JP2006199332A - 流動食用の注出口付きパウチ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 注出口付きパウチを、例えば、上部にガセット部3 を設けた形式で形成し、下部の端縁部に注出口50を取り付け、ガセット部3 の上部に拡大シール部4 を設けてそこに吊り下げ用の穴9 を設けると共に、該パウチの左右の側部シール部6a,6b の上部には、ガセット部からその下側の適宜の長さ迄に広幅シール部5a,5b を設け、ガセット部の前面側のひだ状部8aには、拡大シール部の下側に液体注入口を開封するための開封手段を横方向に設け、ガセット部の下端の位置に折り曲げ線15を設け、その上下の等しい距離の両側の広幅シール部内に外側から内側に向けて、切り目線11a 〜11d による鉤状の係止部10a 〜10d を設けて構成する。
【選択図】 図1
Description
また、最初に流動食の希釈など濃度調整が必要な場合、或いは、流動食の投与後、そのパウチを利用して飲料水などを患者等に投与する場合は、パウチ上部のコーナー部に設けられた開封手段により液体注入口を開封し、ガセット部の側面フィルムを外側に引き出すことにより、液体注入口が開口するので、この部分から希釈液や飲料水等を注入することができる。希釈液や飲料水等を注入した後は、パウチをスタンドのフックから取り外して前記外側に引き出した側面フィルムを内側に折り戻して、折り曲げ予定線でパウチ上部を一方に折り返すことにより、開封された液体注入口が閉鎖されると共に、上下の吊り下げ用と再封手段を兼ねた切り目線による穴が重なり合うので、再度、重なり合った穴をスタンドのフックに掛けてパウチを吊り下げる方法で、流動食または飲料水等を衛生的に患者等に投与することができる。
従って、この吊り下げ式パウチに流動食を密封包装し、その流動食を患者等に投与する際には、前記(1)に記載した流動食用の注出口付きパウチと同様に、注出口を開封してその口部に供給チューブを連結し、パウチ上部に設けられた吊り下げ手段(フック穴)を、例えばスタンドのフックに掛けてパウチを吊り下げることにより、スムーズに且つ衛生的に流動食を患者等に投与することができる。
また、最初に流動食の希釈など濃度調整が必要な場合、或いは、流動食の投与後、そのパウチを利用して飲料水などを患者等に投与する場合は、パウチ上部のガセット部の一方のひだ状部に設けられた液体注入口を、その上部シール部をその下に設けられた開封手段で切り取って開封した後、ジッパー形式のファスナーの嵌合を解離させることにより開口させることができるので、その開口部から比較的容易に希釈液や飲料水などを注入することができる。希釈液や飲料水などを注入した後は、ジッパー形式のファスナーを嵌合させることにより、開口させた液体注入口を再封することができる。この間の一連の操作は、パウチをスタンドのフックに吊り下げたままで行えるのでその操作性には優れている。
即ち、請求項1に記載した発明は、流動食等を患者等に投与するために用いられる積層フィルム製の注出口付きパウチであって、該パウチの上部が、前後の壁面フィルムの上部の間に上面フィルムを内側に折り返して挿入し、その外側の端縁部をヒートシールしてなるガセット部を有する形式で形成され、胴部が、前後の壁面フィルムの左右両側の端縁部を側部シール部でヒートシールして形成され、底部が、前後の壁面フィルムの下部の端縁部を底部シール部でヒートシールして形成されると共に、該パウチの下部の端縁部にはプラスチックの成形体よりなる注出口が取り付けられ、該パウチのガセット部の上部の端縁部は、その上端から下方に向けてシール面積を大きくした拡大シール部でヒートシールされ、また、該パウチの左右両側の側部シール部の上部には、該ガセット部からその下側の適宜の長さまでに、シール幅を広くした広幅シール部が設けられ、該拡大シール部にはパウチの吊り下げ用の穴が設けられ、該ガセット部の前後のひだ状部のうち、一方のひだ状部には、該拡大シール部の下側近傍に該拡大シール部を切り取って液体注入口を設けるための横方向の開封手段が設けられると共に、該ガセット部の下端の上面フィルム折り返し部の位置に横方向の折り曲げ線が設けられ、該開封手段の下側の領域で、該折り曲げ線の上下の等しい距離の両側の広幅シール部に、両方の外側から内側に向けて、切り目線による鉤状の係止部が設けられ、該液体注入口を該開封手段で開封した後、該ひだ状部を該折り曲げ線で外側下方に折り返した時、上下の係止部がそれぞれ前後に重なり合い、重なり合った係止部同士をそれぞれ係合させて、開封された液体注入口を再封できるようにしたことを特徴とする注出口付きパウチからなる。
