JP2005044552A - スイッチ接触子とそれを使用したプッシュスイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】各種電子機器に使用されるプッシュスイッチのスイッチ接触子に関するものであり、小型で操作移動量が大きく、操作フィーリングの良いスイッチ接触子と、これを使用したプッシュスイッチを提供することを目的とする。
【解決手段】弾性に富んだ薄板金属板で、円錐形にスイッチ接触子を形成し、その中央頂点部をくり貫き、そのくり貫いた孔状の場所に外周から中心に向けて舌片を設け、スイッチ接触子の中央部に発生する応力を取りの除くと同時に中央頂点部を高くすることにより、反転移動量を大きく確保し、操作フィーリングを改善した。
【選択図】図1
【解決手段】弾性に富んだ薄板金属板で、円錐形にスイッチ接触子を形成し、その中央頂点部をくり貫き、そのくり貫いた孔状の場所に外周から中心に向けて舌片を設け、スイッチ接触子の中央部に発生する応力を取りの除くと同時に中央頂点部を高くすることにより、反転移動量を大きく確保し、操作フィーリングを改善した。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコンピュータあるいはオーディオ機器、ホームビデオ機器等各種電子機器に使用される節度感を持った操作用のプッシュスイッチ、およびそれに使用するスイッチ接触子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図18〜図22を用いて従来のスイッチ接触子とそれを使用したプッシュスイッチについて説明する。
図18は従来のスイッチ接触子101の斜視図であり、図19は従来のスイッチ接触子101の形状をわかりやすくするために一部破断した状態を示す図である。このスイッチ接触子101は、弾性に富んだ薄板金属でドーム状に形成されており一般にはダイヤフラムと呼ばれており、皿ばねの原理を応用したものであり、中央部を押すと、節度感を発生するものである。
【0003】
図20は、この従来のスイッチ接触子101を使用したプッシュスイッチの構成斜視図である。このプッシュスイッチの構成を図20を用いて説明する。
図20において、外部端子112Aと端子接点部112Bを有した第1端子112と外部端子113Aと端子接点部113Bを有した第2端子113が絶縁体で形成された絶縁ケース111に固定されており、第1端子112と第2端子113の接点部112B、113Bは前記絶縁ケース111内の上面に一部表面が露出するように固定され、外部端子112A、113Aは絶縁ケース111の外側に設けられている。
【0004】
このように構成された絶縁ケース111の上面内側に前記従来のスイッチ接触子101を第1端子112と第2端子113の端子接点部112B、113Bに接するように配置し、更に、プッシュボタン116をスイッチ接触子101の上部に上下動可能に配置し、プッシュボタン116の下部に設けた押し部118でスイッチ接触子101の中央部を当接させた構成でる。
【0005】
次に、従来のスイッチ接触子101、及びこのスイッチ接触子101を使用したプッシュスイッチの動作について説明する。
【0006】
従来のスイッチ接触子101は皿ばねの原理を応用したドーム状のダイヤフラムと呼ばれるスイッチ接触子であり、中央の頂点付近を押すとこの部分が下方に反転移動すると同時に節度感を発生する。また、押す力を解除すると、スイッチ接触子101は、自力で復帰する。
【0007】
このような、反転する機能と節度感を発生する機能を利用し、図20に示す従来のプッシュスイッチを構成し、プッシュボタン116に設けた操作部117を押すと、従来のスイッチ接触子101が下方へ押され反転する。絶縁ケース111に固定した第1端子112と第2端子113がスイッチ接触子111を介して電気的に導通し、スイッチがONの状態となる。また、操作部117を押す力を解除すると、スイッチ接触子101は反転復帰し導通を解除しスイッチはOFFとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来のスイッチ接触子101は、ドーム形ではあるが、きわめて偏平に形成されている。これは、スイッチ接触子101に力を加え反転動作をさせる際、スイッチ接触子内部に発生する応力がその材料の持つ許容応力を超えないようにしているためである。つまり、ドームの高さを低くし、反転移動量を小さくすることによって、スイッチ接触子101に発生する応力をできるだけ小さくしようとするものである。従って、反転移動量を大きくできず、プッシュスイッチに組み込んでも、プッシュスイッチの操作移動量Sが大きく確保できないという欠点があった。また操作フィーリングにおいても、自由に設定することができず、画一的な操作フィーリングであった。
【0009】
尚、スイッチ接触子101の発生応力がその材料で許容されている応力を超えると、永久変形や割れ、また繰り返し動作等により金属疲労が発生し、破壊を生じ、節度感を失ったり、スイッチ機能を失ったりずるものであった。
【0010】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、構造を複雑にすることなくプッシュスイッチの操作移動量Sを大きく確保し、操作フィーリングの良い小形で低コストのスイッチを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記のような課題解決するために、ドーム形のスイッチ接触子の中央頂点部をくり貫き、その場所に押圧用または接点用の舌片を設けることにより、反転移動量を大きく確保し、プッシュスイッチに組込んだ時に、操作移動量Sを大きくし、さらに操作フィーリングを良くしようとするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、弾性を有した材料でほぼ山状に一体に形成され、中央頂点部を押すことにより反転移動するスイッチ接触子の中央頂点部付近に舌片を設けることにより、スイッチ接触子の全高さを高くし、反転移動量を大きくするという作用を有する。