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JP2004215578A - 健康食品用組成物および健康食品あるいは健康飲料 - Google Patents

健康食品用組成物および健康食品あるいは健康飲料 Download PDF

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JP2004215578A JP2003006663A JP2003006663A JP2004215578A JP 2004215578 A JP2004215578 A JP 2004215578A JP 2003006663 A JP2003006663 A JP 2003006663A JP 2003006663 A JP2003006663 A JP 2003006663A JP 2004215578 A JP2004215578 A JP 2004215578A
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mass
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Junko Sendo
純子 千堂
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Abstract

【課題】イチョウ葉エキス、松葉エキスの抗酸化活性を相乗的に高めるとともに、それらが有する独特の苦味、渋味を改善し、嗜好性に優れた健康食品、健康飲料用組成物の提供にある。
【解決手段】加工処理によってイチョウ葉エキスや松葉エキスの苦味、渋味の原因を除去するのではなく、イチョウ葉エキスと松葉エキスに大麦若葉粉末を共存させ、イチョウ葉エキス0.01〜3質量%、松葉エキス0.01〜3質量%、大麦若葉粉末30〜60質量%からなるものである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、イチョウ葉のエキスを含有する健康食品および健康飲料用素材としての組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
イチョウは中国から日本にかけての東アジアに分布する樹木で、中国の古書には「記憶力や集中力の衰えた人にイチョウの葉を煎じて飲ませたら頭の働きが良くなった」と記載されている。ヨーロッパでは第二次大戦後、医薬品としての可能性について精力的に研究がなされ、イチョウの葉のエキスが脳循環不全に伴うめまい、耳鳴り、頭痛、記憶力低下など機能障害、脳神経障害や脳外傷の後遺症、末梢循環障害、毛細血管循環障害、血行障害に伴う眼科および耳鼻咽喉科の疾患に有効であることが発見され、1974年にフランスで、1978年にはドイツで医薬品として認可された。
【0003】
このように、イチョウの葉のエキス製剤は安全性が高く、この領域で使われる他の医薬品と比べて効き目が確かなため、世界的に、優れた医薬品との評価を得ているが、日本では医薬品としての認可はされておらず、健康食品の素材として使われている。
【0004】
それらに利用されるイチョウ葉のエキスは、乾燥したイチョウ葉を含水エタノールで抽出し、精製して得られるもので、そのエキスはフラボノイドとテルペノイドの2種類に大別され、前者はケルセチン、イソラムネチン、ケンフェロール、ギンゲチン、ビロベチン、クマロイルグルコラムノシド等のフラボン配糖類を主とするフラボノイドであり、後者はギンゴライド、ビロバリドなどのテルペノイドである。
【0005】
このうち、フラボノイドの生理作用は、主に抗酸化活性に基づくものと考えられている。主たる作用は、非特許文献1に記載の酸化ストレスによる血小板凝集の抑制と血液の流動性の保持、非特許文献2に記載のLDL(低比重リポ蛋白)の酸化防止と動脈硬化の予防、ならびに細胞膜脂質の酸化抑制といわれている。その結果、血管の柔軟性が保たれ、血小板活性化因子(PAF)も抑えられるため、非特許文献3に記載のように、血液の流動性が増すことが実験的に証明されている。イチョウ葉エキスの薬効はこのようなフラボノイド配糖体類に起因する末梢血流の増大がテルペノイド類による血小板活性化因子抑制効果と相まってもたらされると考えられる。
【0006】
