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JP2005147541A - 多室型空気調和機 - Google Patents

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俊也 丸岡
Goji Ohira
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Abstract

【課題】膨張弁を搭載した多室型空気調和機において、その運転条件によっては膨張弁の開きすぎや絞りすぎによる吐出SHの急変が発生し、圧縮機の吸入ガスが過湿り・過熱状態になり、冷凍サイクルの信頼性を著しく低下させてしまうことがあった。
【解決手段】室外機の制御装置により室内機の運転台数や配管長などの運転条件を認識し、前記運転条件に応じて膨張弁開度の上限値及び下限値を設け、その範囲内で膨張弁制御を行うことにより、圧縮機吸入ガスの過湿り・過熱を防止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、膨張弁制御を搭載した多室型空気調和機に関するものである。
従来の空気調和機の膨張弁制御は、図9の冷凍サイクル図に示すように、圧縮機吐出温度と室外機側熱交換器温度を検出する検出手段を備え、その差温で算出される吐出加熱度(SH)をが規定値より大きければ膨張弁を開き、小さければ膨張弁を絞ると言った手段を用い、適正に調整するものであった(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−106608号公報
しかしながら、多室型空気調和機の各室内機に膨張弁が搭載されてSHを制御する場合、運転室内機容量の変化による必要冷媒循環量の増減が起こった際、前記従来の吐出SHを所定値に合致させるように膨張弁の絞りを開閉する制御では、各室内機の膨張弁が各々の室内機の置かれた運転条件によって勝手に絞りを制御するため、膨張弁の開きすぎや絞りすぎによる吐出SHの急変を招き、圧縮機の吸入ガスが過湿り・過熱状態になる場合があり、圧縮機信頼性に大きく影響するという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、膨張弁の開きすぎや絞りすぎを防止し、圧縮機の吸入ガスが過湿り・過熱状態になることを防ぐ膨張弁制御を搭載した多室型空気調和機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明の多室型空気調和機は、膨張弁開度の上限及び下限を規制し、且つ前記上限値及び下限値を室内機の運転台数その他の条件に応じて変化させることを特徴としたもので、この膨張弁制御により圧縮機吸入ガスの過湿り・過熱を防止することができる。
以上のように本発明の膨張弁制御は、圧縮機の吸入ガスの過湿り・過熱を防止し、圧縮機および冷凍サイクルの信頼性を確保することができる。
第1の発明は、多室型空気調和機において、膨張弁開度の上限及び下限を規制し、前記上限値及び下限値を室内機の運転台数に応じて変化させることにより、膨張弁の開きすぎ・絞りすぎによる圧縮機の吸入ガスの過湿り・過熱を防止し、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の膨張弁開度の上限値及び下限値を、室内機運転容量に応じて変化させることにより、膨張弁の開きすぎ・絞りすぎによる圧縮機の吸入ガスの過湿り・過熱を防止し、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
第3の発明は、特に、第1の発明の膨張弁開度の上限値及び下限値を、圧縮機の運転周波数に応じて変化させることにより、膨張弁の開きすぎ・絞りすぎによる圧縮機の吸入ガスの過湿り・過熱を防止し、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