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、薄肉材料でほぼ円錐形に形成されたスイッチ接触子の中央付近に孔を開けることにより外周を残した状態のリング状にし、この中央の孔部に於いて外周リング部よりほぼ中心に向けて伸びた舌片を設けることにより、スイッチ接触子の中央部の応力を取り除き、スイッチ接触子の全高さを高くし、反転移動量を大きくするという作用を有する。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、薄肉材料でほぼ多錐形に形成されたスイッチ接触子の中央付近に孔を開けることにより外周を残した状態のリング状にし、この中央の孔部に於いて外周リング部より中心に向けて伸びた舌片を設けることにより、スイッチ接触子の中央部の応力を取り除き、スイッチ接触子の全高さを高くし、反転移動量を大きくするという作用を有する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかひとつに記載の発明において、弾性に富んだ薄板金属で形成することにより、材料の許容応力の限界値を高め、小形で反転移動量を大きくするという作用を有する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかひとつに記載の発明において、スイッチ接触子の外周のリング部に、アーチ状のふくらみを持たせた形状にすることにより、リング部の接線方向の伸縮が大きく確保でき、柔軟性が増すため、材料に発生する応力を緩和するという作用を有する。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかひとつに記載の発明において、スイッチ接触子の中央部に操作用の舌片と接点用の舌片を設けることにより、スイッチの接触安定性と操作感触の改善が行えるという作用を有する。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかひとつに記載の発明において、リング部にリング部の外側の縁または内側の縁にほぼ平行にスリット孔を設けることにより、リング部の接線方向の伸縮を大きくし、柔軟性を確保することにより、材料に発生する応力を緩和するという作用を有する。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかひとつに記載の発明において、リング部から中央部に向けて伸ばした舌片を渦巻き状にすることにより、舌片の上下方向の柔軟性を増やすという作用を有する。
【0020】
請求項9に記載の発明は、外部端子と接点部を有した端子を接点部が絶縁基板の上部から露出するように固定し、この絶縁基板の上部に露出した接点部に、請求項1〜8のいずれかひとつに記載のスイッチ接触子が当接するようにを配置し、さらに、このスイッチ接触子の中央の舌片に当接するようにプッシュボタンを組込んでプッシュスイッチを構成することにより、本発明のスイッチ接触子の特性を有効に利用し、操作移動量が大きく、また操作フィーリングの良いプッシュスイッチを形成できるという作用を有する。
【0021】
次に、本発明の具体的な実施の形態について図1〜図17を用いて説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1を表す外観斜視図である。図2において、本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1の形状について説明する。弾性に富んだ薄板金属を円錐形に形成し、中央部に孔を開け、リング状のリング部2を形成する。中央部の孔において、リング部2より内側上方に向け片持ち梁り状の舌片3、4、5、6を設けている。従って、スイッチ接触子1の中央部の舌片3、4、5、6の各々の先端部の高さは、従来のドーム形のスイッチ接触子101の全高さに比べ高く形成できている。
【0022】
尚、この舌片は、図2では4個所に設けているが、1個所でも良いし、2個所以上の複数個でも良い。
図1は、このような形状の本発明の第1のスイッチ接触子1をプッシュスイッチに組込んだ状態を表す構成斜視図である。この図1においてプッシュスイッチの構成を説明する。
【0023】
図1において、外部端子12A、13Aと端子接点部12B、13Bを有した第1端子12と第2端子13が絶縁体で形成された絶縁ケース11に固定されており、第1端子12と第2端子13の端子接点部12B、13Bは前記絶縁ケース11の内側の上面に一部が露出するように固定され、外部端子12A、13Aは絶縁ケース11の外側に設けられている。このように構成された絶縁ケース11の上面に前記スイッチ接触子1のリング部2の外周の縁を第1端子12の端子接点部12Bに接するように配置し、更にプッシュボタン16をスイッチ接触子1の上部に上下動可能に配置し、プッシュボタン16の下部に設けた押し部18をスイッチ接触子1の中央頂点部に配置した舌片3、4、5、6に当接させた構成である。
【0024】
次に、本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1、及びプッシュスイッチの動作について説明する。
スイッチボタン16を上方より押し下げるとプッシュスイッチに組込まれたスイッチ接触子1の中央部に配置された舌片3、4、5、6が下方に押圧されると反転移動を行い、前記第2端子13の端子接点部13Bに当接し、節度感を発生しながらスイッチはONになる。この時スイッチ接触子1の舌片3、4、5、6の反転移動量は、スイッチ接触子1の高さが高いため大きくなり、スイッチボタン16の操作移動量も大きくなる。また、押す力を解除すると、スイッチ接触子1は、自力で反転復帰し、スイッチはOFFになる。
【0025】
図3は本発明のスイッチ接触子1を組込んだプッシュスイッチの断面を表す図である。図4はスイッチ接触子1が反転移動しスイッチがONになった状態を示す断面図である。図4のSはプッシュボタン16の操作移動量を表している。図5は本発明のプッシュスイッチの外観斜視図である。
【0026】
尚、舌片3、4、5、6は、プッシュボタン16から力を受ける操作用の舌片と端子接点13Bに当接するための接点用の舌片を共有しているが、次に説明するように操作用の舌片と接点用の舌片を区別して設けてもよい。
【0027】
