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JP2002307595A - ガスバリア性積層フィルム - Google Patents

ガスバリア性積層フィルム

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JP2002307595A JP2001108541A JP2001108541A JP2002307595A JP 2002307595 A JP2002307595 A JP 2002307595A JP 2001108541 A JP2001108541 A JP 2001108541A JP 2001108541 A JP2001108541 A JP 2001108541A JP 2002307595 A JP2002307595 A JP 2002307595A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無機酸化物の薄膜層を形成した複合フィルムを
バリア層とする積層フィルムを軟包装体に使用した場合
でも印刷やラミネート工程でガスバリア性が失われず、
剥離強度に優れた積層フィルムを提供する 【解決手段】熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
に、ポリビニルアルコール/オレフィン-無水マレイン酸
共重合体=10/90〜90/10(質量分率)からなる層を有し、
更にこの層の上に無機酸化物薄膜層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐屈曲性と積層の剥
離強度に優れ、食品包装などに好適なガスバリア性積層
フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】医薬品や食品等の包装にはアルミニウム
箔やアルミニウム蒸着フィルムをバリア層とする積層フ
ィルムが利用されている。これらの積層フィルムによる
包装体は、包装体内に封入されている内填物の状態を外
側から透視できない。このため、熱可塑性樹脂フィルム
に対してバリア層として無機酸化物の薄膜層を形成した
積層フィルムが提案されている。この積層フィルムは透
明性とガスバリア性を兼備する積層フィルムである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の、熱可塑性樹脂
フィルムに対してバリア層として無機酸化物の薄膜層を
形成した積層フィルムはバリア層の無機蒸着薄膜層が固
くて脆いことから特に軟包装体の包装材として使用する
場合に印刷やラミネート工程で薄膜層にクラックが発生
しやすく、このクラックが原因でガスバリア性が失われ
る問題がある。本発明は上記の、熱可塑性樹脂フィルム
に対してバリア層として無機酸化物の薄膜層を形成した
積層フィルムを軟包装体に使用した場合でも、印刷やラ
ミネート工程でクラックが発生しないためガスバリア性
が失われず、かつ積層フィルムと無機酸化物層間の剥離
強度に優れた積層フィルムを提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の従
来の技術の課題を克服すべく鋭意検討の結果、熱可塑性
樹脂フィルムの少なくとも片面に、ポリビニルアルコー
ルとオレフィン-無水マレイン酸共重合体の混合物より
なり、その質量分率が10/90〜90/10である層を形成し、
更にその上に無機酸化物薄膜層が形成された積層フィル
ムが、軟包装体の印刷やラミネート工程でクラックが発
生せず、耐屈曲性、積層剥離強度に優れることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細を説明する。
本発明において用いられる熱可塑性樹脂フィルムとして
は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミ
ド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂またはそれ
らの混合物よりなるフィルムやそれらのフィルムの積層
体が挙げられ、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよ
い。
【0006】基材フィルムを製造する方法としては、熱
