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JP2005240175A - 浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼とその製造方法 - Google Patents

浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼とその製造方法 Download PDF

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JP2005240175A JP2005021043A JP2005021043A JP2005240175A JP 2005240175 A JP2005240175 A JP 2005240175A JP 2005021043 A JP2005021043 A JP 2005021043A JP 2005021043 A JP2005021043 A JP 2005021043A JP 2005240175 A JP2005240175 A JP 2005240175A
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Abstract

【課題】 浸炭焼入れ工程において粗大粒の発生を安定的に抑制することができ、浸炭焼入れ後の歪みや曲がりの発生を防止することができ、ならびに高温浸炭においても粗大粒の発生を防止し、転動疲労等の十分な強度特性を得ることができる肌焼鋼とその製造方法を提供する。
【解決手段】 Ti:0.05〜0.2%他特定成分を特定範囲含有し、N:0.0051%未満に制限し、又はさらに、Nb:0.04%未満を含有し、熱間圧延後のAlNの析出量を0.01%以下に制限し、又はさらに、熱間圧延後のベイナイトの組織分率を30%以下に制限し、又はさらに、熱間圧延後のフェライト結晶粒度番号がJIS G0552で規定されている8〜11番とし、又はさらに、熱間圧延後の鋼のマトリックス中の長手方向断面において下記条件で測定された極値統計によるTi系析出物の最大直径が40μm以下としたことを特徴とする鋼を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼とその製造方法に関するものである。
歯車、軸受部品、転動部品、シャフト、等速ジョイント部品は、通常、例えばJIS G 4052、JIS G 4104、JIS G 4105、JIS G 4106などに規定されている中炭素の機械構造用合金鋼を使用し、冷間鍛造(転造も含む)又は熱間鍛造−切削により所定の形状に加工された後、浸炭焼入れを行う工程で製造されている。冷間鍛造は、製品の表面肌、寸法精度が良く、熱間鍛造に比べて製造コストが低く、歩留まりも良好であるため、従来は熱間鍛造で製造されていた部品を、冷間鍛造へ切り替える傾向が強くなっており、冷鍛−浸炭工程で製造される浸炭部品の対象は近年顕著に増加している。浸炭部品の大きな課題として、熱処理歪みの低減が挙げられる。これは、シャフトについては熱処理歪みで曲がればシャフトとしての機能が損なわれるためであり、また歯車や等速ジョイント部品では熱処理歪みが大きければ、騒音や振動の原因となるためである。ここで、熱処理歪みの最大の原因は、浸炭時に発生する粗大粒である。この粗大粒を抑制するために、従来は、冷間鍛造後、浸炭焼入れの前に、焼鈍が行われていた。これに対して、コスト削減の視点から、近年焼鈍省略の指向が強い。そのためには、焼鈍を省略しても粗大粒を生じない鋼材が強く求められている。
一方、歯車、軸受部品、転動部品のなかで高面圧が負荷される軸受部品、転動部品においては、高深度浸炭が行われている。高深度浸炭は、通常、十数時間から数十時間の長時間を要するために、省エネルギーの視点から、浸炭時間の短縮が重要な課題である。浸炭時間短縮のためには、浸炭温度の高温化が有効である。通常の浸炭温度は930℃程度であるが、これに対して、990〜1090℃の温度域でいわゆる高温浸炭を行うと、粗大粒が発生し、必要な疲労特性、転動疲労特性等が得られないという問題が発生している。そのため、高温浸炭でも粗大粒が発生しない、つまり高温浸炭に適した肌焼き鋼が求められている。このような高面圧が負荷される歯車、軸受部品、転動部品は大型部品が多く、通常「棒鋼−熱間鍛造−必要により焼準等の熱処理−切削−浸炭焼入れ−必要により研磨」の工程で製造される。浸炭時の粗大粒の発生を抑制するためには、熱間鍛造後の状態で、つまり熱間鍛造部材の状態で、粗大粒を抑制するために適正な材質を造り込んでおくことが必要があるが、そのためには、棒鋼線材の素材の状態で粗大粒を抑制するために適正な材質を造り込んでおくことが必要がある。
従来技術には、特定量のAl、Nを含有し、熱間圧延方向に平行な断面の組織のフェライトバンドの状態を適正化した粗大粒防止特性に優れた肌焼鋼が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この肌焼鋼は、球状化焼鈍−冷間鍛造工程を経て製造される部品については粗大粒抑制の能力は不安定であり、また高温浸炭においても粗大粒の発生を抑制できない場合があるのが現実である。
また、Ti:0.10〜0.30%、N:0.01%以下、鋼片熱間圧延加熱:1250〜1400℃、製品圧延加熱:Ac3〜1050℃を特徴とする疲労特性に優れた肌焼鋼および肌焼鋼の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2及び3参照)。特許文献2の実施例で開示されているN量は0.0064〜0.0096%、特許文献3の実施例で開示されているN量は0.0055〜0.0084%の範囲である。本鋼もやはり、粗大粒抑制の能力は不安定であり、粗大粒の発生を抑制できる場合もあれば、できない場合もある。また、該鋼は上記の実施例から明らかな通り、0.0055%以上のNを含有するとともに、製品圧延加熱:Ac3〜1050℃のために、TiNが粗大化する。そのため、この粗大なTiNが転動疲労やピッチング疲労の起点となるために、十分な疲労特性が得られないという欠点を有している。
