JP2006336012A - 可溶性のポリイミド樹脂およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
体積と重量を軽減させ得るので、回路板として常用されている。
金属導体層とを、接着剤で粘着して回路積層板を形成し、通常、金属層の材料としては、銅箔が用いられている。ポリイミド樹脂は、耐熱性、抗化性、優れた機械的特性と電気特性を有するので、絶縁体基材の素材として常用されている。又、金属層と絶縁体基材の粘着に使用される接着剤としては、通常、エポキシ樹脂やアクリル樹脂接着剤が挙げられるが、これらの接着剤は、耐熱性が悪く、後続する樹脂の熱硬化製造過程において、たやすく破損し、ソフト プリント基板のサイズ安定性を低下させる。この問題を解決すべく、
接着剤にゴム弾性体を加え、破損を防止する試みがなされているが、ゴム弾性体の熱安定性は良くなく、高温下での製造工程において劣化し、ソフト プリント基板の物性を低下
させるという問題がある。
少なくとも下記式(I)に示す酸二無水物を含む酸二無水物モノマーと、
少なくとも下記式(II)に示すジアミンを含むジアミンモノマーと
を重縮合反応させることによりポリアミド酸樹脂を形成し、次いでそのポリアミド酸樹脂をイミド化することにより合成されてなることを特徴としている。
H2N−Ar−NH2 …(II)
(式(II)中、Arは、下記に示される基のいずれかである;
(a)非プロトン性溶剤の存在下に、少なくとも上記式(I)に示される酸二無水物を含む酸二無水物モノマーと、
少なくとも上記式(II)に示されるジアミンを含むジアミンモノマーと
を重縮合反応させることによりポリアミド酸樹脂を形成する工程と、
(b)前記工程(a)で得られるポリアミド酸樹脂をイミド化する工程と、
を含むことを特徴としている。
ポリイミド樹脂およびその製造方法
本発明のポリイミド樹脂は、少なくとも下記式(I)に示す酸二無水物を含む酸二無水物モノマーと、少なくとも下記式(II)に示すジアミンを含むジアミンモノマーとを重縮合反応させることによりポリアミド酸樹脂を形成し、次いでそのポリアミド酸樹脂をイミド化することにより合成される。
H2N−Ar−NH2 …(II)
(式(II)中、Arは、芳香族を含む基であり、下記に示される基のいずれかである;
用い、トリメリト酸無水物塩化物とジオール類との反応により製造される方法が開示されている。又、PBTDAは、反応式(1)に示されるトリメリト酸無水物(TMA)と4,4'-ジヒ
ドロキシビフェニルの縮合反応により製造することができる。
反応式(1)
において、BHEBP(ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ビフェニル)とTMAを縮合反応させる方法が開示されている。BHEBPDAの合成方法を反応式(2)に示す。
反応式(2)
これらに限定されるものではない。
ンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物60〜80モル%、ビフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物10〜20モル%、及び4,4'-オキシジフタル酸二無水
物5〜15モル%が含まれる。
ル(BAPB)、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)、3,3'-ジアミノジフ
ェニルスルホン(DDS)と、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(a)非プロトン性溶剤の存在下に、上述した酸二無水物モノマーと、ジアミンモノマーとを重縮合反応させることによりポリアミド酸樹脂を形成する工程と、
(b)前記工程(a)で得られるポリアミド酸樹脂をイミド化する工程とを含む。
に、非プロトン性溶剤に溶かした酸二無水物の溶液を数回に分けて添加し、重縮合反応を行なうことにより、ポリアミド酸樹脂を形成する。
られるが、それらに限定されるものではない。上記の非プロトン性溶剤には、その他の有機溶剤を加えても良く、これら有機溶剤の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、シクロへキサノールとこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されるものではない。上記の有機溶剤の使用量としては、ポリアミド酸樹脂が沈澱しない範囲で利用される。
、5〜50%含有されることが好ましく、より好ましくは、固形分が溶液比率の10〜30%を
占めることが望ましい。
のポリイミド樹脂は、感光性官能基を有する化合物と調合することにより、感光性のポリイミド樹脂を形成して集積回路(IC)の製造工程にも応用される。この他、本発明のポリイミド樹脂は、フイルムやワニスとして製造され、耐熱性の高い被覆膜、例えば、ソフト基板の被膜に利用される。又、本発明のポリイミド樹脂は、例えば、チタン酸バリウムなどの誘電率の高い物質と共に、調合してフイルムを形成し、例えば、電気容量の内部電子部品に利用される。
ソフト回路板
本発明に係るソフト回路板の製造では、好ましくは、(a)接着剤を金属箔上に塗布す
