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JP3840121B2 - デジタルカメラ - Google Patents

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JP3840121B2
JP3840121B2 JP2002042924A JP2002042924A JP3840121B2 JP 3840121 B2 JP3840121 B2 JP 3840121B2 JP 2002042924 A JP2002042924 A JP 2002042924A JP 2002042924 A JP2002042924 A JP 2002042924A JP 3840121 B2 JP3840121 B2 JP 3840121B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体撮像素子、例えばCCDイメージセンサを用いたデジタルカメラが知られている。デジタルカメラには、静止画を撮影するもの、動画を撮影するもの、これら両方が撮影可能なものがある。このようなデジタルカメラでは、固体撮像素子の電荷蓄積時間いわゆる電子シャッタのシャッタ速度と、撮影光路上に配された絞り装置とによって、固体撮像素子への入射光量を調節し、適正な露光を得るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、絞り装置で設定可能な絞り値を大きく(絞り開口径を小さく)すると、AE連動範囲を広げることが可能であるが、絞り値を大きくしすぎると、絞りによって光の回折が生じて撮影レンズの性能、特に解像力が低下する。このように撮影レンズの解像力が低下すると、固体撮像素子として解像力が高いものを用いても、それよりも解像力が劣った画像しか得られないという問題があった。
【0004】
また、静止画の撮影時では、機械式のシャッタ装置を併用することで電荷蓄積の期間外において強い光が入射しないようにすることができ、絞りを絞り込まなくてもスメアの発生を抑えることができる。しかしながら、動画を撮影する場合には、機械式のシャッタ装置を併用することが困難であるため、絞りを絞り込めないと、電荷蓄積の期間外に強い光が固体撮像素子に入射しスメアが発生しやすくなるといった問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためのものであり、必要な撮影レンズの解像力を確保しながらAE連動範囲を広げ、また動画撮影時のスメアの発生を少なくすることができるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、変換手段による画素数を小さくする比率が高いほど、画素数変換を行わないときの絞り値の上限よりも使用可能な最大絞り値を大きくなるように設定するものである。
【0007】
請求項2記載の発明では、電子ズームのズーム倍率を指定するズーム倍率指定手段と、記録画素数を指定する画素数指定手段と、指定されたズーム倍率に応じた画像領域を撮影された画面から切り出して、その画像領域の画素数を指定された記録画素数に変換する変換手段とを備え、前記変換手段による画素数を小さくする比率が高いほど、画素数変換を行わないときの絞り値の上限よりも使用可能な最大絞り値を大きくなるように設定するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
デジタルカメラの外観の背面側を図1に示す。カメラボディ2の前面には、撮影レンズ3(図2参照)を保持した鏡筒4が配されている。また、背面には、操作部5,ズーム操作部6,LCD7が設けられている。さらに、上面にはレリーズボタン9が配され、側面には、メモリカード10が装着されるメモリスロット11が設けられている。
【0010】
鏡筒4に保持された撮影レンズ3は、単焦点型のものが用いられている。この撮影レンズ3の奥にCCDイメージセンサ13(図2参照)が配されており、CCDイメージセンサ13で被写体画像の撮影が行われる。CCDイメージセンサ13は、1画面について1600×1200画素分の撮像信号を出力するものが用いられている。
【0011】
