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JP2004088166A - ズーム機能付きデジタルカメラ - Google Patents

ズーム機能付きデジタルカメラ Download PDF

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JP2004088166A JP2002242567A JP2002242567A JP2004088166A JP 2004088166 A JP2004088166 A JP 2004088166A JP 2002242567 A JP2002242567 A JP 2002242567A JP 2002242567 A JP2002242567 A JP 2002242567A JP 2004088166 A JP2004088166 A JP 2004088166A
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Abstract

【課題】光学撮影倍率の切り換えポイントで撮影可能とする。
【解決手段】デジタルカメラ2は、多焦点レンズ3、コンバーションレンズ挿脱機構17、画像信号処理部25、電子ズーム部27、ROM35を備える。多焦点レンズ3は、マスターレンズ4、第1コンバーションレンズ5、第2コンバーションレンズ6から構成される。各コンバージョンレンズ5、6の切り換えポイントを、拡大ズーム時と縮小ズーム時とでずらす。電子ズーム部27は、ズーム倍率が変化するズーム量を、各コンバージョンレンズ5、6の切り換えポイントのズーム量と同一にする。ROM35は、レンズの明るさ,各種収差特性,周辺減光特性などのデータを記憶している。画像信号処理部25は、各コンバージョンレンズ5、6の挿脱に応じて、ROM35から特性データを読み出し、それに応じて電子的に画像補正をする
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバージョンレンズと電子ズームを併用したズーム機能付きデジタルカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラは高機能化が進み、高倍率ズームが求められている。一方では、低コストや小型化も求められており、コストの高い高倍率の光学ズームレンズを使用することができない。そこで、例えば、特開平6−181531号公報に記載されているズーム機能付きカメラや、特開平8−18842号公報に記載されているビデオカメラでは、焦点距離切り換え用のコンバージョンレンズ(以下、単にコンバージョンレンズという)と電子ズームとを組み合わせることで、高倍率のズーム機能を実現している。
【0003】
電子ズームは、周知のように、CCDで得られた画像を電子的に拡大して擬似的にズームを行うものであり、光学ズームレンズと異なり、拡大させると画質が劣化する反面、光学ズームレンズと同様に連続的に撮影倍率を変化させることができる。他方、コンバージョンレンズは、周知のように、マスターレンズの光軸上に挿脱して焦点距離の切り替えを行うもので、移動レンズを光軸上で移動させる光学ズームレンズと異なり、簡単な構造で高倍率への切り換えが可能になる反面、連続的に倍率を変化させることができない。上記公報に記載されている発明では、コンバージョンレンズによる焦点距離の不連続を電子ズームで補完することで滑らかなズーム機能を実現している。また、マスターレンズとして、比較的低コストな低倍率のズームレンズを使用しており、これらの組み合わせにより、高倍率のズーム機能を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コンバージョンレンズを光軸上に挿脱すると、瞬断が発生するので、その切り換えポイントでは撮影することができない。また、この切り換えポイント付近で、ズーム量の拡大と縮小とを繰り返し行うと、瞬断が頻繁に発生し、フレーミングがしずらい。