JP2004079813A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保護用MISトランジスタと他のMISトランジスタとで基本的な構造とプロセスを共通化しつつ、保護用MISトランジスタへのサージを確実に逃がすための半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】高濃度ソース・ドレイン領域(7a,7b)形成用マスクと、ゲート電極(4)とサイドウォール(5)の影を利用し、注入角を制御することで、高濃度ウェル領域(10a,10b)をイオン注入法により形成する。高濃度ソース・ドレイン領域(7a,7b)形成工程において、高濃度ウェル領域(10a,10b)を形成できるため、リソグラフィ工程とマスクを増やすことなく、製造コストの増大やMISトランジスタ特性の悪化を防ぎながら、保護用MISトランジスタを形成できる。
【選択図】 図2
【解決手段】高濃度ソース・ドレイン領域(7a,7b)形成用マスクと、ゲート電極(4)とサイドウォール(5)の影を利用し、注入角を制御することで、高濃度ウェル領域(10a,10b)をイオン注入法により形成する。高濃度ソース・ドレイン領域(7a,7b)形成工程において、高濃度ウェル領域(10a,10b)を形成できるため、リソグラフィ工程とマスクを増やすことなく、製造コストの増大やMISトランジスタ特性の悪化を防ぎながら、保護用MISトランジスタを形成できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、MIS(metal−insulator−semiconductor)トランジスタを有する半導体装置の製造方法であり、さらに詳しくは、サージ耐性を向上した保護用MISトランジスタを有する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体集積回路では、サージ入力への対策として、入出力用パッドに接続されるMISトランジスタ(以下、「保護用MISトランジスタ」と略する)には、サージ入力が入った時に、サージ電流を接地に逃がすための構造が設けられている。
【0003】
図5A−Eは、従来の保護用MISトランジスタ及び通常MISトランジスタを有する半導体装置の製造工程を示す断面図である。ここでは、入出力パッドに接続されるnチャネル型の保護用MISトランジスタと、入出力パッドには接続されないnチャネル型の通常MISトランジスタとを有する半導体装置の製造方法について説明する。
【0004】
まず、図5Aに示す工程で、Si基板101に、保護用MISトランジスタ形成領域A100と通常MISトランジスタ形成領域A150とを区画し、各活性領域を取り囲むシャロートレンチ分離領域(STI:Shallow Trench Isolation)102を形成する。その後、Si基板101内に、イオン注入によりp型不純物の注入を行い、ウェル層やチャネルストッパ層等を有するp型基板領域101aを形成する。その後、基板上に熱酸化膜及びポリシリコン膜を順次形成した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術により、ポリシリコン膜及び熱酸化膜をパターニングして、活性領域上にゲート絶縁膜103とゲート電極104とを形成する。
【0005】
次に図5Bに示す工程で、リソグラフィ技術を用いて、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A100に開口を有するフォトレジスト膜131を形成する。そして、フォトレジスト膜131及びゲート電極104をマスクにして、保護用MISトランジスタ形成領域A100のSi基板101内に、n型不純物であるリンイオン(P+)を注入して、低濃度ソース領域106a及び低濃度ドレイン領域106bを形成する。続けて、フォトレジストマスク131及びゲート電極104をマスクにして、ボロンイオン(B+)を保護用MISトランジスタ形成領域A100のSi基板101内に注入して、ポケット領域108を形成する。
【0006】
次に、図5Cに示す工程で、フォトレジスト膜131を除去した後、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A100上を覆い、通常MISトランジスタ形成領域A150上に開口部を有するフォトレジスト膜132を形成する。そして、このフォトレジスト膜132及びゲート電極104をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A150のSi基板101内に、n型不純物である砒素イオン(As+)のイオン注入を行い、エクステンション領域166a、166bを形成する。続けて、フォトレジスト膜132及びゲート電極104をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A150のSi基板101内に、p型不純物であるボロンイオン(B+)のイオン注入を行い、ポケット領域168を形成する。
【0007】
次に、図5Dに示す工程で、フォトレジスト膜132を除去した後、基板上にシリコン酸化膜を堆積した後、異方性ドライエッチングによりシリコン酸化膜をエッチバックして、ゲート電極104の側面上にサイドウォール105を形成する。その後、ゲート電極104及びサイドウォール105をマスクにして、Si基板101にn型不純物のイオン注入を行い、低濃度ソース・ドレイン領域106a、106b及びエクステンション領域166a,166bよりも拡散深さの深い高濃度ソース・ドレイン領域107a、107bを形成する。
【0008】
次に図5Eに示す工程で、リソグラフィ技術を用いて、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A100の高濃度ソース・ドレイン領域107a,107bにおけるSTI102に近い一部領域上に開口部を有するフォトレジスト膜133を形成する。そして、フォトレジスト膜133をマスクにして、保護用MISトランジスタ形成領域A100のSi基板101内に、p型不純物であるボロンイオン(B+)を注入して、高濃度ウェル領域110a、110bを形成する。
【0009】
このような製造方法により、保護用MISトランジスタ形成領域A100の高濃度ソース・ドレイン領域107a,107bにおけるSTI102に近い一部領域下に高濃度ウェル領域110a、110bが形成される。これにより、保護用MISトランジスタは、サージ入力等によりドレイン―基板間に逆電圧が印加された時、高濃度ウェル領域110bと高濃度ドレイン領域107bとの間で電界が高くなり、ドレイン降伏が生じて、すばやくサージを接地に逃がすことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のような製造方法では、高濃度ウェル領域110a、110bを形成するためには専用のフォトレジスト膜133が必要なため、リソグラフィ工程などが大幅に増大して製造工程が複雑化するので、製造コストの増大やMISトランジスタ特性の悪化を招くおそれがある。
【0011】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、リソグラフィ工程を増大させることなく、サージを確実に逃がすことができる構造を有する保護用MISトランジスタを備えた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の第1番目の半導体装置の製造方法は、第1導電型の半導体領域上の第1MISトランジスタ形成領域に形成された入出力パッドに直接接続される第1MISトランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、前記半導体領域に、前記第1MISトランジスタ形成領域の活性領域を取り囲むトレンチ型素子分離領域を形成する工程(a)と、前記第1MISトランジスタ形成領域の活性領域上に第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極を形成する工程(b)と、前記工程(b)の後に、基板上に、前記第1MISトランジスタ形成領域上に開口部を有するフォトレジスト膜を形成する工程(c)と、前記フォトレジスト膜及び前記第1のゲート電極をマスクにして、前記第1MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第2導電型不純物のイオン注入を行い、第2導電型の低濃度ソース・ドレイン領域を形成する工程(d)と、前記フォトレジスト膜及び前記第1のゲート電極をマスクにして、前記第1MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第1導電型不純物の斜めイオン注入を行い、前記第1MISトランジスタのソース・ドレイン領域における前記第1のゲート電極の端部下から離間した位置に第1導電型の不純物拡散領域を形成する工程(e)とを含むことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、不純物拡散領域を形成するための斜めイオン注入は、低濃度ソース・ドレイン領域を形成するのと同じフォトレジスト膜をマスクとして用いるため、従来の製造工程のような不純物拡散領域を形成するための専用フォトレジスト膜を形成する必要がない。従って、リソグラフィ工程が増大しないので、製造工程の複雑化を回避することができる。しかも、不純物拡散領域は、第1ゲート電極の端部下から離間した位置で、素子分離領域側の高濃度ソース・ドレイン領域の一部下部領域のみに形成されるため、ソース―ドレイン間に逆電圧が印加された時、この間の電界が高くなり、ドレイン降伏が生じて、サージを接地に逃がすことができるので、サージ耐性の大きい第1MISトランジスタを形成することができる。
【0014】
前記第1番目の半導体装置の製造方法において、前記第1導電型の半導体領域上の第2MISトランジスタ形成領域に形成された入出力パッドに直接接続されない第2MISトランジスタをさらに有し、前記工程(a)では、前記半導体領域に、前記第2MISトランジスタ形成領域の活性領域を取り囲む前記トレンチ型素子分離領域を形成し、前記工程(b)では、前記第2MISトランジスタ形成領域の活性領域上に第2のゲート絶縁膜及び第2のゲート電極を形成し、前記工程(c)では、前記第2MISトランジスタ形成領域上を覆うように前記フォトレジスト膜を形成する。
【0015】
また、前記第1番目の半導体装置の製造方法において、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は、前記第2のゲート絶縁膜の膜厚よりも厚く形成されている。
【0016】