可塑性樹脂を押出機で加熱、溶融してTダイより押出
し、冷却ロールなどにより冷却固化させて未延伸フィル
ムを得るか、もしくは円形ダイより押出して水冷あるい
は空冷により固化させて未延伸フィルムを得る。延伸フ
ィルムを製造する場合は、未延伸フィルムを一旦巻き取
った後、または連続して同時二軸延伸法または逐次二軸
延伸法により延伸する方法が好ましい。フィルムの機械
的特性や厚み均一性などの性能面からはTダイによるフ
ラット式製膜法とテンター延伸法を組み合わせる方法が
好ましい。
【0007】このようにして得られた基材フィルムの少
なくとも片面に、ポリビニルアルコールとオレフィン-
無水マレイン酸共重合体の混合物よりなる層を形成す
る。ポリビニルアルコール/オレフィン-無水マレイン酸
共重合体の組成比率は、ポリビニルアルコール/オレフ
ィン-無水マレイン酸共重合体=10/90〜90/10(質量分
率)とする必要がある。この組成範囲にあるポリビニル
アルコール/オレフィン-無水マレイン酸共重合体層、無
機酸化物薄膜層とを基材フィルムに積層することによっ
て耐屈曲バリア性に富んだフィルムが得られる。ポリビ
ニルアルコール/オレフィン-無水マレイン酸共重合体=
0/100〜10/90(質量分率)では無機酸化物薄膜層を形成し
た積層フィルムの耐屈曲バリア性が低い。ポリビニルア
ルコール/オレフィン-無水マレイン酸共重合体=90/10
〜100/0(質量分率)ではポリビニルアルコール/オレフィ
ン-無水マレイン酸共重合体の層とこれに蒸着する無機
蒸着層との接着強度が低くなる。
【0008】基材フィルム上にポリビニルアルコールと
オレフィン-無水マレイン酸共重合体の混合物よりな層
を形成するには、その混合比率が10/90〜90/10(質量分
率)の水溶液を調製し、これをコート液として前記の基
材フィルムに塗布する方法が好適に用いられる。この場
合のコート法については、グラビアロールよる方法、キ
スコーターによる方法、マイヤーバーを用いた方法、フ
ァウンテンコーターによる方法、リップコーターによる
方法等、従来知られている各種コート法を用いることが
出来る。
【0009】ポリビニルアルコールとオレフィン-無水
マレイン酸共重合体のコート液を前記の基材フィルムに
塗布して、これらの混合物よりなる層を形成する場合、
同時二軸延伸法での未延伸フィルム、あるいは逐次二軸
延伸法での横延伸前フィルムの少なくとも片面に前記コ
ート液を塗布してから同時二軸延伸あるいは逐次二軸延
伸法での横延伸を行う方法が好ましく用いられる。
【0010】本発明において用いられるポリビニルアル
コールは工業的にはポリ酢酸ビニルの−OCOCH3基を全部
または一部鹸化することにより得られる。鹸化方法とし
ては公知のアルカリ鹸化法や酸鹸化法を用いることがで
き、中でもメタノール中で水酸化アルカリを使用して加
アルコール分解する方法が好ましい。
【0011】水溶液の温度が低くなるとゲル化する懸念
があり、保存には温度管理が必要である。鹸化度を若干
低下させて、例えば97%程度にすると溶液の安定性は格
段に増し、また無機酸化物薄膜層を形成した積層フィル
ムでポリビニルアルコール自体のバリア性が期待でき
る。鹸化度が低すぎると無機酸化物の薄膜層を形成した
積層フィルムのバリア性能が低下する。好ましい鹸化度
は80%以上である。
【0012】ビニルアルコール単位の水酸基は凝集力が
強く、無機酸化物薄膜層を形成した積層フィルムのガス
バリア性を高めるのに有効に働く。水酸基はマレイン酸
単位を含有するオレフィン-無水マレイン酸共重合体と
反応して架橋構造を形成する反応性基としても働く。こ
の架橋構造は無機酸化物薄膜層を形成した後の積層フィ
ルムのバリア性に大きく影響する。
【0013】本発明におけるポリビニルアルコールは無
水マレイン酸基や他のビニル系ポリマーを共重合したも
のでもよい。また、ビニルアルコール単位の一部を化学
的に修飾したものを用いることもできる。
【0014】本発明におけるオレフィン-無水マレイン
酸共重合体は、無水マレイン酸と他のビニル系モノマー
を溶液ラジカル重合などの公知の方法で重合することに
より得られる。他のビニル系モノマーとしては、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどの炭素数3
〜30までのアルキルビニルエーテル類、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、ぎ酸
