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JP2004159460A - 回転電機のステータ - Google Patents

回転電機のステータ Download PDF

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JP2004159460A
JP2004159460A JP2002324297A JP2002324297A JP2004159460A JP 2004159460 A JP2004159460 A JP 2004159460A JP 2002324297 A JP2002324297 A JP 2002324297A JP 2002324297 A JP2002324297 A JP 2002324297A JP 2004159460 A JP2004159460 A JP 2004159460A
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JP2002324297A
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Toshiichi Kato
敏一 加藤
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

【課題】従来と同等の発電特性を得ながら、導体セグメントが収容されるスロットの深さを減少させ、それによってステータコアの外径を小さくすることができるステータを提供することを目的とする。
【解決手段】回転電機のステータ20は、ステータコア21と、複数の導体セグメント30,40とから成る。ステータコアは、環状部22と、複数のスロット26を区画する複数の歯部23とを有する。導体セグメントは一端のU字形状のターン部31,41と、他端の一対の接合部36,37,46,47と、スロットに収容された中間の一対の収容部33,34,43,44とを含む。各スロットの奥側26bの円周方向長さは開口側26aの円周方向長さよりも長く、収容部43,44及び収容部33,34の円周方向長さはスロットの円周方向長さに対応している。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機のステータ、特にそのステータコアのスロットの形状、即ちスロットに収容される導体セグメントの一対の収容部の断面形状に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転電機の一種に車両用交流発電機(オルタネータ)がある。オルタネータはハウジング、ハウジングに固定され電機子として機能する固定子(ステータ)、ハウジングに回転可能に支持されかつステータと対向し界磁子として機能する回転子(ロータ)、及び交流電力を直流電力に変換する整流器から成る。
【0003】
このうちステータは固定子鉄心(ステータコア)と固定子巻線(ステータコイル)とを含む。ステータコアは環状部(ヨーク)と、その内周面から内向きに突出し多数のスロットを区画する多数の歯部(ティース)とを有する。各スロット内に複数本のステータコイルが収容されている。
【0004】
ステータコイルは種々の方法でスロット内に収容される。従来は連続した(1本の)ステータコイルを矩形パルス状に屈曲させ、ステータコアの一端面から突出した一端湾曲部と、他端面側から突出した他端湾曲部と、両者の間で軸方向に延びる接合部(収容部)を形成する。そして、この屈曲したステータコイルをステータコアのスロットに開口側から奥側に、即ち半径方向に挿入していた。その際、挿入を容易にする等の理由から、ステータコイルは断面丸形状であった。
【0005】
近年、車両の電動化に伴い、オルタネータにはより大きな出力が要求され、出力を上げるためにはステータコイルの抵抗を減らすことが必要である。上記連続したしかも断面丸形状のステータコイルをスロットに挿入した場合、丸形状の収容部同士間や収容部とスロットの角部との間に隙間ができ、更に収容部の外径がスロットの開口部の大きさにより制約される等の不具合がある。
【0006】
