JP2002360632A5 - - Google Patents
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Description
【発明の名称】パンツ型の使い捨て着用物品
【特許請求の範囲】
【請求項1】互いに対向する前後胴周り域およびそれら胴周り域の間に位置する股下域を画成するシート部材と、前記股下域を中心に前記前後胴周り域へ向かって延びる吸液性部材とから構成され、胴周り開口と、前記胴周り開口の下方に一対の脚周り開口とを有し、前記前後胴周り域の少なくとも一方を胴周り方向へ延びる複数条の胴周り用弾性部材が、前記胴周り開口の縁部と前記股下域との間を縦方向へ所与寸法離間して並ぶとともに、前記シート部材に伸長状態で取り付けられ、前記胴周り用弾性部材の収縮によって前記シート部材に多数の襞が形成されたパンツ型の使い捨て着用物品において、
前記襞は、前記シート部材が前記胴周り方向へ交互に起伏を繰り返すことにより形成され、前記襞が、前記胴周り開口から前記股下域へ向かって前記縦方向へ実質的に連続かつ前記胴周り用弾性部材と略直交して延びるとともに、前記胴周り方向へ略等間隔で並んでいることを特徴とする前記物品。
【請求項2】前記胴周り用弾性部材が、前記シート部材の起伏に沿って前記胴周り方向へ交互に起伏を繰り返し、前記胴周り用弾性部材が位置する前記襞の頂部から底部までの最大高さ寸法が、前記胴周り用弾性部材の間に延びる前記襞の頂部から底部までの最大高さ寸法よりも小さい請求項1記載の物品。
【請求項3】前記襞の頂部と底部とが、前記胴周り方向へ実質的に円弧を画いている請求項1または請求項2に記載の物品。
【請求項4】前記胴周り方向へ隣り合う前記襞の頂部の間の離間寸法が、3〜30mmの範囲にある請求項1ないし請求項3いずれかに記載の物品。
【請求項5】前記胴周り用弾性部材が位置する前記襞の頂部から底部までの前記最大高さ寸法が、1〜3mmの範囲にあり、前記胴周り用弾性部材の間に延びる前記襞の頂部から底部までの前記最大高さ寸法が、3〜10mmの範囲にある請求項2ないし請求項3いずれかに記載の物品。
【請求項6】前記胴周り用弾性部材が、前記胴周り開口の縁部に略並行して延び、前記縦方向に隣り合う前記胴周り用弾性部材どうしの離間寸法が、3〜30mmの範囲にある請求項1ないし請求項5いずれかに記載の物品。
【請求項7】前記シート部材の前記胴周り用弾性部材を取り付けた部位における収縮率が、単位長さ当たり35〜80%の範囲にある請求項1ないし請求項6いずれかに記載の物品。
【請求項8】前記シート部材が、肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートとから形成され、前記吸液性部材が、前記表面シートと前記裏面シートとの間に介在し、前記吸液性部材の非存在領域では、前記襞が前記胴周り開口から前記股下域へ向かって前記縦方向へ実質的に連続かつ前記胴周り用弾性部材と略直交して延びるとともに、前記胴周り方向へ略等間隔で並んでいる請求項1ないし請求項7いずれかに記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排泄物を吸収、保持するパンツ型の使い捨て着用物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、互いに対向する前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを備え、前後胴周り域を胴周り方向へ延びる複数条の胴周り用弾性部材が、胴周り開口の縁部と股下域との間を縦方向へ所与寸法離間して並ぶとともに、表裏面シートのうちの少なくとも裏面シートに伸長状態で取り付けられたパンツ型の使い捨て着用物品は公知である。
【0003】
この物品では、前後胴周り域の互いに重なり合う胴周り側部が連結され、胴周り開口と一対の脚周り開口とが画成されている。物品では、コアの非存在領域に延びる胴周り用弾性部材が表面シートと裏面シートとの内面に固着され、コアの存在領域に延びる胴周り用弾性部材が裏面シートの内面に固着されている。物品は、胴周り用弾性部材の伸長応力を利用することで、着用者の胴周りを締め付けることができ、着用者の胴周りにおける物品のずれを防ぐことができる。そのような着用物品は、特開平9−84826号公報と特開平10−127689号公報とに開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知の着用物品では、胴周り用弾性部材が収縮することによって前後胴周り域における表裏面シートに不規則な多数の襞や皺が形成される。物品では、着用者の胴周りと襞との間に間隙が形成されたとしても、その間隙が股下域から胴周り開口へ向かって縦方向へ規則正しく延びることはなく、間隙が胴周り開口へ向かう途中で途切れたり、間隙が胴周り方向へ延びることがあるので、物品の内部の湿気を間隙を介して胴周り開口から外部へ逃がすことができない。また、物品では、着用者の胴周りに当接して折れ曲がった襞や皺が着用者の肌を局所的に圧迫する場合があり、着用者に不快な刺激を与える。
【0005】
本発明の課題は、物品内部の湿気を外部に物品の逃がすことができ、着用者に不快な刺激を与えることがないパンツ型の使い捨て着用物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の前提は、互いに対向する前後胴周り域およびそれら胴周り域の間に位置する股下域を画成するシート部材と、前記股下域を中心に前記前後胴周り域へ向かって延びる吸液性部材とから構成され、胴周り開口と、前記胴周り開口の下方に一対の脚周り開口とを有し、前記前後胴周り域の少なくとも一方を胴周り方向へ延びる複数条の胴周り用弾性部材が、前記胴周り開口の縁部と前記股下域との間を縦方向へ所与寸法離間して並ぶとともに、前記シート部材に伸長状態で取り付けられ、前記胴周り用弾性部材の収縮によって前記シート部材に多数の襞が形成されたパンツ型の使い捨て着用物品である。
