JP2006015362A - 鋳型及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
する。
【解決手段】金属間化合物を基材とする表面層と金属材料を基材とする本体部とよりな
る鋳型を、鋳型の反転形状をもつマスタ型内に金属間化合物の原料元素の混合粉末を充填
する工程と、充填した混合粉末をマスタ型内で反応させ、金属間化合物表面層を製造する
工程とから製造するので、特には大規模な設備を必要とせず、秒単位、分単位で、簡単に
高融点の金属間化合物表層を製造して、さらに金属材料を基材とする本体部を肉盛溶接に
よって迅速に効率よく造型して極めて短時間に高機能の鋳型を製造することができる。
【選択図】 図4
Description
(1)高温まで降伏せず、高強度である。
(2)熱応力によるクリープ変形をし難い。
(3)加熱、冷却の繰返しに伴う熱サイクル疲労に強い。
(4)溶湯との接触、急激な温度変化による熱衝撃に強い。
(5)溶湯の衝突による機械的損傷に強い。
(6)溶湯との反応性が低く、侵食に強い。
(7)熱伝導率が良い。
(8)耐酸化性に優れる。
係る鋳型材料としては従来SKD61材等が用いられていた。
また、たとえばダイカスト鋳造に用いられるダイカスト金型の構造は金型形状の難易度
に依存して多様であるが、一般的には製品形状を転写する製品部分(一般的にキャビティ)及び製品部分に材料を注入するための部分や出来上がった製品を取り出す部分の機能部
とよりなる全体構造を有する。また係る金型は一般的にはキャビティが彫られる面(一般的にキャビティ面)とその反対の面の機能部(機能部品と連動するための部分)の切削加工を行った後にキャビティ面の切削加工を行い、さらにキャビティ面の研磨を行うという製造工程を経て製作されていた。
(1)鋳型の製作に長大な期間を必要とする。
(2)たとえばSKD61材については高温でのクリープや熱疲労の問題がある。
このような問題を解消し得る材料として、多孔質焼結体、特にはTiAl、Ni3Al、FeAl、
MgAlに代表される金属間化合物の適用を検討することができる。
これらの多孔質焼結体としての金属間化合物は、高温強度が室温と比べ、数倍に高まる
性質から、鋳型へ応用した場合では、鋳型の高温強度の向上が期待される。しかし、一般
に、金属間化合物は高融点であり、TiやAlのように活性金属を高温で溶解する場合には
極めて酸化し易く、また坩堝材との反応を防止する対策が必要となる。そのためそのよう
な溶解装置も超高温真空炉を準備する必要があり過大な設備投資が必要となる。さらに、
TiとAl、NiとAl、FeとAlでは、相互間に比重差もあり、重力偏析や、鋳造偏析も起こ
り、均質材が得にくいという問題がある。また、硬く、延性に乏しい性質から、鋳造後の
機械加工も困難であり、加工方法に相当の検討が必要となり実際的には、金型材料として
の適用は困難であった。
具体的にはたとえばFeAl金属間化合物の鋳造品を得ようとする場合には、FeとAlを主
材とするFeAl金属間化合物は延性に乏しく鋳造工法にて製造する際、溶湯が鋳型内で凝固
する過程において製品内部の粒界に亀甲状の割れが生じ健全な鋳造品を得ることは出来な
い。
このような金属間化合物の鋳造を試みた公知文献として特許文献1が存在する。
この特許文献1では原子濃度でAlを37から53%とし、残りをFeとするFeAl金属間化
合物の溶湯を鋳型に鋳込んで凝固冷却速度を1000℃/時間 に制御することにより製品の
粒界の亀甲状の割れが防止され、耐酸化、耐腐蝕、耐摩耗性部品として優れた鋳造品を得
ることができる旨開示された。
しかし係る鋳造方法を採用する場合であっても、金属間化合物の硬く、延性に乏しい性
質から、鋳造後の機械加工も困難であり、実際的には、金型材料としての適用は困難であ
るという問題は解消されない。
能とする鋳型の製造方法及び鋳型を提供することを目的とする。
成法を適用して高温強度が大きい金属間化合物からなる鋳型を極めて高効率に製作するこ
とができることを見いだし本発明に想到した。
材料を基材とする本体部とよりなることを特徴とし、金属材料を基材とする本体部が溶接
金属により形成される。
スタ型内に多孔質焼結体の原料元素の混合粉末、特には金属間化合物の原料元素の混合粉
末を充填する工程と、充填した混合粉末をマスタ型内で反応させ、多孔質焼結体表面層す
なわち金属間化合物表面層を製造する工程とを有してなることを特徴とする。
グラファイト製マスタ型内への混合粉末充填にあたっては単軸加圧あるいはCIP(静水
圧加圧)法を適用することが出来る。
比率は、目的とする多孔質焼結体、特には金属間化合物の化学量論組成に基づき調整する
ことができる。さらに多孔質焼結体の原料元素の混合粉末、特には金属間化合物の原料元
素の混合粉末の混合比率を化学量論組成に対し、所要の原料元素が過剰となるよう調整す
