JP2004233855A - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サブフレームを表す画像データに基づいて、総セル数に対する点灯すべきセルの割合である点灯率を各サブフレームについて求め、求めた点灯率を、予め測定された輝度と点灯率との関係および消費電力と点灯率との関係に当てはめて、サブフレーム間の輝度比が輝度の重みの比に一致しかつフレームの消費電力が設定値を超えないように、各サブフレームに対して表示放電回数を設定し、各サブフレームの表示において、当該サブフレームに対して設定した表示放電回数と同数の表示放電を点灯すべき各セルで生じさせる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイパネルを備えた表示装置に関する。
【0002】
画面の大型化および高解像度化においては、画面のセル数が増えても消費電力は増えないのが望ましい。この要求に応えるには、表示負荷に応じて自動的に光量を調整する自動電力制御(Auto Power Control:APC)を行う必要がある。
【0003】
【従来の技術】
AC型プラズマディスプレイパネルを備えた表示装置では、表示対象であるフレームを輝度の重み付けをした複数のサブフレームに置き換える手法によって階調表示が行われる。サブフレームは画面の各セルの2値発光制御によって表示可能な2値画像である。点灯すべきセルに適量の壁電荷量を形成するアドレッシングと、点灯すべきセルのみでそれらの壁電荷を利用して表示放電を起こすサステインとが、サブフレームごとに行われる。
【0004】
サステインにおいては、予め階調再現範囲の各階調に対応付けられた表示放電の回数を示す設定データに則して、各セルに対してそのセルが表示すべき階調(明暗の度合い)に応じた数の電圧パルスが印加される。各電圧パルスは表示放電を生じさせてセルを点灯させる。点灯とは表示放電によって発光することである。1フレームの表示において、各セルの発光量はそのセルで起こる表示放電の回数、すなわち印加される電圧パルスの数(以下、パルス数という)に依存する。
【0005】
プラズマディスプレイパネルの駆動装置は、自動電力制御(以下、APCという)を行う、APCは、画面が全体的に明るい表示では個々のセルの発光量が少なくてもそれが目立たないことを利用し、できるだけ明るく見やすい表示を実現しかつサステインにおける消費電力が許容限度を超えないようにする機能である。許容限度は駆動部品の仕様およびパネルの放熱特性によって決まる。APCによって、全セルの発光量の総和が設定値を超えないように、各階調に対応したパルス数が表示負荷に応じて変更される。つまり、駆動動作の概略として、表示する画像(フレーム)が全体的に暗い場合には各階調に対応したパルス数は多く、画像が全体的に明るい場合には各階調に対応したパルス数は少ない。
【0006】
従来の一般的なAPCは、1フレームの表示負荷を数値化した“表示負荷率”に応じて1フレーム当りのパルス数を決め、このパルス数を1フレーム分のサブフレームに対してそれらの輝度重みに則して比例配分する。表示負荷率は、1フレームにおいて各セルが表示すべき階調G(0≦G≦Gmax)と最高階調Gmaxとの比率(G/Gmax)の全セルにわたる平均値と定義される。このような一般的なAPCには次の問題がある。
【0007】
各セルの輝度がサブフレームの表示負荷に依存するので、厳密に階調を再現することができない。つまり、ある輝度重みのサブフレームに注目したとき、当該サブフレームに対して設定されたパルス数が同じであっても、点灯セルが少ないときと多いときとでは輝度が微妙に異なる。画面の総セル数に対する点灯セルの割合である点灯率が小さいときと比べて点灯率が大きいときには輝度が低い。このような現象が起きるのは、点灯セルが多いほど放電電流の総和が大きく、電源から各セルまでの通電路の抵抗成分による電圧降下が大きいので、セルに加わる電圧が低いからである。
【0008】
輝度の点灯率依存性に関しては、輝度を補正する方法が特開平9−185343号公報に開示されている。開示された方法の要旨は次のとおりである。ただし、ここでの説明で用いる記号は本発明の説明に準じており、上記公報での記号と異なる。また、サステインにおける印加パルス数と表示放電の回数は等しいので、上記公報におけるサステインパルス数を表示放電回数に代えてある。
【0009】
フレームを構成するN個のサブフレームのうち、表示順序がi番目(i=1〜N)のサブフレームに対して設定された補正前の表示放電回数をf0i、i番目のサブフレームの表示負荷(点灯率)をαi 、点灯率100%のときの輝度を1とした相対輝度をS(αi )とする。i番目のサブフレームが点灯率Mで点灯するときの明るさS(M)に補正するものとし、補正後の表示放電回数をfHiとして補正式を
【0010】
【数1】
【0011】
とする。そして、総表示放電回数が不変であるという次の条件を設ける。
【0012】
【数2】
【0013】
ここでNはサブフレーム数である。
(1)式と(2)式とを連立させれば、補正後のサステインパルス数を示す次式が得られる。
【0014】
【数3】
【0015】
以上のとおり、特開平9−185343号公報に開示されている方法では総表示放電回数が一定という条件を設定しているので、この方法を適用しても、消費電力を一定にするAPCは実現できない。消費電力一定とするには、点灯率αiのサブフレームにおける単位パルス数当たりの消費電力をp(αi )とし、(2)式の代わりに次の条件を設けなければならない。
【0016】
【数4】
【0017】