イチョウ葉エキスを含有した健康飲料は、特許文献3で提案されている。更に、イチョウ葉エキスが水に難溶性であることから、その改善策も特許文献4〜6に提案されている。しかし、イチョウ葉エキス特有のフラボノイドおよびテルペノイドは特有の苦味や渋味があり、日常の食生活の中で十分摂取するのには困難な状況であった。
【0007】
一方、松は世界各地に分布する樹木で、中国の古書には「松葉は強壮剤となる。煎じて飲ませると歯や眼、耳をよくし、腫れ物を直す。長期間飲むと身が軽くなり、不老延年に効果がある。」と記載されている。松葉には多量の葉緑素やリン,鉄分,精油,粗脂肪,蛋白質,ミネラル,脂溶性ビタミンA,ビタミンC,樹脂、並びに抗酸化力の強いケルセチン、タンニン、その他のフラボノイド、テルペノイド等、人体に必要な多量の栄養素を含んでいる。
【0008】
しかし、精油から発生する揮発性物質であるテルピン等の特有な臭いにより使用者らが拒否反応を起こすことが多いため、多量の栄養素を含んでいるにもかかわらず、松葉を利用した加工食品を開発するのには困難な状況であった。
【0009】
また、大麦若葉は、葉緑素やポリフェノール、カロテンをはじめとするビタミン類、ミネラル類、食物繊維等に富み、有害物質の吸着、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後の血糖値の急上昇防止、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)の活性化などの効果を有する健康食品の素材として注目を浴びている。麦若葉が健康食品の素材として用いられる場合、主に麦若葉を乾燥粉末化した麦若葉末(特許文献1)としてか、あるいは麦若葉の搾汁もしくはエキスかまたはそれらの乾燥粉末(特許文献2)として用いられている。このうち、生葉を熱処理により酵素不活性化した後、乾燥粉末化した大麦若葉粉末は、食物繊維を30〜55重量%程度含有し、有害物質の吸着、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止等の効果が特に優れているものである。なお、本発明でいう大麦若葉粉末とは、生葉を熱処理して乾燥粉砕した粉末のことを意味する。
【0010】
【非特許文献1】
Biochem. Mol. Biol. Int. 46巻 1243〜1248頁[1998年]
【0011】
【非特許文献2】
Biochem. Biophys. Res. Commun. 212巻 360〜366頁 [1995年])
【0012】
【非特許文献3】
Biomed. Biochem. Acta 43巻 212〜216頁 [1984年]
【0013】
【特許文献1】
特許第2544302号号公報
【0014】
【特許文献2】
特開平11−75791号公報
【0015】
【特許文献3】
特開昭62−205028号公報
【0016】
【特許文献4】
特開平2−142456号公報
【0017】
【特許文献5】
特開平4−20274号公報
【0018】
【特許文献6】
特開平5−64572号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
イチョウ葉エキスとの組み合せによって抗酸化活性が相乗的に強くなる素材が存在すれば、イチョウ葉エキスの薬効はより高いものになることが期待される。
【0020】
イチョウ葉エキス、松葉エキスは、ともに高い抗酸化力を有する素材であるが、独特の苦味や渋味を有するゆえに、一般に不快感を覚え、嗜好性に欠けているといわれている。
【0021】
これらの風味はフラボン配糖体、テルペン類などの薬効成分に起因するため、除去することができない。また、公知の製造法で調製したイチョウ葉エキス含有食品、松葉エキス含有食品には、その不快な苦味、渋味が軽減されたものはなく、その改善策は、未だ見い出されていない。
【0022】
本発明が解決しようとする課題は、、イチョウ葉エキス、松葉エキスの薬効の本質部分である抗酸化活性を相乗的に強化し、それらが有する独特の苦味、渋味を改善して、嗜好性に優れた健康食品を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来技術のように加工処理によってイチョウ葉エキスや松葉エキスの苦味、渋味の原因を除去するのではなく、イチョウ葉エキスと松葉エキスに大麦若葉粉末を共存させることによって、その課題を解決した。
【0024】
すなわち、本発明の第1は、イチョウ葉エキスと松葉エキスとの混合物に、大麦若葉粉末を含有せしめた組成物である。