ることもできる。さらに目的とする多孔質焼結体の原料元素の混合粉末、特には金属間化
合物の原料元素の混合粉末に加え、助剤となる金属元素粉末を添加してもよい。その場合
に助剤となる金属元素粉末添加量は0.01%〜10%とするのが良く、さらには0.1〜8%とす
るのが望ましく、もっとも望ましくは0.3〜6%とするのがよい。
し、混合粉末の熱爆発反応によってマスタ型上に多孔質焼結体、特には金属間化合物の合
成を行うことができる。その際に加熱温度は、多孔質焼結体、特には金属間化合物原料元
素及び助剤金属元素の中でもっとも低い融点を示す材料の融点に対して、その融点以上で
融点よりも50℃高い温度以下とするのが良く、さらにはその融点よりも5℃〜40℃以上高
い温度とするのが望ましく、その融点よりも10℃〜30℃以上高い温度とするのがもっとも
望ましい。
以上において加熱温度は、ごくわずかに液相ができる状態に管理されることが望ましく、液相が過剰である場合には混合粉末相互の連結が失われてメルトダウンによって形状保持が困難になって、メルトダウンした場合にはグラファイトマスタとの濡れ性の問題から液滴状となり粉末成形性が消失する。
したがって、粉末間に微量な液相を生成させて粉末を焼結させる加熱温度に制御して、
混合粉末がいわゆる半溶融状態とされるのが望ましい。
ス印加通電などの補助熱源を用いることもできる。さらには混合粉末を充填したマスタ型
の加熱を加圧下で行うことも可能である。この加圧下での加熱を行う方法としてはよく知
られたHIP法などを適用することができる。なお、マスタ型裏面側の気孔を封し、かつ冷
却することによって安定した反応を進めることができる。
なおその他にHP(ホットプレス)法、通電焼結法を適用することもできる。
化合物層上に肉盛溶接層を形成する。かかる肉盛溶接層が鋳型の本体部を構成し、この鋳
型本体部によって多孔質焼結体、特には金属間化合物表面層が支持される。
属間化合物層の理論真密度に対する相対密度は50〜97%程度とされ、好ましくは75%以上
で、もっとも好ましくは85%以上とされる。
多孔質焼結体、特には金属間化合物層表面に形成した酸化皮膜若しくは多孔質焼結体、
特には金属間化合物層表面に溶射によって形成された耐食層及び/又は離型層と
することができる。
有し、現在広く用いられている。多孔質材の製造法としては、ガス注入法やガス封入法な
どあるが、気泡の大きさのバラつきにより材料特性のバラつきになったり、相対密度に限
度があり超軽量の素材製造が困難であったりなどという問題もある。
熱爆発反応を利用する迅速製造法が知られている。係る迅速製造法は燃焼合成法、自己伝
播反応焼結法、SHS法とも称されている。この迅速製造法すなわち燃焼合成法は高融点
無機化合物を瞬時に合成する方法である。係る燃焼合成法によれば秒単位、分単位で、簡
単に高融点化合物が製造でき、超高温炉などの大規模な設備を必要とすることもない。さ
らに簡単に多孔質材を作製でき、粉末冶金的手法の一種であるので、金型表面層としての
多孔質材の組織制御も可能となる。
そのような粉末の熱爆発反応の迅速性を生かす燃焼合成法の利点と多孔質焼結体、特には
金属間化合物の高温強度特性を組み合わせることによって、本発明の鋳型及びその製造方
法が成立した。
つき説明する。
燃焼合成では、粉末の反応を断熱的に生じさせ、その反応を加速度的、爆発的に生じさ
せることで化合物を合成しつつ、粉末を焼結する。
これをNi3Alを例にとり説明すると3/4molのNi粉末と1/4molのAl粉末を反応させ、
合計1molのNi3Alを生じさせた場合(Ni3Alは、化学式の中にNiが3mol、Alが1mol含
まれるため、1/4Ni3Alが化合物1molとなる。)には、42.9kJの熱が発生する。
3/4Ni+1/4Al = 1/4Ni3Al+42.9kJ/mol
この場合に、単にNi粉末とAl粉末を反応させただけでは、反応熱は、系外に放散され
るため、燃焼合成は起こらない。しかし、粉末を密に充填し、かつ断熱容器内で反応させ
た場合では、反応熱が系内にとどまり、反応熱による温度上昇が生じ、温度上昇の結果、
あたかも燃焼するようにして、化合物の合成と粉末の焼結が短時間に生じる。この現象が
燃焼合成と称されている。
そのときの理論燃焼温度は、温度エンタルピー線図により計算される。この場合の温度
エンタルピー線図を図1に示す。
図中、上部の実線がNi+Al粉末の内部エネルギー(エンタルピー)であり、下部の実線
及び破線がNi3Alの内部エネルギーである。
固体状態の金属相互間では金属元素の拡散が遅いことから一般に反応が生じにくい。こ
のため室温で単に粉末を混合しても燃焼や反応は生じない。しかし、Ni+Al粉末を炉で加
熱し、Alを融解させるなどのきっかけを与えると、金属元素の活発な拡散が生じて反応を
開始する。
Ni+Al混合粉末を933K(Alの融点)に加熱し、断熱反応を生させた場合では、反応熱
