JP2003147496A - 輸送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造方法 - Google Patents
輸送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造方法Info
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- JP2003147496A JP2003147496A JP2001342715A JP2001342715A JP2003147496A JP 2003147496 A JP2003147496 A JP 2003147496A JP 2001342715 A JP2001342715 A JP 2001342715A JP 2001342715 A JP2001342715 A JP 2001342715A JP 2003147496 A JP2003147496 A JP 2003147496A
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Abstract
る製品が均質な輸送機器用アルミニウム合金の半溶融成
型ビレットの製造方法の提供。 【解決手段】 Cu0.40〜5.5wt%、Si1
1.0〜15.0wt%、Zn1.0wt%以下、Fe
1.5wt%以下、Mn0.65wt%以下と、Ti
0.005〜0.5wt%及びB0.0001〜0.5
wt%の少なくとも1種以上と、Mg0.40〜1.8
wt%及びNi0.05〜1.7wt%の少なくとも1
種以上を含み、残部が実質的にAlの組成から成り、共
晶Siの平均粒径が200μm以下で、しかもデンドラ
イト枝間隔が200μm以下であるアルミニウム合金を
製造し、次いで歪み率5〜50%、加工導入速度50m
m/sec.以下で再結晶温度未満の温度で、冷間型枠
鍛造にて加工歪みを導入し、その後共晶温度以上に昇温
し、液相率が20〜80%となる温度で保持して半溶融
加工する。
Description
用いるアルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造方
法に関するものである。
法は、従来の金型鋳造法と比較し鋳造偏析・欠陥が少な
く、金型寿命が長いなどの利点があり最近注目されてい
る技術である。これに用いるビレットの鋳造方法として
は、ペシネー・アルマックス方式として知られているビ
レット段階で初晶α(Al)相を球状化するため、半溶
融温度域で電磁・機械撹拌を行う方法(方式A)や、鋳
造時に通常添加されている量よりも多量のAl−Ti−
Bを添加し、その後半溶融温度域まで昇温し初晶α(A
l)相を球状化させる方法(方式B)がある。また、押
出・圧延にて歪みを導入後、方式Bのように昇温し球状
化させる方法(方式C)が広く知られている。
場合、方式Aでは工程が非常に煩雑で、製造コストが高
くつく不具合があった。また、方式Bでは、多量のAl
−Ti−Bを添加するため溶融炉内でのTiB2沈降に
よる品質不安定が発生し、更に方式Cの圧延により歪み
を導入する方法は均一な歪みの導入が難しく、また押出
では常温押出により作業工程が煩雑で、しかも均一な歪
み導入が難しいし、両歪み導入法とも加工後の製品加工
が必要となり、量産化や低コスト化が図れないという問
題があった。
方法が開示されている。即ち、そこには第1項中に「完
全に固化した金属または金属合金材料をその再結晶温度
未満の温度で変形する工程、該材料の微小構造の再結晶
を起こさせるために変形材料を加熱する工程、および該
材料の温度をその固相線温度を上回る温度に上昇させる
ことによりチキソトロピック的な挙動を呈する液状マト
リックス中に独立した粒子を形成させるために、再結晶
構造を部分的に融解させる工程を備えた方法」である。
この方法は、該材料の微小構造の再結晶を起こさせるた
めに変形材料を加熱する工程、および該材料の温度をそ
の固相線温度を上回る温度に上昇させるといういわば2
段階加熱とも言うべき加熱が行われる。このような方法
は、従来の技術に比べれば、改善された技術と言える
が、やはり2段階の加熱を必要とし、工程が複雑で加熱
制御が難しいという問題があった。
工程が簡素で低コスト化を促進でき、得られる製品が均
質な輸送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレット
の製造方法を提供することを目的とするものである。
め、本願の輸送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビ
レットの製造方法は、Cu0.40〜5.5wt%、S
i11.0〜15.0wt%、Zn1.0wt%以下、
Fe1.5wt%以下、Mn0.65wt%以下と、T
i0.005〜0.5wt%及びB0.0001〜0.
5wt%の少なくとも1種以上と、Mg0.40〜1.