【0007】
前記前提における本発明の特徴として、前記襞は、前記シート部材が前記胴周り方向へ交互に起伏を繰り返すことにより形成され、前記襞が、前記胴周り開口から前記股下域へ向かって前記縦方向へ実質的に連続かつ前記胴周り用弾性部材と略直交して延びるとともに、前記胴周り方向へ略等間隔で並んでいることにある。
【0008】
本発明は、以下の実施態様を有する。
(1)前記胴周り用弾性部材が、前記シート部材の起伏に沿って前記胴周り方向へ交互に起伏を繰り返し、前記胴周り用弾性部材が位置する前記襞の頂部から底部までの最大高さ寸法が、前記胴周り用弾性部材の間に延びる前記襞の頂部から底部までの最大高さ寸法よりも小さい。
(2)前記襞の頂部と底部とが、前記胴周り方向へ実質的に円弧を画いている。
(3)前記胴周り方向へ隣り合う前記襞の頂部の間の離間寸法が、3〜30mmの範囲にある。
(4)前記胴周り用弾性部材が位置する前記襞の頂部から底部までの前記最大高さ寸法が、1〜3mmの範囲にあり、前記胴周り用弾性部材の間に延びる前記襞の頂部から底部までの前記最大高さ寸法が、3〜10mmの範囲にある。
(5)前記胴周り用弾性部材が、前記胴周り開口の縁部に略並行して延び、前記縦方向に隣り合う前記胴周り用弾性部材どうしの離間寸法が、3〜30mmの範囲にある。
(6)前記シート部材の前記胴周り用弾性部材を取り付けた部位における収縮率が、単位長さ当たり35〜80%の範囲にある。
(7)前記シート部材が、肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートとから形成され、前記吸液性部材が、前記表面シートと前記裏面シートとの間に介在し、前記吸液性部材の非存在領域では、前記襞が前記胴周り開口から前記股下域へ向かって前記縦方向へ実質的に連続かつ前記胴周り用弾性部材と略直交して延びるとともに、前記胴周り方向へ略等間隔で並んでいる。
【0009】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明に係るパンツ型の使い捨て着用物品の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0010】
図1,2は、使い捨て着用物品1Aの部分破断斜視図と、横方向と縦方向とヘ伸長させた状態で示すパンツ型に成形する以前の物品1Aの部分破断平面図とであり、図3は、図1のA−A線矢視断面図である。図1では、胴周り方向を矢印X、縦方向を矢印Yで示し、脚周り方向を矢印Zで示す。図2では、横方向を矢印Xで示し、縦方向を矢印Yで示す。なお、表面シート13と裏面シート14との内面とは、コア15に対向する面をいい、それらシート13,14の外面とは、コア15に非対向の面をいう。
【0011】
物品1Aは、シート部材2と、シート部材2の内側に取り付けられた吸液性部材12とから構成されている。物品1Aでは、シート部材2が互いに対向する前後胴周り域M1,M3とそれら胴周り域M1,M3の間に位置する股下域M2とを画成している。
【0012】
物品1Aでは、シート部材2の前後胴周り域M1,M3における胴周り側部3が合掌状に重なり合い、胴周り側部3が縦方向へ間欠的に並ぶ多数の熱融着線4を介して固着されている。物品1Aには、胴周り開口5とその下方に一対の脚周り開口6とが画成されている。
【0013】
シート部材2は、略同形同大であって実質的に非伸縮性かつ疎水性の繊維不織布7,8が互いに重なり合う複合不織布であり、その平面形状が砂時計型を呈する。シート部材2の前後胴周り域M1,M3には、胴周り方向へ延びる複数条の胴周り用弾性部材9が伸長状態で取り付けられている。
【0014】
胴周り用弾性部材9は、胴周り開口5の縁部5aと股下域M2との間を縦方向へ所与寸法離間して並んでいる。胴周り用弾性部材9は、胴周り開口5の縁部5aに略並行して延びている。胴周り用弾性部材9は、シート部材2を形成する不織布7,8の間に介在し、それら不織布7,8に固着されている。
【0015】
シート部材2の前後胴周り域M1,M3には、胴周り用弾性部材9の収縮によって胴周り方向へ所与寸法離間して並ぶ多数の襞10が形成されている。襞10は、シート部材2が胴周り方向へ交互に起伏を繰り返すことにより形成されている。襞10は、胴周り開口5から股下域M2へ向かって縦方向へ連続かつ胴周り用弾性部材9と略直交して延びるとともに、縦方向へ略直状に延びている。襞10は、胴周り方向へ略等間隔で並んでいる。
【0016】
脚周り開口6の縁部6aには、複数条の脚周り用弾性部材11が伸長状態で取り付けられている。脚周り用弾性部材11は、前胴周り域M1から股下域M2へ向かって実質的に弧を画いて延びる弾性部材11aと、後胴周り域M3から股下域M2へ向かって実質的に弧を画いて延びる弾性部材11bとから形成されている。
【0017】
それら弾性部材11a,11bは、脚周り開口6の縁部6aに沿って脚周り方向へ延びる両側部分11cと、股下域M2を横切る中央部分11dとを有し、それら弾性部材11a,11bの中央部分11dが股下域M2において交差している。それら弾性部材11a,11bは、シート部材2を形成する不織布7,8の間に介在し、それら不織布7,8に固着されている。
【0018】
吸液性部材12は、肌当接側に位置する透液性表面シート13と、肌非当接側に位置する不透液性裏面シート14と、表面シート13と裏面シート14との間に介在してそれらシート13,14の少なくとも一方の内面に接合された吸液性コア15とから構成されている。