ビニル酢酸ビニルなどのビニルエステル類、スチレン、
p−スチレンスルホン酸、エチレン、プロピレン、イソ
ブチレンなどの炭素数2〜30のオレフィンなどが上げら
れ、これらの混合物を用いることもできる。このうち、
アルキルビニルエーテル類、低級オレフィン類などがガ
スバリア性の向上の点で最も好ましく、中でもメチルビ
ニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン
−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸
共重合体がより好ましく、メチルビニルエーテル−無水
マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共
重合体が特に好ましい。
【0015】本発明におけるオレフィン-無水マレイン
酸共重合体中のマレイン酸単位は、10モル%以上含有す
ることが好ましい。マレイン酸単位が10モル%より少な
いと、ポリビニルアルコール単位との反応による架橋構
造の形成が不十分であり無機酸化物薄膜層を形成した後
の積層フィルムのガスバリア性が低下する。またこのマ
レイン酸は部分的にエステル化もしくはアミド化されて
いてもよく、マレイン酸のカルボキシル基の一部がアル
カリ化合物により中和されていても良い。
【0016】本発明において、ポリビニルアルコールと
オレフィン-無水マレイン酸共重合体を混合してコート
液を調製する際にはオレフィン-無水マレイン酸共重合
体中のカルボキシル基に対してアルカリ化合物を適量添
加し、液の安定性の改良や、コートフィルムの性能の改
良を図ることもできる。アルカリ化合物の添加量は使用
するポリマーの種類や配合量により適宜選択されるべき
ものである。
【0017】なお、本発明で用いられるオレフィン-無
水マレイン酸共重合体中のマレイン酸単位は、乾燥状態
では隣接カルボキシル基が脱水環化した無水マレイン酸
構造となりやすく、湿潤時や水溶液中では開環してマレ
イン酸構造となる。
【0018】ポリビニルアルコール/オレフィン-無水マ
レイン酸共重合体層の厚みとしては0.01〜1μmが好まし
い。
【0019】本発明の無機酸化物の薄膜層は例えば酸化
錫、酸化亜鉛、酸化珪素、酸化インジウム、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム等による厚さ5〜200nm、好ましく
は40〜100nmの層で、例えば真空蒸着、スパッタリン
グ、化学蒸着等によって形成される。
【0020】本発明のガスバリア性積層フィルムはいず
れかの面に印刷を施した上でシーラントフィルムと積層
して包装用途に供することが出来る。シーラントフィル
ムとしては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、アイオノマー、カルボキシル基変成ポリオレフ
ィン系樹脂、ポリプロピレン、ポリエステル等の耐薬品
性と透明性とを兼備する単一層または複合層を使用する
ことが出来る。これらのシーラントフィルムの厚みとし
ては5〜300μmのものがよく用いられるがこの範囲にな
い厚みのシーラントでも使用することは可能である。
【0021】本発明の積層フィルムは、ポリビニルアル
コール/オレフィン-無水マレイン酸共重合体からなる層
を有さない単なる無機酸化物積層フィルムと比較して、
耐屈曲バリア性、積層剥離強度において優れる。これ
は、ポリビニルアルコール/オレフィン-無水マレイン酸
共重合体層は基材である熱可塑性樹脂フィルムや無機酸
化物薄膜層との接着性に優れるためと推定される。
【0022】本発明の積層フィルムにおける熱可塑性樹
脂フィルムへのポリビニルアルコール/オレフィン-無水
マレイン酸共重合体の層と無機酸化物蒸着層の積層は該
熱可塑性樹脂フィルムの片面または両面に対して行うこ
とが出来る。
【0023】本発明の積層フィルムは、耐屈曲性、積層
の剥離強度に優れたバリア性を有し、軟包装体に使用し
た場合でも印刷やラミネート工程でガスバリア性が失わ
れず、剥離強度に優れている。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例等を用いて具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例等により何ら限定され
