によって容易に明らかである。
ある車両から他の車両への変動の問題に加え、現在のシステムにおいては、ヘッドライナーは事実上構造的でなければならない、即ち、自身を支持可能であり、また、ヘッドライナーに取り付けられるか或いは車両の他の構造型コンポーネント、例えば垂木、側部レール等のオーバーヘッドシステムコンポーネント用の支持部材或いはトリムカバーとして作用するものでなければならない。結果として、ヘッドライナーとオーバーヘッドシステムの組み合わせは、重量化する傾向を有し、上記で述べた製造上の問題にさらにもう1つの負担を追加する。さらに、ヘッドライナーに構造型樹脂或いは他の支持部材を提供するには、付加的な原料、及び関連するコストとこれに関する重量が必要となる。
複数の米国特許は、ルーフシステムを開示し、これらのいくつかは、本発明に係る構造型ルーフシステムとは異なるものではあるが、その発明者によってモジュール式であるとみなされている。例えば、1991年5月28日発行の米国特許No.5,018,781、発明者Kumasaka等、発明の名称“モジュール式車両本体のルーフ構造及びその製造方法”において、モジュール式コンポーネントは、複数のセクション、即ち、側部、後部及び前部のルーフレール、及びルーフ、を含む。ルーフをレールに取り付けるために、機械的締結具が使用される。このレール及びルーフは、単一のコンポーネントとして、車両に組み立てられる。
2001年10月9日発行の米国特許No.6,299,244、発明者Tarahomi、発明の名称“軽量車両本体パネル及び車両本体パネルのブロー成形方法”において、ルーフ用パネルはブロー成形され、閉止部材或いはシール固定具等の付属部品は、その周辺部分に固定されてよい。こうしたコンポーネントの車両への組み立て方法は、車両本体パネルの全部或いはその実質的部分をブロー成形し(ルーフが図示されている)、その後、付属部品を、ブロー成形された本体上に形成された開口部、又はその周辺部分に固定する。
“自動車用ルーフモジュール”が、1999年3月30日発行の米国特許No.5,887,939、発明者Yamaguchi等に図示され、開示されている。特に、このルーフモジュールは、これに搭載される、電気モジュール及び制御回路を含む機能集中ユニット用の取付け領域を含む。このモジュールは、車両の天井の内部表面に取り付けられ、このユニットは、好適には、複数の機能部品を含むケースである。制御回路ボードは、ルーフワイヤハーネス用の付属部品を含む。これらは、予備的ロック部材を介してモジュールにロックされ、ワイヤハーネスは、形状固定のためのコネクタ及び固定部材、及び閉止部分に受容コネクタを含む。大多数の図面は、ワイヤハーネス及び発明において有用なコネクタを参照する。
2001年8月28日発行の米国特許No.6,279,889、発明者Marcharat等、発明の名称“車両用ルーフ構造”は、車両側部部材により囲繞される広域表面のルーフ開口部を有するルーフを開示し、この開口部は、少なくとも1つの移動可能ルーフセクション及び後ろ扉によって閉止され得る。この前方セクションは、車両後方に向けて、及び後ろ扉下部に移動され、長手方向に伸長する車両レールを用いて共にプレハブモジュールを形成するフレームを支える。
“作業車両用ルーフ構造”が、2001年8月28日発行の米国特許No.6,279,978、発明者Schereyer等に開示されている。この装置は、主として作業車両の操作員運転室に使用され、頂部表面構造及び底部表面構造間に位置し、操作員室の内部に面する強固な断熱材層を有する。これらの構造を接着するため接着剤が使用され、通気チャネルが装置内に含まれて、車両の空調を補助する。発泡ライナー下方に位置するヘッドライナーは、発泡ライナーの底部表面に面する頂部表面と、操作員室の内部に面する底部とを含む。ヘッドライナーの頂部表面は、通気チャネルを囲繞してダクトを形成し、一方、ヘッドライナーの頂部表面は、ダクトの底部壁面を形成する。発泡ライナーは、2つの側壁と、通気ダクトの頂部壁面とを形成する。