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、コンバージョンレンズの挿脱による撮影不能位置がなく、しかも、コンバージョンレンズの挿脱により焦点距離が切り換わるポイント付近でフレーミングがしやすいズーム機能付きデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のズーム機能付きデジタルカメラは、マスターレンズと、このマスターレンズの光軸上に挿入される挿入位置とこの挿入位置から退避する位置との間で挿脱自在に設けられたコンバーションレンズとからなる多焦点レンズと、前記コンバーションレンズを挿脱して前記多焦点レンズの焦点距離を切り換えて光学撮影倍率を切り換える光学倍率切り換え手段と、前記多焦点レンズによって結像された被写体像を光電変換して撮影画像を得る撮像手段と、前記撮影画像の一部を電子的に拡大して電子ズーム処理を行う電子ズーム手段と、前記光学撮影倍率の切り換えを制御するとともにその切り換えポイントの前後で電子ズーム処理を実行させて、前記多焦点レンズの撮影倍率と電子ズーム倍率とを合わせたトータルズーム倍率を広角端から望遠端まで連続的に変化させるズーム制御手段とを備え、このズーム制御手段は、前記光学撮影倍率の切り換えポイントを前記トータルズーム倍率の拡大時と縮小時とでずらすことを特徴とする。
【0007】
また、前記多焦点レンズの各焦点距離におけるレンズ特性に関するデータを記憶する記憶手段と、前記各焦点距離において得られる画質がほぼ均一となるように、前記データに基づいて前記撮影画像を補正する画像補正手段とを備えることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を実施したデジタルカメラ2の電気的構成を示すブロック図である。デジタルカメラ2は、多焦点レンズ3と、電子ズームとを併用するズーム機能を備えている。多焦点レンズ3は、マスターレンズ4と、第1コンバーションレンズ5と、第2コンバーションレンズ6とから構成され、鏡筒7に保持されている。これら第1、2コンバーションレンズ5、6は、マスターレンズ4の光軸X上に挿入される挿入位置(図中実線)と、この挿入位置から退避する退避位置(図中2点鎖線)との間でそれぞれ挿脱自在に設けられている。これら各コンバージョンレンズ5,6は、その挿入によって撮影倍率を高倍率化するテレコンバージョンレンズである。多焦点レンズ3は、これら3枚のレンズの組み合わせにより、不連続に焦点距離を変え、光学倍率を例えば×1倍、×3倍、×6倍に切り換えることができる。そして、各コンバージョンレンズ5,6の挿脱による焦点距離の切り換えポイントの前後において、電子ズーム処理を行うことによって、光学撮影倍率と電子ズーム倍率とを合わせたトータルズーム倍率を連続的に変化させる。
【0009】
コントローラ8は、カメラの各部とデータバス28等を介して接続されており、キー入力部10により入力された入力信号に基づき、デジタルカメラ2全体を制御する。キー入力部10には、拡大ズームボタン11、縮小ズームボタン12、シャッタレリーズ操作に用いられるシャッタボタン13等が設けられている。ROM35には、プログラムや各種の設定情報等が記憶されている。
【0010】
コントローラ8には、ズームカウンタ14及びLUT(ルックアップテーブルメモリ)15が接続されている。ズームカウンタ14は、拡大ズームボタン11が操作された場合には、その操作量に応じてカウンタ値をアップカウントし、縮小ズームボタン12が操作された場合には、同様にダウンカウントする。コントローラ8は、このカウンタ値に基づいて、ユーザーが所望するズーム量を特定する。LUT15には、ズーム量と、多焦点レンズの光学倍率を切り換えポイント及び電子ズーム倍率との対応関係が記憶されている。コントローラ8は、特定したズーム量に応じて、LUT15から多焦点レンズの光学倍率の切り換えの要否を判定するとともに、電子ズーム倍率を決定する。
【0011】
鏡筒7には、焦点調整を行なうフォーカシング機構16と、第1、2コンバーションレンズ5、6の挿脱を行うコンバーションレンズ挿脱機構17とが組み込まれている。フォーカシング機構16とコンバーションレンズ切り換え機構17とは、それぞれメカ機構とモータとから構成されており、コントローラ8に接続されたドライバ18によって駆動制御される。このコンバーションレンズ挿脱機構17により、第1、2コンバーションレンズ5、6は、それぞれ挿入位置(図中2点鎖線)と、退避位置(図中実線)との間でそれぞれ移動される。
