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JP2006080548A - 半導体装置 - Google Patents

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JP2006080548A
JP2006080548A JP2005299065A JP2005299065A JP2006080548A JP 2006080548 A JP2006080548 A JP 2006080548A JP 2005299065 A JP2005299065 A JP 2005299065A JP 2005299065 A JP2005299065 A JP 2005299065A JP 2006080548 A JP2006080548 A JP 2006080548A
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JP2005299065A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yamane
宏幸 山根
Yasushi Higuchi
安史 樋口
Mitsutaka Katada
満孝 堅田
Noriyuki Iwamori
則行 岩森
Tsutomu Kawaguchi
勉 川口
Takeshi Kuzuhara
葛原  剛
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

【課題】エンハンスメント型のMOS構造を有する半導体装置において、大きなリーク電流を発生させないようにする。
【解決手段】エンハンスメント型トランジスタにおいて、ゲート電極13下のチャネル領域に形成される高濃度P領域17を、ソース領域15bに接し、ドレイン領域15aに接しないようにする。このことによって、ドレイン領域15aと高濃度P領域17間のPN接合がなくなり、リーク電流を低減することができる。また、ドレイン領域15aと高濃度P領域17との距離は、ドレイン領域15aに動作電圧が印可されたときに拡がる空乏層が、高濃度P領域17の内部に拡がったとしても、空乏層内部の電界がアバランシェ降伏あるいはツェナー降伏を発生させる臨界電界に達しないような距離とする。これによりアバランシェ降伏あるいはツェナー降伏によるリーク電流の増大を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、MIS(Metal Insulator Semiconductor)構造を有するエンハンスメント型の半導体装置に関し、例えばROM(Read Only Memory)に関する。
従来、マスクROMを構成する際には、エンハンスメント型ROMトランジスタが用いられている。この場合、イオン注入により、ゲート電極を通過し、チャネル領域にイオンを到達させてしきい値を変化させるいわゆるイオン注入型ROMがよく用いられている。
このイオン注入型ROMをNchトランジスタで構成した場合の製造方法を図16により説明する。
Nchトランジスタの場合、P型のSi単結晶基板11を、例えば酸素ガス、あるいはH2Oと酸素ガスの混合ガス等の酸化性雰囲気で酸化してゲート酸化膜12を形成し、その上に例えば高濃度のリンをドーピングした多結晶シリコンによりゲート電極13を形成する(図16(a))。
次に、後述するイオン注入時に注入されたイオンがゲート電極13である多結晶シリコンをチャネリングしないように、シリコンの全面に非晶質の酸化膜、窒化膜といった膜14を適当な厚さで形成した後、ドナー不純物(例えば、ひ素、リン、あるいは両方)を注入しドレイン領域15a、ソース領域15bを形成する(図16(b))。
その後、フォトレジスト16を形成し、エンハンスメント型ROMとするために、例えばボロン、BF2等のアクセプタ不純物をチャネル領域に注入し、基板11より高い不純物濃度の高濃度P領域17をチャネル領域全面に形成する(図16(c))。
その後、全面に例えばBPSG膜よりなる層間絶縁膜18を形成し、ドレイン領域15aおよびソース領域15bに達するように層間絶縁膜18及びその下のゲート酸化膜12の一部を開口し、コンタクト孔を形成する。さらに、アルミニウムなどの金属膜を蒸着、スパッタ、化学気相成長法等により成膜し、不要部を除去してドレイン電極19aおよびソース電極19bを形成する(図16(d))。
以上により、エンハンスメント型ROMが形成される。このROMとしてのメモリ機能は、高濃度P領域17の不純物濃度の設定により行われる。また、このエンハンスメント型ROMを動作させる場合には、例えば基板11とソース電極19bとを0Vに設定し、ドレイン電極19aを1〜5Vに設定する。すなわち、基板11とソース電極19bを同電位にし、ドレイン電極19aをそれより高電位に設定する。
しかしながら、上記のようにして構成されるエンハンスメント型ROMにおいて、ドレイン領域15aとチャネル領域の接する領域で、イオン注入をしない(高濃度P領域17を形成しない)場合に比べ耐圧が低くなり、ドレイン領域15aから基板11、あるいはソース領域15bにリーク電流が発生するという問題が発生した。
この問題について本願発明者等が種々に検討したところ、高濃度のN型ドレイン領域15aと高濃度P領域17によるPN接合がドレイン領域15aとチャネル領域の間で形成され、ドレイン領域15aは基板11に対して例えば1〜5V程度高い電圧が印加されるため、上記のPN接合によりツェナー降伏あるいはアバランシェ(電子雪崩)降伏の作用が生じ、リーク電流が大きくなるものと考えられる。
なお、チャネル領域全面に形成される高濃度P領域17の不純物濃度は、例えば、基板11の不純物濃度が約1016〜1017/cm3、ドレイン領域15a、ソース領域15bの不純物濃度が約1020/cm3の場合、1018/cm3オーダーのものである。
