JP2006052362A - ポリ(4級アンモニウム塩)側鎖を有するグフラト共重合体および電解質膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電解質膜材料は、ハロゲン置換エチレン性不飽和炭化水素モノマーの単独または共重合体を幹ポリマーとし、これにエチレン性不飽和基を有する4級アンモニウム塩型常温溶融塩モノマーを原子移動ラジカル重合法によってグラフト共重合することによって得られる。代りに第1の反応性官能基を有するエチレン性不飽和モノマーをグラフト共重合し、第2の反応性官能基を有する溶融アンモニウム塩をグラフト共重合体の第1の反応性官能基と反応させて溶融アンモニウム塩基を導入することもできる。生成したグラフト共重合体へリチウム塩の適量と、必要により非重合性4級アンモニウム塩型常温溶融塩を添加し、膜に成形することによってリチウムイオン電池の電解質膜を製造する。
Description
また前記重合方法において、ビニル基と水酸基、エポキシ基、イソシアネート基などの官能基を有するモノマーをグラフトした後、官能基を利用して溶融アンモニウム塩を側鎖に導入することもできる。このようなモノマーとしては、メタクリル酸2ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、などが挙げられる。
NMP:N−メチル-2-ピロリドン
BPY:4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル
MOETMA・TFSI:N−メタクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド塩
HTFSI:ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸
攪拌機を備えた三口フラスコにPVDF2gとNMP30gを加えて溶解し、次いで2−シアナートエチルメタアクリートのメチルエチルケトオキシムブロック化物15g(PVDF1単位あたり2mol)を加えて溶解した。次にこの溶液へNMP10g中BPY0.2gと塩化銅(CuCl)0.04gの溶液を加えて攪拌しながらアルゴンガスを吹き込んだ。そして水浴中90℃で20時間反応させた。反応生成物を実施例1と同様に精製・乾燥してグラフト共重合体4.2gを得た。このポリマーをNMP40gに溶解し、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム・TFSI3.5gを加え、145℃で1時間反応させ、側鎖に溶融アンセニウム塩を導入した。反応終了後実施例1と同様に精製することによって溶融アンモニウム塩基が導入された側鎖を有するグラフト共重合体が得られる。
攪拌機を備えた三口フラスコにPVDF2gとNMP30gを加えて溶解し、次いでグリシジルメタクリレート6.7g(PVDF1単位あたり1.5mol)とNMP10g中BPY0.2gおよび塩化銅(CuCl)0.04gの溶液を加えて攪拌し、アルゴンガスを吹き込んだ。そして水浴中90℃で20時間反応させた。反応生成物を実施例1と同様に精製・乾燥してグラフト共重合体2.9gを得た。このポリマーをNMP40gに溶解し、N−(2−カルボキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム・TFSI2.7gを加え、80℃で1時間反応させ、側鎖に溶融アンセニウム塩を導入した。反応終了後実施例1と同様に精製することによって溶融アンモニウム塩基が導入された側鎖を有するグラフト共重合体が得られる。
実施例1の操作に従ってPVDF:MOETMA・TFSIの重量比17:3のグラフト共重合体を製造した。このグラフト共重合体をジメチルアセタミドに溶解し、LiTFSIを加えてグラフト共重合体:リチウム塩の重量比が7:3の溶液とし、ジメチルアセタミドで20重量%に濃度を調整した。この溶液を目盛りを100μmに調節したアプリケーターを用いてガラス板に塗工し、真空下110℃で10分間乾燥し、膜厚30μmのリチウムイオン電池用の電解質膜を得た。この電解質膜のイオン伝導度は26×10−3S/cmであり、引張り強度は13MPaであった。
Claims (17)
- ハロゲン置換エチレン性不飽和炭化水素モノマーの単独または共重合体よりなる幹ポリマーへ原子移動ラジカル重合法によってグラフト共重合した複数のポリ(4級アンモニウム塩)側鎖を有するグラフト共重合体。
- 前記幹ポリマーは、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン)、又はそれらの共重合体である請求項1のグラフト共重合体。
- 前記ポリ(4級アンモニウム塩)側鎖は、エチレン性不飽和基を有する4級アンモニウムカチオンとフッ素原子含有アニオンとの塩である単量体の重合体である請求項1のグラフト共重合体。