【0019】
吸液性部材12は、股下域M2を中心に前後胴周り域M1,M3へ向かって延びている。吸液性部材12は、前胴周り域M1に位置する前部m1と、後胴周り域M3に位置する後部m3と、股下域M2に位置する中間部m2とを有する。吸液性部材12では、前後部m1,m3の一部がシート部材2の前後胴周り域M1,M3にホットメルト型接着剤(図示せず)を介して固着され、中間部m2がシート部材12の股下域M2にホットメルト接着剤(図示せず)を介して固着されている。
【0020】
吸液性部材12では、コア15の両側縁15aから外側へ表面シート13と裏面シート14との側部13a,14aが延びている。側部13a,14aでは、それらシート13,14が互いに重なり合い、それらシート13,14の内面どうしが固着されている。側部13a,14aには、脚周り方向へ延びる複数条の弾性部材16が伸長状態で取り付けられている。弾性部材16は、裏面シート14の一部に被覆された状態で裏面シート14に固着されている。吸液性部材12の前後部m1,m3では、それらシート13,14の側部13a,14aが表面シート13の外面の側へ向かって折曲され、側部13a,14aが表面シート13の外面に固着されている。吸液性部材12では、弾性部材16の収縮によって、吸液性部材12の中間部m2に延びるそれらシート13,14の側部13a,14aが表面シート13の上方へ起立し、排泄物に対する障壁を形成する。
【0021】
吸液性部材12では、コア15の両端縁15bから外側へ表面シート13と裏面シート14との端部13b,14bが延びている。端部13b,14bでは、それらシート13,14が互いに重なり合い、それらシート13,14の内面どうしが固着されている。
【0022】
図2の平面図から図1の物品1Aを作るには、吸液性部材12を内側にした状態で、股下域M2を横切る横中心線Sで物品1Aを折曲して前後胴周り域M1,M3を重ね合わせ、シート部材2の前後胴周り域M1,M3における胴周り側部3を固着する。
【0023】
図4,5は、物品1Aから切り取ったシート部材2の部分斜視図と、図4のB−B線矢視断面図とであり、図6,7は、図4のC−C線端面図と、図4のD−D線端面図とである。図4では、胴周り方向を矢印Xで示し、縦方向を矢印Yで示す。
【0024】
襞10は、肌非当接側に位置する頂部10aと、肌当接側に位置する底部10bとを有する。襞10の頂部10aと底部10bとは、縦方向へ略直状に延びるとともに、胴周り方向へ実質的に円弧を画いている。胴周り用弾性部材9は、シート部材2の起伏に沿って胴周り方向へ交互に起伏を繰り返している。
【0025】
物品1Aでは、それを着用したときに、シート部材2に形成された襞10の底部10bが着用者の胴周りに当接し、襞10の頂部10aが着用者の胴周りから離間する。物品1Aでは、襞10の頂部10aと着用者の胴周りとの間に間隙17が形成され、その間隙17が股下域M2から胴周り開口5へ向かって縦方向へ連続して略直状に延びるので、物品1Aの内部の湿気を間隙17を介して胴周り開口5から物品1Aの外部へ逃がすことができる。
【0026】
また、物品1Aでは、襞10が股下域M2から胴周り開口5へ向かって縦方向へ連続かつ略直状に延びるとともに、襞10が胴周り方向へ略等間隔で規則正しく並んでいるので、着用者の胴周りに当接した襞10が部分的に折れ曲がり難い。物品1Aでは、それら襞10がクッションとなり、襞10が着用者の肌を局所的に圧迫することはない。
【0027】
物品1Aでは、襞10の頂部10aと底部10bとが胴周り方向へ向かって実質的に円弧を画いているので、襞10の頂部10aと底部10bとが尖形を呈する場合と比較し、襞10の特に底部10bが着用者の胴周りに当接したとしても、不快な刺激を与えることはない。
【0028】
物品1Aでは、胴周り用弾性部材9が位置する襞10の頂部10aから底部10bまでの最大高さ寸法L2が胴周り用弾性部材9の間に延びる襞10の頂部10aから底部10bまでの最大高さ寸法L3よりも小さい。ゆえに、物品1Aでは、襞10の頂部10aと底部10bとが縦方向へわずかに起伏を繰り返している。物品1Aでは、胴周り用弾性部材9が位置する襞10の底部10bが着用者の胴周りから離間し、胴周り用弾性部材9の間に延びる襞10の底部10bのみが着用者の胴周りに当接するので、物品1Aの着用者の肌への接触面積を小さくすることができる。
【0029】
物品1Aでは、胴周り方向へ隣り合う襞10の頂部10aの間の離間寸法L1が3〜30mmの範囲にある。離間寸法L1が3mm未満では、胴周り方向へ並ぶ襞10の本数が必要以上に多くなり、襞10の密度が高くなるので、前後胴周り域M1,M3におけるシート部材2の剛性が増し、シート部材2の柔軟性が低下する。離間寸法L1が30mmを超過すると、襞10が倒伏し易く、襞10が倒伏すると、襞10の頂部10aと着用者の胴周りとの間に間隙17が形成されない。
【0030】
物品1Aでは、胴周り用弾性部材9が位置する襞10の頂部10aから底部10bまでの最大高さ寸法L2が1〜3mmの範囲にあり、胴周り用弾性部材9の間に延びる襞10の頂部10aから底部10bまでの最大高さ寸法L3が3〜10mmの範囲にある。高さ寸法L2が1mm未満では、襞10の頂部10aと着用者の胴周りとの間に間隙17が形成されない場合がある。高さ寸法L3が10mmを超過すると、物品1Aを着用したときに、襞10が嵩張って着用者に違和感を与える。
【0031】
物品1Aでは、縦方向に隣り合う胴周り用弾性部材9どうしの離間寸法L4が3〜30mmの範囲にある。離間寸法L4が3mm未満では、シート部材2に多数の縮緬皺が形成されてしまい、シート部材2に縦方向へ略直状に延びる襞10を形成することができない。離間寸法L4が30mmを超過すると、それら胴周り弾性部材9の間に延びるシート部材2に襞10を形成することができない場合がある。
