JP2006256135A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】メンテナンスを有効に行うことのできるライン方式のインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】 記録媒体の幅方向に沿って配設されたノズル13から記録媒体に向けてインクを吐出させて画像記録を行う記録ヘッド10と、記録媒体を搬送方向に搬送させる媒体搬送手段14と、記録ヘッド10と記録媒体との間に備えられ、記録ヘッド10に対応する開口部18とインクを吸収するインク吸収部19とを有するメンテナンスシート15と、メンテナンスシート15を搬送方向に搬送させるシート搬送手段17と、画像記録の際には開口部18が記録ヘッド10に対向し、メンテナンスの際にはインク吸収部19が記録ヘッド10に接触するように、メンテナンスシート15を搬送させるようにシート搬送手段17を制御する制御部26と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 記録媒体の幅方向に沿って配設されたノズル13から記録媒体に向けてインクを吐出させて画像記録を行う記録ヘッド10と、記録媒体を搬送方向に搬送させる媒体搬送手段14と、記録ヘッド10と記録媒体との間に備えられ、記録ヘッド10に対応する開口部18とインクを吸収するインク吸収部19とを有するメンテナンスシート15と、メンテナンスシート15を搬送方向に搬送させるシート搬送手段17と、画像記録の際には開口部18が記録ヘッド10に対向し、メンテナンスの際にはインク吸収部19が記録ヘッド10に接触するように、メンテナンスシート15を搬送させるようにシート搬送手段17を制御する制御部26と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明はインクジェット記録装置に係り、特に、記録ヘッドのメンテナンスを行うライン方式のインクジェット記録装置に関する。
近年、種々の記録媒体に対して高精細な記録が可能な記録装置として、インクジェット方式を用いたインクジェット記録装置が広く普及している。インクジェット記録装置は、記録媒体に対向する記録ヘッドを有し、記録ヘッドに設けられた多数のノズルからインクを吐出し、記録媒体に着弾させて記録を行う。
インクジェット記録装置に採用される記録方式は、主に、記録媒体の搬送方向に直交する方向への記録ヘッドの走査と記録媒体の搬送とを交互に繰り返しながら記録を行うシリアル方式と、記録媒体上に位置固定された記録ヘッドから搬送される記録媒体に対して記録を行うライン方式とに大別される。
一般に、ライン方式のインクジェット記録装置においては、記録媒体の全幅に対向するように記録ヘッドのノズルを配設させるため、記録ヘッド自体を大型化させるか又は複数の記録ヘッドを記録媒体の幅方向に配置させる必要があるものの、記録ヘッドの往復移動を必要としないためシリアル方式のインクジェット記録装置に比べて高速の画像形成を行うことができるという利点がある。
そして、記録ヘッドのメンテナンスを行うライン方式のインクジェット記録装置としては、開口部が設けられたメンテナンスシートを記録ヘッドと記録媒体との間に搬送方向に移動可能に設けて、メンテナンスシートの開口部以外の領域に向けて空吐出を行うものがある(特許文献1参照)。このインクジェット記録装置によれば、画像記録の際には、記録ヘッドから吐出されたインクが前記開口部を通過して記録媒体に着弾して画像記録が行われ、メンテナンスの際には、記録ヘッドからメンテナンスシートの開口部以外の領域に向けて空吐出させてノズルの目詰まりを防止するようになっている。
特開2004−345174号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェット記録装置におけるメンテナンスとしては、メンテナンスシートに向けて記録ヘッドから空吐出を行うのみであり、粘度が高く濡れ性が悪いインクを用いた場合十分な効果を得ることが難しいという問題があった。また、記録ヘッドのノズル面に付着したインクまでを除去することができないという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、記録ヘッドのメンテナンスを有効に行うことのできるライン方式のインクジェット記録装置を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係るインクジェット記録装置は、
記録媒体の幅方向に沿って配設されたノズルから前記記録媒体に向けてインクを吐出させて画像記録を行う記録ヘッドと、
前記記録媒体を搬送方向に搬送させる媒体搬送手段と、
前記記録ヘッドと前記記録媒体との間に備えられ、前記記録ヘッドの配置に対応する位置に開口部が設けられたインク吸収部を有するメンテナンスシートと、
前記メンテナンスシートを搬送方向に搬送させるシート搬送手段と、
画像記録の際には前記開口部が前記記録ヘッドに対向し、かつメンテナンスの際には前記インク吸収部の前記開口部以外の領域が前記記録ヘッドに接触するように、前記メンテナンスシートを搬送させるように前記シート搬送手段を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする。
記録媒体の幅方向に沿って配設されたノズルから前記記録媒体に向けてインクを吐出させて画像記録を行う記録ヘッドと、
前記記録媒体を搬送方向に搬送させる媒体搬送手段と、
前記記録ヘッドと前記記録媒体との間に備えられ、前記記録ヘッドの配置に対応する位置に開口部が設けられたインク吸収部を有するメンテナンスシートと、
前記メンテナンスシートを搬送方向に搬送させるシート搬送手段と、
画像記録の際には前記開口部が前記記録ヘッドに対向し、かつメンテナンスの際には前記インク吸収部の前記開口部以外の領域が前記記録ヘッドに接触するように、前記メンテナンスシートを搬送させるように前記シート搬送手段を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ノズルから記録媒体に向けてインクを吐出させて画像記録を行う記録ヘッドと記録媒体を搬送させる媒体搬送手段とを備えるライン方式のインクジェット記録装置において、メンテナンスシートが記録ヘッドと記録媒体との間に搬送可能に備えられている。そして、前記メンテナンスシートには、記録ヘッドの配置に対応する開口部が設けられたインク吸収部が備えられている。また、前記メンテナンスシートはシート搬送手段によって搬送されるようになっており、画像記録の際には、開口部が記録ヘッドに対向する。同様に、メンテナンスの際には、インク吸収部の開口部以外の領域が記録ヘッドに接触して、記録ヘッドのノズル面やノズルに付着したインクを除去する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