8wt%及びNi0.05〜1.7wt%の少なくとも
1種以上を含み、残部が実質的にAlの組成から成り、
共晶Siの平均粒径が200μm以下で、しかもデンド
ライト枝間隔(DAS)が200μm以下であるアルミ
ニウム合金を製造し、次いで歪み率5〜50%、加工導
入速度50mm/sec.以下で再結晶温度未満の温度
で、冷間型枠鍛造にて加工歪みを導入し、その後共晶温
度以上に昇温し、液相率が20〜80%となる温度で保
持して半溶融加工する方法である。
の分断球状化及び鋳造応力の解放のために、加工歪みを
導入する前に、450〜550℃の温度で1〜10時間
の均質化処理を行うと好ましい。
送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造
方法は、Cu0.40〜5.5wt%、Si11.0〜
15.0wt%、Zn1.0wt%以下、Fe1.5w
t%以下、Mn0.65wt%以下と、Ti0.005
〜0.5wt%及びB0.0001〜0.5wt%の少
なくとも1種以上と、Mg0.40〜1.8wt%及び
Ni0.05〜1.7wt%の少なくとも1種以上と、
Sr0.001〜0.10wt%、Na0.03〜0.
01wt%及びSb0.05〜0.2wt%の中の少な
くとも1種以上を含み、残部が実質的にAlの組成から
成り、共晶Siの平均粒径が200μm以下で、しかも
デンドライト枝(DAS)が200μm以下であるアル
ミニウム合金を製造し、次いで歪み率5〜50%、加工
導入速度50mm/sec.以下で再結晶温度未満の温
度で、冷間型枠鍛造にて加工歪みを導入し、その後共晶
温度以上に昇温し、液相率が20〜80%となる温度で
保持して半溶融加工する方法である。
の分断球状化及び鋳造応力の解放のために、加工歪みを
導入する前に、450〜550℃の温度で1〜10時間
の均質化処理を行うと好ましい。
合金成分量の数値限定等種々の数値限定理由について詳
述する。
ず、硬度・切削性・鋳造性を良くするが、0.40wt
%未満ではその効果は小さく、一方5.5wt%を越え
ると耐食性の低下をまねくので0.40〜5.5wt%
とした。
が、その量が11.0wt%未満ではその効果は小さ
く、一方15.0wt%を越えると伸び・靭性が劣化し
冷間鍛造加工性が悪くなるので、11.0〜15.0w
t%とした。
質の向上に寄与するが、0.40wt%未満ではその効
果は小さく、一方1.8wt%を超えると冷間鍛造加工
性が悪くなるため、0.40〜1.8wt%とした。
くり、多く含有されるとAl−Fe−Si系化合物とな
り伸び・靭性・耐食性に悪影響を及ぼすため、1.5w
t%以下とした。
割れの発生を防止するが、0.005wt%未満ではそ
の効果が小さく、一方0.5wt%を超えるとTiAl
3の巨大な晶出物の発生を促進させ、冷間鍛造加工時の
割れや輸送機器部品の機械的性質の低下をまねくので
0.005〜0.5wt%とした。
微細化し、鋳塊割れの発生を防止するが、0.0001
wt%未満ではその効果は小さく、一方0.5wt%を
越えると冷間鍛造加工時の割れや輸送機器部品の機械的
性質の低下をまねくので、0.0001〜0.5wt%
とした。
を劣化させるため、1.0wt%以下とした。
る靭性低下を起こすことから0.65wt%以下とし
た。
が、0.05wt%未満ではその効果は小さく、一方
1.7wt%を超えると耐食性を劣化させるため、0.