【0012】
鏡筒7の背後には、撮影レンズを透過した被写体光を光電変換して撮像するCCD21が配置されている。CCD21は、周知のように、各セルの蓄積電荷量に対応した画素毎のアナログ信号を出力する。このアナログ信号は、相関二重サンプリング回路(CDS)22に入力されてノイズが除去され、増幅器(AMP)23で増幅されて、A/D変換器24に入力される。A/D変換器24は、アナログ信号をデジタルデータに変換する。デジタル化された画像データは、画像信号処理部25に入力された後、いったんRAM29に書き込まれる。
【0013】
画像信号処理部25は、画質補正回路,AE回路,AF回路など各種の回路からなる。各回路は、RAM29に書き込まれた画像データにアクセスして各種の画像処理を施す。画質補正回路は、ガンマ補正,シャープネス補正などの各種の補正処理を施す。AE回路は、画像データに基づいて輝度値を測定し、露出値を決定する。コントローラ8は、この露出値に応じて図示しない絞り等が調節される。AF回路は、画像データのコントラストを調べて焦点位置を検出する。そして、検出された焦点位置に基づいてフォーカシング機構16が駆動される。
【0014】
電子ズーム部27は、画像信号処理部25から出力された画像に対して、コントローラ8で決定された電子ズーム倍率に応じて電子ズーム処理を行う。そして、画像処理及び電子ズーム処理が施された画像データは、圧縮伸張部32によって、例えば、JPEG(Joint Photgraphic Experts  Group)の圧縮形式で圧縮される。そして、JPEG圧縮された画像は、メディアコントローラ33によってメモリカード34に記録される。また、再生モードにおいては、メモリカード34から読み出された撮影画像に対して圧縮伸張部32が伸張処理を施した後、このデータがビデオメモリ30に書き込まれLCD31に再生表示される。
【0015】
また、CCD21は、被写体確認用の画像としてLCD31に表示するためのスルー画の取り込みを行う。取り込まれたスルー画はデジタルデータに変換された後、画像信号処理部25によって簡易的な画像処理が施された後、電子ズーム部27によって電子ズーム処理が施されて、ビデオメモリ30に書き込まれる。スルー画は、LCDドライバ(図示せず)によってアナログのコンポジット信号に変換されてLCD31に出力される。このスルー画は1秒間に数十回更新される。ユーザーは、このスルー画により被写体をリアルタイムで確認することができる。
【0016】
デジタルカメラ2は、第1及び第2の各コンバージョンレンズ5,6を使用しているので、これら各コンバージョンレンズ5,6が挿脱されるポイントにおいては、瞬断が発生する。この瞬断が発生する位置では、撮影ができないため、デジタルカメラ2では、各コンバージョンレンズ5,6の切り換えポイントを拡大ズーム時と縮小ズーム時とでずらしている。
【0017】
図2は、ユーザーのズーム操作量に応じてコントローラ8が特定するズーム量と、光学撮影倍率,電子ズーム倍率,トータルズーム倍率のそれぞれとの関係を示すグラフである。これらの関係は、LUT15に記憶されており、コントローラ8は、ズーム量に応じてLUT15を参照し、光学撮影倍率の切り換えと、電子ズーム処理とを行う。図2(c)は、ズーム量と、トータルズーム倍率の関係を示すグラフであり、このトータルズーム倍率に合うように、光学撮影倍率と電子ズーム倍率とが決められる。図2(b)は、ズーム量と電子ズーム倍率との関係を示すグラフである。電子ズーム倍率は、不連続に切り換えられる光学撮影倍率を補完して、トータルズーム倍率が連続的に変化するように決められる。
【0018】
図2(a)は、ズーム量と光学撮影倍率との関係を示すグラフである。位置A1は、拡大ズーム時の第1コンバージョンレンズの挿入ポイントであり、位置B1は、縮小ズーム時の第1コンバージョンレンズの退避ポイントである。また、位置A2は、拡大ズーム時の第2コンバージョンレンズの挿入ポイントであり、位置B2は、縮小ズーム時の第2コンバージョンレンズの退避ポイントである。このように、各コンバージョンレンズの切り換えポイント(挿入ポイント及び退避ポイント)は、拡大ズーム時と縮小ズーム時とでずらされている。