画像記録の際には前記記録ヘッドに対向しない位置に退避しており、メンテナンス開始の際には前記記録ヘッドに対向する位置に移動し、メンテナンスの際には前記記録ヘッドに前記インク吸収部を押し付けながら往復移動する押し付け部材を備えることを特徴とする。
画像記録の際には前記記録ヘッドに対向しない位置に退避しており、メンテナンス開始の際には前記記録ヘッドに対向する位置に移動し、メンテナンスの際には前記記録ヘッドに前記インク吸収部を押し付けながら往復移動する押し付け部材を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、画像記録の際には、押し付け部材は記録ヘッドに対向しない位置に退避している。従って、記録ヘッドによる画像記録を妨害することはない。また、押し付け部材は記録ヘッドに対向する位置に移動してから、メンテナンスの際にはインク吸収部を記録ヘッドに押し付けながら往復移動する。従って、インク吸収部は記録ヘッドに押し付けられてそのノズル面やノズルに付着したインクを除去する。
ここで、押し付け部材の記録ヘッドに対する移動速度は、インクの付着量などに応じて制御することにより調整可能である。そのため、二回目(復路)以降の移動速度を一回目(往路)の移動速度より小さくなるように制御して、記録ヘッドのノズル面やノズルに付着したインクを確実に除去しかつノズル内のインクのメニスカス面を整えることができるようになっている。
ここで、押し付け部材の記録ヘッドに対する移動速度は、インクの付着量などに応じて制御することにより調整可能である。そのため、二回目(復路)以降の移動速度を一回目(往路)の移動速度より小さくなるように制御して、記録ヘッドのノズル面やノズルに付着したインクを確実に除去しかつノズル内のインクのメニスカス面を整えることができるようになっている。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、メンテナンスの際には、一つの前記記録ヘッドの下方を前記インク吸収部の前記開口部間の一領域が複数回に分けて搬送されるように前記シート搬送手段を制御するとともに、前記搬送毎に前記記録ヘッドによる空吐出動作又は前記押し付け部材による拭き取り動作を行わせることを特徴とする。
前記制御部は、メンテナンスの際には、一つの前記記録ヘッドの下方を前記インク吸収部の前記開口部間の一領域が複数回に分けて搬送されるように前記シート搬送手段を制御するとともに、前記搬送毎に前記記録ヘッドによる空吐出動作又は前記押し付け部材による拭き取り動作を行わせることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、メンテナンスの際には、シート搬送手段は一つの記録ヘッドの下方においてインク吸収部の開口部間の一領域を複数回に分けて搬送させる。また、前記搬送毎に記録ヘッドによる空吐出動作又は押し付け部材による拭き取り動作を行わせて、記録ヘッドのメンテナンスを行わせる。従って、インク吸収部の開口部間の一領域を用いて一つの記録ヘッドのメンテナンスを複数回行わせる。
ここで、押し付け部材による拭き取り動作とは、メンテナンスシートは停止した状態で、押し付け部材がインク吸収部の開口部以外の領域でかつ記録ヘッドに対向する領域を記録ヘッドのノズル面に押し付けながらノズル面の全幅に渡って移動して、インク吸収部によりノズル面やノズルに付着したインクを除去させる動作をいうものとする。
ここで、押し付け部材による拭き取り動作とは、メンテナンスシートは停止した状態で、押し付け部材がインク吸収部の開口部以外の領域でかつ記録ヘッドに対向する領域を記録ヘッドのノズル面に押し付けながらノズル面の全幅に渡って移動して、インク吸収部によりノズル面やノズルに付着したインクを除去させる動作をいうものとする。
請求項4に記載の発明に係るインクジェット記録装置は、
記録媒体の幅方向に沿って配設されたノズルから前記記録媒体に向けてインクを吐出させて画像記録を行う記録ヘッドと、
前記記録媒体を搬送方向に搬送させる媒体搬送手段と、
前記記録ヘッドと前記記録媒体との間に備えられ、前記記録ヘッドの配置に対応する位置に開口部が設けられたインク吸収部を有するメンテナンスシートと、
前記メンテナンスシートを搬送方向に搬送させるシート搬送手段と、
画像記録の際には前記開口部が前記記録ヘッドに対向し、かつメンテナンスの際には一つの前記記録ヘッドの下方において前記インク吸収部の前記開口部間の一領域を複数回に分けて搬送させるように前記シート搬送手段を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする。
記録媒体の幅方向に沿って配設されたノズルから前記記録媒体に向けてインクを吐出させて画像記録を行う記録ヘッドと、
前記記録媒体を搬送方向に搬送させる媒体搬送手段と、
前記記録ヘッドと前記記録媒体との間に備えられ、前記記録ヘッドの配置に対応する位置に開口部が設けられたインク吸収部を有するメンテナンスシートと、
前記メンテナンスシートを搬送方向に搬送させるシート搬送手段と、
画像記録の際には前記開口部が前記記録ヘッドに対向し、かつメンテナンスの際には一つの前記記録ヘッドの下方において前記インク吸収部の前記開口部間の一領域を複数回に分けて搬送させるように前記シート搬送手段を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、メンテナンスの際には一つの記録ヘッドの下方においてインク吸収部の開口部間の一領域を複数回に分けて搬送させるので、メンテナンス動作を複数回行うことが可能である。従って、記録ヘッドやノズルに付着したインクを確実に除去するようになっている。
この際行われるメンテナンス動作としては、記録ヘッドによる空吐出動作や、押し付け部材による拭き取り動作などが挙げられるほか、これらのメンテナンス動作を組み合わせて行うことも可能である。
この際行われるメンテナンス動作としては、記録ヘッドによる空吐出動作や、押し付け部材による拭き取り動作などが挙げられるほか、これらのメンテナンス動作を組み合わせて行うことも可能である。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、一つの前記記録ヘッドに対して前記インク吸収部の前記開口部間の一領域が複数回対向するように前記メンテナンスシートを往復搬送させるように前記シート搬送手段を制御することを特徴とする。