そこで本願の出願人は先に、ステータコイルを分割した多数の導体セグメントとすると共に、収容部の断面形状を角形(矩形状)としたステータを出願した(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−37132号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示す従来例では、2本の導体セグメント110及び115は全体として松葉形状を有し、それぞれ一対のほぼ断面正方形で同形状の収容部111、112及び116,117を含む。収容部111、112がステータコア120のスロット121の開口側に、収容部116,117がが奥側に収容されている。これに対応して、スロット121の幅は全深さにわたって均一とされている。その結果、歯部122の幅は先端側(内周側)で狭く、根元側(外周側)で広くなっている。
【0009】
歯部122は磁力線の通路となるので、磁気回路の形成上は歯部122の幅は広い方が望ましい。しかるに、従来例では先端側の幅が狭い。先端側の幅を広くすると、スロット121の開口側の幅が狭くなり、先端側に収容される導体セグメント110の収容部111,112の幅が狭くなる。この場合、必要な発電特性を得るためには、導体セグメント110,115の収容部111,112,116,117の厚さを大きくし、スロット121の深さを深くすることが必要となる。それでは、ステータコア120ひいてはステータの半径方向長さが増加する。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、従来と同等の発電特性を持ちながら、スロットの半径方向長さ(深さ)が減少され、それによってステータコアの外径が小さくできる、回転電機のステータを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の発明者はステータコイルが複数の導体セグメントから成るステータにおいて、発電特性を低下させることなくステータコアのスロットの深さを減少させる方策について研究した。その結果、スロットの開口側と奥側とで円周方向長さ(幅)を異ならせ、それに対応して導体セグメントの収容部の断面形状を変えることを思い付い付いて、本発明を完成した。
【0012】
本願の第1発明に係るステータは、請求項1に記載したように、環状部と、環状部の内周面から内向きに突出し複数のスロットを区画する複数の歯部とを有するステータコアと;一端のU字形状のターン部、他端の一対の接合部、及びスロットに収容された中間の一対の収容部とを含み松葉形状を有する複数本の導体セグメントと;から成る回転電機のステータにおいて、各スロットの奥側の円周方向長さは開口側の円周方向長さよりも長く、奥側の収容部及び開口側の収容部の幅はスロットの円周方向長さに対応していることを特徴とする。
【0013】
このステータにおいて、スロットはその奥側に、厚さが小さい断面形状の収容部を持つ導体セグメントを収容するのに適している。請求項2のステータは、請求項2において、各前記歯部の円周方向長さは、先端側から根本側にかけて一定とされている。
【0014】
第2発明に係るステータは、請求項3に記載したように、環状部と、環状部の内周面から内向きに突出し複数のスロットを区画する複数の歯部とを有するステータコアと;一端のU字形状のターン部、他端の一対の接合部、及びスロットに収容された中間の一対の収容部を含み松葉形状を有する複数本の導体セグメントと;から成る回転電機のステータにおいて、スロットの奥側の収容部の厚さは開口側の収容部の厚さよりも短く、スロットの半径方向長さは最奥部の収容部に対応していることを特徴とする。
【0015】
このステータにおいて、スロットの奥側の導体セグメントの収容部は短い厚さを持つ、即ち全体的に幅方向に細長い断面形状を持つ。よって、厚さが薄い分スロットの奥側の深さを浅くすることができる。
【0016】
請求項4のステータコアは、請求項3において、スロットの奥側の収容部の幅は開口側の収容部の幅よりも長い。請求項5のステータコアは請求項4において、スロット内で隣接する2つの収容部毎に同じ断面正方形状又は断面矩形状を持つ。請求項6のステータコアは、請求項5において、最も開口側の導体セグメントの2つの収容部は断面正方形状で、それ以外の導体セグメントの2つの収容部は幅が厚さよりも長い断面矩形状を持つ。
【0017】
請求項7のステータコアは、請求項5において、開口側の第1導体セグメントの2つの収容部と奥側の第2導体セグメントの2つの収容部とが同じ断面矩形状を持ち、第1導体セグメントの収容部はその長辺がスロットの半径方向を向き、第2導体セグメントの収容部はその長辺が円周方向を向いている。請求項8のステータコアは、請求項6又は7において複数の収容部は全て同じ断面積を持つ。
【0018】
【発明の実施の形態】