さらに、Ti:0.1超〜0.2%、N:0.015%以下、旧オーステナイト結晶粒度が11番以上まで微細化したマルテンサイト組織からなる高強度肌焼鋼、およびN:0.020%以下で「Ti:0.05〜0.2%、V:0.02〜0.10%、Nb:0.02〜0.1%」のうち1種ないし2種以上を含有し、旧オーステナイト結晶粒度が11番以上まで微細化したマルテンサイト組織からなる高強度肌焼鋼が開示されている(例えば、特許文献4参照)。本公報の実施例で開示されているN量は0.0052〜0.0093%である。また、本公報において「旧オーステナイト結晶粒度が11番以上」としているのは、本公報明細書0006、0007および実施例の記載から、鋼素材の状態ではなく、鋼部品の最終的な熱処理を終えた状態において観察される旧オーステナイト結晶粒度である。そして、本公報において「旧オーステナイト結晶粒度が11番以上」を達成するための方法は、本公報明細書0008、0009、0010および実施例0011の記載から、浸炭焼入れした後、再焼入れ(再加熱してオーステナイト化した後再び焼入れする方法)することを前提としている。再加熱焼入れを行なうと、熱処理変形が大きくなり強度特性が劣化するという欠点を有する。また、「旧オーステナイト結晶粒度が11番以上」まで微細化すると、焼入れ性の低下が顕著になって十分な硬さが得られず、この点からも、かえって強度特性の低下を引起す。さらに、該鋼は上記の実施例から明らかな通り、0.0052%以上のNを含有するために粗大なTiNが生成する。そのため、この粗大なTiNが転動疲労やピッチング疲労の起点となるために、十分な疲労特性が得られないという欠点を有している。
特開平11−106866公報 特開平11−92863公報 特開平11−92824公報 特開平2003−34843公報
上記のような開示された方法では、浸炭焼入れ工程において粗大粒の発生を安定的に抑制することができず、歪みや曲がりの発生を安定的に防止することはできない。また、疲労特性、特に転動疲労特性が要求される軸受部品、転動部品についても、高温浸炭により高深度浸炭を行って、十分な疲労特性を実現するのは困難である。本発明はこのような問題を解決して、熱処理歪みの小さい浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼き鋼とその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために結晶粒の粗大化の支配因子について鋭意調査し、次の点を明らかにした。
(1) 浸炭時に結晶粒の粗大化を防止するには、ピン止め粒子としてAlN、NbNを活用するよりも、TiC、TiCSを主体とするTi系析出物を浸炭時に微細析出させることが有効である。またはさらに上記と併用して、NbCを主体とするNbの炭窒化物を浸炭時に微細析出させることにより、粗大粒防止特性は一層向上する。
(2) 上記のTi系析出物またはさらにNbの炭窒化物を浸炭時に微細析出させる方法として、新規に以下の方法を発見した。
(a)上記のTi系析出物またはさらにNbの炭窒化物を浸炭時にピン止め粒子として活用するためには、浸炭焼入れ時にこれらの析出物を多量微細分散する必要がある。そのためには、棒鋼または線材を熱間圧延する場合の圧延加熱時に上記のTi系析出物またはさらにNbの炭窒化物を一旦溶体化する必要がある。N量が高くて、圧延加熱時にTiNが多量に残存すると、Ti系析出物はTiN主体の複合析出物となり、溶体化が困難となる。また、熱間圧延後の冷却過程で、粗大なTiN上にTiC、TiCSまたはさらにNbCが析出し、これらの析出物の微細分散が妨げられる。そのため、N量を出来るだけ低減することが必要である。
(b)また、圧延加熱時に粗大なAlNが存在すると、上記のTiNと同じ悪影響を及ぼす。そのため、AlNも圧延加熱時に溶体化しておく必要がある。ここで、AlNを圧延加熱時に溶体化しておけば、棒鋼、線材の熱間圧延−冷却過程でAlNの析出はほとんど起こらない。そのため、熱間圧延後のAlNの析出量を規制することにより、圧延加熱時のAlNの溶体化状況の確認が可能である。
(c)なお、AlNが圧延加熱時に溶体化できる条件で加熱を行えば、Ti系析出物またはさらにNbCの析出物を一旦溶体化することが可能である。そのため、熱間圧延後のAlNの析出量を規制することにより、Ti系析出物またはさらにNbCの析出物を圧延加熱時に一旦溶体化できたことの確認が可能である。
(d)さらに、Ti系析出物またはさらにNbCの析出物のピン止め効果を安定して発揮させるには、熱間圧延後のマトリックス中にこれらの析出物を微細析出させておくことが必要である。そのためには、熱間圧延時の冷却過程でオーステナイトからの拡散変態時に相界面析出させる必要がある。もし熱間圧延ままの組織にベイナイトが生成すると、上記の析出物の相界面析出が困難になるために、ベイナイトを実質的に含まない組織とすることが必須である。
(3) 熱間圧延後の鋼材の状態で、AlNの析出量を極力制限するためには、つまり熱間圧延加熱時にTi系析出物またはさらにNbCの析出物を溶体化するためには、圧延加熱温度を高温にする必要がある。