操作部5は、これを操作することにより、電源のオン・オフ、撮影モードと再生モードの切り換え、撮影モード下における静止画モードと動画モードとの切り換え、画素モードの切り換え、再生モード下における再生する画像の選択、画像データの消去等を行うことができる。
【0012】
静止画モードでは、レリーズボタン9を押圧操作するごとに、CCDイメージセンサ13で1画面分の静止画の撮影が行われ、得られる画像データがメモリカード10に記録される。動画モードでは、レリーズボタン9を押圧することにより、CCDイメージセンサ13による動画の撮影が開始され、次にレリーズボタン9が押圧されると動画の撮影が停止され、得られる動画用の画像データがメモリカード10に記録される。
【0013】
画素モードを切り換えることによって、メモリカード10に記録する1画面分の画素数を選択することができる。静止画モードでは、1600×1200画素の1600画素モード,1280×960画素の1280画素モード,640×480画素の640画素モードのいずれかを選択できる。また、動画モードでは、640画素モードに設定される。
【0014】
ズーム操作部6を操作することによって、電子ズームによるズーム倍率が変更される。ズーム倍率は、1倍,1.25倍,2.5倍の三種類が用意されている。ズーム操作部6は、望遠側ボタン6aと広角側ボタン6bとからなる。望遠側ボタン6aを押圧操作することにより、ズーム倍率が順次に高くなり、広角側ボタン6bを押圧操作することにより、ズーム倍率が順次に低くなる。なお、電源をオンとした直後の初期状態では、ズーム倍率は1倍に設定されている。
【0015】
1600画素モードのときには、ズーム倍率は、1倍に固定されている。また、1280画素モードのときには、ズーム倍率は、1倍,1.25倍のいずれかを選択でき、640画素モードのときにはズーム倍率は、1倍,1.25倍,2.5倍のいずれかを選択できる。
【0016】
LCD7は、撮影レンズ3を通して撮影される被写体画像をリアルタイムで表示するいわゆる電子ビューファインダを構成するとともに、画像の再生等に使用される。
【0017】
画像が記録される記憶媒体としてのメモリカード10には、撮影された被写体画像が画像データで記録される。なお、この例では、デジタルカメラに挿脱可能なメモリカード10を記憶媒体として用いているが、記憶媒体としては各種のものを用いることができ、またデジタルカメラに内蔵されたメモリに画像データを記録してもよい。
【0018】
図2に上記デジタルカメラの概略的な構成を示す。システムコントロ−ラ14は、デジタルカメラの各部を制御する。前述のように撮影レンズ3の背後には、CCDイメージセンサ13が配されている。撮影レンズ3は、CCDイメージセンサ13の受光面上に被写体像が結像するように、図示しないオートフォーカス機構によって駆動される。
【0019】
撮影レンズ3とCCDイメージセンサ13との間には、絞り装置を構成する絞り板15と、シャッタ羽根16とが配されている。絞り板15は、CCDイメージセンサ13に入射する光強度を制御する。この絞り板15は、例えば絞り値がF2.8〜F16の範囲で制御可能となっているが、後述するように最大絞り値(最小絞り開口径)は、画素モードとズーム倍率との組み合わせによって規定されている。
【0020】
シャッタ羽根16は、静止画の撮影時にスメアの発生を防止するためのものであり、静止画の撮影時にCCDイメージセンサ13の電子シャッタの動作に同期して開閉動作を行う。なお、動画の撮影時にはシャッタ羽根16は、開放状態にされている。
【0021】
CCDイメージセンサ13は、その受光面に多数の受光素子がマトリクス状に配列されている。このCCDイメージセンサ13は、CCDドライバ17によって電荷蓄積時間、すなわち電子シャッタのシャッタ速度が制御される。CCDイメージセンサ13は、電子シャッタを開いているときに撮影レンズ3からの光を光電変換して電荷として蓄積し、その蓄積した電荷を順次転送することで撮像信号を出力する。CCDイメージセンサ13の各受光素子の電荷蓄積量(露光量)は、絞り板16と、電子シャッタのシャッタ速度で調節される。
【0022】
静止画の撮影時には、シャッタ羽根16がいったん閉じられ、その間にCCDイメージセンサ13に蓄積されている不要な電荷が排出される。この後にシャッタ羽根16が開くとほぼ同時に、CCDイメージセンサ13の電子シャッタが開かれて光電変換が行われて電荷が蓄積される。電子シャッタが閉じた直後にシャッタ羽根16が閉じられ、このシャッタ羽根16が閉じている間に電荷の転送が行われ、1画面分の撮像信号が出力される。