また、前記第1番目の半導体装置の製造方法において、前記工程(e)では、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入の注入角度は、前記半導体領域表面への垂直線と、一方側の前記フォトレジスト膜の上面端部と他方側の前記第1のゲート電極の上面端部とを結ぶ直線との間の角度と同等以上の角度を有している。これにより、第1MISトランジスタのソース・ドレイン領域における第1のゲート電極の端部下から離間した位置に、不純物拡散領域を選択的に形成することができる。
【0017】
さらに、前記第1番目の半導体装置の製造方法において、前記工程(e)では、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入の注入角度は、前記半導体領域表面への垂直線と、一方側の前記フォトレジスト膜の上面端部と他方側の活性領域と前記素子分離領域との境界部とを結ぶ直線との間の角度よりも小さい角度を有している。これにより、第1MISトランジスタのソース・ドレイン領域における第1のゲート電極の端部下から離間した位置における活性領域に不純物拡散領域を選択的に形成することができる。
【0018】
本発明の第2番目の半導体装置の製造方法は、第1導電型の半導体領域上の第1MISトランジスタ形成領域に形成された入出力パッドに直接接続される第1MISトランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、前記半導体領域に、前記第1MISトランジスタ形成領域の活性領域を取り囲むトレンチ型素子分離領域を形成する工程(a)と、前記第1MISトランジスタ形成領域の活性領域上に第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極を形成する工程(b)と、前記工程(b)の後に、前記第1のゲート電極の側面上に第1の絶縁性サイドウォールを形成する工程(c)と、前記工程(c)の後に、基板上に、前記第1MISトランジスタ形成領域上に開口部を有するフォトレジスト膜を形成する工程(d)と、前記フォトレジスト膜、前記第1のゲート電極及び前記第1の絶縁性サイドウォールをマスクにして、前記第1MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第2導電型不純物のイオン注入を行い、前記第1MISトランジスタの第2導電型の高濃度ソース・ドレイン領域を形成する工程(e)と、前記フォトレジスト膜、前記第1のゲート電極及び前記第1の絶縁性サイドウォールをマスクにして、前記第1MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第1導電型不純物の斜めイオン注入を行い、前記第1MISトランジスタのソース・ドレイン領域における前記第1のゲート電極の端部下から離間した位置に第1導電型の不純物拡散領域を形成する工程(f)とを含むことを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、不純物拡散領域を形成するための斜めイオン注入は、高濃度ソース・ドレイン領域を形成するのと同じフォトレジスト膜をマスクして用いるため、従来の製造工程のような不純物拡散領域を形成するための専用フォトレジスト膜を形成する必要がない。従って、リソグラフィ工程が増大しないので、製造工程の複雑化を回避することができる。しかも、不純物拡散領域は、第1ゲート電極の端部下から離間した位置で、素子分離領域側の高濃度ソース・ドレイン領域の一部下部領域のみに形成されるため、ソース―ドレイン間に逆電圧が印加された時、この間の電界が高くなり、ドレイン降伏が生じて、サージを接地に逃がすことができるので、サージ耐性の大きい第1MISトランジスタを形成することができる。
【0020】
前記第2番目の半導体装置の製造方法において、前記第1導電型の半導体領域上の第2MISトランジスタ形成領域に形成された入出力パッドに直接接続されない第2MISトランジスタをさらに有し、前記工程(a)では、前記半導体領域に、前記第2MISトランジスタ形成領域の活性領域を取り囲む前記トレンチ型素子分離領域を形成し、前記工程(b)では、前記第2MISトランジスタ形成領域の活性領域上に第2のゲート絶縁膜及び第2のゲート電極を形成し、前記工程(c)では、前記第2のゲート電極の側面上に第2の絶縁性サイドウォールを形成し、前記工程(d)では、前記第2MISトランジスタ形成領域上に開口部を有するように前記フォトレジスト膜を形成し、前記工程(e)では、前記フォトレジスト膜、前記第2のゲート電極及び前記第2の絶縁性サイドウォールをマスクにして、前記第2MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第2導電型不純物のイオン注入を行い、前記第2MISトランジスタの第2導電型の高濃度ソース・ドレイン領域を形成し、前記工程(f)では、前記フォトレジスト膜をマスクにして、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入を行うことによって、前記第2MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域には前記第1導電型不純物を注入しないことが好ましい。
【0021】
また、前記第2番目の半導体装置の製造方法において、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は、前記第2のゲート絶縁膜の膜厚よりも厚く形成されている。
【0022】
また、前記第2番目の半導体装置の製造方法において、前記工程(f)では、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入の注入角度は、前記半導体領域表面への垂直線と、一方側の前記フォトレジスト膜の上面端部と他方側の前記第1のゲート電極の上面端部とを結ぶ直線との間の角度と同等以上の角度を有している。
【0023】
さらに、前記第2番目の半導体装置の製造方法において、前記工程(f)では、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入の注入角度は、前記半導体領域表面への垂直線と、一方側の前記フォトレジスト膜の上面端部と他方側の活性領域と前記素子分離領域との境界部とを結ぶ直線との間の角度よりも小さい角度を有している。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図1A−Dおよび図2A−Cは、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。本実施形態では、3.3V電源電圧で駆動する入出力パッドに接続されているnチャネル型の保護用MISトランジスタと、1.5V電源電圧で駆動する入出力パッドには接続されていないnチャネル型の通常MISトランジスタとを有する半導体装置の製造方法について説明する。なお、pチャネル型のMISトランジスタは、拡散層に導入する不純物の導電型を逆にすれば、本実施形態で以下に説明するnチャネル型のMISトランジスタと基本的には同じ製造方法によって形成することが可能である。
【0025】
まず、図1Aに示す工程で、Si基板1に、保護用MISトランジスタ形成領域A10と通常MISトランジスタ形成領域A15とを区画し、各活性領域を取り囲むようにシリコン酸化膜からなる浅いトレンチ型素子分離領域(STI:Shallow Trench Isolation)2を深さ300nm程度で形成する。その後、p型不純物であるボロンイオン(B+)(又はフッ化ボロンイオン(BF2+)を、ドーズ量、加速電圧が相異なる3条件で3回に分けて注入してp型基板領域1aを形成する。
【0026】
まず、加速電圧が約280keV、ドーズ量が約1×1013atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、Si基板1の深部(STI2の底部よりも深い領域)にラッチアップ防止用の下段ウェル層21を形成する。
【0027】
次に、加速電圧が約120keV、ドーズ量が約6×1012atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、Si基板1の中部に、下段ウェル層21よりも浅く、STI2の底部とほぼ同じ深さ領域にチャネルストッパーとして機能する中段ウェル層22を形成する。
【0028】
次に、加速電圧が約45keV、ドーズ量が約5×1012atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、Si基板1の浅部に、中段ウェル層22よりも浅い領域(STI2の底部よりも浅い領域)のチャネル領域となる部分に閾値制御のための上段ウェル層23を形成する。
【0029】
これにより、下段ウェル層21、中段ウェル層22及び上段ウェル層23からなるp型基板領域1aが形成される。
【0030】
次に、図1Bに示す工程で、基板上に、保護用MISトランジスタ形成領域A10を覆い、通常MISトランジスタ形成領域A15上に開口部を有するフォトレジスト膜31を形成する。その後、このフォトレジスト膜31をマスクにして、Si基板1の通常MISトランジスタ形成領域A15に、p型不純物であるBF2+イオン(又はB+イオン)を、加速電圧45keV、ドーズ量が約5×1012atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、1.5V型の通常MISトランジスタの動作に適した閾値電圧を得る為の高濃度上段ウェル層24を形成する。すなわち、図1Aに示す工程で形成された上段ウェル層23は、3.3V型の保護用MISトランジスタの閾値電圧に適した不純物濃度であり、1.5V型の通常MISトランジスタの閾値電圧に適した不純物濃度を得る為に、高濃度上段ウェル層24を形成する。
【0031】
次に、図1Cに示す工程で、フォトレジスト膜31を除去した後、各MISトランジスタ形成領域A10、A15上に、厚み約6nmのシリコン酸化膜を形成する。その後、保護用MISトランジスタ形成領域A10を覆うフォトレジスト膜(図示せず)をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A15上のシリコン酸化膜のみをウェットエッチによって選択的に除去する。そして、フォトレジスト膜を除去した後、再びSi基板1の表面を熱酸化することによって、保護用MISトランジスタ形成領域A10には厚み約7nmのシリコン酸化膜を形成し、通常MISトランジスタ形成領域A15には厚み約2.8nmのシリコン酸化膜を形成する。
【0032】
その後、シリコン酸化膜上に厚み約180nmのポリシリコン膜を堆積した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術により、ポリシリコン膜及びシリコン酸化膜をパターニングして、ゲート絶縁膜3(3a、3b)及びゲート電極4を形成する。ただし、保護用MISトランジスタ形成領域A10には厚み約7nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜3a及びゲート電極4が形成される一方、通常MISトランジスタ形成領域A15には厚みが約2.8nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜3b及びゲート電極4が形成される。以下、下段ウェル層21、中段ウェル層22、上段ウェル層23及び高濃度上段ウェル層24の図示は省略する。