前記制御部は、一つの前記記録ヘッドに対して前記インク吸収部の前記開口部間の一領域が複数回対向するように前記メンテナンスシートを往復搬送させるように前記シート搬送手段を制御することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、一つの記録ヘッドに対してインク吸収部の開口部間の一領域を複数回対向させて、記録ヘッドのメンテナンスを複数回行わせることができる。ここで、メンテナンスシートの複数回の往復搬送においてその搬送量を毎回変化させることによって、記録ヘッドには毎回インク吸収部の未使用部分が対向する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、メンテナンスが終了した際には、前記記録ヘッドに対向した前記メンテナンスシートの領域を搬送させるように前記シート搬送手段を制御することを特徴とする。
前記制御部は、メンテナンスが終了した際には、前記記録ヘッドに対向した前記メンテナンスシートの領域を搬送させるように前記シート搬送手段を制御することを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、メンテナンスが終了すると、記録ヘッドに対向したメンテナンスシートの領域は搬送されて記録ヘッドに対向しない位置に移動される。同時に、メンテナンスシートの未使用部分が繰り出されて記録ヘッドの下方に移動される。従って、メンテナンスが終了する毎に、記録ヘッドにはメンテナンスシートの未使用部分が対向する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記インク吸収部は、0.5デニール以下の繊度で織られた高密度繊維であるとともに、前記高密度繊維は、ポリエステル、アクリル、ナイロンのうちいずれか一つあるいはこれらの組み合わせの材料から形成されていることを特徴とする。
前記インク吸収部は、0.5デニール以下の繊度で織られた高密度繊維であるとともに、前記高密度繊維は、ポリエステル、アクリル、ナイロンのうちいずれか一つあるいはこれらの組み合わせの材料から形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、インク吸収部は、0.5デニール以下の繊度で織られた高密度繊維であるとともに、当該高密度繊維は、ポリエステル、アクリル、ナイロンのうちいずれか一つあるいはこれらの組み合わせの材料から形成されているので、粘性が高く濡れ性が悪いインクでも効率良く確実に吸収する。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドからのインク不吐出を検知する検知手段を備えており、
前記制御部は、前記検知手段がインク不吐出を検知した際には前記記録ヘッドのメンテナンスを行わせることを特徴とする。
前記記録ヘッドからのインク不吐出を検知する検知手段を備えており、
前記制御部は、前記検知手段がインク不吐出を検知した際には前記記録ヘッドのメンテナンスを行わせることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、検知手段によってインク不吐出が検知された際には記録ヘッドのメンテナンスを開始させるので、記録ヘッドの状態に応じてメンテナンスを行うようになっている。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記インクは、25℃の温度条件下において、粘度が10〜50[mPa・s]、表面張力が20〜40[mN/m]であることを特徴とする。
前記インクは、25℃の温度条件下において、粘度が10〜50[mPa・s]、表面張力が20〜40[mN/m]であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、用いられるインクは、25℃の温度条件下において、粘度が10〜50[mPa・s]、表面張力が20〜40[mN/m]であり、粘性が高くかつ濡れ性が悪いインクであるといえるが、このようなインクを用いても、インク吸収部を記録ヘッドのノズル面やノズルに接触させることにより、確実に付着したインクを除去することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記インクは活性化エネルギー線硬化性化合物を含んでおり、当該活性化エネルギー線は紫外線であることを特徴とする。
前記インクは活性化エネルギー線硬化性化合物を含んでおり、当該活性化エネルギー線は紫外線であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、用いられるインクは活性化エネルギー線硬化性化合物を含んでおり、当該活性化エネルギー線は紫外線である。従って、紫外線を照射することで、インクを効率よく硬化させることができる。
請求項1に記載の発明によれば、画像記録の際には、記録ヘッドから吐出されたインクが開口部を通過して記録媒体に着弾するので容易に画像記録を行うことができる。また、メンテナンスの際には、インク吸収部が記録ヘッドに接触して記録ヘッドのノズル面やノズルに付着したインクを除去するのでノズルの目詰まりを有効に防止することができる。さらに、インク吸収部によってノズル先端部のインクが吸い取られ、ノズル内のインクのメニスカス面が整えられる。従って、メンテナンス後には吐出されるインク液滴の量が略均等になり、高精細な画像記録を行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、インク吸収部を記録ヘッドに押し付けて、記録ヘッドのノズル面やノズルに付着したインクを確実に除去することができるので、ノズルの目詰まりを有効に防止して高精細な画像記録を行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、インク吸収部の開口部間の一領域を用いて一つの記録ヘッドのメンテナンスを複数回行うことができるので、ノズルの目詰まりを有効に防止して高精細な画像記録を行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、メンテナンスシートに向けての空吐出やノズル面の拭き取りなどのメンテナンス動作を複数回行うことができるので、ノズルの目詰まりを確実に防止して高精細な画像を得ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、インク吸収部の開口部間の一領域を用いて複数回記録ヘッドのメンテナンスを行うことができるとともに、毎回インク吸収部の未使用部分を用いることができるので、付着したインクが確実に除去されて、ノズルの目詰まりを防止して高精細な画像を得ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、メンテナンスが終了する毎に記録ヘッドにはメンテナンスシートの未使用部分が対向するので、インク吸収部のインク吸収効率を下げることなくメンテナンスを行うことができる。従って、ノズルの目詰まりを有効に防止して高精細な画像を得ることができる。
