JP2004093884A - 異波長多重光の合分波装置並びにこれを利用した光増幅器とase光源 - Google Patents
異波長多重光の合分波装置並びにこれを利用した光増幅器とase光源 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】多数の波長の異なる波長光の合波と分波とを行なう光黄分波装置に関して、合波の際に合波効率が高く、分波の際には分波の効率と共に波長分離度の高い装置を提供する。
【解決手段】装置は、2つの光導波路の間にエバネセント結合部を有する合分波器を多数含み、1つの合分波器の2つの分岐端子が次段の合分波器の集合端に接続して2段以上のツリー構造に光接続して成り、隣接する各信号光波長の間の波長間隔ΔλがΔλである波長列を有する多数の異波長光を合波若しくは分波するもので、ツリー構造の幹側端から枝側端にみて、各段の合分波器の出力特性の波長半周期で表した波長帯域幅が、前段の合分波器の出力特性の波長帯域幅の実質的に2倍とし、且つ初段の合分波器の出力特性の波長帯域幅を上記波長間隔に実質的に等しく設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】装置は、2つの光導波路の間にエバネセント結合部を有する合分波器を多数含み、1つの合分波器の2つの分岐端子が次段の合分波器の集合端に接続して2段以上のツリー構造に光接続して成り、隣接する各信号光波長の間の波長間隔ΔλがΔλである波長列を有する多数の異波長光を合波若しくは分波するもので、ツリー構造の幹側端から枝側端にみて、各段の合分波器の出力特性の波長半周期で表した波長帯域幅が、前段の合分波器の出力特性の波長帯域幅の実質的に2倍とし、且つ初段の合分波器の出力特性の波長帯域幅を上記波長間隔に実質的に等しく設定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長の異なる複数のレーザ光を合波し、またはその合成波を成分光に分波する光多重伝送システム用の光合分波装置に関する。また、本発明は、光合分波装置により合成した複数の励起光で信号光を増幅するファイバ増幅と自然放出光の生成とを提供する異波長光合分波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の伝送光でデータ信号等を送受信する光多重伝送システムにおいて、各伝送光を合波又は分波するのに光合波装置又は分波装置が利用されている。上記システムにおいては、合波装置は、多数の波長の異なる光を、それぞれのファイバにより導入して、効率よく一本の光ファイバ上に合成して多重波長光を出力する装置であり、また、光分波装置は、一本の光ファイバから多重波長成分を含む合成光信号を導入して、各波長光に、効率よく、且つ、一定以上の波長分離度でもって、対応する光ファイバに分離する装置である。
【0003】
従来、波長の異なる2つの光信号については、分波ないし合波を行なう装置に、2つのシングルモードの光クラッドファイバの一部の側部同士を並列して融着延伸し、エバネセント結合部を形成した光ファイバカプラは、広く知られている。
【0004】
さらに、従来の多重波長光信号用の合波装置及び分波装置(以下、合分波装置と称する)について、特開平7−198987号公報には、多数の光ファイバカプラを多段のツリー構造に光接続して、そのツリー構造が、その幹側端に入力された合成光を分波し、波長ごとに分離した光信号をそれぞれの対応する枝側端から出力するようにした分波装置を開示している。この装置であって、入出力をこれとは逆にして、枝側端に多数の光信号を入力して幹側端から合波光を出力する合波装置とすることもできる。
【0005】
この先行技術は、光ファイバカプラの融着延伸部の長さを設定することにより、ファイバカプラの集合端に入力した合成光がそれぞれの分岐端に出力されるとき各出力光の強度とその波長幅を制御することができることを利用している。そして、この装置は、多数の波長の合成光信号を幹側の光ファイバカプラの集合端に入力し、そのカプラが、波長分離境界を境にして2つの分岐端の出力光を高波長域と低波長域に分離する。これら分離された各出力光は、異波長の複数の光をまだ含むので、次段の各光ファイバカプラにそれぞれ入力して、各光ファイバカプラは、その入力光をさらに狭い2つの帯域に分離することを行なっている。こうして、各段のファイバカプラは、ファイバカプラ・ツリーの幹側から枝側に向うほど、分波すべき波長帯域を狭めるように設定されて、ツリーの各枝側端にそれぞれ波長の異なる光信号を出力する。
【0006】
また、特開平6−75139号公報には、2つの波長異なる合成光を分波する光ファイバカプラについて、分岐端における2つの波長光出力の分離比を最適化するために、光ファイバカプラの融着延伸部長さ設定して融着延伸操作を行なう光ファイバカプラの製造方法が、開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ファイバカプラによる分波器において、その出力光の対波長分離特性曲線は、後述のように、カプラの延伸部長さをパラメータにして、一方の分岐端につき、波長に対してほぼSIN2乗関数に類似の周期関数になり、他方の分岐端は、同様にCOS2乗関数類似となり、いずれもその周期は、波長幅を与える。
【0008】
上記の従来装置は、分離すべき波長の帯域を、その半周期の波長幅で以って、二分して、カプラの1つの分岐端から、例えば、高波長域の光を高い効率で出力させ、低波長域の光出力を低減させる(他方の分岐端は、その逆の出力分布である)のであるが、上記周期関数の特性から、出力した低波長域の光の低減が十分でなく、高波長域の出力に、低波長域の光が残留して分離度が低い。同様に、当該他方の分岐端には、低波長域の光出力に高波長域成分の光が含まれ、分離度が低い。そして、これら残留する不要な波長光が、次段以降のファイバカプラの出力特性から、除去されずに最終の枝側端から出力される惧れがある。
【0009】
さらに、従来の合分波装置は、各カプラが、上記の合成光の波長域を二分して、低波長域と高波長域との光を対応する分岐端に出力する際には、光の低波長域が、周期特性の最大値の効率を示す波長領域と必ずしも一致しないので、出力の効率がかなり低くなり、装置の全挿入損失が低下するという問題がある。
【0010】
本願発明は、上記の課題に鑑み、多数のエバネセント結合部を有する合分波器をツリー構造に光結合して成る合分波装置であって、分波装置の光波長分離特性を高めることを目的とするものである。
【0011】
本発明は、また、このようなツリー構造の合分波装置において、分波ないし合波した光の全挿入損失の低減をより少なくしようとするものである。
本発明は、さらに、このような合分波器を、光増幅器又は自然放出光の発振器としての利用可能な光増幅器及びASE光源を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の合分波装置は、エバネセント結合による分布結合による合分波器の2つの分岐端子を次段の合分波器の集合端に接続して2段以上のツリー構造に光接続し、ほぼ等しい波長間隔Δλで配列した波長列の光を合分波するための合分波装置であるが、その特徴は、ツリー構造の幹側端から枝側端にみて、各段の合分波器の出力特性の波長半周期で表した波長帯域幅が、前段の合分波器の出力特性の波長帯域幅の実質的に2倍として、初段の合分波器の出力特性の波長帯域幅を上記波長間隔に実質的に等しく設定したことを特徴とするものである。
【0013】
ここに使用する各合分波器は、出力特性が、2つの分岐端子それぞれに、光の波長に対して一方の分岐端子と集合端の間で、波長に対して透過出力の山と谷を有する周期性を描き、他方の分岐端と集合端との間では、上記波長に対して、逆相になって、透過出力の谷と山を描くように、エバネセント結合部が、設定される。特に、上記の波長対出力特性曲線の山とこれに隣合う谷との間の波長を波長半周期と定め、これを出力特性の波長帯域幅とする。
【0014】
特に、本発明の異波長光合分波装置においては、各段の合分波器の出力特性が、集合端における波長列の光に対して、一方の分岐端には前段の出力の波長列の1つおきの波長光を透過して且つ残部波長列の光を遮断し、他方の分岐端に当該1つおきの波長列の光を遮断し且つ残部波長列の透過させる特性を備えているものが好ましい。
【0015】
本発明の合分波装置は、分波装置においては、ツリー構造の幹側端である初段合分波器に入力の波長列の光は、分離されて、枝側端の各合分波器の各分岐端からそれぞれ対応する1つの波長の光だけを出力することができる。また、合波器としては、枝側端の各合分波器の各分岐端のそれぞれに、波長列中の対応する波長の光のみを入力することにより、効率よく合成波を幹側端から出力することができる。
【0016】
このような各段の各合分波器は、上記波長帯域幅と該各分岐端における波長列の透過及び遮断とを発現するエバネセント結合部の結合長さLを有するものが利用される。
【0017】
さらに、各合分波器には、上記光導波路として光ファイバを含み、エバネセント結合部として2つの光ファイバの融着延伸部を含むファイバカプラが、利用でき、上記の融着延伸部の融着条件やその結合長さLを調整することにより、他の合分波器に対比して上記の透過遮断特性を、相対的に容易に且つ安価に調節することができる。
【0018】
特に、互いに光接続される各段のファイバカプラが、各融着延伸部を成す上記2つの隣接する光ファイバのいずれかにより、スプライス接続部を仲介させることなく、連続的に接続される。この装置は、スプライス接続部(即ち、切断した光フアイバの端部同士を融着した接続部)を備えないので、挿入損失の低減を図ることができる。
