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JPH0971427A - 光学素子の成形方法 - Google Patents

光学素子の成形方法

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Publication number
JPH0971427A
JPH0971427A JP22785495A JP22785495A JPH0971427A JP H0971427 A JPH0971427 A JP H0971427A JP 22785495 A JP22785495 A JP 22785495A JP 22785495 A JP22785495 A JP 22785495A JP H0971427 A JPH0971427 A JP H0971427A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding
mold
diamond
glass
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22785495A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Taniguchi
靖 谷口
Keiji Hirabayashi
敬二 平林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP22785495A priority Critical patent/JPH0971427A/ja
Publication of JPH0971427A publication Critical patent/JPH0971427A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • C03B11/084Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor
    • C03B11/086Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor of coated dies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/02Press-mould materials
    • C03B2215/08Coated press-mould dies
    • C03B2215/14Die top coat materials, e.g. materials for the glass-contacting layers
    • C03B2215/24Carbon, e.g. diamond, graphite, amorphous carbon

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスと型の離型性が極めて良好で、表面粗
さ、面精度、透過率及び形状精度の良好な成形品が得ら
れ、更に、プレス成形を長時間繰返しても膜剥離やクラ
ック、傷の発生という欠陥を生じない光学素子の成形方
法を提供する。 【解決手段】 ガラスよりなる光学素子のプレス成形方
法において、成形面がダイヤモンドからなる型を用い、
成形後、成形品が取り除かれたダイヤモンド表面にH、
F、Cl、I、Br、O及びNからなる原子、分子また
は化合物のうちの1種類以上を供給し、ダイヤモンド表
面のダングリングボンドと反応させて、低表面エネルギ
ー化、安定化するプロセスを有する光学素子の成形方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ、プリズム
等のガラスよりなる光学素子をガラス素材のプレスによ
り成形する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】研磨工程を必要としないでガラス素材の
プレス成形によってレンズを製造する技術は従来の製造
において必要とされた複雑な工程をなくし、簡単且つ安
価にレンズを製造することを可能とし、近年、レンズの
みならずプリズムその他のガラスよりなる光学素子の製
造に使用されるようになってきた。このようなガラスの
光学素子のプレス成形に使用される型材に要求される性
質としては、硬度、耐熱性、離型性、鏡面加工性等に優
れていることが挙げられる。従来、この種の型材として
金属、セラミックス及びそれらをコーティングした材料
等、数多くの提案がされている。いくつかの例を挙げる
ならば、特開昭49−51112号公報には13Crマ
ルテンサイト鋼が、特開昭52−45613号公報には
SiC及びSi34 が、特開昭60−246230号