【0032】
物品1Aでは、シート部材2の胴周り用弾性部材9を取り付けた部位における収縮率が単位長さ当たり35〜80%の範囲にある。単位長さ当たりの収縮率が35%未満では、シート部材2に襞10そのものを形成することができない場合がある。単位長さ当たりの収縮率が80%を超過すると、シート部材2に高い密度の不規則な皺が形成されてしまい、シート部材2に縦方向へ連続かつ略直状に延びる襞10を形成することができない。
【0033】
図8,9は、他の実施の形態を示す使い捨て着用物品1Bの部分破断斜視図と、図8のE−E線端面図とであり、図10は、図8のF−F線端面図である。図8では、胴周り方向を矢印X、縦方向を矢印Yで示し、脚周り方向を矢印Zで示す。
【0034】
この物品1Bは、肌当接側に位置する透液性表面シート18と、肌非当接側に位置する不透液性裏面シート19と、それらシート18,19の間に介在する吸液性コア20(吸液性部材)とから形成されている。コア20は、それらシート18,19の少なくとも一方の内面に接合されている。
【0035】
物品1Bは、互いに対向する前後胴周り域M1,M3と、それら胴周り域M1,M3の間に位置する股下域M2とを有する。物品1Bでは、表裏面シート18,19の前後胴周り域M1,M3における胴周り側部3が合掌状に重なり合い、胴周り側部3が縦方向へ間欠的に並ぶ多数の熱融着線4を介して固着されている。物品1Bには、胴周り開口5と一対の脚周り開口6とが画成されている。コア20は、股下域M2を中心に前後胴周り域M1,M3に向かって延びている。物品1Bの前後胴周り域M1,M3には、胴周り方向へ延びる複数条の胴周り用弾性部材9が伸長状態で取り付けられている。
【0036】
胴周り用弾性部材9は、胴周り開口5の縁部5aと股下域M2との間を縦方向へ所与寸法離間して並んでいる。胴周り用弾性部材9は、胴周り開口5の縁部5aに並行して延びている。胴周り用弾性部材9は、表面シート18と裏面シート19との間に介在している。コア20の非存在領域M4に延びる胴周り用弾性部材9は、表面シート18と裏面シート19との内面に固着されている。コア20の存在領域M5に延びる胴周り用弾性部材9は、裏面シート19の内面に固着されている。
【0037】
脚周り開口6の縁部6aには、脚周り方向へ延びる複数条の脚周り用弾性部材21が伸長状態で取り付けられている。脚周り用弾性部材21は、表面シート18と裏面シート19との間に介在し、それらシート18,19の内面に固着されている。
【0038】
前後胴周り域M1,M3におけるコア20の非存在領域M4では、胴周り用弾性部材9の収縮によって表面シート18と裏面シート19とに胴周り方向へ所与寸法離間して並ぶ多数の襞10が形成されている。襞10は、表面シート18と裏面シート19とが胴周り方向へ交互に起伏を繰り返すことにより形成されている。領域M4では、襞10が胴周り開口5から股下域M2へ向かって縦方向へ連続かつ胴周り用弾性部材9と直交して延びるとともに、縦方向へ略直状に延びている。襞10は、胴周り方向へ略等間隔で並んでいる。襞10は、その頂部10aと底部10bとが胴周り方向へ実質的に円弧を画いている。コア20の存在領域M5における裏面シート19には、不規則な多数の襞22が形成されている。
【0039】
物品1Bの領域M4では、襞10の頂部10aと着用者の胴周りとの間に形成された間隙17が股下域M2から胴周り開口5へ向かって縦方向へ略直状に延びるので、物品1Bの内部の湿気を間隙17を介して胴周り開口5から物品1Bの外部へ逃がすことができる。
【0040】
物品1Bの領域M4では、図1のそれと同様に、胴周り用弾性部材9が表裏面シート18,19の起伏に沿って胴周り方向へ交互に起伏を繰り返している。領域M4では、胴周り用弾性部材9が位置する襞10の頂部10aから底部10bまでの最大高さ寸法L2が胴周り用弾性部材9の間に延びる襞10の頂部10aから底部10bまでの最大高さ寸法L3よりも小さい。領域M4では、襞10の頂部10aと底部10bとが縦方向へわずかに起伏を繰り返している。
【0041】
領域M4では、胴周り用弾性部材9が位置する襞10の頂部10aが着用者の胴周りから離間し、胴周り用弾性部材9の間に延びる襞10の底部10bが着用者の胴周りに当接するので、物品1Bの着用者の肌への接触面積を小さくすることができる。
【0042】
物品1Bの領域M4における襞10の離間寸法L1や最大高さ寸法L2,L3、胴周り用弾性部材9の離間寸法L4、表裏面シート18,19の胴周り用弾性部材9を取り付けた部位における収縮率は、図1のそれと同様である。
【0043】
それら図示例の物品1A,1Bでは、胴周り用弾性部材9が前胴周り域M1と後胴周り域M3とのうちの少なくとも一方に取り付けられていればよい。また、それら物品1A,1Bでは、胴周り用弾性部材9が股下域M2に伸長状態で取り付けられていてもよい。それら物品1A,1Bでは、胴周り用弾性部材9が胴周り開口5の縁部5aに並行して延びている必要はない。
【0044】
シート部材2を形成する不織布7,8または表裏面シート13,14は、それらが胴周り用弾性部材9を介して固着されていてもよく、また、それらが胴周り用弾性部材9を介して固着されるとともに、不織布7,8どうしまたは表裏面シート13,14どうしが部分的に固着されていてもよい。
【0045】
