JP2004353694A - 油圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルポンプの駆動負荷が異なる3系統のオイル供給路にオイルを供給する場合に、複数の吐出口の少なくとも1つの吐出口から吐出されたオイルを、3系統以上のオイル供給路に選択的に供給できる油圧制御装置を提供する。
【解決手段】複数の吐出口83,85からオイルを吐出するオイルポンプ80,81を備えた油圧制御装置において、少なくとも1つの吐出口85から吐出されるオイルを供給可能なオイル供給路86,140,143が設けられており、オイル供給路86,140,143は、1つの吐出口85から吐出されるオイルを供給する場合におけるオイルポンプ81の駆動負荷が異なり、少なくとも1つの吐出口85から吐出されるオイルを、オイル供給路86,140,143に切り換えて供給する切換機構150,157が設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の吐出口83,85からオイルを吐出するオイルポンプ80,81を備えた油圧制御装置において、少なくとも1つの吐出口85から吐出されるオイルを供給可能なオイル供給路86,140,143が設けられており、オイル供給路86,140,143は、1つの吐出口85から吐出されるオイルを供給する場合におけるオイルポンプ81の駆動負荷が異なり、少なくとも1つの吐出口85から吐出されるオイルを、オイル供給路86,140,143に切り換えて供給する切換機構150,157が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の動力伝達装置の動作部材や、各種の産業機械の動作部材の動作を制御するアクチュエータとして用いられる油圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両の動力伝達装置においては、動作部材の動作を制御することにより、駆動力源と車輪との間で伝達される動力が制御されるように構成されており、その動作部材の動作を制御するためのアクチュエータとして、油圧制御装置が知られている。この油圧制御装置は、オイル溜まりのオイルをオイルポンプにより吸引するとともに、オイルポンプから吐出されたオイルが油圧回路に供給される構成となっている。このように、オイルポンプを有する油圧制御装置の一例が、下記の特許文献1に記載されている。
【0003】
この特許文献1に記載されている油圧制御装置は、ベルト式無段変速機に用いられる油圧制御装置であり、オイルポンプが、エンジン動力により駆動するように構成されている。また、オイルポンプは、メインポートおよびサブポートを有し、メインポートから吐出されたオイルが、第1の油路を経由してプライマリ制御弁に供給されるように構成されている。また、第1の油路にはセカンダリ制御弁が接続されている。さらに、サブポートから吐出されるオイルの供給先を、前記第1の油路、またはオイルポンプの吸入口に接続された第2の油路のいずれか一方に、選択的に切り換える切換弁が設けられている。さらに、この切換弁の動作を制御する切換制御弁が設けられている。なお、油圧制御装置を制御する電子制御系として制御ユニットが設けられており、この制御ユニットには、各種のセンサの信号が入力される。これに対して、制御ユニットからは、切換制御弁を制御する切換信号、セカンダリ制御弁を制御する信号などが出力される。
【0004】
そして、エンジン動力によりオイルポンプが駆動されると、メインポートから吐出されたオイルが、第1の油路を経由してプライマリ制御弁に供給されるとともに、プライマリ制御弁から排出されるオイルの流量を調整することで、プライマリ制御弁の出力側のプライマリ圧が制御される。さらに、セカンダリ制御弁から排出されるオイルの流量を調整することで、第1の油路のセカンダリ圧が制御される。
【0005】
一方、メインポートから吐出されるオイルの流量であるポート流量が算出される。また、ベルト式無段変速機の伝達トルクに応じたセカンダリ圧、ベルト式無段変速機の変速比に応じたプライマリ圧、潤滑油量などに基づいて、ベルト式無段変速機全体で使用されるオイルの流量が算出される。そして、ポート流量と使用流量とを比較し、その比較結果に基づいて切換制御弁が制御されて、切換弁が動作する。具体的には、低速走行での加速時のように、ポート流量に比べて使用流量の方が多くなると、切換弁が、サブポートとオイルポンプの吸込口との間を遮断するように動作して、サブポートから吐出されるオイルが、第1の油路を経由してプライマリ制御弁およびセカンダリ制御弁に供給される。
【0006】
これに対して、高速での定常走行時のように、ポート流量の方が使用流量よりも多くなった場合は、切換弁が、サブポートとオイルポンプの吸込口との間を連通する位置に動作して、サブポートから吐出されるオイルが、第2の油路を経由してオイルポンプの吸込口に戻される。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−26334号公報(要約、段落番号0008ないし段落番号0019、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に記載されている油圧制御装置においては、サブポートの吐出口からオイルを吐出する場合に、切換弁を切り換えることにより、第1の油路または第2の油路にオイルが供給される構成となっている。つまり、オイルポンプの駆動負荷、言い換えれば、エンジンの動力損失を2段階に切り換えることが可能である。しかしながら、上記の特許文献1に記載されている切換弁においては、オイルポンプから吐出されるオイルを、オイルポンプの駆動負荷が異なる3系統以上のオイル供給路に選択的に供給することは困難であった。したがって、オイルポンプの駆動負荷が異なる3系統以上のオイル供給路を有する油圧制御装置において、オイルポンプの駆動負荷を一層低減することが望まれていた。
【0009】
この発明は上記事情を背景としてなされたものであり、オイル供給路が3系統以上あり、かつ、それらの経路にオイルを供給する場合のオイルポンプ駆動負荷が異なる場合に、オイルポンプの特定の吐出口から吐出されたオイルを、3系統以上のオイル供給路のいずれかに選択的に供給することの可能な油圧制御装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の吐出口からオイルを吐出するオイルポンプを備えた油圧制御装置において、特定の吐出口から吐出されるオイルを供給可能な3系統以上のオイル供給路が設けられており、この3系統以上のオイル供給路は、特定の吐出口から吐出されるオイルを供給する場合における前記オイルポンプの駆動負荷が異なるオイル供給路であり、特定の吐出口から吐出されるオイルを、前記3系統以上のオイル供給路のいずれかに選択的に切り換えて供給する切換機構が設けられていることを特徴とする発明である。
【0011】
請求項1の発明によれば、特定の吐出口から吐出されるオイルは、オイルポンプの駆動負荷が異なる3つ以上のオイル供給路のいずれかに選択的に切り換えて供給される。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記3系統以上のオイル供給路には、第1のオイル供給路ないし第3のオイル供給路が含まれているとともに、第1の油路から第2の油路に供給されるオイル量を制御することにより、前記第1の油路の油圧を制御する第1の制御弁と、前記第2の油路から第3の油路に供給されるオイル量を制御することにより、前記第2の油路の油圧を制御する第2の制御弁とが設けられており、前記第1の油路の油圧よりも前記第2の油路の油圧の方が低く、かつ、前記第2の油路の油圧よりも前記第3の油圧の方が低いとともに、前記第1のオイル供給路には前記第1の油路が含まれており、前記第2のオイル供給路には前記第2の油路が含まれており、前記第3の供給路には前記第3の油路が含まれていることを特徴とする発明である。
【0013】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、第1の油路の油圧と、第2の油路の油圧と、第3の油路の油圧とが異なり、各油路にオイルを供給する場合に、オイルポンプの駆動負荷が異なる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記第1のオイル供給路に供給されるオイルにより、変速機の動力伝達状態が制御される構成であることを特徴とする発明である。
【0015】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の作用が生じる他に、第1の供給路に供給されるオイルにより、変速機の動力伝達状態が制御される。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。まず、この発明を適用できる車両のパワートレーン、およびその車両の制御系統を、図2に示す。図2に示す車両Veにおいては、駆動力源1と車輪2との間の動力伝達経路に、流体伝動装置3、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、ベルト式無段変速機6などが設けられている。駆動力源1としては、例えば、エンジンまたは電動機の少なくとも一方を用いることができる。電動機としては、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを有するモータ・ジェネレータを用いることが可能である。この実施例では、駆動力源1として、主としてエンジンが用いられている場合について説明する。
【0017】
また、流体伝動装置3およびロックアップクラッチ4は、駆動力源1と前後進切り換え機構5との間の動力伝達経路に設けられており、流体伝動装置3とロックアップクラッチ4とは相互に並列に配置されている。流体伝動装置3は、流体の運動エネルギにより動力を伝達する装置であり、ロックアップクラッチ4は、摩擦力により動力を伝達する装置である。このため、ロックアップクラッチ4の係合圧を制御する油圧室(図示せず)が設けられている。
【0018】
さらに、前後進切り換え機構5は、入力部材に対する出力部材の回転方向を、選択的に切り換える装置である。この前後進切換装置5は、遊星歯車装置(図示せず)および摩擦係合装置(図示せず)を有している。この摩擦係合装置としては、ブレーキ、クラッチなどを用いることが可能であり、この摩擦係合装置の係合圧を制御する油圧室(図示せず)が設けられている。
【0019】
前記ベルト式無段変速機6は、前後進切り換え機構5と車輪2との間の動力伝達経路に設けられている。ベルト式無段変速機6は、相互に平行に配置されたプライマリシャフト7およびセカンダリシャフト8を有している。このプライマリシャフト7にはプライマリプーリ9が設けられており、セカンダリシャフト8にはセカンダリプーリ10が設けられている。プライマリプーリ9は、プライマリシャフト7に固定された固定シーブ11と、プライマリシャフト7の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ12とを有している。そして、固定シーブ11と可動シーブ12との間に溝M1が形成されている。
【0020】
また、この可動シーブ12をプライマリシャフト7の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ12と固定シーブ11とを接近・離隔させる油圧サーボ機構13が設けられている。この油圧サーボ機構13は、油圧室19と、油圧室19のオイル量または油圧に応じてプライマリシャフト7の軸線方向に動作し、かつ、可動シーブ12に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。
【0021】
一方、セカンダリプーリ10は、セカンダリシャフト8に固定された固定シーブ14と、セカンダリシャフト8の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ15とを有している。そして、固定シーブ14と可動シーブ15との間にはV字形状の溝M2が形成されている。
【0022】
また、この可動シーブ15をセカンダリシャフト8の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ15と固定シーブ14とを接近・離隔させる油圧サーボ機構16が設けられている。この油圧サーボ機構16は、油圧室100と、油圧室100の油圧またはオイル量に応じてセカンダリシャフト8の軸線方向に動作し、かつ、可動シーブ15に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。上記構成のプライマリプーリ9およびセカンダリプーリ10に、無端状のベルト17が巻き掛けられている。
【0023】
一方、ベルト式無段変速機6の油圧サーボ機構13,16およびロックアップクラッチ4、および前後進切り換え機構5を制御する機能を有する油圧制御装置18が設けられている。さらに、駆動力源1、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、ベルト式無段変速機6、油圧制御装置18を制御するコントローラとしての電子制御装置52が設けられており、この電子制御装置52は、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
【0024】
この電子制御装置52に対しては、エンジン回転数、アクセルペダルの操作状態、ブレーキペダルの操作状態、スロットルバルブの開度、シフトポジション、プライマリシャフト7の回転数、セカンダリシャフト8の回転数、エンジンの吸入空気量などを検知するセンサの信号が入力される。このセカンダリシャフト8の回転数に基づいて車速が求められる。電子制御装置52には各種のデータが記憶されており、電子制御装置52に入力される信号、および記憶されているデータに基づいて、電子制御装置52から、駆動力源1を制御する信号、ベルト式無段変速機6を制御する信号、前後進切り換え機構5を制御する信号、ロックアップクラッチ4を制御する信号、油圧制御装置18を制御する信号などが出力される。
【0025】
電子制御装置52に記憶されているデータとしては、変速機制御マップ、ロックアップクラッチ制御マップなどが挙げられる。この変速機制御マップには、変速比の制御マップ、トルク容量の制御マップなどが含まれる。変速比制御マップは、車速、アクセル開度などに基づいて、ベルト式無段変速機6の変速比を設定するマップである。トルク容量制御マップは、変速比、伝達するべきトルクなどに基づいて、ベルト式無段変速機6のトルク容量を制御する場合に用いるマップである。また、ロックアップクラッチ制御マップは、車速、アクセル開度などに基づいて、ロックアップクラッチ4のトルク容量(係合圧)を設定するマップである。
【0026】
つぎに、図2に示す車両Veの作用を説明する。駆動力源1の動力が、流体伝動装置3またはロックアップクラッチ4を経由して前後進切り換え機構5に伝達される。さらに、そのトルクはベルト式無段変速機6のプライマリシャフト7に伝達される。プライマリシャフト7のトルクは、プライマリプーリ9、ベルト17、セカンダリプーリ10を介してセカンダリシャフト8に伝達される。そして、セカンダリシャフト8のトルクが車輪2に伝達されて駆動力が発生する。また、選択されるシフトポジションに基づいて、前後進切り換え機構5の摩擦係合装置の係合・解放が切り換えられる。
【0027】