図6に示すスイッチ接触子は、図2に示す本発明のスイッチ接触子1の舌片を少し変形させた状態を示す断面図であり、舌片5、6を上下方向に柔軟性を持たせた操作用の舌片とし、プッシュボタン16から受ける力を、一旦、舌片5、6に溜めて、舌片5、6を撓ませた状態にしてから反転を行うことにより、反転がいっきに行われるいわゆる“飛び移り現象”を発生させるための形状である。
【0028】
更に、接点用の舌片4を少し下に折り曲げ、更に上下方向に弾性を持たせることにより、スイッチ接触子1の反転移動時に発生する第2端子13の端子接点部13Bとのぶつかり音を緩和し、音を小さくすることができる。更にスイッチの接触の信頼性を向上させる作用を有する。
【0029】
図7、図8は本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1の他の実施例を表す図である。このスイッチ接触子1は二つの舌片4と6を有し、各々の舌片4,及び6の長さを長く確保できるようにした実施例である。このように舌片を長くすることにより、舌片先端部でのたわみ量を大きくすることができる。
【0030】
図9は本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1の別の実施例を表す図である。この図12に示す接触子1は接触子1のリング部2の外周に折り曲げ部2Aを設けたものである。この折り曲げ部2Aは一般的なダイヤフラムにも設けられているもので、接触子が反転した際、反転状態から復帰するための力を確保するためのものである。つまり、反転しっぱなしを防ぐ効果や復帰力を確保するためのものである。
【0031】
図10は本発明の第2の実施の形態のスイッチ接触子21を表す外観斜視図である。第2の実施の形態のスイッチ接触子21は、弾性に富んだ薄板金属を四角錐形に形成し、中央部に孔を開け、四角形のリング状のリング部22を形成している。このスイッチ接触子21の中央部の孔において、リング部22より内側上方に向け片持ち梁り状の舌片23、24、25、26を設けた形状を構成している。
【0032】
動作については、図2に示す本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1と類似しているため、動作の説明は省略する。
【0033】
図11は本発明の第3の実施の形態のスイッチ接触子31を示す外観斜視図である。本発明の第3の実施の形態のスイッチ接触子31は、図2に示す本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1の外周のリング部を上方向に向けてアーチ状のふくらみ32A、32B、32C、32Dを形成している。
【0034】
次に本発明の第3の実施の形態のスイッチ接触子31の動作について説明する。ここで、本発明のスイッチ接触子のリング部の中央部舌片を押すことによるリング部の力の加わり方について図2の本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1において説明をしておく。
【0035】
スイッチ接触子1の中央部の舌片3、4、5、6を上方より押した時、リング部2の外側部の材料には接線方向に引っ張りの力が加わり、リング部2の内側部の材料には圧縮の力が発生する。つまりこの引っ張りと圧縮の力に対し、リング部2の材料が応力を発生するため、舌片3、4、5、6を押す時に抗力が発生する。
【0036】
従がって、本発明の第3の実施の形態に示すスイッチ接触子31の形状のように、リング部にアーチ状のふくらみ32A、32B、32C、32Dを形成することにより、接線方向の引っ張りと圧縮の力に対してリング部32に形成したアーチ状のふくらみ32A、32B、32C、32Dが伸縮に対して柔軟に対応することができるため、スイッチ接触子31の上下の反転運動を円滑に行うことができる。
【0037】
図12は、本発明の第4の実施の形態のスイッチ接触子41を表す外観斜視図である。本発明の第4の実施の形態のスイッチ接触子41は、リング部42にリング部42の外周または内周に対してほぼ平行なスリット状の孔42A、42B、42C、42Dを設けた形状にしている。
【0038】
本発明の第4の実施の形態のスイッチ接触子41は前記第3の実施の形態で説明したように、リング部42の外側部には引っ張りの力が、リング部42の内側部には圧縮の力が発生する。この引っ張りの力により弾性変形する場所と、圧縮の力で弾性変形する場所をスリット状の孔42A、42B、42C、42Dにより分離し、無理なくリング部42を伸縮させ、弾性変形を行うことにより、スイッチ接触子42上下動の反転を無理なく円滑に行うようにしたものである。
【0039】
図13、図14は本発明の第4の実施の形態の別の実施例を表すスイッチ接触子51、61を表した図である。
【0040】
図15は本発明の第5の実施の形態のスイッチ接触子71を表す図である。本発明の第5の実施の形態のスイッチ接触子71はリング部72から中央に向けて渦巻き状に舌片73、74をのばした形状にしている。このような形状にすることにより、舌片の長さを長くでき、舌片の上下方向の柔軟性を増すことにより、スイッチ接触子71の全高さを高くしている。したがって、スイッチ接触子71の反転移動量を大きくすることができる。
【0041】
図16は本発明の第5の実施の形態の別の実施例のスイッチ接触子81を表す図である。このスイッチ接触子81の前記スイッチ接触子71と同様の目的で発明されたもので、同様の動作を行うものである。
【0042】
図17は本発明の第6の実施の形態のスイッチ接触子91を表す図である。
本発明の第6の実施の形態のスイッチ接触子91はリング部92の対向する辺から舌片93、94と舌片95、96をお互いが交差するように長く伸ばした形状にしている。このような舌片にすることにより、舌片を長くすることができ、このため、舌片に上下方向に柔軟性が確保でき、スイッチ接触子91が高く構成できる。したがって、反転移動量を大きくすることができる。
【0043】
以上に記載した本発明の実施の形態のスイッチ接触子の材料及び製作方法は、リン青銅やベリリウム銅、またはステンレス等の弾性に富んだ薄板の金属をプレス金型で打ち抜き、曲げや絞り加工等の加工方法により製作することができる。またPET等の物理特性に優れた樹脂フィルムでも製作できる。成形加工においては、ポリアセタール等の材料で射出成形で加工することができる。またシリコンゴムでも形成することができる。このように本発明のスイッチ接触子は、材料、寸法、大きさ、また材料の厚さ形状を少しづつ変えることにより、様々な材料で形成することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明のスイッチ接触子及び本発明のスイッチ接触子を使用したプッシュスイッチは、以下のような効果を有する。