公報には超硬合金に貴金属をコーティングした材料が、
また、特開昭61−183134、61−28103
0、特開平1−301864号公報にはダイヤモンド薄
膜もしくはダイヤモンド状炭素膜、特開昭64−835
29号公報には硬質炭素膜をコーティングした材料が提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、13Crマル
テンサイト鋼は酸化し易く、更に高温でFeがガラス中
に拡散してガラスが着色する欠点を持つ。SiC及びS
34 は一般的には酸化されにくいとされているが、
高温ではやはり酸化が起こり表面にSiO2 の膜が形成
されるためガラスの融着を生じる。更に、高硬度のため
型自体の加工性が極めて悪いという欠点をもつ。貴金属
をコーティングした材料は融着を起こしにくいが、極め
て柔らかいため傷がつき易く、変形し易いという欠点を
持つ。
【0004】また、DLC膜、a−C:H膜または硬質
炭素膜を用いた型は、型とガラスの離型性が良く、ガラ
スの融着を起こさないが、成形操作を数百回以上繰り返
して行うと、前記膜が部分的に剥離し成形品において十
分な成形性能が得られないことがある。この原因として
以下のことが考えられる。
【0005】前述の膜はいずれも非常に大きな圧縮応
力を有しており、成形プロセスにおける急加熱−急冷却
に伴う応力解放の結果として剥離、クラック等が生じ
る。同様に型母材と膜の熱膨張係数の違いと熱サイクル
に起因する熱応力によっても同様な現象が生じる。型
母材によっては、表面状態により膜が部分的に形成され
なかったり、膜厚が薄いことがある。例えば、WC−C
oやSiC,Si34等の焼結体では、粒の欠落や焼
結時のポアが避けられず、成形研磨面に数μm以上の穴
が存在している。こうした面に膜を形成したとき、これ
らの穴には膜が形成されなかったり、極端に膜厚の薄い
状態になる。従って、こうした部分の膜の付着強度や、
機械的強度は著しく低下するため剥離やクラックの発生
起点となり易い。WC−CoのCoに代表される焼結
体中の焼結助材と前述の膜の間で拡散による合金形成が
生じる。こうした部分は成形時にガラスの融着が生じガ
ラス中に含有される成分と反応し析出物を生じる結果、
耐久性の劣化を招く。
【0006】また、ダイヤモンド薄膜は前述のカーボン
系薄膜と同様の特性を有するが、特に膜の機械的強度が
高く、高耐久性が期待できる。しかし、成形回数が増え
るに従い、膜とガラスの密着力が増加し、離型性が低下
するという問題を有する。
【0007】以上のように、成形性、耐久性及び経済性
に優れた光学素子成形用型を実現するに至っていない。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、型母
材の成形面に形成されたダイヤモンド膜に対し、成形終
了後にダイヤモンド膜表面(=成形表面)に存在するダ
ングリングボンドを減少させることにより上述の問題を
解決したものである。
【0009】すなわち、本発明は、ガラスよりなる光学
素子のプレス成形方法において、成形面がダイヤモンド
からなる型を用い、成形後、成形品が取り除かれたダイ
ヤモンド表面にH、F、Cl、I、Br、O及びNから
なる原子、分子または化合物のうちの1種類以上を供給
し、ダイヤモンド表面のダングリングボンドと反応させ
て、低表面エネルギー化、安定化するプロセスを有する
ことを特徴とする光学素子の成形方法である。
【0010】以下、本発明に関して詳細に説明する。本
発明において型母材として用いられる材料は、WC、S
iC、TiC、TaC、BN、TiN、AlN、Si3
4、SiO2 、Al23 、Zr02 、W、Ta、M
o、サーメット、サイアロン、ムライト、カーボン・コ
ンポジット(C/C)、カーボンファイバー(CF)、
WC−Co合金等から選ばれる。これらの型母材の成形
面にダイヤモンド膜を形成する。ダイヤモンド膜はマイ
クロ波プラズマCVD法、熱フィラメントCVD法、プ
ラズマ・ジェット法、電子サイクロトロン共鳴プラズマ
CVD法等により形成される。膜の形成に用いるガスと
しては、含炭素ガスであるメタン、エタン、プロパン、
エチレン、ベンゼン、アセチレン等の炭化水素、塩化メ
チレン、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロルエタン
等のハロゲン化炭化水素、メチルアルコール、エチルア
ルコール等のアルコール類、(CH32 CO,(C6
52 CO等のケトン類、CO,CO2 等のガス、及
びこれらのガスにN2 ,H 2 ,O2 ,H2 O、Ar等の
ガスを混合したものが挙げられる。
【0011】ガラスモールドの型表面材料としてダイヤ
モンド膜、DLC膜、a−C:H膜及び硬質炭素膜等の
炭素膜が適しているのは、ガラスとの密着力が小さく、