さらに、ベルト式無段変速機6の変速制御を説明する。ここでは、油圧サーボ機13の油圧室19のオイル量に基づいて、ベルト式無段変速機6の変速比を制御し、油圧サーボ機構16の油圧室100の油圧に基づいて、ベルト式無段変速機6のトルク容量を制御する例を説明する。まず、油圧室19のオイル量に応じて、プライマリプーリ9の可動シーブ12を軸線方向に動作させる推力が調整される。すると、可動シーブ12の軸線方向の動作に応じて溝M1の幅が変化し、可動シーブ15の軸線方向の動作に応じて溝M2の幅が変化する。
【0028】
上記のようにして、溝M1の幅が調整されると、プライマリプーリ9におけるベルト17の巻き掛け半径と、セカンダリプーリ10におけるベルト17の巻き掛け半径との比が変化する。その結果、プライマリシャフト7とセカンダリシャフト8との間の回転速度の比、すなわち変速比が変化する。具体的には、油圧室19のオイル量が増加して溝M1の幅が狭められると、プライマリプーリ9におけるベルト17の巻き掛け半径が大きくなり、ベルト式無段変速機6の変速比が小さくなるように変速する。これに対して、油圧室19のオイル量が減少すると、ベルト17の張力により溝M1の幅が広げられて、プライマリプーリ9におけるベルト17の巻き掛け半径が小さくなり、ベルト式無段変速機6の変速比が大きくなるように変速する。
【0029】
つぎに、ベルト式無段変速機6のトルク容量の制御を具体的に説明する。前記油圧室100の油圧を制御することにより、セカンダリプーリ10の可動シーブ15を軸線方向に動作させる推力(挟圧力)が調整される。そして、可動シーブ12の軸線方向の動作に応じて溝M1の幅が変化し、可動シーブ15の軸線方向の動作に応じて溝M2の幅が変化する。このように、溝M2の幅が調整されると、ベルト17に加えられる挟圧力およびベルト17の張力が変化し、かつ、プライマリシャフト7とセカンダリシャフト8との間で伝達されるトルクの容量が制御される。具体的には、油圧室100の油圧が高められて、ベルト17に加えられる挟圧力が増加すると、ベルト17のトルク容量が増加する。これに対して、油圧室100の油圧が低下して、ベルト17に加えられる挟圧力が減少すると、ベルト17のトルク容量が低下する。以下、前述の油圧制御装置18の実施例を説明する。
【0030】
なお、ベルト式無段変速機6の変速制御に関して説明すると、油圧室19の油圧を制御することにより、ベルト式無段変速機6の変速比を制御し、かつ、油圧室100のオイル量を制御することにより、ベルト式無段変速機6のトルク容量を制御する構成の油圧制御装置を採用することも可能である。また、油圧室19のオイル量を制御することにより、ベルト式無段変速機6の変速比を制御し、かつ、油圧室100のオイル量を制御することにより、ベルト式無段変速機6のトルク容量を制御する構成の油圧制御装置を採用することも可能である。さらに、油圧室19の油圧を制御することにより、ベルト式無段変速機6の変速比を制御し、かつ、油圧室100の油圧を制御することにより、ベルト式無段変速機6のトルク容量を制御する構成の油圧制御装置を採用することも可能である。
【0031】
(第1の実施例)
前記油圧制御装置18の第1の実施例を、図1に基づいて説明する。この実施例においては、複数のオイルポンプとしてメインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81が設けられており、メインオイルポンプ80は吸込口82および吐出口83を有している。また、サブオイルポンプ81は吸込口84および吐出口85を有している。このメインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81は回転装置により駆動される構成となっている。このメインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81は、それぞれ単独で駆動・停止が可能である。
【0032】
この実施例においては、前述した駆動力源、すなわち、エンジンまたは電動機のうち、少なくとも一方を回転装置として利用することが可能である。なお、駆動力源とは別に設けられた電動機(図示せず)を、回転装置として利用することも可能である。また、オイルパン120内にはストレーナ130が配置されており、ストレーナ130から2方向に分岐する油路131,132が形成されている。一方の油路131はメインオイルポンプ80の吸込口82に接続され、他方の油路132は、サブオイルポンプ81の吸込口84に接続されている。
【0033】
前記メインオイルポンプ80の吐出口83には油路86が接続されているとともに、油路86はオイル必要部87に接続されている。オイル必要部87としては、例えば、油圧室19,100が挙げられる。なお、油圧室19に供給されるオイルの流量を制御する場合は、油路86から油圧室19に至る経路に流量制御弁(図示せず)が設けられる。また、油圧室19の油圧を制御する場合は、油路86から油圧室19に至る経路に油圧制御弁(図示せず)が設けられる。また、油圧室100に供給されるオイルの流量を制御する場合は、油路86から油圧室100に至る経路に流量制御弁(図示せず)が設けられる。また、油圧室100の油圧を制御する場合は、油路86から油圧室100に至る経路に油圧制御弁(図示せず)が設けられる。
【0034】
一方、油路86にはプライマリレギュレータバルブ88が接続されている。このプライマリレギュレータバルブ88は、所定方向、例えば、図1において上下方向に動作可能なスプール89と、スプール89を所定の向き、具体的には図1において下向きに付勢する弾性部材90とを有している。また、プライマリレギュレータバルブ88は、ポート91,92,93,94を有している。ここで、ポート91,93は油路86に接続されている。さらに、ポート94には、リニアソレノイドバルブ95の信号圧が入力される。リニアソレノイドバルブ95から出力される信号圧は、電子制御装置52により制御される。さらに、前記スプール89にはランド部96,97,98が形成されている。そして、ポート94に入力される信号圧により、スプール89を図1において下向きに付勢する力が生じる。また、ポート93の油圧により、スプール89を図1で上向きに付勢する力が生じる。
【0035】
前記ポート92には油路140が接続されている。油路140はオイル必要部137に接続されている。オイル必要部137としては、前後進切り換え機構5の摩擦係合装置の係合圧を制御する油圧室(図示せず)、ロックアップクラッチ4の係合圧を制御する油圧室(図示せず)などが挙げられる。さらに、油路140には、セカンダリレギュレータバルブ109が接続されている。このセカンダリレギュレータバルブ109は、所定方向、図1において上下方向に動作(ストローク)可能なスプール110と、スプール110を所定の向き、図1において上向きに付勢する弾性部材111とを有している。
【0036】
また、セカンダリレギュレータバルブ109は、ポート112,113,114,115,116,117を有している。ここで、ポート112,115は油路140に接続されている。また、ポート114には油路141を経由して潤滑系統142が接続されている。さらに、ポート113は、油路143を経由して、前記吸込口82,84に接続されている。さらにまた、ポート117にはリニアソレノイドバルブ144の信号圧が入力される。このリニアソレノイドバルブ144から出力される信号圧は、電子制御装置52により制御される。このポート117に入力される信号圧に応じて、スプール110を図1において上向きに付勢する力が生じる。また、スプール110にはランド部145,146,147,148が形成されている。そして、ポート115の油圧により、スプール110を図1で下向きに付勢する力が生じる。
【0037】
一方、前記サブオイルポンプ81の吐出口85には油路105が接続されているとともに、油路105から油路86に至る経路には、逆止弁107が配置されている。この逆止弁107は、油路86の油圧と油路105の油圧との対応関係に基づいて開閉する。具体的には、油路105の油圧が油路86の油圧を越えた場合に、逆止弁107が開放され、油路105の油圧が油路86の油圧よりも低くなった場合に、逆止弁107が閉じられる構成となっている。つまり、逆止弁107は、油路105のオイルが油路86に流れ込むことを許容し、油路86のオイルが油路105に流れ込むことを防止する。
【0038】
さらに、油路105から油路140至る経路には切換弁150が設けられている。切換弁150は、図1において上下方向に動作可能なスプール151と、スプール151を図1において下向きに付勢する弾性部材152とを有している。切換弁150は、ポート153,154,155,156を有している。ここで、ポート153,154は油路105に接続されており、ポート153とポート154とが相互に並列に接続されている。なお、油路105からポート154に至る経路には絞り部158が設けられている。絞り部158は、オリフィスまたはチョークのいずれでもよい。また、ポート156にはリニアソレノイドバルブ157の信号圧が入力される。このリニアソレノイドバルブ157から出力される信号圧は、電子制御装置52により制御される。さらに、前記スプール151にはランド部159,160が形成されている。そして、ポート156に入力される信号圧に応じて、スプール151を図1において上向きに付勢する力が生じる。
【0039】
前記ポート155には油路161が接続されており、油路161は、セカンダリレギュレータバルブ109のポート116に接続されている。また、油路161から油路140に至る経路に逆止弁162が配置されている。この逆止弁162は、油路161の油圧と油路140の油圧との対応関係に基づいて開閉する。具体的には、油路161の油圧が油路140の油圧を越えた場合に、逆止弁162が開放され、油路161の油圧が油路140の油圧よりも低くなった場合に、逆止弁162が閉じられる構成となっている。つまり、逆止弁162は、油路161のオイルが油路140に流れ込むことを許容し、油路140のオイルが油路161に流れ込むことを防止する。
【0040】
この第1の実施例における油圧制御装置18の機能を説明する。まず、メインオイルポンプ80が駆動された場合は、オイルパン120のオイルが、ストレーナ130を経由してメインオイルポンプ80に吸い込まれるとともに、吐出口83から吐出されたオイルが油路86に供給される。この油路86のオイルはオイル必要部87に供給される。
【0041】
ここで、プライマリレギュレータバルブ88の機能により、油路86の油圧が制御される。具体的には、油路86のオイル量が不足して、油路86の油圧が低下した場合は、ポート93の油圧も低くなる。すると、弾性部材90の付勢力、およびポート94の信号圧に応じた付勢力により、スプール89が図1において下向きに動作して、ポート91とポート92との連通面積が縮小される。その結果、油路86から油路140に排出されるオイル量が減少して、油路86におけるオイル不足が抑制され、油路86の油圧が上昇する。
【0042】
油路86の油圧が上昇することにともない、スプール89が図1において上向きに動作し、ポート91とポート92との連通面積が拡大される。その結果、油路86から油路140に排出されるオイル量が増加して、油路86におけるオイルの過剰が抑制され、油路86の油圧が低下する。このように、油路86の油圧およびオイル量が、プライマリレギュレータバルブ88により制御される。そして、ポート91とポート92とが遮断されている状態から、ポート91とポート92とが連通した状態になる油路86の油圧、つまり、開弁圧は、ポート94に入力される信号圧により制御される。
【0043】
プライマリレギュレータバルブ88の機能により、油路140に排出されたオイルは、オイル必要部137に供給される。以下、油路140の油圧およびオイル量の制御を説明する。なお、ここでは、逆止弁162が閉じられていることを前提として説明する。まず、油路140でオイル不足が生じており、ポート115の油圧が低い場合は、弾性部材111の付勢力、およびポート117の信号圧に対応する付勢力により、セカンダリレギュレータバルブ109のスプール110が、図1において上向きに動作する。その結果、ポート112とポート113,114との連通面積が縮小される。その結果、油路140におけるオイル量不足が抑制される。
【0044】
油路140におけるオイル量不足が解消されて、油路140の油圧が上昇すると、ポート115の油圧も上昇する。すると、セカンダリレギュレータバルブ109のスプール110が、図1において下向きに動作して、ポート112とポート113,114との連通面積が拡大される。その結果、油路140から油路141,143に排出されるオイル量が増加する。油路141のオイルは潤滑系統142に供給され、油路143のオイルは吸込口82に戻る。このようにして、油路140のオイルが油路141,143に排出されて油路140の油圧が低下すると、セカンダリレギュレータバルブ109のスプール110は、前述と同様の原理により、図1において上向きに動作する。
【0045】
このようにして、油路140におけるオイル量および油圧が、セカンダリレギュレータバルブ109により制御される。そして、ポート112とポート113,114とが遮断されている状態から、ポート112とポート113,114とが連通した状態になる油路140の油圧、つまり、開弁圧は、ポート117に入力される信号圧により制御される。
【0046】
つぎに、メインオイルポンプ80の駆動に加えて、サブオイルポンプ81も駆動する場合を説明する。サブオイルポンプ81が駆動された場合は、オイルパン120のオイルがストレーナ130を経由して吸込口84に吸引されて、吐出口85からオイルが油路105に吐出される。まず、油路86においてオイル量の不足が生じている場合について説明する。この場合は、切換弁150のポート156に入力される信号圧が低圧に制御される。ポート156の信号圧が低圧である場合は、弾性部材152の付勢力によりスプール151が、図1において下向きに動作する。その結果、図1で左側半分に示すように、ポート153が遮断され、かつ、ポート154とポート155とが連通する。
【0047】
すると、油路105のオイルは、ポート154,155を経由して油路161に供給される。ここで、油路105からポート154に至る経路には絞り部158が設けられているため、油路105から油路161に供給されるオイル量は少ないとともに、油路105の油圧が上昇する。そして、油路105の油圧が油路86の油圧よりも高くなると、逆止弁107が開放されて、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルが、油路105を経由して油路86に供給される。このような作用により、油路86におけるオイル量の不足を、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルにより補うことができる。
【0048】
つぎに、油路86におけるオイル量は充分であるが、油路140でオイル量の不足が生じた場合を説明する。この場合は、切換弁150のポート156に入力される信号圧が高圧に制御される。その結果、切換弁150のスプール151が、図1において上向きに動作して、図1の右側半分に示すように、ポート153とポート155とが連通され、かつ、ポート154が閉じられる。すると、油路105のオイルは、油路161に供給される。
【0049】
一方、油路140でオイル量の不足が生じている場合は、油路140の油圧が低く、油路161の油圧の方が油路140の油圧よりも高くなると、逆止弁162が開放されて、油路161のオイルが油路140に供給されて、油路140におけるオイル量不足が抑制される。
【0050】
このように、油路86のオイル量が充分であり、かつ、油路140におけるオイル量不足が解消されて、油路140の油圧の方が、油路161の油圧よりも高くなった場合は、逆止弁162が閉じられて、油路161のオイルは油路140に供給されなくなる。また、油路140のオイルが油路161に逆流することが、逆止弁162により防止される。