このような穴は全周が打ち抜かれた打ち抜き穴でもよく、また、一部につなぎ部が設けられた切り目線による穴であってもよい。
また、上記ノッチは、通常、一字形やV字形のノッチが多用されているが、その形状に制限はなく、引き裂き方向に向かって尖った部分を有する形状であれば何でもよい。ハーフカット線についても連続する線状のハーフカット線に限らず、ミシン目状などの断続的なハーフカット線であってもよい。このようなハーフカット線は、1本でもよいが、引き裂き方向がずれた場合を想定して、中心のハーフカット線の両側に各1本、または各2本など複数のハーフカット線を平行、または中心のハーフカット線に収斂する形状などに設けることもできる。
(1)パウチ本体が積層フィルムをヒートシールして形成されているので、積層フィルムの構成の選定により、密封性のほか、ガスバリヤー性、遮光性、加圧加熱殺菌処理に耐える耐熱性などの性能を付与することができ、内容物の保存性を優れたものにすることができる。
(2)注出口付きパウチに充填された流動食を患者等に投与する際には、パウチの下部に取り付けられた注出口を開封して、その口部に供給チューブを連結し、パウチ上部の拡大シール部に設けられた吊り下げ用の穴をスタンドのフックなどに掛けてパウチを吊り下げることにより、自然に流動食が注出口から供給チューブに流出するので簡便且つ衛生的に流動食を患者等に投与することができる。
(3)また、最初に流動食の希釈などの調整が必要な場合、或いは、流動食の投与後、そのパウチを利用して飲料水などを患者等に投与する場合は、パウチ上部のガセット部の一方のひだ状部に設けられた開封手段でその上部の拡大シール部を切り取ることにより、広い幅の液体注入口を開口させることができるので、開口させた液体注入口から容易に希釈液や飲料水などを注入することができる。
上記液体注入口の開封、および希釈液や飲料水などの注入操作は、パウチを吊り下げた状態で行えるので、極めて容易に行うことができる。
(4)希釈液や飲料水などを注入した後は、開口させた液体注入口を閉じ、その下の上面フィルム折り返し部の位置に設けられた横方向の折り曲げ線でそのひだ状部を外側下方に折り返すことにより、左右両側の広幅シール部の上下に設けられた切り目線による鉤状の係止部同士が前後に重なり合うので、重なり合った前後の係止部同士をそれぞれ係合させる方法で、開封された液体注入口を容易に且つ確実に閉鎖することができる。
従って、流動食や飲料水などの投与中に落下菌や塵埃などが混入することを確実に防止でき、流動食や飲料水などを衛生的且つ容易に患者等に投与することができる。
(5)前記液体注入口の閉鎖手段は、切り目線による鉤状の係止部によるものであり、ジッパー形式のファスナーなどの別部材を用いていないので、コストアップも殆どなく、また、生産性にも優れている。
また、注出口は、通常、プラスチックの射出成形により作製されるが、パウチへの取り付けは、熱接着方式で行うことが安全性、生産性の点で好ましく、そのためには注出口の樹脂は、パウチの積層フィルムのシーラント層と熱接着可能な樹脂であることが必要であり、例えば、シーラント層にポリプロピレンを用いた場合は、注出口にもポリプロピレンを用い、シーラント層に高密度ポリエチレンを用いた場合は、注出口にも高密度ポリエチレンを用いるというようにシーラント層と注出口の樹脂には、同一または同系統の樹脂を組み合わせて用いることが好ましい。
図1は、本発明の流動食用の注出口付きパウチの第1の実施例の構成を示す模式正面図である。
図2は、本発明の流動食用の注出口付きパウチの第2の実施例の構成を示す模式正面図である。
図3は、図1に示した注出口付きパウチのガセット部の前面側のひだ状部の拡大シール部を、その下の切り取り線で切り取って液体注入口を開封した後、その液体注入口を再封した時の状態を説明する要部の斜視図である。
図4は、図2に示した注出口付きパウチのガセット部の前面側のひだ状部の拡大シール部を、その下の切り取り線で切り取って液体注入口を開封した後、その液体注入口を再封した時の状態を説明する要部の斜視図である。
図5〜図9は、それぞれ本発明の流動食用の注出口付きパウチの上部の左右両側の広幅シール部に設ける上下の係止部の図1とは異なる第2〜第6の係止部の形状を示す要部の正面図である。