【0019】
さらに、全てのファイバカプラは単一の基板に配置されて、異波長合分波装を単一のモジュールとすることができ、小型の装置が構成できる利点がある。
【0020】
各合分波器には、好ましくは、光ファイバに偏波面保存ファイバを用いることができ、出力光、入力光のそれぞれ有する偏光を実質的に維持して結合または分離することができる。
【0021】
この異波長合分波装置は、さらに、上記の各合分波器を構成するファイバのいずれかを希土類添加ファイバとすることができ、希土類添加ファイバによる信号光の光増幅器または自然放出光の発振器として利用できる。希土類添加ファイバは、ツリー構造の幹側端である初段の合分波器の集合端に接続することもできる。さらに、合分波装置をファイバカプラから構成する場合には、増幅器若しくは発振器を成す1本の希土類添加ファイバの一端側が、初段のファイバカプラの融着延伸部を構成するように配置するのがよい。
【0022】
このような希土類添加ファイバを接続した合分波器を光増幅器として利用するには、異波長合分波装置の次段以降の段の合分波器の分岐端に、信号光用ファイバと励起光用ファイバとを接続して、合分波器に接続した上記の希土類添加ファイバにより信号光を増幅する。
【0023】
さらに、自然放出光の発振器としては、異波長合分波装置の次段以降の段の合分波器の分岐端に、励起光用ファイバとを接続して、上記の希土類添加ファイバから自然放出光を出力して、ASE光源として利用するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の合分波装置は、光導波路間にエバネセント結合部を形成した合波器又は分波器を利用するが、このような合分波器は、透光性基体中に2つの光導波路を近接して光交換可能に形成し、2つの導波路の間にエバネセント結合部を構成した光学素子が利用される。合分波器は、エバネセント結合部のいずれか一端側には、2つの光導波路の端部がそれぞれ分岐端として光の入出力に利用するが、これに対して、エバネセント結合部の他方の端部側には、2つの導波路の1つを、ここでは、集合端と呼び、合成波光の入出力に供し、残りの導波路を自由端にしてある。
【0025】
合分波器は、後述の如くエバネセント結合部を適性に調製することにより、それぞれの分岐端から異なる波長の光を入力すれば、エバネセント結合部で合成されて、集合端から合成波が出力され、他方、集合端から異なる波長の光成分を含む合成波を入力すれば、エバネセント結合部において異なる波長光に分離されて、2つの分岐端から別々に出力される。
【0026】
合分波装置は、ツリー構造を成す初段の合分波器の分岐端それぞれに第2段の合分波器列の各合分波器の集合端が接続され、このように、各段の合分波器列の各合分波器の分岐端が、その次段の合分波器列の各合分波器の集合端に接続されている。初段の合分波器の集合端子が、ツリー構造の幹側端と成り、合成光の入出力に接続され、他方、終段の合分波器列の各合分波器の分岐端が、ツリー構造の枝川端として、各対応波長光の入出力に共される。
【0027】
このようなツリー構成の合分波装置においては、合波または分波すべき多数の成分光は、ほぼ一定の波長間隔Δλで、実質的に等間隔に離間した波長列を構成した多重光伝送系を扱う。合分波装置を構成する各段の合分波器について、ツリー構造の幹側端からみて、初段の合分波器は、合分波器の合分波特性の波長半周期Tλ1を、概してΔλに設定し、各段の合分波器列は、その出力特性曲線の波長半周期で表した波長帯域幅が、前段の合分波器の出力特性の波長帯域幅の実質的に2倍に設定されている。
【0028】
分波装置として作用する場合には、上記波長間隔Δλの合成光の入力に対して、初段の分波器の一方の分岐端は、上記波長列の1つおきの波長の光を出力させ、残りの1つの波長列を出力させないで、これら残りの波長列は、他方の分岐端から出力させる。これらの出力は波長間隔が2Δλの波長列を含む。この初段の分波器の分岐端に集合端側を接続する次段の合分波器群である2つの合分波器には、これらは、2Δλ間隔の光が入力されるので、この次段の合分波器の合分波特性の波長半周期Tλ2を、上記波長間隔Δλの約2倍に設定することにより、上記2Δλ間隔の波長列の光は、1つの分岐端からは、さらに、1つおきの波長列の光と、他方の分岐端には、残りの1つおきの波長列の光に分離されて出力される。これら出力波長列は、上記波長間隔Δλの4倍に広がっている。
ここに、波長半周期を上記波長間隔Δλの約2倍に設定するというときには、Δλの2倍の±10%の範囲の変動は許容される。
【0029】
さらに、当該第2段の各分波器の各分岐端には、第3段の各分波器の集合端が接合され、第3段の各合分波器の合分波特性の波長半周期Tλ3を、前段である波長半周期Tλ2の約2倍に、即ち、Δλの約4倍に設定して、同様に、分岐端それぞれから、1つおきに波長列の光のみが分離出力される。このようにして、ツリーの枝側端が、単一の光が分離出力されるように、ツリーの段数を決めることができる。
ここにおいても、約2倍というとき、及び約4倍に設定というときは、いずれも±10%の範囲の変動は、許容できる。
【0030】
合波装置として利用するには、この分波装置とは逆に作用させて、波長列の光は、ツリー構造の枝側端の合波器の分岐端に、それぞれ、ツリーの段数がN段であるとき、各合波器について、同一の合波器の2つの分岐端の間に、波長間隔が2NΔλだけ異なる2つの光を入力すると、波長半周期TλNが2NΔλに設定されているので、2つの信号は、損失なく、波集合端に出力することができる。この出力光は、その前段の各合波器に入力されるが、各合波器の2つの分岐端には、波長間隔が2N−1Δλだけ相異する波長列が入力され、集合端には、波長間隔が、2N−2Δλその合成光が出力される。最終的には、幹側端からは、完全に合成した光が出力される。
【0031】
この発明の装置においては、合波器ないし分波器は、エバネセント結合部より合波器ないし分波器としての出力光強度の波長周期性を具備し、且つその結合長さを設定することにより波長半周期を制御できるものが利用される。このような合波器ないし分波器としては、2本の単一モードファイバのクラッド部同士を部分的に並列して融着延伸してエバネセント結合部を形成したファイバカプラが利用できる。
【0032】
さらに、別の合波器ないし分波器には、透光性の基板(例えば、石英系又はLN系の基板)上に平行な2つの光導波路を形成し、これら2つの導波路の間を光交換可能に近接して配置して、エバネセント結合部を構成したものがある。この場合には、1個の素子基板上に、そうした複数の結合部をツリー構造にして合分波装置を構成することができる。この合分波装置においては、各段の導波路の端部で、ファイバアレイ型部品により光ファイバと接続される。
【0033】
以下の実施形態では、合波器ないし分波器とがファイバカプラである異波長合分波装置の例を示す。図1の異波長合分波装置1は、合分波器に融着延伸部によりエバネセント結合部を作ったファイバカプラ3を用いて、ファイバカプラ3を光学的に接続して3段のツリー構造にいる。この合分波装置は、初段のファイバカプラ21の2つの分岐端子32、33に各々1個づつ第2段のファイバカプラ22a、22bの集合端子30、30を接続し、この段のファイバカプラ22a、22bの2つの分岐端子32、33に、次段(この例は、終段)のファイバカプラ23a〜23dの1つの集合端子30、30を接続している。これにより、合分波装置は、3段の合分波器群21、22、23から構成され、1つの幹側端子に対して8個の枝側端子11が形成され、各枝側端11には、それぞれに異なったレーザ光波長を割り付けたレーザ用の光フアイバー(不図示)が接続される。
【0034】
以下には、ファイバカプラを使用した分波器を例にして、先ず、分波器と動作を示すと、図6と図8に示したように、単一波長λの光を入力Piとして集合端子30に入力したとき、エバネセント結合部において分離されて2つの分岐端子32、33から放出する出力Po1とPo2とは、エバネセント結合部の結合長さL(ファイバカプラでは、コアファイバの(融着延伸部長さ)の周期関数として次式のように表される。即ち、分波器においては、入力側の集合端30のファイバのコア部41がエバネセント結合部34を通して出力側の分岐端子32のファイバ4と直結しているとき、この分岐端32(第1の出力ポート)には、
P(λ)o1= E1・cos2[κ(λ)・L] +E2 (1)
で表される出力P(λ)o1が現れる。
他方、他方の分岐端子33(第2の出力ポート)が、このエバネセント結合部34で、上記のコア部41に添設されて光結合している光フアイバに接続されているとき、この分岐端子33(第2の出力ポート)に現れる出力P(λ)o2は、
P(λ)o2= E1・sin2[κ(λ)・L] +E2 (2)
で与えられる。
【0035】
両式において、κ(λ)は、エバネセント結合部のコア間の相互の光結合係数であるが。伝搬する波長λにも依存する。これらの式は、出力ポートからの出力が、エバネセント結合長さL(ファイバカプラでは、溶融延伸部長さ)の周期関数であり、結合長さLを調節することにより、出力P(λ)o1とP(λ)o2とは、ボートE2から(E1+E2)の間を 周期的に変化する。図8には、上記式(2)により、P(λ)o2が、結合部長さLにより大きく変化することを示している。
【0036】
