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JP2006276576A - 光制御素子及び光制御素子製造方法 - Google Patents

光制御素子及び光制御素子製造方法 Download PDF

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JP2006276576A JP2005097132A JP2005097132A JP2006276576A JP 2006276576 A JP2006276576 A JP 2006276576A JP 2005097132 A JP2005097132 A JP 2005097132A JP 2005097132 A JP2005097132 A JP 2005097132A JP 2006276576 A JP2006276576 A JP 2006276576A
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Atsushi Sakai
篤 坂井
Shuichi Suzuki
修一 鈴木
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Abstract

【課題】 フォトニック結晶配列で構成された光導波路の機械的な強度を保ちつつ、光を高効率に閉じ込めることのできる光制御素子を提供する。
【解決手段】 導波部反射構造17aと導波部反射構造17bとは、光導波路部分14を層法線方向の両側から挟んでいる。配列部分反射構造18aと配列部分反射構造18bとは、フォトニック結晶配列部分13を層法線方向の両側から挟んでいる。導波部反射構造17aの屈折率は配列部分反射構造18aの屈折率より小さい。光反射層11bのX1-X2方向に沿った屈折率分布も光反射層11aと同じである。導波部反射構造17a及び導波部反射構造17bは、光伝搬層12において光の電磁界強度が集中している部分をカバーするように設けられている。
【選択図】 図4

Description

この発明は、フォトニック結晶を用いた光制御素子に関するものであり、より具体的には10Gbpsを超える光伝送分野における高速大容量光通信および高速光信号処理に用いる光変調器、光スイッチといった小型で高機能な光素子の機械的な強度を増加させると同時に、光閉じ込め効果を増大させることができ、かつ、効率的に変調電界を印可することができる光制御素子及び光制御素子製造方法に関する。
フォトニック結晶とは、光の周波数程度の誘電体周期構造を人工的に形成することにより、光子に対するバンド構造を構成するものである。フォトニック結晶のバンド構造は、電子のバンド構造と類似する点が多く、周期構造によってはフォトニックバンドギャップと呼ばれる光の禁制体を生じる。フォトニック結晶がもつ強力な光閉じ込め効果や異常分散効果などを用いることで、通常の光機能素子では不可能であった様々な機能を実現することができるため、フォトニック結晶による光デバイスは、光集積回路のサイズを劇的に小さくした、フォトニックICを形成する上で重要な光デバイスになると期待されている。
フォトニック結晶では誘電率の周期構造のサイズによって、対象となる光の周波数帯を変えることが可能である。赤外から紫外までの光の周波数に限定する必要はなく、数10GHzから数THzの電磁波の領域も同様なバンド構造で扱うことが可能である。
この誘電率(屈折率)の周期構造は1次元、2次元、3次元的に分布させることが可能であり、それぞれ1次元、2次元、3次元のフォトニック結晶配列と呼ばれている。光の波長程度の屈折率分布を有する構造を製作するという点では、次元が上がるにつれて製作は困難になる。また、フォトニック結晶の効果は次元が上がるにつれて増大する。つまり、フォトニック結晶は3次元構造を形成することが理想的であるが、半導体プロセス技術を用いて2次元の平面内に一括形成できる2次元フォトニック結晶でも、フォトニック結晶の特性を得ることができる。
2次元フォトニック結晶は、例えば、誘電率が高い薄膜にホールによるフォトニック結晶配列を形成することで得られる構造である。この構造であれば、面内の微細加工技術を用いて形成できるので、半導体チップのプロセス技術であるリソグラフィーとエッチングにより製作できる。
光の波長程度の厚みを持つ薄膜を形成し、厚み方向に対して屈折率の低い媒質で挟み込んだスラブ導波路構造に、ホールを形成することで、2次元のフォトニック結晶が形成できる。例えば、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板上のシリコン層に空気ホールを形成することで、厚み方向をシリコンと空気またはシリコンと酸化シリコンの全反射により光を閉じ込め、面内方向をフォトニック結晶で閉じ込めるような素子を構成することができる。
さらに、面内に形成されたフォトニック結晶配列の一部を除去することで光導波路を形成できる。例えば、高屈折率層を低屈折率層の上に形成し、高屈折率層に2次元フォトニック結晶配列のホールを形成し、ホールを線状に除去する(埋める)ことにより欠陥を形成する。形成された欠陥は、フォトニック結晶による大きな反射効果を利用して、光が伝搬する光導波路であり、線欠陥導波路と呼ばれる。
線欠陥導波路を伝搬する光は、その波長によって極めて伝搬スピードが遅くなることが知られており、光のスピードが遅ければ、短い距離で大きな光の相互作用を得ることが可能である。この性質を利用することで、光の機能素子を微小化することが可能となる。光変調器や光スイッチはこのような現象を利用するひとつのデバイスであるため、フォトニック結晶による効果の増強や、サイズの微小化が期待されている。
この光導波路を光スイッチとして利用するためには、電気、温度上昇、音波などによる屈折率変化を利用する方式がある。そのなかのひとつとして、電流印可によるキャリア注入や電界印可による屈折率変化現象を利用する方式がある。材料としては化合物半導体や電気光学効果を示す材料に光スイッチを構成する。これらは全反射により光を閉じ込める光導波路に対しても用いられ、マッハツェンダー干渉を利用した光変調器などは一部実用化されている。フォトニック結晶光導波路を用いても、同様な方式で光変調器や光スイッチを構成することは可能である。電気による屈折率の変化は一般的には小さいため、光デバイスとしての効果を十分に得るためには、距離が必要であるなどの課題が存在するが、フォトニック結晶導波路であれば、光の相互作用を大きくすることができるので、距離の縮小が可能となる。
