JP2006089327A - 光学素子の製造方法及び光学素子成形用型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成形面に炭素薄膜を形成した、光学素子成形用成形型を用意し、前記成形面における、接触角測定用液体に対する接触角を測定し、前記接触角の測定値が、表面自由エネルギー55mJ/m2以下に相当することを示す成形型を選択し、選択した成形型を用いて、加熱軟化したガラス素材をプレス成形する、光学素子の製造方法。成形面に炭素薄膜が形成された光学素子成形用型であって、前記炭素薄膜は、接触角法より求めた表面自由エネルギーが55mJ/m2以下である成形用型。
【選択図】図1
Description
[請求項1] 成形面に炭素薄膜を形成した、光学素子成形用成形型を用意し、
前記成形面における、接触角測定用液体に対する接触角を測定し、
前記接触角の測定値が、表面自由エネルギー55mJ/m2以下に相当することを示す成形型を選択し、選択した成形型を用いて、加熱軟化したガラス素材をプレス成形することを特徴とする、光学素子の製造方法。
[請求項2] 前記表面自由エネルギーを、Owens-Wendt-Kaelble法により前記接触角の測定値から求める、請求項1に記載の製造方法。
[請求項3] 前記接触角の測定値は、水、CH2I2、グリセリン、イソペンタンおよびパーフルオロヘキサンから成る群から選ばれる2種の接触角測定用液体を用いて行う請求項2に記載の製造方法。
[請求項4] 成形面に炭素薄膜を形成した光学素子成形用成形型を用意し、
加熱軟化した複数のガラス素材を前記成形型により、プレス成形することを含む光学素子の製造方法において、
前記成形型の成形面における接触角測定用液体の接触角を定期的に測定し、前記接触角の測定値が、表面自由エネルギー55mJ/m2以下に相当することを示す成形型を用いて前記プレス成形を行う
前記製造方法。
[請求項5] 接触角を測定した成形型の成形面における前記接触角の測定値が、次回の接触角測定までに、表面自由エネルギーが55mJ/m2を超えるものとなることが予想される成形型は、炭素薄膜再生工程に付される請求項4に記載の製造方法。
[請求項6] 炭素薄膜再生工程に付される成形型に代えて、表面自由エネルギーが55mJ/m2以下に相当することを示す成形型を用いて、プレス成形が継続される請求項5に記載の製造方法。
[請求項7] 前記光学素子が、0.6mm以下の最小肉厚部位を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
[請求項8] 成形面に炭素薄膜が形成された光学素子成形用型であって、
前記炭素薄膜は、接触角法より求めた表面自由エネルギーが55mJ/m2以下であることを特徴とする前記成形用型。
[請求項9] 成形面に炭素薄膜が形成された光学素子成形用型であって、前記炭素薄膜の接触角法より求めた表面自由エネルギーが55mJ/m2以下である光学素子成形用型を用いて加熱軟化したガラス素材をプレス成形することを特徴とする、光学素子の製造方法。
[請求項10] 前記表面自由エネルギーは、Owens-Wendt-Kaeble法により接触角の測定値から求めることを特徴とする請求項9に記載の光学素子の製造方法。
このような成形型を選択し、プレス成形に使用することで、カン・ワレなどの破壊欠陥が生じないガラス成形品を安定して廉価に製造することが可能となる。上記範囲の表面自由エネルギーを示す成形型が好ましい詳しい理由については、後述する。
尚、本発明において、カンとは、主として成形体の表面に入る非連続的な破壊であり、ワレとは連続的な破壊である。
、5の成形型はいずれもプレス成形前および成形後の表面自由エネルギーが55mJ/m2を超えており、カン・ワレの発生が認められた。
表面自由エネルギーは公知の接触角測定器を用いて測定することができる。即ち、2種類の異なる液体を用いて、測定対象の表面の接触角(接触角)を測定し、それらの接触角から求めことができる。
ここでは、純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法を用いた表面自由エネルギーの評価を以下のように行った。
(1)式を固体の表面自由エネルギー(γs)で考えると、
(2)となる。ここで添字のsはSolidを表わす。
また、同様に液体では
であり、添字LはLiquidを表す。
Owens-Wendt-Kaelble法により、以下の計算式を用いた。
尚、2種類の液体のγL d及びγL pはそれぞれ表1の文献値を使用し、(3)式より2種類の液体それぞれのγLを求める。
上式(6)によって得られたγsdを(5)式に代入すると
となり、これら(6)及び(7)式の値を(2)式に代入することにより
従って、固体の表面自由エネルギーγsが22.35mJ/m2と求められる。
