JP2005158584A - パターン形成方法及び表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 原版とパターン形成材料との剥離を容易にすることによってパターンを崩さず形成する。
【解決手段】 土台1上に配置されたパターン形成材料2に対して所定のパターンに対応する凹凸を有する原版3を押圧し、上記パターン形成材料2をパターニングすることによって所定のパターンを形成する方法であって、上記原版3の押圧面3aに第1の加熱条件と第2の加熱条件とによって濡れ性が変化する可逆膜4を配置し、上記第1の加熱条件において加熱した上記原版3を上記パターン形成材料2に対して押圧する工程と、上記原版3を上記パターン形成材料2に対して押圧した状態で上記第2の加熱条件において上記原版3を加熱する工程と、上記原版3を上記パターン形成材料2から解離する工程とを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】 土台1上に配置されたパターン形成材料2に対して所定のパターンに対応する凹凸を有する原版3を押圧し、上記パターン形成材料2をパターニングすることによって所定のパターンを形成する方法であって、上記原版3の押圧面3aに第1の加熱条件と第2の加熱条件とによって濡れ性が変化する可逆膜4を配置し、上記第1の加熱条件において加熱した上記原版3を上記パターン形成材料2に対して押圧する工程と、上記原版3を上記パターン形成材料2に対して押圧した状態で上記第2の加熱条件において上記原版3を加熱する工程と、上記原版3を上記パターン形成材料2から解離する工程とを有する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、パターン形成方法及び表示装置の製造方法に関するものである。
従来から、有機EL装置等の表示装置における各画素を分離するための画素間隔壁の形成や半導体装置における配線パターンの形成には、レジスト材料に対して投影光を照射して露光した後、現像することによってパターンを形成するフォトリソグラフィ法が一般的に用いられている。ところが、このフォトリソグラフィ法は周知のように煩雑な複数の工程を有しており、パターン形成に時間及びコストがかかることが難点である。
このため、近年、パターン形成のスループットを向上させる手法として、いわゆるナノインプリンティングと呼ばれる手法が提案されている。このナノインプリンティングは、土台上に配置されたパターン形成材料に対して、予めパターンに対応する凹凸を有する原版を押圧し、パターン形成材料をパターニングすることによって所定のパターンを形成する方法である。
特開平2002−100079号公報
しかしながら、近年のパターンはますます微細化されてきており、これに伴いパターン幅が小さくなってきている。このような高アスペクト比(高さと幅の比)のパターンを上記ナノインプリンティング法によって形成しようとすると、原版の凹凸もパターンの微細化に伴って高アスペクト比となっているため、原版をパターン形成材料に押圧した後に解離する際にパターン形成材料と原版が剥離され難くなるという問題が生じる。このように原版とパターン形成材料とが剥離され難いと、原版を解離した際にパターン形成材料に転写されたパターンが崩れてしまう。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、原版とパターン形成材料との剥離を容易にすることによってパターンを崩さず形成することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るパターン形成方法は、土台上に配置されたパターン形成材料に対して所定のパターンに対応する凹凸を有する原版を押圧し、上記パターン形成材料をパターニングすることによって所定のパターンを形成する方法であって、 上記原版の押圧面に第1の加熱条件と第2の加熱条件とによって濡れ性が変化する可逆膜を配置し、上記第1の加熱条件において加熱した上記原版を上記パターン形成材料に対して押圧する工程と、上記原版を上記パターン形成材料に対して押圧した状態で上記第2の加熱条件において上記原版を加熱する工程と、上記原版を上記パターン形成材料から解離する工程とを有することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明に係るパターン形成方法によれば、加熱条件を変化させることによって、原版の押圧面に配置された可逆膜の濡れ性が変化される。このため、例えば、可逆膜が、第1の加熱条件において加熱されることによって親液化され、第2の加熱条件において加熱されることによって撥液化される場合には、可逆膜が親液化された状態で原版がパターン形成材料に対して押圧されるため、原版に形成された凹凸にパターン形成材料が入り込みやすくなり、また、可逆膜が撥液化された状態で原版が解離されるため、原版とパターン形成材料とが剥離されやすくなる。したがって、原版とパターン形成材料との剥離を容易にすることによってパターンを崩さず形成することが可能となる。なお、上述のように、原版をパターン形成材料に対して押圧する際には、可逆膜が親液化されることによって、原版に形成された凹凸にパターン形成材料が入り込みやすくなっているため、原版とパターン形成材料との間に隙間を生じることを防止することができ、所定のプロファイルにパターン形成材料をパターニングすることができる。
