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JP2002303836A - フォトニック結晶構造を有する光スイッチ - Google Patents

フォトニック結晶構造を有する光スイッチ

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JP2002303836A
JP2002303836A JP2001106318A JP2001106318A JP2002303836A JP 2002303836 A JP2002303836 A JP 2002303836A JP 2001106318 A JP2001106318 A JP 2001106318A JP 2001106318 A JP2001106318 A JP 2001106318A JP 2002303836 A JP2002303836 A JP 2002303836A
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JP
Japan
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photonic crystal
optical
waveguide
light
type
Prior art date
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Application number
JP2001106318A
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English (en)
Inventor
Masayuki Shirane
昌之 白根
Masatoshi Tokushima
正敏 徳島
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フォトニック結晶構造を有する光スイッチを提
供する。 【解決手段】スラブ型光導波路を有し、前記スラブ光導
波路のコア35が、屈折率の異なる2種類以上の媒質3
3、34を2次元周期的に規則正しく配列した2次元フ
ォトニック結晶構造を有する光スイッチであって、前記
フォトニック結晶構造は直線上の線欠陥導波路を有し、
前記線欠陥導波路の屈折率を変化させる手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光スイッチに関し、
特にフォトニック結晶構造を有する光スイッチに関す
る。
【0002】
【従来の技術】光通信においては、デジタル信号の0又
は1に併せて光信号をオン・オフする仕組みが必要であ
る。そのために最も単純な仕組みは光源に用いられる半
導体レーザの出力そのものをオン・オフ制御する方法で
あるが、半導体レーザの出力を直接オン・オフする方法
では、半導体レーザの発振安定性が悪くなることと、そ
もそも10Gbps(ギガビット/秒)以上の高速変調
は困難である。
【0003】光信号をオン・オフするもう一つの方法と
して、光スイッチを用いる方法がある。これは、半導体
レーザからの一定の光出力を後段に取り付けた装置によ
って変調してオン・オフする方法で、後段に取り付けら
れた装置は、光スイッチと呼ばれる。光スイッチを用い
る場合、半導体レーザ光源の光強度は一定に保っておけ
るので、発振が不安定になる問題は解消される。また、
半導体レーザ自体の変調速度には影響されない。
【0004】光スイッチは、従来、化合物半導体で構成
され、動作原理として、 ・多重量子井戸構造に電界を印加することによって実効
的バンドギャップをレッドシフトさせる量子閉じ込めシ
ュタルク効果を用いるもの、 ・電流注入あるいは逆バイアス印加により活性層の屈折
率変化を利用するもの、 ・3次の非線形光学効果である光カー効果を利用するも
の、 等が知られている。
【0005】この内、量子閉じこめシュタルク効果を用
いるものは、井戸層とバリア層との組み合わせによりあ
る程度の設計自由度を有するものの、バンドギャップ・
エネルギーなどの材料固有の性質が選択できる材料では
限られ、動作波長範囲の制約を受けるという問題点があ
る。
【0006】また、屈折率変化を利用するものは、利用
できる屈折率変化が小さいため、オン・オフ時の信号光
強度比を大きく確保するためには、数百ミクロン程度の
長さが必要となり、高密度集積化の障害となっている。
【0007】光カー効果を利用する光スイッチは、高速
化できる可能性が最も高い。しかしながら、光カー効果
を起こすための高強度の制御光源が別途必要とされてお
り、実用的では無い。
【0008】これらの問題点を解決できる可能性のある
光スイッチとして、近年、フォトニック結晶を用いた光
スイッチが提案されている。フォトニック結晶を用いた
光スイッチに関する刊行物として、例えば特開平10−
90638号公報には、複素屈折率の異なるに2種類の
光学媒質であって、少なくとも一方の光学媒質が半導体
である2種類の光学媒質を含み、2次元平面上で周期構
造を形成するフォトニックバンド構造と、前記2次元平
面に平行な被制御光と、被制御光の光路と直交しない光
路に沿って前記2次元平面上の周期構造に円偏光の制御
光を照射する手段を有し、制御光にとって被制御光の通
過率をスイッチする光スイッチの構成が開示されてい