(4) 熱間圧延後の鋼材に、Ti系析出物またはさらにNbCの析出物をあらかじめ微細析出させるためには、圧延加熱温度及び圧延後の冷却条件を最適化すれば良い。すなわち圧延加熱温度を高温にすることによって、Ti系析出物またはさらにNbCの析出物を一旦マトリックス中に固溶させ、熱間圧延後にTi系析出物またはさらにNbCの析出物の析出温度域を徐冷することによって、これらの炭窒化物を多量、微細分散させることができる。
(5) さらに、熱間圧延後の鋼材のフェライト粒が過度に微細であると、浸炭加熱時に粗大粒が発生しやすくなるため、圧延仕上げ温度の適正化もポイントである。
(6) Ti添加鋼ではTi析出物が疲労破壊の起点となるため、疲労特性、特に転動疲労特性が劣化しやすくなるが、低N化、熱間圧延温度の高温化等によりTi析出物最大サイズを小さくすることにより疲労特性の改善が可能となり、粗大粒防止特性と疲労特性の両立が可能である。
本発明は以上の新規なる知見にもとづいてなされたものであり、本発明の要旨は以下の通りである。
本発明の請求項1〜5の発明は、
質量%として、
C:0.1〜0.4%、
Si:0.02〜1.5%、
Mn:0.3〜1.8%、
S:0.001〜0.15%、
Al:0.005〜0.05%
Ti:0.05〜0.2%を含有し、
N:0.0051%未満
に制限し、
さらに、
Cr:0.4〜2.0%、
Mo:1.5%以下、
Ni:3.5%以下、
V:0.5%以下、
B:0.005%以下
の1種または2種以上を含有し、
又はさらに、Nb:0.04%未満を含有し、
P:0.025%以下、
O:0.0025%以下に制限し、
残部が鉄および不可避的不純物からなり、
熱間圧延後のAlNの析出量を0.01%以下に制限し、
又はさらに、
熱間圧延後のベイナイトの組織分率を30%以下に制限し、
又はさらに、
熱間圧延後のフェライト結晶粒度番号がJIS G0552で規定されている8〜11番とし、
又はさらに、
熱間圧延後の鋼のマトリックス中の長手方向断面において、検査基準面積:100平方mm、検査回数:16視野、予測を行なう面積:30000平方mmの条件で測定された極値統計によるTi系析出物の最大直径が40μm以下であることを特徴とする浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼。
本発明の請求項6〜9の発明は、
上記の鋼を製造するに際して、
1150℃以上の温度で保熱時間10分以上加熱して線材または棒鋼に熱間圧延し、
又はさらに、
熱間圧延後に800〜500℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度で徐冷し、
又はさらに、
熱間圧延の仕上げ温度を840〜1000℃とすることを特徴とする浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼の製造方法である。
本発明の浸炭時の粗大粒防止特性に優れた肌焼鋼及びその製造方法を用いれば、冷鍛工程で部品を製造しても、浸炭時の結晶粒の粗大化が抑制されるために、疲労強度特性も優れるとともに、焼入れ歪みによる寸法精度の劣化が従来よりも極めて少ない。そのため、これまで、粗大粒の問題から冷鍛化が困難であった部品の冷鍛化が可能になり、さらに冷鍛後の焼鈍を省略することも可能になる。また、熱間鍛造工程で製造される部品に本鋼材を適用しても高温浸炭においても粗大粒の発生を防止し、転動疲労特性等の十分な強度特性を得ることができる。以上のように、本発明による産業上の効果は極めて顕著なるものがある。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の肌焼鋼の成分を限定した理由について説明する。
Cは鋼に必要な強度を与えるのに有効な元素であるが、0.1%未満では必要な引張強さを確保することができず、0.4%を越えると硬くなって冷間加工性が劣化するとともに、浸炭後の芯部靭性が劣化するので、0.1〜0.4%の範囲内にする必要がある。
Siは鋼の脱酸に有効な元素であるとともに、鋼に必要な強度、焼入れ性を与え、焼戻し軟化抵抗を向上するのに有効な元素であるが、0.02%未満ではその効果は不十分である。一方、1.5%を越えると、硬さの上昇を招き冷間鍛造性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.02〜1.5%の範囲内にする必要がある。冷間加工を受ける鋼材の好適範囲は0.02〜0.3%である。特に冷鍛性を重視する場合は、0.02〜0.15%の範囲にするのが望ましい。一方、Siは粒界強度の増加に有効な元素であり、さらに軸受部品、転動部品においては、転動疲労過程での組織変化、材質劣化の抑制による高寿命化に有効な元素である。そのため、高強度化を指向する場合には、0.2〜1.5%の範囲が好適である。特に転動疲労強度の高いレベルを得るためには、0.4〜1.5%の範囲にするのが望ましい。 なお、Si添加による軸受部品、転動部品の転動疲労過程での組織変化、材質劣化の抑制の効果は、浸炭後の組織中の残留オーステナイト量(通称、残留γ量)が30〜40%の時に特に大きい。残留γ量をこの範囲で制御するには、いわゆる浸炭浸窒処理を行うことが有効である。浸炭浸窒処理は、浸炭後の拡散処理の過程で浸窒を行う処理である。表面の窒素濃度が0.2〜0.6%の範囲になるような条件が適切である。なお、この場合の浸炭時の炭素ポテンシャルは0.9〜1.3%の範囲とするのが望ましい。
Mnは鋼の脱酸に有効な元素であるとともに、鋼に必要な強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素であるが、0.3%未満では効果は不十分であり、1.8%を越えるとその効果は飽和するのみならず、硬さの上昇を招き冷間鍛造性が劣化するので、0.3%〜1.8%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.5〜1.2%である。なお、冷鍛性を重視する場合は、0.5〜0.75%の範囲にするのが望ましい。