【0033】
次に、図1Dに示す工程で、基板上に通常MISトランジスタ形成領域A15を覆い、保護用MISトランジスタ形成領域A10上に開口部を有するフォトレジスト膜32を形成する。そして、このフォトレジスト膜32及びゲート電極4をマスクにして、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSi基板1内に、n型不純物であるリンイオン(P+)を、注入角度が約25°、加速電圧が約30keV、ドーズ量が約1.5×1013atms・cm−2の注入条件で4ステップの斜め回転イオン注入を行い、低濃度ソース領域6a及び低濃度ドレイン領域6bを形成する。
【0034】
続けて、フォトレジスト膜32及びゲート電極4をマスクにして、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSi基板1内に、p型不純物であるB+イオン(又はBF2+イオン)を、注入角度が約25°、加速電圧が約25keV、ドーズ量が約3×1012atms・cm−2の注入条件で4ステップの斜め回転イオン注入を行い、ポケット領域8を形成する。このとき、ポケット領域8は、ゲート電極4下のSi基板1内に、低濃度ソース・ドレイン領域6a、6bのゲート側下端部からチャネル領域側に突出するように形成する。
【0035】
次に、図2Aに示す工程で、フォトレジスト膜32を除去した後、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A10上を覆い、通常MISトランジスタ形成領域A15上に開口部を有するフォトレジスト膜33を形成する。そして、このフォトレジスト膜33及びゲート電極4をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A15のSi基板1内に、n型不純物である砒素イオン(As+)を、加速電圧が約10keV、ドーズ量が約4×1014atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、エクステンション領域66a、66bを形成する。このとき、エクステンション領域66a、66bは、Si基板1におけるゲート電極4の端部下に位置する領域からSTI2に隣接する領域に亘って形成される。
【0036】
続けて、フォトレジスト膜33及びゲート電極4をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A15のSi基板1内に、p型不純物であるBF2+イオン(又はB+イオン)を、注入角度が約25°、加速電圧が約50keV、ドーズ量が約6×1012atms・cm−2の注入条件で4ステップの斜め回転イオン注入を行い、ポケット領域68を形成する。このとき、ポケット領域68は、ゲート電極4下のSi基板1内に、エクステンション領域66a、66bのゲート側下端部からチャネル領域側に突出するように形成する。
【0037】
次に、図2Bに示す工程で、フォトレジスト膜33を除去した後、基板上に厚み80nmのシリコン酸化膜を堆積し、異方性ドライエッチングによりシリコン酸化膜をエッチバックして、ゲート電極4の側面上にサイドウォール5を形成する。その後、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A10及び通常MISトランジスタ形成領域A15に開口部を有するフォトレジスト膜34を形成する。
【0038】
そして、このフォトレジスト膜34、ゲート電極4及びサイドウォール5をマスクにして、Si基板1にn型不純物のイオン注入を行い、低濃度ソース・ドレイン領域6a、6b及びエクステンション領域66a,66bよりも拡散深さの深い高濃度ソース・ドレイン領域7a、7bを形成する。この高濃度ソース・ドレイン領域7a、7bは、注入条件の異なる3回のイオン注入で形成する。まず、加速電圧が約20keV、ドーズ量が約5×1015atms・cm−2の注入条件でAs+イオンを注入し、その後、加速電圧が約50keV、ドーズ量が約6×1015atms・cm−2の注入条件でAs+イオンを注入し、最後に加速電圧が約50keV、ドーズ量が約5.2×1013atms・cm−2の注入条件でP+イオンを注入する。このように、3回のイオン注入で高濃度ソース・ドレイン領域7a、7bを形成することにより、接合近傍のN型不純物濃度を低濃度に形成することができるため、接合容量の低減を図ることができる。
【0039】
次に、図2Cに示す工程で、高濃度ソース・ドレイン領域7a,7bと同様に、ゲート電極4、サイドウォール5及びフォトレジスト膜34をマスクとして、Si基板1にp型不純物であるB+イオン(又はBF2+イオン)を、注入角度がθ(65)°、加速電圧が約60keV、ドーズ量が約5×1013atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSTI2側の高濃度ソース・ドレイン領域7a,7b下部の一部のみに高濃度ウェル領域10a、10bを選択的に形成する。
【0040】
この時、イオン注入の注入角度は、高濃度ソース領域7a側のSi基板1上面から高濃度ドレイン領域7b側のSi基板1内へ斜め注入する場合、フォトレジスト膜34、ゲート電極4及びサイドウォール5がマスクになって、ゲート電極4の端部下から離間した高濃度ドレイン領域7bのSTI2側の一部領域のみに注入される角度に設定する。同様に、高濃度ドレイン領域7b側のSi基板1上面から高濃度ソース領域7a側のSi基板1内へ斜め注入する場合、フォトレジスト膜34、ゲート電極4及びサイドウォール5がマスクになって、ゲート電極4の端部下から離間した高濃度ソース領域7aのSTI2側の一部領域のみに注入される角度に設定する。
【0041】
すなわち、注入角度θ°が、保護用MISトランジスタ形成領域A10におけるSi基板1表面への垂直線と、一方側のフォトレジスト膜34の上面端部(例えば、高濃度ソース領域7a側のSTI2上のフォトレジスト膜34の上面端部)と他方側のゲート電極4及びサイドウォール5の上面端部(例えば、高濃度ドレイン領域7b側のゲート電極4及びサイドウォール5の上面端部)とを結んだ直線との間の角度と同等以上の角度になるように設定する。さらに、注入角度θ°が、保護用MISトランジスタ形成領域A10におけるSi基板1表面への垂直線と、一方側のフォトレジスト膜34の上面端部(例えば、高濃度ソース領域7a側のSTI2上のフォトレジスト膜34の上面端部)と、他方側のSTI2と活性領域との境界部(例えば、高濃度ドレイン領域7bとSTI2との境界部)とを結んだ直線との間の角度よりも小さい角度になるように設定する。この結果、保護用MISトランジスタ形成領域A10に比べてゲート長方向の活性領域の幅が狭い通常MISトランジスタ形成領域A15にはイオン注入されず、保護用MISトランジスタ形成領域A10の一部領域のみにイオン注入され、高濃度ウェル領域10a、10bが形成される。
【0042】
その後、フォトレジスト膜34を除去し、熱処理を施してSi基板1内に注入された不純物を活性化した後、基板上にシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜(図示せず)を形成する。そして、接続孔の形成とコンタクト及び配線層の形成とを行うことにより、保護用MISトランジスタ及び通常MISトランジスタを有する半導体装致置が得られる。
【0043】
本実施形態によれば、高濃度ウェル領域10a、10bを形成するためのイオン注入の際に、従来の製造工程のような高濃度ウェル領域形成用のフォトレジストマスクが必要ないため、製造工程の複雑化を回避することができる。すなわち、高濃度ソース・ドレイン領域7a、7b形成用のフォトレジスト膜34をそのままマスクとして用い、ゲート電極4とサイドウォール5の影を利用し、イオン注入の注入角度を30°〜80°の範囲に制御することで、保護用MISトランジスタ形成領域A10の一部領域のみに高濃度ウェル領域10a、10bを形成することができる。
【0044】
この形成方法では、高濃度ソース・ドレイン領域7a、7b形成工程に引き続いて、高濃度ウェル領域10a、10bを形成できるため、リソグラフィ工程とマスクを増やすことなく、製造コストの増大やMISトランジスタ特性の悪化を防ぎながら、保護用MISトランジスタを形成することが可能である。しかも、高濃度ウェル領域10a、10bは、保護用MISトランジスタ形成領域A10におけるSTI2側の高濃度ソース・ドレイン領域7a、7bの一部下部領域に形成されるため、ソース―ドレイン間に逆電圧が印加された時、この間の電界が高くなり、ドレイン降伏が生じて、サージを接地に逃がすことができるので、サージ耐性の大きい保護用MISトランジスタを形成することができる。
【0045】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図3A−Dおよび図4A−Cは、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。ここで、図3A−Cに示す各工程は、第1の実施形態における図1A−Cに示す各工程と同一工程であるため、説明を省略する。
【0046】
次に、図3Dに示す工程で、基板上に通常MISトランジスタ形成領域A15を覆い、保護用MISトランジスタ形成領域A10上に開口部を有するフォトレジスト膜32を形成する。そして、このフォトレジスト膜32及びゲート電極4をマスクにして、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSi基板1内に、n型不純物であるP+イオンを、注入角度が約25°、加速電圧が約30keV、ドーズ量が約1.5×1013atms・cm−2の注入条件で4ステップの斜め回転イオン注入を行い、低濃度ソース領域6a及び低濃度ドレイン領域6bを形成する。
【0047】
続けて、フォトレジスト膜32及びゲート電極4をマスクにして、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSi基板1内に、p型不純物であるBF2+イオン(又はB+イオン)を、注入角度が約25°、加速電圧が約50keV、ドーズ量が約6×1012atms・cm−2の注入条件で4ステップの斜め回転イオン注入を行い、ポケット領域8を形成する。このとき、ポケット領域8は、ゲート電極4下のSi基板1内に、低濃度ソース・ドレイン領域6a、6bのゲート側下端部からチャネル領域側に突出するように形成する。
【0048】