図10は、本発明の流動食用の注出口付きパウチの下部の端縁部に取り付ける注出口の一例の説明図であり、(イ)は注出口の正面図、(ロ)は注出口に供給チューブを連結する方法を説明する断面図で、(a)は連結前、(b)は連結後の断面図である。
以上のように、図1、図2に示した注出口付きパウチ100、200は、開封した液体注入口を再封するための折り曲げ線および係止部の構成が異なるが、その他の構成は同じであるため、再封方法以外はまとめて説明する。
また、切り取り線13の両端に設けたノッチ14a 、14b 、および折り曲げ線15の上側の切り目線11a 、11c による係止部10a 、10c に関しても、前面側のひだ状部8a のみに設けられていればよいが、その打ち抜き加工が容易になる点から前後のひだ状部8a 、8b の両方に設けた構成としてもよい。
即ち、図10は、本発明の流動食用の注出口付きパウチの下部の端縁部に取り付ける注出口の一例の説明図であり、(イ)は注出口の正面図、(ロ)は注出口に供給チューブを連結する方法を説明する断面図で、(a)は連結前、(b)は連結後の断面図である。
図10の(イ)に示した注出口50は、上側の注出口本体51と下側のキャップ53のツーピースで構成され、注出口本体51は、中心の筒部21の上部にパウチに熱接着して取り付けるための接着基部23が設けられ、その下に主および副(搬送などに使用)のフランジ24が適宜の間隔をあけて3箇所に設けられ、下部にキャップ53を装着するためのネジ部25が設けられ、更に筒部21の下端の開口部には、注出口シール材52が熱接着され封止された構成である。
前記接着基部23の横断面は、図示していないが、外周を紡錘形に形成することにより、パウチへの熱接着を容易にすることができる。
上記注出口シール材52の注出口本体51の開口部への熱接着は、例えば内容物の充填口に注出口本体51を使用する場合は、内容物の充填後に熱接着することができる。
また、キャップ53は、断面図は示していないが、天板に連続する側壁内周面に、注出口本体51の先端側に設けられたネジ部25に対応する形状のネジ部が設けられ、ネジ締めにより装着可能なキャップであればいずれも使用することができる。
このような注出口50が取り付けられた注出口付きパウチに充填された流動食を患者等に投与する際には、注出口本体51に装着されたキャップ53を外し、図10の(ロ)の(a)、(b)に示すように、患者等の体内に一端が挿入された供給チューブTの他端に取り付けられた連結具Cを注出口本体51の先端部に差し込むことにより、その突き刺し突起26で注出口シール材52が突き破られ、リング状突起22で注出口本体51に固定されると共に、突き刺し突起26に設けられた切り欠き部27から流動食が供給チューブT内に流出し、患者等に投与できるようになる。
このように供給チューブTを連結した注出口付きパウチ100、200を、パウチ上部の拡大シール部4に設けられた吊り下げ用の穴9を利用して、患者等の傍らに設置されたスタンドのフックなどに掛けて吊り下げることにより、流動食が供給チューブT内に流出し、患者等に流動食の投与を開始することができる。この時、注出口50はパウチの最下部に位置するようになり、且つ、注出口50の両側の底部シール部7は、注出口50の両側からパウチの両側部に向かって傾斜をもって高くなるシールパターンでヒートシールされているので、確実に流動食が注出口50に誘導され、最後までスムーズに流動食を患者等に注出投与することができる。
従って、本発明の注出口付きパウチは、従来の注出口付きパウチと比較して、医療現場での使い勝手が一層よく、且つ、衛生面のほか経済性にも優れている。
只、各図において、折り曲げ線15の左右両側の上下に設ける係止部10a 〜10d は、上下の係止部が一対になって係合するものであり、上下の係止部が所定の向きに設けられていればよく、左右では図示したように上下の向きが逆であってもよい。
また、係止部の形状の説明は、左側の係止部と右側の係止部とでその向きが異なるが180°回転させると同一パターンであるため、折り曲げ線15の右上側の係止部10c を代表として説明する。
即ち、図1に示した係止部10c が、パウチの外側端部から内側に向かう横方向の切り目線とそれに続いてRをとって垂直上方に向かう切り目線とその上端で外側に曲がる戻り部が設けられた鉤状(L字状)の切り目線11c で設けられた構成であるのに対して、図5に示した係止部10c は、パウチの外側端部から内側に向かう横方向の短い切り目線とそれに続いて斜め内側上方に向かう切り目線とその上端で外側に曲がる戻り部が設けられた形状の切り目線11c を設けて、係止片12c が形成されるように構成したものである。
