JP2003279277A - 毛細管力駆動型二相流体ループ、蒸発器及び熱輸送方法 - Google Patents
毛細管力駆動型二相流体ループ、蒸発器及び熱輸送方法Info
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Abstract
貫通を防ぐ。 【解決手段】 ウィック2の端板として、ウィック2と
ウィック端面で接合する端板14Aを用い、ウィック内
面で接合する端板を用いた場合に比べて、蒸発器コア8
内部に突出する部分がないため、ウィック2内の圧力損
失が小さくなり、蒸気通路3から蒸発器コア8への作動
流体蒸気9bの貫通を防ぐことができる。ウィク2の端
板をして、ウィック外面と接合する端板を用いても良
く、ウィック2の端板として、ウィック外面にも蒸発器
コアへの突出量と同程度の長さを有する蒸気流出阻害構
造を併せ持つ端板を用いても良く、ウィック2の端板を
して、蒸発器コア8内への突出部とウィック2内面に間
隙がある端板を用いても良い。
Description
より作動流体液を吸引するウィックを蒸発器容器内部に
収納した構造を有する蒸発器、この蒸発器を用いた二相
流体ループである毛細管力駆動型二相流体ループ、並び
にこの毛細管力駆動型二相流体ループにおける蒸発器か
ら凝縮器への熱輸送方法に関する。
れた作動流体を液相から蒸気相に相変化させる蒸発器
と、吸熱源により吸熱され作動流体を蒸気相から液相に
相変化させる凝縮器とを、管路によりループ状に接続し
たものである。毛細管力駆動型二相流体ループは、毛細
管力を利用した仕組みによる蒸発器を使用する二相流体
ループである。蒸発器内に組み込まれ毛細管力を発生さ
せる多孔質の部材はウィックと呼ばれる。ウィックに関
しては米国特許第4765396号等を、毛細管力駆動
型二相流体ループに関しては米国特許第4515209
号、特開平10−246583号公報等を参照された
い。
体ループの一例構成を示す図であり、1は蒸発器容器、
2はウィック、3は蒸気通路、4は蒸気管、5は凝縮
器、6は液管、7はベイオネット管、8は蒸発器コア、
9aは作動流体液、9bは作動流体蒸気、10はリザー
バ、11は蒸発器、12は加熱源、13は吸熱源であ
る。
相の作動流体即ち作動流体液9aを送給するための液管
6と、蒸気相の作動流体即ち作動流体蒸気9bを送給す
るための蒸気管4とにより、ループ状に構成されてい
る。
け、液管6から流入する作動流体液9aを作動流体蒸気
9bに相変化させて、蒸気管4に送出する。凝縮器5
は、吸熱源13に潜熱を吸わせることにより、蒸気管4
から流入する作動流体蒸気9bを作動流体液9aに相変化
させて、液管6に送出する。
1に至る。二相流体ループでは、このように二相間の相
変化を伴いつつ作動流体が循環することにより、熱輸送
が行われる。なお、リザーバ10は、凝縮器5内の作動
流体液9aと作動流体蒸気9bの割合に応じて作動流体液
9aの量を調整するため、作動流体を溜める。
管力駆動型、即ち蒸発器11で毛細管力を利用するタイ
プである。蒸発器11は、中空有底筒状かつ多孔質構造
を有するウィック2を蒸発器容器1内に収納した構造を
有している。液管6は蒸発器容器1を貫通しウィック2
内部のベイオネット管7に連通しており、液管6からの
作動流体液9aはベイオネット管7を介してウィック2
の内部空間である蒸発器コア8に流入する。
ウィック2の毛細管力によりウィック2に吸い込まれ
る。他方、加熱源12からの熱は蒸発器容器1を介して
ウィック2に伝わる。そのため、伝わった熱によりウィ
ック2内の作動流体液9aが蒸発する。それによって発
生した作動流体蒸気9bは、ウィック2と蒸発器容器1
の内壁面との間隙である蒸気通路3を通り、蒸発器容器
1に接合している蒸気管4に送出される。
プでは、従来形のヒートパイプがウィックの長手方向に
作動流体液が流れるのに比べ、ウィックの厚み方向に作
動流体液が流れるため圧力損失が小さく、従ってより大
量の熱を輸送することができる。
環させるためには、圧力の高い蒸気通路3と圧力の低い
蒸発器コア8間の圧力差をウィック2で保持する必要が
ある。多孔質構造のウィック2内では作動流体液9aが
毛細管力により保持され、作動流体液9aと作動流体蒸
気9bを分離させることにより圧力差を保持する。ウィ