特開2001−75530号公報には、輝度の点灯率依存性を考慮した上で、消費電力が一定になるように各サブフレームのパルス数を決めるAPCが記載されている。特開2001−75530号公報では、1フレームの消費電力Ptotal について(5)式で表される関係が成り立つとされていた。
【0018】
【数5】
【0019】
つまり、特開2001−75530号公報に開示されたAPCは、1回の表示放電当たり消費電力p(αi )をp1αiと近似し、1フレームの消費電力Ptotal が加重平均点灯率に比例するとみなし、フレームの平均的な点灯率に基づいて消費電力を計算する制御である。因みに(5)式で計算される消費電力を一定に保つという条件は、(4)式の条件と同じである。
【0020】
以上の先行技術に加えて、以下の3つの先行技術が本発明に関係する。第1の特開2001−228824号公報には、表示負荷率の変化を示す信号をローパスフィルタに入力し、ローパスフィルタの出力信号に基づいてパルス数を調整する構成の電力制御装置が開示されている。ローパスフィルタは表示負荷率の変化に対する制御の追従を緩慢にする。したがって、ローパスフィルタの適用によって、短い周期で表示負荷率が変動する場合に表示の明るさも同じ周期で変動する現象(いわゆるフリッカ)を防止することができる。第2の特開平11−282396号公報には、フリッカを防止するために、表示負荷率の変化に対して閾値を設定する手法が記載されている。表示負荷率の変化量が閾値よりも大きいときはパルス数が変化後の表示負荷率に対応した値に変更され、表示負荷率の変化量が閾値よりも小さいときはパルス数が変化前の表示負荷率に対応した値に保たれる。第3の特開平10−333635号公報には、発光効率を高めるために、前縁の振幅が大きい階段波形のサステインパルスを印加することが記載されている。
【0021】
【特許文献1】
特開平9−185343号公報
【0022】
【特許文献2】
特開2001−75530号公報
【0023】
【特許文献3】
特開2001−228824号公報
【0024】
【特許文献4】
特開平11−282396号公報
【0025】
【特許文献5】
特開平10−333635号公報
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
輝度の点灯率依存性を考慮する精密なAPCに関して、特開2001−75530号公報に開示された従来の駆動方法では、実際の消費電力が許容限度を超えたり、階調範囲の一部において階調の大小と明暗との対応が逆転する階調反転が生じたりする問題があった。この問題は、特にサステインのパルス波形として階段波形を採用した場合に顕著であった。
【0027】
フリッカの防止に関して、特開2001−228824号公報の開示のようにローパスフィルタを用いる従来のAPCでは、制御の追従が緩慢であることから、表示負荷率が急激に大きく上昇した場合に、大きく低減すべき消費電力が十分に低減されない状況が発生する。この状況では電力が許容限度を超えて消費される。逆に表示負荷が急激に大きく降下した場合には、降下後の表示負荷に見合った値にパルス数が増大するまで、点灯セルの暗さが目立つ。また、特開平11−282396号公報の開示のように、表示負荷率の変化量が閾値よりも大きいときのみパルス数を変更する従来のAPCでは、制御の追従が離散的であることから、表示負荷率がゆっくりと大きく変化する場合に、画面の明るさが段階的に変化して表示が不自然になる。
【0028】
本発明の第1の目的は、階調反転のない正確な階調再現を実現するとともに、電力制御の精度を高めることである。第2の目的は、表示負荷が変化したときの不自然な明るさの変化を低減して表示品質を高めることである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、第1の目的を達成するために、予め測定したサブフレームにおける消費電力の点灯率依存特性に、表示対象のフレームを構成する複数のサブフレームのそれぞれの点灯率を当てはめて当該各サブフレームの消費電力を計算し、その計算結果の総和をフレームの消費電力とし、フレームの消費電力が設定値を超えないという条件、およびサブフレームどうしの輝度比がサブフレームに対する輝度の重み付けに対応するという条件を満たし、かつ輝度の点灯率依存性に対する補正がなされた表示放電回数を導出する予め定められた演算式を適用して各サブフレームの表示放電回数を算出する。
【0030】
図1はサブフレームにおける消費電力の点灯率依存特性の測定例を示す。図1では、図2に示される垂直帯パターン、水平帯パターン、およびウインドウパターンの3つの表示パターンのそれぞれにおける測定値がプロットされている。消費電力は点灯率が大きいほど大きく、表示パターンにはほとんど依存しない。注目すべきことは、点灯率が0%のときの消費電力が0ではなく、無視できないほどに大きいことである。例示において点灯率が0%のときの消費電力は点灯率が100%のときの約1/5に相当する20Wである。この20Wは、表示放電で消費するものではなく、電極間の静電容量の充放電に伴う無効電力である。点灯率が0%でないときには、静電容量の充放電に伴う無効電力に表示放電に伴う消費電力が加わる。したがって、各サブフレームにおける1回の表示放電当たり消費電力p(αi )を(6)式のように近似することによって、1フレームの消費電力を従来よりも正確に計算することができる。
【0031】
【数6】
【0032】
(6)式においてp0 が静電容量の充放電に伴う無効電力であり、p1αiが表示放電に伴う消費電力である。