05〜1.7wt%とした。
化し機械的性質の向上に寄与するが、Sr0.001w
t%、Na0.003wt%、Sb0.05wt%未満
ではその効果は小さく、一方Sr0.10wt%、Na
0.01wt%を越えると鋳造時の溶湯の流動性が低下
し、Sb0.2wt%を越えると溶体化処理時に灰黒色
に着色し外観を害するため、Sr0.001〜0.10
wt%、Na0.003〜0.01wt%、Sb0.0
5〜0.2wt%とした。
しかもデンドライト枝間隔(DAS)が200μm以下
であるビレットを鋳造するが、共晶Siの平均粒径が2
00μmを越え、しかもデンドライト枝間隔(DAS)
が200μmを越えると半溶融温度域に加熱した際に初
晶α(Al)相の均一微細球状化が難しくなるし、また
均質化処理を行う場合には均質化処理に時間を要するの
で、デンドライト枝間隔(DAS)を200μm以下と
した。
ことにより、鋳造時に結晶粒界に晶出したAl2Cuの
晶出物がマトリックスに固溶する。また、均質化処理に
よって共晶Siを球状化し冷間鍛造加工時の変形抵抗を
小さくする。均質化処理温度が450℃未満や1時間に
達しない加熱時間では、固溶化が充分得られず、また共
晶Siの球状化や鋳造歪の除去も不充分である。しかし
550℃を越える処理温度では、共晶融解が発生し鍛造
時の加工性を損う。また、10時間を越える加熱時間で
は、加熱時間の長時間に見合った均質化の効果上昇が得
られず、加熱エネルギーの損失となる。このため、均質
化処理条件は450〜550℃の温度で1〜10時間加
熱とした。
き、かつ少ない加工率で歪みが有効に導入されるように
冷間鍛造で行い、なおかつ鍛造用ビレットの全体に均一
に歪みが導入されるように型枠鍛造とする。歪み率は、
5%未満の場合には歪み導入が少ないため半溶融温度域
まで昇温しても初晶α(Al)相の均一な球状化は図れ
ず、一方50%を越えると初晶α(Al)相サイズに変
化は見られないのみならず冷間鍛造時に割れが発生する
ため、5〜50%とした。ここでの歪み率は、鍛造用ビ
レットの元の長さをL1とし、鍛造後のビレットの長さ
をL2とした時、(L1−L2)/L1×100(%)
で定義した。
細化や共晶Siの微細化と均質化処理を加えることによ
り大幅にアップできる。生産性から言えば加工導入速度
はできるだけ早い方が好ましい。しかしながら、50m
m/sec.を越えると鍛造時に割れが生じたり、鍛造
デッドゾーンが発生し、歪みが均一に導入されないため
50mm/sec.以下とした。また冷間型枠鍛造の際
のビレット温度は、再結晶温度以上では所定の加工率に
対する歪み導入が不充分となり、半溶融温度に昇温して
も初晶α(Al)相が粒状組織とならないため再結晶温
度未満とした。
し、液相率が20〜80%となる温度で保持して半溶融
成型するが、液相率が20%未満では初晶α(Al)相
の均一な球状化は図れず、半溶融成型の変形抵抗が大き
く加圧成型が困難となる。また、80%を越えると均一
な組織を有する成型品が得られない。このため共晶温度
以上の半溶融温度域での液相率は20〜80%とした。
本発明方法で用いる冷間型枠鍛造の模式図であり、図中
符号1は鍛造用金型、2は鍛造用金型ポンチ、3はアル
ミニウム合金ビレットを示す。
B、Ni、Sr及びSbをそれぞれ下記表1に示すよう
な組成となるように溶湯を調製し、連続鋳造にてアルミ
ニウム合金ビレットを鋳造した。
を、表2に示す条件で処理し、半溶融成型の成型性、半
溶融成型後の初晶α(Al)相の形状を評価した結果も
表2に併記した。
表2で示す成型条件で成型した際に割れが発生せず成型
性が良好なものを○とし、割れが見られるものを×で判
定した。半溶融成型の成型性は、良好なものを○とし、
成型性の悪いものを×と判定した。半溶融成型後の初晶
α(Al)相の形状は、球状化が認められるものを○と
し、球状化が不充分であるものを×と判定した。半溶融
成型後の初晶α(Al)相の微細均一化では初晶α(A
l)相のサイズが100μm以下を○とし、100μm
を越えるサイズのものを×と判定した。
○評価の代表例写真を示す。
従来の半溶融ビレットよりも工程が簡素化され低コスト
化が図れる。また、得られる組織も初晶α(Al)相サ
イズが平均100μm以下で、かつ初晶α(Al)相の