請求項7に記載の発明によれば、粘性が高く濡れ性が悪いインクでも、インク吸収部を記録ヘッドのノズル面やノズルに接触させて付着したインクを確実に除去させることができるので、例えば、紫外線硬化型インクのような粘性が高く濡れ性が悪いインクを使用した場合においてもノズルの目詰まりを防止して高精細な画像を得ることができる。
請求項8に記載の発明によれば、インク不吐出など記録ヘッドにメンテナンスの必要性が発生した際に、適宜メンテナンスを行うことができる。従って、効率良くメンテナンスを行い、かつ高精細な画像記録を行うことができる。
請求項9に記載の発明によれば、粘性が高く、濡れ性が悪いインクにおいても、インク吸収部をノズル面やノズルに接触させて、付着したインクを確実に除去することができるので、例えば紫外線硬化性インクのような粘性が高く、濡れ性が悪いインクを使用した場合においても高精細な画像記録を行うことができる。
請求項10に記載の発明によれば、用いられるインクは紫外線を照射することで効率よく硬化させることができるので、記録媒体を問わず、樹脂フィルム等のインク吸収性の乏しい記録媒体においても高精細な画像記録を行うことができる。
以下に、本発明に係るインクジェット記録装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
[第一の実施形態]
[第一の実施形態]
図1及び図2は本実施形態におけるインクジェット記録装置1の縦断面図である。インクジェット記録装置1はライン方式のインクジェット記録装置であり、搬送方向に沿って長尺状の記録媒体が備えられている。搬送方向上流には、長尺状の記録媒体の後端を巻回している送り出し軸2が、記録媒体の幅方向に延在しかつ回転自在に備えられている。また、搬送方向下流には、記録媒体の前端を巻回している巻き取り軸3が、送り出し軸2と平行にかつ回転自在に備えられている。巻き取り軸3には回転駆動モータなどからなる図示しない搬送駆動部が接続されており、巻き取り軸3を所定の方向に回転させるようになっている。
送り出し軸2と巻き取り軸3との間には、記録媒体を搬送方向に搬送する媒体搬送手段4が備えられている。媒体搬送手段4には、記録媒体の下面に接触しながら搬送させる環状の搬送ベルト5が備えられている。搬送ベルト5の内周であって搬送方向の上流と下流には、記録媒体の幅方向に延在する一対の搬送ローラ6,6が回転自在に備えられている。搬送ローラ6の少なくとも一方には搬送ローラ6の回転を駆動する前記搬送駆動部が接続されており、搬送ローラ6を巻き取り軸3とともに回転させることで搬送ベルト5を搬送させるとともに記録媒体を搬送するようになっている。
搬送方向において上流側の搬送ローラ6の上方には、記録媒体を搬送ベルト5の上面に案内するガイドローラ7が回転自在に備えられている。ガイドローラ7はその自重により記録媒体の上面に当接し、かつ記録媒体の搬送に伴って回転するようになっている。また、巻き取り軸3の上方には、記録媒体を巻き取り軸3に案内するピンチローラ8が回転自在に備えられている。ピンチローラ8もガイドローラ7と同様に、その自重により記録媒体の上面に当接しかつ記録媒体の搬送に伴って回転するようになっている。
搬送ベルト5の上方には、所定の画像信号に基づいて記録媒体に向けて紫外線硬化型のインクを吐出させる複数の記録ヘッド10…が備えられている。図3には、記録ヘッド10の上方からの透視図を示す。図3に示すように、記録ヘッド10はそれぞれ記録媒体の全幅に渡って千鳥状に備えられている。また、各記録ヘッド10は図示しないインクタンクに連結されており、それぞれ所定の色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))のインクを内蔵している。記録ヘッド10の記録媒体に対向する面にはノズル面12が設けられており、ノズル面12には内蔵されたインクを吐出する複数のノズル13が記録媒体の幅方向に沿って配設されている。
各ノズル13には、例えば、アクチュエータとして電圧を印加することにより変形する圧電素子としてのピエゾ素子(図示せず)が付設されている。このピエゾ素子に駆動電圧を印加することによってピエゾ素子を変形させ、インク流路を圧縮してノズル13からインクを吐出させるようになっている(図4(d)参照)。なお、ノズル13ではインク先端面が内側に引き込まれて曲面形状(メニスカス)を形成するようになっており、このメニスカス面の形状が正常に整えられていると正常なインク吐出を行うことができるようになっている。
各記録ヘッド10には、インク不吐出を検知する検知手段14(図6参照)がそれぞれ設けられている。この検知手段14は、例えば、記録ヘッド10から吐出されたインク液滴にレーザを照射するレーザ照射部(図示省略)と、このレーザ照射部からのレーザがインク液滴により反射されるか否かによりインクの不吐出を検知するレーザ検知部(図示省略)と、を備えている。
記録ヘッド10と記録媒体との間には、ロール状のメンテナンスシート15が備えられている。また、記録ヘッド10の搬送方向上流と下流には、メンテナンスシート15を巻回する回転軸16,16が両方向に回転自在に備えられている。各回転軸16には図示しない回転駆動部を備えるシート搬送手段17(図6参照)が接続されており、いずれか一方の回転軸16を所定の方向に回転させるようになっている。
図3には、記録ヘッド10とともにメンテナンスシート15の平面図を示す。メンテナンスシート15の幅寸法は、千鳥状に備えられた記録ヘッド10の全てに対向するように形成されている。メンテナンスシート15には、ノズル面12に接触してノズル面12やノズル13に付着したインクを吸収するインク吸収部19が備えられている。インク吸収部19は、0.5デニール以下の繊度で織られた高密度繊維で構成されており、前記高密度繊維は、ポリエステル、アクリル、ナイロンのうちいずれか一つあるいはこれらの組み合わせの材料から形成されている。また、インク吸収部19には、ノズル面12と略同じ形状の開口部18…が、各記録ヘッド10の配置に対応する位置に形成されている。ここで、開口部18の形状は、ノズル13から吐出されたインクが通過できる形状であればよく、適宜変更可能である。
メンテナンスシート15と記録媒体との間には、インク吸収部19の開口部18以外の領域をノズル面12に押し付ける押し付け部材20…が移動自在に備えられている。図4には、押し付け部材20がインク吸収部19をノズル面12に押し付けてメンテナンス動作を行う様子を示す。押し付け部材20には、例えば、メンテナンス信号に基づいて搬送方向に沿って回転されるカム(図示省略)と、カムに接続されて押し付け部材20を押圧するバネ(図示省略)と、などが備えられている。従って、押し付け部材20は前記カムを回転させることでノズル面12に対して往復移動可能であるとともに、前記カムとともに移動させることでノズル面12との距離が調整可能である。ここで、押し付け部材20の移動速度としては、ノズル面12に対して10mm/s以下であることが好ましい。移動速度を10mm/s以下にすることにより、ノズル面12に付着したインクを確実にインク吸収部19に吸収させるとともに、ノズル13の先端のインクを吸収してメンテナンス面を整えるようになっている。