次に、図4Aに示す工程で、低濃度ソース・ドレイン領域6a、6bやポケット領域8の形成と同様に、ゲート電極4及びフォトレジスト膜32をマスクとして、Si基板1にp型不純物であるB+イオン(又はBF2+イオン)を、注入角度がθ(65)°、加速電圧が約60keV、ドーズ量が約5×1013atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSTI2側の一部のみに高濃度ウェル領域10a、10bを選択的に形成する。
【0049】
この時、イオン注入の注入角度は、低濃度ソース領域6a側のSi基板1上面から低濃度ドレイン領域6b側のSi基板1内へ斜め注入する場合、フォトレジスト膜32及びゲート電極4がマスクになって低濃度ドレイン領域6bのSTI2側の一部領域のみに注入される角度に設定する。同様に、低濃度ドレイン領域6b側のSi基板1上面から低濃度ソース領域6a側のSi基板1内へ斜め注入する場合、フォトレジスト膜32及びゲート電極4がマスクになって低濃度ソース領域6aのSTI2側の一部領域のみに注入される角度に設定する。すなわち、注入角度θ°が、保護用MISトランジスタ形成領域A10におけるSi基板1表面への垂直線と、一方側のフォトレジスト膜32の上面端部(例えば、低濃度ソース領域6a側のSTI2上のフォトレジスト膜32の上面端部)と他方側のゲート電極4の上面端部(例えば、低濃度ドレイン領域6b側のゲート電極4の上面端部)とを結んだ直線との間の角度と同等以上の角度になるように設定する。さらに、注入角度θ°が、保護用MISトランジスタ形成領域A10におけるSi基板1表面への垂直線と、一方側のフォトレジスト膜32の上面端部(例えば、低濃度ソース領域6a側のSTI2上のフォトレジスト膜32の上面端部)と、他方側のSTI2と活性領域との境界部(例えば、低濃度ドレイン領域6bとSTI2との境界部)とを結んだ直線との間の角度よりも小さい角度になるように設定する。この結果、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSTI2側の一部領域のみにイオン注入され、高濃度ウェル領域10a、10bが形成される。
【0050】
次に、図4Bに示す工程で、フォトレジスト膜32を除去した後、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A10上を覆い、通常MISトランジスタ形成領域A15上に開口部を有するフォトレジスト膜33を形成する。そして、このフォトレジスト膜33及びゲート電極4をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A15のSi基板1内に、n型不純物である砒素イオン(As+)を、加速電圧が約10keV、ドーズ量が約4×1014atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、エクステンション領域66a、66bを形成する。このとき、エクステンション領域66a、66bは、Si基板1におけるゲート電極4の端部下に位置する領域からSTI2に隣接する領域に亘って形成される。
【0051】
続けて、フォトレジスト膜33及びゲート電極4をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A15のSi基板1内に、p型不純物であるBF2+イオン(又はB+イオン)を、注入角度が約25°、加速電圧が約50keV、ドーズ量が約6×1012atms・cm−2の注入条件で4ステップの斜め回転イオン注入を行い、ポケット領域68を形成する。このとき、ポケット領域68は、ゲート電極4下のSi基板1内に、エクステンション領域66a、66bのゲート側下端部からチャネル領域側に突出するように形成する。
【0052】
次に、図4Cに示す工程で、フォトレジスト膜33を除去した後、基板上に厚み80nmのシリコン酸化膜を堆積し、異方性ドライエッチングによりシリコン酸化膜をエッチバックして、ゲート電極4の側面上にサイドウォール5を形成する。その後、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A10及び通常MISトランジスタ形成領域A15に開口部を有するフォトレジスト膜34を形成する。
【0053】
そして、このフォトレジスト膜34、ゲート電極4及びサイドウォール5をマスクにして、Si基板1にn型不純物のイオン注入を行い、低濃度ソース領域6a及び低濃度ドレイン領域6b及びエクステンション領域66a,66bよりも拡散深さの深い高濃度ソース領域7a及び高濃度ドレイン領域7bを形成する。この高濃度ソース領域7a及び高濃度ドレイン領域7bは、第1の実施形態と同様に注入条件の異なる3回のイオン注入で形成しても良い。
【0054】
その後、フォトレジスト膜34を除去し、熱処理を施してSi基板1内に注入された不純物を活性化した後、基板上にシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜(図示せず)を形成する。そして、接続孔の形成とコンタクト及び配線層の形成とを行うことにより、保護用MISトランジスタ及び通常MISトランジスタを有する半導体装致置が得られる。
【0055】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、高濃度ウェル領域10a、10bを形成するためのイオン注入の際に、従来の製造工程のような高濃度ウェル領域形成用のフォトレジストマスクが必要ないため、製造工程の複雑化を回避することができる。しかも、高濃度ウェル領域10a、10bは、保護用MISトランジスタ形成領域A10におけるSTI2側の高濃度ソース・ドレイン領域7a、7bの一部下部領域のみに形成されるため、ソース―ドレイン間に逆電圧が印加された時、この間の電界が高くなり、ドレイン降伏が生じて、サージを接地に逃がすことができるので、サージ耐性の大きい保護用MISトランジスタを形成することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、トランジスタ特性に影響を与えることなく、かつリソグラフィ工程の増大なく、入出力パッドに接続されている保護用MISトランジスタのソース・ドレイン領域と基板領域との接合耐圧が低下し、パッドから入ったサージを素早く基板領域に逃がすことができるので、サージ耐性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A−Dは本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の前半部を示す断面図である。
【図2】A−Cは本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の後半部を示す断面図である。
【図3】A−Dは本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の前半部を示す断面図である。
【図4】A−Cは本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の後半部を示す断面図である。
【図5】A−Eは、従来の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 Si基板
1a 基板領域
2 浅いトレンチ型素子分離領域(STI)
3a,3b ゲート絶縁膜
4 ゲート電極
5 サイドウォール
6a 低濃度ソース領域
6b 低濃度ドレイン領域
7a 高濃度ソース領域
7b 高濃度ドレイン領域
8 ポケット領域
10a 高濃度ウェル領域
10b 高濃度ウェル領域
21 下段ウェル層
22 中段ウェル層
23 上段ウェル層
31〜34 フォトレジスト膜
66a エクステンション領域
66b エクステンション領域
68 ポケット領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、MIS(metal−insulator−semiconductor)トランジスタを有する半導体装置の製造方法であり、さらに詳しくは、サージ耐性を向上した保護用MISトランジスタを有する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体集積回路では、サージ入力への対策として、入出力用パッドに接続されるMISトランジスタ(以下、「保護用MISトランジスタ」と略する)には、サージ入力が入った時に、サージ電流を接地に逃がすための構造が設けられている。
【0003】
図5A−Eは、従来の保護用MISトランジスタ及び通常MISトランジスタを有する半導体装置の製造工程を示す断面図である。ここでは、入出力パッドに接続されるnチャネル型の保護用MISトランジスタと、入出力パッドには接続されないnチャネル型の通常MISトランジスタとを有する半導体装置の製造方法について説明する。
【0004】
まず、図5Aに示す工程で、Si基板101に、保護用MISトランジスタ形成領域A100と通常MISトランジスタ形成領域A150とを区画し、各活性領域を取り囲むシャロートレンチ分離領域(STI:Shallow Trench Isolation)102を形成する。その後、Si基板101内に、イオン注入によりp型不純物の注入を行い、ウェル層やチャネルストッパ層等を有するp型基板領域101aを形成する。その後、基板上に熱酸化膜及びポリシリコン膜を順次形成した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術により、ポリシリコン膜及び熱酸化膜をパターニングして、活性領域上にゲート絶縁膜103とゲート電極104とを形成する。
【0005】
次に図5Bに示す工程で、リソグラフィ技術を用いて、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A100に開口を有するフォトレジスト膜131を形成する。そして、フォトレジスト膜131及びゲート電極104をマスクにして、保護用MISトランジスタ形成領域A100のSi基板101内に、n型不純物であるリンイオン(P+)を注入して、低濃度ソース領域106a及び低濃度ドレイン領域106bを形成する。続けて、フォトレジストマスク131及びゲート電極104をマスクにして、ボロンイオン(B+)を保護用MISトランジスタ形成領域A100のSi基板101内に注入して、ポケット領域108を形成する。
【0006】
次に、図5Cに示す工程で、フォトレジスト膜131を除去した後、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A100上を覆い、通常MISトランジスタ形成領域A150上に開口部を有するフォトレジスト膜132を形成する。そして、このフォトレジスト膜132及びゲート電極104をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A150のSi基板101内に、n型不純物である砒素イオン(As+)のイオン注入を行い、エクステンション領域166a、166bを形成する。続けて、フォトレジスト膜132及びゲート電極104をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A150のSi基板101内に、p型不純物であるボロンイオン(B+)のイオン注入を行い、ポケット領域168を形成する。