は全て温度上昇に費やされ、粉末は、エネルギー不滅の法則から、1668K(Ni3Alの融点)
まで加熱される。この高温を利用し、化合物合成と粉末の焼結を行うことが可能となる。
係る原理はTiAl、FeAlでも同様であり、反応熱はそれぞれ
1/2Ti + 1/2Al = 1/2TiAl +41.8kJ
1/2Fe + 1/2Al = 1/2FeAl +31.0kJ
で与えられ、また、断熱燃焼温度は図2、図3に示す温度エンタルピー線図から、
TiAlの断熱燃焼温度: 1733K(TiAlの融点)、
FeAlの断熱燃焼温度は1538K(FeAlの融点)、
となる。
金属材料を基材とする本体部とよりなり、多孔質焼結体、特には金属間化合物の、高温強
度が高く、高硬度、化学的に安定という性質から、(1)高温まで降伏せず、高強度である。
(2)熱応力によるクリープ変形をし難い。(3)溶湯の衝突による機械的損傷に強い。(4)耐酸化性に優れる。という利点を備える。
またかかる鋳型を製造する本発明の鋳型製造方法は目的とする鋳型の反転形状をもつマスタ型内に多孔質焼結体の原料元素の混合粉末、特には金属間化合物の原料元素の混合粉末を充填する工程と、充填した混合粉末をマスタ型内で反応させ、多孔質焼結体、特には金属間化合物表面層を製造する工程とを有してなるので、
特には大規模な設備を必要とせず、秒単位、分単位で、簡単に高融点の多孔質焼結体、特には金属間化合物表層を製造して、さらに金属材料を基材とする本体部を肉盛溶接によって迅速に効率よく造型して極めて短時間に高機能の鋳型を製造することができる。
また一般に線膨張係数の異なる複数の材料を加熱する場合、隣接し密着する材料間にお
いては膨張量の違いから、応力による割れ、歪みを発生する。本発明の鋳型製造方法によ
れば、マスタ型と本体部に介在する多孔質焼結体、特には金属間化合物が多孔質組織であ
ることから、マスタ型の線膨張と本体部である金属材料の線膨張の違いを、その多孔質組
織が吸収する。その結果、鋳型製造過程における加熱による膨張後、徐冷を経て、マスタ
型の形状が正確に金属間化合物に転写され、その過程で応力による割れが生じることが防
止されるだけではなく、歪みによる形状転写機能の低下も生じない。すなわち本発明の鋳
型製造方法によれば、金型造型に当たっての重要な技術的課題である正確な形状転写機能
が有効に実現される。
として表1に示すものが挙げられる。
を行う。
(2)出発原料、粉末の混合
目的とする鋳型の反転形状をもつグラファイト製マスタ型内に、金属間化合物を構成す
る元素の混合粉末を充填する。例えば、TiAl金属間化合物鋳型を製造する場合では、Ti
とAlの混合粉末を充填する。またNi3Alでは、NiとAlの粉末を、FeAlでは、FeとAlの
混合粉末を充填する。元素粉末の混合比率は、目的とする金属間化合物の化学量論組成と
なるよう配合する。例えばTiAlでは原子比でTi:Al=1:1、Ni3Alでは原子比でNi:Al=3:1、
FeAlでは原子比で、Fe:Al=1:1とする。
混合比率を、Ti:Al=1:1からTiリッチ(Ti過剰)もしくはAlリッチ(Al過剰)としても
良い。こうすることで、TiAl相の他、 Ti3Al相、TiAl3相も合成され、これら化合物の複
合材が得られる。
合成される金属間化合物粒子の結合度を調整する場合は、原料となるTiとAlの混合粉
末に加え、CoとAlの混合粉末、NiとAlの混合粉末などを助剤として微量に添加する。
添加量は 微量で良く、0.5%〜10%程度である。助剤は、金属間化合物生成の反応熱を補うとともに、反応時に微量な融液を生成し、粒子同士の接合を促進する働きをする。上記のようにして調合した、混合粉末をグラファイト製マスタ型内で反応させ、金属間化合物鋳型を製造する。
この工程においてHIP,HP(ホットプレス)を用いる場合では,温度,圧力を制御するこ
とでも粒子の結合度を制御,調節できる。
(a)粉末の熱爆発反応の原理
Ti粉末+Al粉末=TiAl+反応熱 (1)
3Ni粉末+Al粉末=Ni3Al+反応熱 (2)
Fe粉末+Al粉末=FeAl+反応熱 (3)
(b)上記のような金属間化合物の生成熱爆発反応を用いて、鋳型の迅速製造が可能となる。
混合粉末を詰めたグラファイト製のマスタ型を電気炉で加熱し、上記(1)〜(3)の反
応を生じさせる。加熱温度は、上記金属間化合物の場合では、Alの融点660℃以上が必要
である。炉内温度の不均一も見込み、余裕を考え700℃以上とするのが望ましい。加熱雰
囲気は、粉末の酸化を防ぐため、Ar、He、Neなど不活性ガス雰囲気、もしくは真空
雰囲気とする。粉末の熱爆発反応は、加熱により、まず混合粉末のAl粉末が融解し、Ti、
Ni、Fe粒子の周囲へと浸透する。この溶融浸透したAlが、Ti粒子や、Ni粒子、Fe粒子に
