JP2006281101A - 洗浄装置付塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】洗浄装置は、スリットノズル先端部8の外側に洗浄薬液と不活性ガスを混合した2流体を噴出する2流体ノズル10と、2流体ノズル10の逆進行方向側に不活性ガスを噴出する液切りノズル18とをスリットノズル1の長手方向に配列してなる2組が、スリットノズル先端部8の外側を挟みこむようにスリットノズル1の長手方向に平行に近設されている洗浄部と、この洗浄部の下部に位置して、発生したミスト状廃液を強制排気する排気部とで構成される洗浄ヘッド23を具備する。
【選択図】 図1
Description
この方法では、感光性材料をガラス基板上に塗布する方式として、従来ではガラス基板中央に感光性材料を一定量滴下しその後ガラス基板を一定速度で回転させることで液を薄く均一に塗り広げる、スピンコート方式が一般的であった。しかしながら、この方式は材料を多量に使用するという点や、回転時にガラス基板中心部が厚膜化するという点で問題となっていた。
そこでそれらの欠点を補い、且つガラス基板の大型化にも対応しやすい塗布方式として近年主流になっているのが、スリットノズルを用いてガラス基板全面に所望の膜厚を直接、薄膜に塗布するダイコート方式である。
しかしながら、上記方式において、ガラス基板上に塗布する際にスリットノズル先端部に感光性材料が乾燥して固着し、それが剥がれ落ちてガラス基板上に異物となって残ってしまうことが大きな問題となっていた。
しかしながら、上記方法は洗浄ヘッドがスリットノズル長手方向に長いため、洗浄位置によって洗浄が不均一になってしまうことがあった。
そこで、ミスト状の洗浄液を噴き付ける洗浄液噴出口とその上部に気体噴出口を設け、スリットノズルの長手方向より短く設定された装置を、スリットノズルの長手方向に沿って移動しつつ両者を噴出することで、スリットノズル先端の傾斜部を洗浄する方法がある(特許文献2参照)。
しかしながら、上記方法では洗浄力は高く洗浄薬液使用量も低減できるものの、上部の気体噴出口からの噴出だけでは高い乾燥性を得られず、特に揮発性の低い洗浄薬液を使用する際は、一度の動作による洗浄ではスリットノズルの先端部を完全に乾燥させることができなかった。そのため、洗浄終了後に再度気体のみを供給して前記スリットノズルの先端部を乾燥させる工程(すなわち洗浄も含め二度の動作)を行う必要があり、洗浄一回当りのタクトタイムが長くなってしまうという問題があった。
すなわち、スリットノズルの先端部を洗浄する洗浄装置を具備する洗浄装置付塗布装置において、洗浄薬液と不活性ガスを混合した2流体を噴出しつつスリットノズル長手方向に沿って移動させながら洗浄し、且つスリットの長手方向及び深さ方向に一定の傾斜を設けた液切りノズルとで、乾燥性の非常に高い洗浄を行うことができる。その結果、スリットノズル先端部の乾燥固着異物を完全に除去しつつ、且つ洗浄液残りに起因する縦筋ムラを抑えることができ、歩留まりが向上する。また毎回一動作の洗浄で完全にスリットノズル先端部を乾燥させ且つ清浄に保てるため、タクトタイムを短縮することができる。
つまり、本発明が目的とする洗浄装置付塗布装置を提供することができる。
このスリットノズル1において、塗布液を外部に排出する際に、リップ6を含むスリットノズル先端部8には塗布液が回り込んで付着し、これが乾燥固化して異物となる。また、この異物を洗浄除去する際に乾燥性が悪いと毛細管現象によりスリット5に洗浄薬液が進入し、これが塗布液に混入して塗布する際に縦筋ムラが発生する。
図1で示す通り、2流体ノズル10の内部には、洗浄薬液供給口12と不活性ガス供給口15に接続されている2流体を混合させるためのマニホールド13が形成されている。マニホールド13で混合された2流体ミストは2流体噴出口14よりスリットノズル先端部8に向けて噴出される。