型母材として、CVD法により作製した多結晶のSiCの成形面をRmax=12nmに鏡面研磨したものを用いた(粗さ測定はAFM)。この型を良く洗浄した後、イオンプレーティング法成膜装置を用いて、炭素原料はC6H6ガスを用い、基板温度は300℃、成膜速度は0.01nm/minの条件にて、成形面にDLC:H膜を成膜した。エリプソ法による膜厚測定の結果、膜厚は33nmであった。
炭素原料としてCH4ガスを用い、基板加熱温度が100℃、成膜速度が1nm/minの条件で、実施例1と同様にイオンプレーティング法成膜装置を用いて、成形面にDLC:H膜を26nm成膜した。成膜前のSiC成形面の表面粗さはRmax=18nmであった。純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法を用いて評価した表面自由エネルギーは58mJ/m2であった(純水の接触角:63度、CH2I2の接触角:6度)。
FCA(Filtered Cathodic Arc)法成膜装置を用いて、第一層として型成形面に厚み30nmのta-C膜(ta-C源:カーボン)を成膜した後、イオンプレーティング法成膜装置を用いて、第二層としてta-C膜の上に厚み50nmのDLC:Hを成膜した。基板温度はともに300℃であり、成膜速度はFCA法では0.05nm/min、イオンプレーティング法では0.09nm/minであった。第二層目を成膜したイオンプレーティング法成膜の炭素源はC6H6ガスを用いた。純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法を用いて評価した表面自由エネルギーは51mJ/m2であった(純水の接触角:85度、CH2I2の接触角:7度)。さらに、成膜後の型は、窒素ガスを満たした、クラス1000のクリーンケースに保管し、清浄度の高い環境に保管した。なお、型材はCVD法で合成したSiCであり、成膜前のSiC成形面の表面粗さはRmaxは28nmであった。
2 溶液中の分子
3 予備成形されたガラス(プリフォーム)
4 自己組織化膜
5 自己組織化膜の分子
6 複層化した自己組織化膜
7 自己組織化膜の分子A
8 自己組織化膜の分子B
23 型母材
28 炭素薄膜
Claims (10)
- 成形面に炭素薄膜を形成した、光学素子成形用成形型を用意し、
前記成形面における、接触角測定用液体に対する接触角を測定し、
前記接触角の測定値が、表面自由エネルギー55mJ/m2以下に相当することを示す成形型を選択し、選択した成形型を用いて、加熱軟化したガラス素材をプレス成形することを特徴とする、光学素子の製造方法。 - 前記表面自由エネルギーを、Owens-Wendt-Kaelble法により前記接触角の測定値から求める、請求項1に記載の製造方法。
- 前記接触角の測定値は、水、CH2I2、グリセリン、イソペンタンおよびパーフルオロヘキサンから成る群から選ばれる2種の接触角測定用液体を用いて行う請求項2に記載の製造方法。
- 成形面に炭素薄膜を形成した光学素子成形用成形型を用意し、
加熱軟化した複数のガラス素材を前記成形型により、プレス成形することを含む光学素子の製造方法において、
前記成形型の成形面における接触角測定用液体の接触角を定期的に測定し、前記接触角の測定値が、表面自由エネルギー55mJ/m2以下に相当することを示す成形型を用いて前記プレス成形を行う
前記製造方法。 - 接触角を測定した成形型の成形面における前記接触角の測定値が、次回の接触角測定までに、表面自由エネルギーが55mJ/m2を超えるものとなることが予想される成形型は、炭素薄膜再生工程に付される請求項4に記載の製造方法。
- 炭素薄膜再生工程に付される成形型に代えて、表面自由エネルギーが55mJ/m2以下に相当することを示す成形型を用いて、プレス成形が継続される請求項5に記載の製造方法。
- 前記光学素子が、0.6mm以下の最小肉厚部位を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 成形面に炭素薄膜が形成された光学素子成形用型であって、
前記炭素薄膜は、接触角法より求めた表面自由エネルギーが55mJ/m2以下であることを特徴とする前記成形用型。 - 成形面に炭素薄膜が形成された光学素子成形用型であって、前記炭素薄膜の接触角法より求めた表面自由エネルギーが55mJ/m2以下である光学素子成形用型を用いて加熱軟化したガラス素材をプレス成形することを特徴とする、光学素子の製造方法。
- 前記表面自由エネルギーは、Owens-Wendt-Kaeble法により接触角の測定値から求めることを特徴とする請求項9に記載の光学素子の製造方法。
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