また、本発明に係るパターン形成方法は、上記パターン形成材料をパターニングした後に、上記パターン形成材料間に残存する残渣を除去する工程を有することが好ましい。
土台及び原版の押圧面を完全な平面とすることは実質的に不可能であるため、パターン形成材料をパターニングした際に、原版に形成された凸部の先端と土台との間にわずかながらパターン形成材料が残存し、これがパターニングされたパターン形成材料間に残存する残渣となる。例えば、本発明に係るパターン形成方法によって画素間隔壁を形成し、この画素間隔壁の間、すなわち画素領域に残渣が残存している場合には、良好な発光特性が得られなくなる。このため、上記パターン形成材料間に残存する残渣を除去する工程を有することによって、良好な発光特性を有する表示装置とすることが可能となる。
土台及び原版の押圧面を完全な平面とすることは実質的に不可能であるため、パターン形成材料をパターニングした際に、原版に形成された凸部の先端と土台との間にわずかながらパターン形成材料が残存し、これがパターニングされたパターン形成材料間に残存する残渣となる。例えば、本発明に係るパターン形成方法によって画素間隔壁を形成し、この画素間隔壁の間、すなわち画素領域に残渣が残存している場合には、良好な発光特性が得られなくなる。このため、上記パターン形成材料間に残存する残渣を除去する工程を有することによって、良好な発光特性を有する表示装置とすることが可能となる。
また、本発明に係るパターン形成方法においては、上記第1の加熱条件が上記可逆膜と液体あるいは蒸気とが接触された状態であり、上記第2の加熱条件が上記可逆膜と液体あるいは蒸気とが非接触とされた状態であるとすることができる。このような加熱条件において濡れ性が変化する可逆膜は周知のものであり、容易に本発明における可逆膜に採用することができる。
また、本発明に係るパターン形成方法においては、上記パターン形成材料としてレジストを用いることができる。このように、パターン形成材料としてレジストを用いることによって、パターン形成後に、従来のフォトリソグラフィ法によって形成したパターンと同様の処理が行えるため、既存の処理装置においてパターン形成後の処理を行うことができる。
次に、本発明に係る表示装置の製造方法は、複数の発光領域と各発光領域間に配置される画素間隔壁とを有する表示装置の製造方法であって、本発明に係るパターン形成方法を用いて上記画素間隔壁を形成する工程を有することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明に係る表示装置の製造方法によれば、画素間隔壁が本発明に係るパターン形成方法によって形成されるため、確実に画素間隔壁を形成することが可能となる。
次に、本発明に係る表示装置の製造方法は、複数の画素領域と各画素領域間に配置される画素間隔壁とを有する表示装置の製造方法であって、基板の一面に上記画素間隔壁の材料を配置する工程と、本発明に係るパターン形成方法を用いて上記画素間隔壁の材料上にマスクを形成する工程と、上記マスクを介して上記画素間隔壁の材料を露光する工程と、露光された上記画素間隔壁の材料を現像する工程とによって上記画素間隔壁を形成することを特徴とする。
このように本発明に係るパターン形成方法は、フォトリソグラフィ法によって画素間隔壁を形成する際の1工程であるマスクの形成に応用することも可能である。
このように本発明に係るパターン形成方法は、フォトリソグラフィ法によって画素間隔壁を形成する際の1工程であるマスクの形成に応用することも可能である。
以下、図面を参照して、本発明に係るパターン形成方法及び表示装置の製造方法の一実施形態について説明する。なお、以下の説明に用いる各図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
(パターン形成方法)
図1は、所定のパターンが形成された基板1(土台)の断面図である。この図に示すように、基板1上には、パターニングされたレジスト2(パターン形成材料)が配置されており、このレジスト2によって所定のパターンが形成されている。
図1は、所定のパターンが形成された基板1(土台)の断面図である。この図に示すように、基板1上には、パターニングされたレジスト2(パターン形成材料)が配置されており、このレジスト2によって所定のパターンが形成されている。
次に、図2を参照して本実施形態に係るパターンの形成方法について説明する。
まず、図2(a)に示すように、基板1上の全面に、例えばスピンコート法によってレジスト2を塗布する。続いて、図2(b)に示すように、原版3を基板1に対して対向配置する。この原版3における基板1との対向面3a(押圧面)には所定のパターンに対応する凹凸が形成されており、この対向面3aには可逆膜4が配置されている。
まず、図2(a)に示すように、基板1上の全面に、例えばスピンコート法によってレジスト2を塗布する。続いて、図2(b)に示すように、原版3を基板1に対して対向配置する。この原版3における基板1との対向面3a(押圧面)には所定のパターンに対応する凹凸が形成されており、この対向面3aには可逆膜4が配置されている。
この可逆膜4は、液体あるいは蒸気と接触された状態(第1の加熱条件)で加熱されることによって親液化され、液体あるいは蒸気の非接触とされた状態(第2の加熱条件)で加熱されることによって撥液化されるものである。このように加熱条件に応じて濡れ性を変化させる物質は、例えば特開平5−305764号公報に開示されており、周知のものである。具体的には、疎水基が表面に配される有機化合物である。また、原版3の構成材料としては、ニッケル等を用いることができる。