吸収され、(1)〜(3)の反応を開始する。その反応熱により、粉末の温度が上昇し、温
度が上昇したことで反応がさらに促進される。これが連鎖的に繰り返され、反応が加速度
的、爆発的に進み、最終的には金属間化合物が得られる。合成される金属間化合物の相対
密度は、条件にもよるが50〜97%程度ものが得られる。この相対密度は、粉末の混合比率、
粒径、加熱条件、助剤の有無、添加量に依存する。鋳型としては金属間化合物の相対密度
は、高い方が好ましいが、密度を高めると、反応による粉末の膨張よりも、粉末の焼結収
縮の方が勝り、グラファイト製マスタ型を満たすのに不十分となる。従って、マスタ型内
部が充填されるよう、金属間化合物内の相対密度を調節する。鋳型の形状、粉末量によっ
ては、グラファイトに熱を奪われ、熱量不足となったり、反応不良、角隅での充填不足も
考え得る。こうした場合は、誘導加熱、パルス印加通電など補助熱源を用い、ホットプレ
スなど加圧も併用し、反応不良やグラファイトマスタ型内での充填不良を防ぐ。
(4)耐食性の向上、鋳型ボディーの構築
多孔質焼結体、特には金属間化合物がAl溶湯と直接接触した場合、反応や欠損を起こ
す恐れも考えられる。対策として、
(1)湯との接触面を空気中で加熱し、酸化させ、酸化皮膜を形成させる。例えばTiAlの
高温酸化によって生じるAl2O3やTiO2を、耐食バリアとする。
(2)耐食性の高いAl2O3などを、耐食層、離型層として表面に溶射する。
裏面側には、ロウ材等で気孔を封し、水路を設け、冷却する。もしくは、水冷パイプ
を接合する。あるいは水冷構造を有する部材を溶接もしくはロウ付で接合する。あるいは
水冷部材そのものを溶接肉盛で直に構築することも可能である.
図に示されるように鋳型1表面部の反転形状を有するマスタ2上に多孔質焼結体、特に
は金属間化合物からなる形状オフセット部3を介して多孔質焼結体、特には金属間化合物
からなり本体部5と楔機能を有する表層部4が造型される。形状オフセット部3はマスタ
2からの離型時に消失し、表層部4が鋳型1の表層部として露出され、多孔質焼結体、特
には金属間化合物を基材とすることから耐熱性、通気性が良好である。さらに金属間化合
物からなる表層部4の強度を補充するという機能を有し本体部6と楔機能を有する第一の
本体部5が金属材料によって造型される。さらに第一の本体部5に対し熱変形を吸収する
ための型温度バランスの均一化層6を介して第2の本体部7が金属材料によって造型され
る。均一化層6は第2の本体部7と楔機能を有する。この第2の本体部7は冷却用の水冷
ジャケットを内蔵すると共にたとえばダイカストマシン等の鋳造機械との取り付け機能部
を構成する。
以上のように、表層部4の裏面側には、溶接肉盛によって造型した本体部分を配置し、
その本体部分の作成時に温度バランスの均一化機能としての良熱伝達材の選定や熱量の外
部放出のための水路を与えて、金型の本来の目的の熱交換機能を与える。
タ2上に造型された金属間化合物からなる表層部4に対し肉盛溶接を行うことによって高
効率で造型することができる。その際、第一の本体部5及び型温度バランスの均一化層6、
第2の本体部7それぞれは異なる溶接材料、溶接方法によってそれぞれその機能に応じた
造型を行うことが可能である。
例えば第一の本体部5は金属間化合物からなる表層部4との間での拡散の進行による材
質的な連続性が確保され、かつ熱膨張・収縮の不均一によって反り、ひずみ等が発生する
程度が抑制されるようにその溶接材料・方法が決定される。
を構成することが可能であり、例えば比較的に単純形状の中子等はその全体を金属間化合
物を基材として造型することが可能である。
ビティ面の研磨が行われ、その反対の面の機能部(機能部品と連動するための部分)が第
2の本体部7によって形成される。
実施例1
Ni3Al、TiAl、FeAl各化合物の化学両論組成となるよう原料粉末を混合し、燃焼合成時の
粉末の温度変化を混合粉末圧粉体に熱電対を挿入し計測した。
測定例である。Ti粉末とAl粉末との混合比率は原子比でTi:Al=1:1とした。図に示され
るようにTi粉末の各粒径において温度はほぼ断熱燃焼温度まで上昇する。なおその際、一
部は伝熱が生じて断熱温度よりはやや低くなる。また、Ti粉末の粒径が15μm、45μm、150μmと大きくなるに従い粒子表面積の減少に伴う単位時間あたりの反応エネルギーの低下に応じて温度上昇時間は長くなっている。
度測定例である。Ni粉末とAl粉末との混合比率は原子比でNi:Al=3:1とした。図に示さ
れるようにNi粉末の各粒径において温度はほぼ断熱燃焼温度まで上昇する。なおその際、一部は伝熱が生じて断熱温度よりはやや低くなる。また、Ni粉末の粒径が42μm、56μm、72μmと多少変化しても温度上昇時間に大きな変化はない。なお、着火温度は910Kであった。
測定例である。Fe粉末とAl粉末との混合比率は原子比でTi:Al=1:1とした。図に示され