ック端板14は蒸発器コア8を密閉し圧力差を保持する
ためのもので、溶接、ロー付けまたはガスケット、ネジ
等によりウィック2と接合されている。図6に示すよう
に、ウィック2とウィック端板14を接合するために、
ウィック端板14が蒸発器コア8内に突出している形状
では、ウィック端板14に接しているウィック2端部に
は蒸発器コア8からの液供給が阻害されるため、ウィッ
ク2の中央部から端部へ軸方向に作動流体液9aを供給
する必要がある。しかし、一般に毛細管力を大きくする
と、流体の流れ易さである透過率が小さくなり、ウィッ
ク2端部の作動流体液9aの圧力が低下し、毛細管力に
より作動流体液9aをウィック2内に保持することがで
きなくなる。また作動流体液9aの圧力低下に伴いその
飽和温度も下がるため、ウィック2内で沸騰が起こり易
くなる。これらの要因により圧力の高い蒸気通路3内の
作動流体蒸気9bが蒸発器コア8に連通し、作動流体を
循環させるための圧力差が維持できなくなり作動流体の
循環が円滑になされなくなる。このように作動流体蒸気
9bがウィック2を貫通する場合、従来における毛細管
力駆動型二相流体ループは、蒸発器11の温度が変動し
たり充分な熱輸送性能を発揮できないという問題があっ
た。
になされたのもであり、蒸発器内における蒸気通路から
蒸発器コアへの作動流体蒸気の貫通を防ぐこと、ひいて
は毛細管力駆動型二相流体ループにおける動作温度を安
定化させ、かつ熱輸送性能を向上させることを、その目
的としている。
の内部に蒸発器コアたる空間を有し中空有底筒状かつ多
孔質構造を有するウィックと、作動流体蒸気流通用の間
隙である蒸気通路がウィックと蒸発器容器内壁面との間
に生じるようウィックを収納する蒸発器容器とを備え、
作動流体液を吸入するための液管が蒸発器容器を貫通し
てウィックに接合され、作動流体蒸気を送出するための
蒸気管が蒸気通路に連通する蒸発器であって、液管から
蒸発器コアに供給された作動流体液が毛細管力によりウ
ィックに吸引され、加熱源から蒸発器容器を介してウィ
ックに加わった熱によりウィック内の作動流体液が作動
流体蒸気へと相変化し、この作動流体蒸気がウィックか
ら蒸気通路を介して蒸気管に送出される蒸発器におい
て、蒸気通路から蒸発器コアへウィックを介して作動流
体蒸気が貫通することを防ぐ蒸気貫通阻害部材を設けた
ものである。
内の作動流体液の流動による圧力損失を低減する圧力損
失低減化部材であるも良い。
クの一部としてかつウィック端面でウィックと接合され
ていても良い。
ックの一部としてかつウィック外面でウィックと接合さ
れていても良い。
ク外面を覆う蒸気流出阻害構造を有することも良い。
クの一部としてかつウィック内面との間に間隙を有して
蒸発器コア内へ突出していることも良い。
は、加熱源により加熱され作動流体液を作動流体蒸気へ
と相変化させる蒸発器と、吸熱源により吸熱され作動流
体蒸気を作動流体液へと相変化させる凝縮器と、蒸発器
から凝縮器へと作動流体蒸気を送給する蒸気管と、凝縮
器から蒸発器へと作動流体液を送給する液管とを備え、
蒸発器が、その毛細管力により作動流体液を吸い上げる
ウィックを有する毛細管力駆動型二相流体ループにおい
て、更に、蒸発器が請求項1乃至6のいずれか記載の蒸
発器である。
熱された作動流体液を作動流体蒸気へと相変化させる蒸
発器から、吸熱源により吸熱され作動流体蒸気を作動流
体液へと相変化させる凝縮器へと、蒸気管を介した作動
流体蒸気の送給により熱を輸送する熱輸送方法であっ
て、蒸発器が、その内部に蒸発器コアたる空間を有し中
空有底筒状かつ多孔質構造を有するウィックと、作動流
体蒸気流通用の間隙である蒸気通路がウィックと蒸発器
容器内壁面との間に生じるようウィックを収納する蒸発
器容器とを備え、この蒸発器容器を貫通してウィックに
接合された液管から蒸発器コアに供給され毛細管力によ
りウィックに吸引させた作動流体液を、加熱源から蒸発
器容器を介してウィックに加わった熱により作動流体蒸
気へと相変化させ蒸気通路を介して蒸気管に送出する熱
輸送方法において、蒸気通路から蒸発器コアへウィック
を介した作動流体蒸気の貫通を、ウィック端部近傍での
作動流体液の圧力損失を低減することにより妨害するも
のである。
態に関し図面に基づき説明する。なお、図5及び図6に