そして、可逆膜4は、図2(b)において、予め液体あるいは蒸気と接触された状態で加熱されており、親液化されている。
この液体としては、水はもちろんのこと、電解質を含む水溶液、エタノール、n−ブタノール等のアルコール、グリセリン、エチレングリコール等の多価アルコール、メチルエチルケトン等のケトン類のような有極性液体や、n−ノナン、n−オクタン等の直鎖状炭化水素、シクロヘキサン等の環式状炭化水素、m−キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素のような無極性液体を用いることができる。また、蒸気としては、水蒸気の外に、上記液体の蒸気であれば使用できるが、特にエタノール蒸気やm−キシレン 蒸気などの有機化合物の蒸気を用いることが好ましい。
この液体としては、水はもちろんのこと、電解質を含む水溶液、エタノール、n−ブタノール等のアルコール、グリセリン、エチレングリコール等の多価アルコール、メチルエチルケトン等のケトン類のような有極性液体や、n−ノナン、n−オクタン等の直鎖状炭化水素、シクロヘキサン等の環式状炭化水素、m−キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素のような無極性液体を用いることができる。また、蒸気としては、水蒸気の外に、上記液体の蒸気であれば使用できるが、特にエタノール蒸気やm−キシレン 蒸気などの有機化合物の蒸気を用いることが好ましい。
なお、可逆膜4を加熱する手段としては、可逆膜4が加熱さえされれば良く、いずれの加熱手段を用いても良く、例えば、ヒータ、サーマルヘッド等の接触加熱手段であっても良いし、電磁波を用いる非接触加熱手段であっても良い。また、加熱温度は50〜250℃、加熱時間は0.1m秒〜1秒程度である。
次に、図2(c)に示すように、原版3をレジスト2に対して押圧する。この際、原版3の対向面3aの凸部3a1が基板1に対して接触するまで原版3を押圧する。なお、レジスト2は固体であるが流動性を有しているため、ここで、可逆膜4が親液化されていることによって、原版3の対向面3aの凹部3a2に均一に入り込む。
続いて、図2(c)に示した状態(原版3をレジスト2に対して押圧した状態)において、基板1全体、すなわち可逆膜4を加熱する。この状態において、可逆膜4は液体及び蒸気に対して非接触であるため加熱されることによって撥液化される。なお、この際の加熱温度は50〜300℃、加熱時間は0.1m秒〜10秒程度である。
そして、図2(d)に示すように、原版3を解離することによってレジスト2がパターニングされる。この際、可逆膜4が撥液化されているため、原版3とレジスト2とが容易に剥離される。したがって、パターニングされたレジスト2の形状を崩すことなく原版3を解離することが可能となる。
このようにしてパターニングされたレジスト2,2間における基板1上には、図2(d)に示すように、原版3の対向面3aの凸部3a1と基板1との間に残ったレジストが残渣Xとして残存する。このため、ライトエッチング処理を行うことによって、レジスト2,2間における基板1上に残存する残渣Xを除去する。その後、基板1を焼成し、レジスト2を硬化させることによって図1に示すようなパターンが形成される。
このような本実施形態に係るパターン形成方法によれば、可逆膜4が、液体あるいは蒸気と接触状態で加熱されることによって親液性を示し、液体あるいは蒸気と非接触状態で加熱されることによって撥液性を示すため、原版とパターン形成材料との剥離が容易となり、パターン形状を崩さず形成することが可能となる。
(表示装置)
図3は、本実施形態に係る表示装置であるアクティブマトリクス型の有機EL装置100の模式図である。なお、図示する有機EL装置100は、薄膜トランジスタを用いたアクティブ型の駆動方式を採用している。
図3は、本実施形態に係る表示装置であるアクティブマトリクス型の有機EL装置100の模式図である。なお、図示する有機EL装置100は、薄膜トランジスタを用いたアクティブ型の駆動方式を採用している。
有機EL装置100は、基板20の上に回路素子として薄膜トランジスタを含む回路素子部14、画素電極(陽極)111、有機EL層(発光層)を含む有機機能層110、対向電極(陰極)12及び封止部3等を順次積層した構造からなる有機EL素子10をマトリクス状に複数配置したものである。
基板20としては、本実施形態ではガラス基板が用いられている。基板20は、ガラス基板の他にもシリコン基板、石英基板、セラミックス基板、プラスチック基板、プラスチックフィルム基板等、電機光学装置や回路基板に用いられる公知の様々な基板が適用される。この基板20の表面(図1における下面)は、外光の反射を抑制する減反射処理が施してあることが好ましい。基板20の表面に減反射処理を施すことによって外光の反射を抑制できるので本有機EL装置100のコントラストを向上させることが可能となる。基板20内には、発光領域としての複数の画素領域Aがマトリクス状に配列されており、カラー表示を行う場合、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応する画素領域Aが所定の配列で配置されている。各画素領域Aには、画素電極111が配置され、その近傍には信号線132、電源線133、走査線131及び図示しない他の画素電極用の走査線等が配置されている。画素領域Aの平面形状は、図示するような矩形の他に円形、長円形など任意の形状が適用される。