このようにフォトニック結晶で構成された光スイッチなどの機能素子を電気的な変化を起こさせるためには、電極を構成する必要がある。フォトニック結晶に対する電極構造に言及している従来例がいくつかある。
特許文献1には、フォトニック結晶が形成されている面上に電極を形成し、フォトニック結晶が形成されている面内に電界を印可する波長分散補償器が提案されている。特許文献1では、大きな屈折率変化を得ようとすると、大きな電界を与える必要がある。電力を抑えながら大きな電界を与えるためには、光伝搬部分と電極との間隔を狭める必要がある。屈折率差を大きくできないこのような構成であると、光伝搬部分からの光のしみだしは大きく、光伝播部分の近傍に電極などの吸収材料が置かれているために、光の伝搬損失が大きい。
特許文献2には、フォトニック結晶欠陥導波路の直上に電極を設けた光スイッチが提案されている。特許文献2では、フォトニック結晶が形成されている面の上部に電極を形成する必要があり、電極による光伝搬損失が大きい。また、光伝搬損失を低減するために、電極とフォトニック結晶面との間にバッファ層を設けると、バッファ層の屈折率が大きい場合に全反射条件を満たさないために低損失伝搬が極めて困難になる。
特開2002−333536号公報 特開2002−303836号公報
本発明は、フォトニック結晶配列で構成された光導波路の機械的な強度を保ちつつ、光を高効率に閉じ込めることのできる光制御素子及び該光制御素子を製造する光制御素子製造方法を提供することを目的とする。
この発明の第1の光制御素子は、光伝搬層と光反射層とを備え、光伝搬層は、フォトニック結晶配列部分と光導波路部分とを有し、フォトニック結晶配列部分は規則的なフォトニック結晶配列をもち、光導波路部分はフォトニック結晶配列の規則性に欠陥をもたせて形成され、光反射層は、配列部反射構造と導波部反射構造とを有し、配列部反射構造はフォトニック結晶配列部分に積層され、導波部反射構造は光導波路部分に積層され、配列部反射構造の屈折率と導波部反射構造の屈折率とが異なる。
この発明の第2の光制御素子は第1の光制御素子において、導波部反射構造は外気で構成される。この発明の第3の光制御素子は第1または第2の光制御素子において、導波部反射構造は配列部反射構造と異なる材質で形成されている。この発明の第4の光制御素子は第1から第3のいずれか光制御素子において、導波部反射構造と配列部反射構造との境界で屈折率が徐々に変化している。この発明の第5の光制御素子は第1から第4のいずれかの光制御素子において、光反射層は、フォトニック結晶配列をもつ。この発明の第6の光制御素子は第1から第5のいずれかの光制御素子において、光反射層のフォトニック結晶配列は、導波部反射構造側から配列部反射構造側に向うにつれて形状が変化している。この発明の第7の光制御素子は第6の光制御素子において、光反射層のフォトニック結晶配列の形状の変化は、層厚方向の高さの変化である。この発明の第8の光制御素子は第1から第7のいずれかの光制御素子において、光反射層の光伝搬層と反対側の面内で、導波部反射構造を挟んで両側に配置された電極を備える。この発明の第9の光制御素子は第1から第8のいずれかの光制御素子において、光反射層は、光伝搬層の片面のみに形成されている。この発明の第10の光制御素子は第1から第8のいずれかの光制御素子において、光反射層は、光伝搬層の両面に形成されている。この発明の第11の光制御素子は第10の光制御素子において、光伝搬層の両側で導波路反射構造の幅が異なる。この発明の第12の光制御素子は第1から第9のいずれかの光制御素子において、光反射層は、光伝搬層の両面に形成されており、光反射層と光伝搬層とを挟んだ層法線方向両側に配置した電極を備える。
この発明の光制御素子製造方法は、光伝搬層と第1の光反射層と第2の光反射層とを備え、光伝搬層は、フォトニック結晶配列部分と光導波路部分とを有し、フォトニック結晶配列部分は規則的なフォトニック結晶配列をもち、光導波路部分はフォトニック結晶配列の規則性に欠陥をもたせて形成され、第1の光反射層と第2の光反射層とは、それぞれ配列部反射構造と導波部反射構造とを有し、配列部反射構造はフォトニック結晶配列部分に積層され、導波部反射構造は光導波路部分に積層され、配列部反射構造の屈折率と導波部反射構造の屈折率とが異なる光制御素子を製造する光制御素子製造方法であって、第1の光反射層にあらかじめ形成された光伝搬層を接合し、光伝搬層の厚みを調整し、光伝搬層に第2の光反射層を接合し、第1の光反射層と光伝搬層と第2の光反射層とに、フォトニック結晶配列をパターニングすることにより請求項1から請求項12のいずれかに記載の光制御素子を製造する。
この発明の光制御素子によれば、伝搬に利用できる導波バンド領域を大きくすることができるとともに、フォトニック結晶配列を形成し、光反射層に挟まれた光伝搬層における機械的な強度を高めることができる。この発明の光制御素子製造方法によれば、伝搬に利用できる導波バンド領域を大きくすることができるとともに、フォトニック結晶配列を形成し、光反射層に挟まれた光伝搬層における機械的な強度を高めた光制御素子を製造することができる。
第1の実施形態の光制御素子1は、図1の斜視図に示すように、基板10と光反射層11と光伝搬層12とを備える。光反射層11は光反射層11aと光反射層11bとを有し、光反射層11aと光反射層11bとは光伝搬層12を両側から挟んで対称的な構造をもつ。基板10上には、光反射層11bと光伝搬層12と光反射層11aとが順に平行に積層されている。基板10はシリコンなどで形成される。
光伝搬層12は、図2のxz面内の平面図に示すように、フォトニック結晶配列部分13と光導波路部分14とを有する。