【0025】
本発明の第2は、その組成物の各含有量が、イチョウ葉エキス0.01〜3質量%、松葉エキス0.01〜3質量%、大麦若葉粉末30〜60質量%からなる組成物である。
【0026】
本発明に用いるイチョウ葉エキスは、フラボン配糖体、テルペン類あるいはその両者を主成分として含有するものであれば特に限定されるものではなく、何でも使用することができる。
【0027】
このイチョウ葉エキスは、任意の方法で製造することができる。 例えば、乾燥イチョウ葉を粗切、中切、もしくは細切し、約5〜20倍量(重量)の極性溶媒、例えば、含水メタノール、エタノール、水、等を加え、室温で数日、或いは、沸点付近の温度で、数十分〜数時間浸積し、抽出する。抽出後、濾過、あるいは遠心分離等により不溶物を取り除き、減圧濃縮や凍結乾燥、スプレードライ等により濃縮エキス、あるいは乾燥粉末としたものが使用できる。本発明に用いる松葉エキスは、ケルセチン、テルペン類あるいはその両者を主成分として含有するものであれば特に限定されるものではなく、何でも使用することができる。
【0028】
このような松葉エキスは、任意の公知の方法で製造することができる。例えば、乾燥イチョウ葉を粗切、中切、もしくは細切し、約5〜20倍量(重量)の極性溶媒、例えば、含水メタノール、エタノール、水、等を加え、室温で数日、或いは、沸点付近の温度で、数十分〜数時間浸積抽出する。抽出後、濾過、あるいは遠心分離等により不溶物を取り除き、減圧濃縮や凍結乾燥、スプレードライ等により濃縮エキス、あるいは乾燥粉末とする。
【0029】
また、本発明に用いる大麦若葉粉末は、難消化性の多糖類(いわゆる食物繊維)と葉緑素、ポリフェノール類を主成分として含有するものであれば特に限定されない。このような大麦若葉粉末は、任意の公知の方法で製造することができる。例えば、刈り取り後2時間〜半日の大麦若葉を洗浄した後、粗切、中切、若しくは細切し、90度以上の熱水で60〜180秒程度ブランチングする。熱風により乾燥した後、粉砕し、乾燥粉末とする。粉末の粒度は、100〜200メッシュパスとし、好ましくは、120〜150メッシュパスとする。
【0030】
本発明における抗酸化組成物は、イチョウ葉エキス0.01〜3質量%、松葉エキス0.01〜3質量%、大麦若葉粉末30〜60質量%で構成され、好ましくは、各素材をイチョウ葉エキス0.03〜1%、松葉エキス0.03〜1%、大麦若葉粉末40〜50%含有する。
【0031】
本発明の抗酸化組成物には、健康食品や健康飲料として供する際、構成成分の他に種々の成分を適宜添加することができる。例えば、甘味料、果汁、香料、ゲル化剤、酸味料、栄養強化剤、苦味料、光沢剤、殺菌剤、酸化防止剤、色調調整剤、安定剤、着色料、調味料、保存料、賦形剤などを添加することができる。また、大麦若葉粉末以外の食物繊維を含有する素材を添加してもよい。
【0032】
例えば、甘味料として、黒糖、乳糖、ショ糖、果糖、ぶどう糖、オリゴ糖類、キシロース、水あめ、異性化糖、糖アルコール、グリチルリチン、アスパルテーム、ステビア、ソルビット、マツリトール、グリシン、タウマチン(ソーマチン)、サッカリン、ラカンカ、ラムノース、カンゾウ、豆乳、ハチミツ等を挙げることができる。
【0033】
また、香料として、シトラス系香料、スパイス系香料、ミルク系香料、フルーツ系香料等を挙げることができる。
【0034】
酸味料としては、アジピン酸、クエン酸、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、氷酢酸、酢酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸等を挙げることができる。
【0035】
また、着色料として、食用赤色2号、40号、106号、食用黄色4号、5号、食用青色1号などのタール系色素や、ベニバナ色素、コチニール色素、ブドウ果皮色素等を挙げることができる。
【0036】
さらに、保存料として、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル等を挙げることができる。これらの添加剤の使用量は、健康食品や健康飲料などの使用目的に応じて適宜決定することができる。
【0037】