また、本発明においては、第2の目的を達成するために、電力制御の追従性を可変とし、表示負荷の変化が大きいときは速くかつ変化が小さいときは遅くというように表示負荷の変化の様相に合わせて電力制御の追従性を動的に変更する。詳しくは、消費電力一定になるように計算された輝度レベルの値と、その輝度レベルをローパスフィルタに通した後の値とを重み付け加算し、得られた和を複数のサブフレームのそれぞれの表示放電回数の設定に用いる。表示負荷の変化が小さいほど、ローパスフィルタを通した値に対する重みを大きくする。
【0033】
【発明の実施の形態】
図3はプラズマ表示装置100の構成を示す。例示のプラズマ表示装置100は、AC型のプラズマディスプレイパネル1、制御ブロック71、電源回路73、Xドライバ75、Yドライバ77、およびAドライバ79を有する。
【0034】
プラズマディスプレイパネル1は縦横に並ぶ3電極面放電構造のセルからなるカラー表示の可能な画面をもつ。画面には行電極として表示電極Xおよび表示電極Yが配列され、列電極としてアドレス電極Aが配列されている。表示電極Xおよび表示電極Yはマトリクス表示の行ごとに表示放電を生じさせるための電極対を構成し、表示電極Yおよびアドレス電極Aはセルを選択するための電極マトリクスを構成する。表示電極X、表示電極Y、およびアドレス電極Aのそれぞれと電源回路73との導通を制御するためのXドライバ75、Yドライバ77、およびAドライバ79は、制御ブロック71からの信号に従ってスイッチング動作をする。
【0035】
制御ブロック71は、データ変換回路710、フレームメモリ720、ドライバコントローラ730、およびAPC演算回路740を有する。制御ブロック71の制御機能および演算機能はマイクロプロセッサおよび適切なプログラムによって実現される。
【0036】
制御ブロック71には、テレビジョンチューナやコンピュータといった画像信号源からカラー画像の各画素の階調(R,G,Bの輝度)を示すフレームデータDfが入力される。データ変換回路710は、多値画像データであるフレームデータDfを2値画像の組み合わせによって階調を再現するためのサブフレームデータDsfに変換する。サブフレームデータDsfはフレームメモリ720にいったん記憶された後、表示の進行に合わせてドライバコントローラ730によってAドライバ79へ転送され、セルの電荷量を発光の要否に対応させるアドレッシングに用いられる。
【0037】
APC演算回路740は、自動電力制御(Auto Power Control:APC)のための構成要素である。APC演算回路740は、サブフレームデータDsfからサブフレームの表示負荷としての点灯率(点灯セル数/総セル数)を求め、関数テーブル745を参照してサブフレームごとに表示放電回数 (表示パルス数と同等)f’を決める。これを受けて、ドライバコントローラ730は、各サブフレームの表示においてそのサブフレームに該当する表示放電回数f’と同数の表示放電を点灯すべき各セルで生じさせる。APC演算回路740において表示放電回数f’が決まった時点で、表示すべき階調のそれぞれとセルの輝度との対応関係が一義的に決まる。
【0038】
図4はプラズマディスプレイパネルのセル構造を示す斜視図である。図4ではプラズマディスプレイパネル1のうち、1画素の表示に関わる3つのセルに対応した部分を、内部構造がよくわかるように一対の基板構体10,20を分離させて描いてある。基板構体とは、ガラス基板上に電極その他の構成要素を設けた構造体を意味する。
【0039】
プラズマディスプレイパネル1は一対の基板構体10,20からなる。前面側の基板構体10のガラス基板11の内面に表示電極X,Y、誘電体層17および保護膜18が設けられ、背面側の基板構体20のガラス基板21の内面にアドレス電極A、絶縁層24、隔壁29、および蛍光体層28R,28G,28Bが設けられている。表示電極X,Yは、それぞれが面放電ギャップを形成する透明導電膜41とバス導体としての金属膜42とから構成されている。隔壁29はアドレス電極配列の電極間隙ごとに1つずつ設けられており、これらの隔壁29によって放電空間が列ごと区画される。放電空間のうちの各列に対応した列空間は全ての行に跨がって連続する。蛍光体層28R,28G,28Bは放電ガスが放つ紫外線によって局部的に励起されて発光する。図中の斜体アルファベットR,G,Bは蛍光体の発光色を示す。カラー表示の3色の配列形式は三角(デルタ)配列形式である。
【0040】
図5は隔壁および表示電極の形状を示す平面図である。図5では、表示電極X,Yについて、それらの符号に配列順序を示す添字(1,2)を付してある。ただし、以下の説明において配列順序を区別する必要がなければ、添字を省略する。
【0041】
各隔壁29は平面視において一定の周期および幅で波打っており、隣り合う隔壁29との距離が列方向における等間隔の位置ごとに一定値より小さくなるように配置されている。一定値とは放電の抑止が可能な寸法であり、ガス圧などの放電条件によって定まる。列空間における狭窄部では面放電が生じにくいので、実質的には列空間における広大部が発光に寄与する。すなわち、個々のセルは列空間の1つの広大部の範囲内の構造体である。各行において1列置きにセルが存在する。そして、隣り合う2つの行に注目すると、セルの存在する列が1列ごとに交互に入れ替わる。つまり、セルは水平方向および垂直列方向の双方において千鳥状に並ぶ。図では代表として行配列の1番目の行のセル91、2番目の行のセル92、および3番目の行のセル93が鎖線の楕円で示されている。
【0042】
表示電極X,Yのそれぞれにおいて、金属膜42は行方向に真っ直ぐに延びている。これに対して、透明導電膜41は列方向に蛇行しながら行方向に延びている。透明導電膜41は、列ごと金属膜42からセル中心に向かって張り出す弧状のギャップ形成部をもつ。各セル91,92,93において、表示電極Xのギャップ形成部と表示電極Yのギャップ形成部とが対峙し、鼓状の面放電ギャップを形成する。対峙するギャップ形成部の対において、対向する辺どうしは平行でない。