Sは鋼中でMnSを形成し、これによる被削性の向上を目的として添加するが、0.001%未満ではその効果は不十分である。一方、0.15%を超えるとその効果は飽和し、むしろ粒界偏析を起こし粒界脆化を招く。以上の理由から、Sの含有量を0.001〜0.15%の範囲内にする必要がある。なお、軸受部品、転動部品においては、MnSが転動疲労寿命を劣化させるために、Sを極力低減する必要があり、0.001〜0.01%の範囲にするのが望ましい。
Alは脱酸剤として添加する。0.005%未満ではその効果は不十分である。一方、0.05%を越えると、AlNが圧延加熱時に溶体化しないで残存し、TiやNbの析出物の析出サイトとなり、これらの析出物の微細分散を阻害し、浸炭時の結晶粒の粗大化を助長する。以上の理由から、その含有量を0.005〜0.05%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.025〜0.04%である。
Tiは鋼中で微細なTiC、TiCSを生成させ、これにより浸炭時のγ粒の微細化を図るために添加する。しかしながら、0.05%未満ではその効果は不十分である。一方、Tiを0.2%を超えて添加すると、TiCによる析出硬化が顕著になり、冷間加工性が顕著に劣化するとともに、TiN主体の析出物が顕著となり転動疲労特性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.05〜0.2%の範囲内にする必要がある。好適範囲は、0.05〜0.1%未満である。なお、本発明の鋼および熱間鍛造部材は、浸炭加熱時に侵入してくる炭素および窒素と固溶Tiが反応して、浸炭層に微細なTi(CN)が多量に析出する。そのために、軸受部品、転動部品においては、これらのTi(CN)が転動疲労寿命の向上に寄与する。したがって、軸受部品、転動部品において、特に高いレベルの転動疲労寿命を指向する場合には、浸炭時の炭素ポテンシャルを0.9〜1.3%の範囲で高めに設定すること、あるいは、いわゆる浸炭浸窒処理を行うことが有効である。浸炭浸窒処理は、上記のように浸炭後の拡散処理の過程で浸窒を行う処理であるが、表面の窒素濃度が0.2〜0.6%の範囲になるような条件が適切である。
Nは鋼中のTiと結びつくと粒制御にほとんど寄与しない粗大なTiNを生成し、これがTiC、TiCS主体のTi系析出物、NbC、NbC主体のNb(CN)の析出サイトとなり、これらのTi系析出物、Nbの炭窒化物の微細析出を阻害し粗大粒の生成を促進する。上記の悪影響はN量が0.0051%以上の場合特に顕著である。以上の理由から、その含有量を0.0051%未満にする必要がある。
次に、本発明では、Cr、Mo、Ni、Vの1種又は2種以上を含有する。
Crは鋼に強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素であり、さらに軸受部品、転動部品においては、浸炭後の残留γ量を増大させるとともに、転動疲労過程での組織変化、材質劣化の抑制による高寿命化に有効な元素である。0.4%未満ではその効果は不十分であり、2.0%を超えて添加すると硬さの上昇を招き冷間鍛造性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.4〜2.0%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.7〜1.6%である。なお、Cr添加による軸受部品、転動部品の転動疲労過程での組織変化、材質劣化の抑制の効果は、浸炭後の組織中の残留γ量が30〜40%の時に特に大きい。残留γ量をこの範囲で制御するには、いわゆる浸炭浸窒処理を行い、表面の窒素濃度が0.2〜0.6%の範囲になるようにすることが有効である。
Moも鋼に強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素であり、さらに軸受部品、転動部品においては、浸炭後の残留γ量を増大させるとともに、転動疲労過程での組織変化、材質劣化の抑制による高寿命化に有効な元素である。但し、1.5%を超えて添加すると硬さの上昇を招き切削性、冷間鍛造性が劣化する。以上の理由から、その含有量を1.5%以下の範囲内にする必要がある。好ましくは、0.5%以下、さらに好適範囲は0.02〜0.5%である。Mo添加による軸受部品、転動部品の転動疲労過程での組織変化、材質劣化の抑制の効果についても、Crと同様に、いわゆる浸炭浸窒処理を行い、浸炭後の組織中の残留γ量が30〜40%の時に特に大きい。
Niも鋼に強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素であるが、3.5%を超えて添加すると硬さの上昇を招き冷間鍛造性が劣化する。以上の理由から、その含有量を3.5%以下の範囲内にする必要がある。好ましくは0.1〜3.5%、さらに好適範囲は0.4〜2.0%である。なお、Ni含有量の下限は特に限定するものではないが、0.1%とすることが好ましい。
Vも鋼に強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素であるが、0.5%を超えて添加すると硬さの上昇を招き冷間鍛造性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.5%以下の範囲内にする必要がある。好ましくは0.03〜0.5%、さらに好適範囲は0.07〜0.2%である。