示した従来技術と同様の又は対応する構成には同一の符
号を付し、重複する説明を省略する。また、各実施の形
態間で共通する構成には同一の符号を付し、重複する説
明を省略する。更に、この発明は図5に示した毛細管力
駆動型二相流体ループにおける蒸発器11を変形するこ
とにより実施可能であるため、以下の説明では蒸発器以
外の図示及び説明を省略する。そして、毛細管力駆動型
二相流体ループとしてはCPL(Capillary Pumped Loop)や
LHP(Loop Heat Pipe)があり、これらはリザーバの位置
及び蒸発器/リザーバの連結方式が異なるが、本発明は
双方に適用できる。またベイオネット管無しの構成にも
本発明を適用できる。
図1に示す。この実施の形態1に係わる蒸発器11A
は、ウィック2の端板として、ウィック2とウィック端
面で接合されているウィック端板14Aを備えるもので
ある。図6に示した従来技術にてウィック2の中央から
端部へと軸方向に流れていた作動流体液9aは、ウィッ
ク端板14A近傍でウィック2を蒸発器コア8内の作動
流体液9aと接触させることにより半径方向に流れ、ウ
ィック2内の圧力損失が小さくなり作動流体蒸気9bの
蒸発器コア8内への貫通を防ぐことができる。その結
果、蒸発器11から凝縮器5への熱輸送性能が向上す
る。
図2に示す。この実施の形態2に係わる蒸発器11B
は、ウィック2の端板として、ウィック2とウィック2
外面で接合されているウィック端板14Bを備えるもの
である。図6に示した従来技術にてウィック2の中央か
ら端部へと軸方向に流れていた作動流体液9aは、ウィ
ック端板14B近傍でウィック2を蒸発器コア8内の作
動流体液9aと接触させることにより半径方向に流れ、
かつ接合部からの蒸気流出が無くなることにより、ウィ
ック2内の圧力損失が小さくなり作動流体蒸気9bの蒸
発器コア8内への貫通を防ぐことができる。その結果、
蒸発器11から凝縮器5への熱輸送性能が向上する。
図3に示す。実施の形態3における蒸発器11Cは、ウ
ィック2の端板として、蒸発器コア8内部に突出し、か
つウィック2外面にも蒸発器コアへの突出量と同程度の
長さを有する蒸気流出阻害構造を併せ持つウィック端板
14Cを備えるものである。図6に示した従来技術にて
ウィック2の中央から端部に至っていた作動流体液9a
の流れが、蒸気流出阻害構造により無くなり、ウィック
2内の圧力損失が小さくなり作動流体蒸気9bの蒸発器
コア8内への貫通を防ぐことができる。その結果、蒸発
器11から凝縮器5への熱輸送性能が向上する。なお、
ウィック端板14Cは、蒸気流出阻害構造と一体でなく
てもよい。
図4に示す。実施の形態4における蒸発器11Dは、ウ
ィック2の端板として、蒸発器コア8内部に突出し、か
つその蒸発器コア8内への突出部とウィック2内面に隙
間を有しているウィック端板14Dを備えるものであ
る。図6に示した従来技術にてウィック2の中央から端
部に至っていた作動流体液2aの供給に比べると、突出
部とウィック2内面の隙間から作動流体液9aがウィッ
ク2へ供給されるため、ウィック2内の圧力損失が小さ
くなり作動流体蒸気9bの蒸発器コア8内への貫通を防
ぐことができる。その結果、蒸発器11から凝縮器5へ
の熱輸送性能が向上する。
よれば、ウィックとウィック端板との接合部にて、蒸気
通路内に存在する作動流体蒸気がウィックを介して蒸発
器コア内に貫通することを阻害するようにしたため、蒸
気通路と蒸発器コア間の圧力差を保持することができ
る。
ィックとウィック端板との接合部にて、ウィック内の作
動流体液の圧力損失を低減する圧力損失低減化部材とし
て実現することにより、上記効果を簡便に得ることがで
きる。
ク端板形状とウィックとウィック端板の接合位置との組
合わせで実現することにより、従来から使用されていた
部材の変形のみで上記効果を得ることができる。
流体ループによれば、本発明に係わる蒸発器を用いたた
め、蒸発器から凝縮器への熱輸送性能を向上させること
ができる。
ば、ウィックとウィック端板との接合部近傍での作動流
体蒸気のウィック貫通を、作動流体液の圧力損失の低減
化により妨害するようにしたため、熱輸送性能の向上と
いう効果を比較的簡便な手段により得ることができる。
成を示す縦断面図である。
成を示す縦断面図である。
成を示す縦断面図である。
