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JP2006336011A - ポリイミド樹脂及びその製造方法 - Google Patents

ポリイミド樹脂及びその製造方法 Download PDF

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JP2006336011A
JP2006336011A JP2006148852A JP2006148852A JP2006336011A JP 2006336011 A JP2006336011 A JP 2006336011A JP 2006148852 A JP2006148852 A JP 2006148852A JP 2006148852 A JP2006148852 A JP 2006148852A JP 2006336011 A JP2006336011 A JP 2006336011A
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坤 源 黄
Anho To
安 邦 杜
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Abstract

【解決手段】本発明のポリイミド樹脂は、少なくとも下記式(I)に示す酸二無水物を含む酸二無水物モノマーと、ジアミンモノマーとを重縮合反応させてポリアミド酸樹脂を形成し、次いでそのポリアミド酸樹脂をイミド化することにより合成されてなることを特徴としている。
Figure 2006336011

【効果】本発明によれば、吸水性が低く、熱膨脹係数が小さく、剥離強度が高く、サイズ安定性が高く、また、耐熱性に優れたポリイミド樹脂およびその製造方法を提供することができる。本発明のポリイミド樹脂は、ポリイミドフイルムを製造し、そのフイルムを金属層に置くことにより、またはポリアミド酸樹脂を電導性金属箔に塗布した後、イミド化してポリイミド樹脂層を形成することにより、ソフト回路板を製造する用途などに好適に利用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミド樹脂とその製造方法に関する。詳しくは、特定の酸二無水物モノマーとジアミンモノマーから形成されるポリイミド樹脂とその製造方法に関する。
近年、電子、通信設備の薄く、微小化の要望に伴ない、これら設備における集積回路、パッケージ体積も微小化、薄型化に向かって発展しつつあり、これらに使用される回路基板の回路も更に微細化をたどっている。各回路基板において、ソフト プリント基板は、
大幅に電子素子の体積と重量を下げ得るので、回路基板に常用されている。
通常、ソフト プリント基板の構造としては、絶縁体基材と金属導体層を含み、この絶
縁体基材と金属導体層を接着剤により粘着して回路積層板を形成し、金属導体層としては、通常、銅箔が材料として用いられている。ポリイミド樹脂は、耐熱性、抗化性、機械的性質、電気的性質などに優れた特性を備えているので、絶縁基材として常用されている。金属層と絶縁体基材を接着するのに使用する接着剤としては、通常、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂接着剤が使用されている。然るに、これら接着剤は耐熱性が悪く、樹脂の熱硬化工程において破損しやすく、ソフト プリント基板のサイズ安定性に悪い影響をもたら
している。この欠点を改良する目的で、接着剤にゴム弾性体を加えて破損を防止する試みが提案されているが、ゴム弾性体の熱安定性にも問題があり、高温下での製造において劣化がおこり、ソフト プリント基板の物性の低下を招いている。
また、ポリイミド樹脂層と金属層とは、熱膨脹係数が異なるので、高温製造過程において、その膨脹度の違いにより積層板の反り曲りを引き起こしたり、内応力が残留したりするために、製造効率に悪影響を与える場合がある。特許文献1(日本の特開2002-322292
号公報)においては、ポリイミド樹脂中にナノ粘土添加物を添加することにより膨脹係数を調整する方法が公開されているが、このナノ粘土添加物には金属イオンが残存する問題があり、ポリイミド層の電気的性質に影響をもたらす。
また、ポリイミド樹脂層の特性も積層板の品質に影響を与えるものであり、例えば、ポリイミド樹脂により多くのアミド基が含まれる場合、ポリイミド樹脂層の吸水性を高めるので、アミド基が分解してアミノ基と酸基を形成する。分子の主鎖にその他の官能基を導入することにより、ポリイミド樹脂の吸水率を下げ得るが、このように長い主鎖の単体を利用することは、ポリイミド樹脂層の弾性率の低下につながり、且つ線膨脹係数の増加により、形成された積層板のサイズの変化も大きくなり、サイズの安定性が低下する。上記した如き状況から、ポリイミド樹脂として、吸水性と線膨脹係数を下げ、且つ優れた耐熱性と加工特性を有するものの開発が望まれている。
特開2002−322292号公報
本発明の目的は、吸水性の低いポリイミド樹脂およびその製造方法を提供することにある。本発明の又の目的は、熱膨脹係数の小さいポリイミド樹脂およびその製造方法を提供することにある。本発明の更なる目的は、剥離強度の高いポリイミド樹脂およびその製造方法を提供することにある。本発明の別な目的は、サイズ安定性の高いポリイミド樹脂およびその製造方法を提供することにある。本発明の又一つの目的は、耐熱性に優れたポリイミド樹脂およびその製造方法を提供することにある。