図5に示すように、押し付け部材20は薄板状部材を湾曲させることにより断面弧状に形成されており、押し付け部材20には複数のスリット22が幅方向に所定間隔をもって形成されている。また、押し付け部材20の幅寸法は、ノズル面12の側辺より長くなるように形成されている。従って、押し付け部材20が搬送方向に沿ってノズル面12の全域を移動すると、インク吸収部19はノズル面12の全域に押し付けられるようになっている。なお、押し付け部材20は適宜変更可能であり、メンテナンスの際にのみインク吸収部19をノズル面12の全域に押し付けることができるものであればよい。
また、押し付け部材20は、ポリプロピレン、ポリエチレン、4−フッ化エチレン、4,6−フッ化プロピレンのうち少なくとも一つの材料を用いて形成されている。このような材料を使用している押し付け部材20は、例えばカチオン系の紫外線硬化性インク等のような有機系溶剤を含むインクが付着しても膨潤・溶解することなく長期間使用することができるようになっている。なお、押し付け部材20の材料としては、パーフロやテフロン(登録商標)などの耐インク性を有するものを用いてもよい。
記録ヘッド10の下流には、記録ヘッド10により吐出されて記録媒体に着弾したインクに活性化エネルギー線としての紫外線を照射させる紫外線照射装置23が備えられている。紫外線照射装置23には、紫外線領域の波長の光を照射する光源24が備えられている。光源24の上方には、光源24からの紫外線を反射して記録媒体上に照射させる光源カバー25が備えられている。
ここで、本実施形態において用いられる「記録媒体」としては、通常のインクジェット記録装置に適用される普通紙,再生紙,合成紙,光沢紙などの各種紙,各種布地,各種不織布,樹脂,金属,ガラスなどの材質からなるものが適用可能である。また、本実施形態に用いられる記録媒体としては、樹脂により表面を被覆した各種紙,顔料を含むフィルム,発泡フィルム等の公知の記録媒体も適用可能である。さらに、記録媒体の形態としては、長尺状、カットシート状、板状などが適用可能である。ここで、記録媒体としてカットシート状など不連続形態の記録媒体を用いる場合には、送り出し軸2や巻き取り軸3のような記録媒体を搬送させる機構に代えて、搬送ベルト5の上面に該記録媒体を順次案内するとともに画像記録された記録媒体を回収する媒体搬送手段が備えられているものとする。
また、本実施形態に用いられる「インク」について説明する。インクを硬化させる際、インクに含まれる重合性化合物を重合反応させるが、本実施形態において画像記録に用いられるインクは、重合性化合物として活性化エネルギー線硬化性化合物を含んでおり、重合反応を開始させる活性化エネルギーとして紫外線を使用した紫外線硬化性インクである。
紫外線硬化性インクには、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル硬化性インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン硬化性インクとに大別されるが、どちらのインクも本実施の形態に用いられるインクとして適用可能であり、ラジカル硬化性インクとカチオン硬化性インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施の形態に用いられるインクとして適用してもよい。
しかしながら、酸素による重合反応の阻害が少ない又は無いカチオン硬化性インクのほうが機能性・汎用性に優れるため、本実施の形態ではカチオン硬化性インクを用いている。本実施の形態に用いられるカチオン硬化性インクは、具体的に、少なくともオキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物などのカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを含む混合物であり、前記紫外線の被照射により硬化する性質を具備するものである。
また、本実施形態におけるインクは、25℃の温度条件下において、粘度が10〜50[mPa・s]、表面張力が20〜40[mN/m]の液体であり、いわゆる粘性が高く、濡れ性が悪いインクとされている。しかしながら、インクの粘度が小さ過ぎて記録媒体上で滲んだり粘度が大き過ぎて画質の平滑性が失われたりするおそれがなく、また、前記の表面張力の範囲内であれば、着弾したインクが記録媒体上で適度に広がるため、高精細で鮮明な画像記録を行うことが可能となる。
次に、本実施形態の制御構成について、図6を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るインクジェット記録装置には、媒体搬送手段4、記録ヘッド10、紫外線照射装置23、シート搬送手段17、押し付け部材20及び検知手段14などに電気的に接続されるとともにこれらを制御する制御部26が設けられている。制御部26は、例えば、CPU、ROM、RAM(いずれも図示せず)からなり、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開してCPUによりこの処理プログラムを実行するものである。
本実施形態に係るインクジェット記録装置には、媒体搬送手段4、記録ヘッド10、紫外線照射装置23、シート搬送手段17、押し付け部材20及び検知手段14などに電気的に接続されるとともにこれらを制御する制御部26が設けられている。制御部26は、例えば、CPU、ROM、RAM(いずれも図示せず)からなり、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開してCPUによりこの処理プログラムを実行するものである。
制御部26は、搬送ベルト5上に記録媒体が案内されると、記録媒体を所定の速度で搬送させるように媒体搬送手段4を制御している。また、制御部26は、図1に示すように画像記録の際には、開口部18がノズル13に対向するようにシート搬送手段17を制御し、かつ画像信号に基づいてインクを吐出させるように記録ヘッド10を制御している。さらに、制御部26は、インクが着弾した記録媒体が搬送される際には、光源24を点灯させるように紫外線照射装置23を制御している。
