JP2003146925A - 新規な4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類 - Google Patents
新規な4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類Info
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Abstract
称アルキル基を有する新規なシクロヘキシリデンビスフ
ェノール類を提供する。 【解決手段】本発明による新規な4−置換シクロヘキシ
リデンビスフェノール類は、一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立して水素原子又は
炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R3 は炭素原子
数1〜4のアルキル基を示し、nは0〜3の整数であ
る。)で表される。
Description
クロヘキシリデンビスフェノール類に関する。詳しく
は、シクロヘキシリデン基の4−位にフェニル置換アル
キル基を有する4−置換シクロヘキシリデンビスフェノ
ール類に関する。 【0002】このような4−置換シクロヘキシリデンビ
スフェノール類は、液晶ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリウレタン等の合成樹脂原料、電子表示素子や半
導体等のフォトレジスト原料等として有用である。 【0003】 【従来の技術】従来、4−置換シクロヘキシリデンビス
フェノール類に関しては、例えば、特開平4−2823
34号公報に、アルキル置換シクロヘキサノンとフェノ
ールとを酸触媒の存在下で反応させて、1,1−ビス−
(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキサ
ンと1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−4−
t−ブチルシクロヘキサンを得ることが記載されてい
る。また、特開平02−129155号公報には、4−
n―プロピルシクロヘキサノンとフェノールを原料とし
て、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−n
−プロピルシクロヘキサンを得ることが記載されてい
る。更に、特開2000−63308公報には、4−
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノンとフェノ
ールを原料として、1,4,4−トリス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサンを得ることが記載されてい
る。 【0004】このような4−置換シクロヘキシリデンビ
スフェノール類は、液晶性樹脂原料、ポリカーボネート
等合成樹脂原料、電子表示素子や半導体等のフォトレジ
スト原料等の分野において有用である。しかし、これら
の分野においては、4−置換シクロヘキシリデンビスフ
ェノール類に要求される性能も益々多様化、高度化して
きており、上述したように、従来より知られているもの
は、例えば、耐熱性、親油性、溶剤への溶解性等におい
て十分でない。 【0005】そこで、近年、溶剤への溶解性等の性能の
改善された4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール
類が強く要望されている。 【0006】本発明者らは、上述した要望に応えるべ
く、鋭意、研究した結果、シクロヘキシリデンビスフェ
ノール類のシクロヘキシル基の4−位にフェニル置換ア
ルキル基を導入することによって、溶剤への溶解性や、
更には、耐熱性や親油性の改善が期待できる新規な4−
置換シクロヘキシリデンビスフェノール類を得ることが
できることを見出して、本発明に至ったものである。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、シ
クロヘキシル基の4−位にフェニル置換アルキル基を有
する新規な4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール
類を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明による新規な4―
置換シクロヘキシリデンビスフェノール類は、一般式
(I) 【0009】 【化2】 【0010】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立して
水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R
3 は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、nは0〜3
の整数である。)で表される。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明による新規な4−置換シク
ロヘキシリデンビスフェノール類は、上記一般式(I)
で表される。ここに、R1 とR2 はそれぞれ独立して水
素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基であり、R1
とR2 は同一であっても、異なっていてもよいが、しか
し、異なっているのが好ましい。R1 は、具体的には、
水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル
基であり、炭素原子数3以上のアルキル基であるとき、
直鎖状でも分岐鎖状でもよい。好ましくは、水素原子又
はメチル基である。また、R2 は、具体的には、水素原
子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基であ
り、炭素原子数3以上のアルキル基であるとき、直鎖状
でも分岐鎖状でもよい。好ましくは、メチル基、エチル
基、プロピル基又はブチル基である。 【0012】また、上記一般式(I)において、R3 は
炭素数1〜4のアルキル基を示し、具体的には、メチル
基、エチル基、プロピル基又はブチル基であり、プロピ
ル基又はブチル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。R
3 がアルキル基であり、nが2又は3であるとき、R3
は同一でも、異なっていてもよい。R3 は、好ましく
は、水素原子又はメチル基であり、nは、好ましくは、
0、1又は2である。 【0013】従って、本発明による4−置換シクロヘキ
シリデンビスフェノール類の具体例としては、例えば、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−
(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−
(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−
(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕シク
ロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル〕シ
クロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル〕
シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メ
チルプロピル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−エチルプロピル〕シクロヘキサン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−
ヒドロキシフェニル)ペンチル〕シクロヘキサン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4
−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブチル〕シクロヘ
キサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4
−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブチ
