JP2003272559A - 蛍光ランプ - Google Patents
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Abstract
かも、高光束の蛍光ランプを提供する。 【解決手段】 水銀と希ガスを内部に封入したガラスバ
ルブ内に電力を投入して放電を発生し得る機能を具備
し、前記ガラスバルブの内壁に保護膜を備え、前記保護
膜上に蛍光体を主体にしてなる蛍光体層を備えた蛍光ラ
ンプであって、前記保護膜が、中心粒径(D50)が1.
0μm<D50≦4.0μmの範囲内にある蛍光体の小粒
子と、中心粒径(D50)が0.005μm≦D50≦1μ
mの範囲内にある金属酸化物の微粒子とを含んでなる蛍
光ランプとする。また、前記金属酸化物は、酸化アルミ
ニウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化イッ
トリウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属
酸化物とすることが好ましい。
Description
る。
たガラスバルブ内に電力を投入して放電を発生し得る機
能を具備し、前記ガラスバルブの内壁に蛍光体層を設け
た蛍光ランプが知られている。
とともに光束が次第に下がる課題を抱えている。光束が
低下する原因の一つに、ガラスバルブ内に封入した水銀
とガラスバルブを構成するガラス材料とが化学反応し
て、透明なガラスバルブが着色することが挙げられる。
なわち、蛍光ランプの点灯中には、水銀蒸気の一部が蛍
光体層の隙間を通り抜けてガラスバルブまで達する現象
が生じる。また、ガラスバルブは、一般にその構成材料
として相当量のナトリウムを含んでおり、このナトリウ
ムは蛍光ランプの点灯中の熱によってガラスバルブの表
面に析出する。また、このナトリウムの析出は、波長4
00nm以下の紫外線照射によって促進する可能性も知
られている。したがって、蛍光ランプの点灯中は、蛍光
体層を通り抜けた水銀が、ガラスバルブの表面に析出し
たナトリウムに接触し、水銀とナトリウムが化学反応し
て透光性を有しないアマルガムを形成し、これによりガ
ラスバルブが着色する現象が生じることになる。この現
象は蛍光ランプの点灯時間とともに顕在化するので、点
灯時間とともに蛍光ランプの光束が低下することにな
る。
来からガラスバルブの内壁と蛍光体層の間に保護膜を設
け、水銀のガラスバルブとの接触を無くする対策がなさ
れている。この保護膜としては、中心粒径(D50)が
0.01〜1μm程度の金属酸化物(酸化アルミニウ
ム、酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛など)の微粒子が
好適に用いられ、保護膜の厚みとしては0.1〜3.0
μm程度の厚さが好適に用いられている。
公報に記載されるように、前記保護膜を平均粒径(中心
粒径D50とほぼ同義)が1.0μm以下で0.1μm以
上の蛍光体の小粒子で構成し、上記課題を解決する考案
もなされている。さらに、例えば、特開平9−9221
5号公報に記載されるように、前記保護膜を平均粒径が
150nm以下の蛍光体の超微粒子で構成し、上記課題
を解決する考案もなされている。
保護膜を設けた蛍光ランプにあっては、水銀とガラス材
料との化学反応を抑制し、点灯時間の経過とともに光束
が次第に下がることを抑制することと、蛍光ランプの光
束を向上させることの両立が困難であるという課題があ
った。
以下の金属酸化物の微粒子で構成した蛍光ランプの場合
には、水銀とガラス材料との化学反応を抑制し、点灯時
間の経過とともに光束が次第に下がる課題を抑制するこ
とはできても、前記金属酸化物の微粒子が紫外線照射の
下で発光しない非発光物質であるだけでなく、可視光を