上記の式(1)、(2)は、式中の係数κ(λ)が波長λの関数であり、波長λの異なる2つの光についての上記の周期関数は、図8に示すように、結合長さLについての周期が異なる。2つの波長λ1、λ2の入力光に対して、結合長Lを変化させたとき、上記の第2の出力ポートの出力が、P(λ1)o2について最大(E1+E2)で、P(λ2)o1について最小E2となる長さL0が存在する(図8参照、この結合長さL0において、上記第1の出力ポートの出力は、これと逆に、P(λ1)o1が最小E2で、P(λ2)o1が最大(E1+E2))。このようにして、2つの波長λ1とλ2により規定された上記結合長さL0を有する分波器は、上記の合成光を、第1出力ポートと、第2の出力ポートとに振り分けて、効率的に分離することができる(逆に、合波器の場合には、上記結合長さLを有する合波器が、上記2つの波長λ1とλ2の各光をそれぞれ分岐端に入力することにより、集合端を出力ポートにして、効率よく合成することができる)。
【0037】
このような分波器の光分離度は、波長λ1光と波長λ2光とについての最高の分離度が各出力ポートにおいてE2/(E1+E2)で与えられる。実際には、入力光の波長λ1とλ2とは上記の出力特性曲線のそれぞれ山波長と谷波長と完全には一致しないので、上記最大の分離度よりも、若干悪くなることはあり得る。また、分波器の光過剰損失は、両ポートの合計出力について、(Po1+Po2)/Piで与えられ、これは、エバネセント結合部の光の透過率を示している。
【0038】
上記の式(1)、(2)において、上記の結合長さLの分波器に、入力光の波長λを広い範囲に変化させて入力したときは、κ(λ)が波長に対して単調変化するので、図7に示す如く、出力ポートからの出力光は波長λに対して周期的変化をする(2つの出力ポートの間では、位相が180度異なって、出力が正反対である)。
【0039】
波長に対するこの出力 特性曲線の周期関数の周期(即ち、波長周期)の半分を合分波特性の波長半周期Tλとする。この値は、最大出力を示す波長と最小出力を示す波長との間の帯域幅を与える。波長半周期Tλを利用して、分波器に2つの波長光λ1、λ2とが入力されたとき、分岐端子のいずれか1つの出力ポートからλ1光だけを出力させ、他のλ2光を出力させないように(他方の出力ポートからは、逆にλ2光を出力させる)、波長半周期Tλと結合長さLを規定することができる。
【0040】
本発明は、ほぼ等波長間隔で配列された一連の多数の波長光を、複数段の分波器群から成るツリー構造の分波装置または合波装置により、各成分光に分波し又は合波するものであるが、幹側端から枝側端に向けて、各段の合波器又は分波器の波長半周期を2倍つづ拡大することにより、分波ないし合波の分離効率又は合波効率を改善するものである。
【0041】
ここに、波長の大きさの順に配列した一連の波長λ1、λ2、λ3、λ4、・・・λnを有する多数の入力光が波長間隔Δλを有しており、初段の分波器は、図2(A)に示すように、その出力特性曲線の上記波長半周期TλがΔλに等しくし、且つ相隣合う波長の一方で出力が最大値を示して他方の波長で最小値を示すように、分波器の結合長さLを設定する。
このとき、上記波長列を分波器の集合端に入力すると、分岐端である2つの出力ポートのそれぞれには、それぞれ出力ポートの出力特性曲線の山に対応する波長の光のみが出力されるので、上記波長列の波長光が互い違いに1つづつ出力されて、λ1、λ3、λ5・・・のグループと、λ2、λ4、λ6・・・のグループとの、2つの波長光グループに分離することができる。この場合、一方の出力ポートの出力波長λ1、λ3、λ5・・・の波長間隔は、Δλの2倍となっている(他方の出力波長λ2、λ4、λ6・・・の波長間隔も同様に2Δλになる)。 そして、第1の出力ポートからの第1のグループ(λ1、λ3、λ5・・・)の出力Po1は、出力特性曲線の最大ピーク値に対応する出力が得られ、第2のグループの波長λ2、λ4、λ6・・・の成分光の出力を最小に抑制することができる(同様に、第2のグループの出力Po2は、第1のグループの波長の出力を最大にし、第1のグループの波長の成分光の出力を最小にすることができる)。
【0042】
ファイバカプラのエバネセント結合部長さLを小さくすると、式(1)、(2)中のκ(λ)Lが小さくなり、従って、波長λの変化に対して、波長半周期Tλ(即ち、波長帯域幅)は、大きくなる。ファイバカプラのこの性質を利用して、次段の分波器の結合部長さLを順次小さくすることにより、上記波長間隔Δλを規定する結合長さLの1/2倍、1/4倍、1/8・・・に設定調節することができ、出力特性曲線の波長半周期Tλが波長間隔Δλの2倍、4倍、8倍・・・などと、一層広い波長帯域幅を有する合分波器を調製することができる。
【0043】
即ち、図2(B)に示すように、上記の例について、上記初段のファイバカプラ21からの出力である波長グループλ1、λ3、λ5・・・の波長光を、波長半周期Tλを波長間隔Δλの2倍に設定した第2段分波器のファイバカプラ22bに入力した時、2つ分岐端子32、33の出力ポートには、λ1、λ5・・・と、λ3、λ7・・・の下位クループに分離する。
同様に、図2(B)において、同様に上記の別の波長グループλ2、λ4、λ6・・・の波長光についても、波長半周期Tλが2Δλである別の分波器のファイバカプラ22aに入力することにより、分岐端子32、33には、2つの下位グループλ2、λ6・・・と、λ4、λ8・・・とに分離して出力される。
【0044】
これらの下位グループの波長列の光、例えば、λ1、λ5・・・は、波長間隔が、上記Δλの4倍となっている。下位グループの波長列は、さらに、波長半周期Tλが4Δλに設定された第3段の分波器23a〜23dに入力することにより、さらに下位のグループ(2次下位グループ)に分離できる。図2(C)は、第3段の各ファイバカプラの波長半周期Tλ3が4Δλに設定され、第3段の各ファイバカプラの特性出力曲線が備えるべき山と谷とを個別的に上記波長列の波長に整合するように設定すれば、第3段のファイバカプラ群がこの波長列をさらに2次下位グループに分離できることを、示している。
【0045】
この第3段の分波器23a〜23dの挙動は、図1において、例えば、上例の第2段からの出力λ1、λ5・・・の波長列は、4Δλの波長半周期を持つ分波器23dにより、2つの出力ポートには、λ1、λ9・・・のグループ、λ5、λ13・・・のグループに分離して出力される。上記下位グループの波長列を4つの分波器により、全て分離すると、8つの2次下位グループの波長列に分離できる。
【0046】
合成入力光が、一連の波長列λ1、λ2、λ3、λ4、・・・λ8の8成分光から成るものであるときは、図1に示す如く、分波装置を分波器3段のツリー構造に配列にすることによって、分波装置により、分波装置の8つの分岐端のそれぞれに、λ1、λ2、λ3、λ4、・・・λ8の対応する1つの波長光波のみを完全に分離して出力することができる。
【0047】
上記の分波装置のツリー構造は、同様にして、合波器としてそのまま利用することができ、図3には、3段ツリー構造の枝側端11への入力波長列列λ1、λ2、λ3、λ4、・・・λ8の、各段におけるその合波過程とを示しおり、ツリーの幹側端10より、合波光が出力される。
【0048】
同様に、四段の分波器群のツリー構造の分波装置を利用すると、一定の波長間隔Δλにある16個の波長列の光を合成し、合成光をほぼ完全に分離することができる。
【0049】
この実施形態において、エバネセント結合を利用した合分波器にファイバカプラを利用し、ファイバカプラが、エバネセント結合では近接して整列した一対のファイバの相互間で光結合させるので、各分岐端についての出力特性曲線の出力透過波長と遮断波長とをそれぞれ、入射波長列の波長に整合させることにより、高い通過効率と、大きな分離比とを得ることができ、さらに、光導波路としての光ファイバを使うので、光ファイバ自体の伝搬損失ないし通過損失を低減することができる利点がある。特に、本発明の合分波装置は、波長が異なっても、各光がファイバカプラ及び光ファイバとを透過する距離が異ならないので、分離された波長光相互は、透過距離の違いによる大きな出力差が生じない利点がある。
【0050】
合分波器としてファイバカプラの調製は、2本の光ファイバを並列に整列して、整列部位をバーナにより局部的に加熱して、双方のクラッド部を融着し、同時に両側から引き伸ばして、溶融したコア部ガラス内で、双方のコア部同士を所定長さに渡って近接させて、エバネセント結合部を構成する。このとき、融着延伸部を長く引き伸ばせば、結合部長さLを大きくでき、結合の波長半周期を小さくできる。そして、最初の溶融する際の条件を変えることにより、各融着延伸部の出力特性曲線の山波長と谷波長とを調節することができる。そこで、各段の合分波器として要する波長列とその波長間隔から必要な波長半周期を勘案して、融着延伸部の引張量を加減して結合部長さLを設定する。この操作は、特開平6−75139号公報に記載の融着延伸法に準じて行なうことができる。
【0051】
各合分波器を構成するファイバカプラは、スプライス接続なしに、光ファイバ上に隣接して構成するのが好ましい。このために、各段のファイバカプラ群を直列接続するファイバカプラの組は、単一の連続ファイバ上に所望の間隔を設けて、各段用の融着延伸部を設けて、ファイバカプラとする。この場合、上記の単一の長いファイバの所定位置に、それぞれ別体のファイバの端部側を並列添設して、融着延伸してすることにより、1組のファイバカプラを構成する、さらに、これらファイバカプラに接続した上記別体のファイバは、これを連続ファイバとして、これにさらに1つ又は2つ以上の別体のフアイバを融着延伸して、ファイバカプラとする。この構造の合分波装置は、ファイバカプラの融着延伸を除いて、ファイバ同士の接続部がないので、スプライス接続による光の損失がない点ですぐれている。
【0052】