【0051】
さらに、油路140の油圧が上昇すると、セカンダリレギュレータバルブ109のポート115の油圧も上昇し、スプール110が、図1において下向きに動作する。すると、ポート112とポート113,114との連通面積が拡大されて、油路140のオイルが油路141,143に排出されるとともに、油路161のオイルが油路143に排出されて、油路161の油圧が低下する。このようにして、油路161の油圧が油路140の油圧よりも低下した時点で、逆止弁162が閉じられる。なお、第1の実施例において、ポート113から排出されたオイルが、油路143を経由してメインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81に戻る構成となっているが、ポート113から排出されたオイルの少なくとも一部が、油路141に供給される構成であってもよい。
【0052】
このように、この第1の実施例においては、メインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81のうち、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルの供給経路を、切換弁150およびセカンダリレギュレータバルブ109の機能により、3系統もしくは3段階に選択的に切り換えることができる。ここで、3系統のオイル供給路とは、油路105から油路86に至る第1のオイル供給路と、油路105および油路161を経由して、油路140およびオイル必要部137に至る第2のオイル供給路と、油路105および油路161を経由し、かつ、油路140を経由することなく、油路143および潤滑系統142、または油路141に至る第3のオイル供給路とを意味している。
【0053】
そして、この第1の実施例においては、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルを、3系統のオイル供給路に選択的に供給した場合、各オイル供給路毎に、サブオイルポンプ81の駆動負荷、言い換えれば、サブオイルポンプ81の駆動に必要なトルクが異なる。ここで、サブオイルポンプ81の駆動に必要なトルクは、各オイル供給路における必要オイル量、各オイル供給路における油圧などに影響される。
【0054】
例えば、油路140のオイル必要量と、油路86のオイル必要量と、油路141,143のオイル必要量(排出されるオイル量)とが異なれば、サブオイルポンプ81の駆動に必要なトルクも異なる。また、プライマリレギュレータバルブ89により制御される油路86の油圧よりも、セカンダリレギュレータバルブ109により制御される油路140の油圧の方が低圧であり、油路140の油圧よりも、油路141,143の油圧の方が低圧となり、オイルの供給経路としていずれを選択するかにより、サブオイルポンプ81の駆動に必要なトルクも異なる。
【0055】
具体的には、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第1のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷よりも、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第2のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷の方が低い。また、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第2のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷よりも、第3のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷の方が低い。したがって、切換弁150およびセカンダリレギュレータバルブ109を制御することにより、サブオイルポンプ81の駆動負荷を3段階に切り換えることができ、サブオイルポンプ81を駆動する回転装置の駆動損失の増加を抑制できる。
【0056】
ここで、第1の実施例に関連する構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、吐出口83,85が、この発明の複数の吐出口に相当し、メインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81が、この発明のオイルポンプに相当し、吐出口85が、この発明の「特定の吐出口」に相当する。また、この発明における「3系統以上のオイル供給路」には、この実施例で説明した第1のオイル供給路および第2のオイル供給路および第3のオイル供給路が含まれている。
【0057】
ここで、第1のオイル供給路は、サブオイルポンプ81の吐出口85から、油路105および油路86を経由してオイル必要部87に至る油路を意味しており、第2のオイル供給路は、サブオイルポンプ81の吐出口85から、油路105および油路161および油路140を経由してオイル必要部137に至る油路を意味しており、第3のオイル供給路は、サブオイルポンプ81の吐出口85から、油路105および油路161を経由し、かつ、油路140を経由することなく、油路143または油路141および潤滑系統142に至る油路を意味している。
【0058】
さらに、切換弁150およびリニアソレノイドバルブ157および電子制御装置52およびセカンダリレギュレータバルブ109が、この発明の切換機構に相当し、油路86およびオイル必要部87が、この発明の第1の油路に相当し、油路140およびオイル必要部137が、この発明の第2の油路に相当し、油路141,143および潤滑系統142が、この発明の第3の油路に相当し、プライマリレギュレータバルブ88が、この発明の第1の制御弁に相当し、セカンダリレギュレータバルブ109が、この発明の第2の制御弁に相当する。さらに、オイル必要部87に含まれる油圧室19,100が、この発明の所定の供給路に相当し、ベルト式無段変速機6が、この発明の変速機に相当し、油圧室19,100の油圧またはオイル量、ベルト式無段変速機6の変速比、ベルト式無段変速機6のトルク容量、ベルト17に加えられる挟圧力などが、この発明の「動力伝達状態」に相当する。
【0059】
(第2の実施例)
前記油圧制御装置18の第2の実施例を図3に基づいて説明する。図3において、図1の構成と同じ構成については、図1と同じ符号を付して、その構成の説明を省略する。まず、プライマリレギュレータバルブ88は、ポート91,92,93,94の他に、ポート170,171を有する。そして、ポート170と油路105とが接続されている。さらにプライマリレギュレータバルブ88のスプール89には、ランド部96,97,98の他に、ランド部172が形成されている。
【0060】
つぎに、切換弁150の構成を説明すると、切換弁150は、図3において上下方向に動作可能なスプール173と、スプール173を図3において上向きに付勢する弾性部材174とを有している。また、切換弁150は、ポート175,176,177,178を有している。ここで、ポート175,176は油路179に接続されている。ポート175,176は相互に並列に配置されている。また、油路179は、プライマリレギュレータバルブ88のポート171に接続されている。さらに、油路179からポート176に至る経路には絞り部180が設けられている。絞り部180は、オリフィスまたはチョークのいずれでもよい。また、ポート178にはリニアソレノイドバルブ181の信号圧が入力される。このリニアソレノイドバルブ181から出力される信号圧は、電子制御装置52により制御される。さらに、前記スプール173にはランド部182,183が形成されている。そして、ポート178に入力される信号圧に応じて、スプール173を図3において下向きに付勢する力が生じる。
【0061】
前記ポート177には油路184が接続されており、油路184は油路141に接続されている。また、油路179から油路140に至る経路に逆止弁185が配置されている。この逆止弁185は、油路179の油圧と油路140の油圧との対応関係に基づいて開閉する。具体的には、油路179の油圧が油路140の油圧を越えた場合に、逆止弁185が開放され、油路179の油圧が油路140の油圧よりも低くなった場合に、逆止弁185が閉じられる構成となっている。つまり、逆止弁185は、油路179のオイルが油路140に流れ込むことを許容し、油路140のオイルが油路179に流れ込むことを防止する。なお、第2の実施例において、その他の構成は第1の実施例の構成と同じである。また、図3に示すセカンダリレギュレータバルブ109には、図1のセカンダリレギュレータバルブ109のランド部148およびポート116に相当する構成は設けられていない。
【0062】
この第2の実施例における油圧制御装置18の機能を説明する。まず、メインオイルポンプ80が駆動された場合は、第1の実施例と同様に、プライマリレギュレータバルブ88の機能により、油路86の油圧およびオイル量が制御される。プライマリレギュレータバルブ88の機能により、油路86から油路140に排出されたオイルは、オイル必要部137に供給される。また、油路140の油圧およびオイル量も、第1の実施例と同様に、セカンダリレギュレータバルブ109の機能により制御される。
【0063】
つぎに、メインオイルポンプ80の駆動に加えて、サブオイルポンプ81も駆動する場合を説明する。サブオイルポンプ81が駆動された場合は、吐出口85からオイルが油路105に吐出される。ここで、油路86においてオイル量の不足が生じている場合は、ポート93の油圧が低く、プライマリレギュレータバルブ88のスプール89が、図3において下向きに付勢されて、ポート170とポート171とが遮断されている。このため、サブオイルポンプ81から油路105に供給されるオイル量の増加により、油路105の油圧が上昇する。その結果、第2の実施例においても、第1の実施例と同様の原理により、逆止弁107の開閉が制御されて、油路105のオイルが油路86に供給され、油路86のオイル不足が抑制される。
【0064】
つぎに、油路86におけるオイル量は充分であるが、油路140でオイル量の不足が生じた場合を説明する。この場合は、プライマリレギュレータバルブ88のポート93の油圧が上昇して、スプール89が図3において上向きに動作して、ポート170とポート171との連通面積が拡大される。また、油路105のオイルが油路179に供給されて、油路105の油圧が低下することにともない、油路86の油圧の方が、油路105の油圧よりも高くなり、逆止弁107が閉じられる。さらに、油路140のオイル不足によりポート115の油圧が低下するとともに、第1の実施例と同様の原理により、セカンダリレギュレータバルブ109のスプール110が、図3において上向きに動作し、ポート112とポート113,114との連通面積が縮小される。
【0065】
一方、切換弁150のポート178に入力される信号圧が低圧に制御され、弾性部材174の付勢力により、スプール173が、図3において上向きに動作する。その結果、図3で左側半分に示すように、ポート175が遮断され、かつ、ポート176とポート177とが連通する。すると、油路179のオイルは、ポート176,177を経由して油路184に供給される。この油路184のオイルは、油路141を経由して潤滑系統142に供給される。ここで、油路179からポート176に至る経路には絞り部180が設けられているため、油路179から油路184に供給されるオイル量は少ないとともに、油路179の油圧が上昇する。そして、油路179の油圧が油路140の油圧よりも高くなると、逆止弁185が開放されて、油路179のオイルが油路140に供給される。このような作用により、油路140におけるオイル量の不足を、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルにより補うことができる。
【0066】
さらに、油路86のオイル量が充分であり、かつ、油路140におけるオイル量も充分である場合について説明する。この場合は第1の実施例と同様の原理により、油路86のオイルが油路140に供給されるとともに、第1の実施例と同様の原理により、油路140のオイルが、油路141,143に供給される。一方、切換弁150のポート178に入力される信号圧は高圧に制御され、図3の右側に示すように、ポート176が遮断され、かつ、ポート175とポート177とが連通する。その結果、油路105のオイルは、油路179,184を経由して油路141に排出される。また、油路179の油圧は油路140の油圧よりも低下して、逆止弁185が閉じられる。したがって、油路179のオイルは油路140には供給されない。
【0067】
上記のように、第2の実施例においても、メインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81のうち、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルの供給経路を、切換弁150の機能により、3系統もしくは3段階に選択的に切り換えることができる。ここで、3系統のオイル供給路とは、油路105から油路86に至る第1のオイル供給路と、油路105から、油路179を経由して、油路140およびオイル必要部137に至る第2のオイル供給路と、油路105から、油路179,184を経由して、油路141および潤滑系統142に至る第3のオイル供給路とを意味している。
【0068】
そして、この第2の実施例においても、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルを、3系統のオイル供給路に選択的に供給した場合、第1の実施例と同様の理由により、各オイル供給路毎に、サブオイルポンプ81の駆動負荷、言い換えれば、サブオイルポンプ81の駆動に必要なトルクが異なる。具体的には、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第1のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷よりも、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第2のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷の方が低い。また、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第2のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷よりも、第3のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷の方が低い。したがって、切換弁150を制御することにより、サブオイルポンプ81の駆動負荷を3段階に切り換えることができ、サブオイルポンプ81を駆動する回転装置の駆動損失の増加を抑制できる。
【0069】
ここで、第2の実施例で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、3系統以上のオイル供給路には、第1のオイル供給路ないし第3のオイル供給路が含まれる。具体的には、油路105から、油路86およびオイル必要部87に至る油路が、第1のオイル供給路に相当し、油路105から、油路179を経由して、油路140およびオイル必要部137に至る油路が、第2のオイル供給路に相当し、油路105から、油路179,184を経由して、油路141および潤滑系統142に至る油路が、第3のオイル供給路に相当する。また、プライマリレギュレータバルブ88および切換弁150およびリニアソレノイドバルブ181および電子制御装置52が、この発明の切換機構に相当する。第2の実施例のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、第1の実施例の構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。