るようにFe粉末の各粒径において温度はほぼ断熱燃焼温度まで上昇する。なおその際、一
部は伝熱が生じて断熱温度よりはやや低くなる。また、Fe粉末の粒径が30μm、70μm、110μmと多少変化しても温度上昇時間に大きな変化はない。なお、着火温度は926Kであった。
以上の各場合に完全な断熱状態を作り出すことは不可能なため、実施データ自体はやや
低い値を示すが、いずれも理論断熱燃焼温度付近まで加熱されることがわかる。
また、その温度上昇も、10数秒ときわめて短時間であることがわかる。この高温状態と
高速の温度上昇を用いて多孔質焼結体鋳型、金属間化合物鋳型を迅速に製造することがで
きる。
図8は、Ni3Al燃焼合成の粉末混合試料を急冷し、その組織を調べた組織写真である。
(a)は反応開始前、(b)は、燃焼合成初期に急冷した試料、(c)燃焼合成中期に合成した試料、(d)は燃焼合成体である。図8(a)に示される白い粒子がNi粒子、灰色の粒子がAl
粒子、黒い部分は粒子間の空孔である。この図から反応開始前ではNiとAlの粒子が混合
された状態であることが確認できる。図8(b)に示されるように炉で粉末混合試料が加熱さ
れると、933K付近(Alの融点)でまずAl粒子が融解し、Ni粒子の周囲へと浸透する。次
に図8(c)に示されるように燃焼合成がさらに進行すると、溶けたAlとNi粒子の間で化合
物の生成反応がが生じ、Ni粒子の周囲には金属間化合物相が形成され燃焼合成が進行す
る。すなわち、溶融AlがあたかもNi粒子に吸収されるようにして化合物層が形成されて
ゆく。さらに図8(d)に示されるように最終的には、AlとNi全てが反応し、全体が金属間
化合物相となる。
図9は、この様子を模式的に示したものである。
図9(a)に示されるように反応開始前ではNiとAl粒子が混合された状態にあるが、反
応を開始すると、図9(b)に示されるようにAl粒子が融解し、Ni粒子の周囲へと浸透する。
その後、図9(c)に示されるように溶融Alは、あたかもNi粒子に吸収されるようにして、
Ni粒子の間(Niの周囲)に金属間化合物層が生成し始める。そして図9(d)に示されるよ
うに最終的には、溶融AlとNi粒子、全てが反応して金属間化合物相が合成される。
以上がNi3Alの燃焼合成を微視的に見たときの組織的変化である。この例以外のTiAlの
燃焼合成、FeAlの燃焼合成でも類似の反応で化合物が合成される。
このようにして合成された、合成体についてX線回折分析を行った結果を図10 に示す。
図10(a)はNi+Al混合粉末試料の分析結果、図10(b)は合成体のX線回折分析結果である。
図10(b)に示される合成体では、図10(a)で見られるNiとAlのピークは消え、代わ
ってNi3Alのピークが現れている。すなわち、燃焼合成により、NiとAlの原料粉末から
化合物が合成されたことがわかる。
Ti+Al混合粉末についても、燃焼合成体のX線解析を行うと、TiAl、 Ti3Al相が検出さ
れる。すなわち燃焼合成により、金属間化合物相が合成されたことがわかる。なお、Fe+Al混合粉末についても、燃焼合成体のX線解析を行うと、FeAl相が同様に検出される。
図11、図12は、合成体の組織写真である。図11は、Ni3Alの燃焼合成体の組織であり、
図12はTiAl燃焼合成体の組織写真である。
図の白い部分が金属間化合物であり、黒い部分は、空孔である。燃焼合成体の組織は、
いずれも多孔質体となっている。
金属間化合物を構造材料として利用するうえでは、強度の面から合成体は緻密である必
要がある。しかし、鋳造鋳型として金属間化合物を用いる場合は、鋳造時のガスを速やか
に鋳物から放出させるため、鋳型材料としては多孔質材料の方が望ましい場合がある。鋳
物製造の金属溶解時には、溶融金属には多量のガスが溶け込み、凝固時に金属から放出さ
れる。また、注湯時には、鋳型内部にガスが巻き込まれ、これらは湯とともに鋳型内部へ
と持ち込まれる。こうしたガスは、鋳型の内部に閉じ込められ、製品の仕上がりを劣化さ
せるばかりでなく、鋳造欠陥の原因ともなる。こうしたことから,鋳造では鋳型に通気性
のあるものが用いられる場合があり,代表例としては砂型なども用いられている。
本燃焼合成により製造する金属間化合物金型も、通気性を有する多孔質構造であり、鋳
造欠陥を防止する上で効果がある。また、また焼結体,特には金属間化合物を多孔質(例
えば相対密度50〜97%程度)とすることで、注湯時の熱衝撃も緩和し、鋳型の長寿命化を
図る上でも効果がある。工業用レンガなどの耐熱衝撃性は、多孔質によることろが大きい。さらに鋳物では、凝固金属が熱収縮のため、離型がしばしば問題となるが、金属間化合物を多孔質(例えば相対密度50〜97%程度)とすることで、鋳型のヤング率を下げ、熱収縮による食い込み防止、離型性の向上も期待される。
以上のように、金属間化合物金型を製造するうえでは、材料を多孔質とし、通気性を確