る。
【0009】フォトニック結晶とは、屈折率の異なる2
つ以上の媒質が光の波長オーダ、すなわちサブμm周期
で3次元もしくは2次元周期的に規則正しく配列された
ものであり、設計の自由度が大きく、特異な光学特性を
有する人工光学結晶として注目を浴びている。
【0010】図1(a)に、このフォトニック結晶の構
造の一例として、2次元フォトニック結晶を模式的に示
す。これは、第1の媒質11に、2次元三角格子状に円
柱形の第2の媒質12が埋め込まれた構造である。この
ようなフォトニック結晶においては、フォトニック結晶
中に存在する光波に対して、エネルギーバンド構造を形
成することが知られている。
【0011】図1(b)は、図1(a)の三角格子に対
応する逆格子空間における第1ブリルアンゾーンであ
る。正六角形の頂点がJ点、各辺の中点がX点、正六角
形の中心がΓ点となる。
【0012】図2の実線は、図1(a)のフォトニック
結晶の、TM偏波に対するΓ−X方向のエネルギーバン
ド構造を計算した結果である。ここで、aは格子ピッチ
(又は格子定数)、cは真空中での光速、ωは光波の角
振動数、kは波数ベクトルの大きさを示している。また
縦軸は規格化Ω=ωa/2πcである。
【0013】図2のエネルギーバンド構造において、Γ
−X方向に進行する光に対してはエネルギーがΩ1〜Ω
2の範囲では光波モードが存在せず、「フォトニック・
バンドギャップ(PBG)」と呼ばれる。
【0014】上記特開平10−90638号公報に開示
されている光スイッチは、このPBGを、構成材料の屈
折率の変化により制御させて、フォトニック結晶を伝搬
する光をオン・オフさせるものである。即ち、この従来
例では、エネルギーΩ3の光は、PGB中であるため
に、光は伝搬できず、オフ状態であるが、外部からフォ
トニック結晶への制御光の照射、もしくは電流注入によ
って、フォトニック結晶を構成する材料の屈折率を変化
させる。その結果、図2の実線のエネルギーバンド構造
は、図2の点線で示すエネルギーバンド構造に変化し、
Ω3の光に対して、伝搬モードが存在するようになって
オン状態となる。逆に、エネルギーΩ4の光波に対して
は、屈折率変化によってオン状態からオフ状態に変化す
る。
【0015】上記特開平10−90638号公報に開示
されている、フォトニック結晶を用いた光スイッチは、
構成媒質の微小な屈折率の変化を利用しているが、被制
御光の波長をエネルギーバンド端に設定することによ
り、光のオン・オフ効果を得ることができ、光スイッチ
として機能する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来のフォトニック結晶を用いた光スイッチは、バルク
としてのフォトニック結晶自体が有している特性を利用
したものであり、実際に光回路を形成するときに必要な
光の導波、即ち、進行方向と垂直な方向における光の閉
じ込めを全く考慮していないために、フォトニック結晶
を伝搬してきた光の回収効率は、極めて低いものと思料
される。
【0017】そこで、光を効率良く導波するために、フ
ォトニック結晶を、基本伝搬モードの得られる1〜2μ
m幅の導波路構造に細長く整形すると、図2に示すよう
なバルクのエネルギーバンドは崩れてしまい、このた
め、伝搬光のオン・オフ制御に必要なフォトニックバン
ドギャップが形成されなくなってしまう、という矛盾が
生じる。
【0018】また、上記した従来の光スイッチは、全て
1つのスイッチで1つのチャンネルのオン・オフを取り
扱うため、マルチチャンネル化しようとすると、必要な
チャンネル数だけ光スイッチを用意する必要があった。
【0019】更に、従来の光スイッチは、全て、電流、
電圧、光などの制御信号によって、信号光のオン・オフ
をしているため、制御信号の波形が劣化すると、信号光
の波形も劣化してしまう、という問題がある。
【0020】したがって、本発明が解決しようとする課
題の一つは、光を効率良く伝え、高速動作可能な、フォ
トニック結晶構造を有する光スイッチを提供することで
ある。
【0021】また、後の説明からも明らかとされるよう
に、本発明においては、1つの光スイッチで複数のチャ
ンネルへの切り替えが可能なマルチチャンネル切り替え
光スイッチを実現し、マルチチャンネスイッチのコンパ
クト化を実現すること、あるいは、信号がオンの時の信
号光強度を揃える波形整形機能を実現する光スイッチを
提供することも、発明が解決しようとする課題としてい
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段を提供する本発明は、スラブ型光導波路を有し、
前記スラブ型光導波路のコアが、屈折率の異なる2種類
以上の物質を周期的に規則正しく配列したフォトニック
結晶構造を有する光スイッチであって、前記フォトニッ
ク結晶構造は線欠陥導波路を有し、前記線欠陥導波路の
屈折率を変化させる手段を有する。ここで、スラブ型光
導波路は、一層又は多層構造の平面の層状媒質で構成さ
れており、面に沿った方向に光を伝搬する導波路をい
う。本発明において、前記屈折率を変化させる手段は、
電流注入であるか、あるいは、入射光とは別の制御光の
照射よりなる。
【0023】また、本発明は、別のアスペクト(aspec
t)において、前記フォトニック結晶構造は、線欠陥導
波路を用いてマッハツェンダー型干渉系が構成されてお