このような構成の合分波装置は、一つの基板上に多数の融着延伸部を配置して、実装して構成することができる。これにより、コンパクトな容器に装入固定することができる。図4には、単一の基板50の上に、3つのファイバカプラ21、22を含む2段構成のツリーを、接着材その他で、添着した例を示している。
【0053】
本発明の合波装置は、光増幅器の合波装置として利用することができる。合波装置の幹側端に希土類添加ファイバを接続し、合波装置の枝側端には、2つ以上の励起光源と信号光源を接続して、それらの合成光を希土類添加ファイバに誘導して、光増幅器を構成する。または、2つ以上の励起光源を使用して、希土類添加ファイバに誘導して、希土類添加ファイバを励起し、自然放射させることもできる。
【0054】
この場合、信号光と2つ以上の励起光源とは、Δλの波長間隔で配列できる4つの波長列λ1、λ2、λ3、λ4から選ばれ、例えば、1つの信号光と2つないし3つの励起光を想定して、合波装置は、図4に示すような合波器2段の構成のツリーを利用することができる。これら励起光と信号光から2Δλの波長間隔の波長対を2つ作り(例えば、λ1とλ3の対、及び、λ2とλ4の対)、各対の波長列が、ツリーの枝側端の2つあるファイバカップル22a、22bの所定の2つの分岐端にそれぞれ入力する。これらのファイバカプラは、波長半周期Tλが、おおよそ2Δλに設定されているので、各ファイバカプラの集合端子30には、上記波長対の合成波が高い効率で出力する。各合成波は、波長半周期TλがおおよそΔλに設定されている初段のファイバカプラの2つの分岐端に入力されて、その合成波が集合端、即ち、幹側端に出力される。
【0055】
図5には、合波装置5の幹側端10に、希土類添加ファイバ44が接続されて、光増幅器とした例を示すが、合波装置 からの上記の合成出力は、幹側端10に一端を接続した希土類添加ファイバ14に入力されて、希土類添加ファイバ44内で信号光が、増幅され、希土類添加ファイバの他端から、通常は、光アイソレータ82を介して、光フアイバ4を通じて、別の光回路に放出される。
【0056】
上記の信号光と励起光の合成は、2段のツリー構造について上記の4つの波長の関係を設定しているが、これら波長のいずれかの励起光源を省く形で(図5に示す例の如く)、2つの励起光源と信号光の入力にも実現できる。さらに、信号光の入力を省略して、2つの励起光源のみで実現でき、これは、自然放出光の発振に適用できる。
【0057】
本発明の別の実施形態には、上記の光増幅器又は合波装置には、ツリーを構成する光ファイバ群にファイバの内の少なくとも一つを希土類添加ファイバとして、光増幅器または、自然放出光の発振器として利用することを含む。この場合、希土類添加ファイバは、このファイバの端部側に、別体の光ファイバの側部に並列して融着延伸部を設け、ファイバカプラの一部を構成してもよく、融着接続部における光結合により、希土類添加ファイバに光を直接入射することから、信号光の損失を低減でき、増幅光の特性が低下するのを防止できる利点がある。
【0058】
【実施例】
メトロ用8チャネルの多重伝送系に合分波に使用する合分波装置の例を以下に示す。ここでは、レーザ光源には、狭帯域のDFB半導体レーザを用いて、波長間隔Δλを20nmに設定して、λ1=1470nm、λ2=1490nm、・・・・λ8=1610nmの8波長のレーザ光を利用した例を示す。これらの光信号は、以下に述べる合波装置により、合成し、さらに、その合波した光を、同様の構成による分波装置により各波長光に分離した。
【0059】
合波装置と分波装置は、図1及び図3に示すように、ファイバカプラ3を3段のツリー構成にした。各ファイバカプラ3は、シングルモード光ファイバを用いて調製した。1本の長尺ファイバの長手方向に3箇所、それぞれ別体の同質の光ファイバの端部側を並列して溶融延伸部を作りカプラとするが、さらに、これら別体の光ファイバの中間部位に、更に別体の同質の光ファイバの端部側を溶融延伸して、図1に示す溶融延伸部の配列を作った。このファイバカプラ調製の時に、合波装置(及び分波装置)の幹側端から枝側端に向けて、第1段のファイバカプラ21は、溶融延伸部の長さL1を52mmとして波長半周期Tλ1を20nmにするようにした。第2段のファイバカプラ群22は、溶融延伸部の長さL2を26mmとし、その波長半周期Tλ2を40nmに設定し、第3段のファイバカプラ群23は、同様に、溶融延伸部のの長さL3を13mmとして、Tλ3を80nmに設定した。
これらの合波装置と分波装置は、長さ100mm、直径5mmの容器内に基配置して、適宜接着材料により固定して密閉した。
【0060】
合波装置においては、上記8個の波長の異なるDFB半導体レーザからの光ファイバ(不図示)を、装置の枝側端11に、光ファイバで接続して、幹側端10から合波光として出力した。他方、分波装置においては、上記と分波装置と同様に構成し、上記の合波装置を利用して合波した合波出力光を、光フアイバーにより、上記分波装置の幹側端部10に接続して入力し、この分波装置の8つの枝側端子11から分離した波長光を出力した。
【0061】
測定結果から、各波長光のポート最大入力150mWで、各ポートの挿入損失1.0dB以下、隣接チャネル分離比15dB以上、均一度0.5dB以内、PDLは0.5dB以内の性能を実現することができる。
【0062】
上記実施形態の合分波器は、多重光通信システムにおいて、C−WDM伝送の送信器側合波器として、亦、受信器側の分波器として使用することができることがわかる。
【0063】
次の実施例は、合波装置として、幹側端に希土類添加ファイバを接続して、入力側である枝側端に、信号光と、2つ以上の波長の異なる励起光を入力して、ファイバ増幅器の励起光の合波装置とするものである。この合波装置は、図4に示すように、4つの波長λ1〜λ4の2段の合波器(ファイバカプラ)群のツリー構造により構成されている。
【0064】
一例として、希土類添加ファイバ44をTm(ツリウム)添加ファイバとし、増幅すべき信号光には、1460〜1530nm(Sバンド)光が利用される。このTm添加ファイバ増幅器に利用できる合波装置には、例えば、信号光として、Sバンド内の1500nm光を選択し、図4及び図5において、波長間隔Δλとして約50nmを採ると、第1の励起光源としてλ1=1400nmと、信号光としてλ3=1500nm、第2の励起光源としてλ4=1550nmとする(空きポートλ2=1450nmは入力せず)。このとき、第1段のファイバカプラ21は、波長半周期Tλ1をΔλにほぼ等しく、約50nmに設定し、第2段のファイバカプラ22a、22bの波長半周期Tλ2を、2Δλにほぼ等しく、約100nmに設定する。
【0065】
この合波装置では、信号光λ3=1500nmは、第1の励起光λ1=1400nmと合波され、その合波光に、第2の励起光λ4=1550nmが合波されて、出力光が、幹側端に接続したTm添加ファイバに入力される。Tm添加ファイバ44では、合成波中の励起光が希土類イオンを励起して、信号光の放射強度を高める。増幅光は、この希土類添加ファイバ44の他端から、インライン型アイソレータ82を介して、取り出される。
【0066】
この例は、長波長側の励起光λ4=1550nmが、ファイバガラス中にTmイオンの基底準位から次の下位準位への励起を行ない、短波長側の励起光λ1=1400nmが、この下位準位から高い上位準位への励起を行ない、Tmイオンを、基底準位より更に高いエネルギー準位に励起する。Tmイオンが基底準位に戻る過程で信号光の波長光を増幅し、この際に、励起エネルギーの光変換効率が向上し、増幅度も向上する。このエネルギー変換過程は、同時に、自然放出光も増加させる。
【0067】
特に、合波装置には、信号光を入力せずに、上記の2つの励起光のみを入力して、合波光をTm添加ファイバに入力することができ、希土類添加ファイバは、Tmイオンによる広帯域の自然放出光を放出し、これにより、自然放出光源として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る異波長光の分波装置を示す。
【図2】本発明の実施形態に示した異波長の合分波装置に構成したツリーに使用する各段のファイバカプラの出力特性曲線について、初段のファイバカプラ(A)、第2段のファイバカプラ(B)、及び、第3段のファイバカプラ(C)のそれぞれの特性曲線を示す。
【図3】本発明の実施形態に係る異波長光の光合波装置を示す。
【図4】本発明の実施形態に係る2段構成の異波長光合波装置を示す。
【図5】本発明の実施形態の2段構成の異波長光合波装置を含む光増幅装置の光結線図を示す。
【図6】本発明の実施形態の装置に使用する光合分波器に使用したファイバカプラの断面図を示す。
【図7】本発明の実施形態に使用した光合分波器に使用するファイバカプラの波長対透過出力で示した出力特性曲線を示す。
【図8】本発明の実施形態に使用した光合分波器に使用するファイバカプラの結合部長さ対透過出力で示した出力特性曲線を示す。
【符号の説明】
1 光合分波器
10 幹側端
11 枝側端
21 初段合分波器
22 次段合分波器
23 終段合分波器
3 ファイバカプラ
30 集合端子
31 自由端
32 (第1の)分岐端子
33 (第2の)分岐端子
34 エバネセント結合部
4 光ファイバ
44 希土類添加光ファイバ