また、封止部30は、水や酸素の浸入を防ぐことによって陰極12あるいは有機機能層110の酸化を防止するものであり、基板20に塗布される封止樹脂及び基板20に貼り合わされる封止基板30b(封止缶)等を含む。封止樹脂の材料としては、例えば、熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂等が用いられ、特に、熱硬化樹脂の一種であるエポシキ樹脂が好ましく用いられる。封止樹脂は、基板20の周縁に環状に塗布されており、例えば、マイクロディスペンサ等によって塗布される。封止基板30bは、ガラスや金属等からなり、基板20と封止基板30bとは封止樹脂を介して貼り合わされる。
図4は、上記有機EL装置100の回路構造を示している。この図4において、基板20上には複数の走査線131と、走査線131に対して交差する方向に延びる複数の信号線132と、信号線に並列に延びる複数の電源線133とが配線されている。また、走査線131及び信号線132の各交点毎に上記画素領域Aが形成されている。信号線132には、例えば、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを含むデータ側駆動回路103が接続されている。また、走査線131にはシフトレジスタ及びレベルシフタを含む走査側駆動回路104が接続されている。
画素領域Aには走査線131を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の薄膜トランジスタ123と、このスイッチング用の薄膜トランジスタ123を介して信号線132から供給される画像信号を保持する保持容量135と、保持容量135によって保持された画像信号がゲート電極に供給される駆動用の薄膜トランジスタ124と、この駆動用の薄膜トランジスタ124を介して電源線133に電気的に接続したときに電源線133から駆動電流が流れ込む画素電極(陽極)111と、画素電極111と陰極12との間に挟み込まれる有機機能層110とが設けられている。有機機能層110は、有機EL素子としての発光層を含む。
画素領域Aでは走査線131が駆動されてスイッチング用の薄膜トランジスタ123がオンとなると、そのときの信号線132の電位が保持容量135に保持され、この保持容量135の状態に応じて駆動用の薄膜トランジスタ124の導通状態が決まる。また、駆動用の薄膜トランジスタ124のチャネルを介して電源線133から画素電極111に電流が流れ、さらに有機機能層110を通じて陰極12に電流が流れる。そして、このときの電流量に応じて有機機能層110が発光する。
図5は、上記有機EL装置100における表示領域の断面構造を拡大した図である。この図5には赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応する3つの画素領域の断面構造が示されている。上述のように有機EL装置100は、基板20上にTFTなどの回路等が形成された回路素子部14と、画素電極111及び有機機能層110が形成された発光素子部11と、陰極12とが順次積層されて構成されている。この有機EL装置100では有機機能層110から基板20側に発した光が回路素子部14及び基板20を透過して基板20の下側(観測者側)に放出されると共に、有機機能層110から基板20の反対側に発した光が陰極12によって反射されて回路素子部14及び基板20を透過して基板20の下側(観測者側)に放出されるようになっている。
回路素子部14には基板20上にシリコン酸化膜からなる下地保護膜2cが形成され、この下地保護層2c上に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜141が形成されている。なお、半導体膜141にはソース領域141a及びドレイン領域141bが高濃度Pイオン打ち込みによって形成されている。なお、Pが導入されなかった部分がチャネル領域141cとなっている。さらに回路素子部14には、下地保護膜2c及び半導体膜141を覆う透明なゲート絶縁膜142が形成され、ゲート絶縁膜142上にはAl、Mo、Ta、Ti、W等からなるゲート電極143(走査線)が形成され、ゲート電極143及びゲート絶縁膜142上には透明な第1層間絶縁膜144aと第2層間絶縁膜144bが形成されている。ゲート電極143は半導体膜141のチャネル領域141cに対応する位置に設けられている。また、第1、第2層間絶縁膜144a,144bを貫通して半導体膜141のソース、ドレイン領域141a,141bにそれぞれ接続されるコンタクトホール145,146が形成されている。
そして、第2層間絶縁膜144b上には、ITO等からなる透明な画素電極111が所定の形状にパターニングされて形成され、一方のコンタクトホール145がこの画素電極111に接続されている。このようにして、回路素子部14には各画素電極111に接続された駆動用のスイッチング用の薄膜トランジスタ123が形成されている。なお、回路素子部14には上述した保持容量135及び駆動用の薄膜トランジスタ124も形成されているが、図5ではこれらの図示を省略している。
