JP2004107604A - 装飾性塗材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粘度が100〜2000Pa・sである塗材において、結合剤を固形分で100重量部、粒状骨材を30〜1200重量部、及び耐破砕性鱗片状骨材を1〜100重量部含む構成とする。耐破砕性鱗片状骨材の平均長径は、1〜10mmであることが望ましい。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築構造物の内外壁面等に対して塗付することで、自然石調の仕上げを得ることができる装飾性塗材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自然石調仕上げを行うことができる装飾性塗材は、建築構造物に美観性、高級感、重厚感等を付与する材料として使用されている。
このような材料としては、例えば特公平2−40702号公報等に記載されている材料、すなわち、合成樹脂エマルションに0.1mm〜数mm程度の天然石粉砕物や着色骨材等を混合した材料がある(特許文献1)。この材料は、通常吹付けによって、1〜10mm程度の厚みに塗装することで自然石調の仕上げを行うものであり、塗膜に厚みを持たせるために塗材の粘度が高い値(100〜2000Pa・s程度)に設定されている。
特開平9−3368号公報等には、合成樹脂に雲母片や樹脂フィルム片等の鱗片状骨材を混合し、吹付けやこて塗りで自然石調の仕上げを行う材料が記載されている(特許文献2)。
この他、特開平11−319698号公報等には、上記特許文献1のような塗装材料を吹付けした直後に雲母片を散布する方法が記載されている(特許文献3)。
【0003】
【特許文献1】特公平2−40702号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開平9−3368号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開平11−319698号公報(特許請求の範囲)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1の塗材は一般的に0.1〜数mm程度の大きさの粒状骨材を使用するため、塗膜表面が凹凸のある粗面になり、平滑性に欠ける仕上りとなり、汚れなどが溜まり易いという問題がある。
特許文献2の塗材では、雲母片等が破砕しやすい素材であるため、塗材の粘度を低く設定する必要がある。このため、塗膜の厚みが付きにくく、重厚感に乏しい仕上りとなりやすい。
また、特許文献3の方法では、重厚感があり、平滑性を有する塗膜が得られるが、塗装における工程数が増え、簡便性に欠けるという問題がある。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、重厚感を有し、かつ平滑性に優れた自然石調塗膜が一度の塗装で形成可能な装飾性塗材を得ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明者は鋭意検討を行った結果、特定の鱗片状骨材を含有する高粘度塗材に想到し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.粘度が100〜2000Pa・sである塗材であって、
構成成分として、結合剤を固形分で100重量部、粒状骨材を30〜1200重量部、及び耐破砕性鱗片状骨材を1〜100重量部含むことを特徴とする装飾性塗材。
2.耐破砕性鱗片状骨材の平均長径が1〜10mmであることを特徴とする1.に記載の装飾性塗材。
3.耐破砕性鱗片状骨材が、バインダーとして軟質樹脂を含む表面処理剤で表面被覆された雲母片であることを特徴とする1.または2.に記載の装飾性塗材。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態とともに詳細に説明する。
【0007】
本発明の装飾性塗材は、(A)結合剤、(B)粒状骨材、及び(C)耐破砕性鱗片状着色骨材を必須成分とするものである。
【0008】
(A)結合剤(以下「(A)成分」という)としては、水溶性樹脂及び水分散性樹脂から選ばれる1種以上が好適である。樹脂の種類としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。これらは1種または2種以上で使用することができる。また、これら結合剤は架橋反応性を有するものであってもよい。架橋反応性を有する結合剤を使用した場合は、塗膜の耐水性、耐候性、耐薬品性等を向上させることができる。
【0009】
(B)粒状骨材(以下「(B)成分」という)としては、自然石、自然石の粉砕物等の天然骨材、及び着色骨材等の人工骨材から選ばれる少なくとも一種以上を好適に使用することができる。具体的には、例えば、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、珪石、珪砂、及びこれらの粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、金属粒等や、それらの表面を着色コーティングしたもの等が挙げられる。骨材の粒径は、通常0.01mm〜10mm、好ましくは0.02〜5mm、より好ましくは0.05〜1mmである。