Bも鋼に強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素である。さらにBには、(a)棒鋼・線材圧延において、圧延後の冷却過程でボロン鉄炭化物を生成することにより、フェライトの成長速度を増加させ、圧延ままで軟質化を促進する効果、(b)浸炭材の粒界強度を向上させることにより、浸炭部品としての疲労強度・衝撃強度を向上させる効果も有している。しかしながら、0.005%を超えてBを添加するとその効果は飽和し、かえって衝撃強度劣化等の悪影響が懸念されるので、その含有量を0.005%以下の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.0005〜0.003%である。
Pは冷間鍛造時の変形抵抗を高め、靭性を劣化させる元素であるため、冷間鍛造性が劣化する。また、焼入れ、焼戻し後の部品の結晶粒界を脆化させることによって、疲労強度を劣化させるので、できるだけ低減することが望ましい。従ってその含有量を0.025%以下に制限する必要がある。好適範囲は0.015%以下である。
本発明のような高Ti鋼においては、Oは鋼中でTi系の酸化物系介在物を形成する。酸化物系介在物が鋼中に多量に存在すると、TiCの析出サイトとなり、熱間圧延時にTiCが粗大に析出し、浸炭時に結晶粒の粗大化を抑制できなくなる。そのため、O量はできるだけ低減することが望ましい。以上の理由から、その含有量を0.0025%以下に制限する必要がある。好適範囲は0.0020%以下である。なお、軸受部品、転動部品においては、酸化物系介在物が転動疲労破壊の起点となるので、O含有量が低いほど転動寿命は向上する。そのため、軸受部品、転動部品においては、O含有量を0.0012%以下に制限するのが望ましい。
次に、本発明では、熱間圧延後のAlNの析出量を0.01%以下に制限するが、このように限定した理由を以下に述べる。
圧延加熱時に粗大なAlNが存在すると、Ti系析出物、Nbの析出物の析出サイトとなり、熱間圧延後にTi系析出物、Nbの析出物が粗大に析出し、浸炭時に結晶粒の粗大化を抑制できなくなる。そのため、圧延加熱時にAlNを溶体化することが必要である。ここで、AlNは、圧延加熱時に溶体化しておけば、棒鋼、線材の熱間圧延−冷却過程でAlNの析出はほとんど起こらない。そのため、熱間圧延後のAlNの析出量を規制することにより、圧延加熱時にAlNが十分に溶体化できていることの確認が可能である。なお、Ti系析出物、Nbの析出物をピン止め粒子として活用するためには、圧延加熱時にこれらの析出物も一旦溶体化する必要がある。AlNが圧延加熱時に溶体化できる条件で加熱を行えば、上記の析出物を一旦溶体化することが可能である。そのため、熱間圧延後のAlNの析出量を規制することにより、圧延加熱時にTi系析出物、Nbの析出物を一旦溶体化できたことの確認が可能である。AlNの析出量が0.01%を超えると、粗大粒の発生が懸念される。以上の理由から、熱間圧延後のAlNの析出量を0.01%以下に制限する。好適範囲は、0.005%以下である。
なお、AlNの析出量の化学分析法としては、臭素メタノール溶液で溶解し、0.2μmのフィルターで残さを採取し、これを化学分析する方法が一般的である。0.2μmのフィルターを用いても、ろ過の過程で析出物によりフィルターが目詰まりを起こすため、実際には0.2μm以下の微細な析出物の抽出も可能である。
次に、本発明の請求項2、7では、請求項1、6に加えてNb:0.04%未満を含有するが、このように限定した理由を以下に述べる。
Nbは浸炭加熱の際に鋼中のC、Nと結びついてNb(CN)を形成し、結晶粒の粗大化抑制に有効な元素である。Nb添加により「Ti系析出物による粗大粒防止」効果が一層有効になる。これは、Ti系析出物にNbが固溶し、Ti系析出物の粗大化を抑制するためである。そのため、本願発明の添加量の範囲内では、Nbの添加量に依存して効果は増大するものの、0.03%未満、あるいは0.02%未満、さらには0.01%未満といった微量添加においても、Nbを添加しない場合に比較して、粗大粒防止特性は顕著に向上する。但し、Nb添加は切削性や冷間鍛造性の劣化、浸炭特性の劣化を引き起こす。特に、Nbの添加量がNb:0.04%以上であると、素材の硬さが硬くなって切削性、冷間鍛造性が劣化するとともに、棒鋼・線材圧延加熱時の溶体化が困難になる。以上の理由から、その含有量を0.04%未満の範囲内にする必要がある。切削性、冷間鍛造性等の加工性を重視する場合の好適範囲は、0.03%未満である。また、加工性に加えて、浸炭性を重視する場合の好適範囲は0.02%未満である。さらに、特別に浸炭性を重視する場合の好適範囲は0.01%未満である。なお、Nbの含有量の下限は特に限定するものではないが、0.001%を下限とすることが好ましい。また、粗大粒防止特性と加工性の両立を図るために、Nbの添加量は、Tiの添加量に応じて、調整することが推奨される。例えば、Ti+Nbの好適範囲は、0.07〜0.17%未満である。特に高温浸炭や、冷鍛部品において、望ましい範囲は0.091%超〜0.17%未満である。
次に、本発明の請求項3、8では、熱間圧延後のベイナイトの組織分率を30%以下に制限するが、このように限定した理由を以下に述べる。熱間圧延後の鋼材にベイナイト組織が混入すると、浸炭加熱時の粗大粒発生の原因になる。また、ベイナイトの混入の抑制は冷間加工性改善の視点からも望ましい。これらの悪影響は、ベイナイトの組織分率が30%を超えると特に顕著になる。以上の理由から、熱間圧延後のベイナイトの組織分率を30%以下に制限する必要がある。高温浸炭等で粗大粒防止に対して浸炭条件が厳しい場合の好適範囲は20%以下である。冷鍛経由等でさらに粗大粒防止に対して浸炭条件が厳しい場合の好適範囲は10%以下である。