若干吸収する性質をも有するために、光束が低いという
問題がある。また、特開平9−153345号公報や特
開平9−92215号公報に記載されるように、前記保
護膜を平均粒径が1.0μm以下0.1μm以上の蛍光
体の小粒子や、平均粒径が150nm以下の蛍光体の超
微粒子で構成した場合では、蛍光体粒子が小さいことに
起因して蛍光体の発光効率が低くなり、このために保護
膜の発光効率も低くなり、点灯時間の経過とともに光束
が次第に下がる課題を抑制することはできても、蛍光ラ
ンプの光束が依然として低いという問題がある。
1.0μmを超える大きさの蛍光体粒子で構成した場合
では、一般的には蛍光体粒子の平均粒径が大きくなれば
なるほど、蛍光体粒子の発光効率は増加するので、蛍光
ランプの光束は向上する。しかし、蛍光体粒子の平均粒
径が大きいために保護膜には隙間が多く生じ、水銀とガ
ラス材料との化学反応を抑制することはできず、点灯時
間の経過とともに光束が次第に下がる課題が顕著になる
とう問題がある。
たものであり、点灯時間の経過に伴う光束低下が少な
く、しかも、高光束の蛍光ランプを提供することを目的
とする。
め、本発明の蛍光ランプは、水銀と希ガスを内部に封入
したガラスバルブ内に電力を投入して放電を発生し得る
機能を具備し、前記ガラスバルブの内壁に保護膜を備
え、前記保護膜上に蛍光体を主体にしてなる蛍光体層を
備えた蛍光ランプであって、前記保護膜が、中心粒径
(D50)が1.0μm<D50≦4.0μmの範囲内にあ
る蛍光体の小粒子と、中心粒径(D50)が0.005μ
m≦D50≦1μmの範囲内にある金属酸化物の微粒子と
を含んでなることを特徴とする。
μm<D50≦4.0μmの範囲内にあることが必要であ
るが、好ましくは1.5μm≦D50≦3.0μmの範囲
内にあることが望まれる。これにより、蛍光ランプの保
護膜が、中心粒径が比較的大きくて発光効率の高い蛍光
体の小粒子を膜中に含むことになるので、保護膜が紫外
線照射によって比較的強い蛍光を放つようになる。ま
た、前記金属酸化物の微粒子の中心粒径は、0.005
μm≦D50≦1μmの範囲内にあることが必要である
が、好ましくは0.005μm≦D50≦0.1μmの範
囲内、より好ましくは0.005μm≦D50≦0.03
μmの範囲内にあることが望まれる。この範囲内にあれ
ば、保護膜に空隙ができることは少なく、緻密な保護膜
を形成することができる。
子との相乗効果によって、水銀とガラス材料との化学反
応を抑制し、点灯時間の経過とともに光束が次第に下が
る課題を抑制する機能を有する保護膜を形成できるのみ
ならず、水銀放電により発生する紫外線によって高効率
の蛍光を放つ機能を有する保護膜とすることもできる。
このように、本発明の蛍光ランプは、前記二つの機能を
併せ持つ保護膜を備えることにより、蛍光ランプの点灯
時間の経過に伴う光束低下は少なくなり、同時に、高光
束の蛍光も実現できる。
化物が酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化
亜鉛及び酸化イットリウムからなる群から選ばれる少な
くとも一つの金属酸化物であることが好ましい。
が容易であるだけでなく、紫外線を吸収する性質を有し
ている。したがって、これらの金属酸化物を用いて前記
保護膜を構成すると、水銀放電によって発生した紫外線
が、蛍光体層や保護膜を通過してガラスバルブに到達し
にくくなるので、ガラスバルブの内部に含まれるナトリ
ウムが蛍光ランプの動作中に析出しにくくなり、いっそ
う水銀とナトリウムとの反応を抑制できるようになる。
化物の微粒子が蛍光体の微粒子であることが好ましい。
これにより、金属酸化物の微粒子が蛍光を放つ機能をも
有する微粒子になるので、保護膜がよりいっそう高効率
の蛍光を放つ機能を有することになり、いっそう高光束