【0043】
図5の電極形状によれば、直線帯状とする場合と比べて、面放電ギャップ長(最短電極間距離)を増大させずに電極間の静電容量を低下させることができる。また、表示電極X,Yのそれぞれにおける各列の中央位置での透明導電膜41と金属膜42との距離が大きい。これにより、透明導電膜41どうしの電極間隙で起きる放電発光に対する金属膜42による遮光が軽減され、発光効率が高まる。
【0044】
以上の表示装置100におけるプラズマディスプレイパネル1の駆動シーケンスの概略は次のとおりである。プラズマディスプレイパネル1による表示では、2値の点灯制御によってカラー表示を行うために、図6のように、一定周期で入力されるフレームFk−2 ,Fk−1 ,Fk ,Fk +1 (以下、入力順序を示す添字を省略する)のそれぞれを所定数NのサブフレームSF1 ,SF2 ,SF3 ,SF4 ,…SFN − 1 ,SFN (以下、表示順序を示す添字を省略する)に分割する。つまり、1つのフレームFをN個のサブフレームSFの集合に置き換える。これらサブフレームSFに順にW1 ,W2 ,W3 ,W4 ,…WN − 1 ,WN の重みを付与して各サブフレームSFの表示放電の回数を決める。このようなフレーム構成に合わせてフレーム転送周期であるフレーム期間TfをN個のサブフレーム期間Tsfに分割し、各サブフレームSFに1つのサブフレーム期間Tsfを割り当てる。さらに、サブフレーム期間Tsfを、リセット期間TR、アドレス期間TA、および表示期間TSに分ける。リセット期間TRおよびアドレス期間TAの長さは重みに係わらず一定である。これに対して、表示期間TSの長さは重みが大きいほど長い。したがって、サブフレーム期間Tsfの長さは、それに該当するサブフレームSFの重みが大きいほど長い。N個のサブフレームSFにおいてリセット期間TR・アドレス期間TA・表示期間TSの順序は共通である。表示装置100は、サブフレームごとに壁電荷の初期化、アドレッシング、およびサステインを行う。
【0045】
図7は駆動電圧波形の概略図である。図において表示電極Yの参照符号の添字(1,v)は配列順位を示す。なお、図示の波形は一例であり、振幅・極性・タイミングを種々変更することができる。
【0046】
各サブフレームのリセット期間TRにおいては、全ての表示電極Yに対して正極性および負極性のランプ波形パルスを順に印加する。電極へのパルス印加とは、電極を一時的にバイアスすることを意味する。表示電極Yに対する負極性のランプ波形パルスの印加に同期させて、全ての表示電極Xを正極性の電位Vxにバイアスする。セルには、表示電極X,Yに印加されるパルスの振幅を加算した合成電圧が加わる。1回目のパルス印加で起こる微小放電は、前サブフレームにおける点灯/非点灯に係わらず全てのセルに同一極性の適当な壁電圧を生じさせる。2回目のパルス印加で起こる微小放電は、壁電圧を放電開始電圧と印加電圧の振幅との差に相当する値に調整する。
【0047】
アドレス期間TAにおいては、点灯すべきセルのみにサステインに必要な壁電荷を形成する。全ての表示電極Xのバイアスを保ち、行選択期間(1行分のスキャン時間)ごとに選択行に対応した1つの表示電極Yに振幅−Vyの負極性のスキャンパルスPyを印加する。この行選択と同時にアドレス放電を生じさせるべき選択セルに対応したアドレス電極Aのみに振幅Vaの正極性のアドレスパルスPaを印加する。つまり、選択行のサブフレームデータDsfに基づいてアドレス電極Aの電位を2値制御する。選択セルでは表示電極Yとアドレス電極Aとの間の放電が生じ、それがトリガとなって表示電極Xと表示電極Yとの間の放電が生じる。これら一連の放電がアドレス放電である。
【0048】
表示期間TSにおいては、最初に全ての表示電極Yに前縁オーバーシュートをもつ階段波形の表示パルス(サステインパルスとも呼称される)Ps’を一斉に印加し、その後に、表示電極Xと表示電極Yとに交互に階段波形の表示パルスPsを印加する。これにより、セルには極性が交互に入れ替わるパルス列が加わる。表示パルスPs’のパルス幅は表示パルスPsのパルス幅より長い。最初に表示パルスPs’を印加することはサステインの信頼性を高める。表示パルスPs’,Psの印加に呼応して、所定の壁電荷が残存するセルで表示放電が生じる。表示パルスPs’,Psの印加回数はサブフレームの重みに対応し、表示負荷に応じて調整される。
【0049】
図8は表示パルス波形および放電電流波形の模式図である。1回の表示放電に係るパルスの波形は、基本的にはパルス期間Tsが振幅の大きい期間Toと振幅の小さい期間Tpとに大別される2段階の階段状である。厳密には振幅の切り換りの過渡期があり、期間Toは高レベル維持電圧Vsoを印加する期間Topと印加電圧を降下させる期間Tocとに分かれる。高レベル維持電圧Vsoは低レベル維持電圧Vsにそれと同極性のオフセット電圧Voが重畳した電圧に相当する。期間Topにおいて、表示電極間の容量が充電されて電極間の印加電圧が上昇した後に表示放電が始まり、電源から表示電極対へ放電電流が流れ始める。期間Topは、放電が終息する以前に高レベル維持電圧Vsoの印加を終えるように設定される。
【0050】
図8の階段波形の表示パルスは、振幅Vsの矩形波形の表示パルスと比べて、オフセット電圧Voが重畳する分だけ強い表示放電を起こすことができ、輝度を高めることができる。反面、電極間の静電容量を充放電にオフセット電圧Voが重畳する分だけ大きい電力を消費する。ただし、静電容量の電荷が表示放電において放電電流の一部となれば、放電電流の全てを電源から供給する場合よりも電力損失が減る。輝度の上昇が消費電力の増大に打ち勝つように最適化された階段波形は、発光効率を向上させる。