次に本発明では、熱間圧延後のフェライト結晶粒度番号をJIS G0552で規定されている8〜11番とするが、このように限定した理由を以下に述べる。熱間圧延後のフェライト粒が過度に微細であると、浸炭時にオーステナイト粒が過度に微細化する。オーステナイト粒が過度に微細になると、粗大粒が生成しやすくなり、特にフェライト結晶粒度が11番を超えるとその傾向が顕著になる。また、オーステナイト粒がJIS G0551で規定されている11番を超えるような過度に微細になると、前掲の特開平2003−34843公報の鋼材と同様に、焼入れ性の劣化による強度不足等の弊害を生じる。一方、熱間圧延後のフェライト結晶粒度番号をJIS G0552で規定されている8番未満の粗粒にすると、熱間圧延材の延性が劣化し、冷間鍛造性が劣化する。以上の理由から、熱間圧延後のフェライト結晶粒度番号をJIS G0552で規定されている8〜11番の範囲内にする必要がある。
本発明の請求項5,10では、熱間圧延後の鋼のマトリックス中の長手方向断面において、検査基準面積:100平方mm、検査回数16視野、予測を行なう面積:30000平方mmの条件で測定された極値統計によるTi系析出物の最大直径が40μm以下とするが、このように限定した理由を以下に述べる。本発明で対象とする浸炭部品の要求特性の一つに転動疲労特性や面疲労強度のような接触疲労強度がある。粗大なTi系析出物が鋼中に存在すると接触疲労破壊の起点となり、疲労特性が劣化する。極値統計により、検査基準面積:100平方mm、検査回数16視野、予測を行なう面積:30000平方mmの条件で測定した時のTi系析出物の最大直径が40μmを超えると、特に接触疲労特性に及ぼすTi系析出物の悪影響が顕著になる。以上の理由から、極値統計によるTi系析出物の最大直径を40μm以下とする必要がある。極値統計による析出物の最大直径の測定・予測方法は、1993年3月8日養賢堂発行「金属疲労 微小欠陥と介在物の影響」233頁〜252頁に記載の方法による。なお、本発明で用いているのは、二次元的検査により一定面積内(予測を行なう面積:30000平方mm)で観察される最大析出物を推定するという二次元的検査方法である。詳細な測定手順は、実施例欄で述べる。
次に熱間圧延条件について説明する。
上記の本発明成分からなる鋼を、転炉、電気炉等の通常の方法によって溶製し、成分調整を行い、鋳造工程、必要に応じて分塊圧延工程を経て、線材または棒鋼に熱間圧延する圧延素材とする。
次に、本発明の請求項6は、圧延素材を1150℃以上の温度で保熱時間10分以上加熱の温度で加熱する。加熱条件が、1150℃未満であるか、あるいは加熱温度が1150℃以上でも保熱時間が10分未満では、Ti系析出物、Nbの析出物およびAlNを一旦マトリックス中に固溶させることができない。そのため、熱間圧延後の鋼材に、一定量以上のTi系析出物、Nbの析出物をあらかじめ微細析出させることができず、熱間圧延後に粗大なTi系析出物、Nbの析出物、AlNが存在し、浸炭時に粗大粒の発生を抑制することができない。そのため、熱間圧延に際して、1150℃以上の温度で保熱時間10分以上加熱することが必要である。好適範囲は1180℃以上の温度で保熱時間10分以上である。
次に、本発明の請求項6は、熱間圧延後に800〜500℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度で徐冷する。冷却条件は、1℃/sを越えるとTi系析出物の析出温度域を短時間しか通過させることができず、熱間圧延後の微細なTiC系析出物の析出量が不十分となり、さらにまた、ベイナイトの組織分率が大きくなる。そのため、浸炭時に粗大粒の発生を抑制することができなくなる。また、冷却速度が大きいと圧延材の硬さが上昇し、冷間鍛造性が劣化するため、冷却速度はできるだけ小さくするのが望ましい。好適範囲は0.7℃/s以下である。なお、冷却速度を小さくする方法としては、圧延ラインの後方に保温カバーまたは熱源付き保温カバーを設置し、これにより、徐冷を行う方法が挙げられる。
次に、本発明の請求項7は、熱間圧延の仕上げ温度を840〜1000℃とする。仕上げ温度が840℃未満では、フェライト結晶粒度が過度に微細になりすぎて、その後の浸炭時に粗大粒が発生しやすくなる。一方、仕上げ温度が1000℃を超えると、圧延材の硬さが硬くなって冷間鍛造性が劣化する。以上の理由から、熱間圧延の仕上げ温度を840〜1000℃とする。冷間鍛造用途で、焼鈍なしで使用する場合は、840〜920℃の範囲が、それ以外では920〜1000℃の範囲が望ましい。
本発明では、鋳片のサイズ、凝固時の冷却速度、分塊圧延条件については特に限定するものではなく、本発明の要件を満足すればいずれの条件でも良い。
本発明は、冷間鍛造工程で製造される部品、熱間鍛造で製造される部品いずれにも適用可能である。熱間鍛造工程の例としては、「棒鋼−熱間鍛造−必要により焼準等の熱処理−切削−浸炭焼入れ−必要により研磨」の工程があげられる。本発明の鋼材を用いて、例えば1150℃以上の加熱温度で熱間鍛造を行い、その後必要に応じて焼準処理を行なうことにより、950℃〜1090℃の温度域での浸炭のような厳しい条件での浸炭焼入れ熱処理においても、粗大粒の発生の抑制が可能となり、優れた材質特性が得られる。例えば、軸受部品、転動部品の場合であると、高温浸炭を行っても、優れた転動疲労特性が得られる。
本発明では、浸炭条件を特に限定するものではない。軸受部品、転動部品において、特に高いレベルの転動疲労寿命を指向する場合には、上記のように、浸炭時の炭素ポテンシャルを0.9〜1.3%の範囲で高めに設定すること、あるいは、いわゆる浸炭浸窒処理を行うことが有効である。浸炭浸窒処理は、浸炭後の拡散処理の過程で浸窒を行う処理であるが、表面の窒素濃度が0.2〜0.6%の範囲になるような条件が適切である。これらの条件を選択することにより、浸炭層に微細なTi(CN)が多量に析出し、また残留γが30〜40%導入されることが、転動寿命の向上に寄与する。