【0070】
(第3の実施例)
前記油圧制御装置18の第3の実施例を図4に基づいて説明する。図4において、図1の構成および図3の構成と同じ構成については、図1および図3と同じ符号を付して、その構成の説明を省略する。この第3の実施例において、プライマリレギュレータバルブ88は、第1の実施例と同様に構成されている。また、第3の実施例において、セカンダリレギュレータバルブ109は、第2の実施例と同様に構成されている。
【0071】
そして、この第3の実施例においては、油路105に切換弁190が接続されている。切換弁190は、図4において上下方向に動作可能なスプール191と、スプール191を図4において下向きに付勢する弾性部材192とを有している。また、スプール191にはランド部193,194,195が形成されている。さらに切換弁190は、ポート196,197,198,199を有している。ポート199にはリニアソレノイドバルブ200の信号圧が入力される。このリニアソレノイドバルブ200から出力される信号圧は、電子制御装置52により制御される。そして、ポート199に入力される信号圧に応じて、スプール191を図4において上向きに付勢する力が生じる。さらに、ポート198には油路161が接続され、油路161から油路140に至る経路に逆止弁162が配置されている。この逆止弁162は、第1の実施例で説明した逆止弁162と同様に構成されている。さらにまた、ポート197には油路201が接続され、油路201は油路143に接続されている。また、ポート196は油路105に接続されている。第3の実施例のその他の構成は、第1の実施例の構成と同じである。
【0072】
この第3の実施例における油圧制御装置18の機能を説明する。まず、メインオイルポンプ80が駆動された場合は、第1の実施例と同様に、プライマリレギュレータバルブ88の機能により、油路86の油圧およびオイル量が制御される。プライマリレギュレータバルブ88の機能により、油路86から油路140に排出されたオイルは、オイル必要部137に供給される。また、油路140の油圧およびオイル量は、第2の実施例と同様に、セカンダリレギュレータバルブ109の機能により制御される。
【0073】
つぎに、メインオイルポンプ80の駆動に加えて、サブオイルポンプ81も駆動する場合を説明する。サブオイルポンプ81が駆動された場合は、吐出口85からオイルが油路105に吐出される。ここで、油路86においてオイル量の不足が生じている場合は、第1の実施例と同様にプライマリレギュレータバルブ88が動作して、油路86から油路140に排出されるオイル量が減少する。また、ポート199に入力される信号圧は低圧に制御されて、切換弁190のスプール191が、図4の左側に示す位置で停止する。その結果、ポート196とポート197,198とが遮断される。すると、サブオイルポンプ81から油路105に供給されるオイル量の増加により、油路105の油圧が上昇する。そして、第3の実施例においても、第1の実施例と同様の原理により、逆止弁107の開閉が制御されて、油路105のオイルが油路86に供給され、油路86のオイル不足が抑制される。
【0074】
つぎに、油路86におけるオイル量は充分であるが、油路140でオイル量の不足が生じた場合を説明する。この場合は、プライマリレギュレータバルブ88のポート93の油圧が上昇して、スプール89が図4において上向きに動作して、油路86から油路140に供給されるオイル量が増加する。また、油路140のオイル不足によりポート115の油圧が低下するとともに、第1の実施例と同様の原理により、セカンダリレギュレータバルブ109のスプール110が、図3において上向きに動作し、ポート112とポート113,114との連通面積が縮小される。
【0075】
一方、切換弁190のポート199に入力される信号圧は中間圧に制御される。この中間圧は、前記低圧よりも高圧である。すると、スプール191が、図4において上向きに所定量動作して中間位置で停止する。このスプール191が中間位置で停止した場合は、ポート196とポート198とが連通し、ポート196とポート197とが遮断される。その結果、油路105のオイルが切換弁190を経由して油路161に供給される。このようにして、油路105の油圧が低下して、油路105の油圧よりも油路86の油圧が高くなると、逆止弁107が閉じられる。
【0076】
上記のように、油路105のオイルが油路161に供給されると、油路161の油圧が上昇し、油路161の油圧の方が油路140よりも高圧となった時点で、逆止弁162が開放されて、油路161のオイルが油路140に供給されて、油路140におけるオイル不足が解消される。
【0077】
さらに、油路86のオイル量が充分であり、かつ、油路140におけるオイル量も充分である場合について説明する。この場合は第1の実施例と同様の原理により、油路86のオイルが油路140に供給されるとともに、第1の実施例と同様の原理により、油路140のオイルが、油路141,143に供給される。一方、切換弁190のポート199に入力される信号圧は高圧に制御される。この高圧は、前記中間圧よりも高圧である。すると、スプール191が更に上向きに動作して、図4で右側に示すように、ポート196と、ポート197,198とが連通される。その結果、油路105のオイルは、油路201を経由して油路143に排出される。また、油路161の油圧は油路140の油圧よりも低下して、逆止弁162が閉じられる。なお、第3の実施例において、油路201に排出されるオイルを、潤滑系統142に供給する構成を採用することも可能である。
【0078】
上記のように、第3の実施例においても、メインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81のうち、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルの供給経路を、切換弁190の機能により、3系統もしくは3段階に選択的に切り換えることができる。ここで、3系統のオイル供給路とは、油路105から油路86に至る第1のオイル供給路と、油路105から、油路161を経由して、油路140およびオイル必要部137に至る第2のオイル供給路と、油路105から、油路201を経由して、油路143または潤滑系統142に至る第3のオイル供給路とを意味している。
【0079】
そして、この第3の実施例においても、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルを、3系統のオイル供給路に選択的に供給した場合、第1の実施例と同様の理由により、各オイル供給路毎に、サブオイルポンプ81の駆動負荷、言い換えれば、サブオイルポンプ81の駆動に必要なトルクが異なる。具体的には、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第1のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷よりも、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第2のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷の方が低い。また、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第2のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷よりも、第3のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷の方が低い。したがって、切換弁190を制御することにより、サブオイルポンプ81の駆動負荷を3段階に切り換えることができ、サブオイルポンプ81を駆動する回転装置の駆動損失の増加を抑制できる。
【0080】
ここで、第3の実施例で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、3系統以上のオイル供給路には、第1のオイル供給路ないし第3のオイル供給路が含まれる。具体的には、油路105から、油路86およびオイル必要部87に至る油路が、第1のオイル供給路に相当し、油路105から、油路161を経由して、油路140およびオイル必要部137に至る油路が、第2のオイル供給路に相当し、油路105から、油路201を経由して、油路143または潤滑系統142に至る油路が、第3のオイル供給路に相当する。また、切換弁190およびリニアソレノイドバルブ200および電子制御装置52が、この発明の切換機構に相当する。第3の実施例のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、第1の実施例の構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。
【0081】
前述した第1の実施例ないし第3の実施例においては、複数のオイルポンプにより複数の吐出口が構成されているが、単一のオイルポンプに複数の吐出口が形成されている油圧制御装置も、各請求項の発明に含まれる。また、複数のオイルポンプは、3基以上でもよい。また、複数の吐出口を3以上有するオイルポンプも、各請求項のオイルポンプに含まれる。さらに、特定の吐出口は、少なくとも1つ以上であればよく、複数の吐出口の全ての吐出口が特定の吐出口であってもよい。
【0082】
前記第1の実施例で説明した第1の特徴的な構成を記載すると、所定の吐出口から吐出されたオイルが供給される第1の油路と、第1の油路から第2の油路に排出されるオイル量を制御することにより、第1の油路の状態を制御する第1の制御弁と、第2の油路のオイルを第3の油路に排出することにより、第2の油路の状態を制御する第2の制御弁とを有する油圧制御装置において、前記所定の吐出口以外の特定の吐出口から吐出されたオイルを、前記第1の油路または前記第2の油路に供給する切換弁が設けられており、前記第2の制御弁は、特定吐出口から吐出され、かつ、切換弁を経由したオイルを、第2の油路を経由させることなく、第3の油路に供給する機能を、更に有していることを特徴とする油圧制御装置である。
【0083】
この第1の特徴的な構成と、第1の実施例との対応関係を説明すると、吐出口83が所定の吐出口に相当し、吐出口85が、特定の吐出口に相当し、油路86およびオイル必要部87が、第1の油路に相当し、油路140およびオイル必要部137が、この発明の第2の油路に相当し、油路86の油圧およびオイル量が、第1の油路の状態に相当し、プライマリレギュレータバルブ88が、第1の制御弁に相当し、油路141,143および潤滑系統142が、第3の油路に相当し、セカンダリレギュレータバルブ109が、第2の制御弁に相当し、油路140の油圧およびオイル量が、第2の油路の状態に相当する。
【0084】
前記第2の実施例で説明した第2の特徴的な構成を記載すると、所定の吐出口から吐出されたオイルが供給される第1の油路と、第1の油路から第2の油路に排出されるオイル量を制御することにより、第1の油路の状態を制御する第1の制御弁と、第2の油路のオイルを第3の油路に排出することにより、第2の油路の状態を制御する第2の制御弁とを有する油圧制御装置において、前記第1の制御弁は、所定の吐出口以外の特定の吐出口から吐出されたオイルを、前記第1の油路に供給するか、または前記第2の油路に供給可能とする機能を、更に有しており、特定の吐出口から吐出され、かつ、前記第1の制御弁を経由したオイルを、前記第2の油路または前記第3の油路に選択的に供給する切換弁が設けられていることを特徴とする油圧制御装置である。
【0085】
この第2の特徴的な構成と、第2の実施例との対応関係を説明すると、吐出口83が所定の吐出口に相当し、吐出口85が、特定の吐出口に相当し、油路86およびオイル必要部87が、第1の油路に相当し、油路140およびオイル必要部137が、この発明の第2の油路に相当し、油路86の油圧およびオイル量が、第1の油路の状態に相当し、油路140の油圧およびオイル量が、第2の油路の状態に相当し、プライマリレギュレータバルブ88が、第1の制御弁に相当し、セカンダリレギュレータバルブ109が、第2の制御弁に相当し、油路184,141および潤滑系統142が、第3の油路に相当する。
【0086】
前記第3の実施例で説明した第3の特徴的な構成を記載すると、所定の吐出口から吐出されたオイルが供給される第1の油路と、第1の油路から第2の油路に排出されるオイル量を制御することにより、第1の油路の状態を制御する第1の制御弁と、第2の油路のオイルを第3の油路に排出することにより、第2の油路の状態を制御する第2の制御弁とを有する油圧制御装置において、特定の吐出口から吐出されたオイルを、前記第1の油路または前記第2の油路または前記第3の油路に選択的に供給する切換弁が設けられていることを特徴とする油圧制御装置である。
【0087】
この第3の特徴的な構成と、第3の実施例との対応関係を説明すると、吐出口83が所定の吐出口に相当し、吐出口85が、特定の吐出口に相当し、油路86およびオイル必要部87が、第1の油路に相当し、油路140およびオイル必要部137が、この発明の第2の油路に相当し、油路86の油圧およびオイル量が、第1の油路の状態に相当し、油路140の油圧およびオイル量が、第2の油路の状態に相当し、プライマリレギュレータバルブ88が、第1の制御弁に相当し、セカンダリレギュレータバルブ109が、第2の制御弁に相当し、油路141,143および潤滑系統142が、第3の油路に相当する。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、特定の吐出口から吐出されるオイルを、オイルポンプの駆動負荷が異なる3系統以上のオイル供給路のいずれかに選択的に切り換えて供給することができる。
【0089】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得ることができる他に、第1の油路の油圧と、第2の油路の油圧と、第3の油路の油圧とが異なり、各油路にオイルを供給する場合に、オイルポンプの駆動負荷が異なる。
【0090】
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得ることができる他に、所定の供給路にオイルを供給することにより、変速機の動力伝達状態を制御することが可能である。したがって、変速機の動力伝達状態に応じて、特定の吐出口から吐出されるオイルの供給路を切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の油圧制御装置の第1の実施例を示す概念図である。
【図2】この発明の油圧制御装置を備えた車両のパワートレーンおよび制御系統例を示す概念図である。
【図3】この発明の油圧制御装置の第2の実施例を示す概念図である。
【図4】この発明の油圧制御装置の第3の実施例を示す概念図である。
【符号の説明】