面積率50%の均一球状化組織となっており、自動車部
材等の輸送機器用として使用が可能である。
例の顕微鏡組織写真であり、倍率は50倍である。
8)
用いるアルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造方
法に関するものである。
法は、従来の金型鋳造法と比較し鋳造偏析・欠陥が少な
く、金型寿命が長いなどの利点があり最近注目されてい
る技術である。これに用いるビレットの鋳造方法として
は、ペシネー・アルマックス方式として知られているビ
レット段階で初晶α(Al)相を球状化するため、半溶
融温度域で電磁・機械撹拌を行う方法(方式A)や、鋳
造時に通常添加されている量よりも多量のAl−Ti−
Bを添加し、その後半溶融温度域まで昇温し初晶α(A
l)相を球状化させる方法(方式B)がある。また、押
出・圧延にて歪みを導入後、方式Bのように昇温し球状
化させる方法(方式C)が広く知られている。
場合、方式Aでは工程が非常に煩雑で、製造コストが高
くつく不具合があった。また、方式Bでは、多量のAl
−Ti−Bを添加するため溶融炉内でのTiB 2 沈降に
よる品質不安定が発生し、更に方式Cの圧延により歪み
を導入する方法は均一な歪みの導入が難しく、また押出
では常温押出により作業工程が煩雑で、しかも均一な歪
み導入が難しいし、両歪み導入法とも加工後の製品加工
が必要となり、量産化や低コスト化が図れないという問
題があった。
方法が開示されている。即ち、そこには第1項中に「完
全に固化した金属または金属合金材料をその再結晶温度
未満の温度で変形する工程、該材料の微小構造の再結晶
を起こさせるために変形材料を加熱する工程、および該
材料の温度をその固相線温度を上回る温度に上昇させる
ことによりチキソトロピック的な挙動を呈する液状マト
リックス中に独立した粒子を形成させるために、再結晶
構造を部分的に融解させる工程を備えた方法」である。
この方法は、該材料の微小構造の再結晶を起こさせるた
めに変形材料を加熱する工程、および該材料の温度をそ
の固相線温度を上回る温度に上昇させるといういわば2
段階加熱とも言うべき加熱が行われる。このような方法
は、従来の技術に比べれば、改善された技術と言える
が、やはり2段階の加熱を必要とし、工程が複雑で加熱
制御が難しいという問題があった。
工程が簡素で低コスト化を促進でき、得られる製品が均
質な輸送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレット
の製造方法を提供することを目的とするものである。
め、本願の輸送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビ
レットの製造方法は、Cu0.40〜5.5wt%、S
i11.0〜15.0wt%、Zn1.0wt%以下、
Fe1.5wt%以下、Mn0.65wt%以下と、T
i0.005〜0.5wt%及びB0.0001〜0.
5wt%の少なくとも1種以上と、Mg0.40〜1.
8wt%及びNi0.05〜1.7wt%の少なくとも
1種以上を含み、残部が実質的にAlの組成から成り、
共晶Siの平均粒径が200μm以下で、しかもデンド
ライト枝間隔(DAS)が200μm以下であるアルミ
ニウム合金を製造し、次いで歪み率5〜50%、加工導
入速度50mm/sec.以下で再結晶温度未満の温度
で、冷間型枠鍛造にて加工歪みを導入し、その後共晶温
度以上に昇温し、液相率が20〜80%となる温度で保
持して半溶融加工する方法である。
の分断球状化及び鋳造応力の解放のために、加工歪みを
導入する前に、450〜550℃の温度で1〜10時間
の均質化処理を行うと好ましい。
送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造
方法は、Cu0.40〜5.5wt%、Si11.0〜
15.0wt%、Zn1.0wt%以下、Fe1.5w
t%以下、Mn0.65wt%以下と、Ti0.005
〜0.5wt%及びB0.0001〜0.5wt%の少
なくとも1種以上と、Mg0.40〜1.8wt%及び
Ni0.05〜1.7wt%の少なくとも1種以上と、
Sr0.001〜0.10wt%、Na0.03〜0.