上記液遮断ノズル11の内部には、不活性ガス供給口17とそれに接続された液遮断スリット24が設けられており、不活性ガス供給口17から供給された不活性ガスは液遮断スリット24よりスリットノズル1の斜面25の中段に向けて噴出される。これによって不活性ガスのカーテンが形成され、2流体ノズル10より噴出される2流体ミスト及び液切りノズル18より噴出される不活性ガスが、斜面25の上部へ巻き上がり、汚染するのを完全に防止することが可能となる。
図3で示す通り液切りスリット19の長手方向は、スリットノズル1の長手方向に対してスリットノズル先端部8に近い側(図3下側)が2流体ノズル10の装置進行方向とは逆進行方向側になるように傾斜しており、その傾斜角度Xは55°〜75°の範囲にある。また、液切りスリット19の深さ方向はスリットノズル1の長手方向に対してマニホールド20に近い側が2流体ノズル10の装置進行方向とは逆進行方向側になるように傾斜しており、その傾斜角度Yは50°〜70°の範囲である。傾斜角度X及び傾斜角度Yの範囲が前記範囲にある場合にはスリットノズル1の斜面25に付着した2流体ミストは完全に除去することが可能である。
そして洗浄部の下部には、上述したように洗浄部を支えるための固定ベース16と、発生したミスト状廃液を排出するための排気ダクト22からなる排気部が設けられている。
図5で示す通り、2流体ノズル10への洗浄薬液74の供給は、まずボールバルブ68を開き、エアーオペレートバルブ72を開くことで洗浄薬液タンク73をクリーンエアー67によって加圧し、その状態でエアーオペレートバルブ66を開くことで、洗浄薬液供給口12より供給される。洗浄薬液74の流量の調整は流量調整バルブ75によって行い、その時の流量値は流量計64に表示される。流量調整バルブ75とエアーオペレートバルブ66の間には異物を捕集するためのフィルター65が設けられている。
洗浄薬液タンク73を加圧するためのクリーンエアー67の圧力は、減圧弁69によって調整し、その時の圧力値は圧力計70に表示される。エアーオペレートバルブ72と圧力計70の間には異物を捕集するためのフィルター71が設けられている。
液切りノズル18への不活性ガス59の供給は、ボールバルブ60を開き且つエアーオペレートバルブ58を開くことによってなされる。流量の調整は流量調整バルブ57によって行い、その時の流量値は流量計56に表示される。
液遮断ノズル11への不活性ガス59の供給は、ボールバルブ60を開き、且つエアーオペレートバルブ52を開くことによってなされる。流量の調整は流量調整バルブ51によって行い、その時の流量値は流量計50に表示される。
不活性ガス59の圧力は、減圧弁61によって調整し、その時の圧力値は圧力計62に表示される。エアーオペレートバルブ52、55及び58と圧力計62の間には異物を捕集するためのフィルター63が設けられている。
塗布する感光性材料は市販の樹脂ブラックレジストを用い、洗浄薬液としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン(或いは1−メチル−2−ピロリジノンでも可))を使用した。また、不活性ガスには窒素を使用した。更に、塗布膜を形成するガラス基板は無アルカリガラスで、サイズは680mm×880mm×t0.7mmを用いた。
液切りノズルは表1で示す様に、様々な傾斜角度のものを取り付けて事前に評価を行った。表で○はスリットノズルの斜面に洗浄薬液残りが全く見られなかったもの、△は一部洗浄薬液残りが見られたもの、×は洗浄薬液残りが見られたものを示している。この結果から、長手方向の傾斜角度Xは55°〜75°、深さ方向の傾斜角度Yは50°〜70°であれば、完全に洗浄薬液を除去できることがわかった。
図6、図7で示す通り、図示されないローダーユニットより投入されたガラス基板85は図示されない搬送ロボットによって洗浄装置付塗布装置86の塗布ステージ82上に載置され、真空吸着される。ボールバルブ36、60、68及びエアーオペレートバルブ72は予め開いており、塗布液タンク38及び洗浄薬液タンク73は常時加圧されている。スリットノズル1は待機位置Aにて有機溶剤81の雰囲気状態にある待機ポッド80の中にスリットノズル先端部8を格納した状態で待機しており、ガラス基板85が塗布ステージ82上に載置されると、待機上位置Bに上昇し、次いで塗布開始上位置Cに平行移動する。次いで塗布開始位置Dに下降し、この状態でエアーオペレートバルブ31を開いて塗布ビード83を形成した後、樹脂ブラックレジストを吐出しながら塗布膜84を形成しつつ塗布終了位置Eに平行移動する。スリットノズル1が塗布終了位置Eに移動すると、エアーオペレートバルブ31を閉じ、樹脂ブラックレジストの吐出を停止する。次いで塗布終了上位置Fに上昇し、次いで洗浄上位置Gに平行移動し、次いで洗浄位置Hに下降する。
