JP2004174118A - 表皮一体発泡用表皮材の縫製方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】複数の表皮片を接ぎ合わせて表皮材を形成し、この表皮材を袋状に縫製して内部にパッド成形用の発泡液を注入して表皮材にパッドを一体成形する表皮材の縫製方法において、表皮材のミシン縫いの作業性を向上することである。
【構成】ミシン針Aに二本の上糸1A、1Bを通して二本の上糸1A、1Bをミシン針Aの針孔Hの目止め部材としたことを特徴とする。
【選択図】 図3
【構成】ミシン針Aに二本の上糸1A、1Bを通して二本の上糸1A、1Bをミシン針Aの針孔Hの目止め部材としたことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の表皮片を接ぎ合わせて形成する表皮一体発泡用表皮材の縫製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用シートに備えられるヘッドレスト、アームレスト等には、所定形状に裁断した複数の表皮片をミシンで袋状に縫製して表皮材を形成し、この表皮材の内部にパッド成形用の発泡液を注入して、表皮材と一体にパッドを発泡成形したものがある。
【0003】
これは、表皮材の縫製個所におけるミシン針の針孔から発泡液が外部に漏出しないように、種々の対策がとられている。
【0004】
例えば、重ね合わせた表皮片の端縁をオーバーロック縫いしたり(特許文献1参照)、或いは、表皮材の縫い目に沿って柔軟性を有する目止め部材を縫着したり(特許文献2参照)、または、下糸を上糸に対して太くしたものが開示されている(特許文献3参照)。
【0005】
特許文献1 特開平8ー309765号公報
特許文献2 特開平8ー243271号公報
特許文献3 特開平2ー164387号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、以上の針孔からの発泡液の漏出防止は、従来のミシンによる縫製作業に対して別個の縫製作業を要するため、縫製作業の作業性が頗る悪いし、材料費が増大する不具合があった。
【0007】
そこで、本発明は縫製作業が簡単で、前記針孔からの発泡液の外部への漏出を完全に防止し得る表皮一体発泡用表皮材の縫製方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するための本発明に係る表皮一体発泡用表皮材の縫製方法は、前記ミシンのミシン針に二本の上糸を挿通して前記表皮片を接ぎ合わせて縫製することを特徴とする。
【0009】
以上の構成により、上糸を通すミシン針の針孔に二本の上糸が通されるため、針孔が二本の上糸によって塞がれる。また、二本の上糸によって、表皮片の接ぎ合わせた部分の締りが強固になる。従って、上糸のミシン針の針孔からの発泡液の漏出を防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1は表皮材を構成する二枚の表皮片3、4の端末を揃えて重ね合わせ、端末に沿って二本の上糸1A、1Bで表皮片3、4を縫い合わせる状態を示し、表皮片3、4は各々表面側が接合するように重ねて縫製する。
【0011】
以上の二本の上糸1A、1Bは、図2に示すように、一本のミシン針Aの通孔A′に挿通され、ミシン針Aは従来この種の表皮片3、4の縫製用のもの(例えば最大径が18番乃至21番)を使用する。
【0012】
以上のミシンによる表皮片3、4の送りのピッチLは4ミリ以下が好ましく、それ以下にしても良いが、それ以上にすると後述する縫いの締まりが悪くなり、発泡液が漏出する虞れがある。
【0013】
この各ミシン針Aに通す上糸1A、1Bは同一のもので、従来のこの種の縫製に使用する8番程度の径を有するポリエステル糸を使用する。
【0014】
二本の上糸1A、1Bが絡む下糸2は、従来この種の下糸と使用している前記上糸1A、1Bと同一の太さのポリエステル糸で、この一本の下糸2に図3に示すように前記二本の上糸1A、1Bが絡む。
【0015】
なお、前記各表皮片3、4は、所定形状に裁断されており、前記織物、不織布、編物…などからなる表面材31、41と、この表面材31、41の内側に一体に有するスラブウレタンなどの発泡材32、42などから形成されている。
【0016】
また、発泡材32、42の外面には、パッド成形用の発泡液の発泡材32、42内への含浸を防止するために、発泡材32、42の外面を加熱溶融して形成した皮膜33、43などの発泡液の不透過加工を施すか、又は部材が貼着されている。
【0017】
図4は表皮片3、4を前記方法で接ぎ合わせた後、表面材31、41が外側になるように、即ち、各々の縫い代30、40が内側になるように矢印方向に折曲する状態を示す。
【0018】
縫い代30、40を内側にして多数の表皮材(不図示)を接ぎ合わせて袋状に縫製してトリムカバーAを形成し、その内部にフレームCを装着した後、袋状のトリムカバーD内にパッドE成形用の発泡液を注入してパッドEをトリムカバーDと一体成形すると、図6に示す車両用シートのヘッドレストが製造される。
【0019】