従って、しきい値電圧を高くするためにチャネル領域の高濃度P領域17の不純物濃度を高くする程、前述のごとくエンハンスメント型ROMでは、チャネル領域とドレイン領域15a端部の間に大きなリーク電流が発生し、耐圧が低くなってしまう。また、消費電力も増大してしまう。
本発明は上記した問題に鑑みたもので、エンハンスメント型のMOS構造を有する半導体装置において、リーク電流を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、発明者らは、エンハンスメント型のMOS構造を有する半導体装置において、上記チャネル領域の高濃度P領域17をドレイン側には形成せず、ゲート電極下からソース領域周辺に形成することを考案した。
しかしながら、ドレイン領域に高濃度P領域を形成しなくとも、高濃度P領域の端部がドレイン領域の端部に近いと、リーク電流が十分低下しないことが分かった。
これは、実際に、エンハンスメント型のMOS構造のトランジスタに動作電圧(例えば5V)を印加した際に、ドレイン領域とチャネル領域とのPN接合から印加電圧に応じて空乏層が拡がり、その空乏層が高濃度P領域に達してその内部に伸びることになるが、高濃度領域の内部では不純物濃度が高濃度になることによって空乏層が伸びにくくなり、その状態になると空乏層領域内の電界強度の上昇が速まる。そして、実使用時の定格電圧であっても空乏層内の電界がアバランシェあるいはツェナー降伏を発せさせる臨界電界に達してしまい、リーク電流が発生すると考えられる。
従って、動作電圧が印可されたときに、ドレイン領域とチャネル領域とのPN接合から延びる空乏層が、たとえ高濃度P領域に達して内部に伸びたとしても、空乏層内部の電界がアバランシェ降伏あるいはツェナー降伏を発生させる臨界電界に達しないような位置に高濃度P領域を形成するようにすればよい。
すなわち、請求項1に記載の半導体装置は、半導体領域上にゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成され、ソース・ドレイン領域が形成されたMOS構造の半導体装置において、ソース・ドレイン領域間のチャネル領域にチャネル領域と同一導電型であって、このチャネル領域よりも高濃度の不純物濃度を有する高濃度領域を有し、この高濃度領域が、前記ソース・ドレイン領域から離間して配置されることを特徴とする。
そして、この高濃度領域が、実使用時の定格電圧が前記ドレインに印加されるときに、前記ドレイン領域と前記半導体領域との間に形成されるPN接合から前記半導体領域内に拡がる空乏層内部の電界が、アバランシェ降伏を発生させる臨界電界、あるいはツェナー降伏を発生させる臨界電界に達しないような位置に設定することにより、たとえ空乏層が高濃度領域に達し、その内部に伸びたとしても、空乏層内部の電界がアバランシェあるいはツェナー降伏を発生させる臨界電界に達することはないから、アバランシェあるいはツェナー降伏によるリーク電流の増大を抑制することができる。
また、動作電圧が印加されるときに、ドレイン領域とチャネル領域とのPN接合から伸びる空乏層が高濃度P領域内にまで伸びないように、高濃度P領域の位置を決定すれば、空乏層が、高濃度P領域に達したとしてもその内部に伸びないため、空乏層において、高濃度領域内に空乏層が伸びることによる電界強度の上昇を抑えることができる。従って、空乏層内の電界の上昇をより抑えることができるから、リーク電流の増大をより抑制することができる。
また、高濃度領域の端部の位置、あるいは高濃度領域の端部とドレイン領域の端部との距離を、定格電圧が印加される実使用時に、ドレイン領域と半導体領域との間に形成されるPN接合から空乏層が高濃度領域に向かって拡がっても、空乏層が高濃度領域に到達しないように設定してもよい。この場合、定格電圧が印加されて空乏層が拡がったとしても、空乏層が高濃度領域に達しないのであるから、より確実に空乏層内部での電界強度の上昇を抑制し、リーク電流の増大を抑制することができる。
なお、高濃度領域が、ソース領域およびドレイン領域のいずれからも離間して形成されていることにより、ドレイン領域、ソース領域のいずれに、半導体領域に対して高い電位を印加しても大きなリーク電流が発生することはない。従って、リーク電流の増大を抑制することができる。
なお、MIS型メモリとして用いた場合、待機時におけるリーク電流を抑制することができ、無駄な消費電力を抑制することができる。また、実使用時にオン状態にならないMIS型メモリとして用いることもできる。この場合、常にオフ状態のメモリとなるため、常に電流が流れないメモリとなる。従って、通常動作において、電流の流れることのないメモリとして、リーク電流を抑制することができるため、無駄な消費電力を抑制することができる。
なお、上記構造の製造方法としては、半導体領域上にゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成され、ソース・ドレイン領域が形成されたMOS構造の半導体装置において、ソース・ドレイン領域間のチャネル領域に、このチャネル領域と同一導電型であって、このチャネル領域よりも高濃度の不純物濃度を有する高濃度領域をイオン注入により形成する際に、イオン注入のマスクを、ソース・ドレイン領域全てを覆うとともに、ゲート電極の所定領域までを覆うように形成するようにすることで実現できる。そして、前記イオン注入時の前記マスクの作用により、前記マスクで覆われない領域において、前記ゲート電極及び前記ゲート絶縁膜を通過する加速エネルギーで第1導電型の不純物がイオン注入されて、高濃度領域の端部を、前記ソース・ドレイン領域から離間して形成するとともに、実使用時の定格電圧が前記ドレイン領域に印加されるときに、前記ドレイン領域と前記半導体領域との間に形成されるPN接合から前記半導体領域内に拡がる空乏層内部の電界が、アバランシェあるいはツェナー降伏を発生させる電界に達しないような位置に形成すればよい。また、前記イオン注入時のマスクの作用により、高濃度領域の端部を、実使用時の定格電圧が前記ドレイン領域に印加されるときに、前記ドレイン領域と前記半導体領域との間に形成されるPN接合から前記半導体領域内に拡がる空乏層が前記高濃度領域内に伸びないような位置に、あるいは前記高濃度領域に到達しない位置に、容易に形成することもできる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示すものであり、エンハンスメント型トランジスタの1つである半導体記憶装置としてのROMの断面図を示すものである。