- 前記エチレン性不飽和基を有する4級アンモニウムカチオンは、1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、4−ビニル−1−アルキルピリジニウムカチオン、1−アルキル−3−アリルイミダゾリウムカチオン、1−(4−ビニルオキシエチル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、1−ビニルイミダゾリウムカチオン、1−アリルイミダゾリウムカチオン、N−アリルベンゾイミダゾリウムカチオン、N,N-ジアリルアルキルアンモニウムカチオン、N-アルキルピペリジニウムカチオン、ビニルベンジルアルキルアンモニウムカチオン、アクリロイルアミノアルキルアンモニウムカチオンおよびN−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−N,N,N−トリアルキルアンモニウムカチオンからなる群から選ばれる請求項3のグラフト共重合体。
- 前記フッ素含有アニオンは、ビス〔(トリフルオロメチル)スルフォニル〕アミドアニオン、2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルフォニル)アセトアミドアニオン、ビス〔(ペンタフルオロエチル)スルフォニル〕アミドアニオン、ビス(フルオロスルフォニル)アミドアニオン、テトラフルオロボレートアニオン、およびトリフルオロメタンスルフォネートアニオンからなる群から選ばれる請求項3のグラフト共重合体。
- ハロゲン置換エチレン性不飽和炭化水素モノマーの単独または共重合体よりなる幹ポリマーと、該幹ポリマーへ原子移動ラジカル重合法によってグラフト共重合した複数の側鎖を有し、該側鎖はグラフト共重合後導入された溶融アンモニウム塩基を持っているグラフト共重合体。
- 前記幹ポリマーは、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン)、又はそれらの共重合体である請求項1のグラフト共重合体。
- 前記溶融アンモニウム塩基の導入は、幹ポリマーへ第1の反応性官能基を有するエチレン性不飽和モノマーをグラフト共重合し、グラフト共重合後側鎖の第1の反応性官能基との反応によって連結基を形成する第2の反応性官能基を有する溶融アンモニウム塩を反応させることによって行われる請求項6のグラフト共重合体。
- 前記第1の反応性官能基と第2の反応性官能基の組合わせは、イソシアネート基とヒドロキシル基もしくはアミノ基の組合わせ、またはグリシジル基とカルボキシル基の組合わせから選ばれる請求項8のグラフト共重合体。
- 前記第1の反応性官能基を有するエチレン性不飽和モノマーはグリシジル(メタ)アクリレートであり、第2の反応性官能基を有する溶融アンモニウム塩はN−(3−カルボキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムカチオンとビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオンとの塩である請求項9のグラフト共重合体。
- 前記第1の反応官能基を有するエチレン性不飽和モノマーは2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレートのブロック体であり、第2の反応性官能基を有する溶融アンモニウム塩はヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムカチオンとビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、アニオンとの塩である請求項9のグラフト共重合体。
- リチウム塩をドープした請求項1または6のグラフト共重合体からなるリチウムイオン電池用電解質膜。
- 前記リチウム塩は、LiBF4,LiPF6,CnF2n+1CO2Li,(FSO2)2NLi,(CF3SO2)2NLi,(C2F5SO2)2NLi,(CF3SO2−N−COCF3)Li,および(R−SO2−N−SO2CF3)Li〔式中nは1〜4の整数、Rはアルキル基またはアリール〕からなる群から選ばれる請求項12の電解質膜。
- 非重合性溶融4級アンモニウム塩化合物で可塑化されている請求項12の電解質膜。
- 前記非重合性4級アンモニウム塩化合物は、アンモニウムカチオン種がN−メチル−N−プロピルピペジニウムカチオン、N−メトキシエチル−N−メチル−N,N−ジエチルアンモニウムカチオン、またはN,N,N―トリエチル−N−メトキシエチルアンモニウムカチオンから選ばれ、アニオン種がビス〔(トリフルオロメチル)スルフォニル〕アミドアニオン、またはテトラフルオロボレートアニオンから選ばれた4級アンモニウム塩である請求項14の電解質膜。
- 前記リチウム塩のグラフト共重合体に対する重量比が0.1:1〜1:1である請求項12ないし15のいずれかの電解質膜。
- 前記非重合性4級アンモニウム塩化合物のグラフト共重合体に対する重量比が0.1:1〜1:1である請求項14ないし16のいずれかの電解質膜。
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