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JP2005054049A - ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ加硫用ブラダー - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ加硫用ブラダー Download PDF

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JP2005054049A
JP2005054049A JP2003285912A JP2003285912A JP2005054049A JP 2005054049 A JP2005054049 A JP 2005054049A JP 2003285912 A JP2003285912 A JP 2003285912A JP 2003285912 A JP2003285912 A JP 2003285912A JP 2005054049 A JP2005054049 A JP 2005054049A
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rubber
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Hisaaki Koura
寿晃 小浦
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Bridgestone Corp
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Abstract

【課題】 硫黄を配合せずとも、弾性率及び加硫速度の調整が可能で、耐熱老化性に優れたゴム組成物を提供する。
【解決手段】 イソブチレン/p-メチルスチレン共重合体をブロモ化したポリマーをゴム成分とするゴム組成物において、上記ポリマー100質量部に対して、チアゾール系架橋促進剤0.5〜3質量部と、シトラコンイミド化合物0.1〜2質量部とを配合し、架橋剤としての硫黄を配合しないことを特徴とするゴム組成物である。該ゴム組成物は、タイヤ加硫用ブラダーに好適に用いることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ加硫用ブラダーに関し、特に耐熱老化性に優れたゴム組成物と、それを用いた長寿命なタイヤ加硫用ブラダーに関するものである。
従来、タイヤの加硫工程においては、タイヤ加硫用ブラダーに高温高圧ガス、蒸気又は温水の充填と排気とを交互に繰り返すため、前記ブラダー用ゴム組成物のゴム成分には、ブチルゴム(IIR)が使用されていた。これは、ブチルゴムがポリマーとして化学的に安定性が高く、耐熱性、耐候性、耐オゾン性に優れた性質を有する上、他の種類のゴムとの離型性にも優れているためである。
しかしながら、ブチルゴムは耐熱性に優れているものの耐熱老化性が不充分なため、タイヤの加硫工程でブラダー内部に繰り返し充填される高温高圧ガス、蒸気又は温水によって、ブラダーの劣化が進み、ブラダー表面近傍に微小な球形のクラックが発生し、該クラックが成長してブラダーパンクに至るという問題があった。
これに対して、離型性を損なうことなく耐熱老化性にも優れたポリマーであるイソブチレン/p-メチルスチレン共重合体をブロモ化したポリマーをブラダー用ゴム組成物のゴム成分として用いることで、ブラダーの寿命を大幅に向上できることが知られている(特許文献1及び2参照)。
ここで、上記イソブチレン/p-メチルスチレン共重合体をブロモ化したポリマーをゴム成分としてブラダー用ゴム組成物を製造する場合、架橋剤としては、亜鉛華や樹脂を用いるが、架橋速度及び弾性率を調整するために、通常、硫黄を配合している。
特開平9−202838号公報 特開平10−287779号公報
しかしながら、樹脂及び硫黄で架橋されたタイヤ加硫用ブラダーは、熱安定性に乏しいため、耐熱老化性が低く、寿命が短いという問題を有していた。従って、ブラダー用ゴム組成物は、できれば硫黄を含まない配合であるのが望ましいが、硫黄を配合しない場合、弾性率及び加硫速度を適切に調整することができないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、硫黄を配合せずとも、弾性率及び加硫速度の調整が可能で、耐熱老化性に優れたゴム組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記ゴム組成物を用いた長寿命なタイヤ加硫用ブラダーを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定のゴム成分に対して、硫黄を配合せず、チアゾール系架橋促進剤とシトラコンイミド化合物とを配合することで、弾性率及び加硫速度の調整が可能で且つ耐熱老化性に優れたゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のゴム組成物は、イソブチレン/p-メチルスチレン共重合体をブロモ化したポリマーをゴム成分とするゴム組成物において、上記ポリマー100質量部に対して、チアゾール系架橋促進剤0.5〜3質量部と、シトラコンイミド化合物0.1〜2質量部とを配合し、架橋剤としての硫黄を配合しないことを特徴とする。