制御部26は、検知手段14によってインク不吐出が検知されると、媒体搬送手段4により記録媒体の搬送を停止させてから、記録ヘッド10のメンテナンスを行わせるように制御している。図2に示すようにメンテナンスの際には、メンテナンスシート15を搬送させてインク吸収部19の開口部18以外の領域がノズル面12に対向するようにシート搬送手段17を制御している。また、押し付け部材20を記録ヘッド10の直下に移動させてから往復移動させて、インク吸収部19がノズル面12の全域に押し付けられるように制御している。
制御部26は、メンテナンスが終了すると、シート搬送手段17によってメンテナンスの際に記録ヘッド10に対向したメンテナンスシート15の領域を記録ヘッド10に対向しない位置に移動させるようになっている。つまり、メンテナンスの際に記録ヘッド10に対向したインク吸収部19を搬送させて搬送方向下流側の回転軸16に巻回させると同時に、未使用のインク吸収部19が繰り出されて記録ヘッド10の下方に搬送されるようになっている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
始めに、記録媒体がその前端からガイドローラ7により搬送ベルト5の上面に案内される。記録媒体の前端が巻き取り軸3に巻回されると、媒体搬送手段4は巻き取り軸3を所定の方向に回転させて記録媒体を巻回させつつ送り出し軸2から順次繰り出す。この際、媒体搬送手段4は搬送ローラ6を回転させて搬送ベルト5を搬送させるとともに記録媒体を搬送させる。同時に、シート搬送手段17はメンテナンスシート15を搬送させて、ノズル面12に開口部18を対向させる(図1参照)。
始めに、記録媒体がその前端からガイドローラ7により搬送ベルト5の上面に案内される。記録媒体の前端が巻き取り軸3に巻回されると、媒体搬送手段4は巻き取り軸3を所定の方向に回転させて記録媒体を巻回させつつ送り出し軸2から順次繰り出す。この際、媒体搬送手段4は搬送ローラ6を回転させて搬送ベルト5を搬送させるとともに記録媒体を搬送させる。同時に、シート搬送手段17はメンテナンスシート15を搬送させて、ノズル面12に開口部18を対向させる(図1参照)。
そして、画像記録を開始させる。記録ヘッド10は所定の画像信号に基づいてノズル13から各色のインクを吐出させ、吐出されたインクは開口部18を通過して記録媒体に着弾する。記録媒体のインク着弾領域が搬送されて紫外線照射装置23に対向する際には、紫外線照射装置23は光源24を点灯させており、着弾したインクに向けて紫外線が照射される。
紫外線照射されてインクが定着した記録媒体は、さらに搬送されてピンチローラ8に案内されて巻き取り軸3に巻回される。
ここで、画像記録の際には、検知手段14は各記録ヘッド10においてインク不吐出のノズルの有無を検知している。検知手段14がインク不吐出を検知すると、当該検知結果は制御部26に送られる。すると、制御部26は記録ヘッド10のメンテナンスを開始させる(図2参照)。
まず、シート搬送手段17によりメンテナンスシート15を搬送させて、インク吸収部19の開口部18以外の領域をノズル面12に接触させる。そして、制御部26は押し付け部材20をノズル面12の直下に移動させてから、ノズル面12の全域に渡って押し付け部材20を所定の回数往復移動させる(図4(b)参照)。すると、押し付け部材20はメンテナンスシート15をノズル面12に押し付けながら移動するので、ノズル面12の全域にインク吸収部19が密着されてノズル面12やノズル13に付着したインクが吸収される。
ここで、押し付け部材20の移動速度は調整可能であり、二回目(復路)以降の移動速度を10mm/s以下に調整する。押し付け部材20は所定回数の往復移動が終了すると、その位置を下方にずらしてメンテナンスシート15の押し付けを解除して、記録ヘッド10に対向しない位置に退避する(図4(c)参照)。
このようにしてメンテナンス動作が終了すると、制御部26はシート搬送手段17により、記録ヘッド10に対向したメンテナンスシート15の領域を搬送させる。すると、使用されたメンテナンスシート15の領域が搬送されて回転軸16に巻回されるとともに、メンテナンスシート15の未使用部分が繰り出される。従って、メンテナンスが終了する毎に、記録ヘッド10には未使用のメンテナンスシート15が対向する。
以上のように、本実施形態によれば、インク吸収部19を密着させてノズル面12の拭き取りを行うことによって、ノズル面12やノズル13に付着したインクを除去して、ノズル13の目詰まりを有効に防止することができる。また、押し付け部材20の二回目以降の拭き取り速度を10mm/s以下に調整することにより、付着したインクを確実に除去することができる。さらに、インク吸収部19によってノズル13の先端部のインクが吸い取られて、ノズル13内のインクのメニスカス面が整えられるので(図4(c)参照)、メンテナンス後に吐出されるインク液滴の量を略均等にすることができる(図4(d)参照)。従って、高精細な画像記録を行うことができる。
また、メンテナンスシート15を記録ヘッド10と記録媒体との間に備えても、吐出されたインクは開口部18を通過して記録媒体に着弾するので、通常の記録動作で容易に画像記録を行うことができる。
さらに、記録ヘッド10には常に未使用のメンテナンスシート15が対向するので、インク吸収部15のインク吸収効率を下げることなくメンテナンスを行うことが可能である。
なお、本実施形態においては、インク吸収部19の開口部18以外の領域がノズル面12に対向する位置に搬送されてから、押し付け部材20によりインク吸収部19がノズル面12に押し付けられるようになっているが、メンテナンスシート15の上下方向における位置を調整して、インク吸収部19をノズル面12に接触させることとしてもよい。その場合、例えば、回転軸16の両端を上下方向に移動自在に支持する位置調整手段などを備えることによって、回転軸16とともにメンテナンスシート15の上下方向における位置を調整する。そして、制御部26が回転軸16の位置を調整させることによって、記録ヘッド10にインク吸収部19を接触させることができる。
また、メンテナンスの際にインク吸収部19をノズル面12に接触させながら搬送させることとしてもよい。その場合、メンテナンスシート15を連続的に搬送させ、記録ヘッド10が開口部18に対向するタイミングでインクを吐出させて画像記録を行うことも可能である。
また、メンテナンスの際にインク吸収部19をノズル面12に接触させながら搬送させることとしてもよい。その場合、メンテナンスシート15を連続的に搬送させ、記録ヘッド10が開口部18に対向するタイミングでインクを吐出させて画像記録を行うことも可能である。
また、記録ヘッド10に検知手段14を備え、検知手段14による検知結果に基づいてメンテナンスを開始させることとしたが、検知結果によらず所定時間経過ごとにメンテナンスを行わせるものとしてもよい。