ガラス成分との反応性が小さいためである。特に、成形
における離型性は、型とガラスの密着力の大きさに依存
する。離型性に優れた型材料は、表面エネルギーが小さ
く、ガラスとの摩擦係数が小さく、ガラス成分との反応
性が小さい材料である。前述の炭素膜が型材料として適
しているのは、こうした性質を有するためと推察され
る。一般に、気相合成法により形成したダイヤモンド膜
の表面は、水素(H)でターミネートされて安定化して
いる。これは、ダイヤモンド表面が原料ガス中の水素と
反応して水素化(C−H結合)しているためである。ま
た、多結晶のダイヤモンド膜を型表面に使用する場合、
鏡面を得るために機械的、熱化学的に研磨をする必要が
生じる。このような研磨を行ったダイヤモンド膜表面に
は、酸素(O)や水のOH基が反応あるいは吸着して、
C−O結合あるいはC=O結合、C−O−H結合を形成
している。ダイヤモンドの表面が、水素原子や酸素原子
等によって安定化しているために、表面エネルギーが小
さくなっているものと考えられる。水素原子、酸素原子
のカーボン表面への化学吸着に関する研究は、J.Z
awadzki:Chemistry and Phy
sics ofCarbon,21,p147,Mar
cel Dekker(1989)B.J.Meld
rum and C.H.Rochester:J.C
hem.Soc.Faraday Trans.,8
6,p861,p1881,p2997(1990)
A.Proctor and P.M.A.Sherw
ood:Carbon,23,p619,p723,
(1985)等に報告されている。
【0012】ダイヤモンド表面に結合した水素原子や酸
素原子等の反応性を、FTIR(フーリエ変換赤外分光
法)やTPD(プログラム昇温脱離法)によって調べる
と、酸素原子は290℃近傍からCO2 として脱離し始
め、630℃近傍でCO2 の脱離ピークが観測される。
また、500℃からはCOとしても脱離し始め、700
℃に脱離ピークを持っている。一方、水素原子は100
0℃以上で脱離を開始する。酸素原子が、ダイヤモンド
の炭素と反応してCOやCO2 の形で脱離するのに対
し、水素原子はH2 の形で脱離する。物理吸着した水の
OH結合は、200℃付近で脱離する。
【0013】ダイヤモンド膜を用いたガラスモールドで
は、ダイヤモンド膜の表面はガラスの成形温度に加熱さ
れるため、ダイヤモンド表面のC−O結合、C=O結合
やC−O−H結合は、脱離してダイヤモンド表面にはダ
ングリングボンドが形成される。あるいは、C−H結合
のように成形温度では脱離が生じない場合でも、ガラス
成分との反応によって脱離し、ダイヤモンド表面にはダ
ングリングボンドが生じる。成形によってダイヤモンド
表面にダングリングボンドが形成されるために、ガラス
との密着力が増加すると考えられる。
【0014】本発明は、成形によってダイヤモンド膜表
面に生じたダングリングボンドを次回の成形までに、
H、F、Cl、Br、I、O、Nの原子を反応させ、ダ
イヤモンド膜表面のダングリングボンドを減少させるこ
とにより、ダイヤモンド膜の表面エネルギーを常に小さ
い状態に保つものである。この結果、良離型性を有する
ダイヤモンド膜型により耐久性に優れたガラスモールド
型を実現することができる。ダイヤモンド膜表面のダン
グリングボンドと反応させる元素は、炭素と安定に結合
を作るもので、熱やガラスとの反応によってダイヤモン
ド表面から脱離する際にガス化するものが好適である。
例えば、Hの場合、清浄なダイヤモンド表面に1at
m.のH2 を導入し、350℃以上にすると水素分子が
反応して、ダイヤモンド表面にC−H結合が形成されて
水素化される。具体的には、ガラス成形品が型から取り
除かれた後、次のガラスブランクが型に設置されるまで
に成形チャンバー内に、主に型近傍から前述の元素をガ
ス化して供給する。型表面は、成形温度付近にあるため
ダイヤモンド表面での反応が完成する。反応を促進する
ためにガスをプラズマ化したり、ガスを分解できるエネ
ルギーの光を照射するなどの方法を用いても良い。な
お、前述の元素は原子、分子もしくは化合物であっても
良い。例えば、H2 、02 、F2 、N2 、Cl2 、Br
2 、I2 、CF4 、CCl2 、CBr4 、CH3 I、C
3 OH、C22 、CH4 、CO、CO2、CH3
2 、HCN等を単独もしくは水やアルコール等に溶解
した後、気化しHe、Ar等の不活性ガスをキャリヤー
ガスとしてダイヤモンド膜表面に供給すれば良い。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の具体的実
施例を説明する。 [実施例1]図1及び図2は本発明に係わる光学素子成
形用型の一つの実施様態を示すものである。図1は光学
素子のプレス成形面の状態を示し、図2は光学素子成形