18…油圧制御装置、 19,100…油圧室、 52…電子制御装置、 80…メインオイルポンプ、 81…サブオイルポンプ、 83,85…吐出口、86,105,140,141,143,161,179,184,201…油路、 87,137…オイル必要部、 88…プライマリレギュレータバルブ、 109…セカンダリレギュレータバルブ、 150,190…切換弁、 157,181,200…リニアソレノイドバルブ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の動力伝達装置の動作部材や、各種の産業機械の動作部材の動作を制御するアクチュエータとして用いられる油圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両の動力伝達装置においては、動作部材の動作を制御することにより、駆動力源と車輪との間で伝達される動力が制御されるように構成されており、その動作部材の動作を制御するためのアクチュエータとして、油圧制御装置が知られている。この油圧制御装置は、オイル溜まりのオイルをオイルポンプにより吸引するとともに、オイルポンプから吐出されたオイルが油圧回路に供給される構成となっている。このように、オイルポンプを有する油圧制御装置の一例が、下記の特許文献1に記載されている。
【0003】
この特許文献1に記載されている油圧制御装置は、ベルト式無段変速機に用いられる油圧制御装置であり、オイルポンプが、エンジン動力により駆動するように構成されている。また、オイルポンプは、メインポートおよびサブポートを有し、メインポートから吐出されたオイルが、第1の油路を経由してプライマリ制御弁に供給されるように構成されている。また、第1の油路にはセカンダリ制御弁が接続されている。さらに、サブポートから吐出されるオイルの供給先を、前記第1の油路、またはオイルポンプの吸入口に接続された第2の油路のいずれか一方に、選択的に切り換える切換弁が設けられている。さらに、この切換弁の動作を制御する切換制御弁が設けられている。なお、油圧制御装置を制御する電子制御系として制御ユニットが設けられており、この制御ユニットには、各種のセンサの信号が入力される。これに対して、制御ユニットからは、切換制御弁を制御する切換信号、セカンダリ制御弁を制御する信号などが出力される。
【0004】
そして、エンジン動力によりオイルポンプが駆動されると、メインポートから吐出されたオイルが、第1の油路を経由してプライマリ制御弁に供給されるとともに、プライマリ制御弁から排出されるオイルの流量を調整することで、プライマリ制御弁の出力側のプライマリ圧が制御される。さらに、セカンダリ制御弁から排出されるオイルの流量を調整することで、第1の油路のセカンダリ圧が制御される。
【0005】
一方、メインポートから吐出されるオイルの流量であるポート流量が算出される。また、ベルト式無段変速機の伝達トルクに応じたセカンダリ圧、ベルト式無段変速機の変速比に応じたプライマリ圧、潤滑油量などに基づいて、ベルト式無段変速機全体で使用されるオイルの流量が算出される。そして、ポート流量と使用流量とを比較し、その比較結果に基づいて切換制御弁が制御されて、切換弁が動作する。具体的には、低速走行での加速時のように、ポート流量に比べて使用流量の方が多くなると、切換弁が、サブポートとオイルポンプの吸込口との間を遮断するように動作して、サブポートから吐出されるオイルが、第1の油路を経由してプライマリ制御弁およびセカンダリ制御弁に供給される。
【0006】
これに対して、高速での定常走行時のように、ポート流量の方が使用流量よりも多くなった場合は、切換弁が、サブポートとオイルポンプの吸込口との間を連通する位置に動作して、サブポートから吐出されるオイルが、第2の油路を経由してオイルポンプの吸込口に戻される。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−26334号公報(要約、段落番号0008ないし段落番号0019、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に記載されている油圧制御装置においては、サブポートの吐出口からオイルを吐出する場合に、切換弁を切り換えることにより、第1の油路または第2の油路にオイルが供給される構成となっている。つまり、オイルポンプの駆動負荷、言い換えれば、エンジンの動力損失を2段階に切り換えることが可能である。しかしながら、上記の特許文献1に記載されている切換弁においては、オイルポンプから吐出されるオイルを、オイルポンプの駆動負荷が異なる3系統以上のオイル供給路に選択的に供給することは困難であった。したがって、オイルポンプの駆動負荷が異なる3系統以上のオイル供給路を有する油圧制御装置において、オイルポンプの駆動負荷を一層低減することが望まれていた。
【0009】
この発明は上記事情を背景としてなされたものであり、オイル供給路が3系統以上あり、かつ、それらの経路にオイルを供給する場合のオイルポンプ駆動負荷が異なる場合に、オイルポンプの特定の吐出口から吐出されたオイルを、3系統以上のオイル供給路のいずれかに選択的に供給することの可能な油圧制御装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の吐出口からオイルを吐出するオイルポンプを備えた油圧制御装置において、特定の吐出口から吐出されるオイルを供給可能な3系統以上のオイル供給路が設けられており、この3系統以上のオイル供給路は、特定の吐出口から吐出されるオイルを供給する場合における前記オイルポンプの駆動負荷が異なるオイル供給路であり、特定の吐出口から吐出されるオイルを、前記3系統以上のオイル供給路のいずれかに選択的に切り換えて供給する切換機構が設けられていることを特徴とする発明である。
【0011】
請求項1の発明によれば、特定の吐出口から吐出されるオイルは、オイルポンプの駆動負荷が異なる3つ以上のオイル供給路のいずれかに選択的に切り換えて供給される。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記3系統以上のオイル供給路には、第1のオイル供給路ないし第3のオイル供給路が含まれているとともに、第1の油路から第2の油路に供給されるオイル量を制御することにより、前記第1の油路の油圧を制御する第1の制御弁と、前記第2の油路から第3の油路に供給されるオイル量を制御することにより、前記第2の油路の油圧を制御する第2の制御弁とが設けられており、前記第1の油路の油圧よりも前記第2の油路の油圧の方が低く、かつ、前記第2の油路の油圧よりも前記第3の油圧の方が低いとともに、前記第1のオイル供給路には前記第1の油路が含まれており、前記第2のオイル供給路には前記第2の油路が含まれており、前記第3の供給路には前記第3の油路が含まれていることを特徴とする発明である。
【0013】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、第1の油路の油圧と、第2の油路の油圧と、第3の油路の油圧とが異なり、各油路にオイルを供給する場合に、オイルポンプの駆動負荷が異なる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記第1のオイル供給路に供給されるオイルにより、変速機の動力伝達状態が制御される構成であることを特徴とする発明である。
【0015】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の作用が生じる他に、第1の供給路に供給されるオイルにより、変速機の動力伝達状態が制御される。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。まず、この発明を適用できる車両のパワートレーン、およびその車両の制御系統を、図2に示す。図2に示す車両Veにおいては、駆動力源1と車輪2との間の動力伝達経路に、流体伝動装置3、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、ベルト式無段変速機6などが設けられている。駆動力源1としては、例えば、エンジンまたは電動機の少なくとも一方を用いることができる。電動機としては、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを有するモータ・ジェネレータを用いることが可能である。この実施例では、駆動力源1として、主としてエンジンが用いられている場合について説明する。
【0017】
また、流体伝動装置3およびロックアップクラッチ4は、駆動力源1と前後進切り換え機構5との間の動力伝達経路に設けられており、流体伝動装置3とロックアップクラッチ4とは相互に並列に配置されている。流体伝動装置3は、流体の運動エネルギにより動力を伝達する装置であり、ロックアップクラッチ4は、摩擦力により動力を伝達する装置である。このため、ロックアップクラッチ4の係合圧を制御する油圧室(図示せず)が設けられている。
【0018】
さらに、前後進切り換え機構5は、入力部材に対する出力部材の回転方向を、選択的に切り換える装置である。この前後進切換装置5は、遊星歯車装置(図示せず)および摩擦係合装置(図示せず)を有している。この摩擦係合装置としては、ブレーキ、クラッチなどを用いることが可能であり、この摩擦係合装置の係合圧を制御する油圧室(図示せず)が設けられている。
【0019】
前記ベルト式無段変速機6は、前後進切り換え機構5と車輪2との間の動力伝達経路に設けられている。ベルト式無段変速機6は、相互に平行に配置されたプライマリシャフト7およびセカンダリシャフト8を有している。このプライマリシャフト7にはプライマリプーリ9が設けられており、セカンダリシャフト8にはセカンダリプーリ10が設けられている。プライマリプーリ9は、プライマリシャフト7に固定された固定シーブ11と、プライマリシャフト7の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ12とを有している。そして、固定シーブ11と可動シーブ12との間に溝M1が形成されている。
【0020】
また、この可動シーブ12をプライマリシャフト7の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ12と固定シーブ11とを接近・離隔させる油圧サーボ機構13が設けられている。この油圧サーボ機構13は、油圧室19と、油圧室19のオイル量または油圧に応じてプライマリシャフト7の軸線方向に動作し、かつ、可動シーブ12に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。
【0021】
一方、セカンダリプーリ10は、セカンダリシャフト8に固定された固定シーブ14と、セカンダリシャフト8の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ15とを有している。そして、固定シーブ14と可動シーブ15との間にはV字形状の溝M2が形成されている。
【0022】
また、この可動シーブ15をセカンダリシャフト8の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ15と固定シーブ14とを接近・離隔させる油圧サーボ機構16が設けられている。この油圧サーボ機構16は、油圧室100と、油圧室100の油圧またはオイル量に応じてセカンダリシャフト8の軸線方向に動作し、かつ、可動シーブ15に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。上記構成のプライマリプーリ9およびセカンダリプーリ10に、無端状のベルト17が巻き掛けられている。
【0023】
一方、ベルト式無段変速機6の油圧サーボ機構13,16およびロックアップクラッチ4、および前後進切り換え機構5を制御する機能を有する油圧制御装置18が設けられている。さらに、駆動力源1、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、ベルト式無段変速機6、油圧制御装置18を制御するコントローラとしての電子制御装置52が設けられており、この電子制御装置52は、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
【0024】
この電子制御装置52に対しては、エンジン回転数、アクセルペダルの操作状態、ブレーキペダルの操作状態、スロットルバルブの開度、シフトポジション、プライマリシャフト7の回転数、セカンダリシャフト8の回転数、エンジンの吸入空気量などを検知するセンサの信号が入力される。このセカンダリシャフト8の回転数に基づいて車速が求められる。電子制御装置52には各種のデータが記憶されており、電子制御装置52に入力される信号、および記憶されているデータに基づいて、電子制御装置52から、駆動力源1を制御する信号、ベルト式無段変速機6を制御する信号、前後進切り換え機構5を制御する信号、ロックアップクラッチ4を制御する信号、油圧制御装置18を制御する信号などが出力される。
【0025】
電子制御装置52に記憶されているデータとしては、変速機制御マップ、ロックアップクラッチ制御マップなどが挙げられる。この変速機制御マップには、変速比の制御マップ、トルク容量の制御マップなどが含まれる。変速比制御マップは、車速、アクセル開度などに基づいて、ベルト式無段変速機6の変速比を設定するマップである。トルク容量制御マップは、変速比、伝達するべきトルクなどに基づいて、ベルト式無段変速機6のトルク容量を制御する場合に用いるマップである。また、ロックアップクラッチ制御マップは、車速、アクセル開度などに基づいて、ロックアップクラッチ4のトルク容量(係合圧)を設定するマップである。
【0026】
つぎに、図2に示す車両Veの作用を説明する。駆動力源1の動力が、流体伝動装置3またはロックアップクラッチ4を経由して前後進切り換え機構5に伝達される。さらに、そのトルクはベルト式無段変速機6のプライマリシャフト7に伝達される。プライマリシャフト7のトルクは、プライマリプーリ9、ベルト17、セカンダリプーリ10を介してセカンダリシャフト8に伝達される。そして、セカンダリシャフト8のトルクが車輪2に伝達されて駆動力が発生する。また、選択されるシフトポジションに基づいて、前後進切り換え機構5の摩擦係合装置の係合・解放が切り換えられる。
【0027】
さらに、ベルト式無段変速機6の変速制御を説明する。ここでは、油圧サーボ機13の油圧室19のオイル量に基づいて、ベルト式無段変速機6の変速比を制御し、油圧サーボ機構16の油圧室100の油圧に基づいて、ベルト式無段変速機6のトルク容量を制御する例を説明する。まず、油圧室19のオイル量に応じて、プライマリプーリ9の可動シーブ12を軸線方向に動作させる推力が調整される。すると、可動シーブ12の軸線方向の動作に応じて溝M1の幅が変化し、可動シーブ15の軸線方向の動作に応じて溝M2の幅が変化する。
【0028】
上記のようにして、溝M1の幅が調整されると、プライマリプーリ9におけるベルト17の巻き掛け半径と、セカンダリプーリ10におけるベルト17の巻き掛け半径との比が変化する。その結果、プライマリシャフト7とセカンダリシャフト8との間の回転速度の比、すなわち変速比が変化する。具体的には、油圧室19のオイル量が増加して溝M1の幅が狭められると、プライマリプーリ9におけるベルト17の巻き掛け半径が大きくなり、ベルト式無段変速機6の変速比が小さくなるように変速する。これに対して、油圧室19のオイル量が減少すると、ベルト17の張力により溝M1の幅が広げられて、プライマリプーリ9におけるベルト17の巻き掛け半径が小さくなり、ベルト式無段変速機6の変速比が大きくなるように変速する。
【0029】