多数の他の特許は、車両コンポーネントにモジュール式構造を提供するための多様な他の試みを示す。例えば、上部及び下部セクションを有する車両本体構造が、1959年3月31日発行の米国特許No.2,880,032、発明者Barenyi、発明の名称“上部及び下部セクションからなる車両本体”に開示されている。2つの主要モジュール式本体ユニットを具備する他の構造が、1962年2月20日発行の米国特許No.3,022,105、発明者Tjaarda、発明の名称“複合自動車設計”に開示されている。
ルーフを車両本体の残りの部分に結合する技術であって、ピラーを据え付け受容部材に挿入する技術が、1964年3月31日発行の米国特許No.3,127,213、発明者Klaasen、発明の名称“自動車ルーフ取り付け”に開示されている。更に車両ルーフ取り付け用の構造が、1969年2月11日発行の米国特許No.3,427,068、発明者Keahn、発明の名称“車両ルーフ構造”に開示されている。この特許において、単一の外部ルーフパネルが、単一の内部ルーフパネルに結合され、これら双方には、フロントグラス及び後部ウインドウを受容する開口部が備えられている。
“自動車、特に乗用車用本体”が、1992年3月3日発行の米国特許No.5,092,649、発明者Wyrlに開示されている。この特許において、車両ボディの頂部及び底部は、ベルトラインに結合され、これにより、既設の底部は、異なる頂部スタイルに使用され得る。
1997年8月26日発行の米国特許No.5,660,427、発明者Freeman等、発明の名称“ハイブリッド車両”は、複数のパネルを有する運転室外郭構造を開示し、複数のパネルのいつくかは、シート成形化合物から製造される。
1999年6月29日発行の米国特許No.5,915,781、発明者DeRees、発明の名称“車両本体アセンブリ”において、車両の頂部部分は、底部部分にシールされ、このシールには、本体部材の接合インターフェースに形成された、予め指定されたチャネル空洞に射出される接着剤が使用される。
発行されたいくつかの外国特許もまた、本発明の主題に関連を有する。たいていの場合、こうした外国特許に関するコメントは、その要約のみに基づくものであり、又は、要約が利用可能でない限りにおいて、図面に基づくものである。
Porshce F.AGは、ドイツ特許DE3204.526.Aを“車両用強化樹脂ルーフ”について取得した。ここで開示されるフレームは、タグに平坦化された下部取り付け位置と共に、中空セクション合金を有し、ルーフは、フレーム一面に単一片として成形される。ルーフ構造は、自立支持型で、軽量、かつ強固なものとして開示されている。金属押出部は、ルーフの準備段階で形成され、他の付属部品、例えばドア及びウインドウ用のシーリングストリップ等が、端部上方に挟持され得る。
Francis Lombardi & C.S.r.l.a. Vercelliに発行されたイタリア特許561476は、分離したドア、フェンダー部分を含む側部フレーム、及び他の本体コンポーネントを含む、モジュール式車両本体構造を示す。
“自動車用車両本体構造”が、Mazdaの日本公開特許出願1−182175に開示されている。上部及び下部ボディ部分は、フランジによって互いに接合される。上部ボディ部分は、溶接された複数のスチール部分で製造され、一方下部ボディ部分は、合成樹脂から製造される。
Nissanは、日本公開特許出願63−46976において、“自動車用車両ボディ構造”を開示し、この車両ボディ構造は、ロボットによって自動的に組み立てられ得る。この特許は、車両ボディを3つの“ブロック”に分割することを開示する:エンジンルーム、上部ボディ、及び下部ボディである。フード、トランク、フェンダー、側部遮蔽版等を含む付加的部分が、別個の列で対応するコンポーネントに付加され、多数のコンポーネントがインストールされた後、これらは適合され、車両ボディに組み合わされる。
1992年4月30日発行の、他の日本特許公報4,129,886が、Toyotaに発行され、発明の名称は“車両ボディ用のモジュール式組み立て構造”である。この文書は、主として、車両ボディ部分を、下部車両ボディ部分及び所定のオフセットを有するフランジに整列させる技術に関連するものと思われる。このフランジは、組み立て時、相互に干渉しない。このフランジは、その後、トリムによってカバーされる。