【0051】
以上の駆動制御のうち、本発明に深く係わるのは表示期間TSにおける表示パルスの印加、より詳しくは消費電力を制限するための印加回数の設定方法である。以下、この設定方法を具体的に説明する。
【0052】
各サブフレームにおける点灯セルの輝度は、点灯率だけでなく表示パターンにも依存する。例えば、図2で示される垂直帯パターンと水平帯パターンとに注目すると、図9が示すとおり、点灯率が同じであれば、垂直帯パターンにおける点灯セルの輝度の方が水平帯パターンにおける点灯セルの輝度よりも高い。
【0053】
しかし、実際の表示において表示パターンは不特定なので、表示パターンを識別するのは現実的ではない。そこで、以下の実施例では、表示パターンに依存する輝度変化に対する補正は行わず、常に標準的な表示パターン(例えばウインドウパターン)を表示すると仮定して点灯率に依存する輝度変化に対する補正を行う。つまり、表示放電回数(表示パルス数)の設定によって決まる点灯セルの輝度は、厳密には種々の表示状況での輝度を平均化した平均輝度である。
【0054】
〔実施例1〕
1つのフレームを構成するN個のサブフレームのうちのi(1〜N)番目のサブフレームである第iサブフレームの点灯率をαi 、単位表示放電回数当たりの平均輝度をsi(αi)、表示放電回数をfi、設定輝度の重みをwiとし、最高階調を表示するセルの輝度(これを設定輝度という)をLとし、(7)式を満たすようにN個のサブフレームに表示放電回数を配分する。
【0055】
【数7】
【0056】
ここで輝度の重みについては(8)式が成り立つように正規化されているものとする。
【0057】
【数8】
【0058】
なお、サブフレームごとに表示パルスの波形を変更することができるので、si(α)がサブフレームどうしで異なっていてもよい。
さらに,消費電力が一定値になるように総表示放電回数を設定する。単位表示放電回数当たりの消費電力をpi(αi)とし、1フレームの消費電力の上限(これを上限電力という)をPmaxとすると、
【0059】
【数9】
【0060】
という拘束条件が成り立つ。Nはサブフレーム数を表す。(9)式は電力の上限に関する拘束条件であるので、pi(αi)の定義に際して最も大きな電力を消費する表示パターンを想定する必要がある。pi(αi)もサブフレームどうしで異なっていてもよい。
【0061】
総表示放電回数に対応する表示期間の長さが、1フレーム期間において表示期間として使える時間の上限以下であれば、(9)式の左辺と右辺とは等しくなるように表示放電回数を決定する。(9)式を等号式として(7)式と連立させて解くと、
【0062】
【数10】
【0063】
となる。ここでαi= 0 の時は点灯セルがないので,si(αi)の定義に外挿を適用する。
【0064】
【数11】
【0065】
(11)式の関数を適用して、 改めてfiを決定する式として次式を採用する。
【0066】
【数12】
【0067】
このとき、設定輝度は
【0068】
【数13】
【0069】
で与えられるので、(12)式を(14)式に書き直すことができる。
【0070】
【数14】
【0071】
総表示放電回数に対応する表示期間の長さが上限を越える場合には、N個のサブフレームの表示放電回数をそれらの相対比が変わらないように減らす。これによって、サブフレーム間の輝度の比を変えずに総表示放電回数を減らすことができる。
【0072】
以上をまとめると、各サブフレームの制御データとすべき表示放電回数f’iは、表示期間の総和の上限をTmaxとし、各サブフレームの表示放電間隔をtiとして、次式で表される。
【0073】
【数15】
【0074】
f’iの計算結果が整数でなければ、基本的には最も近い整数に近似する。サブフレームの表示終了時の電荷極性を統一するといった駆動上の制約を満たすために全てのサブフレームの表示放電回数を奇数か偶数に限る場合には、その限定に従う整数にf’iの計算結果を近似する。
【0075】
図10は実施例1のAPC動作のフローチャートである。APC演算740(図3参照)は、画像データであるサブフレームデータDsfを取り込み、サブフレームごとに点灯率αi を求め、さらに(13)式、(14)式、および(15)式に従って、最終的にサブフレームごとの表示放電回数f’iを算出する。その際、関数テーブル745が記憶する関数λi(α), pi(α)を参照する。算出された表示放電回数f’iに基づいて、ドライバコントローラ730はサステインにおける駆動制御を行う。
【0076】
なお、必ずしも、輝度の点灯率依存特性の測定データである関数λi(α)、消費電力の点灯率依存特性の測定データである関数pi(α)を関数テーブル745記憶させておく必要はなく、関数λi(α),pi(α)の近似式による演算で表示放電回数f’iを算出してもよい。
【0077】
注目するフレームに対する表示放電回数f’iの算出は、当該フレームに対応した先頭のサブフレームの表示期間以前に完了すればよい。図11の例では、注目するフレーム(k)のデータ取込みを、1つ前のフレーム(k−1)の表示と並行して行い、フレーム(k−1)に対応した最終のサブフレームSFN の表示期間TSの途中からフレーム(k)に対応した先頭のサブフレームSF1 のアドレス期間TAの途中までの期間に、表示放電回数f’iの計算を行っている。
【0078】
〔実施例2〕
点灯率が0であるサブフレームについては、リセット期間TR、アドレス期間TA、および表示期間TSにおいてパルス印加を行わない。点灯率が0でないサブフレームについては、実施例1と同様に表示放電回数f’iを算出して点灯すべきセルで表示放電を生じさせる。実施例2によれば、無意味な放電が無くなる分だけ、コントラストを低下させる背景発光を低減することができる。