本発明のスイッチ接触子は、従来のドーム型のスイッチ接触子に比べ一体型のスイッチ接触子でありながら、全高さを高く形成することができ、反転移動距離を大きく確保できるため、プッシュスイッチに構成したとき、プッシュボタンの操作移動量が大きく確保できる。
【0045】
また、接点用の舌片や操作用の舌片に上下方向に弾性を持たせることができるため、ON、OFF時の接点の衝突音を弾性を有した接点用舌片で緩衝することによる静音化や、操作用の舌片を押したときの反転移動時の飛び移り現象等、様々な効果が有り、このため、従来のドーム型のスイッチ接触子を使用したプッシュスイッチの画一的な操作フィーリングに比べて、前記のようにプッシュスイッチの操作ストロークが大きく確保できるほか、多様な操作フィーリングを提供できるという効果を有する。
【0046】
またプッシュボタンを押し込んでスイッチを操作するときのスイッチがONになるタイミングも前記接点用の舌片と、操作用の舌片の高さの差により、自由に設定することができる。
【0047】
またスイッチ接触子がONの状態での端子接点部との電気的接触において、接点用の舌片が上下方向に弾性を有しているため、外乱を受けても、安定して端子の接点部に接触を維持することができるためスイッチの接触抵抗値が安定しており、信頼性の高いプッシュスイッチを構成することができる。このように、本発明のスイッチ接触子を使用することにより、高性能でフィーリングの良いプッシュスイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチの部品構成を表す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子を表す外観斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチを表す断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチのスイッチがONの状態を表す断面図。
【図5】本発明のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチを表す外観斜視図。
【図6】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子の舌片を変形させた状態を示す断面図。
【図7】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子の別の実施例を表す平面図である。
【図8】同正面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子の他の実施例を表す図で外周に折り曲げ部を設けたスイッチ接触子の正面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態のスイッチ接触子を表す外観斜視図。
【図11】本発明の第3の実施の形態のスイッチ接触子を表す外観斜視図。
【図12】本発明の第4の実施の形態のスイッチ接触子を表す外観斜視図。
【図13】本発明の第4の実施の形態のスイッチ接触子の他の実施例を表すを表す外観斜視図。
【図14】本発明の第4の実施の形態のスイッチ接触子の他の実施例を表すを表す外観斜視図。
【図15】本発明の第5の実施の形態のスイッチ接触子を表す平面図。
【図16】本発明の第5の実施の形態のスイッチ接触子の他の実施例を表す平面図。
【図17】本発明の第6の実施の形態のスイッチ接触子の他の実施例を表す平面図。
【図18】従来のスイッチ接触子を表す外観斜視図。
【図19】従来のスイッチ接触子の形状をわかりやすくするために、一部破断した状態を表す外観斜視図。
【図20】従来のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチの部品構成を表す斜視図。
【図21】従来のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチを表す断面図。
【図22】従来の形態のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチのスイッチがONの状態を表す断面図。
【符号の説明】
1、21、31、41、51、61、71、81、91,101 スイッチ接触子
2、22、32、42、52、62、72、82、92 リング部
3、4、5、6、23、24、25、26、33、34、35、36、43、44、45、46、53,54,55,56,63,64,65,66,73,74,83,84,93,94,95,96 舌片
2A 折り曲げ部
11、111 絶縁ケース
12、112 第1端子
12A、13A、112A、113A 外部端子
12B、13B、112B、113B 端子接点部
13、113 第2端子
16、116 プッシュボタン
17、117 操作部
18、118 押し部
19、119 カバー
32A、32B、32C、32D アーチ状のふくらみ
42A、42B、42C、43D、52A、52B、52C、52D、62A、62B、62C、62D スリット状の孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコンピュータあるいはオーディオ機器、ホームビデオ機器等各種電子機器に使用される節度感を持った操作用のプッシュスイッチ、およびそれに使用するスイッチ接触子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図18〜図22を用いて従来のスイッチ接触子とそれを使用したプッシュスイッチについて説明する。
図18は従来のスイッチ接触子101の斜視図であり、図19は従来のスイッチ接触子101の形状をわかりやすくするために一部破断した状態を示す図である。このスイッチ接触子101は、弾性に富んだ薄板金属でドーム状に形成されており一般にはダイヤフラムと呼ばれており、皿ばねの原理を応用したものであり、中央部を押すと、節度感を発生するものである。