<回転電機、ステータ>
本発明の回転電機は交流モータや交流発電機を含む。例えば交流発電機はハウジング、ステータ、及びロータ等を含む。ステータのステータコアの歯部及びスロットの複数は相数により決まる。たとえば三相の場合3の倍数である。
<ステータコア、ステータコイル>
ステータはステータコアとステータコイルとを含む。ステータコアの複数の歯部及び複数のスロットは全て同じ形状とし、スロットの幅は開口側(内周側)が狭く、奥側(外周側)が広いことが望ましい。このようにすれば、隣接するスロット間の歯部の幅は半径方向全体においてほぼ一定となる。ステータコイルはスロット内に収容された複数の導体セグメントから成る。
<導体セグメント>
各導体セグメントは全体として松葉形状を持ち、長手方向で一端のU字形状のターン部と、これに連なる中間の一対の収容部と、これに連なる他端の一対の接合部とを含む。収容部がステータコアの異なるスロットに収容され、ターン部が一端面から軸方向に突出し、接合部が他端面から突出している。
▲1▼導体セグメント、収容部の個数
各導体セグメントの一方の収容部と他方の収容部とは円周方向に離れたスロットに収容される。その結果、各スロットには4本の導体セグメントのそれぞれ一方又は他方の収容部即ち4つの収容部、又は8本の導体セグメントのそれぞれ一方又は他方の収容部、即ち8つの収容部が収容される。
▲2▼収容部の断面形状
スロットの開口側の収容部の断面形状は、正方形、厚さが幅よりも大きい(幅が厚さよりも小さい)矩形状、又は幅が厚さよりも大きい(厚さが幅よりも小さい)矩形状の何れでも良い。スロットの奥側の収容部の断面形状は、正方形又は幅が厚さよりも大きい(厚さが幅よりも小さい)矩形状の何れでも良い。
【0019】
収容部の幅及び/又は厚さは1つづつ異なっても良いし、2つ毎に異なっても良い。前者の場合、導体セグメントの2つの収納部は異なる断面形状を持つことになる。後者については実施例で説明する。収容部の幅はスロットの当該収容部が収容される部分の幅に対応させる。これにより、収容部の外側面がスロットの内側面に近接することになる。
【0020】
各スロット内の全ての収容部の断面積は同じであること(第1タイプ)が望ましいが、異なっても(第2タイプ)良い。第1タイプの場合、スロットの奥側に進むにつれて収容部の断面形状は幅が厚さよりも大きい矩形状となり、開口側に進むにつれて正方形に近い形状となる。第2タイプの場合、例えば図8に示すように、スロット110内への複数の収容部101,102,106及び107の厚さを同じにして、幅を開口側の収容部101から奥側の収容部107に向かって漸増させれば良い。
【0021】
第1タイプの収容部の場合、同じ形状、長さの素材を異なる方向に2つの方向に曲げることにより奥側の導体セグメントと開口側の導体セグメントを形成することができる。
▲3▼接合部
各導体セグメントは2つの接合部を前方にして2つの収容部は2つの異なるスロット内に軸方向から挿入され、その後接合部が円周方向で互いに反対方向に屈曲される。屈曲した一方の接合部は、上記スロットから第1円周方向に所定ピッチ離れたスロット内に収容された収容部の屈曲した接合部と接合される。屈曲した他方の接合部は、上記スロットから第2円周方向に所定ピッチ離れたスロット内に収容された収容部の屈曲した接合部と接合される。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施例>
図1から図4に第1実施例を示す。これは、本発明が三相交流発電機であるオルタネータのステータに適用され、導体セグメントの数が2本の場合である。
(構成)
図1に示すように、オルタネータはハウジング10、ハウジングに固定されたステータ20、ハウジング10に回転可能に支持された回転軸12に取り付けられたロータ16及び整流器(不図示)からなる。ロータ16はロータコイル17とロータコア18とを含む。
【0023】
図1及び図2に示すように、ステータ20はステータコア21と、複数本の導体セグメント30,40を接合して成るステータコイル49とを含む。このうち、ステータコア21は複数の鋼板を積層して成り、環状部(ヨーク)22と、その内周面に円周方向で一定間隔で形成され、内向きに突出している複数の歯部(ティース部)23とを含む。歯部23の幅(円周方向長さ)は先端部(図2で下端部)23aから根本部23bにかけてほぼ一定である。
【0024】