2流体ミストの噴出が安定した時点で、直動ユニット90を駆動させ、洗浄ヘッド23はスリットノズル1の長手方向に沿って平行移動しながら洗浄を開始する。洗浄ヘッド23が洗浄ヘッド洗浄終了位置Jに移動すると、直動ユニット90が停止し、スリットノズル1は洗浄上位置Gに再び上昇する。次いで待機上位置Bに平行移動し、次いで待機位置Aに下降して、再び待機ポッド80の中にスリットノズル先端部8を格納した状態で待機する。
スリットノズル1が洗浄上位置Gに上昇すると同時に、直動ユニット90が駆動し、洗浄ヘッド23は洗浄ヘッド待機位置Iに平行移動を開始し、同時にエアーオペレートバルブ66を閉じNMPの供給を停止し、次いでエアーオペレートバルブ55を閉じ2流体用窒素の供給を停止し、次いでエアーオペレートバルブ58を閉じ液切り用窒素の供給を停止し、次いでエアーオペレートバルブ52を閉じ液遮断用窒素の供給を停止し、その後洗浄ヘッド23内部のミスト状廃液が完全に外部に排出された時点で強制排気装置77を停止する。洗浄ヘッド23が洗浄ヘッド待機位置Iに移動すると直動ユニット90は停止する。
一方、洗浄装置付塗布装置86にて樹脂ブラックレジストを塗布したガラス基板85は図示されない搬送ロボットにより次工程に搬送される。
5・・・スリット
8・・・スリットノズル先端部
10・・・2流体ノズル
11・・・液遮断ノズル
14・・・2流体噴出口
16・・・固定ベース
18・・・液切りノズル
19・・・液切りスリット
23・・・洗浄ヘッド
24・・・液遮断スリット
25・・・斜面
86・・・洗浄装置付塗布装置
Claims (3)
- スリットノズルの先端部を前記スリットノズルの長手方向に沿って移動しながら洗浄する洗浄装置を具備する洗浄装置付塗布装置において、
前記洗浄装置は、前記スリットノズル先端部の外側に洗浄薬液と不活性ガスを混合した2流体を噴出する1個以上の2流体ノズルと、前記2流体ノズルにおける洗浄装置進行方向とは逆進行方向側に配置されて不活性ガスを噴出する1個以上の液切りノズルとを前記スリットノズルの長手方向に配列してなる2組が、前記スリットノズル先端部の外側を挟みこむようにスリットノズルの長手方向に平行に近設されている洗浄部と、該洗浄部の下部に位置して、発生したミスト状廃液を強制排気する排気部とで構成される洗浄ヘッドを具備することを特徴とする洗浄装置付塗布装置。 - 上記2流体ノズルと液切りノズルとの上部に位置し、不活性ガスをスリットノズルに向けて噴出する液遮断ノズルが、前記スリットノズルを挟みこむように対とされて、スリットノズルの長手方向に平行に近設されている請求項1に記載の洗浄装置付塗布装置。
- 上記液切りノズルにはスリットが設けられており、
該スリットの長手方向は、上記スリットノズルの長手方向に対して前記スリットノズル先端部に近い側が上記2流体ノズルにおける洗浄装置進行方向とは逆進行方向側になるように傾斜しており、その傾斜角度が55°〜75°の範囲にあり、
且つ前記スリットの深さ方向は、スリットノズルの長手方向に対してより深い側が上記2流体ノズルにおける洗浄装置進行方向とは逆進行方向側になるように傾斜しており、その傾斜角度が50°〜70°の範囲である請求項1または2に記載の洗浄装置付塗布装置。
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JP4792787B2 (ja) | 2011-10-12 |
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