JP2004258326A - 感熱ラベル - Google Patents
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Abstract
【課題】ラベル同士の経時的な接着性をより向上させることを目的とする。
【解決手段】プラスチックボトル5に巻きつけられるラベル1において、上記ラベルはプラスチックフィルムからなるラベル基材2の両端部に、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含有する感熱性接着剤層3、4が設けられ、上記ラベル基材の一方の端部に設けられた第1接着剤層3は、上記プラスチックボトルとの接着に使用され、上記ラベル基材の他方の端部に設けられた第2接着剤層4は、上記プラスチックボトルに巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用され、40℃、90%Rhの条件下で1ヶ月保存された後の、上記第2接着剤層の強度低下率が80%未満であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】プラスチックボトル5に巻きつけられるラベル1において、上記ラベルはプラスチックフィルムからなるラベル基材2の両端部に、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含有する感熱性接着剤層3、4が設けられ、上記ラベル基材の一方の端部に設けられた第1接着剤層3は、上記プラスチックボトルとの接着に使用され、上記ラベル基材の他方の端部に設けられた第2接着剤層4は、上記プラスチックボトルに巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用され、40℃、90%Rhの条件下で1ヶ月保存された後の、上記第2接着剤層の強度低下率が80%未満であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラスチックボトルに巻きつけられて貼着される感熱ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、PETボトル等のプラスチックボトルには、容器破損に対する保護、内容物の表示、意匠性の点から各種のラベルが設けられている。ただ、このラベルが剥がしにくかったり、ラベルを剥がしたときに糊残りが生じたりすると、使用後の容器のリサイクルに支障をきたす場合がある。このため、容易に容器から剥がすことができ、かつ、糊残りが生じにくいラベルが望まれている。
【0003】
このようなラベルの例としては、ラベルを構成する基材に所定のブロッキング度を有する接着剤を積層したものが特許文献1に記載されている。このラベルは、容易に容器から剥がすことができ、かつ、剥がした時に、プラスチックボトルへの接着剤残りがないという特徴を有する。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−42775号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の接着剤を用い、接着剤残りをなくすようにした場合、経時的に接着性が低下する傾向があり、場合によっては、ラベルのパラ落ちという問題を生じかねない。
【0006】
そこでこの発明は、ラベル同士の経時的な接着性をより向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、プラスチックボトルに巻きつけられるラベルにおいて、上記ラベルはプラスチックフィルムからなるラベル基材の両端部に、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含有する感熱性接着剤層が設けられ、上記ラベル基材の一方の端部に設けられた第1接着剤層は、上記プラスチックボトルとの接着に使用され、上記ラベル基材の他方の端部に設けられた第2接着剤層は、上記プラスチックボトルに巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用され、40℃、90%Rhの条件下で1ヶ月保存された後の、上記第2接着剤層の強度低下率が80%未満であることを特徴とする感熱ラベルを用いることにより上記の課題を解決したのである。
【0008】
所定期間経過後の強度低下率が所定範囲に抑制された第2接着剤層を用いるので、ラベル同士の接着性低下を抑制し、経時的な接着性をより向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかる感熱ラベルは、プラスチックボトルに巻きつけられて貼着されるラベルである。この感熱ラベル1は、図1(a)に示すように、ラベル基材2の両端部に、所定の感熱性接着剤層3,4が設けられたものである。この感熱性接着剤層3,4のうち、上記ラベル基材2の一方の端部に設けられた感熱性接着剤層(以下、「第1接着剤層」と称する。)3は、図1(b)に示すように、上記プラスチックボトル5との接着に使用され、また、上記ラベル基材2の他方の端部に設けられた感熱性接着剤層(以下、「第2接着剤層」と称する。)4は、上記プラスチックボトル5に巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用される。
【0010】
上記プラスチックボトル5としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトル等があげられる。
【0011】