このヘッドレストは表皮片3、4の縫製用ミシン針Aによる各針孔Hに二本の上糸1A、1Bが挿込まれ、二本の上糸1A、1Bで縫われる。ミシン縫いによる締りが強くなるため、縫い代30、40が内側になるように袋状に形成し、その内部に発泡液を注入して発泡した際、発泡液が接ぎ合わせ個所に浸透し難くなるし、また、二本の上糸で針孔Hを埋めて塞ぐ目止め部材となるので、針孔Hからの前記発泡液の外部への漏出を完全に防止できる。
【0020】
なお、図5に示すものは表皮一体発泡製品としてヘッドレストを示すが、アームレストなどの表皮材の縫製方法にも最適に使用できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係る表皮一体発泡用表皮材の縫製方法によれば、従来のこの種の表皮材縫製用ミシンをそのまま使用して従来のミシン縫いでミシン針の針孔からの発泡液の漏出を防止できる縫製が可能となる。
従って、前記公知方法による縫製方法に対して、縫製作業が簡単になるし、材料費の増大を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法を示す部分斜視図である。
【図2】本発明に使用するミシン針に上糸を挿通した状態の斜視図である。
【図3】要部の断面図である。
【図4】図3に示す部分の断面図である。
【図5】本発明方法によって縫製した表皮材を使用して形成したヘッドレストの断面図である。
【符号の説明】
A ミシン針
H 針孔
1A 上糸
1B 上糸
2 下糸
3 表皮片
4 表皮片
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の表皮片を接ぎ合わせて形成する表皮一体発泡用表皮材の縫製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用シートに備えられるヘッドレスト、アームレスト等には、所定形状に裁断した複数の表皮片をミシンで袋状に縫製して表皮材を形成し、この表皮材の内部にパッド成形用の発泡液を注入して、表皮材と一体にパッドを発泡成形したものがある。
【0003】
これは、表皮材の縫製個所におけるミシン針の針孔から発泡液が外部に漏出しないように、種々の対策がとられている。
【0004】
例えば、重ね合わせた表皮片の端縁をオーバーロック縫いしたり(特許文献1参照)、或いは、表皮材の縫い目に沿って柔軟性を有する目止め部材を縫着したり(特許文献2参照)、または、下糸を上糸に対して太くしたものが開示されている(特許文献3参照)。
【0005】
特許文献1 特開平8ー309765号公報
特許文献2 特開平8ー243271号公報
特許文献3 特開平2ー164387号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、以上の針孔からの発泡液の漏出防止は、従来のミシンによる縫製作業に対して別個の縫製作業を要するため、縫製作業の作業性が頗る悪いし、材料費が増大する不具合があった。
【0007】
そこで、本発明は縫製作業が簡単で、前記針孔からの発泡液の外部への漏出を完全に防止し得る表皮一体発泡用表皮材の縫製方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するための本発明に係る表皮一体発泡用表皮材の縫製方法は、前記ミシンのミシン針に二本の上糸を挿通して前記表皮片を接ぎ合わせて縫製することを特徴とする。
【0009】
以上の構成により、上糸を通すミシン針の針孔に二本の上糸が通されるため、針孔が二本の上糸によって塞がれる。また、二本の上糸によって、表皮片の接ぎ合わせた部分の締りが強固になる。従って、上糸のミシン針の針孔からの発泡液の漏出を防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1は表皮材を構成する二枚の表皮片3、4の端末を揃えて重ね合わせ、端末に沿って二本の上糸1A、1Bで表皮片3、4を縫い合わせる状態を示し、表皮片3、4は各々表面側が接合するように重ねて縫製する。
【0011】
以上の二本の上糸1A、1Bは、図2に示すように、一本のミシン針Aの通孔A′に挿通され、ミシン針Aは従来この種の表皮片3、4の縫製用のもの(例えば最大径が18番乃至21番)を使用する。
【0012】
以上のミシンによる表皮片3、4の送りのピッチLは4ミリ以下が好ましく、それ以下にしても良いが、それ以上にすると後述する縫いの締まりが悪くなり、発泡液が漏出する虞れがある。
【0013】
この各ミシン針Aに通す上糸1A、1Bは同一のもので、従来のこの種の縫製に使用する8番程度の径を有するポリエステル糸を使用する。
【0014】
二本の上糸1A、1Bが絡む下糸2は、従来この種の下糸と使用している前記上糸1A、1Bと同一の太さのポリエステル糸で、この一本の下糸2に図3に示すように前記二本の上糸1A、1Bが絡む。
【0015】
なお、前記各表皮片3、4は、所定形状に裁断されており、前記織物、不織布、編物…などからなる表面材31、41と、この表面材31、41の内側に一体に有するスラブウレタンなどの発泡材32、42などから形成されている。
【0016】