ル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキ
シル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−
4−メチルペンチル〕シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロ
キシフェニル)−2,3−ジメチルブチル〕シクロヘキ
サン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−
〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルペンチ
ル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1
−プロピルブチル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシ
フェニル)ヘプチル〕シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロ
キシフェニル)−5−メチルヘキシル〕シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−
〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチル
ペンチル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3−エチルペンチル〕シクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3−メチルヘキシル〕シクロヘキ
サン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−
〔1−(4−ヒドロキシフェニル)オクチル〕シクロヘ
キサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4
−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルヘプ
チル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)ノ
ニル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−
4−エチルヘプチル〕シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−メチルプロピル〕シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−
(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルブチ
ル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−
1,2,2−トリメチルプロピル〕シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−
(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルペンチル〕シ
クロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3
−ジメチルブチル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,2−ジメチルブチル〕シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−
〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルヘキシ
ル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−
1,4−ジメチルペンチル〕シクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,2,3−トリメチルブチル〕
シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3
−ジメチルペンチル〕シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−メチルヘプチル〕シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−
〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジメチル
ヘキシル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,3,4−トリメチルペンチル〕シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−
〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジメチル
ヘキシル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロ
キシフェニル)メチル〕シクロヘキサン、1,1−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−
(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕シク
ロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)
プロピル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−メチルプロピル〕シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)メ
チル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒド
ロキシフェニル)−1−メチルエチル〕シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−メチルプロピル〕シクロヘキ
サン、1,1−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェ
ニル)メチル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(2,
3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−
〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチ
ル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(2,3,5−トリ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−
ヒドロキシフェニル)プロピル〕シクロヘキサン、1,
1−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1
−メチルプロピル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(3
−エチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4
−ヒドロキシフェニル)メチル〕シクロヘキサン、1,
1−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)−4
−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチ
ル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(3−エチル−4−
ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(3
−エチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4
−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル〕シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(3−イソプロピル−4−ヒド
ロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メ
チル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−4
−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕シクロヘ
キサン、1,1−ビス(2−メチル−5−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−メチルエチル〕シクロヘキサン、
1,1−ビス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メ
チル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−4
−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロ
ピル〕シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4
−ヒドロキシフェニル)メチル〕シクロヘキサン 1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)
−1−メチルエチル〕シクロヘキサン 1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)
プロピル〕シクロヘキサン 1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)
−1−メチルエチル〕シクロヘキサン 1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)
−1−メチルプロピル〕シクロヘキサン等を挙げること
ができる。 【0014】このような本発明による4−置換シクロヘ
キシリデンビスフェノール類は、例えば、一般式(II) 【0015】 【化3】 【0016】(式中、R1 及びR2 は前記と同じであ
る。)で表される置換シクロヘキサノン類と一般式(II
I) 【0017】 【化4】 【0018】(式中、R3 及びnは前記と同じであ
る。)で表される(アルキル)フェノール類を反応溶媒
中、酸触媒の存在下に脱水縮合反応させることによって
得ることができる。 【0019】上記置換シクロヘキサノン類の具体例とし
て、例えば、1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−(4−オキソ
シクロヘキシル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エ
タンン、1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、1−(4−オキソシ
クロヘキシル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)ペンタン、1−(4−オキソシクロ
ヘキシル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メ
チルブタン、1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−
(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1−(4−オキ
ソシクロヘキシル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)
ヘプタン、1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−
(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1−(4−オキ
ソシクロヘキシル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)
ノナン、2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−オキソシ
クロヘキシル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(4−ヒ
ドロキシフェニル)ペンタン、2−(4−オキソシクロ
ヘキシル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メ
チルブタン、2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−
(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2−(4−オキ
ソシクロヘキシル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)
−3−メチルペンタン、2−(4−オキソシクロヘキシ
ル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2−
(4−オキソシクロヘキシル)−2−(4−ヒドロキシ
フェニル)オクタン、2−(4−オキソシクロヘキシ
ル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、3−
(4−オキソシクロヘキシル)−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)ペンタン等を挙げることができる。 【0020】また、上記(アルキル)フェノール類の具
体例として、例えば、フェノール、o−クレゾール、m
−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレ
ノール、2,6−キシレノール、3,5−キシレノー
ル、3,3,5−トリメチルフェノール、2,3,5−
トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノ
ール、3−メチル−6−t−ブチル−フェノール、2−
エチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、2−
t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノ
ール等を挙げることができる。 【0021】上記置換シクロヘキサノン類は、例えば、
一般式(IV) 【0022】 【化5】 【0023】(式中、R1 及びR2 は前記と同じであ
る。)で表されるビス(4−ヒドロキシフェニル)アル
カン類を反応溶媒中、パラジウム触媒の存在下に選択的
水素化することによって得ることができる。 【0024】上記置換シクロヘキサノン類と(アルキ
ル)フェノール類との反応において、(アルキル)フェ
ノール類は、置換シクロヘキサノン1モル部に対して、
通常、4〜20モル部の範囲で用いられる。 【0025】上記置換シクロヘキサノン類と(アルキ
ル)フェノール類との反応において、反応溶媒は用いて
もよく、また、用いなくてもよい。反応溶媒を用いる場
合、例えば、脂肪族アルコール、芳香族炭化水素又はこ
れらの混合溶媒が用いられる。アルコールとしては、用
いる反応原料、得られる生成物の溶解度、反応条件、反
応の経済性等を考慮して、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、t−
ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチル
アルコール等を挙げることができる。また、芳香族炭化
水素溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、クメ
ン等を挙げることができる。このような溶媒は、通常、
用いる置換シクロヘキサノン100重量部に対して、1
00〜500重量部の範囲で用いられるが、これに限定
されるものではない。 【0026】上記酸触媒としては、塩酸又は乾燥塩化水
素ガスが好ましく用いられる。しかし、これに限定され
るものではなく、例えば、硫酸、無水硫酸、p−トルエ
ンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタン
スルホン酸、シュウ酸、ギ酸、リン酸、トリクロロ酢