50 基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長の異なる複数のレーザ光を合波し、またはその合成波を成分光に分波する光多重伝送システム用の光合分波装置に関する。また、本発明は、光合分波装置により合成した複数の励起光で信号光を増幅するファイバ増幅と自然放出光の生成とを提供する異波長光合分波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の伝送光でデータ信号等を送受信する光多重伝送システムにおいて、各伝送光を合波又は分波するのに光合波装置又は分波装置が利用されている。上記システムにおいては、合波装置は、多数の波長の異なる光を、それぞれのファイバにより導入して、効率よく一本の光ファイバ上に合成して多重波長光を出力する装置であり、また、光分波装置は、一本の光ファイバから多重波長成分を含む合成光信号を導入して、各波長光に、効率よく、且つ、一定以上の波長分離度でもって、対応する光ファイバに分離する装置である。
【0003】
従来、波長の異なる2つの光信号については、分波ないし合波を行なう装置に、2つのシングルモードの光クラッドファイバの一部の側部同士を並列して融着延伸し、エバネセント結合部を形成した光ファイバカプラは、広く知られている。
【0004】
さらに、従来の多重波長光信号用の合波装置及び分波装置(以下、合分波装置と称する)について、特開平7−198987号公報には、多数の光ファイバカプラを多段のツリー構造に光接続して、そのツリー構造が、その幹側端に入力された合成光を分波し、波長ごとに分離した光信号をそれぞれの対応する枝側端から出力するようにした分波装置を開示している。この装置であって、入出力をこれとは逆にして、枝側端に多数の光信号を入力して幹側端から合波光を出力する合波装置とすることもできる。
【0005】
この先行技術は、光ファイバカプラの融着延伸部の長さを設定することにより、ファイバカプラの集合端に入力した合成光がそれぞれの分岐端に出力されるとき各出力光の強度とその波長幅を制御することができることを利用している。そして、この装置は、多数の波長の合成光信号を幹側の光ファイバカプラの集合端に入力し、そのカプラが、波長分離境界を境にして2つの分岐端の出力光を高波長域と低波長域に分離する。これら分離された各出力光は、異波長の複数の光をまだ含むので、次段の各光ファイバカプラにそれぞれ入力して、各光ファイバカプラは、その入力光をさらに狭い2つの帯域に分離することを行なっている。こうして、各段のファイバカプラは、ファイバカプラ・ツリーの幹側から枝側に向うほど、分波すべき波長帯域を狭めるように設定されて、ツリーの各枝側端にそれぞれ波長の異なる光信号を出力する。
【0006】
また、特開平6−75139号公報には、2つの波長異なる合成光を分波する光ファイバカプラについて、分岐端における2つの波長光出力の分離比を最適化するために、光ファイバカプラの融着延伸部長さ設定して融着延伸操作を行なう光ファイバカプラの製造方法が、開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ファイバカプラによる分波器において、その出力光の対波長分離特性曲線は、後述のように、カプラの延伸部長さをパラメータにして、一方の分岐端につき、波長に対してほぼSIN2乗関数に類似の周期関数になり、他方の分岐端は、同様にCOS2乗関数類似となり、いずれもその周期は、波長幅を与える。
【0008】
上記の従来装置は、分離すべき波長の帯域を、その半周期の波長幅で以って、二分して、カプラの1つの分岐端から、例えば、高波長域の光を高い効率で出力させ、低波長域の光出力を低減させる(他方の分岐端は、その逆の出力分布である)のであるが、上記周期関数の特性から、出力した低波長域の光の低減が十分でなく、高波長域の出力に、低波長域の光が残留して分離度が低い。同様に、当該他方の分岐端には、低波長域の光出力に高波長域成分の光が含まれ、分離度が低い。そして、これら残留する不要な波長光が、次段以降のファイバカプラの出力特性から、除去されずに最終の枝側端から出力される惧れがある。
【0009】
さらに、従来の合分波装置は、各カプラが、上記の合成光の波長域を二分して、低波長域と高波長域との光を対応する分岐端に出力する際には、光の低波長域が、周期特性の最大値の効率を示す波長領域と必ずしも一致しないので、出力の効率がかなり低くなり、装置の全挿入損失が低下するという問題がある。
【0010】
本願発明は、上記の課題に鑑み、多数のエバネセント結合部を有する合分波器をツリー構造に光結合して成る合分波装置であって、分波装置の光波長分離特性を高めることを目的とするものである。
【0011】
本発明は、また、このようなツリー構造の合分波装置において、分波ないし合波した光の全挿入損失の低減をより少なくしようとするものである。
本発明は、さらに、このような合分波器を、光増幅器又は自然放出光の発振器としての利用可能な光増幅器及びASE光源を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の合分波装置は、エバネセント結合による分布結合による合分波器の2つの分岐端子を次段の合分波器の集合端に接続して2段以上のツリー構造に光接続し、ほぼ等しい波長間隔Δλで配列した波長列の光を合分波するための合分波装置であるが、その特徴は、ツリー構造の幹側端から枝側端にみて、各段の合分波器の出力特性の波長半周期で表した波長帯域幅が、前段の合分波器の出力特性の波長帯域幅の実質的に2倍として、初段の合分波器の出力特性の波長帯域幅を上記波長間隔に実質的に等しく設定したことを特徴とするものである。
【0013】
ここに使用する各合分波器は、出力特性が、2つの分岐端子それぞれに、光の波長に対して一方の分岐端子と集合端の間で、波長に対して透過出力の山と谷を有する周期性を描き、他方の分岐端と集合端との間では、上記波長に対して、逆相になって、透過出力の谷と山を描くように、エバネセント結合部が、設定される。特に、上記の波長対出力特性曲線の山とこれに隣合う谷との間の波長を波長半周期と定め、これを出力特性の波長帯域幅とする。
【0014】
特に、本発明の異波長光合分波装置においては、各段の合分波器の出力特性が、集合端における波長列の光に対して、一方の分岐端には前段の出力の波長列の1つおきの波長光を透過して且つ残部波長列の光を遮断し、他方の分岐端に当該1つおきの波長列の光を遮断し且つ残部波長列の透過させる特性を備えているものが好ましい。
【0015】
本発明の合分波装置は、分波装置においては、ツリー構造の幹側端である初段合分波器に入力の波長列の光は、分離されて、枝側端の各合分波器の各分岐端からそれぞれ対応する1つの波長の光だけを出力することができる。また、合波器としては、枝側端の各合分波器の各分岐端のそれぞれに、波長列中の対応する波長の光のみを入力することにより、効率よく合成波を幹側端から出力することができる。
【0016】
このような各段の各合分波器は、上記波長帯域幅と該各分岐端における波長列の透過及び遮断とを発現するエバネセント結合部の結合長さLを有するものが利用される。
【0017】
さらに、各合分波器には、上記光導波路として光ファイバを含み、エバネセント結合部として2つの光ファイバの融着延伸部を含むファイバカプラが、利用でき、上記の融着延伸部の融着条件やその結合長さLを調整することにより、他の合分波器に対比して上記の透過遮断特性を、相対的に容易に且つ安価に調節することができる。
【0018】
特に、互いに光接続される各段のファイバカプラが、各融着延伸部を成す上記2つの隣接する光ファイバのいずれかにより、スプライス接続部を仲介させることなく、連続的に接続される。この装置は、スプライス接続部(即ち、切断した光フアイバの端部同士を融着した接続部)を備えないので、挿入損失の低減を図ることができる。
【0019】
さらに、全てのファイバカプラは単一の基板に配置されて、異波長合分波装を単一のモジュールとすることができ、小型の装置が構成できる利点がある。
【0020】
各合分波器には、好ましくは、光ファイバに偏波面保存ファイバを用いることができ、出力光、入力光のそれぞれ有する偏光を実質的に維持して結合または分離することができる。
【0021】
この異波長合分波装置は、さらに、上記の各合分波器を構成するファイバのいずれかを希土類添加ファイバとすることができ、希土類添加ファイバによる信号光の光増幅器または自然放出光の発振器として利用できる。希土類添加ファイバは、ツリー構造の幹側端である初段の合分波器の集合端に接続することもできる。さらに、合分波装置をファイバカプラから構成する場合には、増幅器若しくは発振器を成す1本の希土類添加ファイバの一端側が、初段のファイバカプラの融着延伸部を構成するように配置するのがよい。
【0022】
このような希土類添加ファイバを接続した合分波器を光増幅器として利用するには、異波長合分波装置の次段以降の段の合分波器の分岐端に、信号光用ファイバと励起光用ファイバとを接続して、合分波器に接続した上記の希土類添加ファイバにより信号光を増幅する。
【0023】
さらに、自然放出光の発振器としては、異波長合分波装置の次段以降の段の合分波器の分岐端に、励起光用ファイバとを接続して、上記の希土類添加ファイバから自然放出光を出力して、ASE光源として利用するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の合分波装置は、光導波路間にエバネセント結合部を形成した合波器又は分波器を利用するが、このような合分波器は、透光性基体中に2つの光導波路を近接して光交換可能に形成し、2つの導波路の間にエバネセント結合部を構成した光学素子が利用される。合分波器は、エバネセント結合部のいずれか一端側には、2つの光導波路の端部がそれぞれ分岐端として光の入出力に利用するが、これに対して、エバネセント結合部の他方の端部側には、2つの導波路の1つを、ここでは、集合端と呼び、合成波光の入出力に供し、残りの導波路を自由端にしてある。
【0025】