フォトニック結晶配列部分13は、半径rのホール15をピッチaで三角配列に配置した構成をもつ。ホール15は、ホール15の形成されていない部分より低い屈折率をもつ。なお、フォトニック結晶配列部分13は、正方配列、蜂の巣配列などの配列をもつものであってもよい。ホール15は、ホール15の形成されていない部分より高い屈折率をもち、低屈折率媒質に高屈折率のピラーを構成した構造をもつものであってもよい。ホール15は、円形以外の多角形構造などをもつものであってもよい。
光導波路部分14は、フォトニック結晶配列部分13の規則的な配列の中に、線状にホール15を形成しない欠陥部分16を設けることにより形成されている。光伝搬層12内では光はフォトニック結晶配列により強い反射を受けて伝搬する。フォトニック結晶により構成される光の電磁界強度は、図3の強度分布図に示すように、欠陥部分に集中する。必要とされるフォトニック結晶配列の数は、背景屈折率により異なるが、伝搬方向と垂直な方向に5配列以上設けられていることが好ましく、10配列以上であることがより好ましい。光導波路部分14の必要領域は、光の電磁界強度分布により異なるが、欠陥部分16から1配列分程度を取ることが好ましく、光の電磁界強度分布の最大値に対して(1/e)2に減少した範囲から(1/e)7に減少した範囲であることが好ましい。なお、欠陥部分16は、光の通り道になっていればよく、フォトニック結晶配列を直線状に全てなくしたものであってもよく、飛び飛びで欠落しているものであってもよい。
図4(b)の光の進行方向に直交する平面による断面図に示すように、光反射層11aは、導波部反射構造17aと配列部分反射構造18aとを有する。光反射層11bは、導波部反射構造17bと配列部分反射構造18bとを有する。
導波部反射構造17aと導波部反射構造17bとは、図4(c)のX3-X4断面図に示すような光導波路部分14を層法線方向の両側から挟んでいる。配列部分反射構造18aと配列部分反射構造18bとは、フォトニック結晶配列部分13を層法線方向の両側から挟んでいる。
図4(a)のX1-X2方向に沿った光反射層11aの屈折率の分布図に示すように、導波部反射構造17aの屈折率は配列部分反射構造18aの屈折率より小さい。光反射層11bのX1-X2方向に沿った屈折率分布も光反射層11aと同じである。具体的には、配列部分反射構造18a及び配列部分反射構造18bをAlGaAsの酸化層(屈折率約2)で形成し、導波部反射構造17a及び導波部反射構造17bをポリマー(屈折率約1.5)で形成する。導波部反射構造17a及び導波部反射構造17bは、光伝搬層12において光の電磁界強度が集中している部分をカバーするように設けられており、光の電磁界強度が(1/e)2に減少した範囲から(1/e)7に減少した範囲を覆うものであることが好ましい。
なお、光反射層11は、全体として光反射層11を構成するものであれば、層厚方向に単一材質で形成されていないものであってもよく、多層膜材質や屈折率分布材質で形成されたものであってもよい。光伝搬層12は、全体として光伝搬層12を構成するものであれば、層厚方向に単一材質で形成されていないものであってもよく、光伝搬層12と光反射層11との界面で光が反射され、光伝搬層12または光反射層11として扱うことができるものであれば、光伝搬層12及び光反射層11の中間の性質を有する層を構成したものであってもよい。光伝搬層12の厚さは、光が単一モードで伝搬する厚さであることが好ましく、1μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。例えば、シリコンで光伝搬層12を形成する場合には厚みを0.2μm程度とすることが好ましい。光反射層11の層厚は、0.5μm以上が好ましく、より好ましくは1μm以上である。
光伝搬層12内のフォトニック結晶が形成されている方向(xz面内)では、フォトニック結晶により光は光導波路部分14に強く閉じ込められる。層厚方向(xy面内)では、光は光伝搬層12と光反射層11との界面でのフレネル反射により反射され、光導波路部分14に閉じ込められる。光伝搬層12の屈折率が光反射層11の屈折率よりも大きい場合、全反射が起こり、光は光導波路部分14内に100%閉じ込められる。全反射が起こらず反射率が低い場合、一部の光が光反射層11の方へ漏れていく。導波部反射構造17は、屈折率2の配列部分反射構造18a及び配列部分反射構造18bにおいて放射する周波数の光を、全反射により閉じ込めることができる。
フォトニック結晶を利用しない通常の光導波路では、光伝搬層の屈折率が光反射層の屈折率よりも大きければ、全反射条件を満たす光の伝搬条件が存在する。一方、本実施形態の光導波路部分14は、フォトニック結晶による波数変換効果により、光伝搬層12の屈折率が、光反射層11の屈折率よりも大きい場合であっても、全反射条件を満たさない波数での光伝搬がありえる。このことを、フォトニック結晶光導波路のフォトニックバンド構造から説明する。
図5は、2次元の平面波展開法により計算された、1列欠陥のフォトニック結晶光導波路である光導波路部分14のフォトニックバンド計算結果を示すフォトニックバンド図である。フォトニックバンド図は、光導波路部分14における光の進行方向に対して正射影したときのバンド曲線を示している。フォトニックバンド図の横軸は、波数ベクトルに対応し、規格化された波数であり、2π/aという単位をもつ。フォトニックバンド図の縦軸は、規格化周波数であり、ωを各周波数、c0を真空中の光速と表すとき、ωa/2πc0から計算される無次元量である。導波バンド20は、フォトニックバンドギャップ21内に存在するバンド曲線であり、光の伝搬モードのバンドを示している。導波バンド20で特定された規格化周波数と波数とで、光は光導波路部分14を伝搬する。
フォトニックバンド計算は、光伝搬層12と光反射層11とで構成された層構造を等価屈折率で近似したときの屈折率として3.0を設定して計算されている。等価屈折率は、例えば、GaAsからなる半導体層を、空気で挟み込んだエアブリッジ構造を形成したときの等価屈折率である。フォトニックバンド計算は、光伝搬層12と光反射層11とがシリコンオンインシュレータ(SOI)基板に形成された場合、異なる半導体を組み合わせた構造、ガラス、電気光学結晶などの光学結晶を用いて形成された場合など、屈折率差を生じる3層構造で形成されたものであれば、それに対応した等価屈折率を与えることで計算することができる。今回の計算では、電気的な横波に光を固定した場合のバンド曲線である。電気的な横波の光とは、電界が3層構造と平行に振動している光の波動状態を指す。光導波路部分14は、屈折率3の2次元面内に、三角配列の屈折率1のホール15を配置して構成され、1列の欠陥導波路を形成している。ホール15の半径rと周期aとの関係はr/a=0.30として計算されている。