本発明のポリイミド樹脂は、少なくとも下記式(I)に示す酸二無水物を含む酸二無水物モノマーと、ジアミンモノマーとを重縮合反応させてポリアミド酸樹脂を形成し、次いでそのポリアミド酸樹脂をイミド化することにより合成されてなることを特徴としている。
Figure 2006336011
本発明では、重合ユニットとして上記式(I)に示される酸二無水物を使用し、ビフェニル構造をポリイミド樹脂の主鎖部分に導入することにより、低い吸水率、小さい熱膨脹係数、高耐熱性と高サイズ安定性を有するポリイミド樹脂を得ることができる。
本発明は、更に上記のポリイミド樹脂を製造する方法を提供する。すなわち、本発明のポリイミド樹脂の製造方法は、
(a)非プロトン性溶剤の存在下に、少なくとも上記式(I)に示される酸二無水物を含む酸二無水物モノマーと、ジアミンモノマーとを重縮合反応させ、ポリアミド酸樹脂を得る工程と、
(b)前記工程(a)で得られたポリアミド酸樹脂をイミド化する工程と、
を含むことを特徴としている。
本発明によれば、吸水性が低く、熱膨脹係数が小さく、剥離強度が高く、サイズ安定性が高く、また、耐熱性に優れたポリイミド樹脂およびその製造方法を提供することができる。本発明のポリイミド樹脂は、ポリイミドフイルムを製造し、そのフイルムを金属層に置くことにより、またはポリアミド酸樹脂を電導性金属箔に塗布した後、イミド化してポリイミド樹脂層を形成することにより、ソフト回路板を製造する用途などに好適に利用できる。
本発明に係るポリイミド樹脂は、優れた耐熱性と強力な接着性を有し、従来のエポキシ樹脂やアクリル樹脂接着剤などの周知な接着剤の耐熱性の欠点を改善し、これら接着剤樹脂が高温下で劣化して、回路基板の品質の低下を引き起こすのを防止することができるので、本発明に係るポリイミド樹脂は、電子装置又は電子素子のパッケージ、ソフト回路板の製作に有用である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のポリイミド樹脂は、少なくとも下記式(I)に示す酸二無水物を含む酸二無水物モノマーと、ジアミンモノマーとを、非プロトン性溶剤の存在下で重縮合反応させてポリアミド酸樹脂を形成し、次いでそのポリアミド酸樹脂をイミド化することにより合成される。
Figure 2006336011
本発明では、重合ユニットとして上記式(I)で示される酸二無水物を使用し、ビフェニル構造をポリイミド樹脂の主鎖部分に導入することにより、低い吸水率と小さい熱膨脹係数を有するポリイミド樹脂を得ることができる。本発明に係るポリイミド樹脂は、その低い吸水率のため、加工安定性とサイズ安定性が高められる。また、本発明のポリイミド樹脂は、熱膨脹係数が小さく、銅箔などの金属層の熱膨脹係数と近いため、回路基板の製造中、高温下の加工で反り変曲などの変形が少なくなり、サイズ安定性が良くなる。
本発明で用いられるジアミンモノマーとしては、たとえば、下記式(II)に示されるジアミンモノマーが挙げられる。
2N−Ar−NH2 …(II)
式(II)中、Arは、芳香族基を含む基を示し、たとえば、
Figure 2006336011
が挙げられる。ここでR1は、S、O、C=0またはC16アルキレン基を示す。
上記ジアミンモノマーとしては、p-フェニレンジアミン(p-PDA)のようなフェニレンジ
アミン、4,4'-オキシジアニリン(4,4'-ODA)のようなオキシジアニリンがより好ましい。
本発明の好ましい実施態様において、上記ジアミンモノマーは、ジアミンモノマーの総量中に、フェニレンジアミン5〜95モル%と、オキシジアニリン5〜95モル%とを含む。
また、本発明で用いる酸二無水物モノマーは、式(I)に示される酸二無水物モノマーの他、さらにその他の酸二無水物モノマーを1種又は多種含んでもよい。その具体例として、例えば、ベンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(BTDA)、ビフェニ
ル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(BPDA)などが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
本発明の一つの好ましい実施態様において、酸二無水物モノマーは、酸二無水物モノマーの合計モル数(総量:100モル%)に対し、式(I)に示す酸二無水物5〜20モル%
、ベンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(BTDA)75〜40モル%、及
びビフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(BPDA)20〜40モル%を含む。
なお、式(I)で示される酸二無水物は、PBTDAと略称されている。
PBTDAは、周知の方法により製造される。例えば、ベンゼンとトルエンを溶剤として、
トリメリト酸無水物塩化物とジオール類との反応により合成されるか、又は、下記反応式
(I)に示されるトリメリト酸無水物(TMA)と4,4'-ジヒドロキシビフェニルを反応させることにより合成することができる。
反応式(I)
Figure 2006336011