酸、トリフルオロ酢酸等も用いられる。更に、本発明に
よれば、反応を促進するために、メルカプタン等(例え
ば、オクチルメルカプタン)の助触媒を用いることがで
きる。 【0027】反応は、通常、20℃から80℃、好まし
くは、20〜50℃にて、反応器中の反応混合物に塩酸
を添加するか、又は乾燥塩化水素ガスを吹き込みなが
ら、撹拌下に、2〜48時間程度、通常、6〜24時間
程度行えばよい。 【0028】反応終了後、通常、得られた反応混合物に
アルカリを加えて、酸触媒を中和した後、油層に適宣の
晶析溶剤を加えるか、又は水層を分離除去し、必要に応
じて、得られた有機層を常圧又は減圧下に蒸留した後、
これに適宣の晶析溶剤を加えるかして、粗結晶を析出さ
せ、次いで、この粗結晶を濾取し、これを更に適宣の晶
析溶媒から晶析させることによって、目的とする4−置
換シクロヘキシリデンビスフェノール類の高純度品を得
ることができる。 【0029】上記晶析溶媒としては、具体的には、晶析
条件、精製効果、経済性等を考慮して、適宣に選ばれる
が、芳香族炭化水素としては、例えば、トルエン、キシ
レン、クメン等が用いられる。また、脂肪族アルコール
としては、メタノール、エタノール等、脂肪族ケトンと
しては、例えば、アセトン、メチルイソプロピルケト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ
イソプロピルケトン等、環状エーテルとしては、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等が用いられる。 【0030】本発明による新規な4−置換シクロヘキシ
リデンビスフェノール類は、分子中に3つの芳香環を有
し、また、分子中にシクロヘキサン環とアルキル置換基
を有するので、高い耐熱性、親油性、溶媒親和性を有す
ることが期待される。更に、本発明による4−置換シク
ロヘキシリデンビスフェノール類は、これを原料とし
て、種々の反応、例えば、フェノール性芳香環に対する
置換反応や、水添反応、フェノール性水酸基に対する反
応等を行うことによって、種々の誘導体とすることがで
きる。 【0031】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。以下において、本発明の目的物である反応生成物の
純度は液体クロマトグラフィーによる面積百分率の値で
ある。 【0032】参考例1 (1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンの製造) 1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン100
g(0.439モル)と酢酸エチル150gと共に、ナ
トリウム約1.5重量%とパラジウム5重量%とをカー
ボン粉末に担持させてなるパラジウム・カーボン触媒
3.0g(含水触媒の乾燥重量換算量)を1L容量のガ
ラス製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を7
0℃まで昇温した後、内圧を解放して、圧力(ゲージ
圧)を0MPaとした。 【0033】次いで、オートクレーブを密閉し、内温を
1 4 0℃まで昇温した後、オートクレーブ内に水素を
0.5MPaまで導入した。この後、オートクレーブ内
の水素圧力を0.5MPaに保つように、水素を適宜、
オートクレーブ内に補充しながら、1,1−ジ(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンの水素化を行い、オートク
レーブ内の水素吸収量が理論水素吸収量(原料モル量の
2倍モル量)の1.1倍量となった時点(反応の開始か
ら5時間後)で反応を終了した。その結果、原料の転化
率は94.2%であり、目的物の選択率は92.2%で
あった。 【0034】反応終了後、オートクレーブ内を70℃ま
で降温し、窒素ガス置換した後、65℃で触媒を濾別し
た。得られた濾液を加熱濃縮し、酢酸エチル50gを留
出させた後、濃縮物を室温まで冷却し、析出した結晶を
濾取し、乾燥して、1−(4−オキソシクロヘキシル)
−1−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン58.0g
を白色結晶として得た。純度は99.2%(ガスクロマ
トグラフィー分析による。)であり、収率は56.5%
であった。 【0035】実施例1 (1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1
−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル〕シクロヘキサ
ンの製造) 温度計、滴下漏斗、還流冷却管及び攪拌機を備えた2L
容量四つ口フラスコにフェノール307.2g(3.2
モル)と35%塩酸243.1gを仕込み、反応容器内
を窒素置換した後、常圧下、温度40℃に昇温した。 【0036】参考例1で得た1−(4−オキソシクロヘ
キシル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1
50.0g(0.65モル)をフェノール193.0g
(2.1モル)に溶解して、溶液を調製した。上記フラ
スコ内に攪拌下、40℃を保ちながら、この溶液を1.
5時間かけて滴下した。滴下終了後、更に、温度40℃
において16時間撹拌下に反応を行った。 【0037】反応終了後、得られた反応混合物に16%
水酸化ナトリウム水溶液を加えて、中和した。中和後の
反応混合物から水層を分液除去し、油層混合物を得た。
次いで、この油層混合物から減圧蒸留にてフェノールを
除去して、目的とする1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピル〕シクロヘキサンを含む蒸留残留物を得た。これに
トルエンとメチルイソブチルケトンと水との混合溶液を
加え、晶析濾過し、更に、晶析物を乾燥して、目的物で
ある1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−
〔1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル〕シクロヘ
キサン110gを白色結晶として得た。純度は94.9
%であった。 【0038】これを更にヘプタン、メチルイソブチルケ
トン及び水の混合物を加え、晶析、濾過し、乾燥して、
純度99.0%の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピ
ル〕シクロヘキサンの精製物を白色結晶として得た。1
−(4−オキソシクロヘキシル)−1−(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンに対する収率は40.2モル%で
あった。 【0039】融点(示差熱分析法):149℃、133
℃ 分子量(質量分析法、M+):402 赤外線吸収スペクトル(KBr法): 水酸基:3510.2cm-1、1243.0cm-1 ベンゼン環:1612.4〜1510.2cm-1 シクロヘキサン環:1451.3cm-1 プロトンNMR(400MHz、溶媒DMSO−d): 【0040】 【化6】【0041】 【表1】 【0042】参考例2 (2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(4−ヒド
ロキシフェニル)ブタンの製造) 2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ブタン100g
(0.413モル)を原料として用いると共に、反応溶
媒を酢酸エチルから2−ブタノールに代え、更に、水素
化触媒として、パラジウム5重量%をカーボン粉末に担
持させたパラジウム・カーボン触媒3g(含水触媒の乾
燥重量換算量)と助触媒として炭酸ナトリウム0.1g
を用い、反応圧力を0.4MPaとした以外は、参考例
1と同様にして、2.5時間反応を行った。その結果、
原料の転化率は95.5%であり、目的物の選択率は9
4.9%であった。 【0043】反応終了後、オートクレーブ内を9 0℃ま
で降温し、窒素ガス置換した後、80℃で触媒を濾別し
た。得られた濾液を加熱、濃縮して2−ブタノール75
gを留出させた後、濃縮物を室温まで冷却し、析出した
結晶を濾取し、乾燥して、2−(4−オキソシクロヘキ
シル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン57.