【0079】
〔実施例3〕
点灯率が0であるサブフレームをそれとは輝度の重みが異なるサブフレームに置き換えて、より細かな階調再現を実現する。そのために、まず、実施例1よりも細かな階調表現の可能なサブフレームの集合を考える。そして、フレームをそのサブフレームの集合で表現し、点灯率が0でないサブフレームのうちで輝度の重みが大きいものから順に、フレーム期間に納まる範囲で表示をするサブフレームを選択し、1フレームを構成する。
【0080】
画面全体が暗くなると、人間の目の低輝度に対する階調弁別能力が上がる。このような状況で、重い輝度の大きいサブフレームの点灯率が0であれば、より小さい重みのサブフレームを表示することによって低輝度側の階調表現力が高まり、画質が良好になる。
【0081】
図12は実施例3のAPC動作のフローチャートである。画像データの取込みからサブフレームごとの表示放電回数f’iの算出までの動作は実施例1と同じである。表示放電回数f’iの算出の後、点灯率が0でないサブフレームを重み順に選択する。このとき、リセット期間およびアドレス期間の長さに表示放電回数f’iで決まる表示期間の長さを加算し、加算の結果がフレーム期間の長さ以下となる範囲で最大限の選択を行う。表示すべきサブフレームを決定し、駆動波形の出力を行う。
【0082】
リセット期間の長さをRi,アドレス期間の長さをAi,選択されたサブフレームの中から1つに対して特別なリセット処理を行う場合に特別に付加される時間をE、1フレームの長さをTFとし、サブフレームのインデックスを重みの大きい順につけているとすると、サブフレームの選択は、
【0083】
【数16】
【0084】
【数17】
【0085】
を満たす最大のN’を求める動作といえる。実施例3では1からN’までのサブフレームの中で点灯率が0でないサブフレームの表示を行う。
表示するサブフレームの決定は、最初に表示するサブフレームの表示期間が始まるまでに行えばよい。
【0086】
なお、(15)式におけるTmaxについて、表示期間の総和の目安として適当な値に設定することが必要である。また,同じ重みのサブフレームがある場合には、予め選択時の優先順位をつけておく。
【0087】
〔実施例4〕
あるサブフレームに対して算出した表示放電回数が、駆動波形の構成の上で許容される最小の表示放電回数より少ない場合、そのサブフレームについて一切のパルス印加を行わない。実施例4によれば、実施例2と同様に背景発光を低減することができる。
【0088】
〔実施例5〕
点灯率が設定値より大きい高負荷率のサブフレームの表示に際して、表示放電の開始時期を分散させて放電電流が一時期に集中して流れる電流集中を緩和する。より詳しくは、画面を構成する行を2つのグループに分け、一方のグループにおける表示放電と他方のグループにおける表示放電とを時間的にずらす。
【0089】
図13は実施例5における行のグループ分けの説明図である。図13において表示電極Yoddは表示電極Yのみに注目したときの奇数番目の表示電極Yであり、表示電極Yevenは偶数奇数番目の表示電極Yである。同様に表示電極Xoddは表示電極Xのみに注目したときの奇数番目の表示電極Xであり、表示電極Xevenは偶数奇数番目の表示電極Xである。
【0090】
図13のように、実施例5では、表示電極Yoddとその隣の表示電極Xoddの組に対応する行(ROWj, ROWj+ 4)、および、表示電極Yevenとその隣の表示電極Xevenの組に対応する行(ROWj+2)が第1グループ90Aに属し、表示電極Xoddとその隣の表示電極Yevenの組が対応する行(ROWj+1)、および、表示電極Xevenとその隣の表示電極Yoddの組が対応する行(ROWj+3)が第2グループ90Bに属する。
【0091】
高負荷率のサブフレームの表示においては、同じグループに属する行では表示放電が同時に起き、かつ異なるグループに属する行どうしでは時間的にずれて表示放電が起きるように、駆動制御が行われる。
【0092】
図13のグループ分けでは、1つのバス電極(金属膜42)が通電対象として受け持つ隣り合った行は異なるグループに属する。つまり、図13のグループ分けには、バス電極の負担が軽減される利点がある。
【0093】
図14は実施例5における駆動電圧波形を示す。点灯率が設定値より小さい低負荷率のサブフレームの表示に際しては、高負荷率のサブフレームの表示と比べて表示放電回数が多いので、図14(A)のように実施例1と同様の駆動波形を適用する。これに対して、高負荷率のサブフレームの表示に際しては、図14(B)のように表示期間TSにおいてサステインパルスPs2を印加する。1つのグループにおける表示放電が十分に終息するまで電極電位を変更できないので、各グループにおける表示放電を、他方のグループの表示放電が十分に終息するまで待って起こさなければならない。したがって、高負荷率のサブフレームにおける表示放電間隔は低負荷率のサブフレームにおける表示放電間隔よりも長くなる。
【0094】
図15は実施例5における表示放電のタイミングを示す。表示電極Yoddに対するパルスの立ち上がり直後と立ち下がり直後に、表示電極Yoddとその隣の表示電極Xoddとの間で放電が起き、表示電極Xoddに対するパルスの立ち上がり直後と立ち下がり直後に、表示電極Xoddとその隣の表示電極Yevenとの間で放電が起きる。また、表示電極Yevenに対するパルスの立ち上がり直後と立ち下がり直後に、表示電極Yevenとその隣の表示電極Xevenとの間で放電が起き、表示電極Xevenに対するパルスの立ち上がり直後と立ち下がり直後に、表示電極Xevenとその隣の表示電極Yoddと間で放電が起きる。
【0095】