また、図5〜図9に示した形状の係止部10a 〜10d は、図2に示した注出口付きパウチ200のように、横方向の折り曲げ線を、折り曲げ線15a と折り曲げ線15のように、2本設けた構成に対しても、上下で一対となる係止部10a 、10b 、および係止部10c 、10d の上下の向きを適宜変更して設けることにより同様に適用できるものである。
本発明の流動食用の注出口付きパウチは、流動食の密封後、通常は加圧加熱殺菌処理が施されるため、注出口と共に、パウチの積層フィルムは、これに耐える耐熱性が必要である。また、流動食の患者等への投与中、流動食の残量などを表示する目盛りなどがパウチに設けられるため、パウチの積層フィルムは透明性を有することも必要である。更に、密封された流動食の保存性を高めるためには、パウチの積層フィルムはガスバリヤー性に優れることが好ましい。
(1) PETフィルム/接着剤/無機酸化物の蒸着層・ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(2) PETフィルム・無機酸化物の蒸着層/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(3) PETフィルム/接着剤/無機酸化物の蒸着層・ONフィルム/接着剤/一軸延伸又は二軸延伸フィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(4) PETフィルム・無機酸化物の蒸着層/接着剤/ONフィルム/接着剤/一軸延伸又は二軸延伸フィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(5) PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(6) PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/一軸延伸又は二軸延伸フィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(7) PETフィルム・有機ガスバリヤー性コート層/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(8) PETフィルム/接着剤/有機ガスバリヤー性コート層・ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。
また、無機酸化物の蒸着層は、具体的には、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの無機酸化物の蒸着層を、PETフィルムやONフィルムなどの耐熱性基材フィルムの上に200〜1000Åの厚みに蒸着して使用することができる。
有機ガスバリヤー性コート層は、具体的には、ポリ塩化ビニリデンのコート層(厚み2〜8μm程度)のほか、ポリアクリル酸架橋樹脂などのコート層(厚み1〜5μm程度)を好適に使用することができる。特にポリアクリル酸架橋樹脂のコート層は、ガスバリヤー性と共に耐熱性にも優れており、PETフィルムなどの耐熱性基材フィルムにコートして用いることにより、加圧加熱殺菌処理が施される本発明の注出口付きパウチには好適に使用できる。
中間層に一軸延伸フィルムを積層する場合は、一軸延伸ポリプロピレンフィルム、一軸延伸高密度ポリエチレンフィルム、一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを使用することができ、その延伸方向がパウチの液体注入口を開封するための切り取り線の方向と一致するように積層することにより、開封手段の一つとして、液体注入口を開封する際、切り取り線に沿って容易に引き裂いて開封できるようになる。
また、中間層に二軸延伸フィルムを積層する場合は、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどを使用することができ、それにより積層フィルムの厚みを増し、剛性、機械的強度を高めるほか、水蒸気バリヤー性も向上させることができる。
最内層のシーラント層には、CPPフィルムのみを例示したが、高密度ポリエチレンフィルム(HDPEフィルム)も同様に使用することができ、加圧加熱殺菌処理の条件によっては直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPEフィルム)なども使用することができる。