り、2つの分岐された光路の一方または両方に導波路の
屈折率を変調する手段を有する。
【0024】また、本発明は、さらに別のアスペクト
(aspect)において、前記フォトニック結晶は、入射光
をフォトニック結晶の固有軸に対して斜めに入射するこ
とにより屈折させる手段と、フォトニック結晶の屈折率
を変化させる手段とを有し、屈折率変化によってフォト
ニック結晶における屈折角を変化させる。本発明によれ
ば、1つの光スイッチで複数のチャンネルへの切り替え
が可能なマルチチャンネル切り替え光スイッチを実現
し、マルチチャンネスイッチのコンパクト化を実現して
いる。
【0025】また、本発明は、さらにまた別のアスペク
ト(aspect)において、前記フォトニック結晶への入射
光自身の強度変化に応じて、フォトニック結晶の屈折率
が変化し、スイッチング動作をする。本発明によれば、
信号がオンの時の信号光強度を揃える波形整形機能を実
現している。
【0026】また、本発明は、さらに別のアスペクト
(aspect)において、スラブ型フォトニック結晶の線欠
陥導波路を用いた光スイッチにおいて、前記スラブ型フ
ォトニック結晶のコア層はi型、n−型又はp−型の半
導体であり、前記コア層の前記線欠陥導波路を挟んで両
側にn型領域とp型領域があり、それぞれの領域にn型
オーミック電極とp型オーミック電極が形成されてい
る。
【0027】本発明において、コア層の母材の導電型が
n−型又はp−型であり、前記コア層の母材の導電型と
同じ導電型の電極及びイオン注入領域が線欠陥光導波路
から離れて設置されている。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して以下に説明する。図3は、本発明の第1の実
施の形態の構成を示す図であり、図3(a)は、斜視
図、図3(b)はフォトニック結晶層38の平面図を示
す。
【0029】図3(a)を参照すると、n型基板31上
にn型半導体クラッド層32を備えており、その上に異
なる屈折率を有するi型半導体(母体媒質)33および
34から構成されるフォトニック結晶層38が形成され
ている。
【0030】さらに、その上にp型半導体クラッド層3
5を備えており、電流注入のための電極36およびリー
ド線37が付加されている。なお、n型基板31は、グ
ランド電位に接地されている。
【0031】母体媒質であるi型半導体(母体媒質)3
3中に、i型半導体34からなる円柱が、2次元三角格
子状に埋め込まれた形(周期構造を有する)であり、こ
のうちi型半導体34が、入射光21の入力端側から出
力端側へ、直線上に、一列分だけ取り除かれており、母
体媒質33に置き換えられている。以下、この領域39
を、「線欠陥導波路」と呼ぶことにする。なお、円柱状
のi型半導体34は、空気、真空もしくは、絶縁体に置
き換えてよい。
【0032】図3に示されるフォトニック結晶構造を有
する光スイッチの作製法の具体例として、例えば次のよ
うな製法が用いられる。
【0033】n型InPからなるn型基板31上に、有
機金属化学気相法(MOCVD)あるいは分子線エピタ
キシー法(MBE)等によって、InGaAsPからな
るn型クラッド層32およびInGaAsPからなるi
型半導体33を積層する。i型半導体33は、0.3〜
0.5μm程度の膜厚とされている。
【0034】その後、i型半導体33上に、2次元三角
格子のマスクパターンを形成し、フォトニック結晶を実
現するための円柱穴をエッチングにより形成する。
【0035】エッチング終了後、マスクを除去し、i型
InPを成長すると、円柱穴が優先的に埋め戻され、i
型半導体34が形成される。
【0036】その後、さらにInPからなるp型クラッ
ド層35を積層し、電極36およびリード線37を付け
る。
【0037】なお、エッチング終了時に、マスク除去
後、あらかじめInPからなるp型クラッド層35を積
層した基板を、InGaAsPからなるi型半導体33
に貼り付け、エッチングによって、p型クラッド層35
を残すという方法もある。この時、i型半導体34は、
空気となる。電極、リード線の付着方法は、前述したも
のと同じである。
【0038】次に、本発明の第1の実施の形態の動作原
理について説明する。図4は、TM偏波に対するエネル
ギーバンドを示す図である。以下、偏波は、TMのみに
対して議論する。
【0039】線欠陥導波路以外のフォトニック結晶領域
においては、電流注入等により屈折率変化を起こさない
場合には、図4の実線がエネルギーバンド構造となり、
Ω5〜Ω6の光波は、2次元平面内では伝搬モードが存
在しない。
【0040】従って、入射光21のエネルギーがΩ5〜
Ω6であれば、2次元平面内では導波路の外側、すなわ
ち、フォトニック結晶領域には、光は伝搬できないため
に、上記線欠陥導波路に、強く閉じ込められる。例え
ば、エネルギーがΩ7の光は、これに相当する。従っ
て、格子ピッチの大きさであるサブμm程度の微小な導
波路が実現可能となる。
【0041】2次元平面に垂直な方向に対しては、上下
のクラッド層32、35の屈折率およびその層厚を、適
切に選ぶことによって、コアであるフォトニック結晶層
に、光が高効率に閉じ込めることができる。かかる構成
により、本実施例の光スイッチにおいては、3次元的に
光を閉じこめることで、低損失で伝搬し、出射光22を
得ることができる。