英国特許746、129が、1956年3月、“自動車ボディ”について、Fiatに発行された。この構造において、前方及び後方ウインドウ用の開口部を有する上部ボディと、ドア開口部及びフェンダーを含む側部パネルとを含む複数のモジュールが、開示されている。特許クレームは、こうした車両用の前方端構造に焦点をおく。
1991年発行のPorscheのドイツ特許4018592A1は、その優先権処理である米国特許5,092、649を上記で既に説明したため、ここでは説明しない。
オランダ特許8006431において、英文要約は、摺動ルーフ用のプレハブ取り付けフレームが、その底面が車両の内部ルーフライニングを形成するよう仕上げ加工されることを示唆する。さらに、その周囲は、好適には、車両ルーフの内部周囲に連絡し、取付けフレームは、下方に延長する外部隅部であって、間柱に接続可能な隅部を含んでよい。好適な仕上げは、内部ビニール或いは布裏と共に、フレームの周囲外側に突出し、隅部フラップを有する硬質樹脂発泡体の層からなる。このフレームは、部分的に樹脂であってよく、樹脂に埋め込まれた金属固定フランジを含んでよい。
ヘッドライナー或いはルーフパネルが事実上構造的である必要のない、さらにオーバーヘッドシステムコンポーネントを車両に付加する際の柔軟性を維持する構造型ルーフパネルシステムは、この技術分野において顕著な進歩をもたらすであろう。
本発明の主要な特徴は、オーバーヘッドコンポーネントを受容するよう設計された車両用構造型ルーフパネルを提供する点にある。
本発明の他の特徴は、ルーフパネル及びその構造型支持部材が統合され、オーバーヘッドコンポーネント、サブシステム等を受容するよう設計された、一体型ルーフシステムを提供する点にある。
本発明の他の特徴は、骨格上位構造が、多様なオーバーヘッドシステムのあらゆる組み合わせを受容するよう設計され、外部パネル及びヘッドライナーが構造的である必要がない、車両用の構造型ルーフパネルを提供する点にある。
本発明の他の目的は、ポッドとして位置するオーバーヘッド車両コンポーネント用の構造型支持部材を提供する点にある。このポッドは、車両の側部及び/又は前方及び後方に沿って延長し、ルーフパネル又はヘッドライナーが事実上構造的である必要を排除する。
本発明のさらなる特徴は、組み立てコスト及び時間を低減する車両用の構造型ルーフパネルシステムを提供することにある。
本発明の他の特徴は、多数の成形或いはモールド成形技術、例えば射出或いはシート成形、加圧フィブリット、スタンピング、成形、鋳造等のいずれかによって製造され得る車両用の構造型ルーフパネルシステムを提供する点にある。
本発明の異なる特徴は、外部パネルが、モールド成形によって準備され、又は塗装、包装、被覆、フィルムによるカバー、着色手動成形等され得る、車両用の構造型ルーフパネルシステムを提供する点にある。
本発明の他の特徴は、組み立て工程において、単一の部分が多数のコンポーネントを置き換え、この単一の部品が、OEM最終組み立て工場に、顧客の車両の単一部分として出荷され得る、車両用の構造型ルーフパネルシステムを提供する点にある。
本発明の他の特徴は、接着剤、接合部材、締結具、溶接、MIG等を使用して、他の車両本体コンポーネントに容易に取付けられ得る、及びたいていの好適な実施形態において、車両本体周囲で自立的に位置決めし得る、車両の構造型ルーフパネルシステムを提供する点にある。
本発明の他の特徴は、内部コンポーネント(例えばシート)のZ軸取付けを許容し、モジュール自体が自己整合型位置決めシステムを含み、機械的締結の必要性を最小化する車両アセンブリ用のモジュールを提供する点にある。
本発明の他の特徴は、OEM組み立て工場に、車両への後続の組み立てでロボット工学或いは手作業により選択されるよう、バーコード付きであり、スマートチップ等に埋め込まれた部品を提供する点にある。