【0007】
次に、図5Dに示す工程で、フォトレジスト膜132を除去した後、基板上にシリコン酸化膜を堆積した後、異方性ドライエッチングによりシリコン酸化膜をエッチバックして、ゲート電極104の側面上にサイドウォール105を形成する。その後、ゲート電極104及びサイドウォール105をマスクにして、Si基板101にn型不純物のイオン注入を行い、低濃度ソース・ドレイン領域106a、106b及びエクステンション領域166a,166bよりも拡散深さの深い高濃度ソース・ドレイン領域107a、107bを形成する。
【0008】
次に図5Eに示す工程で、リソグラフィ技術を用いて、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A100の高濃度ソース・ドレイン領域107a,107bにおけるSTI102に近い一部領域上に開口部を有するフォトレジスト膜133を形成する。そして、フォトレジスト膜133をマスクにして、保護用MISトランジスタ形成領域A100のSi基板101内に、p型不純物であるボロンイオン(B+)を注入して、高濃度ウェル領域110a、110bを形成する。
【0009】
このような製造方法により、保護用MISトランジスタ形成領域A100の高濃度ソース・ドレイン領域107a,107bにおけるSTI102に近い一部領域下に高濃度ウェル領域110a、110bが形成される。これにより、保護用MISトランジスタは、サージ入力等によりドレイン―基板間に逆電圧が印加された時、高濃度ウェル領域110bと高濃度ドレイン領域107bとの間で電界が高くなり、ドレイン降伏が生じて、すばやくサージを接地に逃がすことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のような製造方法では、高濃度ウェル領域110a、110bを形成するためには専用のフォトレジスト膜133が必要なため、リソグラフィ工程などが大幅に増大して製造工程が複雑化するので、製造コストの増大やMISトランジスタ特性の悪化を招くおそれがある。
【0011】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、リソグラフィ工程を増大させることなく、サージを確実に逃がすことができる構造を有する保護用MISトランジスタを備えた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の第1番目の半導体装置の製造方法は、第1導電型の半導体領域上の第1MISトランジスタ形成領域に形成された入出力パッドに直接接続される第1MISトランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、前記半導体領域に、前記第1MISトランジスタ形成領域の活性領域を取り囲むトレンチ型素子分離領域を形成する工程(a)と、前記第1MISトランジスタ形成領域の活性領域上に第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極を形成する工程(b)と、前記工程(b)の後に、基板上に、前記第1MISトランジスタ形成領域上に開口部を有するフォトレジスト膜を形成する工程(c)と、前記フォトレジスト膜及び前記第1のゲート電極をマスクにして、前記第1MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第2導電型不純物のイオン注入を行い、第2導電型の低濃度ソース・ドレイン領域を形成する工程(d)と、前記フォトレジスト膜及び前記第1のゲート電極をマスクにして、前記第1MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第1導電型不純物の斜めイオン注入を行い、前記第1MISトランジスタのソース・ドレイン領域における前記第1のゲート電極の端部下から離間した位置に第1導電型の不純物拡散領域を形成する工程(e)とを含むことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、不純物拡散領域を形成するための斜めイオン注入は、低濃度ソース・ドレイン領域を形成するのと同じフォトレジスト膜をマスクとして用いるため、従来の製造工程のような不純物拡散領域を形成するための専用フォトレジスト膜を形成する必要がない。従って、リソグラフィ工程が増大しないので、製造工程の複雑化を回避することができる。しかも、不純物拡散領域は、第1ゲート電極の端部下から離間した位置で、素子分離領域側の高濃度ソース・ドレイン領域の一部下部領域のみに形成されるため、ソース―ドレイン間に逆電圧が印加された時、この間の電界が高くなり、ドレイン降伏が生じて、サージを接地に逃がすことができるので、サージ耐性の大きい第1MISトランジスタを形成することができる。
【0014】
前記第1番目の半導体装置の製造方法において、前記第1導電型の半導体領域上の第2MISトランジスタ形成領域に形成された入出力パッドに直接接続されない第2MISトランジスタをさらに有し、前記工程(a)では、前記半導体領域に、前記第2MISトランジスタ形成領域の活性領域を取り囲む前記トレンチ型素子分離領域を形成し、前記工程(b)では、前記第2MISトランジスタ形成領域の活性領域上に第2のゲート絶縁膜及び第2のゲート電極を形成し、前記工程(c)では、前記第2MISトランジスタ形成領域上を覆うように前記フォトレジスト膜を形成する。
【0015】
また、前記第1番目の半導体装置の製造方法において、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は、前記第2のゲート絶縁膜の膜厚よりも厚く形成されている。
【0016】
また、前記第1番目の半導体装置の製造方法において、前記工程(e)では、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入の注入角度は、前記半導体領域表面への垂直線と、一方側の前記フォトレジスト膜の上面端部と他方側の前記第1のゲート電極の上面端部とを結ぶ直線との間の角度と同等以上の角度を有している。これにより、第1MISトランジスタのソース・ドレイン領域における第1のゲート電極の端部下から離間した位置に、不純物拡散領域を選択的に形成することができる。
【0017】
さらに、前記第1番目の半導体装置の製造方法において、前記工程(e)では、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入の注入角度は、前記半導体領域表面への垂直線と、一方側の前記フォトレジスト膜の上面端部と他方側の活性領域と前記素子分離領域との境界部とを結ぶ直線との間の角度よりも小さい角度を有している。これにより、第1MISトランジスタのソース・ドレイン領域における第1のゲート電極の端部下から離間した位置における活性領域に不純物拡散領域を選択的に形成することができる。
【0018】
本発明の第2番目の半導体装置の製造方法は、第1導電型の半導体領域上の第1MISトランジスタ形成領域に形成された入出力パッドに直接接続される第1MISトランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、前記半導体領域に、前記第1MISトランジスタ形成領域の活性領域を取り囲むトレンチ型素子分離領域を形成する工程(a)と、前記第1MISトランジスタ形成領域の活性領域上に第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極を形成する工程(b)と、前記工程(b)の後に、前記第1のゲート電極の側面上に第1の絶縁性サイドウォールを形成する工程(c)と、前記工程(c)の後に、基板上に、前記第1MISトランジスタ形成領域上に開口部を有するフォトレジスト膜を形成する工程(d)と、前記フォトレジスト膜、前記第1のゲート電極及び前記第1の絶縁性サイドウォールをマスクにして、前記第1MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第2導電型不純物のイオン注入を行い、前記第1MISトランジスタの第2導電型の高濃度ソース・ドレイン領域を形成する工程(e)と、前記フォトレジスト膜、前記第1のゲート電極及び前記第1の絶縁性サイドウォールをマスクにして、前記第1MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第1導電型不純物の斜めイオン注入を行い、前記第1MISトランジスタのソース・ドレイン領域における前記第1のゲート電極の端部下から離間した位置に第1導電型の不純物拡散領域を形成する工程(f)とを含むことを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、不純物拡散領域を形成するための斜めイオン注入は、高濃度ソース・ドレイン領域を形成するのと同じフォトレジスト膜をマスクして用いるため、従来の製造工程のような不純物拡散領域を形成するための専用フォトレジスト膜を形成する必要がない。従って、リソグラフィ工程が増大しないので、製造工程の複雑化を回避することができる。しかも、不純物拡散領域は、第1ゲート電極の端部下から離間した位置で、素子分離領域側の高濃度ソース・ドレイン領域の一部下部領域のみに形成されるため、ソース―ドレイン間に逆電圧が印加された時、この間の電界が高くなり、ドレイン降伏が生じて、サージを接地に逃がすことができるので、サージ耐性の大きい第1MISトランジスタを形成することができる。
【0020】
前記第2番目の半導体装置の製造方法において、前記第1導電型の半導体領域上の第2MISトランジスタ形成領域に形成された入出力パッドに直接接続されない第2MISトランジスタをさらに有し、前記工程(a)では、前記半導体領域に、前記第2MISトランジスタ形成領域の活性領域を取り囲む前記トレンチ型素子分離領域を形成し、前記工程(b)では、前記第2MISトランジスタ形成領域の活性領域上に第2のゲート絶縁膜及び第2のゲート電極を形成し、前記工程(c)では、前記第2のゲート電極の側面上に第2の絶縁性サイドウォールを形成し、前記工程(d)では、前記第2MISトランジスタ形成領域上に開口部を有するように前記フォトレジスト膜を形成し、前記工程(e)では、前記フォトレジスト膜、前記第2のゲート電極及び前記第2の絶縁性サイドウォールをマスクにして、前記第2MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第2導電型不純物のイオン注入を行い、前記第2MISトランジスタの第2導電型の高濃度ソース・ドレイン領域を形成し、前記工程(f)では、前記フォトレジスト膜をマスクにして、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入を行うことによって、前記第2MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域には前記第1導電型不純物を注入しないことが好ましい。