発光素子部11は、複数の画素電極111上の各々に積層された有機機能層110と、有機機能層110同士の間に配されて各有機機能層110を区画するバンク部112とを主体として構成されている。有機機能層110上には陰極12が配置されている。発光素子である有機EL素子10は、画素電極111、陰極12及び有機機能層110等を含んで構成される。ここで、画素電極111は、ITOにより形成されてなり、平面視略矩形にパターニングされて形成されている。この画素電極111の厚さは、50〜200nmの範囲が好ましく、特に150nm程度が良い。
バンク部112は、図5に示すように基板20側に位置する無機物バンク層112aと基板20から離れて位置する有機物バンク層112b(画素間隔壁)とが積層されて構成されている。無機物バンク層112aは、例えば、SiO2、TiO2等の無機材料からなる。また、有機物バンク層112bは、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性のあるレジストから形成されている。なお、この有機物バンク層112bが上述したパターン形成方法によって形成されている。
有機機能層110は、画素電極111上に積層された正孔注入/輸送層110aと、正孔注入/輸送層110a上に隣接して形成された発光層(有機EL層)110bと、発光層110b及びバンク部112上かつ全面に亘って形成された電子注入/輸送層110cとから構成されている。正孔注入/輸送層110aは、正孔を発光層110bに注入する機能を有すると共に、正孔を正孔注入/輸送層110a内部において輸送する機能を有する。電子注入/輸送層110cは、電子を発光層110bに注入する機能を有すると共に、電子を電子注入/輸送層110c内部において輸送する機能を有する。このような正孔注入/輸送層110a、を画素電極111と発光層110aの間に設け、電子注入/輸送層110cを陰極12と発光層110bの間に設けることによって発光層110bの発光効率、寿命等の素子特性が向上する。また、発光層110bでは、正孔注入/輸送層110aから注入された正孔と、電子注入/輸送層110cから注入される電子が発光層110bで再結合し、発光が得られる。
発光層110bは、赤色(R)に発光する赤色発光層110b1、緑色(G)に発光する緑色発光層110b2及び青色(B)に発光する青色発光層110b3の発光する波長帯域が互いに異なる3種類からなり、各発光層110b1〜110b3が所定の配列(例えばストライプ状)で配置されている。
次に、陰極12は、発光素子部11の全面に形成されており、電子注入/輸送層110cに電子を注入する役割を果たす。この陰極12は、カルシウム層12aとアルミニウム層12bとが積層されて構成されている。カルシウム層の層厚は例えば2〜50nmの範囲が好ましい。また、アルミニウム層12bは、発光層110b1〜110b3から発せられた光を基板20側に反射させるもので、Al膜の他、Ag膜、AlとAgの積層膜等からなることが好ましい。また、その厚さは、例えば100〜1000nmの範囲が好ましい。
次に、上記有機EL装置100を製造する方法について図6〜図10を参照して説明する。なお、基板20上には、それぞれ先の図5に示した、スイッチング用及び駆動用の薄膜トランジスタ123,124を含む回路素子部14、無機物バンク層112a及び画素電極111がすでに形成されているものとする。
本実施形態の製造方法は、(1)有機物バンク層形成工程、(2)正孔注入/輸送層形成工程、(3)発光層形成工程、(4)電子注入/輸送層形成工程、(5)陰極形成工程及び(6)封止工程等を有する。なお、ここで説明する製造方法は一例であって、必要に応じてその他の工程が追加されたり、上記の工程の一部が除かれたりする。なお、(2)正孔注入/輸送層形成工程、(3)発光層形成工程は、液滴吐出装置を用いた液体吐出法(インクジェット法)を用いて行った。
(1)有機物バンク層形成工程
この有機物バンク層形成工程は、上述のパターン形成方法によって、有機物バンク層112bを形成する工程であり、まず、図6(a)に示すように、画素電極111及び無機物バンク層112aが形成された基板20上の全面に有機物バンク層112bの形成材料であるレジスト40を、例えばスピンコート法によって塗布する。続いて、図6(b)に示すように、液体あるいは蒸気と接触状態で加熱されることによって親液性を示す可逆膜4を有する原版50をレジスト40に対して押圧する。なお、原版50の押圧面には、各画素領域に対応した凹凸部が形成されている。そして、基板20を加熱、すなわち可逆膜4と液体あるいは蒸気が非接触状態で加熱することによって、可逆膜4を撥液化した後、原版50を基板20から解離する。これによって、図6(c)に示すように、レジスト40が各画素領域に対応するようにパターニングされる。そして、レジスト40,40間に残存する残渣をライトエッチング処理等によって除去した後、基板20を焼成することによってレジスト4が硬化され、有機物バンク層112bが形成される。
この有機物バンク層形成工程は、上述のパターン形成方法によって、有機物バンク層112bを形成する工程であり、まず、図6(a)に示すように、画素電極111及び無機物バンク層112aが形成された基板20上の全面に有機物バンク層112bの形成材料であるレジスト40を、例えばスピンコート法によって塗布する。続いて、図6(b)に示すように、液体あるいは蒸気と接触状態で加熱されることによって親液性を示す可逆膜4を有する原版50をレジスト40に対して押圧する。なお、原版50の押圧面には、各画素領域に対応した凹凸部が形成されている。そして、基板20を加熱、すなわち可逆膜4と液体あるいは蒸気が非接触状態で加熱することによって、可逆膜4を撥液化した後、原版50を基板20から解離する。これによって、図6(c)に示すように、レジスト40が各画素領域に対応するようにパターニングされる。そして、レジスト40,40間に残存する残渣をライトエッチング処理等によって除去した後、基板20を焼成することによってレジスト4が硬化され、有機物バンク層112bが形成される。