本発明のさらに他の特徴は、オーバーヘッドシステム、荷物用トレイ及び関連するシステム、前方及び後方ワイパーアセンブリ、シール、配線、HVACコンポーネント、搭乗者保護システム等を含む多様な内容を含む、車両アセンブリ用ベルトラインアップ構造型モジュールを提供する点にある。
本発明のさらに他の特徴は、本発明の構造型ルーフパネルシステムに取り付けられるヘッドライナー用に、簡易、非構造型、型抜き、伸長された、或いは準備された材料の使用を許容する点にある。
本発明のさらに他の特徴は、高価な材料ではなく、安価な材料を使用して、ヘッドライナー自体の一部としての、ヘッドライナーとパネルシステムの構造型コンポーネントとの間に音響材料が付加され得る、車両用の構造型ルーフパネルシステムを提供する点にある。
本発明の上記及び他の特徴がいかにして達成されるかが、好適な実施形態の以下の詳細な説明に関連して、図面と共に、説明される。こうした特徴は、開示に従って自明である限り、一体として、独立して、又は多様なサブコンビネーションで実現され得る。ある実施形態において、構造型ルーフパネルシステムは、多様なノックアウト或いは所定の孔と、アクセス用位置が、クラスA内部及び外部表面後方に提供される、単一のモールド成形又は成形されたルーフパネルを含む。この実施形態において、オプションのコンポーネントが付加され得、又は顧客又はディーラーの嗜好に依存することなく、これらのコンポーネントは、サンルーフ、情報娯楽システム、及び上記で説明された他のオーバーヘッドコンポーネントを含む。クラスA外部表面は、あらゆる好適な技術、例えば塗装、e被覆、インモールド塗装、フィルムの使用、着色成形等によって提供され得、異なる位置で準備される他の本体部分に適合する。ヘッドライナーは、単なるカバーとなり、重量のあるコンポーネントはモールド成形、スタンプ、或いは成形されたルーフパネルに取り付けられるため、構造的である必要がない。
第2の実施形態において、本発明の特徴は、非構造型ヘッドライナーと外部の非構造型本体ルーフパネルとの間に位置する骨格の形状の上位構造を提供することによって達成される。一体型の実施形態と同様、上記の構造型オーバーヘッドコンポーネントは、その重量を支持する上位構造に取り付けられる。従って、ルーフパネル又はヘッドライナーのいずれも、構造的である必要がなく、3つのコンポーネントの組み立ては、単一のユニットとしてインストールされ得る構造型ルーフパネルシステムをもたらす。
本発明の第3の実施形態において、オーバーヘッドシステムコンポーネント用と同様、ルーフパネル及びヘッドライナー用の構造型支持部材は、例えば車両の側部レール又は前方或いは後方ヘッダに沿って延長するポッドによって、提供される。
本発明の第4の実施形態において、ベルトラインアップ構造は、好適には、第1段階の製造業者により予め組み立てられ、完成ユニットとして、単一のステップで車両の残りの部分にとりつけられるよう、OEM組み立て工場に出荷される。このベルトラインアップ構造は、外部クラスA表面を含んで車両の残りの部分に適合し、単一のユニットとして成形され、又はポッド或いは上位構造を用いる構造型ルーフパネルシステムを含む構造型ルーフコンポーネントを含んでよい。このベルトラインアップ構造は、製造効率を向上してコンポーネント取付けを簡素化し、双方の純コスト削減をもたらすことによって、OEM資本コスト、製造スペース、及び必要労働量を削減し、また、第1段階供給業者の全体コストを削減する。このベルトラインアップ構造は、以下で説明される多様な技術のいずれかで形成されてよく、自立位置決め部材及び接着剤を含む多様な取付け技術のいずれかを用いて、車両の残りのコンポーネントに取り付けられてよい。本実施形態の最も好適な形状のベルトラインアップ構造において、ピラー構造が含まれ、またクラスA表面処理が施され、一方ピラーの不可視領域は、未加工、本体の実体色のままでよく、或いはつや消し黒等の下地塗りでカバーされてよい。他のベルトアップコンポーネント(例えば荷物棚、フロントグラス及び上部コンポーネント)もまた、モジュール式ユニットとして提供されてよい。