上記ラベル基材2は、上記感熱ラベル1の本体を構成する基材であり、プラスチックフィルムから構成される。このプラスチックフィルムとしては、オレフィン系透明基材フィルム、PETフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロンフィルム等があげられる。
【0012】
上記オレフィン系透明基材フィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等があげられる。
【0013】
上記ポリプロピレンフィルムの例としては、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、「OPPフィルム」と略する。)や易接着OPPフィルム、アクリルコートのOPPフィルム等があげられる。
【0014】
上記OPPフィルムの具体例としては、東セロ(株)製;トーセロOP「U−1」、東洋紡績(株)製;東洋紡パイレンフィルム−OT「P2108」、「P2161」、「P2261」、「P2761」、二村化学工業(株)製;太閤FO「FOA」、「FOS」、「FOSC」、「FOS−B」、「FOS−BT」、「FOSC−BT」、「FOR」、「FOR−BT」、サン・トックス(株)製;サントックスOP「PA20」、「PA21」、「PA30」、「PA50」、東レ(株)製;トレファンBO「2500」、「2545」等があげられる。
【0015】
また、上記易接着OPPフィルムの具体例としては、サン・トックス(株)製;サントックスOP「AQ−20」、東レ(株)製;トレファンBO「S645」等があげられる。さらに、アクリルコートOPPフィルムの例としては、エクソン モービル社製;「LL666」、ユーシービーフィルム社製;Rayoface「ACA」、「CA」、「CPA」等があげられる。なお、上記の名称は、全て、各社の商品名又は登録商標である。
【0016】
上記第1接着剤層3や第2接着剤層4、すなわち、感熱性接着剤層を構成する感熱性接着剤は、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含有する接着剤であり、当初、常温では粘着性がなく、加温して初めて粘着性が発現し、その後冷却しても粘着性が持続する接着剤である。
【0017】
上記熱可塑性樹脂としては、アクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸エステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エチレン−塩化ビニル樹脂、エチレン−アクリル酸エステル樹脂、エチレン−アクリル酸樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブチルゴム、ウレタン樹脂、スチレン−イソプレンブロックコポリマー、エチルセルロース、天然ゴムなどがあげられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0018】
上記固体可塑剤は、加熱時に溶融して熱可塑性樹脂を可塑化し、粘着性を発現させることができるものをいい、フタル酸ジシクロヘキシル、トリ安息香酸グリセロール、トリ安息香酸トリメチルプロパン、ジメチルイソフタレート、N−シクロヘキシル−p−トルエン、スルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジメチルシクロヘキシル、テトラ安息香酸ペンタエリトリット、トリシクロヘキシルシトレート、サックロースベンゾエート等があげられる。
【0019】
上記粘着付与剤としては、部分水添ロジン、完全水添ロジン、重合ロジン等の変性ロジン化合物や、テルペンフェノール、アルキルフェノール、変性フェノール等のフェノール樹脂系化合物等が挙げられ、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
上記感熱性接着剤には、上記以外に、特性を損なわない範囲で、慣用の添加剤、例えば、消泡剤、増粘剤、滑剤、酸化防止剤、防腐剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、ブロッキング剤等を含有させてもよい。
【0021】
上記感熱性接着剤層、特に上記第2接着剤層4は、40℃、90%Rhの条件下で1ヶ月保存された後の強度低下率が80%未満であることがよく、70%以下であることが好ましい。80%以上だと、ラベル付きボトルが振動や衝撃を受けた際、ラベルが剥がれ落ちる(パラ落ちする)おそれがある。
【0022】
上記のような強度低下率を発現する方法としては、上記感熱性接着剤層を構成する感熱性接着剤に接着性向上剤を含有させる方法があげられる。この接着性向上剤を加えることにより、上記の条件、すなわち、高温多湿下に長期にさらされた場合であっても、接着強度を保持することができるので、ラベルのパラ落ちを防止できる。
【0023】
このような接着性向上剤としては、アルデヒド化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、チタンやジルコニウム、アルミニウム等の有機金属塩又は無機金属、ケイ素化合物等があげられる。
【0024】
上記アルデヒド化合物の具体例としては、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、ヘキサンジアール、ヘプタンジアール、オクタンジアール、ノナンジアール、デカンジアール、ドデカンジアール、2,4−ジメチルヘキサンジアール、5−メチルヘプタンジアール、4−メチルオクタンジアール、2,5−ジメチルオクタンジアール、3,6−ジメチルデカンジアール、オルトフタルアルデヒド等があげられる。