つぎに、ベルト式無段変速機6のトルク容量の制御を具体的に説明する。前記油圧室100の油圧を制御することにより、セカンダリプーリ10の可動シーブ15を軸線方向に動作させる推力(挟圧力)が調整される。そして、可動シーブ12の軸線方向の動作に応じて溝M1の幅が変化し、可動シーブ15の軸線方向の動作に応じて溝M2の幅が変化する。このように、溝M2の幅が調整されると、ベルト17に加えられる挟圧力およびベルト17の張力が変化し、かつ、プライマリシャフト7とセカンダリシャフト8との間で伝達されるトルクの容量が制御される。具体的には、油圧室100の油圧が高められて、ベルト17に加えられる挟圧力が増加すると、ベルト17のトルク容量が増加する。これに対して、油圧室100の油圧が低下して、ベルト17に加えられる挟圧力が減少すると、ベルト17のトルク容量が低下する。以下、前述の油圧制御装置18の実施例を説明する。
【0030】
なお、ベルト式無段変速機6の変速制御に関して説明すると、油圧室19の油圧を制御することにより、ベルト式無段変速機6の変速比を制御し、かつ、油圧室100のオイル量を制御することにより、ベルト式無段変速機6のトルク容量を制御する構成の油圧制御装置を採用することも可能である。また、油圧室19のオイル量を制御することにより、ベルト式無段変速機6の変速比を制御し、かつ、油圧室100のオイル量を制御することにより、ベルト式無段変速機6のトルク容量を制御する構成の油圧制御装置を採用することも可能である。さらに、油圧室19の油圧を制御することにより、ベルト式無段変速機6の変速比を制御し、かつ、油圧室100の油圧を制御することにより、ベルト式無段変速機6のトルク容量を制御する構成の油圧制御装置を採用することも可能である。
【0031】
(第1の実施例)
前記油圧制御装置18の第1の実施例を、図1に基づいて説明する。この実施例においては、複数のオイルポンプとしてメインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81が設けられており、メインオイルポンプ80は吸込口82および吐出口83を有している。また、サブオイルポンプ81は吸込口84および吐出口85を有している。このメインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81は回転装置により駆動される構成となっている。このメインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81は、それぞれ単独で駆動・停止が可能である。
【0032】
この実施例においては、前述した駆動力源、すなわち、エンジンまたは電動機のうち、少なくとも一方を回転装置として利用することが可能である。なお、駆動力源とは別に設けられた電動機(図示せず)を、回転装置として利用することも可能である。また、オイルパン120内にはストレーナ130が配置されており、ストレーナ130から2方向に分岐する油路131,132が形成されている。一方の油路131はメインオイルポンプ80の吸込口82に接続され、他方の油路132は、サブオイルポンプ81の吸込口84に接続されている。
【0033】
前記メインオイルポンプ80の吐出口83には油路86が接続されているとともに、油路86はオイル必要部87に接続されている。オイル必要部87としては、例えば、油圧室19,100が挙げられる。なお、油圧室19に供給されるオイルの流量を制御する場合は、油路86から油圧室19に至る経路に流量制御弁(図示せず)が設けられる。また、油圧室19の油圧を制御する場合は、油路86から油圧室19に至る経路に油圧制御弁(図示せず)が設けられる。また、油圧室100に供給されるオイルの流量を制御する場合は、油路86から油圧室100に至る経路に流量制御弁(図示せず)が設けられる。また、油圧室100の油圧を制御する場合は、油路86から油圧室100に至る経路に油圧制御弁(図示せず)が設けられる。
【0034】
一方、油路86にはプライマリレギュレータバルブ88が接続されている。このプライマリレギュレータバルブ88は、所定方向、例えば、図1において上下方向に動作可能なスプール89と、スプール89を所定の向き、具体的には図1において下向きに付勢する弾性部材90とを有している。また、プライマリレギュレータバルブ88は、ポート91,92,93,94を有している。ここで、ポート91,93は油路86に接続されている。さらに、ポート94には、リニアソレノイドバルブ95の信号圧が入力される。リニアソレノイドバルブ95から出力される信号圧は、電子制御装置52により制御される。さらに、前記スプール89にはランド部96,97,98が形成されている。そして、ポート94に入力される信号圧により、スプール89を図1において下向きに付勢する力が生じる。また、ポート93の油圧により、スプール89を図1で上向きに付勢する力が生じる。
【0035】
前記ポート92には油路140が接続されている。油路140はオイル必要部137に接続されている。オイル必要部137としては、前後進切り換え機構5の摩擦係合装置の係合圧を制御する油圧室(図示せず)、ロックアップクラッチ4の係合圧を制御する油圧室(図示せず)などが挙げられる。さらに、油路140には、セカンダリレギュレータバルブ109が接続されている。このセカンダリレギュレータバルブ109は、所定方向、図1において上下方向に動作(ストローク)可能なスプール110と、スプール110を所定の向き、図1において上向きに付勢する弾性部材111とを有している。
【0036】
また、セカンダリレギュレータバルブ109は、ポート112,113,114,115,116,117を有している。ここで、ポート112,115は油路140に接続されている。また、ポート114には油路141を経由して潤滑系統142が接続されている。さらに、ポート113は、油路143を経由して、前記吸込口82,84に接続されている。さらにまた、ポート117にはリニアソレノイドバルブ144の信号圧が入力される。このリニアソレノイドバルブ144から出力される信号圧は、電子制御装置52により制御される。このポート117に入力される信号圧に応じて、スプール110を図1において上向きに付勢する力が生じる。また、スプール110にはランド部145,146,147,148が形成されている。そして、ポート115の油圧により、スプール110を図1で下向きに付勢する力が生じる。
【0037】
一方、前記サブオイルポンプ81の吐出口85には油路105が接続されているとともに、油路105から油路86に至る経路には、逆止弁107が配置されている。この逆止弁107は、油路86の油圧と油路105の油圧との対応関係に基づいて開閉する。具体的には、油路105の油圧が油路86の油圧を越えた場合に、逆止弁107が開放され、油路105の油圧が油路86の油圧よりも低くなった場合に、逆止弁107が閉じられる構成となっている。つまり、逆止弁107は、油路105のオイルが油路86に流れ込むことを許容し、油路86のオイルが油路105に流れ込むことを防止する。
【0038】
さらに、油路105から油路140至る経路には切換弁150が設けられている。切換弁150は、図1において上下方向に動作可能なスプール151と、スプール151を図1において下向きに付勢する弾性部材152とを有している。切換弁150は、ポート153,154,155,156を有している。ここで、ポート153,154は油路105に接続されており、ポート153とポート154とが相互に並列に接続されている。なお、油路105からポート154に至る経路には絞り部158が設けられている。絞り部158は、オリフィスまたはチョークのいずれでもよい。また、ポート156にはリニアソレノイドバルブ157の信号圧が入力される。このリニアソレノイドバルブ157から出力される信号圧は、電子制御装置52により制御される。さらに、前記スプール151にはランド部159,160が形成されている。そして、ポート156に入力される信号圧に応じて、スプール151を図1において上向きに付勢する力が生じる。
【0039】
前記ポート155には油路161が接続されており、油路161は、セカンダリレギュレータバルブ109のポート116に接続されている。また、油路161から油路140に至る経路に逆止弁162が配置されている。この逆止弁162は、油路161の油圧と油路140の油圧との対応関係に基づいて開閉する。具体的には、油路161の油圧が油路140の油圧を越えた場合に、逆止弁162が開放され、油路161の油圧が油路140の油圧よりも低くなった場合に、逆止弁162が閉じられる構成となっている。つまり、逆止弁162は、油路161のオイルが油路140に流れ込むことを許容し、油路140のオイルが油路161に流れ込むことを防止する。
【0040】
この第1の実施例における油圧制御装置18の機能を説明する。まず、メインオイルポンプ80が駆動された場合は、オイルパン120のオイルが、ストレーナ130を経由してメインオイルポンプ80に吸い込まれるとともに、吐出口83から吐出されたオイルが油路86に供給される。この油路86のオイルはオイル必要部87に供給される。
【0041】
ここで、プライマリレギュレータバルブ88の機能により、油路86の油圧が制御される。具体的には、油路86のオイル量が不足して、油路86の油圧が低下した場合は、ポート93の油圧も低くなる。すると、弾性部材90の付勢力、およびポート94の信号圧に応じた付勢力により、スプール89が図1において下向きに動作して、ポート91とポート92との連通面積が縮小される。その結果、油路86から油路140に排出されるオイル量が減少して、油路86におけるオイル不足が抑制され、油路86の油圧が上昇する。
【0042】
油路86の油圧が上昇することにともない、スプール89が図1において上向きに動作し、ポート91とポート92との連通面積が拡大される。その結果、油路86から油路140に排出されるオイル量が増加して、油路86におけるオイルの過剰が抑制され、油路86の油圧が低下する。このように、油路86の油圧およびオイル量が、プライマリレギュレータバルブ88により制御される。そして、ポート91とポート92とが遮断されている状態から、ポート91とポート92とが連通した状態になる油路86の油圧、つまり、開弁圧は、ポート94に入力される信号圧により制御される。
【0043】
プライマリレギュレータバルブ88の機能により、油路140に排出されたオイルは、オイル必要部137に供給される。以下、油路140の油圧およびオイル量の制御を説明する。なお、ここでは、逆止弁162が閉じられていることを前提として説明する。まず、油路140でオイル不足が生じており、ポート115の油圧が低い場合は、弾性部材111の付勢力、およびポート117の信号圧に対応する付勢力により、セカンダリレギュレータバルブ109のスプール110が、図1において上向きに動作する。その結果、ポート112とポート113,114との連通面積が縮小される。その結果、油路140におけるオイル量不足が抑制される。
【0044】
油路140におけるオイル量不足が解消されて、油路140の油圧が上昇すると、ポート115の油圧も上昇する。すると、セカンダリレギュレータバルブ109のスプール110が、図1において下向きに動作して、ポート112とポート113,114との連通面積が拡大される。その結果、油路140から油路141,143に排出されるオイル量が増加する。油路141のオイルは潤滑系統142に供給され、油路143のオイルは吸込口82に戻る。このようにして、油路140のオイルが油路141,143に排出されて油路140の油圧が低下すると、セカンダリレギュレータバルブ109のスプール110は、前述と同様の原理により、図1において上向きに動作する。
【0045】
このようにして、油路140におけるオイル量および油圧が、セカンダリレギュレータバルブ109により制御される。そして、ポート112とポート113,114とが遮断されている状態から、ポート112とポート113,114とが連通した状態になる油路140の油圧、つまり、開弁圧は、ポート117に入力される信号圧により制御される。
【0046】
つぎに、メインオイルポンプ80の駆動に加えて、サブオイルポンプ81も駆動する場合を説明する。サブオイルポンプ81が駆動された場合は、オイルパン120のオイルがストレーナ130を経由して吸込口84に吸引されて、吐出口85からオイルが油路105に吐出される。まず、油路86においてオイル量の不足が生じている場合について説明する。この場合は、切換弁150のポート156に入力される信号圧が低圧に制御される。ポート156の信号圧が低圧である場合は、弾性部材152の付勢力によりスプール151が、図1において下向きに動作する。その結果、図1で左側半分に示すように、ポート153が遮断され、かつ、ポート154とポート155とが連通する。
【0047】
すると、油路105のオイルは、ポート154,155を経由して油路161に供給される。ここで、油路105からポート154に至る経路には絞り部158が設けられているため、油路105から油路161に供給されるオイル量は少ないとともに、油路105の油圧が上昇する。そして、油路105の油圧が油路86の油圧よりも高くなると、逆止弁107が開放されて、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルが、油路105を経由して油路86に供給される。このような作用により、油路86におけるオイル量の不足を、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルにより補うことができる。
【0048】
つぎに、油路86におけるオイル量は充分であるが、油路140でオイル量の不足が生じた場合を説明する。この場合は、切換弁150のポート156に入力される信号圧が高圧に制御される。その結果、切換弁150のスプール151が、図1において上向きに動作して、図1の右側半分に示すように、ポート153とポート155とが連通され、かつ、ポート154が閉じられる。すると、油路105のオイルは、油路161に供給される。
【0049】
一方、油路140でオイル量の不足が生じている場合は、油路140の油圧が低く、油路161の油圧の方が油路140の油圧よりも高くなると、逆止弁162が開放されて、油路161のオイルが油路140に供給されて、油路140におけるオイル量不足が抑制される。
【0050】
このように、油路86のオイル量が充分であり、かつ、油路140におけるオイル量不足が解消されて、油路140の油圧の方が、油路161の油圧よりも高くなった場合は、逆止弁162が閉じられて、油路161のオイルは油路140に供給されなくなる。また、油路140のオイルが油路161に逆流することが、逆止弁162により防止される。
【0051】
さらに、油路140の油圧が上昇すると、セカンダリレギュレータバルブ109のポート115の油圧も上昇し、スプール110が、図1において下向きに動作する。すると、ポート112とポート113,114との連通面積が拡大されて、油路140のオイルが油路141,143に排出されるとともに、油路161のオイルが油路143に排出されて、油路161の油圧が低下する。このようにして、油路161の油圧が油路140の油圧よりも低下した時点で、逆止弁162が閉じられる。なお、第1の実施例において、ポート113から排出されたオイルが、油路143を経由してメインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81に戻る構成となっているが、ポート113から排出されたオイルの少なくとも一部が、油路141に供給される構成であってもよい。
【0052】
このように、この第1の実施例においては、メインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81のうち、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルの供給経路を、切換弁150およびセカンダリレギュレータバルブ109の機能により、3系統もしくは3段階に選択的に切り換えることができる。ここで、3系統のオイル供給路とは、油路105から油路86に至る第1のオイル供給路と、油路105および油路161を経由して、油路140およびオイル必要部137に至る第2のオイル供給路と、油路105および油路161を経由し、かつ、油路140を経由することなく、油路143および潤滑系統142、または油路141に至る第3のオイル供給路とを意味している。