これら粒状骨材は、(A)結合剤の固形分100重量部に対し、通常30〜1200重量部、好ましくは100〜1000重量部、より好ましくは250〜900重量部、さらに好ましくは400〜800重量部の比率で混合する。粒状骨材をこのような比率で混合すれば、厚膜の塗膜が形成しやすくなり、形成塗膜の重厚感を高めることもできる。
【0010】
本発明の装飾性塗材は、上述の成分に加え、さらに(C)耐破砕性鱗片状着色骨材(以下「(C)成分」という)を混合することによって得られるものである。(C)成分は、その耐破砕性によって、攪拌時等において優れた安定性を発揮し、初期の形状を維持することが可能となる。本発明では、特に、(B)成分が多量に含まれる場合あるいは塗材が高粘度である場合であっても、このような効果を発揮することができる。また、本発明では(C)成分が含まれることにより、平滑性に優れた塗膜を形成することが可能となる。
【0011】
本発明における(C)成分としては、JIS K5600−5−3「耐おもり落下性」のデュポン式試験において、割れが認められないものが使用可能である。なお、この試験では、200×100×0.6mmの鋼板上に(C)成分の一片を載置し、おもりの高さを30cm、おもりの質量を500g、撃ち型及び受け台の寸法を3.18±0.03mmとする。
【0012】
一般に、塗材の製造方法としては、結合剤、骨材、添加剤等の原料を容器内に順次混合し、分散羽根等によって攪拌する方法が採用されている。このときの攪拌は、少なくとも各原料が均一に分散される状態になるまで行われる。粒状骨材を多量に含む高粘度塗材を製造する場合には、特に、各原料に大きな負荷がかかるため、攪拌に対する十分な安定性が要求される。
これに対し、本発明では、上述の条件を満たすような(C)成分を使用することで、攪拌に対する安定性を確保し、従来困難であった鱗片状骨材の導入を可能にしたのである。
【0013】
(C)成分としては、上述のような性質を有するものであれば、その素材は特に限定されず、例えばゴム片、軟質プラスチック片、金属片、無機質鉱物片等を使用することができる。
(C)成分は、平均長径が1〜10mm、平均厚みが0.01〜0.5mmであるものが好適である。このような大きさの鱗片状骨材を使用することにより、多彩感を有する塗膜を形成することができ、塗膜の平滑性をより高めることもできる。また、本発明ではこのような大きな鱗片状骨材であっても、攪拌時等における破砕を防止することができる。
(C)成分の混合比率は、(A)結合剤の固形分100重量部に対し、通常1〜100重量部、好ましくは10〜80重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。
【0014】
本発明における(C)成分としては、バインダーとして軟質樹脂を含む表面処理剤で表面被覆された雲母片(以下「(C−1)成分」という)が好適である。このような(C−1)成分を使用すれば、より自然石に類似した多彩感を得ることができる。
【0015】
軟質樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。
軟質樹脂のガラス転移温度は通常40℃以下、好ましくは0〜40℃、より好ましくは0〜20℃である。このようなガラス転移温度を有する軟質樹脂を使用すれば、攪拌時等における破砕をより確実に抑制することができる。なお、本発明におけるガラス転移温度は、Foxの計算式により求められる値である。
【0016】
雲母片に着色を施す場合には、上述のバインダーに加えて着色材料を含む表面処理剤を使用すればよい。このような着色材料は、所望の色相に応じて選択することができる。具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の金属酸化物、その他カーボンブラック、モリブデンレッド、コバルトブルー、マンガンバイオレット、紺青、群青等の無機質顔料;フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ジオキサジン系顔料等の有機質顔料;アルミニウム、ニッケル、ステンレス等の金属粉顔料;パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等の特殊顔料;塩基性染料、酸性染料、直接染料、建染染料、分散染料、反応染料、けい光染料などの各種染料等が使用可能である。これらは1種または2種以上で使用することができる。
【0017】
このような表面処理剤で雲母片を被覆する方法としては、本発明の効果が損われない限り、公知の方法を採用することができる。例えば、雲母片、軟質樹脂、及び必要に応じ着色材料、添加剤等を一度に攪拌混合し、雲母片が凝集しないように攪拌するかまたは振動を与え、乾燥器等で乾燥する方法、あるいは、予め雲母片と軟質樹脂とを混合して雲母片を軟質樹脂で被覆した後、軟質樹脂、及び必要に応じ着色材料、添加剤等を順次または一度に混合し、乾燥する方法等が挙げられる。
【0018】
本発明塗材の粘度は、通常100〜2000Pa・s、好ましくは200〜1500Pa・s、さらに好ましくは300〜1000Pa・sである。塗材の粘度がこのような範囲内であれば、厚膜の塗膜が形成でき、重厚感を有する仕上りを得ることができる。塗材の粘度が低すぎる場合は、厚膜塗装を行うとタレが生じてしまう。粘度が高すぎる場合は、平滑な塗膜を形成することが困難となり、また塗装作業性も低下する。なお、本発明における粘度は、温度23℃下においてBH型粘度計で回転数を2rpmとして測定したときの値である。