【0003】
図20は、この従来のスイッチ接触子101を使用したプッシュスイッチの構成斜視図である。このプッシュスイッチの構成を図20を用いて説明する。
図20において、外部端子112Aと端子接点部112Bを有した第1端子112と外部端子113Aと端子接点部113Bを有した第2端子113が絶縁体で形成された絶縁ケース111に固定されており、第1端子112と第2端子113の接点部112B、113Bは前記絶縁ケース111内の上面に一部表面が露出するように固定され、外部端子112A、113Aは絶縁ケース111の外側に設けられている。
【0004】
このように構成された絶縁ケース111の上面内側に前記従来のスイッチ接触子101を第1端子112と第2端子113の端子接点部112B、113Bに接するように配置し、更に、プッシュボタン116をスイッチ接触子101の上部に上下動可能に配置し、プッシュボタン116の下部に設けた押し部118でスイッチ接触子101の中央部を当接させた構成でる。
【0005】
次に、従来のスイッチ接触子101、及びこのスイッチ接触子101を使用したプッシュスイッチの動作について説明する。
【0006】
従来のスイッチ接触子101は皿ばねの原理を応用したドーム状のダイヤフラムと呼ばれるスイッチ接触子であり、中央の頂点付近を押すとこの部分が下方に反転移動すると同時に節度感を発生する。また、押す力を解除すると、スイッチ接触子101は、自力で復帰する。
【0007】
このような、反転する機能と節度感を発生する機能を利用し、図20に示す従来のプッシュスイッチを構成し、プッシュボタン116に設けた操作部117を押すと、従来のスイッチ接触子101が下方へ押され反転する。絶縁ケース111に固定した第1端子112と第2端子113がスイッチ接触子111を介して電気的に導通し、スイッチがONの状態となる。また、操作部117を押す力を解除すると、スイッチ接触子101は反転復帰し導通を解除しスイッチはOFFとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来のスイッチ接触子101は、ドーム形ではあるが、きわめて偏平に形成されている。これは、スイッチ接触子101に力を加え反転動作をさせる際、スイッチ接触子内部に発生する応力がその材料の持つ許容応力を超えないようにしているためである。つまり、ドームの高さを低くし、反転移動量を小さくすることによって、スイッチ接触子101に発生する応力をできるだけ小さくしようとするものである。従って、反転移動量を大きくできず、プッシュスイッチに組み込んでも、プッシュスイッチの操作移動量Sが大きく確保できないという欠点があった。また操作フィーリングにおいても、自由に設定することができず、画一的な操作フィーリングであった。
【0009】
尚、スイッチ接触子101の発生応力がその材料で許容されている応力を超えると、永久変形や割れ、また繰り返し動作等により金属疲労が発生し、破壊を生じ、節度感を失ったり、スイッチ機能を失ったりずるものであった。
【0010】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、構造を複雑にすることなくプッシュスイッチの操作移動量Sを大きく確保し、操作フィーリングの良い小形で低コストのスイッチを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記のような課題解決するために、ドーム形のスイッチ接触子の中央頂点部をくり貫き、その場所に押圧用または接点用の舌片を設けることにより、反転移動量を大きく確保し、プッシュスイッチに組込んだ時に、操作移動量Sを大きくし、さらに操作フィーリングを良くしようとするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、弾性を有した材料でほぼ山状に一体に形成され、中央頂点部を押すことにより反転移動するスイッチ接触子の中央頂点部付近に舌片を設けることにより、スイッチ接触子の全高さを高くし、反転移動量を大きくするという作用を有する。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、薄肉材料でほぼ円錐形に形成されたスイッチ接触子の中央付近に孔を開けることにより外周を残した状態のリング状にし、この中央の孔部に於いて外周リング部よりほぼ中心に向けて伸びた舌片を設けることにより、スイッチ接触子の中央部の応力を取り除き、スイッチ接触子の全高さを高くし、反転移動量を大きくするという作用を有する。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、薄肉材料でほぼ多錐形に形成されたスイッチ接触子の中央付近に孔を開けることにより外周を残した状態のリング状にし、この中央の孔部に於いて外周リング部より中心に向けて伸びた舌片を設けることにより、スイッチ接触子の中央部の応力を取り除き、スイッチ接触子の全高さを高くし、反転移動量を大きくするという作用を有する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかひとつに記載の発明において、弾性に富んだ薄板金属で形成することにより、材料の許容応力の限界値を高め、小形で反転移動量を大きくするという作用を有する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかひとつに記載の発明において、スイッチ接触子の外周のリング部に、アーチ状のふくらみを持たせた形状にすることにより、リング部の接線方向の伸縮が大きく確保でき、柔軟性が増すため、材料に発生する応力を緩和するという作用を有する。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかひとつに記載の発明において、スイッチ接触子の中央部に操作用の舌片と接点用の舌片を設けることにより、スイッチの接触安定性と操作感触の改善が行えるという作用を有する。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかひとつに記載の発明において、リング部にリング部の外側の縁または内側の縁にほぼ平行にスリット孔を設けることにより、リング部の接線方向の伸縮を大きくし、柔軟性を確保することにより、材料に発生する応力を緩和するという作用を有する。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかひとつに記載の発明において、リング部から中央部に向けて伸ばした舌片を渦巻き状にすることにより、舌片の上下方向の柔軟性を増やすという作用を有する。