9gを白色結晶として得た。純度は98.8%(ガスク
ロマトグラフィー分析による。)であり、収率は56.
3%であった。 【0044】実施例2 (1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1
−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル〕
シクロヘキサンの製造) 温度計、滴下漏斗、還流冷却管及び攪拌機を備えた30
0mL容量の四つ口フラスコにフェノール47.0g
(0.5モル)と35%塩酸37.6gを仕込み、反応
容器内を窒素置換した後、常圧下、温度40℃に昇温し
た。 【0045】参考例2で得た2−(4−オキソシクロヘ
キシル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン2
4.6g(0.1モル)をフェノール28.2gに溶解
して、溶液を調製した。上記フラスコ内に攪拌下、40
℃を保ちながら、この溶液を2時間かけて滴下した。滴
下終了後、更に、温度40℃において23時間撹拌下に
反応を行った。 【0046】反応終了後、得られた反応混合物に16%
水酸化ナトリウム水溶液を加えて、中和した。中和後の
反応混合液から水層を分液除去し、油層混合物を得た。
次いで、この油層混合物から減圧蒸留にてフェノールを
除去して、目的とする1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1
−メチルプロピル〕シクロヘキサンを含む蒸留残留物を
得た。これにトルエンとメチルイソブチルケトンとの混
合溶液を加え、晶析濾過し、得られた晶析物を乾燥し
て、目的物である1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メ
チルプロピル〕シクロヘキサン23.0gを白色結晶と
して得た。純度は91.7%であり、2−(4−オキソ
シクロヘキシル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)ブ
タンに対する収率は50.7モル%であった。 【0047】融点(示差熱分析法):224℃ 分子量(質量分析法、M+):416 赤外線吸収スペクトル(KBr法): 水酸基:3304.8cm-1、1242.1cm-1 ベンゼン環:1612.4〜1510.2cm-1 シクロヘキサン環:1458.1〜1448.4cm-1 プロトンNMR(400MHz、溶媒DMSO−d): 【0048】 【化7】【0049】 【表2】 【0050】参考例3 (2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(4−ヒド
ロキシフェニル)オクタンの製造) 2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)オクタン100
g(0.336モル)と2−ブタノール150gと共
に、ナトリウム約1.5重量%とパラジウム5重量%と
をカーボン粉末に担持させてなるパラジウム・カーボン
触媒3.0g(含水触媒の乾燥重量換算量)を1L容量
のガラス製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内
を70℃まで昇温した後、内圧を解放して、圧力(ゲー
ジ圧)を0MPaとした。 【0051】次いで、オートクレーブを密閉し、内温を
1 4 0℃まで昇温した後、オートクレーブ内に水素を
0.4MPaまで導入した。この後、オートクレーブ内
の水素圧力を0.4MPaに保つように、水素を適宜、
オートクレーブ内に補充しながら、2,2−ジ(4−ヒ
ドロキシフェニル)オクタンの水素化を行い、オートク
レーブ内の水素吸収量が理論水素吸収量(原料モル量の
2倍モル量)の1.1倍量となった時点(反応の開始か
ら4.5時間後)で反応を終了した。その結果、原料の
転化率は98.5%であり、目的物の選択率は86.3
%であった。 【0052】反応終了後、オートクレーブ内を90℃ま
で降温し、窒素ガス置換した後、80℃で触媒を濾別し
た。得られた濾液を蒸発乾固させて、2−(4−オキソ
シクロヘキシル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)オ
クタン83.0重量%(ガスクロマトグラフィー分析に
よる。)を含む反応生成物を得た。 【0053】実施例3 (1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1
−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルヘプチル〕
シクロヘキサンの製造) 温度計、滴下漏斗、還流冷却管及び攪拌機を備えた50
0mL容量の四つ口フラスコにフェノール18.2g
(0.2モル)と35%塩酸18.0gを仕込み、反応
容器内を窒素置換した後、常圧下、温度40℃に昇温し
た。 【0054】参考例3で得た2−(4−オキソシクロヘ
キシル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)オクタン1