【0042】続いて、電流注入をした場合を説明する。
フォトニック結晶層のキャリア数が変化することで(プ
ラズマ効果により)、フォトニック結晶を構成するi型
半導体33または34の少なくとも一方の屈折率が変化
し、エネルギーバンドは、図4の点線のように変化す
る。この時、エネルギーΩ7の光に対しては、フォトニ
ックバンドギャップ(PBG)から外れてしまうため、
線欠陥導波路の外側である完全なフォトニック結晶領域
へと光が漏れ、線欠陥導波路を伝搬するうちに、その強
度が減衰し、透過する出射光22の強度は、極めて弱い
ものとなる。
【0043】同じ原理に基づいて、入射光21のエネル
ギーがΩ8の場合には、エネルギーがΩ7の場合とは、
逆に、電流注入により、出射光強度は、オフ状態からオ
ン状態に変化する。
【0044】図5は、上記で説明した動作原理に基づい
て、電流をオン/オフしたとき(電流抽入の有無に応じ
た)の出射光強度を、タイミングチャートで示した図で
ある。電極36を通して電流注入をした場合に、エネル
ギーΩ7の出射光の強度(図5の出射光強度Ω7)は、
ゼロ、すなわち、オフ状態であり、電流注入をしない場
合には、オン状態となっている。エネルギーがΩ8の出
射光の強度(図5の出射光強度Ω8)は、出射光強度Ω
7の場合とは、そのオン、オフが逆となっている。
【0045】ここでは、フォトニック結晶として、2次
元三角格子を例にとったが、正方格子、正六角形格子等
の他の2次元フォトニック結晶、あるいはダイヤモンド
構造等の3次元フォトニック結晶であってもよい。
【0046】また、フォトニック結晶を構成する材料と
して、InGaAsPを挙げたが、その他の材料系でも
構わない。さらに、屈折率を変化させる手段として、順
バイアス印加による電流注入を挙げたが、逆バイアス印
加による屈折率変化(フランツ・ケルディッシュ効果)
を利用しても同様の効果が得られる。
【0047】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。図11は、本発明の第2の実施の形態の構成
を示す図である。図11を参照すると、フォトニック結
晶の周期構造を有するコア層72が上下2つのクラッド
層71、73に挟まれた構造が、基板70上に形成され
ている。
【0048】前記した第1の実施の形態と異なり、本発
明の第2の実施の形態において、基板70の材料は任意
とされており、クラッド層71、73は誘電体よりな
る。クラッド層73表面には、電極74、75が設けら
れている。
【0049】フォトニック結晶の周期構造を有するコア
層とそれを挟むクラッド層全体、即ち図11では、コア
層72と、クラッド層71、73を併せた構造を、「ス
ラブ型フォトニック結晶」と呼ぶことがある。クラッド
層71、73は空気でもよい。
【0050】コア層71は、半導体よりなり、導電性が
小さく導電損失の小さいi型、n−型(弱いn型)又は
p−型(弱いp型)である。
【0051】クラッド層73には孔が開けられており、
その孔(ビア)を通して、電極74、75がコア層72
の電極80、81に接続している。
【0052】図12は、本発明の第2の実施の形態の構
造を示す図であり、図11に示した構造を上方から透視
した図である。i型、n−型又はp−型半導体のコア層
76は、フォトニック結晶構造を有し、線欠陥光導波路
77が形成されている。
【0053】コア層76の、線欠陥光導波路77を挟ん
で両側に、n型領域78とp型領域79が配設されてお
り、それぞれの領域に、n型オーミック電極80又はp
型オーミック電極81が形成されている。
【0054】本発明の第2の実施の形態の動作原理は、
前記した本発明の第1の実施の形態と同じである。即
ち、スイッチングしたい光信号のエネルギーは、スラブ
型フォトニック結晶のフォトニックバンドギャップ内に
あり、フォトニック結晶中に形成された線欠陥光導波路
は、電極に、電流を注入するかあるいは電圧を印加する
前は、フォトニックバンドギャップ内に伝搬モードを有
する。
【0055】電極80と電極81の間に電流を注入する
か、あるいは、逆バイアス電圧を掛けると、光が伝搬す
る線欠陥光導波路の周囲のフォトニック結晶のフォトニ
ックバンド構造が変化し、線欠陥導波路の伝搬モードが
フォトニックバンドギャップ外に出て、線欠陥導波路を
光が伝搬できなくなる。
【0056】あるいは、元々、フォトニックバンドギャ
ップ外にあった線欠陥導波路の伝搬モードが、電流、又
は電圧の印加により、フォトニックバンドギャップ内に
移行し、光を伝搬できるようになる。
【0057】本発明の第2の実施の形態の利点は、クラ
ッド層として、非導電性の誘電体を用いることができる
ため、線欠陥導波路77を伝搬する光のクラッド層7
1、73による損失が無い。
【0058】次に、本発明の第2の実施の形態の具体例
について以下に説明する。ノンドープSi(膜厚300
nm)/SiO2(膜厚2μm)/ノンドープSi基板
構造のSOIウエハのノンドープSi層に、電子ビーム
描画と塩素ガスによるSiドライエッチング加工によ
り、図12に示すような、三角格子フォトニック結晶構
造と線欠陥導波路を形成する。
【0059】フォトリソグラフィーによりマスクを形成
した後、砒素やボロンのイオン注入とその後の活性化ア
ニール処理によって、n型領域78とp型領域79に相
当する領域を形成する。その後、各イオン注入領域にオ