合分波器は、後述の如くエバネセント結合部を適性に調製することにより、それぞれの分岐端から異なる波長の光を入力すれば、エバネセント結合部で合成されて、集合端から合成波が出力され、他方、集合端から異なる波長の光成分を含む合成波を入力すれば、エバネセント結合部において異なる波長光に分離されて、2つの分岐端から別々に出力される。
【0026】
合分波装置は、ツリー構造を成す初段の合分波器の分岐端それぞれに第2段の合分波器列の各合分波器の集合端が接続され、このように、各段の合分波器列の各合分波器の分岐端が、その次段の合分波器列の各合分波器の集合端に接続されている。初段の合分波器の集合端子が、ツリー構造の幹側端と成り、合成光の入出力に接続され、他方、終段の合分波器列の各合分波器の分岐端が、ツリー構造の枝川端として、各対応波長光の入出力に共される。
【0027】
このようなツリー構成の合分波装置においては、合波または分波すべき多数の成分光は、ほぼ一定の波長間隔Δλで、実質的に等間隔に離間した波長列を構成した多重光伝送系を扱う。合分波装置を構成する各段の合分波器について、ツリー構造の幹側端からみて、初段の合分波器は、合分波器の合分波特性の波長半周期Tλ1を、概してΔλに設定し、各段の合分波器列は、その出力特性曲線の波長半周期で表した波長帯域幅が、前段の合分波器の出力特性の波長帯域幅の実質的に2倍に設定されている。
【0028】
分波装置として作用する場合には、上記波長間隔Δλの合成光の入力に対して、初段の分波器の一方の分岐端は、上記波長列の1つおきの波長の光を出力させ、残りの1つの波長列を出力させないで、これら残りの波長列は、他方の分岐端から出力させる。これらの出力は波長間隔が2Δλの波長列を含む。この初段の分波器の分岐端に集合端側を接続する次段の合分波器群である2つの合分波器には、これらは、2Δλ間隔の光が入力されるので、この次段の合分波器の合分波特性の波長半周期Tλ2を、上記波長間隔Δλの約2倍に設定することにより、上記2Δλ間隔の波長列の光は、1つの分岐端からは、さらに、1つおきの波長列の光と、他方の分岐端には、残りの1つおきの波長列の光に分離されて出力される。これら出力波長列は、上記波長間隔Δλの4倍に広がっている。
ここに、波長半周期を上記波長間隔Δλの約2倍に設定するというときには、Δλの2倍の±10%の範囲の変動は許容される。
【0029】
さらに、当該第2段の各分波器の各分岐端には、第3段の各分波器の集合端が接合され、第3段の各合分波器の合分波特性の波長半周期Tλ3を、前段である波長半周期Tλ2の約2倍に、即ち、Δλの約4倍に設定して、同様に、分岐端それぞれから、1つおきに波長列の光のみが分離出力される。このようにして、ツリーの枝側端が、単一の光が分離出力されるように、ツリーの段数を決めることができる。
ここにおいても、約2倍というとき、及び約4倍に設定というときは、いずれも±10%の範囲の変動は、許容できる。
【0030】
合波装置として利用するには、この分波装置とは逆に作用させて、波長列の光は、ツリー構造の枝側端の合波器の分岐端に、それぞれ、ツリーの段数がN段であるとき、各合波器について、同一の合波器の2つの分岐端の間に、波長間隔が2NΔλだけ異なる2つの光を入力すると、波長半周期TλNが2NΔλに設定されているので、2つの信号は、損失なく、波集合端に出力することができる。この出力光は、その前段の各合波器に入力されるが、各合波器の2つの分岐端には、波長間隔が2N−1Δλだけ相異する波長列が入力され、集合端には、波長間隔が、2N−2Δλその合成光が出力される。最終的には、幹側端からは、完全に合成した光が出力される。
【0031】
この発明の装置においては、合波器ないし分波器は、エバネセント結合部より合波器ないし分波器としての出力光強度の波長周期性を具備し、且つその結合長さを設定することにより波長半周期を制御できるものが利用される。このような合波器ないし分波器としては、2本の単一モードファイバのクラッド部同士を部分的に並列して融着延伸してエバネセント結合部を形成したファイバカプラが利用できる。
【0032】
さらに、別の合波器ないし分波器には、透光性の基板(例えば、石英系又はLN系の基板)上に平行な2つの光導波路を形成し、これら2つの導波路の間を光交換可能に近接して配置して、エバネセント結合部を構成したものがある。この場合には、1個の素子基板上に、そうした複数の結合部をツリー構造にして合分波装置を構成することができる。この合分波装置においては、各段の導波路の端部で、ファイバアレイ型部品により光ファイバと接続される。
【0033】
以下の実施形態では、合波器ないし分波器とがファイバカプラである異波長合分波装置の例を示す。図1の異波長合分波装置1は、合分波器に融着延伸部によりエバネセント結合部を作ったファイバカプラ3を用いて、ファイバカプラ3を光学的に接続して3段のツリー構造にいる。この合分波装置は、初段のファイバカプラ21の2つの分岐端子32、33に各々1個づつ第2段のファイバカプラ22a、22bの集合端子30、30を接続し、この段のファイバカプラ22a、22bの2つの分岐端子32、33に、次段(この例は、終段)のファイバカプラ23a〜23dの1つの集合端子30、30を接続している。これにより、合分波装置は、3段の合分波器群21、22、23から構成され、1つの幹側端子に対して8個の枝側端子11が形成され、各枝側端11には、それぞれに異なったレーザ光波長を割り付けたレーザ用の光フアイバー(不図示)が接続される。
【0034】
以下には、ファイバカプラを使用した分波器を例にして、先ず、分波器と動作を示すと、図6と図8に示したように、単一波長λの光を入力Piとして集合端子30に入力したとき、エバネセント結合部において分離されて2つの分岐端子32、33から放出する出力Po1とPo2とは、エバネセント結合部の結合長さL(ファイバカプラでは、コアファイバの(融着延伸部長さ)の周期関数として次式のように表される。即ち、分波器においては、入力側の集合端30のファイバのコア部41がエバネセント結合部34を通して出力側の分岐端子32のファイバ4と直結しているとき、この分岐端32(第1の出力ポート)には、
P(λ)o1= E1・cos2[κ(λ)・L] +E2 (1)
で表される出力P(λ)o1が現れる。
他方、他方の分岐端子33(第2の出力ポート)が、このエバネセント結合部34で、上記のコア部41に添設されて光結合している光フアイバに接続されているとき、この分岐端子33(第2の出力ポート)に現れる出力P(λ)o2は、
P(λ)o2= E1・sin2[κ(λ)・L] +E2 (2)
で与えられる。
【0035】
両式において、κ(λ)は、エバネセント結合部のコア間の相互の光結合係数であるが。伝搬する波長λにも依存する。これらの式は、出力ポートからの出力が、エバネセント結合長さL(ファイバカプラでは、溶融延伸部長さ)の周期関数であり、結合長さLを調節することにより、出力P(λ)o1とP(λ)o2とは、ボートE2から(E1+E2)の間を 周期的に変化する。図8には、上記式(2)により、P(λ)o2が、結合部長さLにより大きく変化することを示している。
【0036】
上記の式(1)、(2)は、式中の係数κ(λ)が波長λの関数であり、波長λの異なる2つの光についての上記の周期関数は、図8に示すように、結合長さLについての周期が異なる。2つの波長λ1、λ2の入力光に対して、結合長Lを変化させたとき、上記の第2の出力ポートの出力が、P(λ1)o2について最大(E1+E2)で、P(λ2)o1について最小E2となる長さL0が存在する(図8参照、この結合長さL0において、上記第1の出力ポートの出力は、これと逆に、P(λ1)o1が最小E2で、P(λ2)o1が最大(E1+E2))。このようにして、2つの波長λ1とλ2により規定された上記結合長さL0を有する分波器は、上記の合成光を、第1出力ポートと、第2の出力ポートとに振り分けて、効率的に分離することができる(逆に、合波器の場合には、上記結合長さLを有する合波器が、上記2つの波長λ1とλ2の各光をそれぞれ分岐端に入力することにより、集合端を出力ポートにして、効率よく合成することができる)。
【0037】
このような分波器の光分離度は、波長λ1光と波長λ2光とについての最高の分離度が各出力ポートにおいてE2/(E1+E2)で与えられる。実際には、入力光の波長λ1とλ2とは上記の出力特性曲線のそれぞれ山波長と谷波長と完全には一致しないので、上記最大の分離度よりも、若干悪くなることはあり得る。また、分波器の光過剰損失は、両ポートの合計出力について、(Po1+Po2)/Piで与えられ、これは、エバネセント結合部の光の透過率を示している。
【0038】
上記の式(1)、(2)において、上記の結合長さLの分波器に、入力光の波長λを広い範囲に変化させて入力したときは、κ(λ)が波長に対して単調変化するので、図7に示す如く、出力ポートからの出力光は波長λに対して周期的変化をする(2つの出力ポートの間では、位相が180度異なって、出力が正反対である)。
【0039】
波長に対するこの出力 特性曲線の周期関数の周期(即ち、波長周期)の半分を合分波特性の波長半周期Tλとする。この値は、最大出力を示す波長と最小出力を示す波長との間の帯域幅を与える。波長半周期Tλを利用して、分波器に2つの波長光λ1、λ2とが入力されたとき、分岐端子のいずれか1つの出力ポートからλ1光だけを出力させ、他のλ2光を出力させないように(他方の出力ポートからは、逆にλ2光を出力させる)、波長半周期Tλと結合長さLを規定することができる。
【0040】
本発明は、ほぼ等波長間隔で配列された一連の多数の波長光を、複数段の分波器群から成るツリー構造の分波装置または合波装置により、各成分光に分波し又は合波するものであるが、幹側端から枝側端に向けて、各段の合波器又は分波器の波長半周期を2倍つづ拡大することにより、分波ないし合波の分離効率又は合波効率を改善するものである。