【0021】
また、前記第2番目の半導体装置の製造方法において、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は、前記第2のゲート絶縁膜の膜厚よりも厚く形成されている。
【0022】
また、前記第2番目の半導体装置の製造方法において、前記工程(f)では、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入の注入角度は、前記半導体領域表面への垂直線と、一方側の前記フォトレジスト膜の上面端部と他方側の前記第1のゲート電極の上面端部とを結ぶ直線との間の角度と同等以上の角度を有している。
【0023】
さらに、前記第2番目の半導体装置の製造方法において、前記工程(f)では、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入の注入角度は、前記半導体領域表面への垂直線と、一方側の前記フォトレジスト膜の上面端部と他方側の活性領域と前記素子分離領域との境界部とを結ぶ直線との間の角度よりも小さい角度を有している。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図1A−Dおよび図2A−Cは、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。本実施形態では、3.3V電源電圧で駆動する入出力パッドに接続されているnチャネル型の保護用MISトランジスタと、1.5V電源電圧で駆動する入出力パッドには接続されていないnチャネル型の通常MISトランジスタとを有する半導体装置の製造方法について説明する。なお、pチャネル型のMISトランジスタは、拡散層に導入する不純物の導電型を逆にすれば、本実施形態で以下に説明するnチャネル型のMISトランジスタと基本的には同じ製造方法によって形成することが可能である。
【0025】
まず、図1Aに示す工程で、Si基板1に、保護用MISトランジスタ形成領域A10と通常MISトランジスタ形成領域A15とを区画し、各活性領域を取り囲むようにシリコン酸化膜からなる浅いトレンチ型素子分離領域(STI:Shallow Trench Isolation)2を深さ300nm程度で形成する。その後、p型不純物であるボロンイオン(B+)(又はフッ化ボロンイオン(BF2+)を、ドーズ量、加速電圧が相異なる3条件で3回に分けて注入してp型基板領域1aを形成する。
【0026】
まず、加速電圧が約280keV、ドーズ量が約1×1013atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、Si基板1の深部(STI2の底部よりも深い領域)にラッチアップ防止用の下段ウェル層21を形成する。
【0027】
次に、加速電圧が約120keV、ドーズ量が約6×1012atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、Si基板1の中部に、下段ウェル層21よりも浅く、STI2の底部とほぼ同じ深さ領域にチャネルストッパーとして機能する中段ウェル層22を形成する。
【0028】
次に、加速電圧が約45keV、ドーズ量が約5×1012atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、Si基板1の浅部に、中段ウェル層22よりも浅い領域(STI2の底部よりも浅い領域)のチャネル領域となる部分に閾値制御のための上段ウェル層23を形成する。
【0029】
これにより、下段ウェル層21、中段ウェル層22及び上段ウェル層23からなるp型基板領域1aが形成される。
【0030】
次に、図1Bに示す工程で、基板上に、保護用MISトランジスタ形成領域A10を覆い、通常MISトランジスタ形成領域A15上に開口部を有するフォトレジスト膜31を形成する。その後、このフォトレジスト膜31をマスクにして、Si基板1の通常MISトランジスタ形成領域A15に、p型不純物であるBF2+イオン(又はB+イオン)を、加速電圧45keV、ドーズ量が約5×1012atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、1.5V型の通常MISトランジスタの動作に適した閾値電圧を得る為の高濃度上段ウェル層24を形成する。すなわち、図1Aに示す工程で形成された上段ウェル層23は、3.3V型の保護用MISトランジスタの閾値電圧に適した不純物濃度であり、1.5V型の通常MISトランジスタの閾値電圧に適した不純物濃度を得る為に、高濃度上段ウェル層24を形成する。
【0031】
次に、図1Cに示す工程で、フォトレジスト膜31を除去した後、各MISトランジスタ形成領域A10、A15上に、厚み約6nmのシリコン酸化膜を形成する。その後、保護用MISトランジスタ形成領域A10を覆うフォトレジスト膜(図示せず)をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A15上のシリコン酸化膜のみをウェットエッチによって選択的に除去する。そして、フォトレジスト膜を除去した後、再びSi基板1の表面を熱酸化することによって、保護用MISトランジスタ形成領域A10には厚み約7nmのシリコン酸化膜を形成し、通常MISトランジスタ形成領域A15には厚み約2.8nmのシリコン酸化膜を形成する。
【0032】
その後、シリコン酸化膜上に厚み約180nmのポリシリコン膜を堆積した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術により、ポリシリコン膜及びシリコン酸化膜をパターニングして、ゲート絶縁膜3(3a、3b)及びゲート電極4を形成する。ただし、保護用MISトランジスタ形成領域A10には厚み約7nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜3a及びゲート電極4が形成される一方、通常MISトランジスタ形成領域A15には厚みが約2.8nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜3b及びゲート電極4が形成される。以下、下段ウェル層21、中段ウェル層22、上段ウェル層23及び高濃度上段ウェル層24の図示は省略する。
【0033】
次に、図1Dに示す工程で、基板上に通常MISトランジスタ形成領域A15を覆い、保護用MISトランジスタ形成領域A10上に開口部を有するフォトレジスト膜32を形成する。そして、このフォトレジスト膜32及びゲート電極4をマスクにして、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSi基板1内に、n型不純物であるリンイオン(P+)を、注入角度が約25°、加速電圧が約30keV、ドーズ量が約1.5×1013atms・cm−2の注入条件で4ステップの斜め回転イオン注入を行い、低濃度ソース領域6a及び低濃度ドレイン領域6bを形成する。
【0034】
続けて、フォトレジスト膜32及びゲート電極4をマスクにして、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSi基板1内に、p型不純物であるB+イオン(又はBF2+イオン)を、注入角度が約25°、加速電圧が約25keV、ドーズ量が約3×1012atms・cm−2の注入条件で4ステップの斜め回転イオン注入を行い、ポケット領域8を形成する。このとき、ポケット領域8は、ゲート電極4下のSi基板1内に、低濃度ソース・ドレイン領域6a、6bのゲート側下端部からチャネル領域側に突出するように形成する。
【0035】
次に、図2Aに示す工程で、フォトレジスト膜32を除去した後、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A10上を覆い、通常MISトランジスタ形成領域A15上に開口部を有するフォトレジスト膜33を形成する。そして、このフォトレジスト膜33及びゲート電極4をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A15のSi基板1内に、n型不純物である砒素イオン(As+)を、加速電圧が約10keV、ドーズ量が約4×1014atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、エクステンション領域66a、66bを形成する。このとき、エクステンション領域66a、66bは、Si基板1におけるゲート電極4の端部下に位置する領域からSTI2に隣接する領域に亘って形成される。
【0036】
続けて、フォトレジスト膜33及びゲート電極4をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A15のSi基板1内に、p型不純物であるBF2+イオン(又はB+イオン)を、注入角度が約25°、加速電圧が約50keV、ドーズ量が約6×1012atms・cm−2の注入条件で4ステップの斜め回転イオン注入を行い、ポケット領域68を形成する。このとき、ポケット領域68は、ゲート電極4下のSi基板1内に、エクステンション領域66a、66bのゲート側下端部からチャネル領域側に突出するように形成する。
【0037】
次に、図2Bに示す工程で、フォトレジスト膜33を除去した後、基板上に厚み80nmのシリコン酸化膜を堆積し、異方性ドライエッチングによりシリコン酸化膜をエッチバックして、ゲート電極4の側面上にサイドウォール5を形成する。その後、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A10及び通常MISトランジスタ形成領域A15に開口部を有するフォトレジスト膜34を形成する。
【0038】
そして、このフォトレジスト膜34、ゲート電極4及びサイドウォール5をマスクにして、Si基板1にn型不純物のイオン注入を行い、低濃度ソース・ドレイン領域6a、6b及びエクステンション領域66a,66bよりも拡散深さの深い高濃度ソース・ドレイン領域7a、7bを形成する。この高濃度ソース・ドレイン領域7a、7bは、注入条件の異なる3回のイオン注入で形成する。まず、加速電圧が約20keV、ドーズ量が約5×1015atms・cm−2の注入条件でAs+イオンを注入し、その後、加速電圧が約50keV、ドーズ量が約6×1015atms・cm−2の注入条件でAs+イオンを注入し、最後に加速電圧が約50keV、ドーズ量が約5.2×1013atms・cm−2の注入条件でP+イオンを注入する。このように、3回のイオン注入で高濃度ソース・ドレイン領域7a、7bを形成することにより、接合近傍のN型不純物濃度を低濃度に形成することができるため、接合容量の低減を図ることができる。