塗材の粘度を上述の範囲内に調整するためには、増粘剤等を適宜使用することができる。この他、本発明の塗材には通常使用可能な添加剤、例えば、着色顔料、体質顔料、繊維、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、水等を混合することもできる。
【0019】
本発明の装飾性塗材は、主として建築物の内外壁面に対して塗付することができる。適用可能な基材としては、例えば、石膏ボード、合板、コンクリート、モルタル、磁器タイル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、石綿セメント板、ALC板、サイディング板、押出成形板、鋼板、プラスチック板等が挙げられる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー等)が施されたものでもよく、既に塗膜が形成されたものや、既に壁紙が貼り付けられたもの等であってもよい。
【0020】
本発明塗材の塗付方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、コテ塗り、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等が可能である。塗付量は、特に限定されないが、通常0.5〜5kg/m2である。塗付時には、本発明塗材を水で希釈することもできる。希釈割合は、通常0〜10重量%である。
【0021】
本発明塗材では、通常、塗付後24時間以上の乾燥時間を設けることにより、硬化塗膜を形成することができる。
ここで、塗膜の乾燥前に、吸液材を具備した吸液具を塗膜表面に着脱すれば、塗膜表面の結合剤が適度に吸収され、形成塗膜表面における濡れ色発生を抑制することができ、より自然な仕上外観が得られる。この際、本発明では、塗膜中に含まれる鱗片状骨材の作用によって、塗膜内部の結合剤が過度に吸収されるのを防止することができる。このため、形成塗膜の強度等を低下させることなく、塗膜表面における濡れ色発生を抑制することができる。
【0022】
吸液具としては、未乾燥状態の塗膜表面に着脱した際に、塗材中の結合剤を吸収できるものであればその形態は特に限定されず、例えばスタンプタイプ、ローラータイプ等を使用することができる。このうち、ローラータイプのものを使用すると、簡便かつ迅速に作業を行うことができる点、及び塗膜の仕上り性をより高めることができる点で好適である。ローラーとしては、表面に吸液材を有する円筒状の芯材と、芯材を回転可能な状態で支持する軸と、軸に連結された把手を具備するものを使用することができる。吸液材としては、繊維質材またはスポンジ質材からなるものが好適である。
吸液具としてローラーを使用する場合は、ローラーを塗膜表面に接触転動させればよい。作業中に吸液材が飽和状態となった場合は、一旦洗浄して水をきるなどすれば、続けて作業を行うことができる。
吸液具による処理を行った後の塗膜は、そのまま放置して乾燥させればよい。
【0023】
本発明塗材による塗膜を形成した後、必要に応じクリヤー塗料を塗付することもできる。クリヤー塗料としては、例えば、アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、アクリルシリコン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料等が挙げられる。
このようなクリヤー塗料は、艶消し剤の配合等によって艶の程度を調整することができる。また、本発明の効果を阻害しない限り、着色を施すこともできる。クリヤー塗料を塗付する方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等が可能である。
【0024】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0025】
(実施例1)
アクリル樹脂エマルション200重量部(固形分50重量%)、粒状骨材(赤色珪砂:黄色珪砂=1:1の混合物、粒径0.05〜1mm)500重量部、増粘剤(メチルセルロース)3重量部、造膜助剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)30重量部、鉱物油系消泡剤7重量部、鱗片状骨材A(ガラス転移温度10℃のアクリル樹脂とカーボンブラックとを含む着色剤で表面被覆した雲母片、平均長径5mm、平均厚み0.1mm)30重量部を常法によって均一に撹拌混合することにより塗材を製造した。この塗材の23℃における粘度(BH型粘度計で回転数を2rpmとして測定したときの値、以下同様)は、570Pa・sであった。
なお、鱗片状骨材Aについて、下記の方法にて耐破砕性を確認したところ、割れは認められなかった。
【0026】
・耐破砕性試験
JIS K5600−5−3「耐おもり落下性」のデュポン式試験に準じ、200×100×0.6mmの鋼板上に鱗片状骨材の一片を載置し、おもりの高さを30cm、おもりの質量を500g、撃ち型及び受け台の寸法を3.18±0.03mmとして試験を行った。評価は、割れ発生の有無を確認することにより行った。
【0027】
得られた塗材を600ccのプラスチック容器に500g入れ、2インチの分散羽根を取り付けた撹拌機(回転数960rpm)で10分間撹拌した後、予めシーラーが塗装されたアルミニウム板に2kg/m2の塗付量でコテ塗りすることにより塗膜を形成させた。