これらの実施形態のいずれにおいても、本発明の特徴が達成される他の方法は、本明細書を読んだ後に、本発明の技術分野の当業者にとって自明となり、こうした他の方法は、クレームの範囲内にある限り、本発明の範囲内にあるとみなされる。
図面において、同様の符号は、同様のコンポーネントを示すために用いられる。
本発明に係る構造型ルーフパネルシステムの好適な実施形態の詳細な説明に進む前に、その適用可能性及び範囲に関して、いくつかの一般的コメントを述べることができる。
第1に、多様なオーバーへドシステムコンポーネントが多様な図面に図示されており、これらは、エアバッグ、ミラー、アンテナ格子、サンルーフ、オーバーヘッドコンソール、天井灯、バイザー、及びワイヤハーネスを含む。図示されたコンポーネントは、多少なりとも構造型ルーフシステムと共に含まれ得るオーバーヘッドシステムコンポーネントを限定するものと解されるべきではない。より詳細には、これもまた限定的に解されるべきではないが、可能なコンポーネントのリストは、サンルーフ/ムーンルーフシステム、折り畳みキャンバス、Tトップ、グラスルーフパネル、HVAC制御機器、HVAC通気孔、HVACダクト、ヘッドレスト、陽射しよけシステム、情報娯楽コンポーネント及びシステム、多重アンテナ、単一アンテナ、音響処置、ヘッドライナー、器具類及びナビゲーションシステム、貯蔵コンポーネント、スピーカ、緊急警告システム、後方視覚/外部視覚カメラ又はディスプレイ、エアバッグ、他の頭部抗衝撃手段、搭乗者感知システム、照明、CHMSL、P&SDシステム、Dリング、側部視覚システム、閉止トリム、レールシステム等を含む。
図示された実施形態は、いかなる場合でも、オーバーヘッド機器が構造型ルーフパネルシステムの構造型コンポーネントに取り付けられる手法を示すものではなく、その中の及びそれ自体の取付けシステムは、本発明の一部を構成するものではないことが明瞭に理解されるべきである。上記の多様なオーバーヘッドシステム、及び現在使用され得、又は今後車両での使用のため開発され得る他の物は、あらゆるタイプの好適なコネクタ又は取付けシステムによって取り付けられてよく、これらは接着剤、スナップ式処理、Velcro7(登録商標)、ストラップ、ねじ込み締結具、リベット、ボルト及びナット手段、締まり嵌め、タイ、クリップ等を含む。本発明は、決して、あらゆる特定のコンポーネントを本発明の構造型ルーフパネルシステムの構造型要素に取り付けるために使用される技術によって、限定されると解されるべきではない。
ルーフパネルは、独立して製造されてもよく、或いは構造型システム(ある実施形態における)と結合されてもよく、あらゆるモールド成形或いは成形技術のいくつでも、例えば射出成形、鋳造、強化射出成形、シート成形、スタンピング、鋳造、水力形成加圧フィブリット、レイアップ、或いは車両のパネル製造に現在用いられている他の技術によって、製造されてよい。さらに、ルーフパネルは、多様な公知の技術のいずれか、例えば、塗装、e被覆、インモールド塗装、フィルムの適用、着色成形等によって、クラス“A”外部表面を施されてよい。さらにまた、ルーフパネル製造の原料となる特定の材料は、金属、合金、樹脂、強化樹脂等を含んでよい。
本発明のルーフシステムの多様なコンポーネントを組み立てる技術はまた、広範囲に変動し得る。たいていの場合、完成したルーフシステムは、車両組み立て工場で、Z軸上降下されて、インストールされるが、一方、ルーフシステム自体の組み立ては、異なる設備で実行されるため、反位状態で実行され得、このため、その重量は、上方から支持される必要がなく、作業者或いはロボット工学機器は、システムにおいてより容易に作業することができる。好適な技術は、本発明に係る構造型ルーフパネルシステムと車両との組み合わせとして説明されるが、これらはまた、車両内部の下から上へインストールされてよい。いずれの場合にも、構造型ルーフパネルシステムに位置決めシステムを有することが好適であり、このシステムは、車両周囲で位置決め要素と整列する。この技術により、OEM組み立て工場での取付け及び段取りコストが回避される。特定の自立位置決め要素の包含、その数、或いはその使用は、完全にオプションであり、本発明の範囲を限定するものと解されるべきではない。