後の状態を示す。図1中、1は型母材、2はガラス素材
を成形する成形面を有するダイヤモンド膜、3はガラス
素材であり、図2中、4は光学素子である。
【0016】図1に示すように型の間に置かれたガラス
素材3をプレス成形することによってレンズ等の光学素
子4が形成される。
【0017】次に、本発明の光学素子の成形方法につい
て詳細に説明する。型母材として焼結SiCを所定の形
状に加工した後、ダイヤモンドの核発生密度を増加させ
るために粒径5〜10μmのダイヤモンド砥粒を分散さ
せたアルコール中に入れ、超音波振動により成形面を傷
つけ処理を施した。この型をよく洗浄した後、図3に示
すECRプラズマCVD装置に設置した。図中、5はプ
ラズマ発生室、6は型(基体)、7はガス供給系、8は
マイクロ波発振器及び導波管、9は排気系、10はサン
プルホルダー、11はマイクロ波導入窓、12は外部磁
場である。まず、装置内を1×10-6Torrに排気し
た後、ガス供給系からCH4 :1.4sccm,H2
300sccmを導入し、ガス圧を50Torrとし
た。次に、2.45GHzのマイクロ波を1000W投
入し、基体近傍にECRプラズマを形成した。基体は8
00℃に加熱し、膜厚10μmの多結晶ダイヤモンド膜
を形成した。この膜の表面粗さは、P−V=0.1μm
と粗いため図4に示す研磨装置によりダイヤモンド砥粒
による共摺りによって表面粗さRmax.=0.02μ
mに鏡面研磨した。図4中、13は型、14は空気軸受
け、15はスカイフ皿、16はベアリング、17は空気
軸受け、18はスプリング、19はモーターである。こ
のとき、スカイフ皿を1000rpmで回転させながら
常に加工面の法線方向に一致させるよう相対位置を決
め、部分的に研磨しながら前述の表面粗さになるよう非
球面形状に研磨した。
【0018】次に、この型を用いガラスレンズのプレス
成形を行った例を示す。図5中、21は真空槽本体、2
2はその蓋、23は光学素子を成形するための上型、2
4はその下型、25は上型を押さえるための上型押さ
え、26は胴型、27は型ホルダー、28はヒーター、
29は下型を突き上げる突き上げ棒、30は該突き上げ
棒を作動するエアシリンダ、31は油回転ポンプ、3
2、33、34はバルブ、35は不活性ガス流入パイ
プ、36はバルブ、37はリークバルブ、38はバル
ブ、39は温度センサ、40は水冷パイプ、41は真空
槽を支持する台を示す。レンズを作製する工程を次に述
べる。フリント系光学ガラス(SF14)を所定の量に
調整し、球状にしたガラス素材を型のキャビティ内に置
き、これを成形装置内に設置する。ガラス素材を投入し
た型を装置内に設置してから真空槽21の蓋22を閉
じ、水冷パイプ40に水を流し、ヒーター28に電流を
流す。このとき窒素ガス用バルブ36及び38は閉じ、
排気系バルブ32、33、34も閉じている。尚、油回
転ポンプ31は常に回転している。バルブ32を開け排
気を開始してから10-2Torr以下になったらバルブ
32を閉じ、バルブ36を開いて窒素ガスをボンベより
真空槽内に導入する。所定の温度になったらエアシリン
ダ30を作動させて200kg/cm2 の圧力で1分間
加圧する。圧力を解除した後、冷却速度を−5℃/mi
nで転移点以下になるまで冷却し、その後は−20℃/
min.以上の速度で冷却を行い、200℃以下に下が
ったらバルブ36を閉じ、リークバルブ33を開いて真
空槽21内に空気を導入する。それから蓋22を開け上
型押さえを外して成形物を取り出す。上記のようにし
て、フリント系光学ガラスSF14(軟化点Sp=58
6℃、転移点Tg=485℃)を使用して図2に示すレ
ンズ4を成形した。このときの成形条件すなわち時間−
温度関係図を図6に示す。図7に型部分の拡大図を示
す。81は下型、82は上型、83はガラスブランク、
84はガイド部材、85は搬送アーム、86はホルダ
ー、87は押圧ロッド、88は支持プレート、89は開
口部、90はガス導入口、91は突き当て面、92はピ
ンである。成形されたガラスレンズは、85の搬送アー
ムによって型のキャビティから取り出される。次のガラ
スブランクが、再び搬送アームによって下型上に設置さ
れる前に、ガス導入口90より1atm.の水素ガスを
20sccm導入した。このプロセスに従い、前記型を
用いて500回成形を行った。成形後の型は、傷や割れ
といった欠陥やガラス中に含まれるPbOの還元析出物
であるPbやガラスの融着が光学顕微鏡、走査電子顕微
鏡(SEM)によって観察されなかった。また、成形品
が型に密着してとれなくなるようなことはなかった。成
形品は、表面粗さ、面精度、透過率、形状精度とも良好
でPbの析出や成形時のガス残りと言った問題もなかっ
た。
【0019】次に、この型とプロセスを用いて図8に示
す成形装置により成形を行った。図8において、100