の蛍光ランプを実現できる。
の小粒子が少なくとも以下の(1)〜(3)のいずれか
の化学式で表される化合物を主体にしてなる蛍光体の小
粒子であることが好ましい。 (1)(Ba1-a-xSraEux)(Mg1-yMny)Al10O17 なお、上記化学式(1)は、(Ba,Sr)MgAl10
O17:Eu2+,Mn2+とも記述することができる。 (2)(Ba1-a-b-c-xSraCabMgcEux)10(PO4)6Cl2 なお、上記化学式(2)は、(Ba,Sr,Ca,M
g)10(PO4)6Cl2:Eu2+とも記述することがで
きる。 (3)(Y1-xEux)2O3 なお、上記化学式(3)は、Y2O3:Eu3+とも記述す
ることができる。
01≦x≦0.3、0≦y≦0.1、0≦a≦1、0≦
b<1、0≦c<1を満足する数値である。
合物を主体にしてなる蛍光体の小粒子(以後、各々、B
AM小粒子、SCA小粒子、YOX小粒子という)は、
いずれも高効率の蛍光体の小粒子であり、上記BAM小
粒子とSCA小粒子は青色蛍光体、上記YOX小粒子は
赤色蛍光体であるので、これらを用いることにより保護
膜が青又は赤の高輝度の蛍光を放つようになる。一方、
蛍光ランプの蛍光の主体は、前記蛍光体層からの発光で
あるので、例えば、所望の光色(白色、昼光色、昼白
色、電球色など)を得ようとした場合に、保護膜に上記
蛍光体を用いることにより蛍光体層が放つ発光の緑色成
分割合を多くできるようになる。前記発光の緑色成分は
視感度が高く、この緑色成分は発光効率が極めて高い蛍
光体粒子で構成した蛍光体層からの発光であるので、結
果として、同じ光色を放つ蛍光ランプ同士の比較では、
本発明の蛍光ランプの方が従来の蛍光ランプよりも光束
は高くなる。また、三波長域発光形蛍光ランプで用いる
蛍光体材料と同一の高効率蛍光体を保護膜中に含む蛍光
ランプになるので、蛍光体粒子を含む保護膜を有する蛍
光ランプとしては、材料入手が比較的容易なものとな
る。
光形蛍光ランプであることが好ましい。三波長域発光形
蛍光ランプは、元々、高演色性の光を放つ高光束の蛍光
ランプであるので、これにより、高演色性の光を放つよ
りいっそう高光束の蛍光ランプを得ることができる。
蛍光体層が赤、緑、青の光を各々放つ、少なくとも三種
類の蛍光体(赤色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体)を
主体としてなる蛍光ランプであり、赤色蛍光体、緑色蛍
光体、青色蛍光体としては、各々、以下のような蛍光体
が専ら用いられている(蛍光体ハンドブック:オーム社
参照)。 (赤色蛍光体)上記したY2O3:Eu3+蛍光体など。 (緑色蛍光体)CeMgAl11O19:Tb3+蛍光体、L
aPO4:Tb3+蛍光体、(Ce,Gd)MgB5O10:
Tb3+蛍光体など。 (青色蛍光体)上記した(Ba,Sr)MgAl
10O17:Eu2+,Mn2+蛍光体、(Ba,Sr,Ca,
Mg)10(PO4)6Cl2:Eu2+蛍光体など。
の形態について図面に基づき説明するが、本発明は以下
の蛍光ランプに限定されるものではない。
る。また、図2は、図1のA部の拡大図である。図1に
おいて、1は蛍光体層、2は保護膜、3はガラスバル
ブ、6は水銀蒸気、7は希ガス、8はフィラメント、9
は口金、10は電極、11はステム、12は蛍光ランプ
である。また、図2において、4は蛍光体小粒子、5は
金属酸化物である。
する基体であり、ガラス材質で構成されている。ガラス
材質の組成やガラスバルブ3の形状や大きさなどについ
ては特に限定されるものではなく、透光性を有し、脆弱
でなければよい。なお、ガラスバルブ3の形状として
は、例えば、管状、環状、グローブ状などがある。
気6が上記ガラスバルブ3と接触して両者が化学反応す