【0053】
そして、この第1の実施例においては、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルを、3系統のオイル供給路に選択的に供給した場合、各オイル供給路毎に、サブオイルポンプ81の駆動負荷、言い換えれば、サブオイルポンプ81の駆動に必要なトルクが異なる。ここで、サブオイルポンプ81の駆動に必要なトルクは、各オイル供給路における必要オイル量、各オイル供給路における油圧などに影響される。
【0054】
例えば、油路140のオイル必要量と、油路86のオイル必要量と、油路141,143のオイル必要量(排出されるオイル量)とが異なれば、サブオイルポンプ81の駆動に必要なトルクも異なる。また、プライマリレギュレータバルブ89により制御される油路86の油圧よりも、セカンダリレギュレータバルブ109により制御される油路140の油圧の方が低圧であり、油路140の油圧よりも、油路141,143の油圧の方が低圧となり、オイルの供給経路としていずれを選択するかにより、サブオイルポンプ81の駆動に必要なトルクも異なる。
【0055】
具体的には、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第1のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷よりも、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第2のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷の方が低い。また、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第2のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷よりも、第3のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷の方が低い。したがって、切換弁150およびセカンダリレギュレータバルブ109を制御することにより、サブオイルポンプ81の駆動負荷を3段階に切り換えることができ、サブオイルポンプ81を駆動する回転装置の駆動損失の増加を抑制できる。
【0056】
ここで、第1の実施例に関連する構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、吐出口83,85が、この発明の複数の吐出口に相当し、メインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81が、この発明のオイルポンプに相当し、吐出口85が、この発明の「特定の吐出口」に相当する。また、この発明における「3系統以上のオイル供給路」には、この実施例で説明した第1のオイル供給路および第2のオイル供給路および第3のオイル供給路が含まれている。
【0057】
ここで、第1のオイル供給路は、サブオイルポンプ81の吐出口85から、油路105および油路86を経由してオイル必要部87に至る油路を意味しており、第2のオイル供給路は、サブオイルポンプ81の吐出口85から、油路105および油路161および油路140を経由してオイル必要部137に至る油路を意味しており、第3のオイル供給路は、サブオイルポンプ81の吐出口85から、油路105および油路161を経由し、かつ、油路140を経由することなく、油路143または油路141および潤滑系統142に至る油路を意味している。
【0058】
さらに、切換弁150およびリニアソレノイドバルブ157および電子制御装置52およびセカンダリレギュレータバルブ109が、この発明の切換機構に相当し、油路86およびオイル必要部87が、この発明の第1の油路に相当し、油路140およびオイル必要部137が、この発明の第2の油路に相当し、油路141,143および潤滑系統142が、この発明の第3の油路に相当し、プライマリレギュレータバルブ88が、この発明の第1の制御弁に相当し、セカンダリレギュレータバルブ109が、この発明の第2の制御弁に相当する。さらに、オイル必要部87に含まれる油圧室19,100が、この発明の所定の供給路に相当し、ベルト式無段変速機6が、この発明の変速機に相当し、油圧室19,100の油圧またはオイル量、ベルト式無段変速機6の変速比、ベルト式無段変速機6のトルク容量、ベルト17に加えられる挟圧力などが、この発明の「動力伝達状態」に相当する。
【0059】
(第2の実施例)
前記油圧制御装置18の第2の実施例を図3に基づいて説明する。図3において、図1の構成と同じ構成については、図1と同じ符号を付して、その構成の説明を省略する。まず、プライマリレギュレータバルブ88は、ポート91,92,93,94の他に、ポート170,171を有する。そして、ポート170と油路105とが接続されている。さらにプライマリレギュレータバルブ88のスプール89には、ランド部96,97,98の他に、ランド部172が形成されている。
【0060】
つぎに、切換弁150の構成を説明すると、切換弁150は、図3において上下方向に動作可能なスプール173と、スプール173を図3において上向きに付勢する弾性部材174とを有している。また、切換弁150は、ポート175,176,177,178を有している。ここで、ポート175,176は油路179に接続されている。ポート175,176は相互に並列に配置されている。また、油路179は、プライマリレギュレータバルブ88のポート171に接続されている。さらに、油路179からポート176に至る経路には絞り部180が設けられている。絞り部180は、オリフィスまたはチョークのいずれでもよい。また、ポート178にはリニアソレノイドバルブ181の信号圧が入力される。このリニアソレノイドバルブ181から出力される信号圧は、電子制御装置52により制御される。さらに、前記スプール173にはランド部182,183が形成されている。そして、ポート178に入力される信号圧に応じて、スプール173を図3において下向きに付勢する力が生じる。
【0061】
前記ポート177には油路184が接続されており、油路184は油路141に接続されている。また、油路179から油路140に至る経路に逆止弁185が配置されている。この逆止弁185は、油路179の油圧と油路140の油圧との対応関係に基づいて開閉する。具体的には、油路179の油圧が油路140の油圧を越えた場合に、逆止弁185が開放され、油路179の油圧が油路140の油圧よりも低くなった場合に、逆止弁185が閉じられる構成となっている。つまり、逆止弁185は、油路179のオイルが油路140に流れ込むことを許容し、油路140のオイルが油路179に流れ込むことを防止する。なお、第2の実施例において、その他の構成は第1の実施例の構成と同じである。また、図3に示すセカンダリレギュレータバルブ109には、図1のセカンダリレギュレータバルブ109のランド部148およびポート116に相当する構成は設けられていない。
【0062】
この第2の実施例における油圧制御装置18の機能を説明する。まず、メインオイルポンプ80が駆動された場合は、第1の実施例と同様に、プライマリレギュレータバルブ88の機能により、油路86の油圧およびオイル量が制御される。プライマリレギュレータバルブ88の機能により、油路86から油路140に排出されたオイルは、オイル必要部137に供給される。また、油路140の油圧およびオイル量も、第1の実施例と同様に、セカンダリレギュレータバルブ109の機能により制御される。
【0063】
つぎに、メインオイルポンプ80の駆動に加えて、サブオイルポンプ81も駆動する場合を説明する。サブオイルポンプ81が駆動された場合は、吐出口85からオイルが油路105に吐出される。ここで、油路86においてオイル量の不足が生じている場合は、ポート93の油圧が低く、プライマリレギュレータバルブ88のスプール89が、図3において下向きに付勢されて、ポート170とポート171とが遮断されている。このため、サブオイルポンプ81から油路105に供給されるオイル量の増加により、油路105の油圧が上昇する。その結果、第2の実施例においても、第1の実施例と同様の原理により、逆止弁107の開閉が制御されて、油路105のオイルが油路86に供給され、油路86のオイル不足が抑制される。
【0064】
つぎに、油路86におけるオイル量は充分であるが、油路140でオイル量の不足が生じた場合を説明する。この場合は、プライマリレギュレータバルブ88のポート93の油圧が上昇して、スプール89が図3において上向きに動作して、ポート170とポート171との連通面積が拡大される。また、油路105のオイルが油路179に供給されて、油路105の油圧が低下することにともない、油路86の油圧の方が、油路105の油圧よりも高くなり、逆止弁107が閉じられる。さらに、油路140のオイル不足によりポート115の油圧が低下するとともに、第1の実施例と同様の原理により、セカンダリレギュレータバルブ109のスプール110が、図3において上向きに動作し、ポート112とポート113,114との連通面積が縮小される。
【0065】
一方、切換弁150のポート178に入力される信号圧が低圧に制御され、弾性部材174の付勢力により、スプール173が、図3において上向きに動作する。その結果、図3で左側半分に示すように、ポート175が遮断され、かつ、ポート176とポート177とが連通する。すると、油路179のオイルは、ポート176,177を経由して油路184に供給される。この油路184のオイルは、油路141を経由して潤滑系統142に供給される。ここで、油路179からポート176に至る経路には絞り部180が設けられているため、油路179から油路184に供給されるオイル量は少ないとともに、油路179の油圧が上昇する。そして、油路179の油圧が油路140の油圧よりも高くなると、逆止弁185が開放されて、油路179のオイルが油路140に供給される。このような作用により、油路140におけるオイル量の不足を、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルにより補うことができる。
【0066】
さらに、油路86のオイル量が充分であり、かつ、油路140におけるオイル量も充分である場合について説明する。この場合は第1の実施例と同様の原理により、油路86のオイルが油路140に供給されるとともに、第1の実施例と同様の原理により、油路140のオイルが、油路141,143に供給される。一方、切換弁150のポート178に入力される信号圧は高圧に制御され、図3の右側に示すように、ポート176が遮断され、かつ、ポート175とポート177とが連通する。その結果、油路105のオイルは、油路179,184を経由して油路141に排出される。また、油路179の油圧は油路140の油圧よりも低下して、逆止弁185が閉じられる。したがって、油路179のオイルは油路140には供給されない。
【0067】
上記のように、第2の実施例においても、メインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81のうち、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルの供給経路を、切換弁150の機能により、3系統もしくは3段階に選択的に切り換えることができる。ここで、3系統のオイル供給路とは、油路105から油路86に至る第1のオイル供給路と、油路105から、油路179を経由して、油路140およびオイル必要部137に至る第2のオイル供給路と、油路105から、油路179,184を経由して、油路141および潤滑系統142に至る第3のオイル供給路とを意味している。
【0068】
そして、この第2の実施例においても、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルを、3系統のオイル供給路に選択的に供給した場合、第1の実施例と同様の理由により、各オイル供給路毎に、サブオイルポンプ81の駆動負荷、言い換えれば、サブオイルポンプ81の駆動に必要なトルクが異なる。具体的には、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第1のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷よりも、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第2のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷の方が低い。また、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第2のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷よりも、第3のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷の方が低い。したがって、切換弁150を制御することにより、サブオイルポンプ81の駆動負荷を3段階に切り換えることができ、サブオイルポンプ81を駆動する回転装置の駆動損失の増加を抑制できる。
【0069】
ここで、第2の実施例で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、3系統以上のオイル供給路には、第1のオイル供給路ないし第3のオイル供給路が含まれる。具体的には、油路105から、油路86およびオイル必要部87に至る油路が、第1のオイル供給路に相当し、油路105から、油路179を経由して、油路140およびオイル必要部137に至る油路が、第2のオイル供給路に相当し、油路105から、油路179,184を経由して、油路141および潤滑系統142に至る油路が、第3のオイル供給路に相当する。また、プライマリレギュレータバルブ88および切換弁150およびリニアソレノイドバルブ181および電子制御装置52が、この発明の切換機構に相当する。第2の実施例のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、第1の実施例の構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。
【0070】
(第3の実施例)
前記油圧制御装置18の第3の実施例を図4に基づいて説明する。図4において、図1の構成および図3の構成と同じ構成については、図1および図3と同じ符号を付して、その構成の説明を省略する。この第3の実施例において、プライマリレギュレータバルブ88は、第1の実施例と同様に構成されている。また、第3の実施例において、セカンダリレギュレータバルブ109は、第2の実施例と同様に構成されている。
【0071】
そして、この第3の実施例においては、油路105に切換弁190が接続されている。切換弁190は、図4において上下方向に動作可能なスプール191と、スプール191を図4において下向きに付勢する弾性部材192とを有している。また、スプール191にはランド部193,194,195が形成されている。さらに切換弁190は、ポート196,197,198,199を有している。ポート199にはリニアソレノイドバルブ200の信号圧が入力される。このリニアソレノイドバルブ200から出力される信号圧は、電子制御装置52により制御される。そして、ポート199に入力される信号圧に応じて、スプール191を図4において上向きに付勢する力が生じる。さらに、ポート198には油路161が接続され、油路161から油路140に至る経路に逆止弁162が配置されている。この逆止弁162は、第1の実施例で説明した逆止弁162と同様に構成されている。さらにまた、ポート197には油路201が接続され、油路201は油路143に接続されている。また、ポート196は油路105に接続されている。第3の実施例のその他の構成は、第1の実施例の構成と同じである。