さらに、本実施形態においては一つのメンテナンスシート15を用いて全ての記録ヘッド10のメンテナンスを行うものとしたが、記録ヘッド10のそれぞれにメンテナンスシート15が一つずつ備えられるものとしてもよい。
[第二の実施形態]
さらに、本実施形態においては一つのメンテナンスシート15を用いて全ての記録ヘッド10のメンテナンスを行うものとしたが、記録ヘッド10のそれぞれにメンテナンスシート15が一つずつ備えられるものとしてもよい。
[第二の実施形態]
次に、本発明に係る第二の実施形態について説明する。
本実施形態においては、各構成については第一の実施形態と略同様であるが、一つの記録ヘッド10の下方をインク吸収部19の開口部18間の一領域が複数回に分けて搬送されるように、メンテナンスシート15を微小量ずつ複数回搬送させるようになっている。ここで、搬送の回数はインク吸収部19の開口部18間の搬送方向における長さ寸法やノズル面12のインク付着量に応じて適宜変更可能であるが、ここでは、一つのインク吸収部19を三回に分けて記録ヘッド10の下方において搬送させるものとして説明する。
本実施形態においては、各構成については第一の実施形態と略同様であるが、一つの記録ヘッド10の下方をインク吸収部19の開口部18間の一領域が複数回に分けて搬送されるように、メンテナンスシート15を微小量ずつ複数回搬送させるようになっている。ここで、搬送の回数はインク吸収部19の開口部18間の搬送方向における長さ寸法やノズル面12のインク付着量に応じて適宜変更可能であるが、ここでは、一つのインク吸収部19を三回に分けて記録ヘッド10の下方において搬送させるものとして説明する。
本実施形態における制御部27は、メンテナンスの際には一つの記録ヘッド10の下方においてインク吸収部19の開口部18間の一領域を三回に分けて搬送するようにシート搬送手段17を制御している。また、前記搬送毎に押し付け部材20による拭き取り動作を行わせるように制御している。従って、本実施形態においては、以下のようにして記録ヘッド10のメンテナンスを行うようになっている。
まず、シート搬送手段17によりメンテナンスシート15を搬送させて、インク吸収部19の開口部18間の一端部(図7における一回目拭き取り部分)をノズル面12に対向させる。そして、制御部27は押し付け部材20をノズル面12の直下に移動させてから、ノズル面12の全域に渡って押し付け部材20を一方向に移動させる。そして、ノズル面12の全域にインク吸収部19を密着させてノズル面12やノズル13に付着したインクを吸収させる。押し付け部材20は往路を移動すると、その位置を一端下方にずらしてメンテナンスシート15の押し付けを解除する。
その後、シート搬送手段17はメンテナンスシート15を微小量搬送させてインク吸収部19の開口部18間の中央部(図7における二回目拭き取り部分)をノズル面12に対向させる。そして、制御部27は、インク吸収部19をノズル面12に押し付けさせ、かつ押し付け部材20を速度10mm/s以下で逆方向に移動させてインクを吸収させる。以下、制御部27は一回目の拭き取り動作と同様に、押し付け部材20の位置を下方にずらしてからメンテナンスシート15を微小量搬送させて、三回目の拭き取り動作を開始させる。三回目の拭き取り動作においては、インク吸収部19の開口部18間の他端部(図7における三回目拭き取り部分)を用いてノズル面12の拭き取り動作を行わせる。そして、押し付け部材20を記録ヘッド10に対向しない位置に退避させるとともに使用したメンテナンスシート15を移動させて、メンテナンス動作を終了させる。
以上のように、本実施形態によれば、インク吸収部19の開口部18間の一領域を用いて一つの記録ヘッド10のメンテナンス動作を複数回行うことができるので、ノズルの目詰まりを確実に防止することができる。また、メンテナンスシート15は、メンテナンスの際には微小量ずつ搬送されかつメンテナンス終了後には記録ヘッド10に対向していた領域が移動されるので、記録ヘッド10には常に未使用のメンテナンスシートが接触する。従って、インク吸収部19のインク吸収効率を下げることなくメンテナンスを行うことが可能であり、ノズル13の目詰まりを有効に防止して高精細な画像を得ることができる。
なお、本実施形態においてはメンテナンスの際には、インク吸収部19の開口部18間の領域をノズル面12に複数回密着させて付着したインクを拭き取るものとしたが、インク吸収部19の開口部18間の領域が対向した際に、記録ヘッド10からインク吸収部19に向けて空吐出動作を行わせるものとしてもよい。つまり、インク吸収部19に向けて空吐出動作が行われてからシート搬送手段17はメンテナンスシート15を微小量搬送させて、インク吸収部19の未使用部分を用いてノズル面12の拭き取りを行い付着したインクを除去させる。このように、数種類のメンテナンス動作を組み合わせて行うことにより、ノズル13の目詰まりをより確実に防止することも可能である。
また、本実施形態においては一回のメンテナンス動作でインク吸収部19の開口部18間の一領域を使用することとしたが、ノズル面12に付着したインクが微量である際などには、メンテナンスシート15を往復搬送させて複数回のメンテナンス動作でインク吸収部19の開口部18間の一領域を使用することとしてもよい。
つまり、インク吸収部19の一回目拭き取り部分を用いて拭き取り動作又は空吐出動作を行わせてから、メンテナンスシート15を逆方向に搬送させて記録ヘッド10に開口部18を再び対向させて画像記録を行わせる。そして、次のメンテナンスの際にはインク吸収部19の二回目拭き取り部分を対向させて、拭き取り動作又は空吐出動作を行わせてから、再び記録ヘッド10に同じ開口部18を対向させて画像記録を行わせる。同様にして、インク吸収部19の三回目拭き取り部分を対向させて拭き取り動作又は空吐出動作を行わせてから、メンテナンスシート15を搬送させて下流側の次の開口部18を記録ヘッド10に対向させる。
このようにしてメンテナンスを行わせることにより、インク吸収部19の開口部18間の一領域でメンテナンス動作を複数回行うことができ、メンテナンスシート15を効率良く用いることができる。また、メンテナンスが終了すると、対向するインク吸収部19の最も近くの開口部18に記録ヘッド10が対向するようにメンテナンスシート15を搬送させるので、メンテナンスシート15の搬送にかかる時間の短縮が可能である。従って、効率良くメンテナンスを行いながら、第一の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明において、メンテナンスシート15の搬送については適宜変更可能であり、例えば、拭き取り動作に用いたインク吸収部19に向けて記録ヘッド10から空吐出動作させることとしてもよい。
1 インクジェット記録装置
4 媒体搬送手段
5 搬送ベルト
6 搬送ローラ
10 記録ヘッド
12 ノズル面
13 ノズル
14 検知手段