る工程と、(b)加熱して溶剤を除去することにより、接着剤層を形成する工程と、(c)窒素ガス雰囲気中で、前記接着剤層を加熱硬化する工程とを含む。
は鉄箔、あるいはこれらの合金の箔が用いられ、その中、銅箔としては、電解銅箔又は圧延銅箔が用いられ、その厚さは、通常、12〜70μmである。これらの製造方法としては、
先ずポリアミド酸樹脂を上記金属層の荒い面に、例えば、ダイ コーター、リップ コーター又はロール コーターなどを用いて塗布した後、オーブンに入れて、段階を分けて加熱
して、溶剤含量が20%以下になる迄加熱する。オーブンの温度は、通常、110〜180℃であり、好ましくは、120〜170℃である。ベーキング速度は、0.5〜10 m/minであり、好まし
くは1〜7 m/minである。
記キュアリングは、オーブンで、連続的またはバッチ的に加熱して行われる。前記キュアリングは、好ましくは、窒素ガス又または不活性ガス雰囲気で行うことにより、加熱工程において金属層が酸化するのを防止することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
原料についての説明:
以下の実施例において、各略称で示される原料物質は以下に示す化合物である。
BPDA:ビフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物
OPDA:4,4'-オキシジフタル酸二無水物
TPE-R:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
BAPP:2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
BAPS:ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン
APB:1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
BAPB:4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
DMAC:ジメチルアセトアミド
DMF:ジメチルホルムアミド
物性の測定方法:
・半田耐熱性試験:IPC TM-650 2.4.13に準拠する。
・剥離強さ:IPC TM-650 2.4.9に準拠する。
・Tg:熱機械分析法により測定したガラス転位温度(Tg)である。
[実施例1]
攪拌機と窒素ガス導入管を備える四口反応釜にBAPP( 24.6g、0.06mol )とNMP(160
g)を加えて、窒素ガス流量を20cc/minとし、15℃の条件下でBAPPが全部溶解する迄攪拌する。
と第2フラスコの溶液を反応釜に加え、窒素ガスを持続して導入しながら、1時間攪拌して反応を行なう。
し反応を行なう。
窒素ガスの導入を止め、反応釜にDean stack 装置を取り付けて水分を除去する。トルエ
ン(35g)を反応釜に入れ、185℃に升温して閉環脱水反応を行ない、ポリアミド酸樹脂
からポリイミド樹脂を合成する。トルエンの存在下還流することによって、水分を系外に持続しながら除去し、完全に水分がなくなるのを確認した後、温度を室温に下げる。次に、メタノールを加えてポリイミド樹脂を沈澱させ、その沈澱物を濾過し、メタノールにより2回洗浄し、オーブンに入れて乾燥し、ポリイミド樹脂粉末を得る。
。
[実施例2〜10、比較例1および2]
各成分の使用量を、表1に示すモル数の量としたことのほかは、実施例1と同様にして実施した。
し、溶解特性を評価した。結果を表2に示す。
さらに、上記実施例1〜10と比較例1と2により得たポリイミド樹脂粉末をNMPに溶かし、ワニスを調合し、厚さ25μmのポリイミド膜(商品名アピコール)上に、各面の厚さが3μmになるよう塗布した。オーブン中、150℃で5分間加熱し、更に180℃で15分間の条件下加熱して溶剤を除去した。乾燥後、ポリイミド樹脂を塗布したポリイミド膜と、空白の銅箔とを、プレート圧合機またはローラー圧合機を用い、280〜400℃で圧合した。圧合温度は、好ましくは300〜360℃。圧合圧力は、通常、20〜200kg/cm2であり、好ましくは40〜150kg/cm2である。これによりポリイミド樹脂の両面銅箔回路板を得る。IPC TM-650に準拠して、銅箔の剥離強さを測定した。その結果を表3に示す。
ものと比べて、より優れた剥離強さ(1.0 kgf/cm 以上)を示すことがわかる。
のポリイミド樹脂は、感光性官能基を有する化合物と調合することにより、感光性のポリイミド樹脂を形成して集積回路(IC)の製造工程にも応用される。この他、本発明のポリイミド樹脂は、フイルムやワニスとして製造され、耐熱性の高い被覆膜、例えば、ソフト基板の被膜に利用される。又、本発明のポリイミド樹脂は、例えば、チタン酸バリウムなどの誘電率の高い物質と共に、調合してフイルムを形成し、例えば、電気容量の内部電子
部品に利用される。
Claims (20)
- 前記式(I)中のRが、酸素原子またはO(CH2)2Oを示すことを特徴とする請求項1に記載のポリイミド樹脂。
- 前記酸二無水物モノマーと、前記ジアミンモノマーとのモル比率(酸二無水物モノマー/ジアミンモノマー)が、0.75〜1.25であることを特徴とする請求項1に記載の