全反射による閉じ込め構造を考えた場合、バンドギャップ図中で傾き1/nRのライトライン22と呼ばれる直線が規定され、ライトライン22はバンドギャップ図を上側の放射領域23と、下側の低損失伝搬領域24とに分ける。ある波数に対し、ライトライン22より大きな周波数をもつ放射領域23にある光は、フォトニック結晶のバンド効果により光が閉じこめられずに放射する。低損失伝搬領域24の導波バンド領域は、光導波路部分14に光を閉じ込めることができる。光反射層11の屈折率を小さくするほど、ライトライン22の傾きは大きくなり、光を閉じ込めて伝搬するために利用できる導波バンド領域が大きくなる。光反射層11として、屈折率1の空気を利用することにより、ライトライン22は最大の傾きをもち、利用できる導波バンド領域が最も大きくなる。
全体を空気中に露出するエアブリッジ構造で光伝搬層12を形成することにより、利用できる導波バンド領域を大きくすることができる一方、光伝搬層12はサブミクロンの厚みしかもたないためエアブリッジ構造で形成すると機械的な強度が弱くなる。さらに、光伝搬層12のフォトニック結晶への電界印加やキャリア注入は、誘電体媒質や半導体媒質を仲介しないため、困難になる。従来例で示したような、フォトニック結晶配列の外側から横方向での電極形成方式が取る場合、光導波路までの距離が遠くなり、効果的な電界印加やキャリア注入が困難になる。そのため、光伝搬層12を何らかの材質で覆う必要がある。
屈折率が低い材質により光伝搬層12を覆うと、光伝搬層12のフォトニック結晶への電界印加やキャリア注入が困難となり、さらに、屈折率が2程度の半導体で形成される光反射層11と比較して屈折率が小さい材質を光伝搬層12側に用いると、ライトライン22以下の低損失伝搬領域24が極めて小さくなる。そのため、屈折率が低い材質により光伝搬層12を覆う方法以外を用いることが望ましい。
第1の実施形態の光制御素子1によれば、導波部反射構造17a及び導波部反射構造17bの屈折率を配列部分反射構造18a及び配列部分反射構造18bの屈折率より小さく形成しているため、伝搬に利用できる導波バンド領域を大きくするとともに、光伝搬層12における機械的な強度を高めることができる。
第2の実施形態の光制御素子2は、第1の実施形態の光制御素子1において、図6の光の進行方向に直交する平面による断面図に示すように、導波部反射構造17a及び導波部反射構造17bをの媒質を取り除き空気を充填している。伝搬に利用できる導波バンド領域を広げるためには、光導波路部分14を挟む媒質は屈折率の低い媒質であることが望ましいことから、大気中で最も屈折率が低い媒質である空気により導波部反射構造17a及び導波部反射構造17bを構成することにより、ライトライン22より下の伝搬に利用できる導波バンド領域を最も広げることができる。
導波部反射構造17a及び導波部反射構造17bは、光の電磁界強度が(1/e)2に減少した範囲から(1/e)7に減少した範囲を覆うものである場合、幅がsqrt(3)*a(3の正の平方根のa倍の値)の2倍から4倍程度となる。一方、エアブリッジ構造で光伝搬層12を形成する場合には、フォトニック結晶配列部分13全体、すなわち、フォトニック結晶10配列分程度を露出する。従って、導波部反射構造17a及び導波部反射構造17bは、空気で形成された場合であっても光伝搬層の露出部分の幅を2/5以下に抑えることができ、光伝搬層12の機械的強度をはるかに強くすることができる。
導波部反射構造17a及び導波部反射構造17bは、フォトニック結晶のピッチとはほぼ同様の500nm程度の光導波路部分14を覆う場合、エアブリッジ構造とする場合の1/10以下の幅となるため、光導波路部分14の機械的強度を強くすることができる。
第2の実施形態の光制御素子2によれば、フォトニック結晶配列部分13における強度を高めることができるとともに、光導波路部分14にパワーの大部分を集中している光を、空気と光伝搬層12との界面に閉じ込め、上下にほとんど漏れることなく伝搬させることができる。
第3の実施形態の光制御素子3は、図7(a)の光の進行方向に直交する平面による断面図に示すように、第1の実施形態の光制御素子1において、基板10側の光反射層11aは、導波部反射構造17aを形成する低屈折率媒質で光伝搬層12の全体を覆っており、基板10と反対側の光反射層11bは、第1の実施形態と同様に導波部反射構造17bと配列部分反射構造18bとを有することにより屈折率分布の差を設けている。なお、光反射層11は、基板10と反対側の光反射層11aにおいて第1の実施形態と同様に導波部反射構造17aと配列部分反射構造18aとを設け、光反射層11bにおいて導波部反射構造17bを形成する低屈折率媒質で光伝搬層12の全体を覆うものであってもよい。
光反射層11は、図7(b)に示すように基板10と反対側の光反射層11aを取り除き、光伝搬層12を露出して空気にさらす構造とし、基板10側の光反射層11bのみに屈折率分布を設けたものであることが好ましい。光伝搬層12の一方の面を屈折率の小さな空気にさらすことにより、ライトライン22より下の伝搬に利用できる導波バンド領域を広くすることができる。
第3の実施形態の光制御素子3によれば、エアブリッジ構造を用いる場合と同程度に光を閉じ込めることができる。第3の実施形態の光制御素子3によれば、導波部反射構造17の幅をフォトニック結晶のピッチとをほぼ同様の500nm程度とすることができ、エアブリッジの1/10以下の間隔を実現できるため、光導波路部分の機械的強度を強くすることができる。
第4の実施形態の光制御素子4は、図8の光の進行方向に直交する平面による断面図に示すように、第1の実施形態の光制御素子1において、導波部反射構造17aの幅と導波部反射構造17bの幅とが異なる。より具体的には、導波部反射構造17aの幅は、導波部反射構造17bの幅よりも狭い。