胴周り用弾性部材9とシート部材2を形成する不織布7,8や表裏面シート13,14との固着には、ホットメルト型接着剤を使用することが好ましい。胴周り用弾性部材9と不織布7,8やシート13,14とのホットメルト型接着剤による固着には、接着剤をスパイラル状やスプレー状に塗布するパターンを適宜選択することができる。ただし、胴周り用弾性部材9を不織布7,8やシート13,14に確実に固着するには、胴周り用弾性部材9の全表面積に対する接着剤の塗工面積率が20〜80%の範囲にあることが好ましい。接着剤の塗工面積率が20%未満では、胴周り用弾性部材9が不織布7,8やシート13,14から外れてしまう場合がある。接着剤の塗工面積率が80%を超過すると、胴周り用弾性部材9の収縮が接着剤によって妨げられてしまう。
【0046】
表面シート13,18には、親水性または疎水性の繊維不織布、または、微細な多数の開孔を有するプラスチックフィルムを使用することができる。裏面シート14,19には、疎水性繊維不織布、通気不透液性のプラスチックフィルム、疎水性繊維不織布を重ね合わせた複合不織布、疎水性繊維不織布と通気不透液性のプラスチックフィルムとを重ね合わせた複合シートのいずれかを使用することができる。裏面シート14,19には、高い耐水性を有するメルトブローン法による繊維不織布を、高い強度を有しかつ柔軟性に富んだスパンボンド法による繊維不織布で挟んだ複合不織布を使用することもできる。
【0047】
不織布としては、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンポンド、ケミカルボンド、エアースルー、の各製法により製造されたものを使用することができる。不織布の構成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン/ポリプロピレンまたはポリエステルからなる芯鞘型複合繊維または並列型複合繊維を使用することができる。
【0048】
図1の物品1Aにおけるシート部材2には、疎水性繊維不織布を重ね合わせた複合不織布の他に、通気不透液性のプラスチックフィルムを重ね合わせた複合シート、または、疎水性繊維不織布と通気不透液性のプラスチックフィルムとを重ね合わせた複合シートのいずれかを使用することができる。
【0049】
コア15,20は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物、または、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所要の厚みに圧縮されている。コア15,20は、それの型崩れやポリマー粒子の脱落を防止するため、全体がティッシュペーパーに被覆、接合されていることが好ましい。ポリマー粒子としては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のものを使用することができる。
【0050】
シート部材2を形成する不織布7,8の固着や表裏面シート13,14,18,19の固着、コア15,20の接合には、ホットメルト型接着剤による接着、または、ヒートシールやソニックシール等の熱による溶着手段を利用することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明にかかるパンツ型の使い捨て着用物品によれば、シート部材に形成された襞の頂部と着用者の胴周りとの間に間隙が形成され、その間隙が股下域から胴周り開口へ向かって縦方向へ連続かつ略直状に延びるので、その内部の湿気を間隙を介して胴周り開口から物品の外部に逃がすことができる。また、この物品では、着用者の胴周りに当接した襞が折れ曲がり難く、それら襞がクッションとなるので、襞が着用者の肌を局所的に圧迫することはない。
【0052】
胴周り用弾性部材が位置する襞の頂部から底部までの高さ寸法が胴周り用弾性部材の間に延びる襞の頂部から底部までの高さ寸法よりも小さい物品では、胴周り用弾性部材が位置する襞の底部が着用者の胴周りから離間し、胴周り用弾性部材の間に延びる襞の底部が着用者の胴周りに当接するので、物品の着用者の肌への接触面積を小さくすることができる。
【0053】
襞の頂部と底部とが胴周り方向へ向かって実質的に円弧を画いている物品では、襞の頂部と底部とが尖形を呈する場合と比較し、襞の特に底部が着用者の胴周りに当接したとしても、不快な刺激を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】使い捨て着用物品の部分破断斜視図。
【図2】パンツ型に成形する以前の物品の部分破断展開平面図。
【図3】図1のA−A線矢視断面図。
【図4】シート部材の部分斜視図。
【図5】図4のB−B線矢視断面図。
【図6】図4のC−C線端面図。
【図7】図4のD−D線端面図。
【図8】他の実施の形態を示す使い捨て着用物品の部分破断斜視図。
【図9】図8のE−E線端面図。
【図10】図8のF−F線端面図。
【符号の説明】
1A,1B パンツ型の使い捨て着用物品
2 シート部材
5 胴周り開口
6 脚周り開口
9 胴周り用弾性部材
10 襞
10a 頂部
10b 底部
12 吸液性部材
18 透液性表面シート
19 不透液性裏面シート
20 吸液性コア
L1 離間寸法
L2 最大高さ寸法
L3 最大高さ寸法
L4 離間寸法
M1 前胴周り域
M2 股下域
M3 後胴周り域
M4 非存在領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】互いに対向する前後胴周り域およびそれら胴周り域の間に位置する股下域を画成するシート部材と、前記股下域を中心に前記前後胴周り域へ向かって延びる吸液性部材とから構成され、胴周り開口と、前記胴周り開口の下方に一対の脚周り開口とを有し、前記前後胴周り域の少なくとも一方を胴周り方向へ延びる複数条の胴周り用弾性部材が、前記胴周り開口の縁部と前記股下域との間を縦方向へ所与寸法離間して並ぶとともに、前記シート部材に伸長状態で取り付けられ、前記胴周り用弾性部材の収縮によって前記シート部材に多数の襞が形成されたパンツ型の使い捨て着用物品において、