実施例1では、攪拌による鱗片状骨材の破砕は認められず、多彩感、重厚感を有し、平滑に優れた塗膜を得ることができた。
【0028】
(実施例2)
アクリル樹脂エマルション200重量部(固形分50重量%)、粒状骨材(赤色珪砂:黄色珪砂=1:1の混合物、粒径0.05〜1mm)300重量部、増粘剤(メチルセルロース)3重量部、造膜助剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)30重量部、鉱物油系消泡剤7重量部、鱗片状骨材A30重量部を常法によって均一に撹拌混合することにより塗材を製造した。この塗材の23℃における粘度は、280Pa・sであった。
【0029】
得られた塗材を600ccのプラスチック容器に500g入れ、2インチの分散羽根を取り付けた撹拌機(回転数960rpm)で10分間撹拌した後、予めシーラーが塗装されたアルミニウム板に2kg/m2の塗付量でコテ塗りすることにより塗膜を形成させた。
実施例2では、攪拌による鱗片状骨材の破砕は認められず、多彩感を有し、平滑に優れた塗膜を得ることができた。但し、実施例1に比べ粒状骨材の含有量が少ないため、やや重厚感に劣る外観となった。
【0030】
(実施例3)
アクリル樹脂エマルション200重量部(固形分50重量%)、粒状骨材(赤色珪砂:黄色珪砂=1:1の混合物、粒径0.05〜1mm)500重量部、増粘剤(メチルセルロース)3重量部、造膜助剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)30重量部、鉱物油系消泡剤7重量部、鱗片状骨材A30重量部を常法によって均一に撹拌混合することにより塗材を製造した。この塗材の23℃における粘度は、570Pa・sであった。
【0031】
得られた塗材を600ccのプラスチック容器に500g入れ、2インチの分散羽根を取り付けた撹拌機(回転数960rpm)で10分間撹拌した後、予めシーラーが塗装されたアルミニウム板に2kg/m2の塗付量でコテ塗りした。
その直後、塗膜全面に対し、繊維質吸液材(ポリエステル繊維(毛丈13mm)、幅180mm)を具備したローラーを接触転動させた。その後、24時間乾燥させた。
実施例3では、攪拌による鱗片状骨材の破砕は認められず、多彩感、重厚感を有し、平滑に優れ、さらには濡れ色の発生が抑制された塗膜を得ることができた。
【0032】
(比較例1)
アクリル樹脂エマルション200重量部(固形分50重量%)、粒状骨材(赤色珪砂:黄色珪砂=1:1の混合物、粒径0.05〜1mm)500重量部、増粘剤(メチルセルロース)3重量部、造膜助剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)30重量部、鉱物油系消泡剤7重量部、鱗片状骨材B(ガラス転移温度50℃のアクリル樹脂とカーボンブラックとを含む着色剤で表面被覆した雲母片、平均長径5mm、平均厚み0.1mm)30重量部を常法によって均一に撹拌混合することにより塗材を製造した。この塗材の23℃における粘度は、570Pa・sであった。
なお、鱗片状骨材Bについて、実施例1と同様の方法にて耐破砕性を確認したところ、割れ発生が認められた。
【0033】
得られた塗材を600ccのプラスチック容器に500g入れ、2インチの分散羽根を取り付けた撹拌機(回転数960rpm)で10分間撹拌した後、予めシーラーが塗装されたアルミニウム板に2kg/m2の塗付量でコテ塗りすることにより塗膜を形成させた。
比較例1では、攪拌時に鱗片状骨材が破砕されて塗材全体が黒ずんでしまい、その形成塗膜は意匠性に劣る外観となった。
【0034】
(比較例2)
アクリル樹脂エマルション200重量部(固形分50重量%)、粒状骨材(赤色珪砂:黄色珪砂=1:1の混合物、粒径0.05〜1mm)20重量部、増粘剤(メチルセルロース)3重量部、造膜助剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)30重量部、鉱物油系消泡剤7重量部、鱗片状骨材B30重量部を常法によって均一に撹拌混合することにより塗材を製造した。この塗材の23℃における粘度は、50Pa・sであった。
【0035】
得られた塗材を600ccのプラスチック容器に500g入れ、2インチの分散羽根を取り付けた撹拌機(回転数960rpm)で10分間撹拌した後、予めシーラーが塗装されたアルミニウム板に2kg/m2の塗付量でコテ塗りすることにより塗膜を形成させた。
比較例2では、攪拌による鱗片状骨材の破砕は認められなかったが、その形成塗膜は重厚感に欠ける仕上りとなった。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、重厚感を有し、かつ平滑性に優れた自然石調塗膜が一度の塗装で形成可能な装飾性塗材を得ることができる。
Claims (3)
- 粘度が100〜2000Pa・sである塗材であって、構成成分として、結合剤を固形分で100重量部、粒状骨材を30〜1200重量部、及び耐破砕性鱗片状骨材を1〜100重量部含むことを特徴とする装飾性塗材。
- 耐破砕性鱗片状骨材の平均長径が1〜10mmであることを特徴とする請求項1に記載の装飾性塗材。
- 耐破砕性鱗片状骨材が、バインダーとして軟質樹脂を含む表面処理剤で表面被覆された雲母片であることを特徴とする請求項1または2に記載の装飾性塗材。
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