15 メンテナンスシート
17 シート搬送手段
18 開口部
19 インク吸収部
20 押し付け部材
23 紫外線照射装置
26,27 制御部
4 媒体搬送手段
5 搬送ベルト
6 搬送ローラ
10 記録ヘッド
12 ノズル面
13 ノズル
14 検知手段
15 メンテナンスシート
17 シート搬送手段
18 開口部
19 インク吸収部
20 押し付け部材
23 紫外線照射装置
26,27 制御部
Claims (10)
- 記録媒体の幅方向に沿って配設されたノズルから前記記録媒体に向けてインクを吐出させて画像記録を行う記録ヘッドと、
前記記録媒体を搬送方向に搬送させる媒体搬送手段と、
前記記録ヘッドと前記記録媒体との間に備えられ、前記記録ヘッドの配置に対応する位置に開口部が設けられたインク吸収部を有するメンテナンスシートと、
前記メンテナンスシートを搬送方向に搬送させるシート搬送手段と、
画像記録の際には前記開口部が前記記録ヘッドに対向し、かつメンテナンスの際には前記インク吸収部の前記開口部以外の領域が前記記録ヘッドに接触するように、前記メンテナンスシートを搬送させるように前記シート搬送手段を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
画像記録の際には前記記録ヘッドに対向しない位置に退避しており、メンテナンス開始の際には前記記録ヘッドに対向する位置に移動し、メンテナンスの際には前記記録ヘッドに前記インク吸収部を押し付けながら往復移動する押し付け部材を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、メンテナンスの際には、一つの前記記録ヘッドの下方を前記インク吸収部の前記開口部間の一領域が複数回に分けて搬送されるように前記シート搬送手段を制御するとともに、前記搬送毎に前記記録ヘッドによる空吐出動作又は前記押し付け部材による拭き取り動作を行わせることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 記録媒体の幅方向に沿って配設されたノズルから前記記録媒体に向けてインクを吐出させて画像記録を行う記録ヘッドと、
前記記録媒体を搬送方向に搬送させる媒体搬送手段と、
前記記録ヘッドと前記記録媒体との間に備えられ、前記記録ヘッドの配置に対応する位置に開口部が設けられたインク吸収部を有するメンテナンスシートと、
前記メンテナンスシートを搬送方向に搬送させるシート搬送手段と、
画像記録の際には前記開口部が前記記録ヘッドに対向し、かつメンテナンスの際には一つの前記記録ヘッドの下方において前記インク吸収部の前記開口部間の一領域を複数回に分けて搬送させるように前記シート搬送手段を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項3又は4に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、一つの前記記録ヘッドに対して前記インク吸収部の前記開口部間の一領域が複数回対向するように前記メンテナンスシートを往復搬送させるように前記シート搬送手段を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、メンテナンスが終了した際には、前記記録ヘッドに対向した前記メンテナンスシートの領域を搬送させるように前記シート搬送手段を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記インク吸収部は、0.5デニール以下の繊度で織られた高密度繊維であるとともに、前記高密度繊維は、ポリエステル、アクリル、ナイロンのうちいずれか一つあるいはこれらの組み合わせの材料から形成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドからのインク不吐出を検知する検知手段を備えており、
前記制御部は、前記検知手段がインク不吐出を検知した際には前記記録ヘッドのメンテナンスを行わせることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記インクは、25℃の温度条件下において、粘度が10〜50[mPa・s]、表面張力が20〜40[mN/m]であることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記インクは活性化エネルギー線硬化性化合物を含んでおり、当該活性化エネルギー線は紫外線であることを特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005077448A JP2006256135A (ja) | 2005-03-17 | 2005-03-17 | インクジェット記録装置 |
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Country | Link |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009061657A (ja) * | 2007-09-06 | 2009-03-26 | Konica Minolta Ij Technologies Inc | 記録装置 |
JP2009137210A (ja) * | 2007-12-07 | 2009-06-25 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | インクジェット記録装置 |
JP2012126090A (ja) * | 2010-12-17 | 2012-07-05 | Seiko Epson Corp | クリーニング装置、クリーニング方法及び液体噴射装置 |
JP2013075468A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-04-25 | Brother Industries Ltd | インクジェットプリンタ |
JP2014008763A (ja) * | 2012-07-03 | 2014-01-20 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP7540162B2 (ja) | 2020-02-10 | 2024-08-27 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射装置、液体噴射装置のメンテナンス方法 |
-
2005
- 2005-03-17 JP JP2005077448A patent/JP2006256135A/ja active Pending
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