前記襞は、前記シート部材が前記胴周り方向へ交互に起伏を繰り返すことにより形成され、前記襞が、前記胴周り開口から前記股下域へ向かって前記縦方向へ実質的に連続かつ前記胴周り用弾性部材と略直交して延びるとともに、前記胴周り方向へ略等間隔で並んでいることを特徴とする前記物品。
【請求項2】前記胴周り用弾性部材が、前記シート部材の起伏に沿って前記胴周り方向へ交互に起伏を繰り返し、前記胴周り用弾性部材が位置する前記襞の頂部から底部までの最大高さ寸法が、前記胴周り用弾性部材の間に延びる前記襞の頂部から底部までの最大高さ寸法よりも小さい請求項1記載の物品。
【請求項3】前記襞の頂部と底部とが、前記胴周り方向へ実質的に円弧を画いている請求項1または請求項2に記載の物品。
【請求項4】前記胴周り方向へ隣り合う前記襞の頂部の間の離間寸法が、3〜30mmの範囲にある請求項1ないし請求項3いずれかに記載の物品。
【請求項5】前記胴周り用弾性部材が位置する前記襞の頂部から底部までの前記最大高さ寸法が、1〜3mmの範囲にあり、前記胴周り用弾性部材の間に延びる前記襞の頂部から底部までの前記最大高さ寸法が、3〜10mmの範囲にある請求項2ないし請求項3いずれかに記載の物品。
【請求項6】前記胴周り用弾性部材が、前記胴周り開口の縁部に略並行して延び、前記縦方向に隣り合う前記胴周り用弾性部材どうしの離間寸法が、3〜30mmの範囲にある請求項1ないし請求項5いずれかに記載の物品。
【請求項7】前記シート部材の前記胴周り用弾性部材を取り付けた部位における収縮率が、単位長さ当たり35〜80%の範囲にある請求項1ないし請求項6いずれかに記載の物品。
【請求項8】前記シート部材が、肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートとから形成され、前記吸液性部材が、前記表面シートと前記裏面シートとの間に介在し、前記吸液性部材の非存在領域では、前記襞が前記胴周り開口から前記股下域へ向かって前記縦方向へ実質的に連続かつ前記胴周り用弾性部材と略直交して延びるとともに、前記胴周り方向へ略等間隔で並んでいる請求項1ないし請求項7いずれかに記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排泄物を吸収、保持するパンツ型の使い捨て着用物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、互いに対向する前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを備え、前後胴周り域を胴周り方向へ延びる複数条の胴周り用弾性部材が、胴周り開口の縁部と股下域との間を縦方向へ所与寸法離間して並ぶとともに、表裏面シートのうちの少なくとも裏面シートに伸長状態で取り付けられたパンツ型の使い捨て着用物品は公知である。
【0003】
この物品では、前後胴周り域の互いに重なり合う胴周り側部が連結され、胴周り開口と一対の脚周り開口とが画成されている。物品では、コアの非存在領域に延びる胴周り用弾性部材が表面シートと裏面シートとの内面に固着され、コアの存在領域に延びる胴周り用弾性部材が裏面シートの内面に固着されている。物品は、胴周り用弾性部材の伸長応力を利用することで、着用者の胴周りを締め付けることができ、着用者の胴周りにおける物品のずれを防ぐことができる。そのような着用物品は、特開平9−84826号公報と特開平10−127689号公報とに開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知の着用物品では、胴周り用弾性部材が収縮することによって前後胴周り域における表裏面シートに不規則な多数の襞や皺が形成される。物品では、着用者の胴周りと襞との間に間隙が形成されたとしても、その間隙が股下域から胴周り開口へ向かって縦方向へ規則正しく延びることはなく、間隙が胴周り開口へ向かう途中で途切れたり、間隙が胴周り方向へ延びることがあるので、物品の内部の湿気を間隙を介して胴周り開口から外部へ逃がすことができない。また、物品では、着用者の胴周りに当接して折れ曲がった襞や皺が着用者の肌を局所的に圧迫する場合があり、着用者に不快な刺激を与える。
【0005】
本発明の課題は、物品内部の湿気を外部に物品の逃がすことができ、着用者に不快な刺激を与えることがないパンツ型の使い捨て着用物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の前提は、互いに対向する前後胴周り域およびそれら胴周り域の間に位置する股下域を画成するシート部材と、前記股下域を中心に前記前後胴周り域へ向かって延びる吸液性部材とから構成され、胴周り開口と、前記胴周り開口の下方に一対の脚周り開口とを有し、前記前後胴周り域の少なくとも一方を胴周り方向へ延びる複数条の胴周り用弾性部材が、前記胴周り開口の縁部と前記股下域との間を縦方向へ所与寸法離間して並ぶとともに、前記シート部材に伸長状態で取り付けられ、前記胴周り用弾性部材の収縮によって前記シート部材に多数の襞が形成されたパンツ型の使い捨て着用物品である。
【0007】
前記前提における本発明の特徴として、前記襞は、前記シート部材が前記胴周り方向へ交互に起伏を繰り返すことにより形成され、前記襞が、前記胴周り開口から前記股下域へ向かって前記縦方向へ実質的に連続かつ前記胴周り用弾性部材と略直交して延びるとともに、前記胴周り方向へ略等間隔で並んでいることにある。
【0008】
本発明は、以下の実施態様を有する。
(1)前記胴周り用弾性部材が、前記シート部材の起伏に沿って前記胴周り方向へ交互に起伏を繰り返し、前記胴周り用弾性部材が位置する前記襞の頂部から底部までの最大高さ寸法が、前記胴周り用弾性部材の間に延びる前記襞の頂部から底部までの最大高さ寸法よりも小さい。