以下に、本発明の効果を実施例により、さらに具体的に示す。
表1に示す組成を有する転炉溶製鋼を連続鋳造し、必要に応じて分塊圧延工程を経て162mm角の圧延素材とした。続いて、熱間圧延により、直径24〜30mmの棒鋼を製造した。
熱間圧延後の棒鋼から、AlNの析出量を化学分析により求めた。また、圧延後の棒鋼について、ミクロ観察を行い、ベイナイト分率の測定、JIS G 0552の規定に従ってフェライト結晶粒度の測定を行なった。さらに、ビッカース硬さを測定し、冷間加工性の指標とした。
上記の工程で製造した棒鋼について、球状化焼鈍を行った後、据え込み試験片を作成し、圧下率50%の据え込みを行った後、浸炭シミュレーションを行った。浸炭シミュレーションの条件は、910℃〜1010℃に5時間加熱−水冷である。その後、切断面に研磨−腐食を行い、旧オーステナイト粒径を観察して粗粒発生温度(結晶粒粗大化温度)を求めた。浸炭処理は通常930〜950℃の温度域で行われるため、粗粒発生温度が950℃以下のものは結晶粒粗大化特性に劣ると判定した。なお、旧オーステナイト粒度の測定はJIS G 0551に準じて行い、400倍で10視野程度観察し、粒度番号5番以下の粗粒が1つでも存在すれば粗粒発生と判定した。
また、極値統計法によるTi系析出物の最大直径の予測は次の方法で行なった。析出物がTi系であるか否かは、光学顕微鏡におけるコントラストの違いからを判別した。コントラストの違いによる判別法の妥当性は、あらかじめエネルギー分散型X線分光分析装置付き走査型電子顕微鏡にて確認した。試験片長手方向断面において検査基準面積100平方mm(10mm×10mmの領域)の領域をあらかじめ16視野分準備した。そして各検査基準面積100平方mmにおけるTi系の最大析出物を検出し、これを光学顕微鏡にて1000倍で写真撮影した。これを各々の各検査基準面積100平方mmの16視野について、16回繰り返し行なった(つまり検査回数16視野)。得られた写真から各検査基準面積における最大析出物の直径を計測した。楕円形の場合は長径と短径の相乗平均を求めその析出物の直径とした。得られた最大析出物直径の16個のデータを、前記の養賢堂発行「金属疲労微小欠陥と介在物の影響」233頁〜252頁に記載の方法に従い、最大析出物分布直線(最大析出物直径と極値統計基準化変数の一次関数)を最小二乗法により求め、最大析出物分布直線を外挿することにより、予測を行なう面積:30000平方mmにおける最大析出物の直径を予測した。
次に、圧下率50%で冷間鍛造を行なった各鋼材から、直径12.2mmの円柱状の転動疲労試験片を作成し、950℃×5時間、炭素ポテンシャル0.8%の条件で浸炭を行なった。焼入れ油の温度は130℃、焼戻しは180℃×2時間である。これらの浸炭焼入れ材について、浸炭層のγ粒度を調査した。さらに、点接触型転動疲労試験機(ヘルツ最大接触応力5884MPa)を用いて転動疲労特性を評価した。疲労寿命の尺度として、「試験結果をワイブル確率紙にプロットして得られる累積破損確率10%における疲労破壊までの応力繰り返し数」として定義されるL10寿命を用いた。
これらの調査結果をまとめて、表2に示す。転動疲労寿命は比較例12のL10寿命を1とした時の各材料のL10寿命の相対値を示した。
本発明例の結晶粒粗大化温度は990℃以上であり、950℃浸炭材のγ粒も細整粒であり、転動疲労特性もすぐれていることが明らかである。
一方、比較例12,13はJISのSCr420およびSCM420の特性であるが粗大粒発生温度は低く、950℃浸炭材のγ粒が粗大化している。また、比較例11はNの含有量が本願規定の範囲を上回りさらにTi系析出物の最大直径が本願規定の範囲を上回った場合であり、粗大粒の生成が顕著に見られるとともに、転動疲労特性も良くない。比較例14はTi含有量が本願規定の範囲を下回った場合であり、Tiのピン止め効果が小さいため、粗大粒の抑制に効果を表していない。比較例15はTi含有量が本願規定の範囲を上回り、さらにTi系析出物の最大直径が本願規定の範囲を上回った場合であり、TiCによる析出効果が顕著に見られ、冷間加工性の劣化を招く。また、Ti系析出物の溶体化不良を招くために、粗大粒防止特性も劣り、転動疲労特性も良くない。比較例16はNb含有量が本願規定の範囲を上回った場合であり、素材の硬さが硬くなり冷間加工性の劣化を招くとともに、粗大粒防止特性も劣る。比較例17はO含有量が本願規定の範囲を上回った場合であり、これも粗大粒が生成し、転動疲労特性も良くない。比較例18は成分は本願規定の範囲内であるが、熱間圧延後の冷却速度が本発明の範囲を上回り、熱間圧延後のベイナイト組織分率が本願規定の範囲を超えており、これも粗大粒が生成する。比較例19は仕上げ温度が本発明の範囲を上回り、圧延後のフェライト結晶粒度が本発明の範囲より粗大となった場合であり、粗大粒防止特性は劣る。比較例20は仕上げ温度が本発明の範囲を下回り、圧延後のフェライト結晶粒度が本発明の範囲より微細となった場合であり、やはり粗大粒防止特性は劣る。比較例21は圧延加熱温度が本発明の範囲を下回り、熱間圧延後のAlNの析出量が本願規定の範囲を上回った場合であり、粗大粒防止特性は劣り、転動疲労特性も良くない。
Figure 2005240175
Figure 2005240175


表3に示す組成を有する転炉溶製鋼を連続鋳造し、必要に応じて分塊圧延工程を経て162mm角の圧延素材とした。続いて、熱間圧延により、直径70mmの棒鋼を製造した。この棒鋼を素材として、熱間鍛造を行い直径40mmの熱間鍛造部材に仕上げた。熱間鍛造の加熱温度は1100℃〜1290℃である。