本発明のゴム組成物の好適例においては、前記シトラコンイミド化合物が、1,2-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン、1,3-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン、1,4-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン、2,3-ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、2,4-ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、2,5-ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、2,6-ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、及びこれらに対応するビス(シトラコンイミドエチル)化合物からなる群から選択された少なくとも一種である。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記シトラコンイミド化合物がイタコンイミド化合物との混合物である。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記チアゾール系架橋促進剤がジベンゾチアジルジスルフィドである。
また、本発明のタイヤ加硫用ブラダーは、上記のゴム組成物からなることを特徴とする。
本発明によれば、イソブチレン/p-メチルスチレン共重合体をブロモ化したポリマーに対して、硫黄を配合せず、チアゾール系架橋促進剤とシトラコンイミド化合物とを特定量配合することで、弾性率及び加硫速度の調整が可能で且つ耐熱老化性に優れたゴム組成物を提供することができる。また、該ゴム組成物を適用した長寿命なタイヤ加硫用ブラダーを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、イソブチレン/p-メチルスチレン共重合体をブロモ化したポリマーをゴム成分とするゴム組成物において、上記ポリマー100質量部に対して、チアゾール系架橋促進剤0.5〜3質量部と、シトラコンイミド化合物0.1〜2質量部とを配合し、架橋剤としての硫黄を配合しないことを特徴とする。本発明のゴム組成物においては、硫黄を配合せずとも、チアゾール系架橋促進剤を配合することで、加硫速度を上昇させることが可能であり、また、弾性率の調整も可能である。また、本発明のゴム組成物は、シトラコンイミド化合物を含むため、スコーチタイムを維持しつつ、耐熱老化性を向上させることができる。
本発明のゴム組成物のゴム成分は、イソブチレン/p-メチルスチレン共重合体をブロモ化したポリマーよりなる。該ポリマーは、イソブチレン単位とパラメチルスチレン単位とを含む共重合体であって、主鎖に二重結合が存在しない。そのため、該ポリマーは耐熱老化性、耐クラック性及び耐オゾン劣化性に優れる。なお、ブロモ化は、パラメチルスチレン単位のメチル基に対して行われる。上記ポリマーは、ブロモ化率を調節することで、架橋点であるブロムの量を変化させて架橋密度を制御することができる。かかるポリマーとしては、市販品を用いることができ、例えば、エクソン社のエクスプロ(商品名)を用いることができる。
上記イソブチレン/p-メチルスチレン共重合体をブロモ化したポリマーにおいて、ポリマー中のp-メチルスチレンの結合量は3〜15質量%が好ましく、ブロム含有量は0.3〜1.5質量%が好ましい。該ポリマーは、例えば、イソブチレンとp-メチルスチレンとを共重合させた後、ブロモ化(臭素化)することで製造できる。
本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対してチアゾール系架橋促進剤0.5〜3質量部を配合してなる。本発明のゴム組成物においては、該チアゾール系架橋促進剤の配合量を調節することで、ゴム組成物の架橋速度及び弾性率の調整が可能である。チアゾール系架橋促進剤の配合量がゴム成分100質量部に対して0.5質量部未満では、ゴム組成物の弾性率が上昇して新品時の伸び(Eb)が低下するため、新品のブラダーを加硫した後に、首割れが発生して生産性が低下してしまう。また、チアゾール系架橋促進剤の配合量が3質量部を超えると、架橋速度が速くなるだけでなくスコーチタイムが短くなって、ブラダーの成形工程でゴム焦けが発生してしまう。
上記チアゾール系架橋促進剤としては、例えば、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩(CMBT)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(TBBS)、メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(ZnMBT)等が挙げられ、これらチアゾール系架橋促進剤の中でも、ジベンゾチアジルジスルフィドが特に好ましい。これらチアゾール系架橋促進剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよく、従来加硫促進剤として市販されているものを利用することができる。
本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対してシトラコンイミド化合物0.1〜2質量部を配合してなる。該シトラコンイミド化合物は、ゴム組成物のスコーチタイムを維持しながら、ゴム組成物の耐熱老化性を向上させる作用を有する。シトラコンイミド化合物の配合量がゴム成分100質量部に対して0.1質量部未満では、耐熱老化性を向上させることができず、2質量部を超えると、弾性率が低下し、ブラダーとしての形状保持性が損なわれる。
上記シトラコンイミド化合物は、分子内に下記式(I):
Figure 2005054049