このように点灯率によって放電間隔が異なる場合にも、APC動作の基本的な手順は実施例1と同様である(図10参照)。実施例5においても(13)式および(14)式によってLとfiを計算する。実施例5では(15)式の条件を点灯率に応じて変更する。点灯率がαth以下の場合は、図14(A)の駆動波形を採用し、表示放電間隔をtLとする。点灯率がαthを越える場合は、図14(B)の駆動波形を採用し表示放電間隔をtHとする。この場合分けは次式で表される。
【0096】
【数18】
【0097】
(18)式を用いて表示期間の条件を書き下すと、
【0098】
【数19】
【0099】
となる。
〔実施例6〕
実施例6は、表示負荷率がある一定値の近傍で揺らぐ場合にフリッカが生じるという問題を、輝度レベルを表示負荷率の変化に追従させることで解消する。表示負荷率の変化が大きいときには輝度レベルを速く追随させる。具体的には、消費電力一定になるように計算された輝度レベルの値と、その輝度レベルをローパスフィルタに通した後の値とを重みを付けて足し合わせ、その結果を駆動制御に使う。足し合わせの重みを表示負荷率の変化率に基づいて計算し、変化が小さい程、ローパスフィルタを通した値に対する重みを大きくする。
【0100】
まず、(7)式から(13)式までの各式を用いて、上限の消費電力から輝度レベル(設定輝度)Lを決める。この過程は実施例1と同じである。次に、注目する1つのフレームの入力時刻をtとし、フレーム周期をΔとする。(13)式で計算されたLを改めてL(t)とする。
【0101】
ローパスフィルタリングは次のデジタルフィルタで実現される。
【0102】
【数20】
【0103】
例えば、2次のバタワースフィルタを構成する場合には、Q=R=2であり、カットオフ周波数をω0 /(2π)とすれば、
【0104】
【数21】
【0105】
である。ここでΩ0=ω0Δである。なお、ローパスフィルタは例示に限定されない。
ローパスフィルタの出力を用いて、表示放電回数を決定するための輝度レベルL’(t)を次式によって計算する。
【0106】
【数22】
【0107】
ここで、
【0108】
【数23】
【0109】
である。LminはLの最小値であり、LmaxはLの最大値である。βは0から1の値を取る。βが大きいということは表示負荷率の変化が大きいということである。
Lminは表示負荷率が最大のときのLであり、次式で与えられる。
【0110】
【数24】
【0111】
一方、Lmaxは表示負荷率が最小のときのLであり、次式で与えられる。
【0112】
【数25】
【0113】
そして、(22)式中の重み関数ρ(β)は単調増加関数であり、 次式を満たす。
【0114】
【数26】
【0115】
重み関数は任意に構成してよいが、βの多項式で構成することが簡便である。例えば次のような関数が考えられる。
【0116】
【数27】
【0117】
ここで、m,nは1以上の自然数であり,βthは0から1の間の定数で次式で与えられる。
【0118】
【数28】
【0119】
重み関数の概形を図16に示す。
なお、表示負荷率が大きく変化したときには、ローパスフィルタの出力を変化後の表示負荷率に適した値に可及的に速く近づける。具体的には(22)式による演算でL’(t)の更新を行った後、ローパスフィルタを次式の状態に更新する。
【0120】
【数29】
【0121】
ρ(β)が1に近い程、過去のL(t)の値を現在のL(t)に近い値に変更して、ローパスフィルタの過去の値もそれに合わせる処理が行われる。
(22)式で決定されたL’(t)の値を使って、実施例1と同様に表示放電回数を決める。(14)式に対応する式が次式である。
【0122】
【数30】
【0123】
そして、実施例1と同様に表示時間の上限に関する制限よりfiを修正する。
【0124】
【数31】
【0125】
以上の実施例6のAPC動作は図17のフローチャートで示される。
なお、フレームごとの消費電力は厳密には上限の消費電力に一致しないものの、平均消費電力が上限の消費電力にほぼ一致するので、実施例6の実用に支障はない。ただし、より安全性を高めるためには、消費電力を監視する手段を設け、消費電力が限界値を越えないようにフィードバック制御を行うのが望ましい。
【0126】
〔実施例7〕
実施例7は実施例3の変形であり、実施例6と同様にローバスフィルタを通過した後のL(t)の値を制御に用いる例である。実施例7のAPC動作は図18のフローチャートで示される。
【0127】
〔実施例8〕
実施例8は実施例5の変形であり、実施例6と同様にローバスフィルタを通過した後のL(t)の値を制御に用いる例である。実施例8のAPC動作の概略は実施例6と同様である(図17参照)。
【0128】
以上の実施形態のように発光効率に優れた階段波形のサステインパルスを印加する場合、すなわち矩形波形のサステインパルスを印加する場合と比べて静電容量の充放電に伴う無効電力が比較的に大きい場合において、本発明の効果が顕著である。ただし、矩形波形のサステインパルスを印加する場合にも静電容量の充放電に伴う無効電力は0ではないので、本発明の効果は現れる。
【0129】
【発明の効果】
請求項1ないし請求項10の発明によれば、階調反転のない正確な階調再現を実現するとともに、電力制御の精度を高めることができる。
【0130】
請求項3の発明によれば、表示負荷率が変化したときの不自然な明るさの変化を低減して表示品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サブフレームにおける消費電力の点灯率依存特性を示す図である。
【図2】表示パターンの代表例を示す図である。
【図3】プラズマ表示装置の構成図である。