第4の発明は、特に、第1の発明の膨張弁開度の上限値及び下限値を、外気温度に応じて変化させることにより、膨張弁の開きすぎ・絞りすぎによる圧縮機の吸入ガスの過湿り・過熱を防止し、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
第5の発明は、特に、第1の発明の膨張弁開度の上限値及び下限値を、室内機・室外機間
の配管総長に応じて変化させることにより、膨張弁の開きすぎ・絞りすぎによる圧縮機の吸入ガスの過湿り・過熱を防止し、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
第6の発明は、特に、第1の発明の膨張弁開度の上限値及び下限値を、圧縮機の吸入SH或いは吐出SHが所定の範囲外となった場合に変化させることにより、膨張弁の開きすぎ・絞りすぎによる圧縮機の吸入ガスの過湿り・過熱を防止し、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
第7の発明は、特に、第1の発明の膨張弁開度の上限値及び下限値を、室内機の形態に応じて変化させることにより、膨張弁の開きすぎ・絞りすぎによる圧縮機の吸入ガスの過湿り・過熱を防止し、圧縮機の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は発明の実施例を示す冷凍サイクル図である。同図において、冷凍サイクルは能力可変型圧縮機1、室外側熱交換器2、室外送風機3、室外膨張弁4、冷房サイクルと暖房サイクルを切換える四方弁5、外気温度検出手段6、吐出温度検出手段7、吸入温度検出手段8、室外側熱交換器温度検出手段9、吐出圧力検出手段13、室外機制御装置14を搭載した室外機と、室内側熱交換器10、室内送風機11、室内膨張弁12、室内機制御装置15a、15bを搭載した室内機とで構成されている。
図2は膨張弁開度上下限概念図であり、運転室内機台数と膨張弁開度の上下限値の関係を表したものである。
室外機制御装置14と室内機制御装置15a、15bは通信線で接続され、運転を開始すると室内機制御装置15a、15bから室外機制御装置14へ運転信号を送信し、室外機制御装置14は室内機の運転台数を集計し、合計運転台数として認識する。
例えば、基準となる運転台数2台(室内機A、B)での運転の場合、室外膨張弁4は所定の基準膨張弁開度上下限値内で制御される。
基準となる運転台数2台に対し、室内機A或いはBのいずれか1台のみの運転の場合、膨張弁基準開度上下限値に対し、下限値、上限値いずれも同じ変化幅ΔP(例えば30pls)だけ低くする。
さらに、基準運転室内機に対し運転室内機が1台増え合計3台になった場合、膨張弁の基準開度上下限値に対し、下限値、上限値いずれも同じ変化幅ΔP(例えば30pls)高くする。
このように、室外機の制御装置が室内機からの運転信号を受信して室内機の運転台数を認識し、室内機の運転台数に応じ規定した膨張弁開度の上限値及び下限値に段階的に変更し、その範囲内で膨張弁制御を行うことにより、圧縮機吸入ガスの過湿り・過熱を防止することができる。
(実施の形態2)
図3は膨張弁開度上下限概念図であり、運転室内機容量と膨張弁開度の上下限値の関係を表したものである。
室外機制御装置14と室内機制御装置15a、15bが通信線で接続され、室内機が運転開始となれば室内機制御装置15a、15bから室外機制御装置14へ運転信号を送信し、室外機制御装置14は室内機の運転容量を集計し、合計運転容量として認識できる。
各室内機の容量を室内機Aが5.1kW、室内機Bが2.6kW、室内機Cが2.6kWとし、基準となる室内機運転容量で運転中(例えば室内機A、Bの合計容量7.7kW)、膨張弁4は実機検証にて定めた基準膨張弁開度上下限値内で制御される。
基準となる運転容量に対し、室内機Aのみの運転の場合、運転容量が減少し(5.1kW)、膨張弁基準開度上下限値に対し、下限値、上限値いずれも同じ変化幅ΔP(例えば30pls)低くする。
さらに、基準運転容量に対し運転室内機が1台増えた場合、運転容量が増加し(10.3kW)、膨張弁基準開度上下限値に対し、下限値、上限値いずれも同じ変化幅ΔP(例えば30pls)高くする。