尚、前記各フィルムの間の接着剤は、通常、これらのフィルムの積層をドライラミネーション法で貼り合わせて行うため、二液硬化型ポリウレタン系接着剤などの公知のドライラミネート用接着剤を使用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
パウチの壁面フィルムには、(外側)PETフィルム(厚み16μm)・シリカ蒸着層(厚み400Å)・印刷層/接着剤/ONフィルム(厚み15μm)/接着剤/CPPフィルム(厚み90μm)の構成の積層フィルムを用いた。
パウチの上面フィルムには、(外側)PETフィルム(厚み12μm)・シリカ蒸着層(厚み400Å)/接着剤/ONフィルム(厚み15μm)/接着剤/CPPフィルム(厚み70μm)の構成の積層フィルムを用いた。
注出口50は、図10に示した構成のツーピースタイプでポリプロピレンを射出成形して作製したものを用いた。
注出口シール材52には、厚み35μmのアルミニウム箔に厚み30μmのCPPフィルムを貼り合わせた積層シートを用いた。
ガセット部3の上部の拡大シール部4の長さは、その上端から下方に向けて27mmの長さとし、パウチ上部の左右両側部の広幅シール部5a 、5b は、幅を各18mmとし、長さをパウチの上端から下方に107mmの長さに設けた。そして、吊り下げ用の穴9は、拡大シール部4の略中心部に直径12mmの円形の穴をガセット部3の前後のひだ状部8a 、8b を貫通するように打ち抜いて形成した。
また、ガセット部3の前面側のひだ状部8a の拡大シール部4の下の5mm離れた位置に、横方向に印刷による切り取り線13を設け、その両方の端部にノッチ14a 、14b を設け、更に、ガセット部3の下端の上面フィルム折り返し部2の位置に、印刷により横方向に折り曲げ線15を設けると共に、その両方の端部の広幅シール部5a 、5b の領域内に、折り曲げ線15から上下に各15mmの間隔を開けてそれぞれ外側から内側に向けて図示した形状(L字状)の切り目線11a 〜11d による係止部10a 〜10d を縦×横各10mmの大きさで設けて実施例1の注出口付きパウチを作製した。
尚、折り曲げ線15の上側の係止部10a 、10c は、いずれも前面側のひだ状部8a のみに設けたものである。
また、流動食の充填口には、注出口50を使用することとし、注出口シール材52は流動食の充填後に熱接着するようにした。
上記流動食を密封した注出口付きパウチを用いて、患者等に流動食を投与する模擬試験を以下のように行った。
次いで、開口させた液体注入口を閉じて、実施例1の注出口付きパウチの場合は、開封された前面側のひだ状部8a をその下の折り曲げ線15で前側下方に折り返して、図3に示したように、前後に重なり合った係止部の係止片12a 、12b 、および係止片12c 、12d を、それぞれ前後位置を入れ換えることにより、開封された前面側のひだ状部8a が閉じた状態に係止され、開封された液体注入口を確実に再封することができた。
また、実施例2の注出口付きパウチの場合は、開封された前面側のひだ状部8a を、上側の折り曲げ線15a で前側下方に折り返した後、更にその折り返し部を下側の折り曲げ線15で前側下方に折り返して、図4に示したように、前後に重なり合った係止部の係止片12a 、12b 、および係止片12c 、12d を、それぞれ前後位置を入れ換えることにより、開封された前面側のひだ状部8a が2段階に折り込まれて閉じた状態に係止され、開封された液体注入口を一層確実に再封することができた。
従って、開封した液体注入口から落下菌や塵埃などが混入するのを防止することができ、流動食と同様に、ぬるま湯を衛生的且つスムーズに患者等に注出投与することができるものである。
また、前記液体注入口の開封、および開口させた液体注入口からのぬるま湯の注入、そして、液体注入口の再封の操作は、最初に流動食の希釈などの調整が必要な場合でも、注入液を例えば希釈液に替えるだけで同様に行うことができる。
2 上面フィルム折り返し部
3 ガセット部
4 拡大シール部
5a 、5b 広幅シール部
6a 、6b 側部シール部
7 底部シール部
8a 前面側のひだ状部
8b 背面側のひだ状部
9 吊り下げ用の穴
10a 、10b 、10c 、10d 係止部
11a 、11b 、11c 、11d 切り目線
12a 、12b 、12c 、12d 係止片
13 切り取り線
14a 、14b ノッチ
15、15a 折り曲げ線