【0019】
デジタルカメラ2は、電源がオンされると、ズームカウンタ14をリセットして、ズーム量を初期位置であるワイド端に合わせる。ワイド端では、図2(a)に示すように、第1及び第2の両コンバージョンレンズ5,6は、退避位置にあり、光学撮影倍率は最も低い。また、図2(b)に示すように、電子ズーム倍率も等倍である。このため、図2(c)に示すように、これら光学撮影倍率と電子ズーム倍率とを合わせたトータルズーム倍率も等倍である。
【0020】
拡大ズームボタン11が操作されると、その操作量に応じてズーム量がアップカウントされて拡大ズームが行われる。このとき、LCD31のスルー画も拡大される。ワイド端から拡大ズームが行われると、まず、電子ズーム倍率を徐々に拡大させる。この拡大電子ズーム処理は、位置A1におけるトータルズーム倍率に達するまで行われる。ズーム量が位置A1に達すると、第1コンバージョンレンズ5が挿入されて、光学撮影倍率が拡大する。この光学撮影倍率が拡大する分だけ、前記挿入と同時に電子ズーム倍率が縮小される。この位置A1からさらにズーム量が拡大されると、再び電子ズーム倍率を拡大させる。そして、この拡大電子ズーム処理は、位置A2におけるトータルズーム倍率に達するまで行われる。この位置A2において、第2コンバージョンレンズ6が挿入されるので、さらに光学撮影倍率が拡大し、その拡大分だけ、前記挿入と同時に電子ズーム倍率が縮小される。この位置A2からさらにズーム量が拡大されると、再び電子ズーム倍率が拡大されて、テレ端に達する。
【0021】
他方、このテレ端から縮小ズームボタン12が操作されると、その操作量に応じてズーム量がダウンカウントされて縮小ズームが行われる。テレ端から縮小ズームが行われると、まず、電子ズーム倍率が徐々に縮小する。この縮小電子ズーム処理は、位置B2におけるトータルズーム倍率に達するまで行われる。ズーム量が位置B2に達すると、第2コンバージョンレンズ6が退避して、光学撮影倍率が縮小する。そして、退避すると同時に、その縮小分だけ電子ズーム倍率が拡大される。ズーム量がB2から更に縮小されると、再び縮小電子ズーム処理が行われ、位置B1におけるトータルズーム倍率に達するまで行われる。ズーム量が位置B1に達すると、第1コンバージョンレンズ5が退避して、光学撮影倍率が縮小する。そして、退避すると同時に、その縮小分だけ電子ズーム倍率が拡大される。さらにズーム量が縮小されると、縮小ズーム処理が行われてワイド端に達する。
【0022】
このような光学撮影倍率の切り換えと、電子ズーム処理とを行うことで、トータルズーム倍率を連続的に変化させることができる。また、LCD31にはトータルズーム倍率に応じたスルー画が表示される。このスルー画は、ズーム量に応じて拡大又は縮小が行われるので、ユーザーはこのスルー画を通じてフレーミングを行うことができる。第1及び第2の各コンバージョンレンズ5の切り換えポイントでは、レンズの挿脱によりスルー画が瞬断される。
【0023】
また、各コンバージョンレンズ5,6のそれぞれの切り換えポイントを拡大時と縮小時とでずらすことにより、拡大時又は縮小時の一方において瞬断が発生する位置でも、他方においては瞬断が生じないので、撮影不能な位置をなくすことができる。また、フレーミングを行う場合には、所望のズーム量の付近で拡大ズームと縮小ズームとが繰り返される場合が多い。例えば、位置A1付近でフレーミングを行う場合には、この付近で拡大ズームと縮小ズームとが繰り返される。このような場合でも、位置A1では拡大時には瞬断が生じるものの、縮小時には瞬断が生じることはないので、瞬断が発生する回数が減り、フレーミングもしやすくなる。もちろん、例えば、位置B1と位置A1との間隔を越えて拡大ズームと縮小ズームとを繰り返せば、拡大時及び縮小時のいずれにも瞬断が発生する。そのため、位置B1と位置A1、及び位置B2と位置A2のそれぞれの間隔は、フレーミング時に行うズーム量(操作量)を考慮して、瞬断が頻繁に起こることがないように適宜決められる。
【0024】