ることを抑制するとともに、蛍光体層1を透過する前記
紫外線がガラスバルブ3を照射して、上記した化学反応
が加速されることをも抑制することができる。同時に、
前記化学反応によって生じるガラスバルブ3の黒化や変
色を抑制し、点灯時間の経過とともに生じる蛍光ランプ
12の光束低下を抑制することもできる。保護膜2の厚
みは特に限定されるものではないが、例えば1μm以上
50μm以下とすることができる。なお、厚みが0.0
5μm程度以上4μm未満の金属酸化物膜に蛍光体小粒
子4が点在するような保護膜2であってもよい。保護膜
の厚みは、上記範囲内よりも薄いと、前述の水銀とガラ
スバルブとの化学反応を抑制する保護膜としての機能を
有効に発揮できなくなるおそれがあり、上記範囲内より
も厚いと、蛍光体層1が放つ発光の強度が保護膜2で阻
害されるので、蛍光ランプ12の光束が低下するおそれ
がある。
粒径(D50)が1.0μm<D50≦4.0μmの範囲内
にある蛍光体の小粒子と、中心粒径(D50)が0.00
5μm≦D50≦1μmの範囲内にある金属酸化物の微粒
子又は蛍光体の微粒子とを含んでなることを特徴とする
ものである。これによって、光束を上げながらも水銀の
透過を防止する役割を果たすことが可能となる。
又は赤色に発光する蛍光体が有効であり、例えば、Sr
10(PO4)6Cl2:Eu2+青色蛍光体、(Sr,C
a)10(PO4)6Cl2:Eu2+青色蛍光体、(Sr,
Ca)10(PO4)6Cl2・nB 2O3:Eu2+青色蛍光
体、BaMgAl10O17:Eu2+青色蛍光体、(Ba,
Sr)MgAl10O17:Eu2+,Mn2+青色蛍光体、B
aMg2Al16O27:Eu2 +青色蛍光体、BaMg2Al
16O27:Eu2+,Mn2+青色蛍光体、Y2O3:Eu 3+赤
色蛍光体などからなる蛍光体の小粒子が有効である。具
体的には、以下の(1)〜(3)のいずれかの化学式で
表される化合物を主体にしてなる蛍光体の小粒子が有効
である。これらの中から選択される蛍光体を単独で又は
複合して用いる。 (1)(Ba1-a-xSraEux)(Mg1-yMny)Al10O17 (2)(Ba1-a-b-c-xSraCabMgcEux)10(PO4)6Cl2 (3)(Y1-xEux)2O3 但し、x、y、a、b、cは、各々、0.01≦x≦
0.3、0≦y≦0.1、0≦a≦1、0≦b<1、0
≦c<1を満足する数値である。なお、上記蛍光体の小
粒子には、蛍光体の原料にY2O3などの希土類酸化物や
SiO2などの酸化物を添加して合成することによって
蛍光体の高性能化を図ることもできる。
は、紫外線を吸収する性質を有する材料が好ましく、例
えば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化
亜鉛、酸化イットリウムなどが有効である。なお、これ
らの材料は、安価かつ入手が容易である点からも好まし
い。
の主体を得るためのものであり、保護膜2の上に形成
し、水銀放電によって放射される紫外線(図示せず)を
可視光に変換する蛍光体(図示せず)を主体にして構成
する。蛍光体層1の厚みは特に限定されるものではない
が、例えば、3μm以上50μm以下、好ましくは5μ
m以上30μm以下である。これよりも厚くても薄くて
も、蛍光ランプ12の光束が低くなるおそれがあり、厚
い場合には蛍光体層1の膜剥がれの問題が起こりやすく
なり、薄い場合には膜透けの問題(蛍光体層1が透け、
フィラメント8などが蛍光ランプの外から見えて、ラン
プの外観が損なわれる問題)が起こりやすくなる。上記
蛍光体の性状や種類についても特に限定されるものでは
ない。性状としては、例えば、蛍光体粉末、蛍光体薄
膜、蛍光体厚膜などから適宜選択できる。蛍光体材料の
種類としては、各種ランプ用蛍光体材料から広く選択で