ーミック金属を蒸着し、シンタリングを行って電極を形
成する。n型領域78とp型領域79を形成するための
イオン注入は、フォトニック結晶構造を形成する前に行
ってもよい。また、コア層の母材の導電型がn-型又はp-
型の半導体の場合、コア層の母材の導電型と同じ導電型
の電極(従ってイオン注入領域も)は線欠陥光導波路の
近くにある必要は無く、離れていてもよい。
【0060】この実施の形態の光スイッチを複数並設す
る場合には、線欠陥導波路の近くに設置する電極はコア
層と反対の導電型の電極のみで、同じ導電型の電極は共
通のものを線欠陥光導波路から離れたところに、最低1
つ以上用意するようにしてもよい。
【0061】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。図6は、本発明の第3の実施の形態の構成を
示す図である。図6を参照すると、この実施の形態と、
図3に示した前記第1の実施の形態との違いは、フォト
ニック結晶を構成する半導体の屈折率を変化させる手段
として、入射光21とは別の制御光41を用いているこ
とである。
【0062】本発明の第3の実施の形態の動作原理につ
いて説明する。図4のエネルギーバンドにおいて、制御
光41を照射しない時、エネルギーバンドは実線で示さ
れるが、制御光41を照射した時には、キャリアが励起
されることで、フォトニック結晶を構成するi型半導体
33または34の屈折率が変化し、エネルギーバンド
が、例えば図4の点線のように変化する。よって、前記
第1の実施の形態と同様に、入射光21のエネルギーが
Ω7であれば、制御光41の照射の有無(オン/オフ)
で、出力光22をオン/オフできる。
【0063】なお、光照射による屈折率変化を起こす要
因として、フォトニック結晶におけるキャリア数の変化
(プラズマ効果)を挙げたが、媒質の3次の非線形光学
特性である、光カー効果も考えられる。光カー効果は、
制御光41を照射したときの媒質の屈折率nが、非照射
の屈折率n0と、3次の非線形光学定数に比例するn
2、光強度Iとして、 n=n0+n2*I (式1) と表される現象である。
【0064】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。図7は、本発明の第4の実施の形態の構成を
示す図であり、フォトニック結晶構造の平面図である。
図7を参照すると、この実施の形態では、線欠陥導波路
を用いて、マッハツェンダー型の干渉系を構成してい
る。2つの電極36、36′は、分岐された2つのチャ
ネルに効率的にキャリアを注入できるように付着されて
いる。
【0065】次に、本発明の第4の実施の形態の動作原
理について説明する。入射光21は線欠陥導波路からY
分岐路によって上下枝2つの光路40、40′に等分配
され、2つの光路を伝搬した光が、別のY分岐路によっ
て合波されて出射光22となって出力される。電流注入
を行わない場合、上下枝の光路長は等しいため、分岐さ
れた2つの光の位相差は零(同位相)であるから、その
干渉光である出力光22の光強度は最大となる。なお、
2つの光路長が異なっていても、光路長差が波長の整数
倍となるように設計しておけば、位相差が零の場合と等
価である。
【0066】次に、上枝、下枝の少なくとも一方の電極
を通して電流注入を行うことで屈折率を変化させると、
その部分の実効的な光路長が変化する。上下枝での光路
40、40′でπの位相差が生じたとすれば、干渉光で
ある出力光22は、弱め合い光強度は最小となる。
【0067】このようにして、注入電流のオン/オフ
で、出射光22をオン/オフすることができる。なお、
屈折率変化を起こす手段として、電流注入に限らず、逆
バイアスの印加、入射光とは、別の制御光の照射であっ
てもよい。
【0068】次に、本発明の第5の実施の形態について
説明する。図8は、本発明の第5の実施の形態の構成を
示す図である。図8を参照すると、この実施の形態で
は、フォトニック結晶50には、線欠陥導波路は導入さ
れていず、完全結晶である。これは、スーパープリズム
現象を利用した光スイッチである。スーパープリズム現
象に関しては、文献(Applied Physics Letters vol.74
p.1370-1372 (1999))に掲載されている通り、僅か1
%の波長差で屈折角が50度以上も変化するという異常
な分散特性である。
【0069】別の見方をすると、入射する光の波長を固
定した時、屈折率を僅かに変化させることで、エネルギ
ーバンドが変化し、それに応じて屈折角が大きく変化す
ることが分かる。
【0070】つづいて本発明の第5の実施の形態の動作
原理について、図8を参照して説明する。電流注入前の
導波路51を介して、フォトニック結晶50の固有軸
(Γ−XあるいはΓ−J)に対して斜めに入射され、フ
ォトニック結晶中を伝搬する光の軌跡は、フォトニック
結晶の分散特性によって、図8の実線矢印で示されると
する。この時は、チャネル1(ch1)の導波路52へ
光が出力される。
【0071】電流注入を行うと、フォトニック結晶を構
成する媒質の屈折率が変化し、それに応じて屈折角が変
化することで、伝搬光の軌跡は、図8の波線矢印へと変
化し、チャネル2(ch2)の導波路52′へと光が出
力されることになる。
【0072】上記では、出力側の導波路が2つからなる