(2)前記襞の頂部と底部とが、前記胴周り方向へ実質的に円弧を画いている。
(3)前記胴周り方向へ隣り合う前記襞の頂部の間の離間寸法が、3〜30mmの範囲にある。
(4)前記胴周り用弾性部材が位置する前記襞の頂部から底部までの前記最大高さ寸法が、1〜3mmの範囲にあり、前記胴周り用弾性部材の間に延びる前記襞の頂部から底部までの前記最大高さ寸法が、3〜10mmの範囲にある。
(5)前記胴周り用弾性部材が、前記胴周り開口の縁部に略並行して延び、前記縦方向に隣り合う前記胴周り用弾性部材どうしの離間寸法が、3〜30mmの範囲にある。
(6)前記シート部材の前記胴周り用弾性部材を取り付けた部位における収縮率が、単位長さ当たり35〜80%の範囲にある。
(7)前記シート部材が、肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートとから形成され、前記吸液性部材が、前記表面シートと前記裏面シートとの間に介在し、前記吸液性部材の非存在領域では、前記襞が前記胴周り開口から前記股下域へ向かって前記縦方向へ実質的に連続かつ前記胴周り用弾性部材と略直交して延びるとともに、前記胴周り方向へ略等間隔で並んでいる。
【0009】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明に係るパンツ型の使い捨て着用物品の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0010】
図1,2は、使い捨て着用物品1Aの部分破断斜視図と、横方向と縦方向とヘ伸長させた状態で示すパンツ型に成形する以前の物品1Aの部分破断平面図とであり、図3は、図1のA−A線矢視断面図である。図1では、胴周り方向を矢印X、縦方向を矢印Yで示し、脚周り方向を矢印Zで示す。図2では、横方向を矢印Xで示し、縦方向を矢印Yで示す。なお、表面シート13と裏面シート14との内面とは、コア15に対向する面をいい、それらシート13,14の外面とは、コア15に非対向の面をいう。
【0011】
物品1Aは、シート部材2と、シート部材2の内側に取り付けられた吸液性部材12とから構成されている。物品1Aでは、シート部材2が互いに対向する前後胴周り域M1,M3とそれら胴周り域M1,M3の間に位置する股下域M2とを画成している。
【0012】
物品1Aでは、シート部材2の前後胴周り域M1,M3における胴周り側部3が合掌状に重なり合い、胴周り側部3が縦方向へ間欠的に並ぶ多数の熱融着線4を介して固着されている。物品1Aには、胴周り開口5とその下方に一対の脚周り開口6とが画成されている。
【0013】
シート部材2は、略同形同大であって実質的に非伸縮性かつ疎水性の繊維不織布7,8が互いに重なり合う複合不織布であり、その平面形状が砂時計型を呈する。シート部材2の前後胴周り域M1,M3には、胴周り方向へ延びる複数条の胴周り用弾性部材9が伸長状態で取り付けられている。
【0014】
胴周り用弾性部材9は、胴周り開口5の縁部5aと股下域M2との間を縦方向へ所与寸法離間して並んでいる。胴周り用弾性部材9は、胴周り開口5の縁部5aに略並行して延びている。胴周り用弾性部材9は、シート部材2を形成する不織布7,8の間に介在し、それら不織布7,8に固着されている。
【0015】
シート部材2の前後胴周り域M1,M3には、胴周り用弾性部材9の収縮によって胴周り方向へ所与寸法離間して並ぶ多数の襞10が形成されている。襞10は、シート部材2が胴周り方向へ交互に起伏を繰り返すことにより形成されている。襞10は、胴周り開口5から股下域M2へ向かって縦方向へ連続かつ胴周り用弾性部材9と略直交して延びるとともに、縦方向へ略直状に延びている。襞10は、胴周り方向へ略等間隔で並んでいる。
【0016】
脚周り開口6の縁部6aには、複数条の脚周り用弾性部材11が伸長状態で取り付けられている。脚周り用弾性部材11は、前胴周り域M1から股下域M2へ向かって実質的に弧を画いて延びる弾性部材11aと、後胴周り域M3から股下域M2へ向かって実質的に弧を画いて延びる弾性部材11bとから形成されている。
【0017】
それら弾性部材11a,11bは、脚周り開口6の縁部6aに沿って脚周り方向へ延びる両側部分11cと、股下域M2を横切る中央部分11dとを有し、それら弾性部材11a,11bの中央部分11dが股下域M2において交差している。それら弾性部材11a,11bは、シート部材2を形成する不織布7,8の間に介在し、それら不織布7,8に固着されている。
【0018】
吸液性部材12は、肌当接側に位置する透液性表面シート13と、肌非当接側に位置する不透液性裏面シート14と、表面シート13と裏面シート14との間に介在してそれらシート13,14の少なくとも一方の内面に接合された吸液性コア15とから構成されている。
【0019】
吸液性部材12は、股下域M2を中心に前後胴周り域M1,M3へ向かって延びている。吸液性部材12は、前胴周り域M1に位置する前部m1と、後胴周り域M3に位置する後部m3と、股下域M2に位置する中間部m2とを有する。吸液性部材12では、前後部m1,m3の一部がシート部材2の前後胴周り域M1,M3にホットメルト型接着剤(図示せず)を介して固着され、中間部m2がシート部材12の股下域M2にホットメルト接着剤(図示せず)を介して固着されている。
【0020】