【0025】
上記エポキシ化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ノナエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテル類、グリセロールトリグリシジルエーテル等のトリグリシジルエーテル類、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等のテトラグリシジルエーテル類などがあげられる。
【0026】
上記カルボジイミド化合物の具体例としては、カルボジイミド基を有する重合体(例えば日清紡績(株)製、商品名 カルボジライト)等があげられる。
【0027】
上記イソシアネート化合物の具体例としては、ブロック化イソシアネート化合物(例えば第一工業製薬(株)製、商品名 エラストロン、エラストロンBNシリーズ)、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロへキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等があげられる。
【0028】
上記チタン化合物の具体例としてはテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルへキシル)チタネート、テトラメチルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクタンジオレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等があげられる。
【0029】
上記ジルコニウム化合物の具体例としてはジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムビスアセチルアセトネート、ジルコニウムモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセチルアセトネートビスエチルアセトアセトネート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムトリブトキシステアレート等の有機ジルコニウム化合物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウムなどのハロゲン化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、塩基性硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムなどの鉱酸ジルコニウム塩、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムナトリウム、酢酸ジルコニウムアンモニウム、シュウ酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムアンモニウムなどのジルコニウム錯塩があげられる。
【0030】
上記アルミニウム化合物の例としては、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリブチレート、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウム有機キレート等があげられる。
【0031】
上記ケイ素化合物の例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロピルシリケート、テトラノルマルブチルシリケート、ブチルシリケートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)シリケート、テトラメチルシリケート、ケイ素アセチルアセトネート、ケイ素エチルアセトアセテート、ケイ素オクタンジオレート、ケイ素ラクテート、ケイ素トリエタノールアミネート、ポリヒドロキシケイ素ステアレート、ケイ素ノルマルプロピレート、ケイ素モノアセチルアセトネート、ケイ素ビスアセチルアセトネート、ケイ素モノエチルアセトアセテート、ケイ素ビスエチルアセトネート、ケイ素アセテート、ケイ素トリブトキシステアレート等があげられる。
【0032】
上記接着性向上剤の添加量は、特に限定されないが、上記感熱性接着剤の乾燥重量に対して、0.1〜5重量%が好ましく、1〜3重量%がより好ましい。0.1重量%より少ないと、十分な接着性の向上効果を得られない場合がある。一方、5重量%より多いと、乾燥しにくく、生産性の点で好ましくない場合がある。
【0033】
上記第1接着剤層3の塗布幅は、5〜20mmがよく、10〜15mmが好ましい。5mmより狭いと、プラスチックボトル5への貼着に十分な強度が得られない場合がある。一方、20mmより広いと、生産性が悪くなる場合がある。
【0034】
また、上記第1接着剤層3に塗布される接着剤の塗布量は、固形分で1〜12g/m2がよく、3〜8g/m2が好ましい。1g/m2より少ないと、上記感熱ラベル1とプラスチックボトル5との接着力が弱く、ラベラーでの装着ができなくなる場合がある。一方、12g/m2より多いと、上記感熱ラベル1の製造が困難になったり、コストがかかる等の問題が生じたりする場合がある。
【0035】