本発明のポリイミド樹脂を製造する際において、酸二無水物モノマーと、ジアミンモノマーの比率(酸二無水物モノマー/ジアミンモノマー)としては、モル数あたり、0.75〜1.25の範囲が好ましく、0.9〜1.1の範囲がより好ましい。
本発明のポリイミド樹脂の製造方法は、
(a)非プロトン性溶剤の存在下に、少なくとも上記式(I)に示される酸二無水物を含む酸二無水物モノマーと、ジアミンモノマーとを重縮合反応させ、ポリアミド酸樹脂を得る工程と、
(b)前記工程(a)で得られたポリアミド酸樹脂をイミド化する工程と
を含み、これによりポリイミド樹脂を形成することができる。
前記工程(a)では、好ましくは、非プロトン性溶剤に溶かしたジアミンモノマーの溶液に、非プロトン性溶剤に溶かした酸二無水物の溶液を数回に分けて添加し、重縮合反応を行なうことにより、ポリアミド酸樹脂を形成する。
この非プロトン性溶剤の具体例としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびこれらの混合物が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。上記の非プロトン性溶剤中、他の有機溶剤を加えることができる。この有機溶剤の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロへキサノールとそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。この有機溶剤の使用量としては、ポリアミド酸樹脂が沈澱しない範囲で用いられる。
工程(a)における酸二無水物モノマーとジアミンモノマーとの重縮合反応温度は、0
〜100℃範囲が好ましく、より好ましくは、10〜80℃である。得られたポリアミド酸樹脂
溶液としては、溶液中に固形分5〜50%が含まれることが好ましく、更に、固形分10〜30
%が含まれることがより好ましい。
ポリイミド樹脂の応用面としては、例えば、2層構造を有するソフト回路基板の製作が
挙げられ、このときポリイミド樹脂層の厚さは、通常5〜100μmであり、金属層は、銅箔
、アルミ箔、ニッケル箔、鉄箔またはこれらの合金箔などが利用される。その中、銅箔としては、電解銅箔又は圧延銅箔が使用され、その厚さは、通常、9〜70μm、好ましくは12.5〜50μmである。本発明のポリイミド樹脂を利用したソフト回路基板の製作方法として
は、上記工程(a)と、上記工程(b)との間に、工程(a)で得たポリアミド酸樹脂を導電性金属箔に塗布する塗布工程をさらに含む方法が挙げられる。先ず、ポリアミド酸樹脂を上記の金属層の荒い表面に、ダイ コーター、リップ コーター又はロール コーター
などを用いて塗布した後、オーブンに入れて、段階加熱方式により加熱し、溶剤含量が20%以下になるように溶剤を除去する。加温条件は、通常、110〜200℃、特に、120〜180℃が好ましい。加温コンベアの速度は、通常、0.5〜10 m/minであり、特に、2〜7 m/minが
好ましい。
次いで、高温キュアリングを行ない、ポリアミド酸樹脂がポリイミド樹脂になるようにイミド化反応を行なう。キュアリングは、オーブン中に連続又はバッチ式により行なわれる。キュアリングの後段温度は、通常、200〜400℃が用いられ、特に好ましくは250〜350℃である。キュアリングは、窒素又は不活性ガス雰囲気に行なわれ、金属層が加熱の際に酸化することを防止する。
このようにして得られる本発明に係るポリイミド樹脂は、優れた耐熱性と強力な接着性を有する。このため、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などの従来の接着剤の耐熱性の欠点を改善し、回路基板などの電子製品に用いた場合には、接着剤樹脂が高温下で劣化して、回路基板などの品質の低下を引き起こすのを防止することができるので、本発明に係るポリイミド樹脂は、電子装置又は電子素子のパッケージに特に有用である。
実施例
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
原料についての説明:
以下の実施例において、各略称で示される原料物質は以下に示す化合物である。
Figure 2006336011
BTDA:ベンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物
BPDA:ビフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物
PDA:パラ-フェニレンジアミン
ODA:4,4'-ジアミノジフェニルエーテル
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
DMAC:ジメチルアセトアミド
DMF:ジメチルホルムアミド
物性の測定方法:
・吸水性:IPC TM-650 2.6.2に準拠する。
・熱膨脹係数:TMA方法による。
・エロンゲーション:IPC TM-650 2.4.19に準拠する。
・抗張強度:IPC TM-650 2.4.19に準拠する。
・半田耐熱性試験:IPC TM-650 2.4.13に準拠する。
・剥離強さ:IPC TM-650 2.4.9に準拠する。
[実施例1]
攪拌機と窒素導入管を備えた四口反応釜中に、PDA( 6.48g、0.06mol )、ODA( 8.01g、0.04mol )とNMP(100g)とを加えて溶解させ、窒素流量を20cc/minに調整し、攪拌して、均一に溶解させた後、15℃に保ち、30分間反応を行ない、次いで、トルエン(50g)を反応釜中に添加する。