また、発泡材32、42の外面には、パッド成形用の発泡液の発泡材32、42内への含浸を防止するために、発泡材32、42の外面を加熱溶融して形成した皮膜33、43などの発泡液の不透過加工を施すか、又は部材が貼着されている。
【0017】
図4は表皮片3、4を前記方法で接ぎ合わせた後、表面材31、41が外側になるように、即ち、各々の縫い代30、40が内側になるように矢印方向に折曲する状態を示す。
【0018】
縫い代30、40を内側にして多数の表皮材(不図示)を接ぎ合わせて袋状に縫製してトリムカバーAを形成し、その内部にフレームCを装着した後、袋状のトリムカバーD内にパッドE成形用の発泡液を注入してパッドEをトリムカバーDと一体成形すると、図6に示す車両用シートのヘッドレストが製造される。
【0019】
このヘッドレストは表皮片3、4の縫製用ミシン針Aによる各針孔Hに二本の上糸1A、1Bが挿込まれ、二本の上糸1A、1Bで縫われる。ミシン縫いによる締りが強くなるため、縫い代30、40が内側になるように袋状に形成し、その内部に発泡液を注入して発泡した際、発泡液が接ぎ合わせ個所に浸透し難くなるし、また、二本の上糸で針孔Hを埋めて塞ぐ目止め部材となるので、針孔Hからの前記発泡液の外部への漏出を完全に防止できる。
【0020】
なお、図5に示すものは表皮一体発泡製品としてヘッドレストを示すが、アームレストなどの表皮材の縫製方法にも最適に使用できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係る表皮一体発泡用表皮材の縫製方法によれば、従来のこの種の表皮材縫製用ミシンをそのまま使用して従来のミシン縫いでミシン針の針孔からの発泡液の漏出を防止できる縫製が可能となる。
従って、前記公知方法による縫製方法に対して、縫製作業が簡単になるし、材料費の増大を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法を示す部分斜視図である。
【図2】本発明に使用するミシン針に上糸を挿通した状態の斜視図である。
【図3】要部の断面図である。
【図4】図3に示す部分の断面図である。
【図5】本発明方法によって縫製した表皮材を使用して形成したヘッドレストの断面図である。
【符号の説明】
A ミシン針
H 針孔
1A 上糸
1B 上糸
2 下糸
3 表皮片
4 表皮片
Claims (1)
- 所定形状に裁断された複数の表皮片をミシンで接ぎ合わせて形成する表皮一体発泡用表皮材の縫製方法において、
前記ミシンのミシン針に二本の上糸を挿通して前記表皮片を接ぎ合わせて縫製することを特徴とする表皮一体発泡用表皮材の縫製方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002346607A JP2004174118A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 表皮一体発泡用表皮材の縫製方法 |
US10/733,202 US6845725B2 (en) | 2002-11-29 | 2003-12-11 | Method for sewing together covering elements adapted to undergo foaming process |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002346607A JP2004174118A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 表皮一体発泡用表皮材の縫製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004174118A true JP2004174118A (ja) | 2004-06-24 |
Family
ID=32707431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002346607A Pending JP2004174118A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 表皮一体発泡用表皮材の縫製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004174118A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114906025A (zh) * | 2021-02-08 | 2022-08-16 | 株式会社泰极爱思 | 表皮、成形品及车辆用座椅 |
-
2002
- 2002-11-29 JP JP2002346607A patent/JP2004174118A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114906025A (zh) * | 2021-02-08 | 2022-08-16 | 株式会社泰极爱思 | 表皮、成形品及车辆用座椅 |
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