また、さらには、穀類以外の食物繊維素材として、焙煎した大麦若葉末、ケール末、桑葉末、アシタバ末、ドクダミ末、シソ末等のを挙げることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に実施例によって本発明の実施の形態の一例を説明する。したがって、本発明の範囲は、その実施例に示す具体例に制限されるものではないことは当然である。
【0039】
【実施例1】
表1に示す成分を配合して混合して記載した濃度となるように、滅菌水をバインダーにして造粒することによって本発明の抗酸化組成物を製造した。なお、イチョウ葉エキスおよび松葉エキスとしては、各エキスの固形成分に対して1.5倍量のデキストリンを加えた混合溶液を作り、それをスプレードライにより粉末化したものを使用した。
【0040】
【表1】
Figure 2004215578
【0041】
【比較例1】
比較例1として、各成分を表2に示す濃度となるように配合して混合し、滅菌水をバインダーにして造粒することによって組成物を製造した。比較例1の組成物は、実施例に示した抗酸化組成物の成分のうち、松葉エキスおよび大麦若葉粉末を含まないものである。
【0042】
【表2】
Figure 2004215578
【0043】
【比較例2】
以下の各成分を表3に記載した濃度となるように配合して混合し、滅菌水をバインダーにして造粒することによって組成物を製造した。比較例2の組成物は、実施例に示した抗酸化組成物の成分のうち、イチョウ葉エキスおよび大麦若葉粉末を含まないものである。
【0044】
【表3】
Figure 2004215578
【0045】
【比較例3】
各成分を表4に記載した濃度となるように配合して混合し、滅菌水をバインダーにして造粒することによって組成物を製造した。比較例3の組成物は、実施例1に示した抗酸化組成物の成分のうち、大麦若葉粉末を含まないものである。
【0046】
【表4】
Figure 2004215578
ラットを用いて本発明の抗酸化組成物(実施例)における抗酸化機能性、すなわち、血漿ハイドロパーオキサイド濃度に及ぼす影響を調べた。ウィスタ―系4週齢雄ラットに実施例1の抗酸化組成物を10%添加した20%カゼインを含むAIN−76標準飼料を20日間与えて、2週間飼育した後、解剖し、血液と肝臓を採取して血漿中のハイドロパーオキサイド濃度を測定した(試験群)。対照として、20%カゼインを含むAIN−76標準飼料のみを摂取させる群を、比較として比較例1ないし3の組成物をそれぞれ10%添加した20%カゼインを含むAIN−76標準飼料を与える群(比較群1ないし3)を設けた。なお、1群は5例とした。結果を表5に示す。(値は、平均値±標準偏差)
【表5】
Figure 2004215578
表5に示したように、試験群の血漿中のハイドロパーオキサイド濃度は、対照群の値(5.44nmol)に較べて著しく低い値(1.91nmol)を示した。さらに、イチョウ葉エキスと松葉エキスが試験群と同量配合されている比較群3(3.67 nmol)と較べても、明らかに低い値を示し、抗酸化活性を相乗的に高めていることが明らかとなった。
【0047】
次に、実施例、比較例1ないし3について、パネラー30人を対照とした嗜好試験を実施した。その結果を表6に示す。
【0048】
【表6】
Figure 2004215578
同表6に示すように、実施例が、比較例1ないし3に比較して明らかに嗜好性が優れていた。
【0049】
【発明の効果】
イチョウ葉エキスに、松葉エキスと大麦若葉粉を共存させることで、イチョウ葉エキスの効果が複合されるとともに、松葉エキス特有の苦味、渋味、えぐ味をマスキングし、服用し易い健康食品をうることができる。

Claims (3)

  1. イチョウ葉エキスと松葉エキスとの混合物に、大麦若葉粉末を含有せしめてなる健康食品用組成物。
  2. イチョウ葉エキス0.01〜3質量%と、松葉エキス0.01〜3質量%と、大麦若葉粉末30〜60質量%とを含有する健康食品用組成物。
  3. 請求項1または2記載の組成物を含有する健康食品あるいは健康飲料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005067404A2 (en) * 2004-01-20 2005-07-28 Gwang Seok Bae Health food containing distilled pine-needle extract
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