(2)正孔注入/輸送層形成工程
図7に示すように、画素電極111が形成された基板20上に、正孔注入/輸送層110aを形成する。正孔注入/輸送層形成工程では、例えば、液体吐出法を用いることにより、正孔注入/輸送層形成材料を含む組成物を画素電極111上に吐出する。その後に乾燥処理及び熱処理を行い、画素電極111上に正孔注入/輸送層110aを形成する。なお、この正孔注入/輸送層形成工程を含め、以降の工程は、例えば窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
図7に示すように、画素電極111が形成された基板20上に、正孔注入/輸送層110aを形成する。正孔注入/輸送層形成工程では、例えば、液体吐出法を用いることにより、正孔注入/輸送層形成材料を含む組成物を画素電極111上に吐出する。その後に乾燥処理及び熱処理を行い、画素電極111上に正孔注入/輸送層110aを形成する。なお、この正孔注入/輸送層形成工程を含め、以降の工程は、例えば窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
液体吐出法による正孔注入/輸送層の形成手順としては、液体を吐出するための吐出ヘッド(図示略)に、正孔注入/輸送層の材料を含有する組成物インクを充填し、吐出ヘッドの吐出ノズルを、バンク部112の開口部内に位置する画素電極111に対向させ、吐出ヘッドと基板20とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御されたインク滴を吐出する。その後、吐出後のインク滴を乾燥処理して組成物インクに含まれる極性溶媒(液体材料)を蒸発させることにより、正孔注入/輸送層が形成される。
ここで用いる組成物としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の混合物を、極性溶媒に溶解させた組成物を用いることができる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。より具体的な組成物の組成としては、PEDOT:PSS混合物(PEDOT/PSS=1:20):12.52重量%、PSS:1.44重量%、IPA:10重量%、NMP:27.48重量%、DMI:50重量%のものを例示できる。なお、組成物の粘度は2〜20Ps程度が好ましく、特に4〜15cPs程度が良い。
(3)発光層形成工程
次に、図8に示すように、正孔注入/輸送層110aが積層された画素電極111上に発光層110bを形成する。図5では、青色発光層110b3を形成し、続いて図6のように赤色発光層110b1、緑色発光層110b2を順次形成する。ここでは液体吐出法により、発光層用材料を含む組成物インクを正孔注入/輸送層110a上に吐出し、その後に乾燥処理及び熱処理して、バンク部112に形成された開口部内に各色発光層110b1〜110b3を形成する。
次に、図8に示すように、正孔注入/輸送層110aが積層された画素電極111上に発光層110bを形成する。図5では、青色発光層110b3を形成し、続いて図6のように赤色発光層110b1、緑色発光層110b2を順次形成する。ここでは液体吐出法により、発光層用材料を含む組成物インクを正孔注入/輸送層110a上に吐出し、その後に乾燥処理及び熱処理して、バンク部112に形成された開口部内に各色発光層110b1〜110b3を形成する。
発光層形成工程では、正孔注入/輸送層110aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる組成物インクの溶媒として、正孔注入/輸送層110aに対して不溶な無極性溶媒を用いる。この場合、無極性溶媒に対する正孔注入/輸送層110aの表面の濡れ性を高めるために、発光層形成の前に表面改質工程を行うのが好ましい。表面改質工程は、例えば上記無極性溶媒と同一溶媒又はこれに類する溶媒を液体吐出法、スピンコート法又はディップ法等により正孔注入/輸送層110a上に塗布した後に乾燥することにより行う。なお、ここで用いる表面改質用溶媒は、組成物インクの無極性溶媒と同一なものとして例えば、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を例示でき、組成物インクの無極性溶媒に類するものとしては、例えばトルエン、キシレン等を例示することができる。
液体吐出法による発光層の形成手順としては、まず青色発光層の形成に際しては、吐出ヘッド(図示略)に青色発光層110b3を形成する材料を含有する組成物インクを充填し、吐出ヘッドの吐出ノズルを、バンク部112の開口部内に位置する青色(B)用の正孔注入/輸送層110aに対向させ、吐出ヘッドと基板20とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御されたインク滴を吐出する。吐出されたインク滴は、正孔注入/輸送層110a上に広がってバンク部112の開口部内に満たされる。続いて、吐出後のインク滴を乾燥処理することにより組成物インクに含まれる無極性溶媒が蒸発し、青色発光層110b3が形成される。