6.5g(0.1モル)をフェノール18.9gに溶解
して、溶液を調製した。上記フラスコ内に攪拌下、40
℃を保ちながら、この溶液を1時間かけて滴下した。滴
下終了後、更に、温度40℃において23時間撹拌下に
反応を行った。 【0055】反応終了後、得られた反応混合物に16%
水酸化ナトリウム水溶液を加えて、中和した。中和後の
反応混合液から水層を分液除去し、油層混合物を得た。
次いで、この油層混合物から減圧蒸留にてフェノールを
除去して、目的とする1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1
−メチルヘプチル〕シクロヘキサンを含む蒸留残留物を
得た。これを分取液体クロマトグラフィーにて精製し、
乾燥して、目的物である1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−
1−メチルヘプチル〕シクロヘキサン198mgを白色
結晶として得た。純度は97.2%であった。 【0056】融点(示差熱分析法):73.7℃ 分子量(質量分析法、M+):472 赤外線吸収スペクトル(KBr法): 水酸基:3253.7cm-1、1238.2cm-1 ベンゼン環:1611.4cm-1、1511.1c
m-1、1489.9cm-1 シクロヘキサン環:1489.9cm-1 プロトンNMR(400MHz、溶媒DMSO−d): 【0057】 【化8】【0058】 【表3】 【0059】参考例4 (2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンの製造) 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン10
0g(0.439モル)と酢酸ブチル150gと共に、
ナトリウム約1.5重量%とパラジウム5重量%とをカ
ーボン粉末に担持させてなるパラジウム・カーボン触媒
3.0g(含水触媒の乾燥重量換算量)を1L容量のガ
ラス製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を9
0℃まで昇温した後、内圧を解放して、圧力(ゲージ
圧)を0MPaとした。 【0060】次いで、オートクレーブを密閉し、内温を
1 25℃まで昇温した後、オートクレーブ内に水素を
0.2MPaまで導入した。この後、オートクレーブ内
の水素圧力を0.2MPaに保つように、水素を適宜、
オートクレーブ内に補充しながら、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパンの水素化を行い、オート
クレーブ内の水素吸収量が理論水素吸収量(原料モル量
の2倍モル量)の0.86倍量となった時点(反応の開
始から1.9時間後)で反応を終了した。 【0061】反応終了後、オートクレーブ内温を80℃
まで降温し、系内を窒素ガスで置換した後、触媒を濾別
した。得られた、目的物を含む濾液を晶析濾過、乾燥し
て、目的物である2−(4−オキソシクロヘキシル)−
2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン48.7gを
白色結晶として得た。純度は97.7%、2、2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに対する収率は4
6.8%であった。 【0062】実施例4 (1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1
−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕シ
クロヘキサンの製造) 温度計、滴下漏斗、還流冷却管及び攪拌機を備えた1L
容量四つ口フラスコにフェノール42.3g(0.45
モル)と35%塩酸56.3gを仕込み、反応容器内を
窒素置換した後、常圧下、温度40℃に昇温した。 【0063】参考例4で得た2−(4−オキソシクロヘ
キシル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3
5.6g(0.15モル)をフェノール70.5g
(0.75モル)に溶解して、溶液を調製した。上記フ
ラスコ内に攪拌下、40℃を保ちながら、この溶液を2
時間かけて滴下した。滴下終了後、更に、温度40℃に
おいて22時間撹拌下に反応を行った。 【0064】反応終了後、得られた反応混合物に16%
水酸化ナトリウム水溶液を加えて、中和した。中和後の
反応混合物から水層を分液除去し、油層混合物を得た。
次いで、この油層混合物から減圧蒸留にてフェノールを
除去して、目的とする1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)―1
−メチルエチル〕シクロヘキサンを含む蒸留残留物を得
た。これをメチルイソブチルケトンと水との混合溶液を
を加えて水洗し、その後、水層分液後の油層にトルエン
を加えて、晶析濾過、乾燥して、目的物である1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒ
ドロキシフェニル−1−メチルエチル)〕シクロヘキサ
ンを含む粗結晶24.5gを得た。この粗結晶をメチル
エチルケトンに再度溶解し、更に、トルエンを加えた
後、晶析濾過、乾燥して、純度92.6%の1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒド
ロキシフェニル−1−メチルエチル)〕シクロヘキサン
の精製物16.6gを白色結晶として得た。2−(4−
オキソシクロヘキシル)−2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンに対する収率は24.5モル%であった。 【0065】融点(示差熱分析法):233℃ 分子量(質量分析法、M+):402 赤外線吸収スペクトル(KBr法): 水酸基:3357.8cm-1、1239.2cm-1 ベンゼン環:1610.5〜1510.2cm-1 シクロヘキサン環:1465.8cm-1 プロトンNMR(400MHz、溶媒DMSO−d): 【0066】 【化9】 【0067】 【表4】 【0068】実施例5 (1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピル〕シクロヘキサンの製造) 温度計、滴下漏斗、還流冷却管及び攪拌機を備えた2L
容量四つ口フラスコに2,6−ジメチルフェノール6
6.2g(0.54モル)を仕込み、反応容器内を窒素
置換した後、常圧下、温度50℃に昇温した。 【0069】次いで、反応容器内に、乾燥塩化水素ガス
を吹き込みながら、参考例1と同様にして得られた1−
(4−オキソシクロヘキシル)−1−(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン30.8g(0.13モル、純度9
7.5%)を2,6−ジメチルフェノール60g(0.
49モル)に溶解した溶液を、攪拌下、50℃を保ちな
がら、2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に、温度
50℃において21時間撹拌下に反応を行った。 【0070】反応終了後、得られた反応混合物に16%
水酸化ナトリウム水溶液を加えて、中和した。中和後の
反応混合物から水層を分液除去し、油層混合物を得た。
次いで、この油層混合物から減圧蒸留にて2,6−ジメ
チルフェノールを除去して、目的とする1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロ
キシフェニル)プロピル〕シクロヘキサンを含む蒸留残
留物を得た。これをトルエンと水との混合溶液をを加え
て水洗し、その後、水層分液後の油層からトルエンを一
部溜去した後、晶析濾過、乾燥して、目的物である1,
1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピ
ル〕シクロヘキサンを含む粗結晶43.3gを得た。こ
の粗結晶をメチルエチルケトンに再度溶解し、更に、ト
ルエンを加えた後、晶析濾過、乾燥して、純度95.1
%の1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピル〕シクロヘキサンの精製物23.7gを白色結晶
として得た。1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに対する収率は3
7.5モル%であった。 【0071】融点(示差熱分析法):138.4℃、1
52.8℃ 分子量(質量分析法、M+):458 赤外線吸収スペクトル(KBr法): 水酸基:3379.1cm-1 ベンゼン環:1611.4〜1488.9cm-1 シクロヘキサン環:1451.3cm-1 プロトンNMR(400MHz、溶媒CD3OD) 【0072】 【化10】 【0073】 【表5】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立して水素原子又は
炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R3 は炭素原子
数1〜4のアルキル基を示し、nは0〜3の整数であ
る。)で表される4−置換シクロヘキシリデンビスフェ
ノール類。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001345722A JP4022387B2 (ja) | 2001-08-27 | 2001-11-12 | 新規な4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP2001-256290 | 2001-08-27 | ||
JP2001256290 | 2001-08-27 | ||
JP2001345722A JP4022387B2 (ja) | 2001-08-27 | 2001-11-12 | 新規な4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類 |
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