具体的には、上記第2接着剤層4の塗布幅は、10〜25mmがよく、15〜20mmが好ましい。10mmより狭いと、感熱ラベル1を構成するラベル基材2同士の接着が流通時や店頭において、剥がれやすくなる場合がある。一方、25mmより広いと、生産性が悪くなる場合がある。また、フィルムの重なり合う幅より狭くならなければならない。フィルムの重なり合う幅より広くなると、ボトルへの糊残りが生じる場合があるからである。
【0036】
また、上記第2接着剤層4に塗布される接着剤の塗布量は、固形分で2〜12g/m2がよく、4〜8g/m2が好ましい。2g/m2より少ないと、上記感熱ラベル1を構成するラベル基材2同士の接着力が十分でなくなる場合がある。一方、12g/m2より多いと、上記感熱ラベル1の製造が困難になったり、コストがかかる等の問題が生じたりする場合がある。
【0037】
この発明にかかる感熱ラベル1は、プラスチックボトル5に巻かれるラベルとして使用することができる。そして、この感熱ラベル1を剥がしたとき、接着剤の残存、すなわち糊残りがほとんどないので、使用後の上記プラスチックボトル5等の再利用が容易となる。
【0038】
【実施例】
以下に、この発明について実施例を用いてより詳細に説明する。まず、使用した原材料及び試験方法について説明する。
【0039】
(原材料)
[ラベル基材]
・OPPフィルム…東洋紡(株):P2161(大きさ;50mm×230mm、厚さ50μm)(以下、「OPP」と称する。)
【0040】
[固体可塑剤分散液]
・フタル酸ジシクロヘキシル(キシダ化学(株)製)100重量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製:ゴーセノール、10重量%水溶液)63重量部、水125重量部を混合し、ボールミルにて、固形分の体積平均粒子径が2μmとなるまで粉砕したもの。
[感熱性接着剤]
・上記固体可塑剤分散液100重量部、酢酸ビニル−エチレン系エマルジョン(住化ケムテックス(株)製:スミカフレックスs−205)50重量部、ロジン誘導体(荒川化学工業(株)製:スーパーエステルE−650)20重量部を撹拌混合し、感熱性接着剤(以下、「接着剤1」と称する。)を製造した。
・上記固体可塑剤分散液100重量部、スチレン−ブタジエンラテックス系エマルジョン(JSR(株)製:SBラテックス0589)84重量部、上記のロジン誘導体30重量部を撹拌混合し、感熱性接着剤(以下、「接着剤2」と称する。)を製造した。
【0041】
[接着性向上剤]
・炭酸ジルコニウムアンモニウム溶液…キシダ化学(株)製:13重量%水溶液
【0042】
(評価方法)
[強度測定]
JIS Z 0288に準じて行った。すなわち、得られた積層フィルムの接着剤面に、OPPフィルムの非コロナ処理面を合わせ、ヒートシーラー(テスター産業(株)製:TP−701−B HEAT SEAL TESTER)により、130℃、1秒、0.2MPaの条件でヒートシールを行う。次いで、40℃、90%Rhの条件下で1ヶ月保存する。
上記保存前後のものを、ヒートシール部分に対して直角の方向に幅15.0±0.1mm、展開長さ60mmの片を採取して試験片とする。この試験片のヒートシール部を中央にして、180°に開き、つかみの間隔を40mmとし、試験片の両端を引張試験機((株)島津製作所製、オートグラフAG−10kNI)のつかみに取り付け、ヒートシール部が破断するまで引張荷重を加え、その間の最大荷重(N/15mm)を測定した。
【0043】
(実施例1)
炭酸ジルコニウムアンモニウム溶液を重量比で3重量%(固形分)加えた接着剤1を、8g/m2となるように、バーコーターを用いてOPPフィルムに塗工し、十分乾燥させて積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを用いて、上記の方法でヒートシール部の破断強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0044】
(実施例2)
接着剤1のかわりに接着剤2を用いた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを用いて、上記の方法でヒートシール部の破断強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0045】
(実施例3)
炭酸ジルコニウムアンモニウム溶液のかわりに、カルボジイミド溶液(日清紡(株)製:V−02、40重量%水溶液)を3重量%加えた以外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを用いて、上記の方法でヒートシール部の破断強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0046】
(比較例1、2)
炭酸ジルコニウムアンモニウムを使用しない以外は、実施例1及び2と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを用いて、上記の方法でヒートシール部の破断強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
この発明にかかる感熱ラベルは、所定期間経過後の強度低下率が所定範囲に抑制された第2接着剤層を用いるので、ラベル同士の接着性低下を抑制し、経時的な接着性をより向上させることができる。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明にかかるラベルの例を示す背面図
(b)(a)のラベルをプラスチックボトルに巻きつけて貼着した状態を示す断面図