で表されるシトラコンイミド基を少なくとも1つ有する化合物である。該シトラコンイミド化合物としては、1,2-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン、1,3-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン、1,4-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン、2,3-ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、2,4-ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、2,5-ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、2,6-ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、並びに1,2-ビス(シトラコンイミドエチル)ベンゼン、1,3-ビス(シトラコンイミドエチル)ベンゼン、1,4-ビス(シトラコンイミドエチル)ベンゼン、2,3-ビス(シトラコンイミドエチル)トルエン、2,4-ビス(シトラコンイミドエチル)トルエン、2,5-ビス(シトラコンイミドエチル)トルエン、2,6-ビス(シトラコンイミドエチル)トルエン等が挙げられる。これらシトラコンイミド化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記シトラコンイミド化合物は、イタコンイミド化合物との混合物であるのが好ましい。該イタコンイミド化合物は、分子内に下記式(II):
Figure 2005054049

で表されるイタコンイミド基を少なくとも1つ有する化合物である。
本発明のゴム組成物は、架橋剤としての硫黄を含まない。そのため、本発明のゴム組成物は、耐熱老化性に優れる。なお、本発明のゴム組成物においては、硫黄を配合せずとも、前述のチアゾール系架橋促進剤の配合量により架橋速度及び弾性率を制御することができる。
本発明のゴム組成物には、更に架橋剤として樹脂を配合することができる。該樹脂としては、従来ブラダー用ゴム組成物に用いられている樹脂、例えば、フェノール系樹脂等が挙げられる。これら樹脂は、一種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
上記ゴム組成物には、イソブチレン/p-メチルスチレン共重合体をブロモ化したポリマー、チアゾール系架橋促進剤、シトラコンイミド化合物、樹脂の他に、ゴム業界で通常使用される硫黄以外の配合剤、例えば、充填剤、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、老化防止剤、チアゾール系以外の架橋促進剤等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用することができる。なお、上記ゴム組成物は、イソブチレン/p-メチルスチレン共重合体をブロモ化したポリマーに、チアゾール系架橋促進剤及びシトラコンイミド化合物と共に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明のタイヤ加硫用ブラダーは、上記のゴム組成物からなることを特徴とする。本発明のタイヤ加硫用ブラダーは、耐熱老化性に優れたゴム組成物からなるため、高温高圧ガス、蒸気又は温水による劣化が抑制されており、長寿命である。該タイヤ加硫用ブラダーは、上記ゴム組成物を適用する以外、特に制限はなく、通常のブラダーと同様にして製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1に示す配合処方のゴム組成物をバンバリーミキサーを用いてそれぞれ調製し、下記の方法で、ムーニー粘度及びムーニースコーチタイムを測定した。また、各ゴム組成物から厚さ2mmのシートを作製し、190℃で20分間加熱して架橋させ、該架橋ゴムシートから試験片を作製して、JIS K6301に準拠して切断時伸び(Eb)、引張り強さ(Tb)、300%伸長時の引張応力(M300)を測定した。更に、耐熱老化性を評価するために、各架橋試験片を175℃で48時間保管した後、切断時伸び(Eb)を測定し、新品時の切断時伸び(Eb)に対する保持率を算出した。これらの結果を表1に示す。
(1)ムーニー粘度及びムーニースコーチタイム
JIS K6300に準拠して、150℃にてムーニー粘度ML1+4(150℃)及びムニースコーチタイム(MST)を測定した。ムーニースコーチタイムは、数値が高い程、スコーチ時間が長く、早期の焦けが防止されることを示す。
Figure 2005054049
*1 エクソン社製, 商品名「EXXPRO」.
*2 フェノールホルムアルデヒド樹脂.
*3 MBTS, ジベンゾチアジルジスルフィド.
*4 DHT4A2, マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイドカーボネート.
*5 1,3-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンと1-シトラコンイミドメチル-3-イタコンイミドメチルベンゼンとの混合物, FLEXSYS社製, 商品名「PERKALINK900」.
比較例1のゴム組成物は、硫黄を含むため175℃で48時間保管した後の切断時伸び及び切断時伸び保持率が低く、耐熱老化性が低かった。一方、実施例のゴム組成物は、175℃で48時間保管した後の切断時伸び及び保持率が高く、耐熱老化性に優れていた。また、比較例2〜5から、チアゾール系促進剤の配合量を変えることで、架橋特性及び弾性率を調整できることが分かる。

Claims (5)

  1. イソブチレン/p-メチルスチレン共重合体をブロモ化したポリマーをゴム成分とするゴム組成物において、上記ポリマー100質量部に対して、チアゾール系架橋促進剤0.5〜3質量部と、シトラコンイミド化合物0.1〜2質量部とを配合し、架橋剤としての硫黄を配合しないことを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記シトラコンイミド化合物が、1,2-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン、1,3-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン、1,4-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン、2,3-ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、2,4-ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、2,5-ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、2,6-ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、及びこれらに対応するビス(シトラコンイミドエチル)化合物からなる群から選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記シトラコンイミド化合物がイタコンイミド化合物との混合物であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  4. 前記チアゾール系架橋促進剤がジベンゾチアジルジスルフィドであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物からなるタイヤ加硫用ブラダー。
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