きるが、好ましい蛍光体は、三波長域発光形蛍光ランプ
用として広く用いられる、(Sr,Ca)10(PO4)6
Cl2:Eu2+青色蛍光体、(Ba,Ca,Mg)
10(PO4)6Cl2:Eu2+青緑色蛍光体、BaMgA
l10O17:Eu2+青色蛍光体、(Ba,Sr)MgAl
10O17:Eu2+,Mn2+青緑色蛍光体、CeMgAl 11
O19:Tb3+緑色蛍光体、LaPO4:Ce3+,Tb3+
緑色蛍光体、GdMgB5O10:Ce3+,Tb3+緑色蛍
光体、GdMgB5O10:Ce3+,Mn2+赤色蛍光体、
Y2O3:Eu3+赤色蛍光体、3.5MgO・0.5Mg
F2・GeO2:Mn4+赤色蛍光体などである。
成する場合には、1μm以上30μm以下、好ましくは
2μm以上15μm以下の中心粒径を有する蛍光体粉末
にするのが、蛍光ランプ12の発光強度(光束)の面で
好ましい。
線(図示せず)を得るためのものであり、ガラスバルブ
3の中に希ガス7とともに封入する。希ガス7はガラス
バルブ3の内部の圧力を数百Torrの減圧雰囲気に調
整するためのものである。フィラメント8には、図示は
しないが、BaO、SrO、CaOなどからなる電子放
射性物質(エミッタ)が塗布されており、ガラスバルブ
3内に放電を発生させるための熱電子(図示せず)を放
出するためのものである。電極10はフィラメント8に
通電するためのものであり、ステム11は電極10を固
定するためのものであり、口金9は電極10及びステム
11を衝撃などから保護するとともに、蛍光ランプ12
の外観を良好なものにするためのものである。
極蛍光ランプ(フィラメント8を有せず、代わりに冷陰
極を有する蛍光ランプ)であってもよいし、所謂、無電
極蛍光ランプ(ガラスバルブ3内に電極10やフィラメ
ント8を有せず、ガラスバルブ3の外部から、数kHz
〜数GHzの高周波電力をガラスバルブ3内に投入し
て、希ガス7や水銀蒸気6を励起し、放電を発生させる
蛍光ランプ)であってもよい。
フィラメント8や電極10を有する、所謂、有電極蛍光
ランプを一例として示したが、本発明の蛍光ランプは、
水銀と希ガスを内部に封入したガラスバルブ内に電力を
投入して放電を発生し得る機能を具備し、前記ガラスバ
ルブの内壁に保護膜を備え、さらに、前記保護膜上に蛍
光体を主体にしてなる蛍光体層を備えた蛍光ランプであ
って、前記保護膜が1.0μm<D50≦4.0μmの範
囲内にある中心粒径を有する蛍光体の小粒子と、0.0
05μm≦D50≦1μmの範囲内にある中心粒径を有す
る金属酸化物の微粒子とを含んでなる蛍光ランプであれ
ばよく、ガラスバルブ内に電力を投入して放電を発生し
得る機能については特に限定されるものではない。した
がって、図1以外の手段で放電を発生させる蛍光ランプ
であってもよい。
ラスバルブ3を気密にし、内部に希ガス7と水銀蒸気6
を封入して、ガラスバルブ3内を所定の減圧雰囲気に保
つとともに、例えば、気密空間の両端にフィラメント8
を配置することによって構成するが、本発明の蛍光ラン
プにあっては、蛍光ランプ12の形状やサイズやワット
数、蛍光ランプ12が放つ光色や演色性などについては
特に限定されるものではない。本発明の蛍光ランプの形
状としては、例えば、直管、丸形、二重環形、ツイン
形、コンパクト型、U形、電球形などがあり、液晶バッ
クライト用の細管なども含むものである。そのサイズと
しては、例えば、4形〜110形などがある。また、ワ
ット数としては、数ワット〜百数十ワットであるがこれ
に限定されるものではない。光色としては、例えば、昼
光色、昼白色、白色、温白色、電球色、パルック色など
がある。
明する。
すると、ガラスバルブ3内に放電が発生し、水銀蒸気6
が紫外線を放つようになるとともに、この紫外線が蛍光
体層1を照射する。蛍光体層1は、紫外線を可視光に変