【0023】
動画の撮影時には、シャッタ羽根16が開放された状態でCCDイメージセンサ13の電子シャッタのシャッタ速度と絞り板16とにより、CCDイメージセンサ13の露光量を調節する。
【0024】
CCDイメージセンサ13からの撮像信号は、アンプ18を介してA/D変換器19に送られるとともに、AE制御回路20にフィードバックされる。AE制御回路20は、アンプ18から出力される撮像信号の信号レベルを監視することにより、被写体輝度を判断する。AE制御回路20は、判断した被写体輝度に対して適正な露光量が得られるように、絞り板15の絞り値を制御するとともに、CCDドライバ17を介してCCDイメージセンサ13の電子シャッタのシャッタ速度を制御する。
【0025】
AE制御回路20には、図3ないし図5に例を示す3種類の露出制御用のプログラムが用意されている。図3は最大絞り値を「F8」にした高解像力用プログラム,図4は最大絞り値を「F11」にした中解像力用プログラム,図5は最大絞り値を「F16」にした低解像力用プログラムである。いずれのプログラムもそれに設定されている最大絞り値を超えて絞り板16が絞り込まれないようになっている。
【0026】
AE制御回路20は、システムコントローラ14からの指示に基づいた1つのプログラムにしたがい、被写体輝度に対する電子シャッタのシャッタ速度と絞り板16の絞り値とを決定する。
【0027】
A/D変換器19は、入力される撮像信号をサンプリング・デジタル変換して画像データを出力する。このA/D変換器19によって、1画面分の撮像信号は、1600×1200画素分の画像データに変換される。画像データは、画像データ処理回路21に送られる。
【0028】
画像データ処理回路21は、入力されてくる画像データに対してガンマ補正,ホワイトバランス調節などの各種信号処理を行う。また、画像データ処理回路21は、選択されている画素モードすなわち記録画素数、及び電子ズームのズーム倍率に応じた画像処理を行う。この画像処理としては、トリミング処理と、画素数変換処理とがある。
【0029】
トリミング処理は、CCDイメージセンサ13が撮影した1600×1200画素の画面(撮影範囲)を基準として、この画面からズーム倍率に応じた範囲を切り出すことによって、ズーム倍率に応じた撮影範囲の新たな画面を生成する。また、画素数変換処理では、画面範囲(撮影範囲)を同一にしたまま、画面を構成する画素数を少なくする。トリミング処理では、画面の一部を切り出す処理であるため必要な撮影レンズの解像力が小さくなることはないが、画素数変換処理では、例えばN(>1)個の画素から「N−1」個の画素を生成するように画素数を少なくし、所望とする画素数に変換するため必要な撮影レンズの解像力が小さくなる。
【0030】
1600画素モード(ズーム倍率が1倍)のときには、トリミング処理,及び画素数縮小画像処理は行われない。したがって、1600×1200画素分の画像データが画像データ処理回路21から出力される。
【0031】
1280画素モード下でズーム倍率が1倍のときには、画素数変換処理だけが行われて、1600×1200画素分の画像データを基にして1280×960画素の画像データが生成される。また、1280画素モード下でズーム倍率が1.25倍のときには、トリミング処理だけが行われて、1600×1200画素の範囲のうちから1280×960画素の範囲の切り出しが行われる。
【0032】
640画素モード下でズーム倍率が1倍のときには、画素数変換処理だけが行われて、1600×1200画素分の画像データから640×480画素分の画像データが生成される。また、640画素モード下でズーム倍率が1.25倍のときには、トリミング処理で1600×1200画素の範囲から切り出された1280×960画素分の画像データが、画素数変換処理によって640×480画素分の画像データに変換される。さらに、640画素モード下でズーム倍率が2.5倍のときには、トリミング処理だけが行われて、1600×1200画素のうちから640×480画素の範囲の切り出しが行われる。
【0033】
LCDドライバ22には、画像データ処理回路21からの画像データが入力される。このLCDドライバ22は、画像データに基づいてLCD7を駆動し、LCD7に被写体画像を表示する。LCDドライバ22は、入力される画像データに対して間引き処理を行うことにより、LCD7上に例えば320×240画素で被写体画像を表示する。