第4の実施形態の光制御素子4によれば、伝搬に利用できる導波バンド領域を大きくするとともに、製作時の位置合わせのトレランス(許容誤差範囲)を増加させることができる。
第5の実施形態の光制御素子5は、図9の光の進行方向に直交する平面による断面図に示すように第1の実施形態の光制御素子1において、導波部反射構造17aに構造屈折率媒質を用いている。構造屈折率媒質は、光の等価屈折率を変化させるための媒質であり、例えば、ナノ構造の空気柱や空気ホールを形成することにより、材質の屈折率よりも低い屈折率を実現できるものである。また、構造屈折率媒質は、ナノ構造の屈折率が高い媒質を導入することによって、等価的な屈折率を高くすることができる。構造屈折率媒質の代表的な構造として、ナノサイズのポーラスシリカ、微小球の密集構造などがある。
具体的には、導波部反射構造17aとして屈折率が小さい媒質を埋め込んだ構造屈折率媒質を形成することにより、等価的な屈折率として1.0から1.5を実現することができる。導波部反射構造17aの幅は、光伝搬層12の両面で同じであっても、異なっていてもよい。なお、光反射層11は、光伝搬層12の両側の導波部反射構造17aと導波部反射構造17bとを、ともに構造屈折率媒質で構成したものであってもよく、片面側のみを構造屈折率媒質で構成したものであってもよい。
第5の実施形態の光制御素子5によれば、構造屈折率媒質の導波部反射構造17aを備えることにより、ライトライン22の傾きをより大きくし、ライトライン22より下の伝搬に利用できる導波バンド領域をより広げることができ、さらに、機械的な強度を高めることができる。
第6の実施形態の光制御素子6は、図10(b)の光の進行方向に直交する平面による断面図に示すように、第1の実施形態の光制御素子1において、光反射層11にさらに屈折率変化部分19aと屈折率変化部分19bとを有する。屈折率変化部分19aは、導波部反射構造17aと配列部分反射構造18aとの間に位置し、屈折率変化部分19bは、導波部反射構造17bと配列部分反射構造18bとの間に位置する。
屈折率変化部分19a及び屈折率変化部分19bは、図10(a)のX1-X2方向に沿った屈折率分布図に示すように、配列部分反射構造18a及び配列部分反射構造18b側から導波部反射構造17a及び導波部反射構造17b側に向うにつれて屈折率をなだらかに変化させ、光パワーが集中している光導波路部分14の中央付近の屈折率を最も低くしている。屈折率変化部分19a及び屈折率変化部分19bは、均一屈折率材料に紫外光や温度変化を与えることによって、屈折率を変化させて製造される。図10(c)の平面図に示すように、導波部反射構造17a及び導波部反射構造17bは材料を取り除いて空気を充填した構造をもつ。
屈折率変化部分19a及び屈折率変化部分19bを設けて屈折率を徐々に変化させていることにより、フォトニック結晶を反射体として光導波路部分14を実現する構造において、フォトニック結晶配列部分13にわずかにしみ出す電磁界を光導波路部分14に閉じ込め、より伝搬損失を低減させる。屈折率変化部分19a及び屈折率変化部分19bは、空気で形成された導波部反射構造17a及び導波部反射構造17bの幅を広げずに電磁界のしみ出しを抑制する構造であるため、光制御素子6全体の機械的な強度を高めることができる。
第6の実施形態の光制御素子6によれば、光のしみ出しを抑制して伝搬損失を低減するとともに、機械的な強度を高めることができる。
第7の実施形態の光制御素子7は、図11(b)の光の進行方向に直交する平面による断面図に示すように、第1の実施形態の光制御素子1において光伝搬層12のみに形成されていたフォトニック結晶配列が、光伝搬層12と光反射層11との3層構造全体に形成されている。3層構造全体に形成されるフォトニック結晶配列は、光伝搬層12と光反射層11との層構造を形成した後に、リソグラフィーとエッチング技術などにより3層同時に作りこむことで、製造することができる。
なお、フォトニック結晶配列の積層方向における高さは、光を閉じ込めるだけの高さであればよく、反射層全体に形成されていないものであってもよい。光反射層11にフォトニック結晶配列を形成したときにフォトニックバンドギャップが開く屈折率を、光反射層11の屈折率として設定することが好ましい。
第7の実施形態の光制御素子7によれば、光反射層11に設けたフォトニック結晶の効果により光反射層11への光のしみ出しを抑制することができる。
第8の実施形態の光制御素子8は、図12(a)の光の進行方向に直交する平面による断面図、及び、図12(b)の平面図に示すように、第1の実施形態の光制御素子1において光伝搬層12のみに形成されていたフォトニック結晶配列が、光伝搬層12と光反射層11との3層構造全体に形成されている。さらに、ホール15の形状は、光導波路部分14側からフォトニック結晶配列部分13側へと変化している。具体的には、光導波路部分14に近い2列のホール15が他の列のホール15の形状よりも大きく形成されている。ホール15の形状が大きくされた光導波路部分14に近い領域では、屈折率が小さくなる。
なお、ホール15の形状の変化は、半径が徐々に変化するものであってもよい。ホール15の半径を大きいものから小さいものへと徐々に変化させることにより、光反射層11の等価的な屈折率を、光導波路部分14の中心へ近づくにつれて徐々に小さくすることができる。なお、ホール15の形状変化は上記効果を実現できる構造であれば、半径の変化のほか、ホール15自体の形の変化、ホール15以外の形状の付加など、他の形状変化であってもよい。
第8の実施形態の光制御素子8によれば、屈折率を徐々に変化させることにより光導波路部分14の光の積層方向へのしみ出しを抑制することができ、より低損失で光を伝搬することができる。
第9の実施形態の光制御素子9は、図13(a)の光の進行方向に直交する平面による断面図、及び図13(b)の平面図に示すように、第1の実施形態の光制御素子1において光伝搬層12のみに形成されていたフォトニック結晶配列が、光伝搬層12と光反射層11との3層構造全体に形成されている。さらに、ホール15の積層方向の高さは、光導波路部分14側からフォトニック結晶配列部分13側へと徐々に変化している。具体的には、ホール15の高さは、光導波路部分14に近い所で最も高く、フォトニック結晶配列部分13に近づく方向に徐々に低くなる。光反射層11の等価的な屈折率は、光導波路部分14の中心に近づくにつれて徐々に小さくなる。