上記の工程で製造した熱間鍛造部材について、900℃×1時間加熱空冷の条件で焼準処理を行った。その後、加熱時間5時間の条件で浸炭シミュレーションを行い、実施例−1と同様に、粗大粒発生温度を求めた。
また、上記の熱間鍛造部材を焼準した後、直径12.2mmの円柱状の転動疲労試験片を作成し、1050℃×1時間、炭素ポテンシャル1.0%の条件で浸炭焼入れを行った。焼入れ油の温度は130℃、焼戻しは180℃×2時間の条件である。
これらの調査結果をまとめて、表4に示す。転動疲労寿命は比較例12のL10寿命を1とした時の各材料のL10寿命の相対値を示した。
表4に示した通り、本発明例では、結晶粒粗大化温度は1070℃超である。また、1050℃浸炭材のγ粒は8番以上の細粒であり、転動疲労寿命も比較例に比べて2倍以上と極めて良好である。
一方、比較例は、実施例−1と同様に本発明の要件の範囲から逸脱しており、粗大粒防止特性は劣り、転動疲労特性も良くない。
Figure 2005240175
Figure 2005240175

Claims (9)

  1. 質量%として、
    C:0.1〜0.4%、
    Si:0.02〜1.5%、
    Mn:0.3〜1.8%、
    S:0.001〜0.15%、
    Al:0.005〜0.05%
    Ti:0.05〜0.2%を含有し、
    N:0.0051%未満
    に制限し、
    さらに、
    Cr:0.4〜2.0%、
    Mo:1.5%以下、
    Ni:3.5%以下、
    V:0.5%以下、
    B:0.005%以下
    の1種または2種以上を含有し、
    P:0.025%以下、
    O:0.0025%以下に制限し、
    残部が鉄および不可避的不純物からなり、
    熱間圧延後のAlNの析出量を0.01%以下に制限したことを特徴とする浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼。
  2. 鋼が、さらに、質量%で、Nb:0.04%未満を含有することを特徴とする請求項1記載の浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼。
  3. 熱間圧延後のベイナイトの組織分率を30%以下に制限したことを特徴とする請求項1または2記載の浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼。
  4. 熱間圧延後のフェライト結晶粒度番号がJIS G0552で規定されている8〜11番であることを特徴とする請求項1〜3の内のいずれかに記載の浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼。
  5. 熱間圧延後の鋼のマトリックス中の長手方向断面において、検査基準面積:100平方mm、検査回数:16視野、予測を行なう面積:30000平方mmの条件で測定された極値統計によるTi系析出物の最大直径が40μm以下であることを特徴とする請求項1〜4の内のいずれかに記載の浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼。
  6. 質量%として、
    C:0.1〜0.4%、
    Si:0.02〜1.5%、
    Mn:0.3〜1.8%、
    S:0.001〜0.15%、
    Al:0.005〜0.05%
    Ti:0.05〜0.2%を含有し、
    N:0.0051%未満
    に制限し、
    さらに、
    Cr:0.4〜2.0%、
    Mo:1.5%以下、
    Ni:3.5%以下、
    V:0.5%以下、
    B:0.005%以下
    の1種または2種以上を含有し、
    P:0.025%以下、
    O:0.0025%以下に制限し、
    残部が鉄および不可避的不純物からなり、
    残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼を、
    1150℃以上の温度で保熱時間10分以上加熱して線材または棒鋼に熱間圧延し、熱間圧延後のAlNの析出量を0.01%以下に制限した鋼となるようにすることを特徴とする浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼の製造方法。
  7. 鋼が、さらに、質量%でNb:0.04%未満を含有することを特徴とする請求項6記載の浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼の製造方法。
  8. 熱間圧延後に800〜500℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度で徐冷し、熱間圧延後のベイナイトの組織分率が30%以下の鋼となるようにすることを含むことを特徴とする浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた請求項6または7記載の肌焼鋼の製造方法。
  9. 熱間圧延の仕上げ温度を840〜1000℃とし、フェライト結晶粒度番号がJIS G0552で規定されている8〜11番である鋼となるようにすることを含むことを特徴とする請求項6〜8の内のいずれかに記載の浸炭時の粗大粒防止特性と疲労特性に優れた肌焼鋼の製造方法。
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