その結果、隣接する歯部23により区画されるスロット26の幅は開口側(図2で下方側)26aが最少で、奥側26bで最大で、その間は漸増している。尚、歯部23の先端部23aには円周方向長さが大きい幅広部23cが形成され、これに対応してスロット26の開口側26aには幅狭部26cが形成されているスロット26には絶縁体28を介して第1,第2,第3及び第4の導体セグメント30,40,130及び140の一方(左方)又は他方(右方)の収容部、即ち4つの収容部33,44,133及び144が収容されている。次に、導体セグメント30、40等について説明する。
【0025】
図3に示すように、第1導体セグメント30は全体として松葉形状を有し、長手方向一端のU字形状のターン部31と、これに連なる中間部の一対の収容部33,34と、これに連なる他端の一対の接合部36、37とを含む。左方の収容部33及び右方の収容部34の断面形状はほぼ正方形である(図2参照)。尚、第2導体セグメント40は第1導体セグメント30と全く同じ構成を持ち、ターン部41、一対の収容部43,44、及び一対の接合部46、47を含む。
【0026】
一方第3導体セグメント130は第1導体セグメント30と同じ形状を有し、一端のU字形状のターン部と、これに連なる中間部の一対の収容部133等と、これに連なる他端の一対の接合部とを含む。ただし、図2から明らかなように、左方の収容部133等の断面形状が第1導体セグメント30の収容部33等の断面形状とは異なり、幅が厚さよりも大きい矩形状である。幅はスロット26の対応する部分の幅と同じである。なお、収容部33等と収容部133等との断面積は同じである。
【0027】
第4導体セグメント140は第2導体セグメント40と全く同じ構成を持ち、ターン部、一対の収容部143等及び一対の接合部を含む。
【0028】
第1導体セグメント30の左方の収容部33はスロット26に、右方の収容部34はスロット26から3つの右方向に離れたスロット226に収容されている。また、第2導体セグメント40の左方の収容部43はスロット26から左方に3つ離れたスロット126に、右方の収容部44はスロット26に収容されている。
【0029】
以上の説明から明らかなように、図2及び図4において、特定のスロット26に左方の収容部33,133が収容されている導体セグメントを第1導体セグメント30及び第3導体セグメント130と呼び、右方の収容部44,144が収容されている導体セグメントを第2導体セグメント40及び第4導体セグメント140と呼ぶ。ここで、第1導体セグメント30と第3導体セグメント130とに関し、収容部33が開口側にある方が第1導体セグメント30で、収容部133が奥側にある方が第3導体セグメント130とする。第2導体セグメント40と第4導体セグメント140とに関しても同様で、収容部44が開口側にある方が第2導体セグメント40で、収容部144が奥側にある方が第4導体セグメント140とする。
【0030】
尚、図4ではスロット26の開口側にある第1導体セグメント30及び第2導体セグメント40のみ図示し、奥側にある第3導体セグメント130及び第4導体セグメント140は図示を省略している。第3導体セグメント130は第1導体セグメント30の背後(図4において紙面の裏側)に位置し、第4導体セグメント140は第2導体セグメント40の背後に位置している。
【0031】
図2から明らかなように、第1導体セグメント30の左方の収容部33がスロット26の最も開口側26aに、第2導体セグメント40が右方の収容部44が開口から2番目に収容されている。第4導体セグメント140の右方の収容部144がスロット26の最奥側26bに収容され、第3導体セグメント130の左方の収容部133が奥側から2番目に収容されている。これから明らかなように、4つの収容部33,44と収容部133及び144の断面形状は2つ毎に異なる。
【0032】
図4に示すように、第1導体セグメント30の左方の接合部36は第1円周方向(図4において左方向)に屈曲され、より左方の第1導体セグメント(不図示)のスロット26から左方に3つ離れたスロット126内に収容された右方の接合部37に接合されている。スロット226内の右方の接合部37は右方向に屈曲されている。第2導体セグメント40の左方の接合部46は左方向に屈曲されている。右方の接合部47は右方に屈曲され、より右方の第2導体セグメント(不図示)の左方の接合部46に接合されている。
【0033】
以上の事情は第3導体セグメント130の左方の接合部133及び右方の接合部134と、第4導体セグメント140の左方の接合部143及び右方の接合部144とについても同様である。