本出願において開示される発明の他の特徴は、第1段階供給業者によって構造型ルーフシステムが別個に組み立てられ、これがOEM業者で他の車両コンポーネントに取り付けられるため配送される点にある。アセンブリライン上での特定の車両ボディ組み立て工程で使用される特定の構造型ルーフシステムを指定する1つの技術は、バーコードの使用であるが、他のタイプのあらゆる指定技術、例えばスマートチップが使用されてよい。OEMは、配送システム(例えば可塑性支持を有するラック)から適切なルーフパネルシステムを取り出し、ロボット工学或いは手作業によって、この構造型ルーフパネルシステムを、多様な取付けシステムのいずれか及び上記の位置決め部材を用いてルーフ周囲に取付ける。構造型ルーフシステムを車両の残りの部分にシールするために使用される特定の技術は、図示されていないが、本発明の属する技術分野の当業者には、車両内装を水分、塵、空気、ノイズ等から保護するためシールが必要であることは自明である。
本発明の構造型ルーフパネルシステムと共に使用されるヘッドライナーの特定のタイプは、広範囲に変動してよく、本技術分野で現在使用され、又は公知のもののいずれかから選択されてよい。このヘッドライナーは、上記で述べたとおり、構造的である必要はないが、多様な属性、例えば音響制御、審美性、頭部抗衝撃特性等の既存のシステムの特性は、本発明において容易に使用され得る。さらに、本発明において開示された構造型ルーフパネルシステムは、ルーフパネル(別個の要素として)或いはヘッドライナーのいずれかが事実上構造的であることを要しないが、システム全体への構造的効果の程度は、本発明の範囲から逸脱することなく、ゼロから実質的な量まで分布し得る。例えば、ヘッドライナーは、熱成形されてよく、その製造場所から構造型ルーフパネルシステムの組み立て場所までの出荷の間の損傷に耐え得る十分な構造を有してよく、ルーフパネルは、その出荷、仕上げ処理等の間の損傷を回避するのに十分な構造を有してよい。構造型ルーフシステムの全体強度は、ヘッドライナー、ルーフパネル、或いはある場合には、オーバーヘッドシステムコンポーネント自体からの可能な添加剤入力と共に、3つの実施形態において示される構造型ルーフコンポーネントにより影響される。
次に、本発明の4つの実施形態の説明に進み、図1は、第1の実施形態に係る一体型構造型ルーフパネルシステムの分解図を示す。ルーフシステム全体は、符号10で参照され、一方、構造型一体設計構造型コンポーネントは、符号12で参照される。図1から理解されるように、ルーフパネル14は、構造型要素12で形成され、サンルーフ或いは他の“オプション機器”は、所定領域例えば16をノックアウトすることにより付加され得る。多様なオーバーヘッドシステムコンポーネントがまた、図1に示されている。これらは、側部エアバッグモジュール15、アンテナファーム18、天井灯22を受容する開口部21を含むヘッドライナー20、及びオーバーヘッドコンソール25を受容する開口部24を含む。端部切り欠き部27はまた、後方視覚ミラー28を収容するため含まれる。サンルーフ用モータはまた、29として図示されている。上記で明瞭に述べられたとおり、一体型ルーフシステム10に付加され得る多様なコンポーネントの数及び位置は、広範囲に変動し得、また、構造型リブ31が多様な位置に備えられ、こうしたコンポーネントを受容する。
一体構造型ルーフパネルシステム10の他の実施形態との相違点は、ルーフパネル14が構造型コンポーネント12で形成され、好適にはこれとともに一体成形される点にあるが、一方、必要に応じて、2段階のオーバーモールディング、コモールディングあるいは嵌め込みモールディング操作が使用されてよい。ルーフパネル14を構造型要素12に、別個のコンポーネントとして接合する他の技術、例えば接着剤の使用等、もまた、用いられてよい。しかしながら、好適には、コンポーネント12及び14は、単一モールド成形、鋳造、成形、或いは他のプロセスで形成される。