【符号の説明】
1 感熱ラベル
2 ラベル基材
3 感熱性接着剤層(第1接着剤層)
4 感熱性接着剤層(第2接着剤層)
5 プラスチックボトル
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラスチックボトルに巻きつけられて貼着される感熱ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、PETボトル等のプラスチックボトルには、容器破損に対する保護、内容物の表示、意匠性の点から各種のラベルが設けられている。ただ、このラベルが剥がしにくかったり、ラベルを剥がしたときに糊残りが生じたりすると、使用後の容器のリサイクルに支障をきたす場合がある。このため、容易に容器から剥がすことができ、かつ、糊残りが生じにくいラベルが望まれている。
【0003】
このようなラベルの例としては、ラベルを構成する基材に所定のブロッキング度を有する接着剤を積層したものが特許文献1に記載されている。このラベルは、容易に容器から剥がすことができ、かつ、剥がした時に、プラスチックボトルへの接着剤残りがないという特徴を有する。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−42775号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の接着剤を用い、接着剤残りをなくすようにした場合、経時的に接着性が低下する傾向があり、場合によっては、ラベルのパラ落ちという問題を生じかねない。
【0006】
そこでこの発明は、ラベル同士の経時的な接着性をより向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、プラスチックボトルに巻きつけられるラベルにおいて、上記ラベルはプラスチックフィルムからなるラベル基材の両端部に、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含有する感熱性接着剤層が設けられ、上記ラベル基材の一方の端部に設けられた第1接着剤層は、上記プラスチックボトルとの接着に使用され、上記ラベル基材の他方の端部に設けられた第2接着剤層は、上記プラスチックボトルに巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用され、40℃、90%Rhの条件下で1ヶ月保存された後の、上記第2接着剤層の強度低下率が80%未満であることを特徴とする感熱ラベルを用いることにより上記の課題を解決したのである。
【0008】
所定期間経過後の強度低下率が所定範囲に抑制された第2接着剤層を用いるので、ラベル同士の接着性低下を抑制し、経時的な接着性をより向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかる感熱ラベルは、プラスチックボトルに巻きつけられて貼着されるラベルである。この感熱ラベル1は、図1(a)に示すように、ラベル基材2の両端部に、所定の感熱性接着剤層3,4が設けられたものである。この感熱性接着剤層3,4のうち、上記ラベル基材2の一方の端部に設けられた感熱性接着剤層(以下、「第1接着剤層」と称する。)3は、図1(b)に示すように、上記プラスチックボトル5との接着に使用され、また、上記ラベル基材2の他方の端部に設けられた感熱性接着剤層(以下、「第2接着剤層」と称する。)4は、上記プラスチックボトル5に巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用される。
【0010】
上記プラスチックボトル5としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトル等があげられる。
【0011】
上記ラベル基材2は、上記感熱ラベル1の本体を構成する基材であり、プラスチックフィルムから構成される。このプラスチックフィルムとしては、オレフィン系透明基材フィルム、PETフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロンフィルム等があげられる。
【0012】
上記オレフィン系透明基材フィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等があげられる。
【0013】
上記ポリプロピレンフィルムの例としては、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、「OPPフィルム」と略する。)や易接着OPPフィルム、アクリルコートのOPPフィルム等があげられる。
【0014】
上記OPPフィルムの具体例としては、東セロ(株)製;トーセロOP「U−1」、東洋紡績(株)製;東洋紡パイレンフィルム−OT「P2108」、「P2161」、「P2261」、「P2761」、二村化学工業(株)製;太閤FO「FOA」、「FOS」、「FOSC」、「FOS−B」、「FOS−BT」、「FOSC−BT」、「FOR」、「FOR−BT」、サン・トックス(株)製;サントックスOP「PA20」、「PA21」、「PA30」、「PA50」、東レ(株)製;トレファンBO「2500」、「2545」等があげられる。
【0015】
また、上記易接着OPPフィルムの具体例としては、サン・トックス(株)製;サントックスOP「AQ−20」、東レ(株)製;トレファンBO「S645」等があげられる。さらに、アクリルコートOPPフィルムの例としては、エクソン モービル社製;「LL666」、ユーシービーフィルム社製;Rayoface「ACA」、「CA」、「CPA」等があげられる。なお、上記の名称は、全て、各社の商品名又は登録商標である。