例について説明したが、出力側の導波路は3つ以上、あ
るいは1つとしても良い。また、屈折率を変化させる手
段は、電流注入以外にも、逆バイアスの印加、入射光と
は別の制御光の照射など、他の手段であってもよいこと
は勿論である。
【0073】次に、本発明の第6の実施の形態について
説明する。図9は、本発明の第6の実施の形態の構成を
示す図である。フォトニック結晶は、2次元平面内にお
いて、光の伝搬方向に垂直な方向の幅が1〜2μm程度
の導波路60となっており、導波路60の両側は、クラ
ッド層61、61′によって挟まれている。本発明の第
6の実施の形態は、入射光21それ自身の強度による、
スイッチングを行うものである。
【0074】続いて、本発明の第6の実施の形態の動作
原理について、図4および図10を参照して説明する。
【0075】はじめに、入射光21のエネルギーがΩ8
(図4参照)である場合について説明する。入射光強度
が弱い場合には、エネルギーバンドは、図4の実線で表
され、この時、PBGの外側であるから、完全結晶であ
る導波路部分を光は伝搬することができる。ところが、
入射光強度をある程度強くすると、式(1)で表される
ように、入射光の強度自身によって、フォトニック結晶
の屈折率が変化し、それに伴ってエネルギーバンドが、
図4の点線のように変化し、フォトニックバンドギャッ
プ(PBG)内となるため、光は伝搬することができな
くなる。
【0076】これに基づき、エネルギーΩ8の入射光強
度に対して、出射光強度をプロットしたグラフが、図1
0(a)である。入射光強度がある程度強くなると、出
射光強度が頭打ちになり、その後は、次第に低下する。
これは、リミッター機能といえる。このリミッター機能
は、信号がオンの時の信号光強度を揃える整形機能とし
て利用できる。
【0077】一方、エネルギーがΩ7(図4参照)の入
射光に対しては、エネルギーがΩ8の場合と逆で、図1
0(b)に示すように、入射光強度が小さいときには透
過光強度が小さく、入射光強度が大きくなると透過光強
度が飛躍的に増大する。この機能は、信号がオンとオフ
の時の信号光強度のコントラストを増大させる機能を有
する。リミッター機能とコントラスト増大機能の組み合
わせが可能なことは勿論である。
【0078】上記第3乃至第6の実施の形態において
も、図1、及び図11を参照して説明した第1、第2の
実施の形態と同様に、フォトニック結晶構造によるコア
層の上下をクラッド層で挟む構成としてもよいことは勿
論である。
【0079】上記各実施の形態によれば、スイッチング
の動作波長は構成材料の特性ではなく、フォトニック結
晶の構造により決まるため、設計の自由度が大きくな
り、フォトニック結晶を用いることで機能素子のコンパ
クト化が実現される。フォトニック結晶は、光通信にお
いて用いられている平面型微小光回路、半導体レーザ等
は導波路構造を有しており、これらとの整合性をとる上
でも導波路構造になっていることが望ましい。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
3次元的に光閉じこめを行い、光を効率良く導波し、高
速動作を可能とする、という効果を奏する。そして、本
発明によれば、スイッチングの動作波長は構成材料の特
性ではなく、フォトニック結晶の構造により決まるた
め、設計の自由度を増大する。
【0081】また本発明によれば、1つの光スイッチで
複数のチャンネルへの切り替えが可能なマルチチャンネ
ル切り替え光スイッチを実現し、マルチチャンネスイッ
チのコンパクト化を実現している。
【0082】さらに本発明によれば、信号がオンの時の
信号光強度を揃える波形整形機能を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は2次元フォトニック結晶の構造例を上
面から見た図である。(b)は2次元フォトニック結晶
構造に対する逆格子ベクトルの方向を示した図である。
【図2】図1(a)の構造に対するエネルギーバンドの
計算例を示す図である。
【図3】(a)は本発明の第1の実施の形態の構成を示
す図である。(b)は(a)のフォトニック結晶層の構
成を示す図である。
【図4】図3の構造に対するエネルギーバンドの計算例
を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の動作を示すタイミ
ングチャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態の構成を示す図であ
る。
【図7】本発明の第4の実施の形態の構成を示す図であ
る。
【図8】本発明の第5の実施の形態の構成を示す図であ
る。
【図9】本発明の第6の実施の形態の構成を示す図であ
る。
【図10】本発明の第6の実施の形態の動作を説明する
ための図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態の構造を示す図で
ある。
【図12】本発明の第2の実施の形態の構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