成を示す縦断面図である。
の一例構成を示す図であり、特に(a)は蒸発器の縦断
面及び管路配置を示す図、(b)は蒸発器の横断面を示
す図である。
る。
4 蒸気管、 5 凝縮器、 6 液管、 7 ベイオ
ネット管、 8 蒸発器コア、 9 作動流体、 10
リザーバ、 11 蒸発器、 12 加熱源、 13
吸熱源、 14、 ウィック端板。
Claims (8)
- 【請求項1】 その内部に蒸発器コアたる空間を有し中
空有底筒状かつ多孔質構造を有するウィックと、作動流
体蒸気流通用の間隙である蒸気通路がウィックと蒸発器
容器内壁面との間に生じるようウィックを収納する蒸発
器容器とを備え、作動流体液を吸入するための液管が蒸
発器容器を貫通してウィックに接合され、作動流体蒸気
を送出するための蒸気管が蒸気通路に連通する蒸発器で
あって、液管から蒸発器コアに供給された作動流体液が
毛細管力によりウィックに吸引され、加熱源から蒸発器
容器を介してウィックに加わった熱によりウィック内の
作動流体液が作動流体蒸気へと相変化し、この作動流体
蒸気がウィックから蒸気通路を介して蒸気管に送出され
る蒸発器において、蒸気通路から蒸発器コアへウィック
を介して作動流体蒸気が貫通することを防ぐ蒸気貫通阻
害部材を設けたことを特徴とする蒸発器。 - 【請求項2】 上記蒸気貫通阻害部材が、ウィック内の
作動流体液の流動による圧力損失を低減する圧力損失低
減化部材であることを特徴とする請求項1記載の蒸発
器。 - 【請求項3】 上記圧力損失低減化部材が、ウィックの
一部としてかつウィック端面でウィックと接合されてい
ることを特徴とする請求項2記載の蒸発器。 - 【請求項4】 上記圧力損失低減化部材が、ウィックの
一部としてかつウィック外面でウィックと接合されてい
ることを特徴とする請求項2記載の蒸発器。 - 【請求項5】 上記圧力損失低減化部材が、ウィック外
面を覆う蒸気流出阻害構造を有することを特徴とする請
求項2記載の蒸発器。 - 【請求項6】 上記圧力損失低減化部材が、ウィックの
一部としてかつウィック内面との間に間隙を有して蒸発
器コア内へ突出していることを特徴とする請求項2記載
の蒸発器。 - 【請求項7】 加熱源により加熱され作動流体液を作動
流体蒸気へと相変化させる蒸発器と、吸熱源により吸熱
され作動流体蒸気を作動流体液へと相変化させる凝縮器
と、蒸発器から凝縮器へと作動流体蒸気を送給する蒸気
管と、凝縮器から蒸発器へと作動流体液を送給する液管
とを備え、蒸発器が、その毛細管力により作動流体液を
吸い上げるウィックを有する毛細管力駆動型二相流体ル
ープにおいて、更に、蒸発器が請求項1及至6のいずれ
か記載の蒸発器であることを特徴とする毛細管力駆動型
二相流体ループ。 - 【請求項8】 加熱源により加熱された作動流体液を作
動流体蒸気へと相変化させる蒸発器から、吸熱源により
吸熱され作動流体蒸気を作動流体液へと相変化させる凝
縮器へと、蒸気管を介した作動流体蒸気の送給により熱
を輸送する熱輸送方法であって、蒸発器が、その内部に
蒸発器コアたる空間を有し中空有底筒状かつ多孔質構造
を有するウィックと、作動流体蒸気流通用の間隙である
蒸気通路がウィックと蒸発器容器内壁面との間に生じる
ようウィックを収納する蒸発器容器とを備え、この蒸発
器容器を貫通してウィックに接合された液管から蒸発器
コアに供給され毛細管力によりウィックに吸引させた作
動流体液を、加熱源から蒸発器容器を介してウィックに
加わった熱により作動流体蒸気へと相変化させ蒸気通路
を介して蒸気管に送出する熱輸送方法において、蒸気通
路から蒸発器コアへウィックを介した作動流体蒸気の貫
通を、ウィック端部近傍での作動流体液の圧力損失を低
減することにより妨害することを特徴とする熱輸送方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002080385A JP4196574B2 (ja) | 2002-03-22 | 2002-03-22 | 毛細管力駆動型二相流体ループ、蒸発器及び熱輸送方法 |
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ID=29229442
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