ポリイミド樹脂。 - 前記酸二無水物モノマーと、前記ジアミンモノマーとのモル比率(酸二無水物モノマー/ジアミンモノマー)が、0.9〜1.1であることを特徴とする請求項3に記載のポリイミド樹脂。
- 前記酸二無水物モノマーが、ベンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物と
、ビフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物と4,4'-オキシジフタル酸二無水物を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のポリイミド樹脂。 - 前記酸二無水物モノマーが、酸二無水物モノマーの総量中に、式(I)に示す酸二無水物5〜20モル%、ベンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物60〜80モ
ル%、ビフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物10〜20モル%、及び4,4'-オキシジフタル酸二無水物5〜15モル%を含むことを特徴とする請求項5に記載のポリイミド樹脂。 - 請求項1に記載のポリイミド樹脂を、非プロトン性溶剤に溶解して得られるワニスを含むことを特徴とする接着剤。
- 前記非プロトン性溶剤が、N-メチル-2-ピロリドンと、ジメチルアセトアミドと、ジメ
チルホルムアミドとからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7記載の接着剤。 - 請求項7に記載の接着剤を使用し、ソフト回路板を製造する方法であって、
(a)請求項7に記載の接着剤を金属箔上に塗布する工程と、
(b)加熱して溶剤を除去することにより、接着剤層を形成する工程と、
(c)窒素ガス雰囲気中で、前記接着剤層を加熱硬化する工程と
を含むことを特徴とするソフト回路板の製造方法。 - 前記工程(c)の前に、前記金属箔と別な金属箔を前記接着剤層に積層することにより、前記接着剤層が前記2枚の金属箔の間に位置するように構成する工程をさらに含み、これにより、金属箔−接着剤層−金属箔の構成を有する両面ソフト回路板を製造することを特徴とする請求項9記載のソフト回路板の製造方法。
- 前記金属箔が、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、およびそれらの合金箔よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項9に記載のソフト回路板の製造方法。
- 前記式(I)中のRが、酸素原子またはO(CH2)2Oを示すことを特徴とする請求項12に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
- 前記酸二無水物モノマーと、前記ジアミンモノマーとのモル比率(酸二無水物モノマー/ジアミンモノマー)が、0.75〜1.25であることを特徴とする請求項12に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
- 前記酸二無水物モノマーと、前記ジアミンモノマーとのモル比率(酸二無水物モノマー
/ジアミンモノマー)が、0.9〜1.1であることを特徴とする請求項14に記載のポリイミド樹脂の製造方法。 - 前記酸二無水物モノマーが、ベンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物と
、ビフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物と4,4'-オキシジフタル酸二無水物を更に含むことを特徴とする請求項12に記載のポリイミド樹脂の製造方法。 - 前記酸二無水物モノマーが、酸二無水物モノマーの総量中に、式(I)に示す酸二無水物5〜20モル%、ベンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物60〜80モ
ル%、ビフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物10〜20モル%、及び4,4'-オキシジフタル酸二無水物5〜15モル%を含むことを特徴とする請求項16に記載のポリイミド樹脂の製造方法。 - 前記非プロトン性溶剤が、N-メチル-2-ピロリドンと、ジメチルアセトアミドと、ジメ
チルホルムアミドとからなる群より選ばれる一種であることを特徴とする請求項12に記載のポリイミド樹脂の製造方法。 - 前記非プロトン性溶剤に、ベンゼン、トルエン、シクロへキサノール、およびそれらの混合物からなる群より選ばれる有機溶剤を添加することを特徴とする請求項18記載のポリイミド樹脂の製造方法。
- 前記工程(b)のイミド化反応を、100〜450℃の温度条件下で行うことを特徴とする請求項12に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
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