【0016】
上記第1接着剤層3や第2接着剤層4、すなわち、感熱性接着剤層を構成する感熱性接着剤は、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含有する接着剤であり、当初、常温では粘着性がなく、加温して初めて粘着性が発現し、その後冷却しても粘着性が持続する接着剤である。
【0017】
上記熱可塑性樹脂としては、アクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸エステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エチレン−塩化ビニル樹脂、エチレン−アクリル酸エステル樹脂、エチレン−アクリル酸樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブチルゴム、ウレタン樹脂、スチレン−イソプレンブロックコポリマー、エチルセルロース、天然ゴムなどがあげられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0018】
上記固体可塑剤は、加熱時に溶融して熱可塑性樹脂を可塑化し、粘着性を発現させることができるものをいい、フタル酸ジシクロヘキシル、トリ安息香酸グリセロール、トリ安息香酸トリメチルプロパン、ジメチルイソフタレート、N−シクロヘキシル−p−トルエン、スルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジメチルシクロヘキシル、テトラ安息香酸ペンタエリトリット、トリシクロヘキシルシトレート、サックロースベンゾエート等があげられる。
【0019】
上記粘着付与剤としては、部分水添ロジン、完全水添ロジン、重合ロジン等の変性ロジン化合物や、テルペンフェノール、アルキルフェノール、変性フェノール等のフェノール樹脂系化合物等が挙げられ、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
上記感熱性接着剤には、上記以外に、特性を損なわない範囲で、慣用の添加剤、例えば、消泡剤、増粘剤、滑剤、酸化防止剤、防腐剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、ブロッキング剤等を含有させてもよい。
【0021】
上記感熱性接着剤層、特に上記第2接着剤層4は、40℃、90%Rhの条件下で1ヶ月保存された後の強度低下率が80%未満であることがよく、70%以下であることが好ましい。80%以上だと、ラベル付きボトルが振動や衝撃を受けた際、ラベルが剥がれ落ちる(パラ落ちする)おそれがある。
【0022】
上記のような強度低下率を発現する方法としては、上記感熱性接着剤層を構成する感熱性接着剤に接着性向上剤を含有させる方法があげられる。この接着性向上剤を加えることにより、上記の条件、すなわち、高温多湿下に長期にさらされた場合であっても、接着強度を保持することができるので、ラベルのパラ落ちを防止できる。
【0023】
このような接着性向上剤としては、アルデヒド化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、チタンやジルコニウム、アルミニウム等の有機金属塩又は無機金属、ケイ素化合物等があげられる。
【0024】
上記アルデヒド化合物の具体例としては、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、ヘキサンジアール、ヘプタンジアール、オクタンジアール、ノナンジアール、デカンジアール、ドデカンジアール、2,4−ジメチルヘキサンジアール、5−メチルヘプタンジアール、4−メチルオクタンジアール、2,5−ジメチルオクタンジアール、3,6−ジメチルデカンジアール、オルトフタルアルデヒド等があげられる。
【0025】
上記エポキシ化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ノナエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテル類、グリセロールトリグリシジルエーテル等のトリグリシジルエーテル類、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等のテトラグリシジルエーテル類などがあげられる。
【0026】
上記カルボジイミド化合物の具体例としては、カルボジイミド基を有する重合体(例えば日清紡績(株)製、商品名 カルボジライト)等があげられる。
【0027】
上記イソシアネート化合物の具体例としては、ブロック化イソシアネート化合物(例えば第一工業製薬(株)製、商品名 エラストロン、エラストロンBNシリーズ)、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロへキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等があげられる。
【0028】
上記チタン化合物の具体例としてはテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルへキシル)チタネート、テトラメチルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクタンジオレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等があげられる。