保することが重要であるが、これらは、原料粉末の粒径、焼結助剤量、あるいは型へ粉末
を充填する際のプレス圧、CIP圧により制御する。さらにHIP、ホットプレスを併用する
場合では、HIP圧、ホットプレス圧、温度なども制御する。
図13は、Ni3Al燃焼合成の際の原料粉末の粒径を変え、合成される金属間化合物の密度
を調べた図である。
Ni粉末粒径、Al粉末粒径を変えることにより、金属間化合物の合成体密度が制御出来る
ことがわかる。鋳型の強度を考えれば、密度は高い方が好ましいが、通気性、耐熱衝撃性
を考慮し、合成体密度は、50%から97%程度となる条件を選ぶのが望ましい。
図14には、Ti粒径、Al粒径を変えた場合の、TiAl燃焼合成体密度を示す。しかし、TiAl
のように原料粉末の粒径を制御しただけでは、合成体の密度がいずれも40%付近となり、
適切な密度50%から97%とならない場合もある。こうした場合には、Ti+Al粉末に加え、
Ni+Al粉末(Ni:Al=1:1)あるいはCo+Al粉末(Co:Al=1:1)の助剤(助燃剤を添加する。) 図15に、Ti+Al原料粉末にNi+Al助剤を加え、合成体密度を計測した結果を示す。また、図16には、Ti+Al原料粉末に、Co+Al助剤を加えた合成体密度を示す。
図15、図16から明らかなように、Ti+Al原料粉末にNi+Al助剤、Co+Al助剤を添加することで、合成体密度が制御でき、適切な密度50%から97%とすることが出来る。
図17、図18に、Ti+Al原料粉末にNi+Al助剤(Ni:Al=1:1)、Co+Al粉末(Co:Al=1:1)
の助剤を添加した場合の組織変化を示す。
Ni+Al助剤、Co+Al助剤を添加することで、微視組織から見ても、合成体密度が制御で
きることがわかる。両図の組織のように、助剤量が多いと、確かに密度は増加し、残留気
孔は減少する。しかし、気孔は完全閉気孔となり、鋳型の通気性が失われ、かつ耐熱衝撃
性も低下することから、TiAlの場合では、Ni+Al助剤量、Co+Al助剤量は、残留気孔が存
在し得る1〜6%前後が適切である。なお、燃焼合成時にHIP、ホットプレスなど加圧焼結
を併用した場合では、必ずしもNi+Al助剤、Co+Al助剤に頼らなくとも良い。HIP圧力や
温度等を制御することでも合成体密度の制御が可能である。
l 原料粉末として平均粒径17、24、42、128μmのTi粉末、平均粒径5、4、12、30、60μmのAl粉末を使用した。これら原料粉末を乳鉢で混合し、金型で加圧し圧粉体を作製した。
その際、Ti:Al比は10:0〜0:10とし、成形圧力は50〜150MPaで制御した。実施手順は圧粉
体を石英管に入れ真空ポンプで排気した。その後、電気炉で加熱し、TiとAlの粉末を反
応させ燃焼合成反応を起こさせた。その際の加熱パターンは、室温から700℃まで10℃/
minの速度で加熱し、700℃で10分保持後、その後室温まで10℃/minで徐冷した。得ら
れた多孔質体の膨張率を調べ、またX線回折、断面組織観察、ピッカース硬度測定、強度
試験を行った。
2 多孔質体の作製条件
種々の粉末の組み合わせにより圧粉体を作製し、燃焼合成を行い直径膨張率、体積膨張
率を調査した。図19にφ8、成形圧力100MPa、混合比率を5:5の条件下で粉末粒径を変化
させた結果を示す。図19(a)はAl粒径を固定してTi粒径を変化させた場合、(b)はTi
粒径を固定してAl粒径を変化させたものである。TiとAlの粒径を大きくするにつれ膨張
率が上昇することがわかる。最も膨張率が大きい場合で、(a)では直径膨張率は約20%
の増加、体積膨張率は約70%の増加、(b)では、直径膨張率は約20%の増加、体積膨張
率は約70%の増加となった。
図20に成形圧力を変化させた結果を示す。成形圧力を高めるにつれ、膨張率も上昇する
ことがわかる。成形圧力が150MPaで最高のときに、直径膨張率は約20%の増加、体積膨
張率は約60%の増加となり、ともに最大となった。
図21に圧粉体の直径を変化させた結果を示す。圧粉体の直径が大きくなるにつれ膨張率
も増加することがわかる。最大で直径膨張率は約20%の増加、体積膨張率は約70%の増加
になった。しかし、圧粉体の直径による膨張率変化は小さく、それほど大きな変化は見ら
れなかった。
図22にTi:Alの混合比率を変化させた結果を示す。膨張率はTi:Al=5:5比率としたとき
に膨張率が最大となり、そのときの直径膨張率が約20%の増加、体積膨張率が約60%の増
加であった。しかし、これよりTiリッチ、Alリッチとなると膨張率は減少する。さらに
Alリッチでは合成体の溶解も生じ、多孔貿体を作製できなかった。従って、この結果から
本法で多孔質体が作製できる範囲はAl比率が10〜70%の範囲である。
3 多孔質体の特性