P型の半導体基板(あるいは基板に形成したPウェル領域)11の上にゲート酸化膜12を有し、さらにその上に多結晶シリコンゲート電極13を備えたMOSトランジスタにおいて、アクセプタ不純物(例えばボロン)の注入により形成される高濃度P領域17をソース領域15bの近傍にのみ形成し、高濃度P領域17がドレイン領域15aに接しない構成としている。
図1中のドレイン領域15a、ソース領域15bのそれぞれの周辺にある点線で示す領域は、ドレイン電圧を5V、ゲート電圧、ソース電圧および基板電圧を0Vにしたときの空乏層の拡がりを示すものである。ソース領域15b側に拡がる空乏層dep2は、あまり拡がらないが、ドレイン領域15a側に拡がる空乏層dep1は、空乏層dep2よりも拡がっている。また、空乏層dep1は、ゲート電極13下であって半導体基板11表面において、高濃度P領域17側へ伸びていることが分かる。
本実施例においては、高濃度P領域の端部を、実使用時における定格電圧(動作電圧)が印加されるとき、ドレイン領域15aとチャネル領域との間に形成されるPN接合から伸びる空乏層が高濃度P領域17に達し、その内部に伸びたとしても、空乏層内の電界がアバランシェあるいはツェナー降伏を発生させる臨界電界に達しないような位置に形成されている。
従って、動作電圧(例えば5V)が印加されても、空乏層内の電界がアバランシェあるいはツェナー降伏を発生させる臨界電界に達することはないから、それらによるリーク電流の増大を防止することができる。
よって、高濃度P領域17の不純物濃度を高くしてしきい値電圧を高くした場合であっても、それによりチャネル領域とドレイン領域15aの端部の間には大きなリーク電流が発生せず、従来技術に比べて耐圧を大きくすることができる。尚、アバランシェ降伏となるかツェナー降伏となるかは、ドレイン領域15aと、このドレイン領域15aに接するチャネル領域あるいは高濃度P領域の不純物濃度によって変わる。すなわち、不純物濃度が高いとき、半導体のエネルギーバンドは大きく曲がり、電子が価電子帯から伝導帯に遷移してしまうトンネリング現象によって大量の電流が流れるようになる。この効果をトンネル効果といい、このトンネル効果による降伏をツェナー降伏という。また、不純物濃度があまり高くないときは、トンネリング現象を起こすようなエネルギーバンド状態となる前に、強い電界によって電子の衝突イオン化現象が発生することで大量の電流が流れるようになる。このような降伏をアバランシェ降伏という。また、アバランシェ降伏とツェナー降伏は、混在して発生することもある。
次に、上記エンハンスメント型トランジスタの製造方法を図2を用いて説明する。
図2(a)、(b)に示す工程は、図16(a)、(b)に示すものと同じである。
図2(c)の工程において、ゲート電極13上の所定位置からドレイン領域15aをマスクとなるフォトレジスト16で覆い、その後、アクセプタ不純物(例えば、ボロン)をイオン注入し、活性化のための熱処理を施すことにより、ゲート電極13下の基板11のソース近傍のみにアクセプタ不純物濃度の高い高濃度P領域17を形成する。
このイオン注入のイオンドーズ量、加速電圧を適当に変え、高濃度P領域17の濃度を所望の値に設定すれば、しきい値電圧を所望の値に設定できる。具体的にはイオンのプロジェクティドレンジRp がゲート酸化膜12、ゲート電極13と膜14を通過する加速エネルギーに設定すると、再現性よくしきい値電圧を制御することが可能である。
すなわち、フォトレジスト16にて覆われていない領域において、ゲート電極13およびゲート酸化膜を通過させてイオン注入し、高濃度P領域17を形成しているため、安定してしきい値をシフトさせることができるとともに、ゲート電極を通過させるようにしていることで、ソース側近傍のみに高濃度P領域を形成する場合であっても イオン注入量を変更するだけで、容易にしきい値のシフト量を多くすることができる。これは、ゲート電極をマスクとしてイオン注入し、熱拡散によって高濃度P領域を形成する場合には非常に困難な点を解消できるものである。
このプロジェクティドレンジRpは、イオン注入の注入深さを示す値であり、最も注入されたイオン量の多い深さを示すものである。従って、イオン注入される領域には、当然分布を有するものであり、深さ方向に対する広がり(標準偏差)をΔRpとし、横方向に対する広がり(標準偏差)をΔRpxとする。
従って、イオン注入の際には、このΔRpやΔRpxを考慮して、イオン注入の加速エネルギーやフォトレジストの位置あるいはイオン注入の注入角度を調節する必要がある。例えば、高濃度P領域の形成領域を変更する場合には、注入角度を変更してやれば、フォトレジストのパターンを変える必要がなくなることもある。
また、このときゲート電極13上でフォトレジスト16を被覆する距離(ドレイン領域端部からフォトレジスト端部までの距離)dとしては、ドレイン領域15aとチャネル領域との境界から加速エネルギーに対応する横方向広がり標準偏差ΔRpx程度を考慮して、次のように設定する必要がある。