【0041】
ここに、波長の大きさの順に配列した一連の波長λ1、λ2、λ3、λ4、・・・λnを有する多数の入力光が波長間隔Δλを有しており、初段の分波器は、図2(A)に示すように、その出力特性曲線の上記波長半周期TλがΔλに等しくし、且つ相隣合う波長の一方で出力が最大値を示して他方の波長で最小値を示すように、分波器の結合長さLを設定する。
このとき、上記波長列を分波器の集合端に入力すると、分岐端である2つの出力ポートのそれぞれには、それぞれ出力ポートの出力特性曲線の山に対応する波長の光のみが出力されるので、上記波長列の波長光が互い違いに1つづつ出力されて、λ1、λ3、λ5・・・のグループと、λ2、λ4、λ6・・・のグループとの、2つの波長光グループに分離することができる。この場合、一方の出力ポートの出力波長λ1、λ3、λ5・・・の波長間隔は、Δλの2倍となっている(他方の出力波長λ2、λ4、λ6・・・の波長間隔も同様に2Δλになる)。 そして、第1の出力ポートからの第1のグループ(λ1、λ3、λ5・・・)の出力Po1は、出力特性曲線の最大ピーク値に対応する出力が得られ、第2のグループの波長λ2、λ4、λ6・・・の成分光の出力を最小に抑制することができる(同様に、第2のグループの出力Po2は、第1のグループの波長の出力を最大にし、第1のグループの波長の成分光の出力を最小にすることができる)。
【0042】
ファイバカプラのエバネセント結合部長さLを小さくすると、式(1)、(2)中のκ(λ)Lが小さくなり、従って、波長λの変化に対して、波長半周期Tλ(即ち、波長帯域幅)は、大きくなる。ファイバカプラのこの性質を利用して、次段の分波器の結合部長さLを順次小さくすることにより、上記波長間隔Δλを規定する結合長さLの1/2倍、1/4倍、1/8・・・に設定調節することができ、出力特性曲線の波長半周期Tλが波長間隔Δλの2倍、4倍、8倍・・・などと、一層広い波長帯域幅を有する合分波器を調製することができる。
【0043】
即ち、図2(B)に示すように、上記の例について、上記初段のファイバカプラ21からの出力である波長グループλ1、λ3、λ5・・・の波長光を、波長半周期Tλを波長間隔Δλの2倍に設定した第2段分波器のファイバカプラ22bに入力した時、2つ分岐端子32、33の出力ポートには、λ1、λ5・・・と、λ3、λ7・・・の下位クループに分離する。
同様に、図2(B)において、同様に上記の別の波長グループλ2、λ4、λ6・・・の波長光についても、波長半周期Tλが2Δλである別の分波器のファイバカプラ22aに入力することにより、分岐端子32、33には、2つの下位グループλ2、λ6・・・と、λ4、λ8・・・とに分離して出力される。
【0044】
これらの下位グループの波長列の光、例えば、λ1、λ5・・・は、波長間隔が、上記Δλの4倍となっている。下位グループの波長列は、さらに、波長半周期Tλが4Δλに設定された第3段の分波器23a〜23dに入力することにより、さらに下位のグループ(2次下位グループ)に分離できる。図2(C)は、第3段の各ファイバカプラの波長半周期Tλ3が4Δλに設定され、第3段の各ファイバカプラの特性出力曲線が備えるべき山と谷とを個別的に上記波長列の波長に整合するように設定すれば、第3段のファイバカプラ群がこの波長列をさらに2次下位グループに分離できることを、示している。
【0045】
この第3段の分波器23a〜23dの挙動は、図1において、例えば、上例の第2段からの出力λ1、λ5・・・の波長列は、4Δλの波長半周期を持つ分波器23dにより、2つの出力ポートには、λ1、λ9・・・のグループ、λ5、λ13・・・のグループに分離して出力される。上記下位グループの波長列を4つの分波器により、全て分離すると、8つの2次下位グループの波長列に分離できる。
【0046】
合成入力光が、一連の波長列λ1、λ2、λ3、λ4、・・・λ8の8成分光から成るものであるときは、図1に示す如く、分波装置を分波器3段のツリー構造に配列にすることによって、分波装置により、分波装置の8つの分岐端のそれぞれに、λ1、λ2、λ3、λ4、・・・λ8の対応する1つの波長光波のみを完全に分離して出力することができる。
【0047】
上記の分波装置のツリー構造は、同様にして、合波器としてそのまま利用することができ、図3には、3段ツリー構造の枝側端11への入力波長列列λ1、λ2、λ3、λ4、・・・λ8の、各段におけるその合波過程とを示しおり、ツリーの幹側端10より、合波光が出力される。
【0048】
同様に、四段の分波器群のツリー構造の分波装置を利用すると、一定の波長間隔Δλにある16個の波長列の光を合成し、合成光をほぼ完全に分離することができる。
【0049】
この実施形態において、エバネセント結合を利用した合分波器にファイバカプラを利用し、ファイバカプラが、エバネセント結合では近接して整列した一対のファイバの相互間で光結合させるので、各分岐端についての出力特性曲線の出力透過波長と遮断波長とをそれぞれ、入射波長列の波長に整合させることにより、高い通過効率と、大きな分離比とを得ることができ、さらに、光導波路としての光ファイバを使うので、光ファイバ自体の伝搬損失ないし通過損失を低減することができる利点がある。特に、本発明の合分波装置は、波長が異なっても、各光がファイバカプラ及び光ファイバとを透過する距離が異ならないので、分離された波長光相互は、透過距離の違いによる大きな出力差が生じない利点がある。
【0050】
合分波器としてファイバカプラの調製は、2本の光ファイバを並列に整列して、整列部位をバーナにより局部的に加熱して、双方のクラッド部を融着し、同時に両側から引き伸ばして、溶融したコア部ガラス内で、双方のコア部同士を所定長さに渡って近接させて、エバネセント結合部を構成する。このとき、融着延伸部を長く引き伸ばせば、結合部長さLを大きくでき、結合の波長半周期を小さくできる。そして、最初の溶融する際の条件を変えることにより、各融着延伸部の出力特性曲線の山波長と谷波長とを調節することができる。そこで、各段の合分波器として要する波長列とその波長間隔から必要な波長半周期を勘案して、融着延伸部の引張量を加減して結合部長さLを設定する。この操作は、特開平6−75139号公報に記載の融着延伸法に準じて行なうことができる。
【0051】
各合分波器を構成するファイバカプラは、スプライス接続なしに、光ファイバ上に隣接して構成するのが好ましい。このために、各段のファイバカプラ群を直列接続するファイバカプラの組は、単一の連続ファイバ上に所望の間隔を設けて、各段用の融着延伸部を設けて、ファイバカプラとする。この場合、上記の単一の長いファイバの所定位置に、それぞれ別体のファイバの端部側を並列添設して、融着延伸してすることにより、1組のファイバカプラを構成する、さらに、これらファイバカプラに接続した上記別体のファイバは、これを連続ファイバとして、これにさらに1つ又は2つ以上の別体のフアイバを融着延伸して、ファイバカプラとする。この構造の合分波装置は、ファイバカプラの融着延伸を除いて、ファイバ同士の接続部がないので、スプライス接続による光の損失がない点ですぐれている。
【0052】
このような構成の合分波装置は、一つの基板上に多数の融着延伸部を配置して、実装して構成することができる。これにより、コンパクトな容器に装入固定することができる。図4には、単一の基板50の上に、3つのファイバカプラ21、22を含む2段構成のツリーを、接着材その他で、添着した例を示している。
【0053】
本発明の合波装置は、光増幅器の合波装置として利用することができる。合波装置の幹側端に希土類添加ファイバを接続し、合波装置の枝側端には、2つ以上の励起光源と信号光源を接続して、それらの合成光を希土類添加ファイバに誘導して、光増幅器を構成する。または、2つ以上の励起光源を使用して、希土類添加ファイバに誘導して、希土類添加ファイバを励起し、自然放射させることもできる。
【0054】
この場合、信号光と2つ以上の励起光源とは、Δλの波長間隔で配列できる4つの波長列λ1、λ2、λ3、λ4から選ばれ、例えば、1つの信号光と2つないし3つの励起光を想定して、合波装置は、図4に示すような合波器2段の構成のツリーを利用することができる。これら励起光と信号光から2Δλの波長間隔の波長対を2つ作り(例えば、λ1とλ3の対、及び、λ2とλ4の対)、各対の波長列が、ツリーの枝側端の2つあるファイバカップル22a、22bの所定の2つの分岐端にそれぞれ入力する。これらのファイバカプラは、波長半周期Tλが、おおよそ2Δλに設定されているので、各ファイバカプラの集合端子30には、上記波長対の合成波が高い効率で出力する。各合成波は、波長半周期TλがおおよそΔλに設定されている初段のファイバカプラの2つの分岐端に入力されて、その合成波が集合端、即ち、幹側端に出力される。
【0055】
図5には、合波装置5の幹側端10に、希土類添加ファイバ44が接続されて、光増幅器とした例を示すが、合波装置 からの上記の合成出力は、幹側端10に一端を接続した希土類添加ファイバ14に入力されて、希土類添加ファイバ44内で信号光が、増幅され、希土類添加ファイバの他端から、通常は、光アイソレータ82を介して、光フアイバ4を通じて、別の光回路に放出される。
【0056】
上記の信号光と励起光の合成は、2段のツリー構造について上記の4つの波長の関係を設定しているが、これら波長のいずれかの励起光源を省く形で(図5に示す例の如く)、2つの励起光源と信号光の入力にも実現できる。さらに、信号光の入力を省略して、2つの励起光源のみで実現でき、これは、自然放出光の発振に適用できる。
【0057】