【0029】
上記ジルコニウム化合物の具体例としてはジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムビスアセチルアセトネート、ジルコニウムモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセチルアセトネートビスエチルアセトアセトネート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムトリブトキシステアレート等の有機ジルコニウム化合物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウムなどのハロゲン化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、塩基性硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムなどの鉱酸ジルコニウム塩、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムナトリウム、酢酸ジルコニウムアンモニウム、シュウ酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムアンモニウムなどのジルコニウム錯塩があげられる。
【0030】
上記アルミニウム化合物の例としては、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリブチレート、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウム有機キレート等があげられる。
【0031】
上記ケイ素化合物の例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロピルシリケート、テトラノルマルブチルシリケート、ブチルシリケートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)シリケート、テトラメチルシリケート、ケイ素アセチルアセトネート、ケイ素エチルアセトアセテート、ケイ素オクタンジオレート、ケイ素ラクテート、ケイ素トリエタノールアミネート、ポリヒドロキシケイ素ステアレート、ケイ素ノルマルプロピレート、ケイ素モノアセチルアセトネート、ケイ素ビスアセチルアセトネート、ケイ素モノエチルアセトアセテート、ケイ素ビスエチルアセトネート、ケイ素アセテート、ケイ素トリブトキシステアレート等があげられる。
【0032】
上記接着性向上剤の添加量は、特に限定されないが、上記感熱性接着剤の乾燥重量に対して、0.1〜5重量%が好ましく、1〜3重量%がより好ましい。0.1重量%より少ないと、十分な接着性の向上効果を得られない場合がある。一方、5重量%より多いと、乾燥しにくく、生産性の点で好ましくない場合がある。
【0033】
上記第1接着剤層3の塗布幅は、5〜20mmがよく、10〜15mmが好ましい。5mmより狭いと、プラスチックボトル5への貼着に十分な強度が得られない場合がある。一方、20mmより広いと、生産性が悪くなる場合がある。
【0034】
また、上記第1接着剤層3に塗布される接着剤の塗布量は、固形分で1〜12g/m2がよく、3〜8g/m2が好ましい。1g/m2より少ないと、上記感熱ラベル1とプラスチックボトル5との接着力が弱く、ラベラーでの装着ができなくなる場合がある。一方、12g/m2より多いと、上記感熱ラベル1の製造が困難になったり、コストがかかる等の問題が生じたりする場合がある。
【0035】
具体的には、上記第2接着剤層4の塗布幅は、10〜25mmがよく、15〜20mmが好ましい。10mmより狭いと、感熱ラベル1を構成するラベル基材2同士の接着が流通時や店頭において、剥がれやすくなる場合がある。一方、25mmより広いと、生産性が悪くなる場合がある。また、フィルムの重なり合う幅より狭くならなければならない。フィルムの重なり合う幅より広くなると、ボトルへの糊残りが生じる場合があるからである。
【0036】
また、上記第2接着剤層4に塗布される接着剤の塗布量は、固形分で2〜12g/m2がよく、4〜8g/m2が好ましい。2g/m2より少ないと、上記感熱ラベル1を構成するラベル基材2同士の接着力が十分でなくなる場合がある。一方、12g/m2より多いと、上記感熱ラベル1の製造が困難になったり、コストがかかる等の問題が生じたりする場合がある。
【0037】
この発明にかかる感熱ラベル1は、プラスチックボトル5に巻かれるラベルとして使用することができる。そして、この感熱ラベル1を剥がしたとき、接着剤の残存、すなわち糊残りがほとんどないので、使用後の上記プラスチックボトル5等の再利用が容易となる。
【0038】
【実施例】
以下に、この発明について実施例を用いてより詳細に説明する。まず、使用した原材料及び試験方法について説明する。
【0039】
(原材料)
[ラベル基材]
・OPPフィルム…東洋紡(株):P2161(大きさ;50mm×230mm、厚さ50μm)(以下、「OPP」と称する。)
【0040】
[固体可塑剤分散液]
・フタル酸ジシクロヘキシル(キシダ化学(株)製)100重量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製:ゴーセノール、10重量%水溶液)63重量部、水125重量部を混合し、ボールミルにて、固形分の体積平均粒子径が2μmとなるまで粉砕したもの。