すなわち、ドレイン領域15aに動作電圧(例えば5.0V)が印可されたときに、ドレイン領域15aとP型の半導体基板11との間に形成されるPN接合から空乏層が拡がる。そして、この空乏層がたとえ高濃度P領域17に到達したとしても、空乏層の伸びが高濃度P領域17の端部にて停止し、空乏層が高濃度P領域17の内部に拡がらないような距離とする必要がある。そうすることにより、高濃度P領域17内部に空乏層が伸びることによる空乏層内部での電界強度の上昇を抑えることができるため、リーク電流の増大を抑制することができる。
また、空乏層が拡がってきても、上記動作電圧では高濃度P領域17の端部に到達しないような距離であれば、より確実にリーク電流の増大を抑制することができる。尚、上記動作電圧は、特許請求の範囲でいう実使用時の定格電圧のことを表す。
具体的には多結晶シリコンで形成された厚さ350nmのゲート電極13と100nmの膜14を通過させる場合は、距離dとしては0.05μm以上が適当である。
また、ドレイン領域15aをフォトレジスト16で覆いドレイン領域15a近傍まで高濃度P領域17が形成されないようにすることで、ドレイン領域15aから基板11、あるいはソース領域15bへのリーク電流の発生を防ぐことができる。
また、図3に示すように、マスクパターン(図中の点線で示す領域)のソース領域15b端からの距離xは0より大きい値を取り、ソース領域15bとの重なりの度合いが減少しないようにする。この場合、レジストずれを考慮して余裕ある値にする。それにより、レジストずれによるしきい値電圧のばらつきを抑制でき、比較的安定した値を得ることができる。
その後、フォトレジスト16を取り除き、全面に例えばPSG、BPSG膜等の層間絶縁膜18を例えば化学気相成長法、スパッタ法、蒸着法等により形成し、ドレインおよびソース電極となる部分を開孔してアルミニウムなどの金属を蒸着し不要部を除去してドレイン電極19aおよびソース電極19bを形成する(図2(d))。
以上により、図1に示したエンハンスメト型トランジスタが製造される。
図4に、高濃度P領域を形成する際のフォトレジスト16の覆う位置を変化させてイオン注入した際のしきい値電圧の変化とリーク電流の変化を示す。
図4(a)は、フォトレジスト16の位置を変化させるとき、ドレイン領域15aの端部と高濃度P領域17の端部との距離dが変化することを示す模式図である。尚、今回のサンプルは、高濃度P領域17は、ドーズ量が1.5×1014cm-2で、加速電圧が145kevにてボロンイオンを注入して形成することで、不純物濃度が4.5×1018cm-3の不純物濃度に設定されている。また、ゲート電極長を1.0μmに形成したものであるが、実際には、ドレイン領域15aとソース領域15bは、横方向の拡散により、それぞれ0.1μm程度ゲート電極13下に拡散しているため、実効チャネル長に対応する実質的なゲート電極長は、0.8μmとなる。図4(a)の模式図では、実効チャネル長に対応する実質的なゲート電極長を図示したものである。従って、図4(b)に示すグラフの0.4μmの位置が実質的なゲート電極の中央になる。
図4(b)は、フォトレジスト位置を変化させて形成したサンプルにおいて、ドレイン領域15aにROMの動作電圧と同じ5Vの電圧を印可したときに、しきい値電圧およびリーク電流がどのように変化するかをシミュレーションデータと実測データにて表したグラフである。尚、グラフ中で、シミュレーション結果は点線で示し、実測値は黒丸で示す。また、実測値はサンプル数n=5のときの平均値である。また、イオン注入時の横方向への拡がりは、フォトレジスト16の端部に対して約0.1μmだけドレイン領域側に拡がる。
図4(b)で、グラフの横軸であるフォトレジスト位置において、0μmの位置は、図4(a)に示すフォトレジスト16がドレイン領域15a側のゲート電極端に位置するときであり、この状態でイオン注入すると、高濃度P領域17は、不純物イオンの横方向の拡がりにより、ドレイン領域15aに十分に接することになる。
図4(b)のグラフから、シミュレーション結果及び実測値の両方において、フォトレジスト16の位置が0.2μmよりも小さくなると、(高濃度P領域17がドレイン領域15aに近づくと)急激にリーク電流が増大することが分かる。これは、ドレイン領域15a側から伸びる空乏層が、高濃度P領域17に達し、その高濃度P領域17の内部に空乏層が拡がり、空乏層内部での電界強度が高まることによって、アバランシェあるいはツェナー降伏を発生させる臨界電界に達してしまい、リーク電流が増大するものと考えられる。
このグラフから高濃度P領域は、ドレイン領域15aから所定距離だけ離す必要があることが分かる。その所定距離は、動作電圧がドレイン領域15aに印加されたとき、ドレイン領域15aから拡がる空乏層が高濃度P領域に到達して、その内部に空乏層が拡がったとしても、空乏層内の電界が臨界電界に達しないような距離に設定されていることが必要である。
しかしながら、動作電圧が印加されたとき、ドレイン領域15a側から伸びる空乏層が高濃度P領域内部に伸びてしまうと、電界強度の上昇が速まり、空乏層内部の電界が臨界電界に達しやすくなり、アバランシェ降伏やツェナー降伏によるリーク電流の発生する可能性が高くなる。
従って、動作電圧が印加されたときに、ドレイン領域15a側から伸びる空乏層が高濃度P領域に到達したとしても、その内部に空乏層が拡がらないような距離にすれば、空乏層が高濃度P領域内に拡がることによって生じる電界強度の上昇を抑制することができ、アバランシェ降伏やツェナー降伏によるリーク電流がより発生しにくくなる。その結果、リーク電流の増大を確実に抑制することができることになる。
さらに、その距離を空乏層が高濃度P領域に到達しないようにすれば、動作電圧が印加されても、半導体基板11におけるチャネル領域内部にしか空乏層が伸びないため、高濃度P領域による空乏層内の電界強度の上昇を確実になくすことができ、従って、空乏層内の電界がアバランシェあるいはツェナー降伏を発生させる臨界電界に達する可能性がさらに低下することになり、リーク電流の増大をさらに確実に抑制することができる。