【0020】
請求項9に記載の発明は、外部端子と接点部を有した端子を接点部が絶縁基板の上部から露出するように固定し、この絶縁基板の上部に露出した接点部に、請求項1〜8のいずれかひとつに記載のスイッチ接触子が当接するようにを配置し、さらに、このスイッチ接触子の中央の舌片に当接するようにプッシュボタンを組込んでプッシュスイッチを構成することにより、本発明のスイッチ接触子の特性を有効に利用し、操作移動量が大きく、また操作フィーリングの良いプッシュスイッチを形成できるという作用を有する。
【0021】
次に、本発明の具体的な実施の形態について図1〜図17を用いて説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1を表す外観斜視図である。図2において、本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1の形状について説明する。弾性に富んだ薄板金属を円錐形に形成し、中央部に孔を開け、リング状のリング部2を形成する。中央部の孔において、リング部2より内側上方に向け片持ち梁り状の舌片3、4、5、6を設けている。従って、スイッチ接触子1の中央部の舌片3、4、5、6の各々の先端部の高さは、従来のドーム形のスイッチ接触子101の全高さに比べ高く形成できている。
【0022】
尚、この舌片は、図2では4個所に設けているが、1個所でも良いし、2個所以上の複数個でも良い。
図1は、このような形状の本発明の第1のスイッチ接触子1をプッシュスイッチに組込んだ状態を表す構成斜視図である。この図1においてプッシュスイッチの構成を説明する。
【0023】
図1において、外部端子12A、13Aと端子接点部12B、13Bを有した第1端子12と第2端子13が絶縁体で形成された絶縁ケース11に固定されており、第1端子12と第2端子13の端子接点部12B、13Bは前記絶縁ケース11の内側の上面に一部が露出するように固定され、外部端子12A、13Aは絶縁ケース11の外側に設けられている。このように構成された絶縁ケース11の上面に前記スイッチ接触子1のリング部2の外周の縁を第1端子12の端子接点部12Bに接するように配置し、更にプッシュボタン16をスイッチ接触子1の上部に上下動可能に配置し、プッシュボタン16の下部に設けた押し部18をスイッチ接触子1の中央頂点部に配置した舌片3、4、5、6に当接させた構成である。
【0024】
次に、本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1、及びプッシュスイッチの動作について説明する。
スイッチボタン16を上方より押し下げるとプッシュスイッチに組込まれたスイッチ接触子1の中央部に配置された舌片3、4、5、6が下方に押圧されると反転移動を行い、前記第2端子13の端子接点部13Bに当接し、節度感を発生しながらスイッチはONになる。この時スイッチ接触子1の舌片3、4、5、6の反転移動量は、スイッチ接触子1の高さが高いため大きくなり、スイッチボタン16の操作移動量も大きくなる。また、押す力を解除すると、スイッチ接触子1は、自力で反転復帰し、スイッチはOFFになる。
【0025】
図3は本発明のスイッチ接触子1を組込んだプッシュスイッチの断面を表す図である。図4はスイッチ接触子1が反転移動しスイッチがONになった状態を示す断面図である。図4のSはプッシュボタン16の操作移動量を表している。図5は本発明のプッシュスイッチの外観斜視図である。
【0026】
尚、舌片3、4、5、6は、プッシュボタン16から力を受ける操作用の舌片と端子接点13Bに当接するための接点用の舌片を共有しているが、次に説明するように操作用の舌片と接点用の舌片を区別して設けてもよい。
【0027】
図6に示すスイッチ接触子は、図2に示す本発明のスイッチ接触子1の舌片を少し変形させた状態を示す断面図であり、舌片5、6を上下方向に柔軟性を持たせた操作用の舌片とし、プッシュボタン16から受ける力を、一旦、舌片5、6に溜めて、舌片5、6を撓ませた状態にしてから反転を行うことにより、反転がいっきに行われるいわゆる“飛び移り現象”を発生させるための形状である。
【0028】
更に、接点用の舌片4を少し下に折り曲げ、更に上下方向に弾性を持たせることにより、スイッチ接触子1の反転移動時に発生する第2端子13の端子接点部13Bとのぶつかり音を緩和し、音を小さくすることができる。更にスイッチの接触の信頼性を向上させる作用を有する。
【0029】
図7、図8は本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1の他の実施例を表す図である。このスイッチ接触子1は二つの舌片4と6を有し、各々の舌片4,及び6の長さを長く確保できるようにした実施例である。このように舌片を長くすることにより、舌片先端部でのたわみ量を大きくすることができる。
【0030】
図9は本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1の別の実施例を表す図である。この図12に示す接触子1は接触子1のリング部2の外周に折り曲げ部2Aを設けたものである。この折り曲げ部2Aは一般的なダイヤフラムにも設けられているもので、接触子が反転した際、反転状態から復帰するための力を確保するためのものである。つまり、反転しっぱなしを防ぐ効果や復帰力を確保するためのものである。
【0031】
図10は本発明の第2の実施の形態のスイッチ接触子21を表す外観斜視図である。第2の実施の形態のスイッチ接触子21は、弾性に富んだ薄板金属を四角錐形に形成し、中央部に孔を開け、四角形のリング状のリング部22を形成している。このスイッチ接触子21の中央部の孔において、リング部22より内側上方に向け片持ち梁り状の舌片23、24、25、26を設けた形状を構成している。