[感熱性接着剤]
・上記固体可塑剤分散液100重量部、酢酸ビニル−エチレン系エマルジョン(住化ケムテックス(株)製:スミカフレックスs−205)50重量部、ロジン誘導体(荒川化学工業(株)製:スーパーエステルE−650)20重量部を撹拌混合し、感熱性接着剤(以下、「接着剤1」と称する。)を製造した。
・上記固体可塑剤分散液100重量部、スチレン−ブタジエンラテックス系エマルジョン(JSR(株)製:SBラテックス0589)84重量部、上記のロジン誘導体30重量部を撹拌混合し、感熱性接着剤(以下、「接着剤2」と称する。)を製造した。
【0041】
[接着性向上剤]
・炭酸ジルコニウムアンモニウム溶液…キシダ化学(株)製:13重量%水溶液
【0042】
(評価方法)
[強度測定]
JIS Z 0288に準じて行った。すなわち、得られた積層フィルムの接着剤面に、OPPフィルムの非コロナ処理面を合わせ、ヒートシーラー(テスター産業(株)製:TP−701−B HEAT SEAL TESTER)により、130℃、1秒、0.2MPaの条件でヒートシールを行う。次いで、40℃、90%Rhの条件下で1ヶ月保存する。
上記保存前後のものを、ヒートシール部分に対して直角の方向に幅15.0±0.1mm、展開長さ60mmの片を採取して試験片とする。この試験片のヒートシール部を中央にして、180°に開き、つかみの間隔を40mmとし、試験片の両端を引張試験機((株)島津製作所製、オートグラフAG−10kNI)のつかみに取り付け、ヒートシール部が破断するまで引張荷重を加え、その間の最大荷重(N/15mm)を測定した。
【0043】
(実施例1)
炭酸ジルコニウムアンモニウム溶液を重量比で3重量%(固形分)加えた接着剤1を、8g/m2となるように、バーコーターを用いてOPPフィルムに塗工し、十分乾燥させて積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを用いて、上記の方法でヒートシール部の破断強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0044】
(実施例2)
接着剤1のかわりに接着剤2を用いた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを用いて、上記の方法でヒートシール部の破断強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0045】
(実施例3)
炭酸ジルコニウムアンモニウム溶液のかわりに、カルボジイミド溶液(日清紡(株)製:V−02、40重量%水溶液)を3重量%加えた以外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを用いて、上記の方法でヒートシール部の破断強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0046】
(比較例1、2)
炭酸ジルコニウムアンモニウムを使用しない以外は、実施例1及び2と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを用いて、上記の方法でヒートシール部の破断強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
この発明にかかる感熱ラベルは、所定期間経過後の強度低下率が所定範囲に抑制された第2接着剤層を用いるので、ラベル同士の接着性低下を抑制し、経時的な接着性をより向上させることができる。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明にかかるラベルの例を示す背面図
(b)(a)のラベルをプラスチックボトルに巻きつけて貼着した状態を示す断面図
【符号の説明】
1 感熱ラベル
2 ラベル基材
3 感熱性接着剤層(第1接着剤層)
4 感熱性接着剤層(第2接着剤層)
5 プラスチックボトル
Claims (4)
- プラスチックボトルに巻きつけられるラベルにおいて、
上記ラベルはプラスチックフィルムからなるラベル基材の両端部に、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含有する感熱性接着剤層が設けられ、
上記ラベル基材の一方の端部に設けられた第1接着剤層は、上記プラスチックボトルとの接着に使用され、
上記ラベル基材の他方の端部に設けられた第2接着剤層は、上記プラスチックボトルに巻かれたラベルの一方の端部との接着に使用され、
40℃、90%Rhの条件下で1ヶ月保存された後の、上記第2接着剤層の強度低下率が80%未満であることを特徴とする感熱ラベル。 - 上記ラベル基材は、二軸延伸ポリプロピレンフィルム又はポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項1に記載の感熱ラベル。
- 少なくとも上記第2接着剤層に用いられる上記感熱性接着剤は、その乾燥重量に対して、0.1〜5重量%の接着性向上剤を含有する請求項1又は2に記載の感熱ラベル。
- 上記接着性向上剤が炭酸ジルコニウムアンモニウムである請求項3に記載の感熱ラベル。
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- 2003-02-26 JP JP2003049115A patent/JP2004258326A/ja active Pending
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