図5には、図4(a)に示すようなサンプルのうち、フォトレジスト16の位置を図4(b)に示す0.5μmの位置、すなわち、実質的なゲート電極中心(0.4μm)よりも0.1μmだけソース領域15b寄りに設定して高濃度P領域を図4(a)に示すものと同じ条件にて作成したサンプルによる、しきい値電圧特性(図5(a))とリーク電圧特性(図5(b))を示す。尚、このとき、ドレイン領域15aと高濃度P領域との距離dは、イオン注入されたボロンイオンが横方向に0.1μm拡がるため、0.4μmとなる。
図5(a)は、ゲート電圧を変化させたときのドレイン電流を表したグラフである。図5(a)から、しきい値電圧は、高濃度P領域を形成する前は、しきい値電圧Vt が0.8Vであったものが、高濃度P領域を形成した後には、しきい値電圧がVt が8Vとメモリとして十分機能することが分かる。
図5(b)は、ゲート電極には電圧を印可しない状態で、ドレイン電圧を変化させたときにドレインから流れる電流、即ちリーク電流を表したグラフである。図5(b)から、リーク電流(ドレイン電流)は、同じ条件で、ドレイン領域15aまで高濃度P領域を形成した従来のサンプルでは、動作電圧の5V付近でリーク電流が、1×10-9〜1×10-6Aと非常に大きいのに対し、本実施例のサンプルでは動作電圧の5Vでは、リーク電流が1×10-11 程度と非常に小さいことが分かる。そして、ドレイン電圧が10V程度までリーク電流を低く抑えることができる。また、ソース領域15bの近傍に高濃度P領域を形成する場合(図5(b)中の「イオン注入有り」)と、高濃度P領域を形成しない場合(図5(b)中の「イオン注入無し」)とでは、リーク電流の程度がほとんど同じであり、本実施例のサンプルは、リーク電流が非常に小さく抑えられていることが良く分かる。
また、図6に従来のエンハンスメント型ROMと本実施例のエンハンスメント型ROMのリーク特性評価結果を示す。このROMのしきい値電圧は11Vである。従来技術ではリーク電流が1mA程度流れメモリとしては使用不可能であるのに対し、本実施例ではリーク電流が10pA以下のレベルであり、実用上リーク電流は全く問題はない。
図7,8に上述したような本実施例のエンハンスメント型トランジスタをNOR型ROMに用いたものを示す。
図7は、NOR型ROMの平面パターン図の一部を示すものである。NOR型ROMは、ソース領域を共通としてトランジスタが接続されており、CSは共通ソース領域であり、Sc はソース引き出し電極である。また、d1a〜d1e,d2a〜d2eは各ドレイン領域を表し、D1a〜D1e,D2a〜D2eは各ドレイン引き出し電極を表す。また、g1 ,g2 はゲート電極を表し、G1 ,G2 はそれぞれゲート引き出し電極を表す。また、各引き出し電極の中にある四角形の領域は、各引き出し電極と、ドレイン領域、共通ソース領域、ゲート電極とのコンタクト領域を表す。
そして、図中に示す17が上記実施例の高濃度P領域に対応する。この高濃度P領域17は、共通ソース領域側のみに形成されており、また、図3に示すパターンと同様に、ゲート電極g1 に接している共通ソースCSのソース領域端よりも大きくなるようにxが設定されている。
図8は、図7に示すパターン図のA−A’断面図を示すものであり、ゲート電極g1 側のトランジスタにおいて、共通ソース領域CS近傍のみに高濃度P領域17が形成されている。尚、このROMにおいては、電界緩和のために、ドレイン領域やソース領域よりも不純物濃度の低いLDD領域が、ソース領域およびドレイン領域よりもゲート電極下に位置するように形成されている。実使用時にいては、ドレイン領域に動作電圧5Vが印可され、共通ソース領域および基板Subは、グランド電位とされる。このとき、ゲート電極g1 に読み出し電圧が印可されたとしても、高濃度P領域17によって、しきい値電圧が高められているので、ドレイン領域d1bと共通ソース領域CSとの間にはチャネルが形成されないため、電流は流れず、ドレイン領域d1bの電位は5Vのままである。一方、ゲート電極g2 に読み出し電圧が印可されると、共通ソース領域CSのゲート電極g2 側には高濃度P領域17は存在していないため、ドレイン領域d2bと共通ソース領域CSとの間にチャネルが形成されて電流が流れ、ドレイン領域d2bは、ほぼグランド電位となる。
図9に本発明の第2実施例を示す。
この第2実施例においては、ドレイン領域15a、ソース領域15bいずれにも高濃度P領域17が接しないようにしたものである。なお、図9は、図2(c)の工程に対応する部分を示している。
この図9に示す工程により得られるエンハンスメト型ROMにおいては、ドレイン領域15a、ソース領域15bのいずれに、基板11に対して高い電位を印加しても高いリーク電流が発生することはない。また、ソースとドレインを逆に使用できるため、回路設計上自由度が向上するという特徴を有している。
図10に本発明の第3実施例を示す。この第3実施例は、上記第1実施例に対し、しきい値電圧を上昇させるためのイオン注入を斜め方向(注入角θとして45度程度を用いる)から行い、高濃度P領域17を形成したものである。なお、図10は、図2(c)の工程に対応する部分を示している。
この場合、イオン注入の際の加速電圧(あるいは加速エネルギー)を調節して、つまり、ゲート電極13の側面131から注入されたイオンが主にチャネル領域に到達し、ゲート電極13の上面132から注入されたイオンはチャネル領域には到達しないように設定すれば、ソース領域15bの近傍のみにイオンが到達し、第1実施例と同様の効果が得られる。
図11を用いて、イオン注入における加速電圧の調節方法の考えを示す。