一方、それぞれ攪拌端子を有するフラスコを3個準備し、第1フラスコにBPDA(5.77g、0.02mol)とNMP(20g)を入れ、攪拌して溶解させる。第2フラスコにPBTDA(2.67g、0.005mol)とNMP(10g)を加え、同じく攪拌して溶解させる。第1フラスコと第2フラスコ
の溶液を反応釜に加え、窒素の導入を続けながら15分間攪拌する。
第3フラスコにBTDA(24.17g、0.075mol)とNMP(90g)を加え、攪拌して溶解させる
。30分間後、第3フラスコの溶液を反応釜中に加え、窒素の導入を続けながら、15℃の温
度下で、反応を4時間続けて、ポリアミド酸樹脂を得る。
上記の樹脂(0.5g)をNMP(15g)に溶かして、粘度計で25℃下の特性粘度(IV)を測定したところ、特性粘度は1.1 dl/gであった。
[実施例2〜8]
各成分の使用量を、表1に示すモル数の量としたことのほかは、実施例1と同様にして実施した。
[比較例1]
攪拌機と窒素導入管を備えた四口反応釜中に、PDA(6.48g、0.06mol)、ODA(8.01g
、0.04mol)とNMP(100g)とを加えて溶解させ、窒素流量を20cc/minに調整し、攪拌し
て均一に溶解させた後、15℃に保ち、次いで、トルエン(50g)を反応釜中に添加する。それぞれ攪拌端子を備えたフラスコを2個準備し、第1フラスコにBPDA(5.88g、0.02mol
)とNMP(20g)を加え、攪拌して溶解させる。第1フラスコの溶液を反応釜中に入れ、窒素を続けて導入しながら、15分間攪拌する。一方、第2フラスコにBTDA(25.776g、0.08mol)とNMP(90g)を入れ、攪拌して溶解する。30分間後、第2フラスコの溶液を反応釜中に加え、窒素を続けて導入しながら、15℃の条件下で、反応を4時間行ない、ポリアミド
酸樹脂を得る。
上記の樹脂(0.5g)をNMP(15g)に溶かし、粘度計を用いて25℃下で特性粘度(IV)を測定したところ、特性粘度は1.3 dl/gであった。
[比較例2]
各成分の使用量を、表1に示すモル数の量としたことのほかは、比較例1と同様にして実施した。
Figure 2006336011
上記により合成したポリアミド酸樹脂を、例えば、銅箔の金属箔に塗布し、オーブンを用いて溶剤を除去する。オーブン中に、窒素雰囲気下、段階を分けて昇温し、樹脂の環化を、250℃で20分間、300℃で30分間、更に、350℃で60分間行ない、銅箔基板(銅包層積
層、CCL)を形成する。乾燥後のポリイミド樹脂層の厚さは25μmであった。この銅箔基板を標準試験方法に準拠して、その物性を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2006336011
本発明の実施例によれば、吸水性が低く、低CTEであり、耐熱性と加工性の優れたポリ
イミド樹脂が得られ、その100℃〜250℃範囲での線膨脹係数(CTE)は20〜35ppmであり、エロンゲーション率は20%以上であり、吸水率は2.0%以下であった。本発明のポリイミ
ド樹脂は、金属箔と共に、優れた特性を有するソフト回路基板の製作に用いることができ、極めて有用である。
上記の実施例は、本発明の原理と効果を例を挙げて説明したものであって、本発明を限定するものではない。本分野の技術を熟知する者にとっては、本発明の目的と範囲を逸脱しない限り、上記の実施例に修飾または変更を加えることが可能であり、これらも本発明の範囲内に入るものである。
本発明のポリイミド樹脂は、優れた耐熱性と強力な接着性を有し、従来のエポキシ樹脂やアクリル樹脂接着剤などの周知な接着剤の耐熱性の欠点を改善し、これら接着剤樹脂が高温下で劣化して、回路基板の品質の低下を引き起こすのを防止することができるので、電子装置又は電子素子のパッケージに有用であり、特にソフト回路基板の製作に有用である。

Claims (20)

  1. 少なくとも下記式(I)に示す酸二無水物を含む酸二無水物モノマーと、ジアミンモノマーとを重縮合反応させてポリアミド酸樹脂を形成し、次いでそのポリアミド酸樹脂をイミド化することにより合成されてなることを特徴とするポリイミド樹脂。
    Figure 2006336011
  2. 前記ジアミンモノマーが、下記式(II)に示されるジアミンモノマーであることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド樹脂;
    2N−Ar−NH2 …(II)
    (式(II)中、Arは、
    Figure 2006336011
    を示し、R1は、S、O、C=0またはC16アルキレン基を示す。)。
  3. 前記酸二無水物モノマーと、前記ジアミンモノマーとのモル比率(酸二無水物モノマー/ジアミンモノマー)が、0.75〜1.25であることを特徴とする請求項1に記載の
    ポリイミド樹脂。
  4. 前記酸二無水物モノマーと、前記ジアミンモノマーとのモル比率(酸二無水物モノマー/ジアミンモノマー)が、0.9〜1.1であることを特徴とする請求項3に記載のポリイミド樹脂。
  5. 前記酸二無水物モノマーが、ベンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物と