第2の実施形態が図2に示されており、この実施形態は、上位構造型要素42、ルーフパネル43及びヘッドライナー45を有する上位構造型システム40を含む。この実施形態において、ルーフパネル43は、ワイヤーハーネス46、バイザー48、後方視覚ミラー49、オーバーヘッドコンソール50、エアバッグアセンブリ52、及びアンテナ格子54を含む、図示される他のオーバーヘッドコンポーネントと共に、上位構造42に設定される、別個の組み立て部品として付加される。
上位構造42は好適には、樹脂から製造され、必要に応じて強化されてよい。この上位構造42は、上記のオーバーヘッドコンポーネント用の他の予め指定された取付け領域、又はディーラー或いは顧客によって選択され得る他のオーバーヘッドコンポーネントと同様、支持リブ55のネットワークを含む。オーバーヘッドコンポーネントの接合は、ヘッドライナー45及びルーフパネル43と同様、上記の締結技術のいずれかを用いて達成されてよい。
本発明の第3の実施形態が図3に示されており、この実施形態は、ポッドシステム60として示され得る。第3の実施形態において、オーバーヘッドコンポーネント、パネル62及びヘッドライナー62が、構造型ポッド66によって支持されるため、ルーフパネル62及びヘッドライナー64は、構造的である必要はない。図示された実施形態において、ポッド66は、完成した車両のいずれかの側部に沿って延長し、ただし上記で示されたように、付加的なポッドが車両先端から後尾までに付加されてよく、あるいはこの先端から後尾までのポッドは、側部ポッド66に置き換わってもよい。本図には、バイザー70、ワイヤハーネス72、エアバッグキャニスター74を含む、少数のオーバーヘッドコンポーネントのみが図示されている。図示されるように、エアバッグキャニスター74は、ポッド66中のポケット75内に嵌合する。
次に、本発明の他の代替的な実施形態の説明に進み、図4は、二枚貝状の車両構造80を示す分解図である。構造80は、主車両ボディ82、ドアモジュラーアセンブリ84、上部車両モジュール86を含む。図示された実施形態において、上部モジュール86は、統合ルーフパネル88、Aピラー90、Cピラー92、及びBピラー94の部分を含む。さらに、荷物棚98及びフロントプレート100が備えられ、後者は、フロントグラスワイパーアセンブリ102を含む。分解形状において、計器パネル105、フロア構造108、前列シート110、フロアコンソール114、及び後部シート112は、全て、Z軸方向にボディ82に挿入されてよいことが理解される。図4には特に図示されていないが、代替的実施形態は、上部車両モジュール86の一部として構成される計器パネル105の上部表面を有してよく、これにより、上部車両モジュール86がフル装備されて、残りのコンポーネントに取り付けられる際に、IP上部が計器パネルの残りのコンポーネントに組み立てられる。
明細書の本セクションへの導入部に含まれる情報のすべてを繰り返すことなく、上部車両モジュール86の前方及び後方のグラスは、モジュールとともに備え付けられてよく、或いは最終組立て工程で別個に付加されてもよい。さらに、材料及び表面処理は、上記から選択されてよい。
Bピラー94に関し、図4において、上部車両モジュール86に取り付けられる部分は、ボディに取り付けられる結合器99内に受容される。
再び上部車両モジュール86を参照し、位置決め機器97が、ドアモジュールの取付けのため、又は上部車両モジュール86を上記したとおりボディ82に固定するため、Aピラー及びCピラー双方の基部に備えられる。
4つの好適な実施形態及びその図面に関連して本発明が説明されたが、本発明は、これらの開示或いは図面によっては限定されず、専らクレームの範囲によって限定され得る。
設計された構造型ルーフパネルシステム及びこれに付加され得る複数のオーバーヘッドシステムコンポーネントを示す、一体型ルーフシステムの分解図である。
多様なオーバーヘッドシステムコンポーネントが貼付され得る上位構造を含む、構造型ルーフパネルシステムの分解図である。
オーバーヘッドシステムコンポーネントを支えるために側部ポッドが使用される、構造型ルーフパネルシステムを、分解の形式で示す分解図である。
本発明の他の実施形態の分解斜視図である。