【0034】
システムコントローラ14は、画像データ処理回路21,内蔵メモリ26,I/O回路27との間でデータの授受を行う。I/O回路27には、操作部5,ズーム操作部6,レリーズボタン9,メモリカード10が接続されている。操作部5,ズーム操作部6,レリーズボタン9からの各操作信号は、I/O回路27を介してシステムコントローラ14に送られる。これらの操作信号に基づいてシステムコントローラ14は各部を制御する。
【0035】
内蔵メモリ26としては、データの読み書きが高速なものが用いられている。撮影時には、メモリカード10に記録すべき画像データがいったん内蔵メモリ26に書き込まれる。静止画、あるいは動画の撮影完了後に内蔵メモリ26に記録された画像データがシステムコントローラ14で読み出され、I/O回路27を介してメモリカード10に送られて書き込まれる。
【0036】
再生モード下では、選択された画像の画像データがメモリカード10から読み出されて内蔵メモリ26に書き込まれ、この内蔵メモリ26から順次に読み出されてシステムコントローラ25,画像データ処理回路21を介してLCDドライバ22に送られる。これにより、メモリカード10に保存されている画像がLCD7に表示される。
【0037】
操作部5が操作されて画素モードが切り換えられた場合、またズーム操作部6が操作されてズーム倍率が切り換えられた場合には、その操作内容に応じた指示がシステムコントローラ14を介して画像データ処理回路21に対して与えられる。これにより、各画素モード,ズーム倍率に応じたトリミング処理、画素数変換処理が行われる。
【0038】
また、画素モード,ズーム倍率の組み合わせによって決まる解像力を撮影レンズ12で得るために、それらの組み合わせに応じたプログラムを選択する指示がシステムコントローラ14からAE制御回路20に送られる。
【0039】
図6に記録画素数及びズーム倍率と、最大絞り値の関係を示す。この例では、画素数変換処理を行わない場合に必要な解像力を絞り値がF8のときに得られるが、それ以上に絞り込んだ場合には絞りによる光の回折によって、解像力の低下が生じ必要な解像力を得ることができない。このため画素数変換処理を行わない場合、すなわち1600画素モードのとき、1280画素モード下でズーム倍率が1.25倍のとき、640画素モード下でズーム倍率が2.5倍のときには、最大絞り値がF8に制限された高解像力用プログラムを用いてF8よりも絞り込まれないようにしている。
【0040】
前述のように、画素数変換処理を行うことにより、必要な撮影レンズの解像力が低くなる。また、画素数変換処理で画素数を小さくする比率が高いほど必要な撮影レンズの解像力が低くなる。このため、画素数変換処理を行う場合では、必要となる撮影レンズ12の解像力が低くなった分だけ、絞りを絞り込むことによる回折の影響による撮影レンズ3の解像力の低下を許容している。
【0041】
この例では、1280画素モード下でのズーム倍率1倍の場合と、640画素モード下でのズーム倍率1.25倍の場合では最大絞り値を「F11」としており、中解像力用プログラムを用いてF11まで絞り込まれることを許容している。また、640画素モード下でのズーム倍率1倍の場合では、最大絞り値をF16」としており、低解像力用プログラムを用いてF16まで絞り込まれることを許容している。
【0042】
上記のように、記録画素数及び電子ズームのズーム倍率に応じて、撮影レンズに必要な解像力を確保しつつ、適正な露光量が得られる輝度範囲を広げている。
【0043】
次に上記構成の作用について説明する。例えば静止画の撮影を行う場合には、操作部5を操作して撮影モードを選択してから、静止画モードを選択し、さらに画素モードを選択する。例えば1600画素モードを選択すると、電子ズームのズーム倍率が1倍であるから、高解像力用プログラムを選択する指示がAE制御回路20に送られる。
【0044】