【0032】
動作については、図2に示す本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1と類似しているため、動作の説明は省略する。
【0033】
図11は本発明の第3の実施の形態のスイッチ接触子31を示す外観斜視図である。本発明の第3の実施の形態のスイッチ接触子31は、図2に示す本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1の外周のリング部を上方向に向けてアーチ状のふくらみ32A、32B、32C、32Dを形成している。
【0034】
次に本発明の第3の実施の形態のスイッチ接触子31の動作について説明する。ここで、本発明のスイッチ接触子のリング部の中央部舌片を押すことによるリング部の力の加わり方について図2の本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子1において説明をしておく。
【0035】
スイッチ接触子1の中央部の舌片3、4、5、6を上方より押した時、リング部2の外側部の材料には接線方向に引っ張りの力が加わり、リング部2の内側部の材料には圧縮の力が発生する。つまりこの引っ張りと圧縮の力に対し、リング部2の材料が応力を発生するため、舌片3、4、5、6を押す時に抗力が発生する。
【0036】
従がって、本発明の第3の実施の形態に示すスイッチ接触子31の形状のように、リング部にアーチ状のふくらみ32A、32B、32C、32Dを形成することにより、接線方向の引っ張りと圧縮の力に対してリング部32に形成したアーチ状のふくらみ32A、32B、32C、32Dが伸縮に対して柔軟に対応することができるため、スイッチ接触子31の上下の反転運動を円滑に行うことができる。
【0037】
図12は、本発明の第4の実施の形態のスイッチ接触子41を表す外観斜視図である。本発明の第4の実施の形態のスイッチ接触子41は、リング部42にリング部42の外周または内周に対してほぼ平行なスリット状の孔42A、42B、42C、42Dを設けた形状にしている。
【0038】
本発明の第4の実施の形態のスイッチ接触子41は前記第3の実施の形態で説明したように、リング部42の外側部には引っ張りの力が、リング部42の内側部には圧縮の力が発生する。この引っ張りの力により弾性変形する場所と、圧縮の力で弾性変形する場所をスリット状の孔42A、42B、42C、42Dにより分離し、無理なくリング部42を伸縮させ、弾性変形を行うことにより、スイッチ接触子42上下動の反転を無理なく円滑に行うようにしたものである。
【0039】
図13、図14は本発明の第4の実施の形態の別の実施例を表すスイッチ接触子51、61を表した図である。
【0040】
図15は本発明の第5の実施の形態のスイッチ接触子71を表す図である。本発明の第5の実施の形態のスイッチ接触子71はリング部72から中央に向けて渦巻き状に舌片73、74をのばした形状にしている。このような形状にすることにより、舌片の長さを長くでき、舌片の上下方向の柔軟性を増すことにより、スイッチ接触子71の全高さを高くしている。したがって、スイッチ接触子71の反転移動量を大きくすることができる。
【0041】
図16は本発明の第5の実施の形態の別の実施例のスイッチ接触子81を表す図である。このスイッチ接触子81の前記スイッチ接触子71と同様の目的で発明されたもので、同様の動作を行うものである。
【0042】
図17は本発明の第6の実施の形態のスイッチ接触子91を表す図である。
本発明の第6の実施の形態のスイッチ接触子91はリング部92の対向する辺から舌片93、94と舌片95、96をお互いが交差するように長く伸ばした形状にしている。このような舌片にすることにより、舌片を長くすることができ、このため、舌片に上下方向に柔軟性が確保でき、スイッチ接触子91が高く構成できる。したがって、反転移動量を大きくすることができる。
【0043】
以上に記載した本発明の実施の形態のスイッチ接触子の材料及び製作方法は、リン青銅やベリリウム銅、またはステンレス等の弾性に富んだ薄板の金属をプレス金型で打ち抜き、曲げや絞り加工等の加工方法により製作することができる。またPET等の物理特性に優れた樹脂フィルムでも製作できる。成形加工においては、ポリアセタール等の材料で射出成形で加工することができる。またシリコンゴムでも形成することができる。このように本発明のスイッチ接触子は、材料、寸法、大きさ、また材料の厚さ形状を少しづつ変えることにより、様々な材料で形成することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明のスイッチ接触子及び本発明のスイッチ接触子を使用したプッシュスイッチは、以下のような効果を有する。
本発明のスイッチ接触子は、従来のドーム型のスイッチ接触子に比べ一体型のスイッチ接触子でありながら、全高さを高く形成することができ、反転移動距離を大きく確保できるため、プッシュスイッチに構成したとき、プッシュボタンの操作移動量が大きく確保できる。
【0045】
また、接点用の舌片や操作用の舌片に上下方向に弾性を持たせることができるため、ON、OFF時の接点の衝突音を弾性を有した接点用舌片で緩衝することによる静音化や、操作用の舌片を押したときの反転移動時の飛び移り現象等、様々な効果が有り、このため、従来のドーム型のスイッチ接触子を使用したプッシュスイッチの画一的な操作フィーリングに比べて、前記のようにプッシュスイッチの操作ストロークが大きく確保できるほか、多様な操作フィーリングを提供できるという効果を有する。
【0046】
またプッシュボタンを押し込んでスイッチを操作するときのスイッチがONになるタイミングも前記接点用の舌片と、操作用の舌片の高さの差により、自由に設定することができる。
【0047】
またスイッチ接触子がONの状態での端子接点部との電気的接触において、接点用の舌片が上下方向に弾性を有しているため、外乱を受けても、安定して端子の接点部に接触を維持することができるためスイッチの接触抵抗値が安定しており、信頼性の高いプッシュスイッチを構成することができる。このように、本発明のスイッチ接触子を使用することにより、高性能でフィーリングの良いプッシュスイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチの部品構成を表す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子を表す外観斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチを表す断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチのスイッチがONの状態を表す断面図。