【0072】
この第3の実施例における油圧制御装置18の機能を説明する。まず、メインオイルポンプ80が駆動された場合は、第1の実施例と同様に、プライマリレギュレータバルブ88の機能により、油路86の油圧およびオイル量が制御される。プライマリレギュレータバルブ88の機能により、油路86から油路140に排出されたオイルは、オイル必要部137に供給される。また、油路140の油圧およびオイル量は、第2の実施例と同様に、セカンダリレギュレータバルブ109の機能により制御される。
【0073】
つぎに、メインオイルポンプ80の駆動に加えて、サブオイルポンプ81も駆動する場合を説明する。サブオイルポンプ81が駆動された場合は、吐出口85からオイルが油路105に吐出される。ここで、油路86においてオイル量の不足が生じている場合は、第1の実施例と同様にプライマリレギュレータバルブ88が動作して、油路86から油路140に排出されるオイル量が減少する。また、ポート199に入力される信号圧は低圧に制御されて、切換弁190のスプール191が、図4の左側に示す位置で停止する。その結果、ポート196とポート197,198とが遮断される。すると、サブオイルポンプ81から油路105に供給されるオイル量の増加により、油路105の油圧が上昇する。そして、第3の実施例においても、第1の実施例と同様の原理により、逆止弁107の開閉が制御されて、油路105のオイルが油路86に供給され、油路86のオイル不足が抑制される。
【0074】
つぎに、油路86におけるオイル量は充分であるが、油路140でオイル量の不足が生じた場合を説明する。この場合は、プライマリレギュレータバルブ88のポート93の油圧が上昇して、スプール89が図4において上向きに動作して、油路86から油路140に供給されるオイル量が増加する。また、油路140のオイル不足によりポート115の油圧が低下するとともに、第1の実施例と同様の原理により、セカンダリレギュレータバルブ109のスプール110が、図3において上向きに動作し、ポート112とポート113,114との連通面積が縮小される。
【0075】
一方、切換弁190のポート199に入力される信号圧は中間圧に制御される。この中間圧は、前記低圧よりも高圧である。すると、スプール191が、図4において上向きに所定量動作して中間位置で停止する。このスプール191が中間位置で停止した場合は、ポート196とポート198とが連通し、ポート196とポート197とが遮断される。その結果、油路105のオイルが切換弁190を経由して油路161に供給される。このようにして、油路105の油圧が低下して、油路105の油圧よりも油路86の油圧が高くなると、逆止弁107が閉じられる。
【0076】
上記のように、油路105のオイルが油路161に供給されると、油路161の油圧が上昇し、油路161の油圧の方が油路140よりも高圧となった時点で、逆止弁162が開放されて、油路161のオイルが油路140に供給されて、油路140におけるオイル不足が解消される。
【0077】
さらに、油路86のオイル量が充分であり、かつ、油路140におけるオイル量も充分である場合について説明する。この場合は第1の実施例と同様の原理により、油路86のオイルが油路140に供給されるとともに、第1の実施例と同様の原理により、油路140のオイルが、油路141,143に供給される。一方、切換弁190のポート199に入力される信号圧は高圧に制御される。この高圧は、前記中間圧よりも高圧である。すると、スプール191が更に上向きに動作して、図4で右側に示すように、ポート196と、ポート197,198とが連通される。その結果、油路105のオイルは、油路201を経由して油路143に排出される。また、油路161の油圧は油路140の油圧よりも低下して、逆止弁162が閉じられる。なお、第3の実施例において、油路201に排出されるオイルを、潤滑系統142に供給する構成を採用することも可能である。
【0078】
上記のように、第3の実施例においても、メインオイルポンプ80およびサブオイルポンプ81のうち、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルの供給経路を、切換弁190の機能により、3系統もしくは3段階に選択的に切り換えることができる。ここで、3系統のオイル供給路とは、油路105から油路86に至る第1のオイル供給路と、油路105から、油路161を経由して、油路140およびオイル必要部137に至る第2のオイル供給路と、油路105から、油路201を経由して、油路143または潤滑系統142に至る第3のオイル供給路とを意味している。
【0079】
そして、この第3の実施例においても、サブオイルポンプ81から吐出されるオイルを、3系統のオイル供給路に選択的に供給した場合、第1の実施例と同様の理由により、各オイル供給路毎に、サブオイルポンプ81の駆動負荷、言い換えれば、サブオイルポンプ81の駆動に必要なトルクが異なる。具体的には、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第1のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷よりも、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第2のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷の方が低い。また、サブオイルポンプ81から吐出されたオイルを、第2のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷よりも、第3のオイル供給路に供給する場合におけるサブオイルポンプ81の駆動負荷の方が低い。したがって、切換弁190を制御することにより、サブオイルポンプ81の駆動負荷を3段階に切り換えることができ、サブオイルポンプ81を駆動する回転装置の駆動損失の増加を抑制できる。
【0080】
ここで、第3の実施例で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、3系統以上のオイル供給路には、第1のオイル供給路ないし第3のオイル供給路が含まれる。具体的には、油路105から、油路86およびオイル必要部87に至る油路が、第1のオイル供給路に相当し、油路105から、油路161を経由して、油路140およびオイル必要部137に至る油路が、第2のオイル供給路に相当し、油路105から、油路201を経由して、油路143または潤滑系統142に至る油路が、第3のオイル供給路に相当する。また、切換弁190およびリニアソレノイドバルブ200および電子制御装置52が、この発明の切換機構に相当する。第3の実施例のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、第1の実施例の構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。
【0081】
前述した第1の実施例ないし第3の実施例においては、複数のオイルポンプにより複数の吐出口が構成されているが、単一のオイルポンプに複数の吐出口が形成されている油圧制御装置も、各請求項の発明に含まれる。また、複数のオイルポンプは、3基以上でもよい。また、複数の吐出口を3以上有するオイルポンプも、各請求項のオイルポンプに含まれる。さらに、特定の吐出口は、少なくとも1つ以上であればよく、複数の吐出口の全ての吐出口が特定の吐出口であってもよい。
【0082】
前記第1の実施例で説明した第1の特徴的な構成を記載すると、所定の吐出口から吐出されたオイルが供給される第1の油路と、第1の油路から第2の油路に排出されるオイル量を制御することにより、第1の油路の状態を制御する第1の制御弁と、第2の油路のオイルを第3の油路に排出することにより、第2の油路の状態を制御する第2の制御弁とを有する油圧制御装置において、前記所定の吐出口以外の特定の吐出口から吐出されたオイルを、前記第1の油路または前記第2の油路に供給する切換弁が設けられており、前記第2の制御弁は、特定吐出口から吐出され、かつ、切換弁を経由したオイルを、第2の油路を経由させることなく、第3の油路に供給する機能を、更に有していることを特徴とする油圧制御装置である。
【0083】
この第1の特徴的な構成と、第1の実施例との対応関係を説明すると、吐出口83が所定の吐出口に相当し、吐出口85が、特定の吐出口に相当し、油路86およびオイル必要部87が、第1の油路に相当し、油路140およびオイル必要部137が、この発明の第2の油路に相当し、油路86の油圧およびオイル量が、第1の油路の状態に相当し、プライマリレギュレータバルブ88が、第1の制御弁に相当し、油路141,143および潤滑系統142が、第3の油路に相当し、セカンダリレギュレータバルブ109が、第2の制御弁に相当し、油路140の油圧およびオイル量が、第2の油路の状態に相当する。
【0084】
前記第2の実施例で説明した第2の特徴的な構成を記載すると、所定の吐出口から吐出されたオイルが供給される第1の油路と、第1の油路から第2の油路に排出されるオイル量を制御することにより、第1の油路の状態を制御する第1の制御弁と、第2の油路のオイルを第3の油路に排出することにより、第2の油路の状態を制御する第2の制御弁とを有する油圧制御装置において、前記第1の制御弁は、所定の吐出口以外の特定の吐出口から吐出されたオイルを、前記第1の油路に供給するか、または前記第2の油路に供給可能とする機能を、更に有しており、特定の吐出口から吐出され、かつ、前記第1の制御弁を経由したオイルを、前記第2の油路または前記第3の油路に選択的に供給する切換弁が設けられていることを特徴とする油圧制御装置である。
【0085】
この第2の特徴的な構成と、第2の実施例との対応関係を説明すると、吐出口83が所定の吐出口に相当し、吐出口85が、特定の吐出口に相当し、油路86およびオイル必要部87が、第1の油路に相当し、油路140およびオイル必要部137が、この発明の第2の油路に相当し、油路86の油圧およびオイル量が、第1の油路の状態に相当し、油路140の油圧およびオイル量が、第2の油路の状態に相当し、プライマリレギュレータバルブ88が、第1の制御弁に相当し、セカンダリレギュレータバルブ109が、第2の制御弁に相当し、油路184,141および潤滑系統142が、第3の油路に相当する。
【0086】
前記第3の実施例で説明した第3の特徴的な構成を記載すると、所定の吐出口から吐出されたオイルが供給される第1の油路と、第1の油路から第2の油路に排出されるオイル量を制御することにより、第1の油路の状態を制御する第1の制御弁と、第2の油路のオイルを第3の油路に排出することにより、第2の油路の状態を制御する第2の制御弁とを有する油圧制御装置において、特定の吐出口から吐出されたオイルを、前記第1の油路または前記第2の油路または前記第3の油路に選択的に供給する切換弁が設けられていることを特徴とする油圧制御装置である。
【0087】
この第3の特徴的な構成と、第3の実施例との対応関係を説明すると、吐出口83が所定の吐出口に相当し、吐出口85が、特定の吐出口に相当し、油路86およびオイル必要部87が、第1の油路に相当し、油路140およびオイル必要部137が、この発明の第2の油路に相当し、油路86の油圧およびオイル量が、第1の油路の状態に相当し、油路140の油圧およびオイル量が、第2の油路の状態に相当し、プライマリレギュレータバルブ88が、第1の制御弁に相当し、セカンダリレギュレータバルブ109が、第2の制御弁に相当し、油路141,143および潤滑系統142が、第3の油路に相当する。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、特定の吐出口から吐出されるオイルを、オイルポンプの駆動負荷が異なる3系統以上のオイル供給路のいずれかに選択的に切り換えて供給することができる。
【0089】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得ることができる他に、第1の油路の油圧と、第2の油路の油圧と、第3の油路の油圧とが異なり、各油路にオイルを供給する場合に、オイルポンプの駆動負荷が異なる。
【0090】
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得ることができる他に、所定の供給路にオイルを供給することにより、変速機の動力伝達状態を制御することが可能である。したがって、変速機の動力伝達状態に応じて、特定の吐出口から吐出されるオイルの供給路を切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の油圧制御装置の第1の実施例を示す概念図である。
【図2】この発明の油圧制御装置を備えた車両のパワートレーンおよび制御系統例を示す概念図である。
【図3】この発明の油圧制御装置の第2の実施例を示す概念図である。
【図4】この発明の油圧制御装置の第3の実施例を示す概念図である。
【符号の説明】
18…油圧制御装置、 19,100…油圧室、 52…電子制御装置、 80…メインオイルポンプ、 81…サブオイルポンプ、 83,85…吐出口、86,105,140,141,143,161,179,184,201…油路、 87,137…オイル必要部、 88…プライマリレギュレータバルブ、 109…セカンダリレギュレータバルブ、 150,190…切換弁、 157,181,200…リニアソレノイドバルブ。
Claims (3)
- 複数の吐出口からオイルを吐出するオイルポンプを備えた油圧制御装置において、
特定の吐出口から吐出されるオイルを供給可能な3系統以上のオイル供給路が設けられており、
この3系統以上のオイル供給路は、特定の吐出口から吐出されるオイルを供給する場合における前記オイルポンプの駆動負荷が異なるオイル供給路であり、
特定の吐出口から吐出されるオイルを、前記3系統以上のオイル供給路のいずれかに選択的に切り換えて供給する切換機構が設けられていることを特徴とする油圧制御装置。 - 前記3系統以上のオイル供給路には、第1のオイル供給路ないし第3のオイル供給路が含まれているとともに、
第1の油路から第2の油路に供給されるオイル量を制御することにより、前記第1の油路の油圧を制御する第1の制御弁と、前記第2の油路から第3の油路に供給されるオイル量を制御することにより、前記第2の油路の油圧を制御する第2の制御弁とが設けられており、前記第1の油路の油圧よりも前記第2の油路の油圧の方が低く、かつ、前記第2の油路の油圧よりも前記第3の油圧の方が低いとともに、
前記第1のオイル供給路には前記第1の油路が含まれており、前記第2のオイル供給路には前記第2の油路が含まれており、前記第3の供給路には前記第3の油路が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。 - 前記第1のオイル供給路に供給されるオイルにより、変速機の動力伝達状態が制御される構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の油圧制御装置。
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