本発明の別の実施形態には、上記の光増幅器又は合波装置には、ツリーを構成する光ファイバ群にファイバの内の少なくとも一つを希土類添加ファイバとして、光増幅器または、自然放出光の発振器として利用することを含む。この場合、希土類添加ファイバは、このファイバの端部側に、別体の光ファイバの側部に並列して融着延伸部を設け、ファイバカプラの一部を構成してもよく、融着接続部における光結合により、希土類添加ファイバに光を直接入射することから、信号光の損失を低減でき、増幅光の特性が低下するのを防止できる利点がある。
【0058】
【実施例】
メトロ用8チャネルの多重伝送系に合分波に使用する合分波装置の例を以下に示す。ここでは、レーザ光源には、狭帯域のDFB半導体レーザを用いて、波長間隔Δλを20nmに設定して、λ1=1470nm、λ2=1490nm、・・・・λ8=1610nmの8波長のレーザ光を利用した例を示す。これらの光信号は、以下に述べる合波装置により、合成し、さらに、その合波した光を、同様の構成による分波装置により各波長光に分離した。
【0059】
合波装置と分波装置は、図1及び図3に示すように、ファイバカプラ3を3段のツリー構成にした。各ファイバカプラ3は、シングルモード光ファイバを用いて調製した。1本の長尺ファイバの長手方向に3箇所、それぞれ別体の同質の光ファイバの端部側を並列して溶融延伸部を作りカプラとするが、さらに、これら別体の光ファイバの中間部位に、更に別体の同質の光ファイバの端部側を溶融延伸して、図1に示す溶融延伸部の配列を作った。このファイバカプラ調製の時に、合波装置(及び分波装置)の幹側端から枝側端に向けて、第1段のファイバカプラ21は、溶融延伸部の長さL1を52mmとして波長半周期Tλ1を20nmにするようにした。第2段のファイバカプラ群22は、溶融延伸部の長さL2を26mmとし、その波長半周期Tλ2を40nmに設定し、第3段のファイバカプラ群23は、同様に、溶融延伸部のの長さL3を13mmとして、Tλ3を80nmに設定した。
これらの合波装置と分波装置は、長さ100mm、直径5mmの容器内に基配置して、適宜接着材料により固定して密閉した。
【0060】
合波装置においては、上記8個の波長の異なるDFB半導体レーザからの光ファイバ(不図示)を、装置の枝側端11に、光ファイバで接続して、幹側端10から合波光として出力した。他方、分波装置においては、上記と分波装置と同様に構成し、上記の合波装置を利用して合波した合波出力光を、光フアイバーにより、上記分波装置の幹側端部10に接続して入力し、この分波装置の8つの枝側端子11から分離した波長光を出力した。
【0061】
測定結果から、各波長光のポート最大入力150mWで、各ポートの挿入損失1.0dB以下、隣接チャネル分離比15dB以上、均一度0.5dB以内、PDLは0.5dB以内の性能を実現することができる。
【0062】
上記実施形態の合分波器は、多重光通信システムにおいて、C−WDM伝送の送信器側合波器として、亦、受信器側の分波器として使用することができることがわかる。
【0063】
次の実施例は、合波装置として、幹側端に希土類添加ファイバを接続して、入力側である枝側端に、信号光と、2つ以上の波長の異なる励起光を入力して、ファイバ増幅器の励起光の合波装置とするものである。この合波装置は、図4に示すように、4つの波長λ1〜λ4の2段の合波器(ファイバカプラ)群のツリー構造により構成されている。
【0064】
一例として、希土類添加ファイバ44をTm(ツリウム)添加ファイバとし、増幅すべき信号光には、1460〜1530nm(Sバンド)光が利用される。このTm添加ファイバ増幅器に利用できる合波装置には、例えば、信号光として、Sバンド内の1500nm光を選択し、図4及び図5において、波長間隔Δλとして約50nmを採ると、第1の励起光源としてλ1=1400nmと、信号光としてλ3=1500nm、第2の励起光源としてλ4=1550nmとする(空きポートλ2=1450nmは入力せず)。このとき、第1段のファイバカプラ21は、波長半周期Tλ1をΔλにほぼ等しく、約50nmに設定し、第2段のファイバカプラ22a、22bの波長半周期Tλ2を、2Δλにほぼ等しく、約100nmに設定する。
【0065】
この合波装置では、信号光λ3=1500nmは、第1の励起光λ1=1400nmと合波され、その合波光に、第2の励起光λ4=1550nmが合波されて、出力光が、幹側端に接続したTm添加ファイバに入力される。Tm添加ファイバ44では、合成波中の励起光が希土類イオンを励起して、信号光の放射強度を高める。増幅光は、この希土類添加ファイバ44の他端から、インライン型アイソレータ82を介して、取り出される。
【0066】
この例は、長波長側の励起光λ4=1550nmが、ファイバガラス中にTmイオンの基底準位から次の下位準位への励起を行ない、短波長側の励起光λ1=1400nmが、この下位準位から高い上位準位への励起を行ない、Tmイオンを、基底準位より更に高いエネルギー準位に励起する。Tmイオンが基底準位に戻る過程で信号光の波長光を増幅し、この際に、励起エネルギーの光変換効率が向上し、増幅度も向上する。このエネルギー変換過程は、同時に、自然放出光も増加させる。
【0067】
特に、合波装置には、信号光を入力せずに、上記の2つの励起光のみを入力して、合波光をTm添加ファイバに入力することができ、希土類添加ファイバは、Tmイオンによる広帯域の自然放出光を放出し、これにより、自然放出光源として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る異波長光の分波装置を示す。
【図2】本発明の実施形態に示した異波長の合分波装置に構成したツリーに使用する各段のファイバカプラの出力特性曲線について、初段のファイバカプラ(A)、第2段のファイバカプラ(B)、及び、第3段のファイバカプラ(C)のそれぞれの特性曲線を示す。
【図3】本発明の実施形態に係る異波長光の光合波装置を示す。
【図4】本発明の実施形態に係る2段構成の異波長光合波装置を示す。
【図5】本発明の実施形態の2段構成の異波長光合波装置を含む光増幅装置の光結線図を示す。
【図6】本発明の実施形態の装置に使用する光合分波器に使用したファイバカプラの断面図を示す。
【図7】本発明の実施形態に使用した光合分波器に使用するファイバカプラの波長対透過出力で示した出力特性曲線を示す。
【図8】本発明の実施形態に使用した光合分波器に使用するファイバカプラの結合部長さ対透過出力で示した出力特性曲線を示す。
【符号の説明】
1 光合分波器
10 幹側端
11 枝側端
21 初段合分波器
22 次段合分波器
23 終段合分波器
3 ファイバカプラ
30 集合端子
31 自由端
32 (第1の)分岐端子
33 (第2の)分岐端子
34 エバネセント結合部
4 光ファイバ
44 希土類添加光ファイバ
50 基板
Claims (10)
- 2つの光導波路の間にエバネセント結合部を有する合分波器を多数含み、1つの合分波器の2つの分岐端子が次段の合分波器の集合端に接続して2段以上のツリー構造に光接続して成り、隣接する波長の間にほぼ一定の波長間隔Δλがある波長列を有する多数の異波長光を合波若しくは分波するための異波長光合分波装置において、
ツリー構造の幹側端から枝側端にみて、各段の合分波器の出力特性曲線の波長半周期で表した波長帯域幅が、前段の合分波器の出力特性の波長帯域幅のほぼ2倍とし、且つ、
初段の合分波器の出力特性の波長帯域幅を上記波長間隔にほぼ等しく設定したことを特徴とする異波長光合分波装置。 - 各合分波器は、そのエバネセント結合部が、一方の分岐端に前段の出力の波長列の1つおきの波長光を透過して出力させ且つ残部波長列の光を遮断し、他方の分岐端に当該1つおきの波長列の光を遮断し且つ残部波長列の出力を透過させるように、光の波長に対する出力特性を有する異波長光合分波装置。
- 各段の各合分波器が、上記波長帯域幅と該各分岐端における波長列の透過及び遮断とを発現するエバネセント結合部の結合長さLを有することを特徴とする請求項2に記載の異波長光合分波装置。
- 各合分波器が、上記光導波路として光ファイバを含み、エバネセント結合部として2つの光ファイバの融着延伸部を含むファイバカプラである請求項1ないし3いずれかに記載の異波長光合分波装置。
- 互いに光接続される各段のファイバカプラが、各融着延伸部を成す上記2つの隣接する光ファイバのいずれかにより、スプライス接続部を介在させることなく、連続的に接続されて、異波長光合分波装を単一のモジュールとした請求項4に記載の異波長光合分波装置。
- 各合分波器が、光ファイバに偏波面保存ファイバを用いたことを特徴とする請求項4に記載の異波長光合分波装置。
- 上記の各合分波器を構成する光ファイバのいずれかが、希土類添加ファイバを含む請求項4に記載の異波長光合分波装置。
- ツリー構造の幹側端である初段の合分波器の集合端に、希土類添加ファイバが、接続されている請求項7に記載の異波長光合分波装置。
- 請求項7又は8に記載の異波長光合分波装置が、次段以降の段の合分波器の分岐端に、信号光用ファイバと励起光用ファイバとを接続して、上記の希土類添加ファイバにより信号光を増幅することを特徴とするファイバ光増幅器。
- 請求項7又は8に記載の異波長光合分波装置が、次段以降の段の合分波器の分岐端に、励起光用ファイバとを接続して、上記の希土類添加ファイバから自然放出光を出力することを特徴とするASE光源。
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2002
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