図23にX線回折の結果を示す。合成体では、原料粉末のピークが消え、代わって Ti3Al、TiAl3が合成されていることがわかる。またTi:Al比を変えた場合では、TiリッチではTiAl相、αTi相が、AlリッチではTiAl3相、Al相から構成されていた。
図24に多孔質体の断面組織を示す。圧粉体が燃焼合成されると、Alが溶けTiに吸収さ
れ、空孔が生成することがわかる。また、Ti:Alの比率を変化させていくと、Alの比率が
大きくなるにつれ空孔が大きくなる傾向が見られた。しかしTi:Al=2:8以降になると空孔
の減少が見られた。これはAlの溶解量が多くなるためにTiが吸収しきれなくなり、合成
体が溶けたためだと考えられる。
図25に合成体の硬度を示す。硬度は100〜350であった。混合比率を変化させると、Ti:Al=5:5で最大となり、これよりTiリッチ、Alリッチになると減少となった。これは反応熱
がTi:Al=5:5で最も高いためだと思われる。またTiリッチ、Alリッチになると反応熱が
減少し、粒子のまわりが反応し、中心部が未反応というTi、Alが増えるためと考えられる。
図26に混合比率と強度の関係を示す。混合比率を変化させると、Al比率の増加につれ
強度は減少した。強度はTi:Al=4:6〜5:5を極小とし、放物線状になる傾向が見られた。これは4:6〜5:5付近で膨張率が大きく、密度が低下するためである。また3:7での強度が低かったが、化合物相がTiAl3であること、また内部の組織で粒子同士の連結が乏しいためと思われる。
図27に粒径と強度の関係を示す。Ti粒径を大きくするにつれ、またAl粒径を大きくす
るにつれ、強度が減少する傾向が見られた。
図28及び図29は、混合比率を変化させた圧粉体を用いて、グラファイト製マスタ型8
内への充填を試み、その結果得られた多孔質焼結体9及びグラファイト製マスタ型8を示
す。図28が充填後燃焼合成によって成型された状態を示し、図29が多孔質焼結体9をグ
ラファイト製マスタ型8から離型した状態を示す。
図に示されるようにグラファイト製マスタ型8は十分に燃焼合成の熱に耐えることがで
き、グラファイト製マスタ型8の形状を転写した多孔質焼結体9が得られた。
本実施例では、燃焼合成法によりグラファイト製マスタ型上での多孔質材の製造を試み、その作製条件を検討した。
・圧粉体の成形圧力を高めた方が膨張率は高い。そして組成比では、混合比率Ti:Al=5:5
の時に膨張率は高い。そして多孔質体が作製できる範囲は、Al比率が10〜70%の範囲であ
る。
・原料粉末の粒径は大きい方が膨張率は高いが、強度は低下する。Ti粒径が17〜50μm、
Al粒径は5〜30μmのものは、膨張率はそれほど高くないが強度は高い。強度と膨張率の兼
ね合いから原料粉末の粒径としては、Ti粒径が24〜50μm、Al拉径は12〜30μmが適すると
思われる。
図30に、多孔質焼結体を作るためのモデル実験材としてMg、Alを考え、Mg−Al焼結
体についての膨張率を調ペた結果を示す。図の中でプロットが体積膨張率である。一部融
解した試料については黒印で示した。本系では、Alの組成0〜0.4では体積変化が無く、
膨張は認められなかったが、0.5〜0.9では膨張が観察された。Alの比率は膨張に関係する
といえる。加熱温度では、700Kでは膨張はあまり認められない。800Kでは膨張が観察さ
れたが、0.5〜0.7の組成では融解が生じた。750Kで最大約140%の膨張が観察された。こ
の結果から、加熱温度は約750Kが適切なことがわかった。
図31、図32、図33にFe−Al焼結体について膨張を調べた結果を示す。図31はFeと
Alの混合比を制御した場合、図32はAl粒径を変化させた場合、図33はFe粒径を変化さ
せた場合の結果である。混合比率では本系ではFe:Al比が0.2:0.8を除き、いずれの試料と
も150%以上の大きな体積膨張を示した。0.2:0.8では体積膨張率が低いがこれはAlリッチ
の組成のため試料が融解したためである。粒径の効果については、Al粒径を変化させたと
きでは、どの比率の場合でも粒径の影響があまりみられなかった。Feの粒径を変化させた
ときでは、Fe:Al比が0.5:0.5、0.8:0.2では粒径の影響がみられないが、Fe:Al比が0.2:0.8では粒径が大きい方が膨張が大きくなることがわかった。
図34にMg−Al焼結体の組織を示す。本系において、Mg:Al比が0.8:0.2では焼結が認
められない。これは、Mgが酸化しやすいため、Alとの反応が起こりにくいためと考えら
れる。加熱温度による違いでは、700Kでの焼結体の組織を見ると、原料粉末のMgとAl
の粉末が観察され、試料はほとんど焼結していない。800KではMgとAlの粉末は消失し、
焼結が開始している。しかし、焼結収縮も生じているために膨張率は低い。750Kでは800K
のような焼結収縮はおさえられ、多孔質体を得るのに最適なことがわかった。 図35、図