【0039】
次に、図2Cに示す工程で、高濃度ソース・ドレイン領域7a,7bと同様に、ゲート電極4、サイドウォール5及びフォトレジスト膜34をマスクとして、Si基板1にp型不純物であるB+イオン(又はBF2+イオン)を、注入角度がθ(65)°、加速電圧が約60keV、ドーズ量が約5×1013atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSTI2側の高濃度ソース・ドレイン領域7a,7b下部の一部のみに高濃度ウェル領域10a、10bを選択的に形成する。
【0040】
この時、イオン注入の注入角度は、高濃度ソース領域7a側のSi基板1上面から高濃度ドレイン領域7b側のSi基板1内へ斜め注入する場合、フォトレジスト膜34、ゲート電極4及びサイドウォール5がマスクになって、ゲート電極4の端部下から離間した高濃度ドレイン領域7bのSTI2側の一部領域のみに注入される角度に設定する。同様に、高濃度ドレイン領域7b側のSi基板1上面から高濃度ソース領域7a側のSi基板1内へ斜め注入する場合、フォトレジスト膜34、ゲート電極4及びサイドウォール5がマスクになって、ゲート電極4の端部下から離間した高濃度ソース領域7aのSTI2側の一部領域のみに注入される角度に設定する。
【0041】
すなわち、注入角度θ°が、保護用MISトランジスタ形成領域A10におけるSi基板1表面への垂直線と、一方側のフォトレジスト膜34の上面端部(例えば、高濃度ソース領域7a側のSTI2上のフォトレジスト膜34の上面端部)と他方側のゲート電極4及びサイドウォール5の上面端部(例えば、高濃度ドレイン領域7b側のゲート電極4及びサイドウォール5の上面端部)とを結んだ直線との間の角度と同等以上の角度になるように設定する。さらに、注入角度θ°が、保護用MISトランジスタ形成領域A10におけるSi基板1表面への垂直線と、一方側のフォトレジスト膜34の上面端部(例えば、高濃度ソース領域7a側のSTI2上のフォトレジスト膜34の上面端部)と、他方側のSTI2と活性領域との境界部(例えば、高濃度ドレイン領域7bとSTI2との境界部)とを結んだ直線との間の角度よりも小さい角度になるように設定する。この結果、保護用MISトランジスタ形成領域A10に比べてゲート長方向の活性領域の幅が狭い通常MISトランジスタ形成領域A15にはイオン注入されず、保護用MISトランジスタ形成領域A10の一部領域のみにイオン注入され、高濃度ウェル領域10a、10bが形成される。
【0042】
その後、フォトレジスト膜34を除去し、熱処理を施してSi基板1内に注入された不純物を活性化した後、基板上にシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜(図示せず)を形成する。そして、接続孔の形成とコンタクト及び配線層の形成とを行うことにより、保護用MISトランジスタ及び通常MISトランジスタを有する半導体装致置が得られる。
【0043】
本実施形態によれば、高濃度ウェル領域10a、10bを形成するためのイオン注入の際に、従来の製造工程のような高濃度ウェル領域形成用のフォトレジストマスクが必要ないため、製造工程の複雑化を回避することができる。すなわち、高濃度ソース・ドレイン領域7a、7b形成用のフォトレジスト膜34をそのままマスクとして用い、ゲート電極4とサイドウォール5の影を利用し、イオン注入の注入角度を30°〜80°の範囲に制御することで、保護用MISトランジスタ形成領域A10の一部領域のみに高濃度ウェル領域10a、10bを形成することができる。
【0044】
この形成方法では、高濃度ソース・ドレイン領域7a、7b形成工程に引き続いて、高濃度ウェル領域10a、10bを形成できるため、リソグラフィ工程とマスクを増やすことなく、製造コストの増大やMISトランジスタ特性の悪化を防ぎながら、保護用MISトランジスタを形成することが可能である。しかも、高濃度ウェル領域10a、10bは、保護用MISトランジスタ形成領域A10におけるSTI2側の高濃度ソース・ドレイン領域7a、7bの一部下部領域に形成されるため、ソース―ドレイン間に逆電圧が印加された時、この間の電界が高くなり、ドレイン降伏が生じて、サージを接地に逃がすことができるので、サージ耐性の大きい保護用MISトランジスタを形成することができる。
【0045】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図3A−Dおよび図4A−Cは、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。ここで、図3A−Cに示す各工程は、第1の実施形態における図1A−Cに示す各工程と同一工程であるため、説明を省略する。
【0046】
次に、図3Dに示す工程で、基板上に通常MISトランジスタ形成領域A15を覆い、保護用MISトランジスタ形成領域A10上に開口部を有するフォトレジスト膜32を形成する。そして、このフォトレジスト膜32及びゲート電極4をマスクにして、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSi基板1内に、n型不純物であるP+イオンを、注入角度が約25°、加速電圧が約30keV、ドーズ量が約1.5×1013atms・cm−2の注入条件で4ステップの斜め回転イオン注入を行い、低濃度ソース領域6a及び低濃度ドレイン領域6bを形成する。
【0047】
続けて、フォトレジスト膜32及びゲート電極4をマスクにして、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSi基板1内に、p型不純物であるBF2+イオン(又はB+イオン)を、注入角度が約25°、加速電圧が約50keV、ドーズ量が約6×1012atms・cm−2の注入条件で4ステップの斜め回転イオン注入を行い、ポケット領域8を形成する。このとき、ポケット領域8は、ゲート電極4下のSi基板1内に、低濃度ソース・ドレイン領域6a、6bのゲート側下端部からチャネル領域側に突出するように形成する。
【0048】
次に、図4Aに示す工程で、低濃度ソース・ドレイン領域6a、6bやポケット領域8の形成と同様に、ゲート電極4及びフォトレジスト膜32をマスクとして、Si基板1にp型不純物であるB+イオン(又はBF2+イオン)を、注入角度がθ(65)°、加速電圧が約60keV、ドーズ量が約5×1013atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSTI2側の一部のみに高濃度ウェル領域10a、10bを選択的に形成する。
【0049】
この時、イオン注入の注入角度は、低濃度ソース領域6a側のSi基板1上面から低濃度ドレイン領域6b側のSi基板1内へ斜め注入する場合、フォトレジスト膜32及びゲート電極4がマスクになって低濃度ドレイン領域6bのSTI2側の一部領域のみに注入される角度に設定する。同様に、低濃度ドレイン領域6b側のSi基板1上面から低濃度ソース領域6a側のSi基板1内へ斜め注入する場合、フォトレジスト膜32及びゲート電極4がマスクになって低濃度ソース領域6aのSTI2側の一部領域のみに注入される角度に設定する。すなわち、注入角度θ°が、保護用MISトランジスタ形成領域A10におけるSi基板1表面への垂直線と、一方側のフォトレジスト膜32の上面端部(例えば、低濃度ソース領域6a側のSTI2上のフォトレジスト膜32の上面端部)と他方側のゲート電極4の上面端部(例えば、低濃度ドレイン領域6b側のゲート電極4の上面端部)とを結んだ直線との間の角度と同等以上の角度になるように設定する。さらに、注入角度θ°が、保護用MISトランジスタ形成領域A10におけるSi基板1表面への垂直線と、一方側のフォトレジスト膜32の上面端部(例えば、低濃度ソース領域6a側のSTI2上のフォトレジスト膜32の上面端部)と、他方側のSTI2と活性領域との境界部(例えば、低濃度ドレイン領域6bとSTI2との境界部)とを結んだ直線との間の角度よりも小さい角度になるように設定する。この結果、保護用MISトランジスタ形成領域A10のSTI2側の一部領域のみにイオン注入され、高濃度ウェル領域10a、10bが形成される。
【0050】
次に、図4Bに示す工程で、フォトレジスト膜32を除去した後、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A10上を覆い、通常MISトランジスタ形成領域A15上に開口部を有するフォトレジスト膜33を形成する。そして、このフォトレジスト膜33及びゲート電極4をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A15のSi基板1内に、n型不純物である砒素イオン(As+)を、加速電圧が約10keV、ドーズ量が約4×1014atms・cm−2の注入条件でイオン注入を行い、エクステンション領域66a、66bを形成する。このとき、エクステンション領域66a、66bは、Si基板1におけるゲート電極4の端部下に位置する領域からSTI2に隣接する領域に亘って形成される。
【0051】
続けて、フォトレジスト膜33及びゲート電極4をマスクにして、通常MISトランジスタ形成領域A15のSi基板1内に、p型不純物であるBF2+イオン(又はB+イオン)を、注入角度が約25°、加速電圧が約50keV、ドーズ量が約6×1012atms・cm−2の注入条件で4ステップの斜め回転イオン注入を行い、ポケット領域68を形成する。このとき、ポケット領域68は、ゲート電極4下のSi基板1内に、エクステンション領域66a、66bのゲート側下端部からチャネル領域側に突出するように形成する。
【0052】
次に、図4Cに示す工程で、フォトレジスト膜33を除去した後、基板上に厚み80nmのシリコン酸化膜を堆積し、異方性ドライエッチングによりシリコン酸化膜をエッチバックして、ゲート電極4の側面上にサイドウォール5を形成する。その後、基板上に保護用MISトランジスタ形成領域A10及び通常MISトランジスタ形成領域A15に開口部を有するフォトレジスト膜34を形成する。
【0053】
そして、このフォトレジスト膜34、ゲート電極4及びサイドウォール5をマスクにして、Si基板1にn型不純物のイオン注入を行い、低濃度ソース領域6a及び低濃度ドレイン領域6b及びエクステンション領域66a,66bよりも拡散深さの深い高濃度ソース領域7a及び高濃度ドレイン領域7bを形成する。この高濃度ソース領域7a及び高濃度ドレイン領域7bは、第1の実施形態と同様に注入条件の異なる3回のイオン注入で形成しても良い。
【0054】