この後にシャッタ羽根16が開放状態とされ、CCDイメージセンサ13が動画を撮影するように連続的に撮影を行う。CCDイメージセンサ13で撮影されることにより得られる撮像信号はアンプ18を介して、A/D変換器19,AE制御回路20にそれぞれ送られる。そして、撮像信号の信号レベルに基づいてAE制御回路20によって被写体輝度が調べられ、適正な電荷蓄積量とるようにCCDイメージセンサ13の電子シャッタのシャッタ速度と、絞り板15の絞り値Fが調節される。このときに、AE制御回路20は高解像力用プログラムに基づいて電子シャッタのシャッタ速度と、絞り板15の絞り値を制御するので、被写体輝度が非常に高くても絞り値は、高解像力用プログラムの最大絞り値であるF8までであり、それを超えて絞り込まれることはない。
【0045】
一方、A/D変換器19に送られた撮像信号は、このA/D変換器19で画像データに変換される。このときに、1画面分の撮像信号からは1600×1200画素分の画像データが生成され、その画像データが画像データ処理回路21に送られる。
【0046】
画像データ処理回路21に入力された画像データは、この画像データ処理回路21によってガンマ補正,ホワイトバランス調節や、画素モード及びズーム倍率に応じたトリミング処理,画素数変換処理が施されてから、LCDドライバ22に送られるが、この場合には1600画素モードが選択されズーム倍率が1倍となっているから、トリミング処理,画素数変換処理は行われない。
【0047】
このようにして画像データ処理回路21からの画像データが次々にLCDドライバ22に入力されることによって、CCDイメージセンサ13で撮影中の被写体画像がLCD7に動画で表示される。
【0048】
上記のように1600画素モードを選択している場合には、電子ズームのズーム倍率は1倍に固定されているが、1280画素モードを選択すると1倍の他に、1.25倍をズーム倍率として選択できるようになる。
【0049】
操作部5を操作して1600画素モードから1280画素モードに切り換えると、ズーム倍率が1倍となったまま、システムコントローラ14から画像データ処理回路21に対して画素数変換処理の指示が与えられる。これにより、画像データ処理回路21に入力される1600×1200画素の1画面分の画像データは1280×960画素分の画像データに変換されて出力され、LCDドライバ22に送られる。画素数変換処理だけを行っているため、LCD7上で観察される撮影範囲に変化はない。
【0050】
また、1280画素モード,1倍のズーム倍率が選択された状態となると、中高解像力用プログラムを選択する指示がAE制御回路20に送られる。これによりAE制御回路20は、中解像力用プログラムに基づいて電子シャッタのシャッタ速度と、絞り板15の絞り値を制御するようになる。このため、被写体輝度が非常に高ければ、この中解像力用プログラムの最大絞り値であるF11まで絞り込まれるようになるが、それを超えて絞り込まれることはない。
【0051】
1280画素モードに切り換えてからズーム操作部6の望遠側ボタン6aを押圧操作すると、ズーム倍率が1.25倍となる。ズーム倍率が1.25倍となると、システムコントローラ14の指示によって、画像データ処理回路21はトリミング処理だけを行うようになる。これにより、1600×1200画素の画面から1280×960画素分の画面の切り出しが行われ、その画像データがLCDドライバ22に送られる。LCD7には、CCDイメージセンサ13上で1280×960画素分の画面範囲が表示されるから、結果として、撮影レンズ3の焦点距離を1.25倍にした場合と同様な撮影範囲の被写体画像を観察することができる。
【0052】
そして、1280画素モード,1.25倍のズーム倍率が選択された状態となると、画素数変換処理が行われないので、必要な撮影レンズ3の解像力は1600画素モードの場合と変わらなくなるから、1600画素モードと同じく、AE制御回路20に高解像力用プログラムの指示が与えられ、これに基づいて電子シャッタのシャッタ速度と、絞り板15の絞り値とが制御される。したがって、最大絞り値がF8となり、それを超えて絞り込まれることはなくなる。
【0053】
640画素モードを選択すると、ズーム操作部6を操作することで1倍、1.25倍の他に、2.5倍をズーム倍率として選択できるようになる。640画素モード下でズーム倍率として2.5倍を選択した場合には、1280画素モード下で1.25倍を選択した場合と同様にトリミング処理だけが行われ、1600×1200画素の画面から640×480画素分の画面の切り出され、その画像データがLCDドライバ22に送られる。LCD7には、CCDイメージセンサ13上で640×480画素分の画面範囲が表示されるから、結果として、撮影レンズ3の焦点距離を2.5倍にした場合と同様な撮影範囲の被写体画像を観察することができる。また、この場合には、AE制御回路20は高解像力用プログラムに基づいて電子シャッタのシャッタ速度と、絞り板15の絞り値を制御するので、最大絞り値がF8となる。