なお、ホール15の高さは、光導波路部分14とフォトニック結晶配列部分13との境界付近でのみ変化するものであってもよい。なお、ホール15は、積層方向に不均一な形状をもつものであってもよく、光伝搬層12から離れるにつれて小さくなったり、大きくなったりするものであってもよい。ホール15の積層方向における形状変化により、等価屈折率を調整することができる。
第9の実施形態の光制御素子9によれば、屈折率を徐々に変化させることにより光導波路部分14の光の積層方向へのしみ出しを抑制することができ、より低損失で光を伝搬することができる。
第10の実施形態の光制御素子25は、図14の光の進行方向に直交する平面による断面図に示すように、第1の実施形態の光制御素子1にさらに電極30aと電極30bとを備えている。電極30a及び電極30bは、光反射層11aの光伝搬層12と反対側の面において、導波部反射構造17aを挟んで両側の配列部分反射構造18aと配列部分反射構造18bとに積層されている。
光伝搬層12は、電界により屈折率変化するようなアクティブな構造であり、光変調器、光スイッチなどへの応用することができる。高速な屈折率変化を起こすためには、光伝搬層12は電気光学効果を示す材料で構成されていることが望ましい。
光制御素子25の製造方法の一例を図15の製造過程における平面図及び断面図を用いて説明する。まず、図15(a)に示すように、土台となる基板10上に、光反射層11bを形成する。光反射層11bは、プラズマCVD、スピンコート、スパッタ、結晶成長など、材料に適した成膜方法を選択して形成される。次に、図15(b)に示すように、成膜された光反射層11bにパターニングにより導波部反射構造17bに対応した形状を転写し、転写した部分を低屈折率媒質で埋める。導波部反射構造17bを空気で形成する場合は埋める必要はない。次に、図15(c)に示すように、光伝搬層12を形成する。光伝搬層12の形成方法としては、光反射層11bを形成した成膜方法と同じ方法を取ることができる。次に、図15(d)に示すように、光伝搬層12にリソグラフィーとエッチングによりフォトニック結晶配列を形成する。次に、図15(e)に示すように、光伝搬層12の上部に光反射層11aを形成する。次に、図15(f)に示すように、位置合わせなどをしながら光反射層11aに、低屈折率媒質を埋める部分をパターニングし、さらに低屈折率媒質を埋める。次に、図15(g)に示すように、電極30a及び電極30bを形成するとともに、電極30a及び電極30bに電圧を印可する引き出し電極を同時に形成する。リソグラフィーには、電子ビーム描画の他、フォトリソグラフィー、レーザ加工などが利用でき、エッチングは、プラズマエッチングによるドライエッチングの他に、薬品によるウェットエッチングが利用できる。なお、光伝搬層12が低屈折率媒質である場合、光伝搬層12を形成する方法は接合などの方式であってもよい。具体的には、接合により作成する場合、基板に予め光反射層11aを形成しておき、次に、フォトニック結晶を形成しない状態で形成されている光伝播層12の材料を接合し、光伝播層12の膜厚を調整し、予め形成された光反射層11bを接合し、光反射層11aと光伝播層12と光反射層11bとにフォトニック結晶配列を形成する。
光伝搬層12は、印加された電界に依存して屈折率を変化させるポッケルス効果やカー効果等の電気光学効果を有する材料であれば、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸チタン及びKTP等の無機結晶、PZT及びPZLTなどのセラミックス、アゾ色素、スチルベンゼン色素及びダストなどの有機分子または有機結晶、並びに量子井戸構造を有する半導体結晶などであってもよい。
光伝搬層12は、ADP(NH4H2PO4)、KDP(KH2PO4)、DKDP(KD2PO4)、RDP(RbH2PO4)、RDA(RbH2AsO4)、LN、LT、KN、KT、BNN、SBN、LI、BBO、LBO、BSO、GaAs、GaP、InP、ZnTe、ZnSe、ZnS、ZnO、CdTe、CdS、CdSe、Te、Se、Ag3AsS3、Ag3SbS3、AgGaS2、AgGaSe2、ZnGeP2、GdGeAs2、Bi12SiO20、Bi12GeO20、Bi12TiO20、KTiOAsO4、KTiOPO4、BaTiO3、SrTiO3、KTaO3、KTa0.65Nb0.35O3、Cd2Nb2O7、LaBGeO5や、PZT、PLZT等のセラミックス、Ga、In、Al、As、P、N、Sb、Zn、SeのIII-V族及びII-VI族半導体混晶である半導体量子井戸構造などの無機光学材料で形成してもよい。
また光伝搬層12は、アゾ色素、スチルベンゼン色素、ダスト、ポリジアセチレン、mNA、MNA、MAP、POM、DAN、DIVA、NPP、COANP、MNBA、MMONS、MBANP、TC-28、DNBB、DMNP、MNA、MNP、MMNA、PCNB、ECNB、IPMPU、ECPMDA、p-NMDA、MNPMDA、4NpNa、ホストゲスト系材料、高分子側錯あるいは主錯にNLO基を化学結合した修飾型材料、架橋系材料などの有機光学材料で形成してもよい。
有機光学材料のホストゲスト系材料として、LCP、PMMA、POE、Poly(Vp-co-St)、PVP、PRO、PCL、PBSSe、PBDGなどのホストポリマーと、DANS、DANS33、DR1、DCV、TCV、p-NMDA、p-NA、p-DMNP、CPABMCA、MNAなどのゲスト色素との組み合わせを用いることができる。