(作用効果)
以上の構成を持つオルタネータの作動は基本的に従来例と同じであるので、説明を割愛する。
【0034】
ステータ20の効果は以下の通りである。先ず、ステータコア21のスロット26の開口側26aと奥側26bとで幅が異なる。これに対応して、開口側26aの第1導体セグメント30の収容部33及び第2導体セグメント40の収容部44は断面正方形であるが、奥側26bの第3導体セグメント130の収容部133及び第4導体セグメント140の収容部144の断面形状は厚さが幅よりも小さく、円周方向に細長い矩形状である。
【0035】
その結果、収容部133、144の断面形状も正方形した場合に比べて、スロット26の深さを浅くでき、ステータコア21の外径を小さくできる。しかも、断面矩形状の収容部133,144の断面積は断面正方形の収容部33,44の断面積と同じである。よって、ステータは収容部133、144の断面形状が正方形の場合と同様の発電特性を持つことができる。
【0036】
また、ステータコア21の歯部23の幅が先端部23aから根本部23bまでほぼ均一である。見方を変えれば、先端部23aの幅が、図9に示した従来例の歯部の先端部の幅よりも大きくなっている。これは、スロット26の開口側26aの収容部33,44の幅を奥側26bの収容部133,144の幅よりも小さくしたことによる。歯部23の先端部23aの幅が広くなり、磁気回路の形成上好都合である。
<第2実施例>
第2実施例を図5及び図6を参照しつつ説明する。第2実施例は、スロット26の開口側26aの第1及び第2導体セグメント50の収容部52、53と、奥側26bの第3及び第4導体セグメント55の収容部57、58とが同じ断面形状を持つ(但し、向きは異なる)点が、第1実施例とは異なる。
【0037】
詳述すると、収容部52、53は厚さが幅よりも大きく半径方向に細長い断面矩形状を持つが、収容部57、58は幅が厚さよりも大きく円周方向に細長い断面矩形状を持つ。収容部52、53と収容部57、58とは長辺及び短辺の長さが等しく、従って面積も等しい。
【0038】
第1及び第2導体セグメント50と第3及び第4導体セグメント55とは同じ素材から製作された。図6に示すように、断面矩形状で所定長さを持つ素材60の両端部61、62を矢印Aで示す幅方向に変形させると第1及び第2導体セグメント50が得られる。これに対して、両端部61、62を矢印Bで示す高さ向に変形させると第3及び第4導体セグメント55が得られる。
【0039】
第2実施例によれば、第1実施例の効果に加えて、第1及び第2導体セグメント50並びに第3及び第4導体セグメント55の製作コストが低減できる効果が得られる。
<第3実施例>
図7に示す第3実施例は、比較的作動電圧が高いステータコア65に適用され、1つのスロット66に4本の導体セグメント70、74、78及び82即ち8つの収容部71、72、75、76、79、80、83及び84が収容されている点が、第1実施例とは異なる。
【0040】
最も開口側の第1及び第2導体セグメント70の収容部71、72の断面形状はほぼ正方形であり、2番目の第3及び第4導体セグメント74の収容部75、76の断面形状は幅が厚さよりも少し大きい矩形状である。開口側から3番目の第5及び第6導体セグメント78の収容部79、80の断面形状は幅が厚さよりも相当大きい矩形状であり、最も奥側の第7及び第8導体セグメント82の収容部83、84の断面形状は幅が厚さよりも遙かに大きい矩形状である。このように、8つの収容部71から84は2つ毎に断面形状が異なる。但し、四種類の収容部71等、75等、79等及び83等の断面積は全て等しい。
【0041】
第3実施例によれば、上記第1実施例の効果に加えて、ステータコア65の長さが大きく、各スロット66内に8本の導体セグメント70、74、78及び82の一方又は他方の収容部71から84が収容されているので、第1実施例等と比較してより大きな発電特性が得られる。
【0042】
尚、上記第1実施例と同じ内径及び外径を持つステータコア21に8本の導体セグメント70から82を収容する場合は、各収容部71から84の断面積を第1実施例の導体セグメント30,40、130及び140の収容部33,44,133及び144等の断面積よりも小さくすれば良い。
【0043】
【発明の効果】
以上述べてきたように、第1発明及び第2発明にかかる回転電機のステータによれば、導体セグメントが収容されるスロットの深さを従来例よりも浅くできるので、ステータコアの外径ひいてはステータの大きさを小さくできる。しかも、浅いスロットの奥側の幅を広くし、この部分に収容される導体セグメントの収容部の断面形状を幅が厚さよりも長い矩形状にすれば、従来例と同等の発電特性を得ることができる。