換する蛍光体を主体にして構成しているので、紫外線の
照射により蛍光体層1が可視光を放つようになる。保護
膜2とガラスバルブ3は透光性を有しているので、この
可視光は保護膜2とガラスバルブ3を透過して外部に放
たれることになる。なお、上記紫外線の一部は蛍光体層
1を透過して、保護膜2を照射するものである。
の技術の欄で説明したように、保護膜2がなければ水銀
蒸気の一部が蛍光体層1の隙間を通り抜ける現象が生
じ、ガラスバルブ3が着色する現象が生じることにな
る。このため、点灯時間とともに蛍光ランプ12の光束
が低下することになる。
ンプでは、保護膜2が、先に説明した中心粒径の範囲内
にある微粒子状の金属酸化物5を含んで構成しているの
で、この微粒子間の隙間が緻密になり、水銀の透過を阻
止できる。また、先に説明した中心粒径の範囲内にある
蛍光体小粒子4を含んで構成してもいるので、蛍光体層
1を透過して照射される紫外線によって、保護膜2が強
度の大きな蛍光を放つようになる。同時に、蛍光体小粒
子4が紫外線を吸収して可視光に変換するので、ガラス
バルブ3を照射する紫外線強度が弱まり、ガラスバルブ
3からのナトリウムの析出を抑制することができる。
プでは、上記微粒子状の金属酸化物5が、紫外線を吸収
する性質を有する、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化
チタン、酸化亜鉛及び酸化イットリウムからなる群から
選ばれる少なくとも一つの金属酸化物であるので、ガラ
スバルブ3を照射する紫外線強度がさらに弱まり、ガラ
スバルブ3からのナトリウムの析出を抑制することがで
きる。
プでは、上記微粒子状の金属酸化物5を、紫外線を吸収
して可視光に変換する作用のある微粒子状の蛍光体にす
ることにより、ガラスバルブ3を照射する紫外線強度が
さらに弱まり、ガラスバルブ3からのナトリウムの析出
を抑制するようになるだけでなく、保護膜2がさらに強
度の大きな蛍光を放つようにもなる。
プでは、上記蛍光体小粒子4を、少なくとも先に記載し
た、青色又は赤色の蛍光を放つ蛍光体小粒子にすること
により、保護膜2の放つ蛍光の発光色が青色又は赤色に
なり、白色系光を得ようとした場合に強い強度の蛍光を
放つ蛍光体層1において、蛍光体層1が放つ蛍光成分の
中における視感度の高い緑色成分強度を強めることが可
能となる。
ンプでは、蛍光ランプを、高光束かつ高演色性の三波長
域発光形蛍光ランプにすることにより、さらなる高光
束、高演色性をも両立する蛍光ランプを得ることができ
る。
ブ3からのナトリウムの析出が抑えられ、蛍光体層1を
透過した水銀のガラスバルブ3の表面への到達も抑えら
れるので、ガラスバルブ3の着色現象を抑制することが
可能になる。また、保護膜2に照射される紫外線が、高
い効率で可視光に変換されるので、蛍光ランプ12の光
束を高くすることも可能になる。
の厚みを薄くでき、蛍光体層1で使用する材料を減らし
ても、従来と同等の光束を放つ蛍光ランプを得ることも
可能になる。このため、たとえ保護膜2で少量の蛍光体
を新たに使用するとしても、全体的に見ると、従来と同
等の光束を放ちながらも、点灯時間の経過とともに生じ
る光束低下を抑制した蛍光ランプを安価に提供できるよ
うにもなる。
EX−N/28の蛍光ランプを試作した。
ては、中心粒径が7.5μmの(Ba,Sr)MgAl
10O17:Eu2+,Mn2+青色蛍光体、中心粒径が4.5
μmのLaPO4:Ce3+,Tb3+緑色蛍光体、中心粒
径が6.5μmのY2O3:Eu3+赤色蛍光体の混合蛍光
体粉末を主体に用い、結着材としてのCa−Ba−B−
P−O化合物を少量用いて構成した。また、保護膜2と
しては、2.3μmの中心粒径を有する(Ba,Sr)
MgAl10O17:Eu2+,Mn2+青色蛍光体と0.04