は成形装置、101は上型、102は下型、103は上
型を押さえるための上型押さえ、104は胴型、105
はホルダー、106はヒーター、107は下型を突き上
げる突き上げ棒、108は突き上げ棒を作動するエアシ
リンダ、109は油回転ポンプ、110,111,11
2はバルブ、113は不活性ガス導入パイプ、114は
バルブ、115はリークバルブ、116はバルブ、11
7は温度センサ、118は冷却パイプ、119は本発明
のガス導入口である。
【0020】クラウン系ガラスSK12(軟化点Sp=
672℃、ガラス転移点Tg=550℃)を所定の形状
及び寸法に粗加工して成形のためのブランクを得た。ガ
ラスブランクを型のキャビティ内に設置し、成形装置1
00内を10-2Torr以下の真空に排気した後、窒素
ガスをボンベより真空槽内に導入した。所定の温度にな
ったところで、エアシリンダ108を作動させて150
kg/cm2 の圧力で1分間加圧した。圧力を解除した
後、冷却温度を−5℃/minで転移点以下になるまで
冷却し、その後は−20℃/min以上の速度で冷却を
行い、200℃以下に下がったらバルブを閉じ、リーク
バルブを開いて成形装置内に空気を導入する。その後上
型押さえをはずして成型物を取り出す。次のガラスブラ
ンクが、再び搬送アームによって下型上に設置される前
に、ガス導入口119より1atm.の水素ガスを20
sccm導入した。以上のようなプレス工程により、3
000回成形した後の型部材の成形面及び成形された光
学素子の表面粗さ、並びに型部材と成形された光学素子
との離型性は良好であった。特に、型部材の成形面につ
いて光学顕微鏡、走査電子顕微鏡(SEM)で観察して
も傷やクラック等の欠陥やPbの析出、ガラスの融着は
見られなかった。
【0021】[比較例1]実施例1と同様に、図5の成
形装置によりダイヤモンド膜からなるガラスモールド型
でガラスレンズを成形した。成形に際して、実施例1と
は異なりH2 ガスの導入を行わないで成形を行った。1
0ショット付近から成形したガラスレンズが上型に密着
して離型しずらくなり、連続的に成形することができな
くなった。
【0022】[実施例2]型母材として焼結のSi3
4 を所定の形状に加工した後、ダイヤモンドの核発生密
度を増加させるために粒径5〜10μmのダイヤモンド
砥粒を分散させたアルコール中に入れ、超音波振動によ
り成形面を傷つけ処理した。この型をよく洗浄した後、
実施例1と同様にしてダイヤモンド膜を形成し、研磨に
より型を作製した。この型を用い実施例1と同様にして
成形を行ったが、H2 ガスの替わりに1atm.のCF
4 ガスを15sccmガス導入口119から導入した。
この方法により、実施例1と同様の成形テストを行った
結果、実施例1と同様の結果が得られた。
【0023】[実施例3]実施例2と同様の型母材、前
処理を行った後、実施例1と同様の有磁場マイクロ波C
VD装置に設置し、真空槽を1×10-7Torrに排気
した後、ガス供給系からCH4 とH2 ガスを全流量で1
40sccm、{CH4 /(CH4 +H2)}=2vo
l%になるように調節して導入し、真空槽の全圧(ガス
圧)を45Torrとした後、2.45GHzのマイク
ロ波を2kW投入し、基体近傍にECRプラズマを形成
した。このとき、電磁石により導入窓で1800Gau
ss、空洞共振器出口で875GaussのECR条件
となるよう外部磁場を形成した。更に、不図示のRF電
源により、基体に1kWの電力を供給してダイヤモンド
膜を形成した。基体は空洞共振器の出口付近に配置し、
基体を550℃に加熱し、膜厚5μmのダイヤモンド膜
を形成した。同一条件で作製した膜を分析した結果、ダ
イヤモンド結晶、グラファイト結晶及びアモルファス状
カーボンの混合物であった。これは、図9のラマンスペ
クトルや図10のX線回折により特定された。すなわ
ち、1550cm-1付近に二重結合炭素によるラマン線
が、1360cm-1付近にランダムなグラファイト微結
晶に起因するラマン線が、1550cm-1にポリエン構
造に起因するラマン線が特徴的に見られた。一方、X線
回折によれば、θ=44°にダイヤモンド微結晶による
回折線が認められた。この膜の表面粗さは、最大面粗さ
50nmであった。実施例1と同様にして所望の表面粗
さまで研磨して型を作製した。この型を用い実施例1と
同様の成形方法により、実施例1と同様の成形テストを
行った結果、実施例1と同様の結果が得られた。
【0024】[実施例4]実施例2と同様の型を用い、
実施例2と同様にして成形を行った。この時、CF4
替わりにダイヤモンド膜表面にO2 、N2 、CCl4
CBr4 、CH3I、COを独立に25sccm供給
し、実施例1と同様の成形テストを行った。その結果い
ずれの場合においても、ガラスとダイヤモンド膜型との
融着や離型不良は見られず、実施例1と同様の結果が得