11 第1の媒質 12 第2の媒質 21 入射光 22 出射光 31 n型基板 32 n型クラッド層 33 i型半導体(母体媒質) 34 i型半導体 35 p型クラッド層 36、36′ 電極 37 リード線 38 i型フォトニック結晶層 39 線欠陥導波路 40、40′ 分岐した導波路 41 制御光 50 フォトニック結晶 51 チャネル導波路 52、52′ チャネル導波路 60 導波路 61、61′ クラッド層 70 基板 71 クラッド層 72 コア層 73 クラッド層74、 75 電極 76 コア層 77 線欠陥導波路 78 n型領域 79 p型領域 80 n型オーミック電極 81 p型オーミック電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/313 G02B 6/12 Z N J Fターム(参考) 2H047 KA03 LA12 RA08 TA43 2H079 AA02 AA08 AA12 AA13 BA01 CA05 DA16 EA02 EA05 2K002 AA02 AB04 BA01 BA06 BA08 CA13 CA30 DA05 DA08 HA08

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スラブ型光導波路構造を有し、前記スラブ
    型光導波路のコアが、屈折率の異なる2種類以上の媒質
    を周期的に規則正しく配列したフォトニック結晶構造か
    らなる光スイッチであって、 前記フォトニック結晶構造が線欠陥導波路を有し、 前記線欠陥導波路の屈折率を変化させる手段を有する、
    ことを特徴とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】前記屈折率を変化させる手段が、電流注入
    における材料の屈折率変化を利用するものである、こと
    を特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
  3. 【請求項3】前記屈折率を変化させる手段が、電圧印加
    における材料の屈折率変化を利用するものである、こと
    を特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
  4. 【請求項4】前記屈折率を変化させる手段が、制御光の
    照射における材料の屈折率変化を利用するものである、
    ことを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
  5. 【請求項5】前記フォトニック結晶構造において、前記
    線欠陥導波路を用いてマッハツェンダー型干渉系が構成
    されており、 2つの分岐された光路の一方または両方に導波路の屈折
    率を変調する手段を有する、ことを特徴とする請求項1
    記載の光スイッチ。
  6. 【請求項6】スラブ型光導波路構造を有し、前記スラブ
    型光導波路のコアが、屈折率の異なる2種類以上の媒質
    を周期的に規則正しく配列したフォトニック結晶構造か
    らなる光スイッチであって、 前記フォトニック結晶構造は、入射光をフォトニック結
    晶の固有軸に対して斜めに入射することにより屈折させ
    る手段と、 前記フォトニック結晶の屈折率を変化させる手段と、を
    有し、 前記屈折率の変化によって前記フォトニック結晶におけ
    る屈折角を変化させる、ことを特徴とする光スイッチ。
  7. 【請求項7】スラブ型光導波路構造を有し、前記スラブ
    型光導波路のコアが、屈折率の異なる2種類以上の媒質
    を周期的に規則正しく配列したフォトニック結晶構造か
    らなる光スイッチであって、 前記フォトニック結晶への入射光自身の強度変化に応じ
    て、前記フォトニック結晶の屈折率が変化し、スイッチ
    ング動作を行う、ことを特徴とする光スイッチ。
  8. 【請求項8】スラブ型フォトニック結晶の線欠陥導波路
    を用いた光スイッチにおいて、 前記スラブ型フォトニック結晶のコア層は、i型、n−
    型、又はp−型の半導体であり、 前記コア層の、前記線欠陥導波路を挟んで両側に、n型
    領域とp型領域を有し、 前記n型領域とp型領域に、それぞれn型オーミック電
    極またはp型オーミック電極が形成されている、ことを
    特徴とする光スイッチ。
  9. 【請求項9】前記コア層の母材の導電型が、n−型又は
    p−型であり、 前記コア層の母材の導電型と同じ導電型の電極、及び、
    イオン注入領域が、前記線欠陥光導波路から離間して設
    置されている、ことを特徴とする請求項8記載の光スイ
    ッチ。
  10. 【請求項10】前記線欠陥光導波路が、前記フォトニッ
    ク結晶構造において、屈折率の異なる2種類以上の媒質
    が周期的に規則正しく配列されていずに、同一媒質で少
    なくとも一列分置き換えられている領域が、光の入力端
    から出力端への伝搬経路に沿って延在されているもので
    ある、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に
    記載の光スイッチ。
  11. 【請求項11】基板上に設けられた第1のクラッド層
    と、 前記第1のクラッド層の上に設けられ、屈折率の互いに
    異なる少なくとも第1と第2の光学媒質を有し、前記第
    2の光学媒質は前記第1の光学媒質中で規則的に配列さ
    れており、少なくとも2次元平面上で周期構造を形成す