イオン注入の注入深さは、一般にプロジェクティドレンジRp で表される。しかしながら、注入されるイオンは深さ方向に対して分布があり、その標準偏差をΔRp とすると、例えば今回のように、ゲート電極上面から注入されるイオンは、基板のチャネル領域には到達せず、ゲート電極の側面から注入されるイオンは、チャネル領域に到達するというように、イオンの注入深さを厳密に考える場合には、この標準偏差分を考慮して加速エネルギーを設定する必要がある。
そのときの注入深さをRp +nΔRp とする。ただし、n>0であり、この式は、プロジェクティドレンジの標準偏差ΔRp のn倍を含めて注入深さを考えるようにしたものである。また、上式で標準偏差の何倍まで考慮するかは、要求されるトランジスタ特性から考えればよい。
図11(a)に示すように、基板Subに対して斜めからイオン注入する場合、基板Sub対して垂直な方向とのなす角を注入角θとし、図10のゲート酸化膜12とゲート電極13および膜14の厚さの和をtとすると、ゲート電極の角部Ed(図10では膜14の角部Ed)から注入角θ方向に見た基板までの幾何学的距離はt/cos θとなる。
図11(b)に示すように、注入深さがRp +nΔRp >t/cos θのときは、ゲート電極の側面からだけでなく、ゲート電極上面から注入されるイオンもゲート電極を通過して、基板Subに達することになる。
また、図11(c)に示すように、注入深さがRp +nΔRp =t/cos θのときは、ゲート電極の上面から注入されたイオンは、ちょうど基板Subの表面に到達してしまう。
そこで、図11(d)に示すように、Rp +nΔRp <t/cos θとすれば、ゲート電極上面から注入されたイオンはゲート電極中のみに注入されることになり、基板Subの表面に達することはない。従って、この条件で斜めイオン注入を行うことが要求される。
このような斜めイオン注入を行うことにより、高濃度P領域17は図に示すようにソース領域15b近傍に形成され、ドレイン領域15aへの拡がり抑えることができるため、高濃度P領域17がドレイン領域15aに接することが一層なくなる。従って、ゲート電極13の幅をより狭めることができ、よって、トランジスタの小型化が図れることになる。
また、上記第1実施例では、フォトレジスト16の位置により、ドレイン領域15aと高濃度P領域17との位置関係を決定するものであるため、フォトレジストのゲート電極上での位置精度が要求されるが、本実施例によれば、ゲート電極13の上面がフォトレジスト16に代わるマスクとなるわけであるから、フォトレジストのゲート電極上での位置精度は要求されない。ドレイン領域15aが完全に覆われるようにすればよい。
さらに、図10ではフォトレジスト16がドレイン領域15aとゲート電極13上の一部に被覆された例を示している。しかしながら、イオン注入する領域が一方向に決まっている場合で、しかも高濃度P領域17がドレイン拡散深さより深くならない場合、あるいはドレイン領域にイオン注入されない条件に設定可能な場合はフォトレジスト16を設ける必要はない。
また、第1実施例と同一のしきい値を実現する際、注入するイオンの加速エネルギーを第1実施例に比べて小さくすることができるため、注入されたイオンによるゲート酸化膜12への損傷を低減することが可能になる。
図12に本発明の第4実施例を示す。
この第4実施例は、上記第3実施例と同様に、イオン注入を斜め方向から行い、高濃度P領域17を形成したものである。なお、図12は、図2(c)の工程に対応する部分を示している。
第3実施例と異なる点は、ゲート電極13がポリシリコン部13aとタングステンシリサイド(WSi2 )部13bとの積層構造になっている点である。
WSi2 はシリコンに比べプロジェクティドレンジが小さい。例えば、WSi2 におけるプロジェクティドレンジをRp(WSi2) 、シリコンのプロジェクティドレンジをRp(Si) とすると、ボロンイオン(B+ )を100kevの加速エネルギーで注入する場合、Rp(WSi2) =1440Åとなり、Rp(Si) =2968Åとなる。つまり、Rp(WSi2) は、Rp(Si) の1/2程度である。すなわち、同じ加速エネルギーであれば、ボロンイオンは、WSi2 の中では、シリコン中を通過するときの1/2の距離しか侵入しないことになる。従って、ゲート電極13の側面のみを通過してイオン注入する際には、WSi2 がイオン注入時のイオン注入阻止領域となり、ゲート電極の上面からのイオンが基板に注入されることを確実に防止できる。
さらに、ゲート電極の側面においてもポリシリコンの側面131aから注入されるイオンは、基板表面に到達できたとしても、WSi2 の側面131bを通過するイオンは、基板表面に達することはない。従って、ゲート電極の側面の下半分から注入されるイオンのみ基板表面に到達することができるため、高濃度P領域17を、よりソース領域15bの近傍に形成することが可能となる。
よって、かなりの微細化が進んでも実施例1で示したようなリーク電流の増大を抑制する構造として対応できる。
このことは、単に本発明のしきい値電圧を調節するための高濃度P領域を形成するための製法にとどまらず、例えば図8に示したソース領域及びドレイン領域と同じ導電型で、電界を緩和させるためのLDD領域を形成する際にも有効である。さらには、ソース領域やドレイン領域を形成する場合にも実効チャネル長を精度よく形成する上で有効な製法となる。
つまり、ゲート電極の側面を通過させるようなイオン注入を行い、ゲート電極下に配置される不純物領域を形成するときに、微細化に伴って、不純物領域の端部の位置精度をより高めることが要求される場合には、図12のWSi2 の側面131bにて、プロジェクティドレンジを急激に変化させることができるため、不純物領域の端部を精度良く形成することができる。これによって、例えばしきい値ばらつきを抑制する効果が得られる。