られた。
【0025】[実施例5]実施例2と同様の型を用い、
実施例2と同様にして成形を行った。この時、CF4
替わりにダイヤモンド膜表面にCH4 を20sccm供
給し、同時に不図示のライトガイドによりArFレーザ
ー光を照射し、CH4 を分解した。実施例1と同様の成
形テストを行った結果、ガラスとダイヤモンド膜型との
融着や離型不良は見られず、実施例1と同様の結果が得
られた。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学素子
の成形方法によれば、成形後、成形品を取り除いたダイ
ヤモンド表面に、ダイヤモンド膜表面のダングリングボ
ンドと反応し、ダイヤモンド表面の構造を安定化する原
子、分子または化合物を供給することにより、ガラスの
成形において型とガラスが密着することのない、離型性
に優れた成形を実現することができた。この成形方法で
ガラス光学素子を成形すると、ガラスと型の離型性が極
めて良好であり、表面粗さ、面精度、透過率及び形状精
度の良好な成形品が得られた。更に、プレス成形を長時
間繰返しても膜剥離やクラック、傷の発生という欠陥を
生じない、極めて耐久性の高い光学素子の成形方法を実
現した。
【0027】本発明により得られた光学素子の成形方法
により生産性の向上とコストダウンを実現することが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる光学素子成形用型の一例を示す
断面図で、プレス成形前の状態を示す。
【図2】本発明に係わる光学素子成形用型の一例を示す
断面図で、プレス成形後の状態を示す。
【図3】本発明の実施例で用いるECRプラズマCVD
装置を示す概略図である。
【図4】本発明の実施例で用いる研磨装置を示す断面模
式図である。
【図5】本発明に係わるレンズの成形装置を示す断面図
で、非連続成形タイプである。
【図6】レンズ成形の際の時間−温度関係図である。
【図7】本発明に係わるレンズの成形装置における型構
造部の概略図である。
【図8】本発明に係わるレンズの成形装置を示す断面図
で、連続成形タイプである。
【図9】本発明の実施例で用いたダイヤモンド膜のラマ
ンスペクトル図である。
【図10】本発明の実施例で用いたダイヤモンド膜のX
線回折図である。
【符号の説明】
1 型母材 2 ダイヤモンド膜 3 ガラス素材 4 成形されたレンズ 5 プラズマ発生室 6 型母材 7 ガス供給系 8 マイクロ波発振器、導波管 9 排気系 10 基体ホルダー 11 マイクロ波導入窓 12 外部磁場 13 型 14 空気軸受け 15 スカイフ皿 16 ベアリング 17 空気軸受け 18 スプリング 19 モーター 21 真空槽 22 真空槽の蓋 23 上型 24 下型 25 上型押さえ 26 胴型 27 型ホルダー 28 ヒーター 29 下型を突き上げる突き上げ棒 30 エアシリンダ 31 油回転ポンプ 32,33,34 バルブ 35 不活性ガス導入バルブ 36 バルブ 37 リークパイプ 38 バルブ 39 温度センサ 40 水冷パイプ 41 真空槽を支持する台 81 下型 82 上型 83 ガラスブランク 84 ガイド部材 85 搬送アーム 86 ホルダー 87 押圧ロッド 88 支持プレート 89 開口部 90 ガス導入口 91 突き当て面 92 ピン 100 成形装置 101 上型 102 下型 103 上型押さえ 104 胴型 105 ホルダー 106 ヒーター 107 下型突き上げ棒 108 突き上げ棒を作動するエアシリンダ 109 油回転ポンプ 110,111,112 バルブ 113 不活性ガス導入パイプ 114 バルブ 115 リークバルブ 116 バルブ 117 温度センサ 118 冷却パイプ 119 ガス導入口

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスよりなる光学素子のプレス成形方
    法において、成形面がダイヤモンドからなる型を用い、
    成形後、成形品が取り除かれたダイヤモンド表面にH、
    F、Cl、I、Br、O及びNからなる原子、分子また
    は化合物のうちの1種類以上を供給し、ダイヤモンド表
    面のダングリングボンドと反応させて、低表面エネルギ
    ー化、安定化するプロセスを有することを特徴とする光
    学素子の成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006089327A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Hoya Corp 光学素子の製造方法及び光学素子成形用型

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