【図5】本発明のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチを表す外観斜視図。
【図6】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子の舌片を変形させた状態を示す断面図。
【図7】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子の別の実施例を表す平面図である。
【図8】同正面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態のスイッチ接触子の他の実施例を表す図で外周に折り曲げ部を設けたスイッチ接触子の正面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態のスイッチ接触子を表す外観斜視図。
【図11】本発明の第3の実施の形態のスイッチ接触子を表す外観斜視図。
【図12】本発明の第4の実施の形態のスイッチ接触子を表す外観斜視図。
【図13】本発明の第4の実施の形態のスイッチ接触子の他の実施例を表すを表す外観斜視図。
【図14】本発明の第4の実施の形態のスイッチ接触子の他の実施例を表すを表す外観斜視図。
【図15】本発明の第5の実施の形態のスイッチ接触子を表す平面図。
【図16】本発明の第5の実施の形態のスイッチ接触子の他の実施例を表す平面図。
【図17】本発明の第6の実施の形態のスイッチ接触子の他の実施例を表す平面図。
【図18】従来のスイッチ接触子を表す外観斜視図。
【図19】従来のスイッチ接触子の形状をわかりやすくするために、一部破断した状態を表す外観斜視図。
【図20】従来のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチの部品構成を表す斜視図。
【図21】従来のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチを表す断面図。
【図22】従来の形態のスイッチ接触子を組み込んだプッシュスイッチのスイッチがONの状態を表す断面図。
【符号の説明】
1、21、31、41、51、61、71、81、91,101 スイッチ接触子
2、22、32、42、52、62、72、82、92 リング部
3、4、5、6、23、24、25、26、33、34、35、36、43、44、45、46、53,54,55,56,63,64,65,66,73,74,83,84,93,94,95,96 舌片
2A 折り曲げ部
11、111 絶縁ケース
12、112 第1端子
12A、13A、112A、113A 外部端子
12B、13B、112B、113B 端子接点部
13、113 第2端子
16、116 プッシュボタン
17、117 操作部
18、118 押し部
19、119 カバー
32A、32B、32C、32D アーチ状のふくらみ
42A、42B、42C、43D、52A、52B、52C、52D、62A、62B、62C、62D スリット状の孔
Claims (9)
- 弾性を有した材料で、ほぼ山状に一体に形成され、中央頂点部を押すことにより反転移動するスイッチ接触子の中央頂点部付近に舌片を設けたことを特徴とするスイッチ接触子。
- 薄肉材料でほぼ円錐形に形成されたスイッチ接触子の中央付近に孔を開けることにより外周を残した状態のリング状にし、この中央の孔部に於いて外周リング部よりほぼ中心に向けて伸びた舌片を設けた請求項1に記載のスイッチ接触子。
- 薄肉材料でほぼ多錐形に形成されたスイッチ接触子の中央付近に孔を開けることにより外周を残した状態のリング状にし、この中央の孔部に於いて外周リング部より中心に向けて伸びた舌片を設けた請求項1に記載のスイッチ接触子。
- 弾性に富んだ薄板金属で形成した請求項1〜3のいずれかひとつに記載のスイッチ接触子。
- スイッチ接触子の外周リング部に、アーチ状のふくらみを持たせた形状の請求項1〜4のいずれかひとつに記載のスイッチ接触子。
- スイッチ接触子の中央部に操作用の舌片と接点用の舌片を設けた請求項1〜5のいずれかひとつに記載のスイッチ接触子。
- リング部にリング部の外側の縁または内側の縁にほぼ平行にスリット孔を設けた請求項1〜6のいずれかひとつに記載のスイッチ接触子。
- リング部から中央部に向けて伸ばした舌片を渦巻き状にした請求項1〜のいずれかひとつに記載のスイッチ接触子。
- 外部端子と接点部を有した端子を接点部が絶縁基板の上部から露出するように固定し、この絶縁基板の上部に露出した接点部に、請求項1〜8のいずれかひとつに記載のスイッチ接触子が当接するようにを配置し、さらに、このスイッチ接触子の中央の舌片に当接するようにプッシュボタンを組込んで構成されるプッシュスイッチ。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101017996B1 (ko) * | 2008-03-18 | 2011-03-02 | (주)엠에스테크비젼 | 반복 퓨즈 |
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WO2019244400A1 (ja) * | 2018-06-20 | 2019-12-26 | アルプスアルパイン株式会社 | プッシュスイッチ |
US10529505B2 (en) | 2015-09-30 | 2020-01-07 | Alps Alpine Co., Ltd. | Push switch |
-
2003
- 2003-07-24 JP JP2003200847A patent/JP2005044552A/ja active Pending
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