μmの中心粒径を有する酸化アルミニウム(γ−Al2
O3)との混合物、又は、2.1μmの中心粒径を有す
るY2O3:Eu3+赤色蛍光体と0.04μmの中心粒径
を有する酸化アルミニウム(γ−Al2O3)との混合物
を主体に用い、結着材としてのCa−Ba−B−P−O
化合物を少量用いて構成した。
の膜厚を変化させた本発明の蛍光ランプを形成し、全光
束、平均演色評価数、1000時間後の光束維持率を測
定した。
mの酸化アルミニウムのみからなる保護膜を用いた従来
の蛍光ランプを作製し、上記と同様に測定した。
ンプは、従来の蛍光ランプよりも、高い全光束と良好な
光束維持率を示した。また、従来の蛍光ランプよりも蛍
光体の塗布量を少なくし、蛍光体層の膜厚を約3%薄く
した試作蛍光ランプNo.3でも、従来と同等の全光束
を示すので、蛍光体の使用量を減らすことができ、蛍光
ランプの低コスト化を図ることが可能になる。なお、表
1では、有電極タイプの丸形の30W相当三波長域発光
形蛍光ランプの実験結果を示したが、これ以外の蛍光ラ
ンプであっても同様の作用効果が得られる。
プは、1.0μm<D50≦4.0μmの範囲内にある中
心粒径を有する蛍光体の小粒子と、0.005μm≦D
50≦1μmの範囲内にある中心粒径を有する金属酸化物
の微粒子とを含んでなる保護膜を備えているので、水銀
の透過を抑制でき、水銀とナトリウムとの化学反応を抑
制できるだけでなく、保護膜に高い発光効率の蛍光を放
つ機能を付加することもできるので、高光束と高光束維
持率とを両立する蛍光ランプを提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 水銀と希ガスを内部に封入したガラスバ
ルブ内に電力を投入して放電を発生し得る機能を具備
し、前記ガラスバルブの内壁に保護膜を備え、前記保護
膜上に蛍光体を主体にしてなる蛍光体層を備えた蛍光ラ
ンプであって、前記保護膜が、中心粒径(D50)が1.
0μm<D50≦4.0μmの範囲内にある蛍光体の小粒
子と、中心粒径(D50)が0.005μm≦D50≦1μ
mの範囲内にある金属酸化物の微粒子とを含んでなるこ
とを特徴とする蛍光ランプ。 - 【請求項2】 前記金属酸化物が、酸化アルミニウム、
酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化イットリウム
からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属酸化物で
ある請求項1に記載の蛍光ランプ。 - 【請求項3】 前記金属酸化物の微粒子が、蛍光体の微
粒子である請求項1に記載の蛍光ランプ。 - 【請求項4】 前記蛍光体の小粒子が、少なくとも、以
下の(1)〜(3)のいずれかの化学式で表される化合
物を主体にしてなる蛍光体の小粒子である請求項1〜3
のいずれかに記載の蛍光ランプ。 (1)(Ba1-a-xSraEux)(Mg1-yMny)Al10O17 (2)(Ba1-a-b-c-xSraCabMgcEux)10(PO4)6Cl2 (3)(Y1-xEux)2O3 但し、x、y、a、b、cは、各々、0.01≦x≦
0.3、0≦y≦0.1、0≦a≦1、0≦b<1、0
≦c<1を満足する数値である。 - 【請求項5】 前記蛍光ランプが、三波長域発光形蛍光
ランプである請求項1〜4のいずれかに記載の蛍光ラン
プ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
- 2002-03-18 JP JP2002074759A patent/JP2003272559A/ja active Pending
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