01wt%及びSb0.05〜0.2wt%の中の少な
くとも1種以上を含み、残部が実質的にAlの組成から
成り、共晶Siの平均粒径が200μm以下で、しかも
デンドライト枝(DAS)が200μm以下であるアル
ミニウム合金を製造し、次いで歪み率5〜50%、加工
導入速度50mm/sec.以下で再結晶温度未満の温
度で、冷間型枠鍛造にて加工歪みを導入し、その後共晶
温度以上に昇温し、液相率が20〜80%となる温度で
保持して半溶融加工する方法である。
の分断球状化及び鋳造応力の解放のために、加工歪みを
導入する前に、450〜550℃の温度で1〜10時間
の均質化処理を行うと好ましい。
合金成分量の数値限定等種々の数値限定理由について詳
述する。
ず、硬度・切削性・鋳造性を良くするが、0.40wt
%未満ではその効果は小さく、一方5.5wt%を越え
ると耐食性の低下をまねくので0.40〜5.5wt%
とした。
が、その量が11.0wt%未満ではその効果は小さ
く、一方15.0wt%を越えると伸び・靭性が劣化し
冷間鍛造加工性が悪くなるので、11.0〜15.0w
t%とした。
質の向上に寄与するが、0.40wt%未満ではその効
果は小さく、一方1.8wt%を超えると冷間鍛造加工
性が悪くなるため、0.40〜1.8wt%とした。
くり、多く含有されるとAl−Fe−Si系化合物とな
り伸び・靭性・耐食性に悪影響を及ぼすため、1.5w
t%以下とした。
割れの発生を防止するが、0.005wt%未満ではそ
の効果が小さく、一方0.5wt%を超えるとTiAl
3 の巨大な晶出物の発生を促進させ、冷間鍛造加工時の
割れや輸送機器部品の機械的性質の低下をまねくので
0.005〜0.5wt%とした。
微細化し、鋳塊割れの発生を防止するが、0.0001
wt%未満ではその効果は小さく、一方0.5wt%を
越えると冷間鍛造加工時の割れや輸送機器部品の機械的
性質の低下をまねくので、0.0001〜0.5wt%
とした。
を劣化させるため、1.0wt%以下とした。
る靭性低下を起こすことから0.65wt%以下とし
た。
が、0.05wt%未満ではその効果は小さく、一方
1.7wt%を超えると耐食性を劣化させるため、0.
05〜1.7wt%とした。
化し機械的性質の向上に寄与するが、Sr0.001w
t%、Na0.003wt%、Sb0.05wt%未満
ではその効果は小さく、一方Sr0.10wt%、Na
0.01wt%を越えると鋳造時の溶湯の流動性が低下
し、Sb0.2wt%を越えると溶体化処理時に灰黒色
に着色し外観を害するため、Sr0.001〜0.10
wt%、Na0.003〜0.01wt%、Sb0.0
5〜0.2wt%とした。
しかもデンドライト枝間隔(DAS)が200μm以下
であるビレットを鋳造するが、共晶Siの平均粒径が2
00μmを越え、しかもデンドライト枝間隔(DAS)
が200μmを越えると半溶融温度域に加熱した際に初
晶α(Al)相の均一微細球状化が難しくなるし、また
均質化処理を行う場合には均質化処理に時間を要するの
で、デンドライト枝間隔(DAS)を200μm以下と
した。
ことにより、鋳造時に結晶粒界に晶出したAl2Cuの
晶出物がマトリックスに固溶する。また、均質化処理に
よって共晶Siを球状化し冷間鍛造加工時の変形抵抗を
小さくする。均質化処理温度が450℃未満や1時間に
達しない加熱時間では、固溶化が充分得られず、また共
晶Siの球状化や鋳造歪の除去も不充分である。しかし
550℃を越える処理温度では、共晶融解が発生し鍛造
時の加工性を損う。また、10時間を越える加熱時間で
は、加熱時間の長時間に見合った均質化の効果上昇が得
られず、加熱エネルギーの損失となる。このため、均質
化処理条件は450〜550℃の温度で1〜10時間加
熱とした。
き、かつ少ない加工率で歪みが有効に導入されるように
冷間鍛造で行い、なおかつ鍛造用ビレットの全体に均一
に歪みが導入されるように型枠鍛造とする。歪み率は、
5%未満の場合には歪み導入が少ないため半溶融温度域
まで昇温しても初晶α(Al)相の均一な球状化は図れ
ず、一方50%を越えると初晶α(Al)相サイズに変
化は見られないのみならず冷間鍛造時に割れが発生する
ため、5〜50%とした。ここでの歪み率は、鍛造用ビ
レットの元の長さをL1 とし、鍛造後のビレットの長さ
をL2 とした時、(L1 −L2 )/L1 ×100(%)
で定義した。
細化や共晶Siの微細化と均質化処理を加えることによ
り大幅にアップできる。生産性から言えば加工導入速度
はできるだけ早い方が好ましい。しかしながら、50m
m/sec.を越えると鍛造時に割れが生じたり、鍛造
デッドゾーンが発生し、歪みが均一に導入されないため