このように、室外機の制御装置が室内機からの運転信号を受信することにより室内機の運転合計容量を認識し、室内機の運転容量に応じ規定した膨張弁開度の上限値及び下限値に段階的に変更し、その範囲内で膨張弁制御を行うことにより、圧縮機吸入ガスの過湿り・過熱を防止することができる。
(実施の形態3)
図4は膨張弁開度上下限概念図であり、圧縮機の運転周波数と膨張弁開度の上下限値の関係を表したものである。
能力可変型圧縮機1が基準となる運転周波数F1(Hz)で運転中の場合、膨張弁4は実機検証にて定めた基準膨張弁開度上下限値内で制御される。
室外機制御装置14は負荷により決定した運転周波数を認識しており、基準となる運転周波数F1(Hz)に対し、低い周波数F0(Hz)で運転した場合、膨張弁基準開度上下限値に対し、下限値、上限値いずれも同じ変化幅ΔP(例えば30pls)低くする。
さらに、基準となる運転周波数F1(Hz)に対し高い周波数F2Hzで運転した場合、膨張弁基準開度上下限値に対し、下限値、上限値いずれも同じ変化幅ΔP(例えば30pls)高くする。
このように、室外機の制御装置により圧縮機の運転周波数を認識し、圧縮機の運転周波数に応じ規定した膨張弁開度の上限値及び下限値に連続的或いは段階的に変更し、その範囲内で膨張弁制御を行うことにより、圧縮機吸入ガスの過湿り・過熱を防止することができる。
(実施の形態4)
図5は膨張弁開度上下限概念図であり、外気温度と膨張弁開度の上下限値の関係を表したものである。
外気温度が基準となるT1(℃)で運転中の場合、膨張弁4は実機検証にて定めた基準膨張弁開度上下限値内で制御される。
室外機制御装置14は外気温度検出手段6が検出した外気温度を認識しており、基準となる外気温度T1(℃)に対し、低い外気温度T0(℃)での運転の場合、膨張弁基準開度上下限値に対し、上限値を変化幅ΔP1(例えば30pls)、下限値を上限値の変化幅より小さい変化幅ΔP2(例えば15pls)、それぞれ低くする。
さらに、基準となる外気温度T1(℃)に対し高い外気温度T2(℃)での運転の場合
、膨張弁基準開度上下限値に対し、上限値を変化幅ΔP1(例えば30pls)、下限値を上限値の変化幅より小さい変化幅ΔP2(例えば15pls)、それぞれ高くする。
室外機の制御装置が外気温度検出手段6により外気温度を認識し、外気温度に応じ規定した膨張弁開度の上限値及び下限値に連続的或いは段階的に変更し、その範囲内で膨張弁制御を行うことにより、圧縮機吸入ガスの過湿り・過熱を防止することができる。
(実施の形態5)
図6は膨張弁開度上下限概念図であり、室内機・室外機間の配管総長と膨張弁開度の上下限値の関係を表したものである。
室外機制御装置14に配管長SWを有し、商品設置段階で設置業者が実際の室内機・室外機間配管総長に応じ、配管長SWを切り替え、室外機制御装置14は配管総長の範囲を認識できる。
配管総長が基準となる20(m)以下で設置している場合、膨張弁4は実機検証にて定めた基準膨張弁開度上下限値内で制御される。
基準となる配管総長20(m)以下に対し、配管長が20(m)〜40(m)の場合、膨張弁基準開度上下限値に対し、下限値、上限値いずれも同じ変化幅ΔP(例えば30pls)高くする。
このように、設置段階において設置業者により、配管長ごとに定めた制御装置上のスイッチ操作により室外機の制御装置が室内機・室外機間の配管総長を認識し、室内機・室外機間の配管総長に応じ規定した膨張弁開度の上限値及び下限値に段階的に変更し、その範囲内で膨張弁制御を行うことにより、圧縮機吸入ガスの過湿り・過熱を防止することができる。
(実施の形態6)
図7及び図8は膨張弁開度上下限概念図であり、それぞれ吐出SHと膨張弁開度の上下限値の関係、吸入SHと膨張弁開度の上下限値の関係を表したものである。
室外機制御装置14は、吸入温度検出手段8が検知した吸入温度と室外側熱交換器温度検出手段9が検知した蒸発温度との差温から算出した吸入SH、及び吐出温度検出手段7が検知した吐出温度と吐出圧力検出手段13が検知した吐出圧力から算出した凝縮温度との差温から算出した吐出SHを認識できる。
基準となる吐出SH範囲(10(K)以上)、或いは吸入SH範囲(10(K)以下)での運転中、室外膨張弁4は実機検証にて定めた基準膨張弁開度上下限値内で制御される。