すなわち、第3実施例のように加速電圧によりプロジェクティドレンジを調整する場合には、ゲート電極の膜厚ばらつき、注入されるイオンに与えられる加速エネルギーのばらつき、ゲート電極の膜質の微妙な変化等の理由により、たとえ加速電圧を調節したとしても、形成される高濃度P領域の端部の分布はそれなりに大きくなってしまう。それを本実施例のようにゲート電極の表面あるいは途中で、同じ加速電圧であればプロジェクティドレンジが異なる部材を設けることにより、その部材を境にイオン注入されるチャネル領域と、イオン注入されない領域とが明確に分かれることになる。単にイオン注入の横方向の拡がりだけを考えればよい。従って、高濃度P領域の端部を精度良く形成することができるのである。また、第3実施例同様、フォトレジスト16の位置精度は要求されず、フォトレジストを形成する必要のある場合(第3実施例で説明している場合のことを言う)、ドレイン領域15aが完全に覆われるような精度で十分である。
また、WSi2 は、金属化合物であるため、ゲート電極の抵抗値を低下させる効果もある。
以上をまとめると、上述のようにゲート電極を積層構造にして、上層部に金属化合物を用いることは、単にゲート電極の抵抗値を低下させるのみではなく、注入される不純物を基板表面に到達しないようにすることができるため、第3実施例のようにエネルギーのみで通過させるイオン注入をするときに比べ、より高精度に不純物領域の端部の位置決めが可能となる効果がある。
また、上記効果を得るためには、積層構造のゲート電極を必ずしもポリシリコンとWSi2 との積層構造にする必要はなく、上層部が下層部よりも重い原子量を含む材料を用いればよい。これは、イオン注入される不純物は、原子量の軽い領域を通過するときよりも原子量の重い領域を通過するときの方が散乱されやすく、プロジェクティドレンジが小さくなるためである。また、電極としての性質を考えれば抵抗値の低い金属材料を用いるとよい。
また、ゲート電極の下層部がシリコン系の材料からなるときは、イオン遮断層となるゲート電極の上層部として、シリコンよりも原子量が重く、シリサイドを形成するような材料を用いることができる。例えば、WSi2 ,MoSi2 ,TiSi2 ,CoSi2 等がある。これらW,Mo,Ti,CoはSiよりも原子量が重いため、注入されたイオンの侵入を抑制する能力が高い。他にもSiよりも原子量の重い金属であればイオン遮断層となるゲート電極の上層部として適用可能である。
次に、図13及び図14を用いて図12に示す半導体装置の製造方法に関連した製造工程を示す。
図13(a)の工程において、P型Si基板(あるいはPウェル)11を用意し、ゲート酸化膜12を形成する。次にゲート電極を形成するために、ポリシリコン13aを堆積する。その後、図13(b)の工程において、ポリシリコン13aの上部にイオン遮断層として例えばWSi2 からなるシリサイド(金属珪化物)層13bをスパッタ蒸着法、またはCVD法にて形成する。その後、図13(c)の工程において、異方性エッチングを行いポリシリコン13aとシリサイド層13bとをパターニングし、ゲート電極13’としてのポリサイド(金属珪化物とポリシリコンの2層構造)が形成される。その後、図13(d)の工程において、必要に応じて酸化膜14を形成する。その後、N型不純物であるヒ素あるいはリンあるいはその両方をイオン注入してドレイン領域15a、ソース領域15bを形成する。
次に、図14(a)の工程において、フォトレジスト16を形成した状態で、ROMデータ書き込み、すなわち、しきい値を上昇させるためのボロンのイオン注入を行う。この場合、ボロンイオンの入射角度、加速電圧(加速エネルギー)、ドーズ量の関係により、確実にドレイン領域15aの端部から、第1実施例で説明したような所定距離を隔てて高濃度P領域17を形成できる。また、ソース領域15bからの距離、濃度を所望の値にすることで、しきい値電圧を所望の値に設定することができる。その後、図14(b)の工程において、フォトレジスト16を剥離し、全面に例えばPSG、BPSG膜等の層間絶縁膜18を例えば化学気相成長法、スパッタ法、蒸着法等により形成し、ドレインおよびソース電極となる部分を開孔してアルミニウムなどの金属を蒸着し不要部を除去してドレイン電極19aおよびソース電極19bを形成する。
また、シリサイド層13bを形成する別の方法を図15に示す。これは、サリサイドプロセスを表すものである。図15(a)の工程において、P型半導体基板(あるいはP型ウェル領域)11上にゲート酸化膜12及びゲート電極の一部となるポリシリコン13aをパターニングした状態で、スパッタ法あるいはCVD法により酸化膜等の絶縁膜を全面に堆積し、エッチバックを行うことにより、ポリシリコン13aの側面にサイドウォール20を形成し、その後、イオン注入を行い、ドレイン領域15a及びソース領域15bを形成する。
その後、図15(b)の工程において、W,Mo,Ti,Co等のシリコンよりも原子量の重い金属材料20を全面にスパッタ蒸着法で成膜する。その後、図15(c)の工程において、熱処理を行うことで、ポリシリコン13a、ドレイン領域15a、ソース領域15bの上部に反応層22,23a,23bが形成される。その後、図15(d)の工程において、選択ウェットエッチングにより金属材料20の未反応領域を除去し、その後の熱処理によりポリシリコン13a上にシリサイド層13bが形成される。また、同時にドレイン領域15a、ソース領域15b上にもシリサイド層24a,24bが形成される。その後の工程は、図14と同様の工程であり、省略する。
図13、14あるいは図15に示されるエンハンスメント型ROMの形成方法においては、イオン遮断層となるシリサイド層13bによりほぼ完全にゲート電極上面から注入されるイオンの侵入を阻止することができる。これにより、ばらつきが少なく、確実で、安定したしきい値電圧の設定が可能となる。そして、イオン遮断層となるシリサイド層13bの存在により、高濃度P領域の端部を高精度に所望の位置に設定できるため、ゲート電極幅が0.5μm程度まで微細化が進んでも、リーク電流の増大を抑えつつ、しきい値電圧を所望の値まで上昇させることが可能となる。また、図示していないLDD構造を形成する際や、単にソース領域、ドレイン領域を形成する際にも、同様のことがいえる。