21 筒部
22 リング状突起
23 接着基部
24 フランジ
25 ネジ部
26 突き刺し突起
27 切り欠き部
50 注出口
51 注出口本体
52 注出口シール材
53 キャップ
100、200 注出口付きパウチ
Claims (4)
- 流動食等を患者等に投与するために用いられる積層フィルム製の注出口付きパウチであって、該パウチの上部が、前後の壁面フィルムの上部の間に上面フィルムを内側に折り返して挿入し、その外側の端縁部をヒートシールしてなるガセット部を有する形式で形成され、胴部が、前後の壁面フィルムの左右両側の端縁部を側部シール部でヒートシールして形成され、底部が、前後の壁面フィルムの下部の端縁部を底部シール部でヒートシールして形成されると共に、該パウチの下部の端縁部にはプラスチックの成形体よりなる注出口が取り付けられ、該パウチのガセット部の上部の端縁部は、その上端から下方に向けてシール面積を大きくした拡大シール部でヒートシールされ、また、該パウチの左右両側の側部シール部の上部には、該ガセット部からその下側の適宜の長さまでに、シール幅を広くした広幅シール部が設けられ、該拡大シール部にはパウチの吊り下げ用の穴が設けられ、該ガセット部の前後のひだ状部のうち、一方のひだ状部には、該拡大シール部の下側近傍に該拡大シール部を切り取って液体注入口を設けるための横方向の開封手段が設けられると共に、該ガセット部の下端の上面フィルム折り返し部の位置に横方向の折り曲げ線が設けられ、該開封手段の下側の領域で、該折り曲げ線の上下の等しい距離の両側の広幅シール部に、両方の外側から内側に向けて、切り目線による鉤状の係止部が設けられ、該液体注入口を該開封手段で開封した後、該ひだ状部を該折り曲げ線で外側下方に折り返した時、上下の係止部がそれぞれ前後に重なり合い、重なり合った係止部同士をそれぞれ係合させて、開封された液体注入口を再封できるようにしたことを特徴とする注出口付きパウチ。
- 流動食等を患者等に投与するために用いられる積層フィルム製の注出口付きパウチであって、該パウチの上部が、前後の壁面フィルムの上部の間に上面フィルムを内側に折り返して挿入し、その外側の端縁部をヒートシールしてなるガセット部を有する形式で形成され、胴部が、前後の壁面フィルムの左右両側の端縁部を側部シール部でヒートシールして形成され、底部が、前後の壁面フィルムの下部の端縁部を底部シール部でヒートシールして形成されると共に、該パウチの下部の端縁部にはプラスチックの成形体よりなる注出口が取り付けられ、該パウチのガセット部の上部の端縁部は、その上端から下方に向けてシール面積を大きくした拡大シール部でヒートシールされ、また、該パウチの左右両側の側部シール部の上部には、該ガセット部からその下側の適宜の長さまでに、シール幅を広くした広幅シール部が設けられ、該拡大シール部にはパウチの吊り下げ用の穴が設けられ、該ガセット部の前後のひだ状部のうち、一方のひだ状部には、該拡大シール部の下側近傍に該拡大シール部を切り取って液体注入口を形成するための横方向の開封手段が設けられると共に、該ガセット部の下端の上面フィルム折り返し部の位置に横方向の折り曲げ線が設けられ、該開封手段の下側の領域で、該折り曲げ線の上下の等しい距離の両側の広幅シール部に、両方の外側から内側に向けて、切り目線による鉤状の係止部が設けられ、更に、該折り曲げ線の上側左右の係止部の略中間部同士を結ぶように横方向の折り曲げ線が追加して設けられ、該液体注入口を該開封手段で開封した後、該ひだ状部を追加して設けられた上側の折り曲げ線で外側下方に折り返し、更に、折り返されたひだ状部を該ガセット部の下端の上面フィルム折り返し部の位置に設けられた下側の折り曲げ線で外側下方に再度折り返した時、その折り返し部の左右両側の下端で上下の係止部がそれぞれ前後に重なり合い、重なり合った係止部同士をそれぞれ係合させて、開封された液体注入口を再封できるようにしたことを特徴とする注出口付きパウチ。
- 前記吊り下げ用の穴が、一部につなぎ部が設けられた切り目線による穴であることを特徴とする請求項1または2に記載の注出口付きパウチ。
- 前記底部シール部が、注出口の取り付け部を最下部として、その両側がパウチの両側部に向かって傾斜をもって高くなるシールパターンでヒートシールされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の注出口付きパウチ。
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