    るフォトニック結晶構造を有するコア層と、 前記コア層の上に設けられた第2のクラッド層と、 を有し、 前記フォトニック結晶構造は、前記第2の光学媒質が配
    設されていず、前記第1の光学媒質で置き換えられてい
    る領域が少なくとも一ライン分の幅で、光の入力端から
    出力端に向けて延在されている領域を有し、該領域が導
    波路をなしており、 電流注入、逆バイアス電圧の印加、あるい入射光とは別
    の制御光の照射により、前記導波路の屈折率を変化さ
    せ、前記入力端に入射された光の前記出力端からの出力
    をオン及びオフする、ことを特徴とする光スイッチ。
  12. 【請求項12】基板上に設けられた第1のクラッド層
    と、 前記第1のクラッド層の上に設けられ、屈折率の互いに
    異なる少なくとも第1と第2の光学媒質を有し、前記第
    2の光学媒質は前記第1の光学媒質中で規則的に配列さ
    れ、少なくとも2次元平面上で周期構造を形成するフォ
    トニック結晶構造を有する、半導体よりなるコア層と、 前記コア層の上に設けられた第2のクラッド層と、 を有し、 前記コア層のフォトニック結晶構造は、前記第2の光学
    媒質が配設されていず、前記第1の光学媒質で置き換え
    られている領域が、少なくとも一ライン分の幅で、光の
    入力端から出力端に向けて延在されている領域を有し、
    該領域が導波路をなし、 前記コア層において、前記導波路を挟んで両側に、n型
    領域とp型領域が配設されており、それぞれの領域に、
    n型オーミック電極又はp型オーミック電極が形成され
    ており、 前記第2のクラッド層表面の第1、第2の電極が、前記
    n型オーミック電極、及び前記p型オーミック電極にそ
    れぞれ電気的に接続されている、ことを特徴とする光ス
    イッチ。
  13. 【請求項13】分岐型干渉計構成の光スイッチにおい
    て、屈折率の互いに異なる少なくとも第1と第2の光学
    媒質を有し、前記第2の光学媒質は前記第1の光学媒質
    中で規則的に配列され、少なくとも2次元平面上で周期
    構造を形成するフォトニック結晶構造を有し、 前記フォトニック結晶構造は、前記第2の光学媒質が配
    設されていず、前記第1の光学媒質で置き換えられてい
    る領域が、少なくとも一ライン分の幅で延在されている
    領域を有し、該領域が導波路をなし、一本の前記導波路
    が、入力端から延在され第1のY分岐路によって2つの
    導波路に分岐されて延在され、第2のY分岐路によって
    合波されて一本の導波路として出力端にまで延在されて
    おり、 前記2つの導波路に対応して設けられた電極より電流注
    入、逆バイアス電圧の印加を行うか、あるいは制御光の
    照射により、前記2つの導波路間の光信号を同相とする
    か、位相差を生じさせることで、前記入力端に入射され
    た光信号の前記出力端からの出力をオン及びオフする、
    ことを特徴とする光スイッチ。
  14. 【請求項14】屈折率の互いに異なる少なくとも第1と
    第2の光学媒質を有し、前記第2の光学媒質は前記第1
    の光学媒質中で規則的に配列され、少なくとも2次元平
    面上で周期構造を形成するフォトニック結晶構造を有
    し、 外部導波路からの入射光は、前記フォトニック結晶の固
    有軸に対して斜めに入射され、前記フォトニック結晶中
    を伝搬する光は、前記フォトニック結晶の分散特性によ
    って決定される一つのチャネル方向へ出力され、 電流注入、逆バイアス電圧の印加、もしくは、入射光と
    は別の制御光の照射により、前記フォトニック結晶を構
    成する媒質の屈折率が変化し、それに応じて、屈折角が
    変化することで前記フォトニック結晶中を伝搬する光が
    別のチャネルへ出力される、ことを特徴とする光スイッ
    チ。
  15. 【請求項15】屈折率の互いに異なる少なくとも第1と
    第2の光学媒質を有し、前記第2の光学媒質は前記第1
    の光学媒質中で規則的に配列され、少なくとも2次元平
    面上で周期構造を形成するフォトニック結晶構造を有
    し、 前記フォトニック結晶は、2次元平面内において、光の
    伝搬方向に垂直な方向が所定幅の導波路となっており、 前記導波路の光の伝搬方向に沿ってその両側にはクラッ
    ド層を備え、 入射光強度が小さい場合には光が前記導波路を伝搬して
    出射され、入射光強度がある程度強くなると、出射光の
    強度を制限するリミッター機能を有する、ことを特徴と
    する光スイッチ。
  16. 【請求項16】入射光強度が小さいときには透過光強度
    が小さく、入射光強度が大きくなると、透過光強度が増
    大するコントラスト増大機能を有する、ことを特徴とす
    る請求項15記載の光スイッチ。
  17. 【請求項17】前記フォトニック結晶構造の周期構造が
    形成される2次元平面の表面と裏面側にクラッド層がそ
    れぞれ設けられている、ことを特徴とする請求項13乃
    至15のいずれか一に記載の光スイッチ。
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