基準となる吐出SH範囲に対し吐出SHが低下し、10(K)未満になった場合、膨張弁基準開度上下限値に対し、下限値を変更せず、上限値を変化幅ΔP(例えば100pls)低くする。
同様に、基準となる吸入SH範囲に対し吸入SHが上昇し、10(K)を超えた場合、膨張弁基準開度上下限値に対し、上限値を変更せず、下限値を変化幅ΔP(例えば100pls)高くする。
このように、室外機の制御装置により、吸入SH・吐出SHを認識し、吸入SH・吐出
SHが所定の範囲外となった場合に、膨張弁開度の上限値及び下限値を規定した値に段階的に変化し、その後変化後の範囲内で膨張弁制御を行うことにより、圧縮機吸入ガスの過湿り・過熱を防止することができる。
(実施の形態7)
表1は膨張弁開度上下限の一例であり、運転している室内機の形態と膨張弁開度の上下限値の関係を表したものである。
Figure 2005147541
室外機制御装置14と室内機制御装置15a、15bが通信線で接続され、室内機が運転開始となれば室内機制御装置15a、15bから室外機制御装置14へ運転信号及び室内機形態信号を送信し、室外機制御装置14は運転している室内機の形態を認識できる。
室内機の形態に応じ実機検証にて定めた膨張弁開度の上限値及び下限値に変更し、その範囲内で室外膨張弁4を制御することにより、圧縮機吸入ガスの過湿り・過熱を防止することができる。
本発明の膨張弁制御は、圧縮機吸入ガスの過湿り・過熱を防止することができるので、ビル空調用の空気調和機や冷凍機器全般にも適用できる。
本発明の実施形態を示す膨張弁制御方法の冷凍サイクル図 本発明の実施の形態1を示す膨張弁開度上下限概念図 本発明の実施の形態2を示す膨張弁開度上下限概念図 本発明の実施の形態3を示す膨張弁開度上下限概念図 本発明の実施の形態4を示す膨張弁開度上下限概念図 本発明の実施の形態5を示す膨張弁開度上下限概念図 本発明の実施の形態6を示す膨張弁開度上下限概念図 本発明の実施の形態6を示す膨張弁開度上下限概念図 従来の冷凍サイクル図
符号の説明
1 能力可変型圧縮機
2 室外側熱交換器
3 室外送風機
4 室外膨張弁
5 四方弁
6 外気温度検出手段
7 吐出温度検出手段
8 吸入温度検出手段
9 室外側熱交換器温度検出手段
10 室内側熱交換器
11 室内送風機
12 室内膨張弁
13 吐出圧力検出手段
14 室外機制御装置
15a 室内機制御装置
15b 室内機制御装置

Claims (7)

  1. 能力可変型圧縮機と、室外側熱交換器と、室外送風機と、電動式膨張弁と、四方弁と、外気温度検出手段と、吐出温度と、吸入温度検出手段と、室外側熱交換器温度検出手段と、吸入圧力検出手段、室外機制御装置を搭載した室外機と、室内側熱交換器と、室内送風機と、電動式膨張弁と、室内機制御装置を搭載した複数の室内機で形成される冷凍サイクルを具備した多室型空気調和機において、膨張弁開度の上限及び下限を規制し、前記上限値及び下限値を室内機の運転台数に応じて変化させることを特徴とした多室型空気調和機。
  2. 膨張弁開度の上限値及び下限値を室内機の運転容量数に応じて変化させることを特徴とした、請求項1に記載の多室型空気調和機。
  3. 膨張弁開度の上限値及び下限値を圧縮機の運転周波数に応じて変化させることを特徴とした、請求項1に記載の多室型空気調和機。
  4. 膨張弁開度の上限値及び下限値を外気温度に応じて変化させることを特徴とした、請求項1に記載の多室型空気調和機。
  5. 膨張弁開度の上限値及び下限値を室内機・室外機間の配管総長に応じて変化させることを特徴とした、請求項1に記載の多室型空気調和機。
  6. 圧縮機の吸入SH或いは吐出SHが所定の範囲外となった場合に膨張弁開度の上限値及び下限値を変化させることを特徴とした、請求項1に記載の多室型空気調和機。
  7. 膨張弁開度の上限値及び下限値を室内機の形態に応じて変化させることを特徴とした、請求項1に記載の多室型空気調和機。
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