高分子側錯あるいは主錯にNLO基を化学結合した修飾型材料では、NLOポリマーとして、Poly(St-DR1)、Poly(St-DASP)、Poly(St-NPP)、Poly(MMA-HNS)、Poly(MMA-co-MMA-DCV)、Poly(St-co-MAAB)、Poly(St-co-MABA)、Poly(St-co-MA-CM)、Poly(MMA-co-MMA-DR1)、Poly(organopho-sphazene-ANS)、PPNA、Poly(VA-co-Vat-NA)、Poly(VAc-co-Vat-NA)、Poly(ST-NA)、Poly(MMA-NA)、Poly(MMA-co-MMA-2R)、Poly(MMS-co-MMA-3R)、P6CS/MMA、ポリアリルアミン、pNA-EG、PMMA/MNA、pNA-PVA、Poly(VDCN-co-VAc)、MSMAなどを用いることができ、架橋系材料として(架橋モノマーポリマー、NLO色素)の組み合わせで、(Bis-A、NPDA)、(Bis-A、ANT)、(NNDN、NAN)、(DGE+PS(O)、NPP)、(PVCN、CNNB-R)などを用いることができ、LB膜材料として、DCAMP、FA6、PO86、AODA、TMSC、Poly(HEA-co-A-ASB)、PtBMなどを用いることができ、高分子系3次非線形光学材料として、ポリジアセチレン(PTS、TCDU、DCHDFMP、BTFP、mBCMU)、ポリアセチレン誘導体、ポリフェニルアセチレン誘導体、ポリアリレンビニレン(PPV、PTV、MO-PPV、PFV)、ポリチオフェン、アヌレン類、フタロシアニン、フラーレンなどを用いることができる。
光反射層11a及び光反射層11bは、光伝搬層12よりも屈折率が小さい媒質で形成されていればよく、光反射層11a及び光反射層11bの屈折率と光伝搬層12の屈折率との差が大きいほど好ましい。例えば、光伝搬層12に屈折率約2.2のニオブ酸リチウムを用いる場合、光反射層11a及び光反射層11bには、屈折率約1.45の熱酸化シリコン、屈折率約1.3のフッ化マグネシウム(MgF2)、屈折率約1.5の水晶などを用いることができ、熱酸化シリコン、フッ化マグネシウム及び水晶はスパッタ装置などを用いて比較的容易に成膜できる。
光反射層11a及び光反射層11bは、それぞれ単層で形成する他、反射率を高く確保できれば、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、ZnO、Ta2O5、TiO2、Nb2O2などの誘電体を組み合わせた多層膜や、Si、GaAs、InPなどの半導体を組み合わせた多層膜で形成してもよい。多層膜の材料の組み合わせにより、屈折率差を適切に選ぶことができる。屈折率差を大きする場合の多層膜のペア数は少なく、屈折率差を小さくする場合の多層膜のペア数は多い。屈折率及びペア数は、製造方法などによって選択することができる。
誘電体多層膜は、例えば、光学フィルタなどで最も良く用いられるスパッタ、電子ビーム蒸着、イオンプレーティングなどにより、100層以上成膜することができる。半導体多層膜は、例えば、分子線ビームエピタキシー(MBE)法や有機金属気相成長(MOCVD)法により材料すなわち屈折率の異なる膜を成膜できる。多層膜の形成方式は面発光レーザのDBRの形成に用いられる方式をそのまま利用することができる。
導波部反射構造17aを挟んだ両側の電極30aと電極30bとの間に、電源31から電圧が印加されると、光導波路部分14には光の進行方向に直交し、かつ、光伝搬層12に平行な方向の電界が形成される。光導波路部分14に形成される電界により、光導波路部分14及び周辺を構成する電気光学効果を示す材料の誘電率が変わる。誘電率を変化させることにより、光導波路部分14において伝搬が許容される波長を変化させ、伝搬する光の強度、位相、偏光方向などを切り替えたりすることができる。
しみだし量は、ホール15と光伝搬層12との屈折率差により変化するが、例えば、光反射層11への光のしみだしが5μm以下である場合、電極30aと電極30bとの距離を5μm程度まで近づけることができる。電極30aと電極30bとの間隔を近接して配置させることにより、低電圧でも光導波路部分14に大きな電界を形成し、屈折率変化の幅を大きく取ることができる。
第10の実施形態の光制御素子25によれば、光反射層11aの配列部反射構造11aの部分に電極30aと電極30bとを形成することにより、導波部反射構造17aに設ける場合に比較して光伝搬層12の光に対する電極30a及び電極30bの吸収などの影響を少なくし、かつ、電界を近接して印可することができる。
なお、光制御素子25は、電流注入によるキャリア注入を行うものであってもよく、電界を形成する場合と同様の電極30a及び電極30bを構成することにより、高効率にキャリア注入をすることができる。
なお、光制御素子25は、図16に示すように、光伝搬層12に形成するフォトニック結晶を光反射層11、電極30a、及び電極30bにも形成した構造であってもよい。光伝搬層12に加えて光反射層11、電極30a、及び電極30bにもフォトニック結晶を形成する場合、光伝搬層12と光反射層11と電極30aと電極30bとを含む層構造を形成した後に、フォトニック結晶をパターニングすることが望ましい。フォトニック結晶を形成する前に電極30a及び電極30bを構成することにより、フォトニック結晶を形成してから電極30a及び電極30bを構成する場合のようなフォトニック結晶内部への電極材料の一部混入などの影響を低減することができる。
なお、光制御素子25は、図17のように、光伝搬層12及び光反射層11を貫通し電極30aに接続されたスルーホール32aと、光伝搬層12及び光反射層11を貫通し電極30bに接続されたスルーホール32bとを形成し、スルーホール32a及びスルーホール32bの内部まで電極30a及び電極30bを形成したものであってもよい。光伝搬層12及び光反射層11の層構造内部にまで電極30a及び電極30bを設けることにより、光導波路部分14に対して一様に電界を印可することができる。
第11の実施形態の光制御素子26は、図18の光の進行方向に直交する平面による断面図に示すように、第10の実施形態の光制御素子25において、基板10と光反射層11bとの間にさらに電極30cを備える。光伝搬層12と光反射層11aと光反射層11bとで構成された3層構造の両外側を、電極30a及び電極30bと電極30cとで挟み、電極30aと電極30cとの間に電源33aにより電圧を印加し、電極30bと電極30cとの間に電源33bにより電圧を印加することにより、層構造全体に一様に電界を印可することができる。