【0054】
640画素モード下でズーム倍率として1.25倍を選択した場合には、トリミング処理と、画素数変換処理とが行われる。まず、トリミング処理により、1600×1200画素の画面から1280×960画素分の画面の切り出しが行われる。続いて、1280×960画素の画面が画素数変換処理によって640×480画素に変換される。そして、640×480画素分の画像データがLCDドライバ22に送られる。これにより、LCD7には、CCDイメージセンサ13上で1280×960画素分の画面範囲が表示されるから、結果として、撮影レンズ3の焦点距離を1.25倍にした場合と同様な撮影範囲の被写体画像を観察することができる。また、この場合には、AE制御回路20は中解像力用プログラムに基づいて電子シャッタのシャッタ速度と、絞り板15の絞り値を制御するので、最大絞り値がF11となる。
【0055】
640画素モード下でズーム倍率として1倍を選択した場合には、画素数変換処理だけが行われる。この画素数変換処理では、1600×1200画素の画面を640×480画素に変換する。そして、この640×480画素分の画像データがLCDドライバ22に送られるから、LCD7には撮影レンズ3の本来の焦点距離で撮影した撮影範囲の被写体画像を観察することができる。また、この場合には、AE制御回路20は低解像力用プログラムに基づいて電子シャッタのシャッタ速度と、絞り板15の絞り値を制御するので、最大絞り値がF16となる。
【0056】
上記のようにLCD7に表示される被写体画像を観察しながら、所望とする画素モードの下でズ−ム倍率を選択し、フレーミングを決定してレリーズボタン9を押圧操作する。
【0057】
レリーズボタン9が押圧されると、いったんシャッタ羽根16が閉じられてから、シャッタ羽根16が開放状態とされると同時に、CCDイメージセンサ13の電子シャッタが開かれ、絞り板15で形成された絞り開口を通った光が光電変換されて電荷の蓄積が行われる。このときに、絞り板15の絞り値及び電子シャッタの組み合わせは、選択されている記録画素数と電子ズームの倍率とによって決まるプログラムに基づいている。したがって、最大絞り値は記録画素数と電子ズームの倍率とによって制限される。
【0058】
CCDイメージセンサ13の電子シャッタが閉じると、その直後にシャッタ羽根16が閉じられ、このシャッタ羽根16が閉じられている間に、蓄積された電荷が順番に転送され、撮像信号として出力される。そして、この撮像信号が画像データに変換されたものが画像データ処理回路21に送られる。
【0059】
画像データ処理回路21では、LCD7を電子ビューファインダとして機能させている場合と同様に、記録画素数と電子ズームの倍率とに応じてトリミング処理,画素数変換処理を施した画像データをシステムコントローラ14を介して内蔵メモリ26に送って書き込む。この後に、内蔵メモリ26から1画面分の画像データが読み出され、システムコントローラ14、I/O回路27を介してメモリカード10に転送されて書き込まれる。
【0060】
これにより、1600画素モードを選択していれば、1600×1200画素の画像データが1画面分としてメモリカード10に書き込まれて保存される。また、1280画素モードを選択していれば、1280×960画素の画像データが、640画素モードを選択していれば、640×480画素の画像データが1画面分としてメモリカード10に書き込まれて保存される。そして、いずれの場合にも、選択されたズーム倍率に応じた撮影範囲の被写体画像になっている。
【0061】
上記のようにして記録される各画面の画像データは、電子ズームのズーム倍率と記録画素数とに応じて決まる必要な撮影レンズの解像力を確保するように、その撮影時の最大絞り値が制限されているので、十分な解像力を持った高画質の画像となっている。
【0062】