【0044】
請求項2のステータによれば、歯部の先端部の幅が大きくなり、磁気回路の形成上好都合である。請求項4のステータによれば、スロットの奥側の接合部の発電特性の低下を防止することができる。請求項5のステータによれば、所望の断面形状の2つの接合部が1本の導体セグメントにより製作できる。
【0045】
請求項6のステータによれば、ステータコアのスロットが接合部の収容に適した形状となるとともに歯部がスロット及び磁気回路の形成に適した形状となる。請求項7のステータによれば、2本の導体セグメントの製作が容易になる。請求項8のステータによれば、全ての導体セグメントの発電特性を同等にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を含むオルタネータの要部を示す縦断面図である。
【図2】図1における2−2断面図である。
【図3】図2における導体セグメントの正面図である。
【図4】第1実施例における各スロット内の導体セグメントの接合関係を説明するために、ステータコアの内周面を帯状に広げて示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す、上記図2に相当する断面図である。
【図6】第2実施例の導体セグメントを素材から製作する方法を示す説明図である。
【図7】本発明の第3実施例を示す、上記図2に相当する断面図である。
【図8】本発明の収容部の実施の形態を示す断面図である
【図9】従来例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
10:ハウジング 16:ロータ
20:ステータ 21:ステータコア
22:環状部 23:歯部
26:スロット 30:第1導体セグメント
31:Uターン部 33,34:収容部
36,37:接合部 40:第2導体セグメント
41:Uターン部 43,44:収容部
46,47:接合部 49:ステータコイル

Claims (8)

  1. 環状部と、該環状部の内周面から内向きに突出し複数のスロットを区画する複数の歯部とを有するステータコアと、
    一端のU字形状のターン部、他端の一対の接合部、及び前記スロットに収容された中間の一対の収容部を含み松葉形状を有する複数本の導体セグメントと、から成る回転電機のステータにおいて、
    各前記スロットの奥側の円周方向長さは開口側の円周方向長さよりも長く、奥側の前記収容部及び開口側の前記収容部の幅は該スロットの円周方向長さに対応していることを特徴とする回転電機のステータ。
  2. 各前記歯部の円周方向長さは、その先端側から根本側にかけて一定である請求項1に記載のステータ。
  3. 環状部と、該環状部の内周面から内向きに突出し複数のスロットを区画する複数の歯部とを有するステータコアと、
    一端のU字形状のターン部、他端の一対の接合部、及び前記スロットに収容された中間の一対の収容部を含み松葉形状を有する複数本の導体セグメントと、から成る回転電機のステータにおいて、
    該スロットの奥側の収容部の厚さは開口側の該収容部の厚さよりも短く、前記スロットの半径方向長さは最奥部の前記収容部に対応していることを特徴とする回転電機のステータ。
  4. 前記スロットの奥側の収容部の幅は、開口側の前記収容部の幅よりも長く、前記スロットの一対の側壁面間の間隔は、複数の前記収容部の幅に対応している請求項3に記載の回転電機のステータ。
  5. 前記スロット内で隣接する2つの前記収容部毎に同じ断面正方形状又は断面矩形状を持つ請求項4に記載のステータ。
  6. 最も開口側の前記導体セグメントの2つの前記収容部は断面正方形状で、それ以外の前記導体セグメントの2つの前記収容部は幅が厚さよりも長い断面矩形状を持つ請求項5に記載のステータ。
  7. 開口側の前記第1導体セグメントの2つの前記収容部と奥側の前記第2導体セグメントの2つの前記収容部とが同じ断面矩形状を持ち、該第1導体セグメントの収容部はその長辺が前記スロットの半径方向を向き、該第2導体セグメントの収容部はその長辺が円周方向を向いている請求項5に記載のステータ。
  8. 複数の前記収容部は全て同じ断面積を持つ請求項6又は7に記載のステータ。
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