50mm/sec.以下とした。また冷間型枠鍛造の際
のビレット温度は、再結晶温度以上では所定の加工率に
対する歪み導入が不充分となり、半溶融温度に昇温して
も初晶α(Al)相が粒状組織とならないため再結晶温
度未満とした。
し、液相率が20〜80%となる温度で保持して半溶融
成型するが、液相率が20%未満では初晶α(Al)相
の均一な球状化は図れず、半溶融成型の変形抵抗が大き
く加圧成型が困難となる。また、80%を越えると均一
な組織を有する成型品が得られない。このため共晶温度
以上の半溶融温度域での液相率は20〜80%とした。
本発明方法で用いる冷間型枠鍛造の模式図であり、図中
符号1は鍛造用金型、2は鍛造用金型ポンチ、3はアル
ミニウム合金ビレットを示す。
B、Ni、Sr及びSbをそれぞれ下記表1に示すよう
な組成となるように溶湯を調製し、連続鋳造にてアルミ
ニウム合金ビレットを鋳造した。
を、表2に示す条件で処理し、半溶融成型の成型性、半
溶融成型後の初晶α(Al)相の形状を評価した結果も
表2に併記した。
表2で示す成型条件で成型した際に割れが発生せず成型
性が良好なものを○とし、割れが見られるものを×で判
定した。半溶融成型の成型性は、良好なものを○とし、
成型性の悪いものを×と判定した。半溶融成型後の初晶
α(Al)相の形状は、球状化が認められるものを○と
し、球状化が不充分であるものを×と判定した。半溶融
成型後の初晶α(Al)相の微細均一化では初晶α(A
l)相のサイズが100μm以下を○とし、100μm
を越えるサイズのものを×と判定した。
○評価の代表例写真を示す。
従来の半溶融ビレットよりも工程が簡素化され低コスト
化が図れる。また、得られる組織も初晶α(Al)相サ
イズが平均100μm以下で、かつ初晶α(Al)相の
面積率50%の均一球状化組織となっており、自動車部
材等の輸送機器用として使用が可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】 Cu0.40〜5.5wt%、Si1
1.0〜15.0wt%、Zn1.0wt%以下、Fe
1.5wt%以下、Mn0.65wt%以下と、Ti
0.005〜0.5wt%及びB0.0001〜0.5
wt%の少なくとも1種以上と、Mg0.40〜1.8
wt%及びNi0.05〜1.7wt%の少なくとも1
種以上を含み、残部が実質的にAlの組成から成り、共
晶Siの平均粒径が200μm以下で、しかもデンドラ
イト枝間隔が200μm以下であるアルミニウム合金を
製造し、次いで歪み率5〜50%、加工導入速度50m
m/sec.以下で再結晶温度未満の温度で、冷間型枠
鍛造にて加工歪みを導入し、その後共晶温度以上に昇温
し、液相率が20〜80%となる温度で保持して半溶融
加工することを特徴とする輸送機器用アルミニウム合金
の半溶融成型ビレットの製造方法。 - 【請求項2】 アルミニウム合金を製造し、加工歪みを
導入する前に、450〜550℃の温度で1〜10時間
の均質化処理を行うことを特徴とする請求項1記載の輸
送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造
方法。 - 【請求項3】 Cu0.40〜5.5wt%、Si1
1.0〜15.0wt%、Zn1.0wt%以下、Fe
1.5wt%以下、Mn0.65wt%以下と、Ti
0.005〜0.5wt%及びB0.0001〜0.5
wt%の少なくとも1種以上と、Mg0.40〜1.8
wt%及びNi0.05〜1.7wt%の少なくとも1
種以上と、Sr0.001〜0.10wt%、Na0.
003〜0.01wt%及びSb0.05〜0.2wt
%の中の少なくとも1種以上を含み、残部が実質的にA
lの組成から成り、共晶Siの平均粒径が200μm以
下で、しかもデンドライト枝間隔が200μm以下であ
るアルミニウム合金を製造し、次いで歪み率5〜50
%、加工導入速度50mm/sec.以下で再結晶温度
未満の温度で、冷間型枠鍛造にて加工歪みを導入し、そ
の後共晶温度以上に昇温し、液相率が20〜80%とな
る温度で保持して半溶融加工することを特徴とする輸送
機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造方
法。 - 【請求項4】 アルミニウム合金を製造し、加工歪みを
導入する前に、450〜550℃の温度で1〜10時間
の均質化処理を行うことを特徴とする請求項3記載の輸
送機器用アルミニウム合金の半溶融成型ビレットの製造
方法。
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