36、図37にFe−Al焼結体の組織を示す。図35はFe:Al比を変化させた場合、図36はAl
粒径を変化させた場合、図37はFe粒径を変化させた場合である。各試料ともFe、Alの粒
子は消失し、代わってFeAlの化合物粒子が生成しているのが確認された。Fe:Al比の効果
について調べると、Feが多いと微細な粒子が生成し、Alが多いと結合部分の大きな粒子が
生成するという傾向がみられた。これは、Alが多いと融点が下がり、液相の生成により反
応や焼結が進行しやすくなるためと考えられる。Fe:Al比が0.8:0.2のときでも膨張は起こ
るが、得られた試料は粒子が細かく、焼結体がもろいため不適切である。粒径については
Alの粒径を変化させた場合、12μmAlと30μmAlの場合では、微細な化合物となった。一方、60μmでは、結合部分が大きな試料が得られた。12μmAl、30μmAlといった微細な化合物では、焼結体がもろく、不適切である。60μmAlでは結合部分が大きく、しっかりとした焼結体が得られた。
Feの粒径を変化させた場合、膨張率では、粒径による影響があり、粒径を大きくすると、膨張率が大きくなることが認められる。しかし、組織を見ると、粒径を大きくすると結合部分が小さくなり、焼結体がもろくなることがわかった。
製マスタ型内で多孔質金属を作製した。
焼結時の膨張によりグラファイト製マスタ型内を充填する多孔質焼結体を得ることがで
きMg−Al系でも圧粉体の寸法を工夫することで充填材を得ることができる。
る。
均一化層、7・・・第2の本体部、8・・・グラファイト製マスタ型、9・・・燃焼合成金属間化合物。
Claims (23)
- 多孔質焼結体を基材とする表面層と金属材料を基材とする本体部とよりなる
鋳型。 - 金属材料を基材とする本体部が金属材料によって造型されて表層部の強度を
補充する第一の本体部と、金属材料によって造型されて鋳造機械との取り付け機能部を構
成する第2の本体部とよりなる請求項1記載の鋳型。 - 第一の本体部と第2の本体部との間に温度均一化層が設けられる請求項2に
記載の鋳型。 - 多孔質焼結体が金属間化合物である請求項1または請求項2に記載の鋳型。
- 金属材料を基材とする本体部が溶接金属により形成される請求項1〜請求項4
のいずれか一に記載の鋳型。 - 目的とする鋳型の反転形状をもつグラファイト製マスタ型内に多孔質焼結体
の原料元素の混合粉末を充填する工程と、充填した混合粉末をマスタ型内で反応させ、多
孔質焼結体表面層を製造する工程とよりなる鋳型の製造方法。 - 多孔質焼結体が金属間化合物である請求項6に記載の鋳型の製造方法。
- 多孔質焼結体の原料元素の混合粉末の混合比率は、目的とする多孔質焼結体
の化学量論組成に基づき調整される請求項6記載の鋳型の製造方法。 - 多孔質焼結体の原料元素の混合粉末の混合比率が化学量論組成に対し、所要
の原料元素が過剰となるよう調整される請求項6記載の鋳型の製造方法。 - 目的とする多孔質焼結体の原料元素の混合粉末に加え、助剤となる元素粉末
を添加する請求項6〜9のいずれか一に記載の鋳型の製造方法。 - 助剤となる元素粉末添加量が0.5%〜10%である請求項6に記載の鋳型の製
造方法。 - 混合粉末を充填したマスタ型を加熱し、混合粉末の熱爆発反応によってマ
スタ型上に多孔質焼結体の合成を行う請求項6〜11のいずれか一に記載の鋳型の製造方
法。 - 加熱温度は、多孔質焼結体原料元素及び助剤金属元素の中でもっとも低い
融点を示す材料の融点に対して10℃〜50℃以上高い温度とする請求項12に記載の鋳型の
製造方法。 - 粉末間に微量な液相を生成させて粉末を焼結させる請求項13に記載の鋳型
の製造方法。 - 加熱雰囲気を不活性ガスもしくは真空雰囲気とする請求項6〜14のいずれか
一に記載の鋳型の製造方法。 - 誘導加熱またはパルス印加通電など補助熱源を用いる請求項6〜15のいずれ
か一に記載の鋳型の製造方法。 - 混合粉末を充填したマスタ型の加熱を加圧下で行う請求項6〜15のいずれか
一に記載の鋳型の製造方法。 - マスタ型裏面側の気孔を封し、かつ冷却される請求項6〜17のいずれか一に
記載の鋳型の製造方法。 - マスタ型上に合成された多孔質焼結体層上に肉盛溶接層を形成する請求項6
〜17のいずれか一に記載の鋳型の製造方法。 - 合成される多孔質焼結体の相対密度が50〜97%程度である請求項6〜19の
いずれか一に記載の鋳型の製造方法によって得られる鋳型。 - 耐食バリア層を有する請求項20に記載の鋳型。
- 耐食バリア層が多孔質焼結体層表面に形成した酸化皮膜である請求項21に
記載の鋳型。 - 耐食バリア層が多孔質焼結体層表面に溶射によって形成された耐食層及び/
又は離型層である請求項 22に記載の鋳型。
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