また、上記した種々の実施例では、エンハンスメント型トランジスタをNchトランジスタで構成するものを示したが、導電型を全て逆にし上記のエンハンスメント型トランジスタをPchトランジスタで製造しても全く同様の効果が実現できる。
この場合、構造としては図1と同じになり、P型のソース、ドレイン領域に対し、チャネル領域に高濃度N領域が形成される。このようにPchトランジスタとした場合には、ドレイン領域がマイナス側で大きな電圧が印加されるため、ドレイン領域と高濃度N領域が接していると、その間のPN接合によりリーク電流の問題が生じる。従って、高濃度N領域は、図1に示すものと同様、ドレイン領域と離間して形成される。
すなわち、高濃度P(あるいはN)領域は、ドレイン領域側あるいはソース領域側に形成されるPN接合のうち、通常動作においてより大きい逆バイアスが印加されるPN接合から離間して形成されるものである。
なお、上記した実施例では、本発明に係る半導体装置をROMに適用するものについて示したが、他の半導体記憶装置(例えばEPROMなどの2層ゲート電極構造のメモリ)にも適用が可能であるだけでなく、ロジック回路で用いられるMOS構造の半導体装置においても同様に適用し得るものである。
また、上記種々の実施例では、基板(P型半導体基板)にトランジスタを形成しているが、半導体基板に形成した、いわゆるウェル領域に形成しても良い。
本発明の第1実施例に係るNOR型ROMにおけるエンハンスメント型トランジタの断面図である。 図1に示すエンハンスメント型トランジタの製造方法を示す工程図である。 マスクパターンの配置を説明するための説明図である。 (a)は、エンハンスメント型トランジスタの断面図である。(b)は、高濃度Pを形成するときのマスク位置を変化させたときのしきい値あるいはリーク電流を表すグラフである。 (a)は、従来と第1実施例のものとのしきい値評価結果を示すグラフである。(b)は、従来と第1実施例のものとのドレイン電圧を変化させたときのリーク電流を表すグラフである。 従来と第1実施例のものとのリーク特性評価結果を示すグラフである。 NOR型ROMの平面パターンを示す図である。 図7のNOR型ROMのA−A’断面図である。 本発明の第2実施例を示す一工程図である。 本発明の第3実施例を示す一工程図である。 プロジェクティドレンジと注入深さを表す図である。 本発明の第4実施例を示す一工程図である。 本発明の第4実施例を示す工程図である。 本発明の第4実施例を示す工程図である。 本発明の第4実施例を示す工程図である。 従来のROMにおけるエンハンスメント型トランジタの製造方法を示す工程図である。
符号の説明
11 半導体基板
12 ゲート酸化膜
13 ゲート電極
15a ドレイン領域
15b ソース領域
17 高濃度P領域
13a ポリシリコン
13b シリサイド層
d ドレイン領域と高濃度P領域との距離

Claims (6)

  1. 第1導電型の半導体領域と、
    この半導体領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
    前記半導体領域における前記ゲート電極下のチャネル領域を挟んで前記半導体領域の表面に形成された第2導電型のソース領域、ドレイン領域と、
    前記チャネル領域に形成され前記半導体領域の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する第1導電型の高濃度領域とを備えたエンハンスメント型の半導体装置において、
    前記高濃度領域は、前記ソース領域、前記ドレイン領域から離間して配置されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記高濃度領域は、実使用時の定格電圧が前記ドレイン領域に印加されるときに、前記ドレイン領域と前記半導体領域との間に形成されるPN接合から前記半導体領域内に拡がる空乏層内部の電界が、アバランシェ降伏を発生させる臨界電界に達しない位置に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記高濃度領域は、実使用時の定格電圧が前記ドレイン領域に印加されるときに、前記ドレイン領域と前記半導体領域との間に形成されるPN接合から前記半導体領域内に拡がる空乏層内部の電界が、トンネル効果によるツェナー降伏を発生させる臨界電界に達しない位置に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記高濃度領域は、その端部が、実使用時の定格電圧が前記ドレイン領域に印加されるときに、前記ドレイン領域と前記半導体領域との間に形成されるPN接合から前記半導体領域内に拡がる空乏層が、この高濃度領域の内部まで拡がらない位置に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記高濃度領域は、その端部が、実使用時の定格電圧が前記ドレイン領域に印加されるときに、前記ドレイン領域と前記半導体領域との間に形成されるPN接合から前記半導体領域内に拡がる空乏層が到達しない位置に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  6. 前記高濃度領域の端部と前記ソース領域、前記ドレイン領域の端部との間の領域は前記半導体領域の表面領域であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の半導体装置。
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