【図4】プラズマディスプレイパネルのセル構造を示す斜視図である。
【図5】隔壁および表示電極の形状を示す平面図である。
【図6】フレーム分割の概念図である。
【図7】駆動電圧波形の概略図である。
【図8】表示パルス波形および放電電流波形の模式図である。
【図9】輝度の点灯率依存性を示す図である。
【図10】実施例1のAPC動作のフローチャートである。
【図11】駆動のタイムチャートである。
【図12】実施例3のAPC動作のフローチャートである。
【図13】実施例5における行のグループ分けの説明図である。
【図14】実施例5における駆動電圧波形を示す図である。
【図15】実施例5における表示放電のタイミングを示す図である。
【図16】重み関数を示す図である。
【図17】実施例6のAPC動作のフローチャートである。
【図18】実施例7のAPC動作のフローチャートである。
【符号の説明】
1 プラズマディスプレイパネル
71 制御ブロック
100 プラズマ表示装置
Claims (10)
- フレームを輝度の重み付けをした複数のサブフレームに置き換えて表示するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
サブフレームを表す画像データに基づいて、総セル数に対する点灯すべきセルの割合である点灯率を各サブフレームについて求め、
求めた点灯率を、予め測定された輝度と点灯率との関係および消費電力と点灯率との関係に当てはめて、サブフレーム間の輝度比が輝度の重みの比に一致しかつフレームの消費電力が設定値を超えないように、各サブフレームに対して表示放電回数を設定し、
各サブフレームの表示において、当該サブフレームに対して設定した表示放電回数と同数の表示放電を点灯すべき各セルで生じさせる
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - サブフレームごとに設定した表示放電回数の合計が表示の時間的制限を満たさない場合に、前記時間的制限を満たすように、各サブフレームの表示放電回数の設定値を輝度の重み付けに則した割合で減らす
請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - フレームを輝度の重み付けをした複数のサブフレームに置き換えて表示するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
サブフレームを表す画像データに基づいて、総セル数に対する点灯すべきセルの割合である点灯率を各サブフレームについて求め、
求めた点灯率を、予め測定された輝度と点灯率との関係および消費電力と点灯率との関係に当てはめて、サブフレーム間の輝度比が輝度の重みの比に一致するように、各サブフレームに対して表示放電回数を仮設定し、
仮設定した表示放電回数を適用した場合の最高輝度を表示するセルの輝度を求めて第1輝度レベルとし、
前記第1輝度レベルに対してローパスフィルタ処理を行い、その結果を第2輝度レベルとし、
前記第1輝度レベルと前記第2輝度レベルの差が大きいほど前記第1輝度レベルに対する重みが大きくなる重み付け加算を、前記第1輝度レベルと前記第2輝度レベルとについて行い、その結果を第3輝度レベルとし、
前記点灯率と前記第3輝度レベルとに基づいて、サブフレーム間の輝度比が輝度の重みの比に一致するように、各サブフレームに対して表示放電回数を設定し、
各サブフレームの表示において、当該サブフレームに対して設定した表示放電回数と同数の表示放電を点灯すべき各セルで生じさせる
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - サブフレームごとに設定した表示放電回数の合計が表示の時間的制限を満たさない場合に、前記時間的制限を満たすように、各サブフレームの表示放電回数の設定値を輝度の重み付けに則した割合で減らす
請求項3記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - ローパスフィルタ処理の開始に先立って、当該前記ローパスフィルタ処理を実現するフィルタの出力を、その時点の最新のフレームの表示負荷に対応した値に近づける
請求項3記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - 点灯率が0であるサブフレームについては、それに対応する期間にわたって駆動に係る一切のパルス印加を停止する
請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - 負荷率が0でないサブフレームの中から輝度の重みが大きい順に,1フレームの表示に係る時間的制限を満たす範囲で最大限の数のサブフレームを選択し、選択したサブフレームのみを表示する
請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - 設定した表示放電回数が許容範囲の下限より少ないサブフレームについては、それに対応する期間にわたって駆動に係る一切のパルス印加を停止する
請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - 各サブフレームの表示放電の間隔を、求めた点灯率に応じて変更する
請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。 - 表示放電を生じさせるために、前縁オーバーシュートをもつ階段波形のパルスをセルに印加する
請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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