その後、フォトレジスト膜34を除去し、熱処理を施してSi基板1内に注入された不純物を活性化した後、基板上にシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜(図示せず)を形成する。そして、接続孔の形成とコンタクト及び配線層の形成とを行うことにより、保護用MISトランジスタ及び通常MISトランジスタを有する半導体装致置が得られる。
【0055】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、高濃度ウェル領域10a、10bを形成するためのイオン注入の際に、従来の製造工程のような高濃度ウェル領域形成用のフォトレジストマスクが必要ないため、製造工程の複雑化を回避することができる。しかも、高濃度ウェル領域10a、10bは、保護用MISトランジスタ形成領域A10におけるSTI2側の高濃度ソース・ドレイン領域7a、7bの一部下部領域のみに形成されるため、ソース―ドレイン間に逆電圧が印加された時、この間の電界が高くなり、ドレイン降伏が生じて、サージを接地に逃がすことができるので、サージ耐性の大きい保護用MISトランジスタを形成することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、トランジスタ特性に影響を与えることなく、かつリソグラフィ工程の増大なく、入出力パッドに接続されている保護用MISトランジスタのソース・ドレイン領域と基板領域との接合耐圧が低下し、パッドから入ったサージを素早く基板領域に逃がすことができるので、サージ耐性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A−Dは本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の前半部を示す断面図である。
【図2】A−Cは本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の後半部を示す断面図である。
【図3】A−Dは本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の前半部を示す断面図である。
【図4】A−Cは本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の後半部を示す断面図である。
【図5】A−Eは、従来の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 Si基板
1a 基板領域
2 浅いトレンチ型素子分離領域(STI)
3a,3b ゲート絶縁膜
4 ゲート電極
5 サイドウォール
6a 低濃度ソース領域
6b 低濃度ドレイン領域
7a 高濃度ソース領域
7b 高濃度ドレイン領域
8 ポケット領域
10a 高濃度ウェル領域
10b 高濃度ウェル領域
21 下段ウェル層
22 中段ウェル層
23 上段ウェル層
31〜34 フォトレジスト膜
66a エクステンション領域
66b エクステンション領域
68 ポケット領域
Claims (10)
- 第1導電型の半導体領域上の第1MISトランジスタ形成領域に形成された入出力パッドに直接接続される第1MISトランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、
前記半導体領域に、前記第1MISトランジスタ形成領域の活性領域を取り囲むトレンチ型素子分離領域を形成する工程(a)と、
前記第1MISトランジスタ形成領域の活性領域上に第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極を形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後に、基板上に、前記第1MISトランジスタ形成領域上に開口部を有するフォトレジスト膜を形成する工程(c)と、
前記フォトレジスト膜及び前記第1のゲート電極をマスクにして、前記第1MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第2導電型不純物のイオン注入を行い、第2導電型の低濃度ソース・ドレイン領域を形成する工程(d)と、
前記フォトレジスト膜及び前記第1のゲート電極をマスクにして、前記第1MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第1導電型不純物の斜めイオン注入を行い、前記第1MISトランジスタのソース・ドレイン領域における前記第1のゲート電極の端部下から離間した位置に第1導電型の不純物拡散領域を形成する工程(e)とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1導電型の半導体領域上の第2MISトランジスタ形成領域に形成された入出力パッドに直接接続されない第2MISトランジスタをさらに有し、
前記工程(a)では、前記半導体領域に、前記第2MISトランジスタ形成領域の活性領域を取り囲む前記トレンチ型素子分離領域を形成し、
前記工程(b)では、前記第2MISトランジスタ形成領域の活性領域上に第2のゲート絶縁膜及び第2のゲート電極を形成し、
前記工程(c)では、前記第2MISトランジスタ形成領域上を覆うように前記フォトレジスト膜を形成する半導体装置の製造方法。 - 請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は、前記第2のゲート絶縁膜の膜厚よりも厚い半導体装置の製造方法。 - 請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(e)では、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入の注入角度は、前記半導体領域表面への垂直線と、一方側の前記フォトレジスト膜の上面端部と他方側の前記第1のゲート電極の上面端部とを結ぶ直線との間の角度と同等以上の角度を有する半導体装置の製造方法。 - 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(e)では、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入の注入角度は、前記半導体領域表面への垂直線と、一方側の前記フォトレジスト膜の上面端部と他方側の活性領域と前記素子分離領域との境界部とを結ぶ直線との間の角度よりも小さい角度を有する半導体装置の製造方法。 - 第1導電型の半導体領域上の第1MISトランジスタ形成領域に形成された入出力パッドに直接接続される第1MISトランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、
前記半導体領域に、前記第1MISトランジスタ形成領域の活性領域を取り囲むトレンチ型素子分離領域を形成する工程(a)と、
前記第1MISトランジスタ形成領域の活性領域上に第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極を形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後に、前記第1のゲート電極の側面上に第1の絶縁性サイドウォールを形成する工程(c)と、
前記工程(c)の後に、基板上に、前記第1MISトランジスタ形成領域上に開口部を有するフォトレジスト膜を形成する工程(d)と、
前記フォトレジスト膜、前記第1のゲート電極及び前記第1の絶縁性サイドウォールをマスクにして、前記第1MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第2導電型不純物のイオン注入を行い、前記第1MISトランジスタの第2導電型の高濃度ソース・ドレイン領域を形成する工程(e)と、
前記フォトレジスト膜、前記第1のゲート電極及び前記第1の絶縁性サイドウォールをマスクにして、前記第1MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第1導電型不純物の斜めイオン注入を行い、前記第1MISトランジスタのソース・ドレイン領域における前記第1のゲート電極の端部下から離間した位置に第1導電型の不純物拡散領域を形成する工程(f)とを含む半導体装置の製造方法。 - 請求項6記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1導電型の半導体領域上の第2MISトランジスタ形成領域に形成された入出力パッドに直接接続されない第2MISトランジスタをさらに有し、
前記工程(a)では、前記半導体領域に、前記第2MISトランジスタ形成領域の活性領域を取り囲む前記トレンチ型素子分離領域を形成し、
前記工程(b)では、前記第2MISトランジスタ形成領域の活性領域上に第2のゲート絶縁膜及び第2のゲート電極を形成し、
前記工程(c)では、前記第2のゲート電極の側面上に第2の絶縁性サイドウォールを形成し、
前記工程(d)では、前記第2MISトランジスタ形成領域上に開口部を有するように前記フォトレジスト膜を形成し、
前記工程(e)では、前記フォトレジスト膜、前記第2のゲート電極及び前記第2の絶縁性サイドウォールをマスクにして、前記第2MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域に第2導電型不純物のイオン注入を行い、前記第2MISトランジスタの第2導電型の高濃度ソース・ドレイン領域を形成し、
前記工程(f)では、前記フォトレジスト膜をマスクにして、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入を行うことによって、前記第2MISトランジスタ形成領域の前記半導体領域には前記第1導電型不純物が注入されない半導体装置の製造方法。 - 請求項7記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は、前記第2のゲート絶縁膜の膜厚よりも厚い半導体装置の製造方法。 - 請求項6〜8のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(f)では、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入の注入角度は、前記半導体領域表面への垂直線と、一方側の前記フォトレジスト膜の上面端部と他方側の前記第1のゲート電極の上面端部とを結ぶ直線との間の角度と同等以上の角度を有する半導体装置の製造方法。 - 請求項9記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(f)では、前記第1導電型不純物の斜めイオン注入の注入角度は、前記半導体領域表面への垂直線と、一方側の前記フォトレジスト膜の上面端部と他方側の活性領域と前記素子分離領域との境界部とを結ぶ直線との間の角度よりも小さい角度を有する半導体装置の製造方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051101 |