光制御素子26は、基板10に電極30cを形成し、電極30c上に光反射層11bと光伝搬層12を形成し、光伝搬層12にフォトニック結晶配列を形成してから、反対側の光反射層11aを形成し、最後に電極30a及び電極30bを形成することにより製造することができる。電極30a、電極30b、及び電極30cは、蒸着法や、スパッタ、イオンプレーティング、電鋳方法などの一般的な電極形成方法により形成することができる。
第11の実施形態の光制御素子26によれば、電界を光伝搬層12のフォトニック結晶構造全体にほぼ均一に印可することができるとともに、導波部反射構造17a及び導波部反射構造17bに電極30a及び電極30bが重ならないことにより光導波路部分14への吸収などの影響を少なくすることができ、伝搬損失を低くすることができる。第11の実施形態の光制御素子26によれば、電極間隔を近接させることができるため、低電圧で駆動することができる。
光制御素子の斜視図である。 光伝搬層の平面図である。 光伝搬層における電磁界強度の分布図である。 光制御素子の断面図、光反射層の屈折率の分布図、光伝搬層の断面図である。 フォトニックバンドギャップ図である。 第2の実施形態の光制御素子の断面図である。 第3の実施形態の光制御素子の断面図である。 第4の実施形態の光制御素子の断面図である。 第5の実施形態の光制御素子の断面図である。 第6の実施形態の光制御素子の断面図、光反射層の屈折率の分布図、光伝搬層の断面図である。 第7の実施形態の光制御素子の断面図及び平面図である。 第8の実施形態の光制御素子の断面図及び平面図である。 第9の実施形態の光制御素子の断面図及び平面図である。 第10の実施形態の光制御素子の断面図である。 第10の実施形態の光制御素子の製造過程を示す図である。 他の第10の実施形態の光制御素子の断面図である。 他の第10の実施形態の光制御素子の断面図である。 第11の実施形態の光制御素子の断面図である。
符号の説明
1;光制御素子、2;光制御素子、3;光制御素子、4;光制御素子、5;光制御素子、
6;光制御素子、7;光制御素子、8;光制御素子、9;光制御素子25;基板、
11;光反射層、11a;光反射層、11b;光反射層、12;光伝搬層、
13;フォトニック結晶配列部分、14;光導波路部分、15;ホール、
16;欠陥部分、17a;導波部反射構造、17b;導波部反射構造、
18a;配列部分反射構造、18b;配列部分反射構造、20;導波バンド、
21;フォトニックバンドギャップ、22;ライトライン、23;放射領域、
24;低損失伝搬領域、25;光制御素子、26;光制御素子、30a;電極、
30b;電極、30c;電極、32a;スルーホール、32b;スルーホール、
33a;電源、33b;電源。

Claims (13)

  1. 光伝搬層と光反射層とを備え、
    前記光伝搬層は、フォトニック結晶配列部分と光導波路部分とを有し、前記フォトニック結晶配列部分は規則的なフォトニック結晶配列をもち、前記光導波路部分は前記フォトニック結晶配列の規則性に欠陥をもたせて形成され、
    前記光反射層は、配列部反射構造と導波部反射構造とを有し、前記配列部反射構造は前記フォトニック結晶配列部分に積層され、前記導波部反射構造は前記光導波路部分に積層され、前記配列部反射構造の屈折率と前記導波部反射構造の屈折率とが異なることを特徴とする光制御素子。
  2. 前記導波部反射構造は外気で構成される請求項1に記載の光制御素子。
  3. 前記導波部反射構造は前記配列部反射構造と異なる材質で形成されている請求項1または請求項2に記載の光制御素子。
  4. 前記導波部反射構造と前記配列部反射構造との境界で屈折率が徐々に変化している請求項1から請求項3のいずれかに記載の光制御素子。
  5. 前記光反射層は、フォトニック結晶配列をもつ請求項1から請求項4のいずれかに記載の光制御素子。
  6. 前記光反射層のフォトニック結晶配列は、前記導波部反射構造側から前記配列部反射構造側に向うにつれて形状が変化している請求項1から請求項5のいずれかに記載の光制御素子。
  7. 前記光反射層のフォトニック結晶配列の形状の変化は、層厚方向の高さの変化である請求項6に記載の光制御素子。
  8. 前記光反射層の前記光伝搬層と反対側の面内で、前記導波部反射構造を挟んで両側に配置された電極を備える請求項1から請求項7のいずれかに記載の光制御素子。
  9. 前記光反射層は、前記光伝搬層の片面のみに形成されている請求項1から請求項8のいずれかに記載の光制御素子。
  10. 前記光反射層は、前記光伝搬層の両面に形成されている請求項1から請求項8のいずれかに記載の光制御素子。
  11. 前記光伝搬層の両側で前記導波路反射構造の幅が異なる請求項10に記載の光制御素子。
  12. 前記光反射層は、前記光伝搬層の両面に形成されており、前記光反射層と前記光伝搬層とを挟んだ層法線方向両側に配置した電極を備える請求項1から請求項9のいずれかに記載の光制御素子。
  13. 光伝搬層と第1の光反射層と第2の光反射層とを備え、前記光伝搬層は、フォトニック結晶配列部分と光導波路部分とを有し、前記フォトニック結晶配列部分は規則的なフォトニック結晶配列をもち、前記光導波路部分は前記フォトニック結晶配列の規則性に欠陥をもたせて形成され、前記第1の光反射層と前記第2の光反射層とは、それぞれ配列部反射構造と導波部反射構造とを有し、前記配列部反射構造は前記フォトニック結晶配列部分に積層され、前記導波部反射構造は前記光導波路部分に積層され、前記配列部反射構造の屈折率と前記導波部反射構造の屈折率とが異なる光制御素子を製造する光制御素子製造方法であって、
    前記第1の光反射層にあらかじめ形成された光伝搬層を接合し、
    前記光伝搬層の厚みを調整し、
    前記光伝搬層に前記第2の光反射層を接合し、
    前記第1の光反射層と前記光伝搬層と前記第2の光反射層とに、前記フォトニック結晶配列をパターニングすることにより請求項1から請求項12のいずれかに記載の光制御素子を製造する光制御素子製造方法。
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