動画を撮影する場合には、操作部5を操作して動画モードを選択する。動画モードを選択すると、画素モードは640画素モードが自動的に選択される。この動画モード下でズーム操作ボタン6を操作すると、640画素モードが選択されたまま、ズーム倍率として1倍,1.25倍,2.5倍のいずれかが選択される。そして、静止画モード下で640画素モードが選択されている場合と同様に、選択したズーム倍率に応じてトリミング処理、画素数変換処理が行われ、その画像データがLCDドライバ22に送られて、撮影中の被写体画像がLCD7に表示される。
【0063】
動画を記録したいタイミングでレリーズボタン9を押圧操作すると、その時点で撮影中の画面のトリミング処理、画素数変換処理が行われた画像データから順次にシステムコントローラ14を介して内蔵メモリ26に送られて書き込まれる。この画像データの書き込みは、次にレリーズボタン9が押圧操作されるまで継続される。レリーズボタン9が押圧され、内蔵メモリ26への書き込みが終了すると、内蔵メモリ26からメモリカード10に転送されて書き込まれる。これにより、選択されたズーム倍率で動画がメモリカード10に記録され、動画を構成する各画面は640×480画素になっている。
【0064】
このようにして動画モードで動画を撮影する場合においても、静止画モードと同様にAE制御回路20は、記録画素数と電子ズームのズーム倍率との組み合わせに応じたプログラムにしたがった絞り値と電子シャッタのシャッタ速度の組み合わせでCCDイメージセンサ13の露光量を制御する。この動画モードでは、640画素モードに固定されているから、ズーム倍率に応じてプログラムが切り換えられ、最大絞り値が切り換えられる。
【0065】
動画モードでは、シャッタ羽根16が開放状態とされているから、スメアが発生しやすいものの、このデジタルカメラでは、可能な限り絞り込むことができるので、スメアの発生を抑えることができるとともに、必要な解像力を確保できるので画質の劣化が少ない。
【0066】
上記実施形態では、記録画素数と電子ズームを併用した場合について説明したが、ズーム倍率を一定としたまま記録画素数を切り換える場合、記録画素数を一定としたままズーム倍率を切り換える場合にも本発明を利用することができる。また、CCDイメージセンサで撮影する例について説明したが、その他の撮像素子を用いてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、電子ズームのズーム倍率,変換する記録画素数のいずれか、あるいはその組み合わせに応じて、使用可能な最大絞り値を設定し、必要とされる撮影レンズの解像力を得るようにしているから、画質の低下を招くことなく、AE連動範囲を広げることができるとともに、動画撮影時にはスメアの発生を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したデジタルカメラの外観を示す斜視図である。
【図2】デジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図3】最大絞り値がF8とされた高解像力用プログラムを示すものである。
【図4】最大絞り値がF11とされた中解像力用プログラムを示すものである。
【図5】最大絞り値がF16とされた低解像力用プログラムを示すものである。
【図6】電子ズームのズーム倍率及び記録画素数の組み合わせに応じた最大絞り値の関係を示すものである。
【符号の説明】
3 撮影レンズ
5 操作部
6 ズーム操作部
10 メモリカード
13 CCDイメージセンサ
20 AE制御回路
21 画像データ処理回路

Claims (2)

  1. 撮影画面または撮影画面から切り出した画像領域の画素数を指定された記録画素数に変換する変換手段を備えたデジタルカメラにおいて、
    前記変換手段による画素数を小さくする比率が高いほど、画素数変換を行わないときの絞り値の上限よりも使用可能な最大絞り値が大きくなるように設定することを特徴とするデジタルカメラ。
  2. 電子ズームのズーム倍率を指定するズーム倍率指定手段と、記録画素数を指定する画素数指定手段と、指定されたズーム倍率に応じた画像領域を撮影された画面から切り出して、その画像領域の画素数を指定された記録画素数に変換する変換手段とを備え、前記変換手段による画素数を小さくする比率が高いほど、画素数変換を行わないときの絞り値の上限よりも使用可能な最大絞り値を大きくなるように設定することを特徴とするデジタルカメラ。
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