    、ビフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物とを更に含むことを特徴とする請求
    項1に記載のポリイミド樹脂。
  6. 前記酸二無水物モノマーが、酸二無水物モノマーの総量中に、式(I)で示される酸二無水物5〜20モル%、ベンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(BTDA)
    75〜40モル%、および、ビフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(BPDA)
    20〜40モル%を含むことを特徴とする請求項5に記載のポリイミド樹脂。
  7. 前記ジアミンモノマーが、ジアミンモノマーの総量中に、フェニレンジアミン5〜95モル%と、オキシジアニリン5〜95モル%とを含むことを特徴とする請求項2に記載のポリイミド樹脂。
  8. ポリイミド樹脂の製造方法であって、
    (a)非プロトン性溶剤の存在下に、少なくとも下記式(I)に示される酸二無水物を含む酸二無水物モノマーと、ジアミンモノマーとを重縮合反応させ、ポリアミド酸樹脂を得る工程と、
    Figure 2006336011
    (b)前記工程(a)で得られたポリアミド酸樹脂をイミド化する工程と、
    を含むことを特徴とするポリイミド樹脂の製造方法。
  9. 前記ジアミンモノマーが、下記式(II)に示されるジアミンモノマーであることを特徴とする請求項8に記載のポリイミド樹脂の製造方法;
    2N−Ar−NH2 …(II)
    (式(II)中、Arは、
    Figure 2006336011
    を示し、R1は、S、O、C=0またはC16アルキレン基を示す。)。
  10. 前記ジアミンモノマーが、ジアミンモノマーの総量中に、フェニレンジアミン5〜95モル%と、オキシジアニリン5〜95モル%とを含むことを特徴とする請求項9に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  11. 前記酸二無水物モノマーが、酸二無水物モノマーの総量中に、式(I)で示される酸二無水物5〜20モル%、ベンゾフェノン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(BTDA)
    75〜40モル%、および、ビフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(BPDA)
    20〜40モル%を含むことを特徴とする請求項8に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  12. 前記非プロトン性溶剤が、N-メチル-2-ピロリドンと、N,N-ジメチルアセトアミドと、N,N-ジメチルホルムアミドとからなる群より選ばれる一種であることを特徴とする請求項
    12に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  13. 前記非プロトン性溶剤に、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、およびシクロへキサノールよりなる群より選ばれる1種以上の有機溶剤を添加することを特徴とする請求項8に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  14. 上記工程(a)の重縮合反応の温度が、0〜100℃であることを特徴とする請求項8に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  15. 上記工程(a)と、上記工程(b)との間に、工程(a)で得たポリアミド酸樹脂を導電性金属箔に塗布する塗布工程をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  16. 上記塗布工程において、ポリアミド酸樹脂の固形分が5〜50%であることを特徴とする請求項15に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  17. 上記塗布工程において、ポリアミド酸樹脂の固形分が10〜30%であることを特徴と
    する請求項15に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  18. 上記導電性金属箔が、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、およびそれらの合金箔よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項15に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  19. 上記銅箔が、電解銅または圧延銅であることを特徴とする請求項18に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
  20. 上記導電性金属箔の厚さが、9〜70μmであることを特徴とする請求項18に記載のポリイミド樹脂の製造方法。
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