青色発光層110b3を形成する発光材料としては、例えばジスチリルビフェニルおよびその誘導体、クマリンおよびその誘導体、テトラフェニルブタジエンおよびその誘導体などの有機EL材料からなるものを用いることができる。一方、無極性溶媒としては、正孔注入/輸送層に対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることができる。
続いて、正孔注入/輸送層110aが積層された赤色(R)及び緑色(G)用の画素電極111の上に、赤色発光層110b1及び緑色発光層110b2をそれぞれ形成する。この赤色及び緑色発光層形成工程は、前述した青色発光層形成工程と同様の手順で行われる。すなわち、液体吐出法により、緑色発光層110b2を形成する材料を含む組成物インクを緑色(G)用の正孔注入/輸送層110a上に吐出した後に乾燥処理及び熱処理して、バンク部112に形成された開口部内に緑色発光層110b2を形成する。また、液体吐出法により、赤色発光層110b1を形成する材料を含む組成物インクを赤色(R)用の正孔注入/輸送層110a上に吐出した後に乾燥処理及び熱処理して、バンク部112に形成された開口部内に赤色発光層110b1を形成する。なお、緑色発光層110b2を形成する発光材料としては、例えばキナクリドンおよびその誘導体などの有機EL材料からなるものを用いることができ、赤色発光層110b1を形成する発光材料としては、例えばローダミンおよびその誘導体などの有機EL材料からなるものを用いることができる。
(4)電子注入/輸送層形成工程
次に、図9に示すように、発光層110b及びバンク層112の全面に電子注入/輸送層110cを形成する。電子注入/輸送層110cは、蒸着法、スパッタ法、CVD法等で形成することが好ましく、特に蒸着法で形成することが、熱による発光層110bの損傷を防止できる点で好ましい。
次に、図9に示すように、発光層110b及びバンク層112の全面に電子注入/輸送層110cを形成する。電子注入/輸送層110cは、蒸着法、スパッタ法、CVD法等で形成することが好ましく、特に蒸着法で形成することが、熱による発光層110bの損傷を防止できる点で好ましい。
(5)陰極形成工程
次に、図10に示すように、画素電極(陽極)111と対をなす陰極12を形成する。即ち、各色発光層110b1〜110b3及びバンク部112を含む基板20上の領域全面に、カルシウム層12aとアルミニウム層12bとを順次積層して陰極12を形成する。これにより、各色発光層110b1〜110b3の形成領域全体に、陰極12が積層され、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応する有機EL素子101〜103がそれぞれ形成される。
次に、図10に示すように、画素電極(陽極)111と対をなす陰極12を形成する。即ち、各色発光層110b1〜110b3及びバンク部112を含む基板20上の領域全面に、カルシウム層12aとアルミニウム層12bとを順次積層して陰極12を形成する。これにより、各色発光層110b1〜110b3の形成領域全体に、陰極12が積層され、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応する有機EL素子101〜103がそれぞれ形成される。
陰極12は、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等で形成することが好ましく、特に蒸着法で形成することが、熱による発光層110b1〜110b3の損傷を防止できる点で好ましい。また陰極12上に、酸化防止のためにSiO2、SiN等の保護層を設けても良い。
(6)封止工程
最後に、有機EL素子(発光素子)が形成された基板20と封止基板30b(図3参照)とを封止樹脂を介して封止する。例えば、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止樹脂を基板20の周縁部に塗布し、封止樹脂上に封止基板30bを配置する。封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気中で行うと、陰極12にピンホール等の欠陥が生じていた場合にこの欠陥部分から水や酸素等が陰極12に侵入して陰極12が酸化されるおそれがあるので好ましくない。
最後に、有機EL素子(発光素子)が形成された基板20と封止基板30b(図3参照)とを封止樹脂を介して封止する。例えば、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止樹脂を基板20の周縁部に塗布し、封止樹脂上に封止基板30bを配置する。封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気中で行うと、陰極12にピンホール等の欠陥が生じていた場合にこの欠陥部分から水や酸素等が陰極12に侵入して陰極12が酸化されるおそれがあるので好ましくない。
この後、基板20の配線に陰極12を接続するとともに、基板20上あるいは外部に設けられる駆動IC(駆動回路)に回路素子部14(図3参照)の配線を接続することにより、本実施形態の有機EL装置100が完成する。
このような本実施形態に係る有機EL装置100の製造方法によれば、上述したパターン形成方法によって、有機物バンク層112bが形成されるため、所望の形状にパターニングされた有機物バンク層112bを形成することができる。