次に、本実施形態の作用について説明する。デジタルカメラ2の電源がオンされて撮影モードが選択されると、LCD31にスルー画が表示される。ユーザーは、このスルー画を見ながらフレーミングを行う。拡大ズームボタン11及び縮小ズームボタン12を押圧すると、ズームカウンタ14のカウント値がアップカウント又はダウンカウントされる。コントローラ8は、このカウント値からズーム量を特定し、LUT15を参照しながら、そのズーム量に応じて第1及び第2の各コンバージョンレンズ5,6の切り換えと、電子ズーム処理とを行う。
【0025】
各コンバージョンレンズ5,6の切り換えポイントは、拡大時と縮小時とでずらされており、切り換えポイント付近でズーム量の拡大と縮小とを繰り返しても、瞬断が発生する回数が少ないので、フレーミングがしやすい。例えば、位置A1付近でフレーミングを行う場合、拡大ズーム時には、この位置A1で第1コンバージョンレンズ5が挿入されるが、縮小時にはこの位置A1を通過しても第1コンバージョンレンズ5は退避されない。そのため、位置A1においては拡大時にのみ瞬断が発生し、縮小時には瞬断が発生しない。また、位置B1付近でフレーミングを行う場合には、位置A1とは反対に、縮小ズーム時にはこの位置B1で第コンバージョンレンズ5が退避するが、拡大時には挿入されない。そのため、位置B1においては縮小時にのみ瞬断が発生し、拡大時には瞬断が発生しない。
【0026】
また、位置A1において撮影を行う場合には、縮小ズームにより位置A1に合わせ、他方、位置B1において撮影を行う場合には、拡大ズームにより位置B1に合わせる。このように、各コンバージョンレンズ5,6の切り換えポイントを拡大時と縮小時とでずらしているので、各切り換えポイント(位置A1,B1,A2,B2)においても、撮影が可能になる。
【0027】
フレーミング終了後、シャッタボタン13が押下されると、ズーム量に応じたトータルズーム倍率で画像が記録される。
【0028】
上記実施形態のように、コンバージョンレンズを使用する場合には、コンバージョンレンズの挿脱により多焦点レンズ3のレンズ特性が変化するので、コンバージョンレンズが挿入されているときと、退避しているときとでは画質が変化してしまう。そこで、コンバージョンレンズが挿入されているときと、退避しているときのそれぞれの多焦点レンズ3の特性データを記憶しておき、その特性データに基づいて画像補正を行うようにしてもよい。
【0029】
その場合には、特性データ、すなわち、レンズの明るさ,各種収差特性,周辺減光特性などのデータを、例えば、ROM35に予め記憶しておく。画像信号処理部25は、各コンバージョンレンズの挿脱に応じて、ROM35から特性データを読み出し、それに応じて電子的に画像補正をする。こうすれば、コンバージョンレンズが挿脱された場合でも、均質な画質を確保することができる。
【0030】
特に、デジタルカメラ2では、コンバージョンレンズの切り換えポイントを拡大ズーム時と縮小ズーム時とでずらしているので、同じトータルズーム倍率であっても、拡大ズームによりその倍率に合わせたか、縮小ズームにより合わせたかによって、レンズ特性が異なる。例えば、位置B1と位置A1の中間に相当するトータルズーム倍率に合わせる場合、拡大時には、電子ズーム処理によって画像が拡大されるため、第1コンバージョンレンズは挿入されないが、縮小ズームにより合わせる場合には、第1コンバージョンレンズが挿入される。このため、拡大時と縮小時とでレンズ特性が異なってしまう。このため、上述したように、レンズ特性に応じて画像補正を実行することで、このような不具合を解消することができる。
【0031】
なお、上記実施形態では、多焦点レンズを1枚のマスターレンズと、2枚のコンバーションレンズとの3枚のレンズから構成したが、これらレンズの個数は適宜変更してもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、マスターレンズを単レンズを例に説明したが、マスターレンズとして光学ズームレンズを用いてもよい。これによれば、光学ズームレンズにより、ある程度の撮影倍率まで光学ズームによってズーミングが行われ、それを越える撮影倍率を得るためにコンバージョンレンズと電子ズームとが使用される。もちろん、テレコンバージョンレンズの例で説明したが、より広角側に焦点距離を切り換えるワイドコンバージョンレンズを使用してもよい。