るものではない。本発明の実施例等で用いる分析手段は
以下の通りである。 (A)耐屈曲バリア性 耐屈曲バリア性として、ゲルボテスターを用いて20℃で
200回フィルムを屈曲させた後の酸素バリア性を測定し
た。耐屈曲バリア性は水にキャリアガスと酸素ガスをバ
ブリングする装置を具備したMOCON社製酸素透過度測定
装置OX-TRAN 100Aを用い、wet条件で測定を行った。単
位はml/(m2・d・MPa)。 (B)剥離強度 幅15mm、長さ16cmの短冊状にカットしたラミネート済フ
ィルムの先端部20mmを予め剥離してこれを力学試験機の
チャックに取り付け、T字剥離テストを行い、剥離強度
を測定した。剥離界面に水を付けないdry条件と剥離界
面に水を付けるwet条件の二条件で評価した。単位はN/c
m。
【0025】実施例1 攪拌翼を具えた容積50リットルのステンレス製の釜にポ
リビニルアルコールUMR-10HH(ユニチカ社製、鹸化度99
%、分子量約4000)4.0kgとイオン交換水16kgを投入し、3
0rpmでゆっくりと攪拌しながら温度を95℃まで昇温し、
温度が95℃に至った時点で攪拌速度を60rpmにして30min
間保持し、ポリビニルアルコール水溶液20kgを得た。前
記ポリビニルアルコール水溶液にオレフィン-無水マレ
イン酸共重合体としてイソバン-04-AE20(クラレ社製、
イソブチレン-無水マレイン酸共重合体水溶液)を、固形
分比でポリビニルアルコール/イソバン=70/30(質量分
率)となるように混合してコート液5kgを得た。次に、熱
可塑性樹脂フィルムの原料としてナイロン6樹脂(A1030B
RF、ユニチカ社製)を用いTダイを備えた押出機にて押
出製膜した後、ロール間の回転速度差により縦方向に2.
75倍に延伸し、キスコーターによって予め作液された上
記コート液を6.4g/m2(wet)でコートした後、テンターを
用いて3.75倍に横延伸すると同時に塗布されたコート液
を乾燥し、コートフィルムを得た。熱可塑性樹脂フィル
ムの厚みは15μm、コート層の厚みは0.3μmであった。
前記コートフィルムのポリビニルアルコール/イソバン
コート層の面に真空蒸着法により厚さ50nmの酸化珪素蒸
着を行い、蒸着層を形成した後、蒸着済みの該コートフ
ィルムの蒸着層の面にシーラントとして厚さ60μmの低
密度ポリエチレンフィルムをポリエステル系接着剤を用
いて積層し、積層フィルムを得た。得られた積層フィル
ムの耐屈曲バリア性は5 ml/(m2・d・MPa)、剥離強度はdry
条件で7.0N/cm、wet条件で4.0N/cmで良好なバリア性と
剥離強度を有していた。
【0026】実施例2 攪拌翼を具えた容積50リットルのステンレス製の釜にオ
レフィン-無水マレイン酸共重合体としてVEMA A101(ダ
イセル化学工業社製メチルビニルエーテル-無水マレイ
ン酸共重合体)4.0kgとイオン交換水16kgを投入し、30rp
mでゆっくりと攪拌しながら温度を95℃まで昇温し、温
度が95℃に至った時点で攪拌速度を60rpmにして60min間
保持し、VEMA水溶液20kgを得た。次に攪拌翼を具えた容
積50リットルのステンレス製の釜にポリビニルアルコー
ルUMR-10HH(ユニチカ社製、鹸化度99%、分子量約4000)
4.0kgとイオン交換水16kgを投入し、60rpmでゆっくりと
攪拌しながら温度を95℃まで昇温し、温度が95℃に至っ
た時点で攪拌速度を60rpmにして30min間保持し、ポリビ
ニルアルコール水溶液20kgを得た。前記ポリビニルアル
コール水溶液にVEMA水溶液を、固形分比でポリビニルア
ルコール/VEMA=70/30(質量分率)となるように混合して
コート液5kgを得た。更に、熱可塑性樹脂フィルムの原
料としてナイロン6樹脂(A1030BRF、ユニチカ社製)を用
いTダイを備えた押出機にて押出製膜した後、キスコー
ターによって予め作液された上記コート液を17.5g/m2(w
et)でコートした後、面倍率10倍に同時二軸延伸すると
同時に、塗布されたコート液を乾燥しコートフィルムを
得た。熱可塑性樹脂フィルムの厚みは15μm、コート層
の厚みは0.3μmであった。前記コートフィルムのポリビ
ニルアルコール/VEMAコート層の面に真空蒸着法により
厚さ50nmの酸化珪素蒸着を行い、蒸着層を形成した後、
蒸着済みの該コートフィルムの蒸着層の面にシーラント
として厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィルムをポリ
エステル系接着剤を用いて積層し、積層フィルムを得
た。得られた積層フィルムのバリア性は4 ml/(m2・d・MP
a)、剥離強度はdry条件で6.1N/cm、we条件で3.0N/cmで
良好なバリア性と剥離強度を有していた。
【0027】実施例3 ポリビニルアルコールとイソバンの組成比をポリビニル
アルコール/イソバン=30/70(質量分率)となるようにし
た以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得
られた積層フィルムのバリア性は4ml/(m2・d・MPa)、剥離
強度はdry条件で6.5N/cm、wet条件で3.5N/cmで良好なバ
リア性と剥離強度を有していた。
【0028】比較例1 ポリビニルアルコール/イソバンコートを行わなかった
以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール/オ
レフィン-無水マレイン酸共重合体の層を有さない積層
フィルムを得た。得られた積層フィルムのバリア性は72
ml/(m2・d・MPa)、剥離強度はdry条件で1.0N/cm、wet条
件で1.0N/cmでバリア性、剥離強度とも不十分であっ
た。
【0029】比較例2 ポリビニルアルコール水溶液とイソバン-04-AE20を、固
形分比でポリビニルアルコール/イソバン=0/100とした
以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得ら
れた積層フィルムのバリア性は100 ml/(m2・d・MPa)、剥
離強度はdry条件で7.0N/cm、wet条件で4.0N/cmでバリア
性が不十分であった。
【0030】比較例3 ポリビニルアルコール水溶液とイソバン-04-AE20を、固
形分比でポリビニルアルコール/イソバン=100/0とした
以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得ら
れた積層フィルムのバリア性は20 ml/(m2・d・MPa)、剥離
強度はdry条件で1N/cm、wet条件で0.1N/cmで剥離強度が
不十分であった。
【0031】表1に実施例1〜3、比較例1〜3による
結果をまとめて示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、耐屈曲性、積層の剥離
強度に優れた積層フィルムが得られ、軟包装体に使用し
た場合でも印刷やラミネート工程でガスバリア性が失わ
れず、剥離強度に優れたフィルムを提供することが出来
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 101:00 C08L 101:00 (72)発明者 中西 清隆 京都府宇治市宇治樋ノ尻31−3 ユニチカ 株式会社宇治プラスチック工場内 Fターム(参考) 4F006 AA38 AB13 AB20 BA05 CA07 DA04 DA05 4F100 AA01C AK01A AK03B AK08B AK21B AK24B AK46A AK70B AL01B EH46 EH66 EJ38 GB23 JB16A JD02 JD03 JK06 JK17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
    に、ポリビニルアルコールとオレフィン-無水マレイン
    酸共重合体の混合物よりなり、その質量分率が10/90〜9
    0/10である層が形成され、さらにその上に無機酸化物薄
    膜層が形成された耐屈曲性、積層剥離強度に優れたガス
    バリア性積層フィルム。
  2. 【請求項2】オレフィン-無水マレイン酸共重合体がイ
    ソブチレン-無水マレイン酸共重合体及びまたはメチル
    ビニルエーテル-無水マレイン酸共重合体である請求項
    1記載のガスバリア性積層フィルム。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂フィルムがナイロン6である
    請求項1または2記載のガスバリア性積層フィルム。
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