また、ライトエッチング処理によって、パターニングされたレジスト40,40間に残存する残渣が除去されるため、より優れた発光特性を有する表示装置とすることが可能となる。
また、ライトエッチング処理によって、パターニングされたレジスト40,40間に残存する残渣が除去されるため、より優れた発光特性を有する表示装置とすることが可能となる。
次に、図11を参照して、上述の有機物バンク層形成工程とは異なる有機物バンク層形成工程(第2有機物バンク形成工程)について説明する。
この第2有機物バンク形成工程では、有機物バンク112bが、上述のパターン形成方法によってパターンニングされたマスクを用いたフォトリソグラフィ法によって形成される。
まず、図11(a)に示すように、レジスト40上に当該レジスト40とは異なる性質を有する第2レジスト60を塗布する。続いて、図11(b)に示すように、液体あるいは蒸気と接触状態で加熱されることによって親液性を示す可逆膜4を有する原版70を第2レジスト60に対して押圧する。なお、原版70の押圧面には、各画素領域に対応した凹凸部が形成されている。そして、基板20を加熱、すなわち可逆膜4と液体あるいは蒸気が非接触状態で加熱することによって、可逆膜4を撥液化した後、原版70を基板20から解離する。これによって、図11(c)に示すように、マスクMが形成される。その後、このマスクMを介してレジスト40を露光し、さらに現像し、硬化させることによって有機物バンク層112bが形成される。
このように、上述のパターン形成方法は、このようなレジスト40を露光するためのマスクMを形成する場合に用いることもできる。
この第2有機物バンク形成工程では、有機物バンク112bが、上述のパターン形成方法によってパターンニングされたマスクを用いたフォトリソグラフィ法によって形成される。
まず、図11(a)に示すように、レジスト40上に当該レジスト40とは異なる性質を有する第2レジスト60を塗布する。続いて、図11(b)に示すように、液体あるいは蒸気と接触状態で加熱されることによって親液性を示す可逆膜4を有する原版70を第2レジスト60に対して押圧する。なお、原版70の押圧面には、各画素領域に対応した凹凸部が形成されている。そして、基板20を加熱、すなわち可逆膜4と液体あるいは蒸気が非接触状態で加熱することによって、可逆膜4を撥液化した後、原版70を基板20から解離する。これによって、図11(c)に示すように、マスクMが形成される。その後、このマスクMを介してレジスト40を露光し、さらに現像し、硬化させることによって有機物バンク層112bが形成される。
このように、上述のパターン形成方法は、このようなレジスト40を露光するためのマスクMを形成する場合に用いることもできる。
1,20……基板(土台)、2,40……レジスト(パターン形成材料)、3,50,70……原版、4……可逆膜
Claims (7)
- 土台上に配置されたパターン形成材料に対して所定のパターンに対応する凹凸を有する原版を押圧し、前記パターン形成材料をパターニングすることによって所定のパターンを形成する方法であって、
前記原版の押圧面に第1の加熱条件と第2の加熱条件とによって濡れ性が変化する可逆膜を配置し、
前記第1の加熱条件において加熱した前記原版を前記パターン形成材料に対して押圧する工程と、
前記原版を前記パターン形成材料に対して押圧した状態で前記第2の加熱条件において前記原版を加熱する工程と、
前記原版を前記パターン形成材料から解離する工程と
を有することを特徴とするパターン形成方法。 - 前記可逆膜は、前記第1の加熱条件において加熱されることによって親液化され、前記第2の加熱条件において加熱されることによって撥液化されることを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
- 前記パターン形成材料をパターンニングした後に、前記パターン形成材料間に残存する残渣を除去する工程を有することを特徴とする請求項1または2記載のパターン形成方法。
- 前記第1の加熱条件は、前記可逆膜と液体あるいは蒸気とが接触された状態であり、前記第2の加熱条件は、前記可逆膜と液体あるいは蒸気が非接触とされた状態であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のパターン形成方法。
- 前記パターン形成材料は、レジストであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のパターン形成方法。
- 複数の発光領域と各発光領域間に配置される画素間隔壁とを有する表示装置の製造方法であって、
請求項1〜5いずれかに記載のパターン形成方法を用いて前記画素間隔壁を形成する工程を有することを特徴とする表示装置の製造方法。 - 複数の画素領域と各画素領域間に配置される画素間隔壁とを有する表示装置の製造方法であって、
基板の一面に前記画素間隔壁の材料を配置する工程と、
請求項1〜5いずれかに記載のパターン形成方法を用いて前記画素間隔壁の材料上にマスクを形成する工程と、
前記マスクを介して前記画素間隔壁の材料を露光する工程と、
露光された前記画素間隔壁の材料を現像する工程と
によって前記画素間隔壁を形成することを特徴とする表示装置の製造方法。
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