【0033】
さらに、上記実施形態ではデジタルカメラの例について説明したが、本発明は、多焦点レンズと電子ズーム手段とを有するタイプであれば、デジタルビデオカメラ等の各種カメラに利用することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のズーム機能付きデジタルカメラによれば、マスターレンズと、このマスターレンズの光軸上に挿入される挿入位置とこの挿入位置から退避する位置との間で挿脱自在に設けられたコンバーションレンズとからなる多焦点レンズと、コンバーションレンズを挿脱して多焦点レンズの焦点距離を切り換えて光学撮影倍率を切り換える光学倍率切り換え手段と、多焦点レンズによって結像された被写体像を光電変換して撮影画像を得る撮像手段と、撮影画像の一部を電子的に拡大して電子ズーム処理を行う電子ズーム手段と、光学撮影倍率の切り換えを制御するとともにその切り換えポイントの前後で電子ズーム処理を実行させて、多焦点レンズの撮影倍率と電子ズーム倍率とを合わせたトータルズーム倍率を広角端から望遠端まで連続的に変化させるズーム制御手段とを備え、このズーム制御手段は、光学撮影倍率の切り換えポイントをトータルズーム倍率の拡大時と縮小時とでずらすから、撮影不能な位置をなくすことができる。また、切り換えポイント付近で拡大ズームと縮小ズームを繰り返す場合でも、瞬断が発生する回数が減るので、フレーミングしやすい。
【0035】
また、多焦点レンズの各焦点距離におけるレンズ特性に関するデータを記憶する記憶手段と、各焦点距離において得られる画質がほぼ均質となるように、データに基づいて前記撮影画像を補正する画像補正手段とを備えたから、焦点距離の切り換えによりレンズ特性が変化した場合でも、各焦点距離において均質な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したデジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を実施したデジタルカメラの、ズーム量と、光学撮影倍率,電子ズーム倍率,トータルズーム倍率のそれぞれとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2 デジタルカメラ
3 多焦点レンズ
4 マスターレンズ
5 第1コンバーションレンズ
6 第2コンバーションレンズ
8 コントローラ
14 ズームズームカウンタ
15 LUT
17 レンズ切り換え機構
25 画像信号処理部
27 電子ズーム部
35 ROM

Claims (2)

  1. マスターレンズと、このマスターレンズの光軸上に挿入される挿入位置とこの挿入位置から退避する位置との間で挿脱自在に設けられたコンバーションレンズとからなる多焦点レンズと、
    前記コンバーションレンズを挿脱して前記多焦点レンズの焦点距離を切り換えて光学撮影倍率を切り換える光学倍率切り換え手段と、
    前記多焦点レンズによって結像された被写体像を光電変換して撮影画像を得る撮像手段と、
    前記撮影画像の一部を電子的に拡大して電子ズーム処理を行う電子ズーム手段と、
    前記光学撮影倍率の切り換えを制御するとともにその切り換えポイントの前後で電子ズーム処理を実行させて、前記多焦点レンズの撮影倍率と電子ズーム倍率とを合わせたトータルズーム倍率を広角端から望遠端まで連続的に変化させるズーム制御手段とを備え、
    このズーム制御手段は、前記光学撮影倍率の切り換えポイントを前記トータルズーム倍率の拡大時と縮小時とでずらすことを特徴とするズーム機能付きデジタルカメラ。
  2. 前記多焦点レンズの各焦点距離におけるレンズ特性に関するデータを記憶する記憶手段と、前記各焦点距離において得られる画質がほぼ均一となるように、前記データに基づいて前記撮影画像を補正する画像補正手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のズーム機能付きデジタルカメラ。
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