吸液性部材12では、コア15の両側縁15aから外側へ表面シート13と裏面シート14との側部13a,14aが延びている。側部13a,14aでは、それらシート13,14が互いに重なり合い、それらシート13,14の内面どうしが固着されている。側部13a,14aには、脚周り方向へ延びる複数条の弾性部材16が伸長状態で取り付けられている。弾性部材16は、裏面シート14の一部に被覆された状態で裏面シート14に固着されている。吸液性部材12の前後部m1,m3では、それらシート13,14の側部13a,14aが表面シート13の外面の側へ向かって折曲され、側部13a,14aが表面シート13の外面に固着されている。吸液性部材12では、弾性部材16の収縮によって、吸液性部材12の中間部m2に延びるそれらシート13,14の側部13a,14aが表面シート13の上方へ起立し、排泄物に対する障壁を形成する。
【0021】
吸液性部材12では、コア15の両端縁15bから外側へ表面シート13と裏面シート14との端部13b,14bが延びている。端部13b,14bでは、それらシート13,14が互いに重なり合い、それらシート13,14の内面どうしが固着されている。
【0022】
図2の平面図から図1の物品1Aを作るには、吸液性部材12を内側にした状態で、股下域M2を横切る横中心線Sで物品1Aを折曲して前後胴周り域M1,M3を重ね合わせ、シート部材2の前後胴周り域M1,M3における胴周り側部3を固着する。
【0023】
図4,5は、物品1Aから切り取ったシート部材2の部分斜視図と、図4のB−B線矢視断面図とであり、図6,7は、図4のC−C線端面図と、図4のD−D線端面図とである。図4では、胴周り方向を矢印Xで示し、縦方向を矢印Yで示す。
【0024】
襞10は、肌非当接側に位置する頂部10aと、肌当接側に位置する底部10bとを有する。襞10の頂部10aと底部10bとは、縦方向へ略直状に延びるとともに、胴周り方向へ実質的に円弧を画いている。胴周り用弾性部材9は、シート部材2の起伏に沿って胴周り方向へ交互に起伏を繰り返している。
【0025】
物品1Aでは、それを着用したときに、シート部材2に形成された襞10の底部10bが着用者の胴周りに当接し、襞10の頂部10aが着用者の胴周りから離間する。物品1Aでは、襞10の頂部10aと着用者の胴周りとの間に間隙17が形成され、その間隙17が股下域M2から胴周り開口5へ向かって縦方向へ連続して略直状に延びるので、物品1Aの内部の湿気を間隙17を介して胴周り開口5から物品1Aの外部へ逃がすことができる。
【0026】
また、物品1Aでは、襞10が股下域M2から胴周り開口5へ向かって縦方向へ連続かつ略直状に延びるとともに、襞10が胴周り方向へ略等間隔で規則正しく並んでいるので、着用者の胴周りに当接した襞10が部分的に折れ曲がり難い。物品1Aでは、それら襞10がクッションとなり、襞10が着用者の肌を局所的に圧迫することはない。
【0027】
物品1Aでは、襞10の頂部10aと底部10bとが胴周り方向へ向かって実質的に円弧を画いているので、襞10の頂部10aと底部10bとが尖形を呈する場合と比較し、襞10の特に底部10bが着用者の胴周りに当接したとしても、不快な刺激を与えることはない。
【0028】
物品1Aでは、胴周り用弾性部材9が位置する襞10の頂部10aから底部10bまでの最大高さ寸法L2が胴周り用弾性部材9の間に延びる襞10の頂部10aから底部10bまでの最大高さ寸法L3よりも小さい。ゆえに、物品1Aでは、襞10の頂部10aと底部10bとが縦方向へわずかに起伏を繰り返している。物品1Aでは、胴周り用弾性部材9が位置する襞10の底部10bが着用者の胴周りから離間し、胴周り用弾性部材9の間に延びる襞10の底部10bのみが着用者の胴周りに当接するので、物品1Aの着用者の肌への接触面積を小さくすることができる。
【0029】
物品1Aでは、胴周り方向へ隣り合う襞10の頂部10aの間の離間寸法L1が3〜30mmの範囲にある。離間寸法L1が3mm未満では、胴周り方向へ並ぶ襞10の本数が必要以上に多くなり、襞10の密度が高くなるので、前後胴周り域M1,M3におけるシート部材2の剛性が増し、シート部材2の柔軟性が低下する。離間寸法L1が30mmを超過すると、襞10が倒伏し易く、襞10が倒伏すると、襞10の頂部10aと着用者の胴周りとの間に間隙17が形成されない。
【0030】
物品1Aでは、胴周り用弾性部材9が位置する襞10の頂部10aから底部10bまでの最大高さ寸法L2が1〜3mmの範囲にあり、胴周り用弾性部材9の間に延びる襞10の頂部10aから底部10bまでの最大高さ寸法L3が3〜10mmの範囲にある。高さ寸法L2が1mm未満では、襞10の頂部10aと着用者の胴周りとの間に間隙17が形成されない場合がある。高さ寸法L3が10mmを超過すると、物品1Aを着用したときに、襞10が嵩張って着用者に違和感を与える。
【0031】
物品1Aでは、縦方向に隣り合う胴周り用弾性部材9どうしの離間寸法L4が3〜30mmの範囲にある。離間寸法L4が3mm未満では、シート部材2に多数の縮緬皺が形成されてしまい、シート部材2に縦方向へ略直状に延びる襞10を形成することができない。離間寸法L4が30mmを超過すると、それら胴周り弾性部材9の間に延びるシート部材2に襞10を形成することができない場合がある。
【0032】
物品1Aでは、シート部材2の胴周り用弾性部材9を取り付けた部位における収縮率が単位長さ当たり35〜80%の範囲にある。単位長さ当たりの収縮率が35%未満では、シート部材2に襞10そのものを形成することができない場合がある。単位長さ当たりの収縮率が80%を超過すると、シート部材2に高い密度の不規則な皺が形成されてしまい、シート部材2に縦方向へ連続かつ略直状に延びる襞10を形成することができない。
【0033】
図8,9は、他の実施の形態を示す使い捨て着用物品1Bの部分破断斜視図と、図8のE−E線端面図とであり、図10は、図8のF−F線端面図である。図8では、胴周り方向を矢印X、縦方向を矢印Yで示し、脚周り方向を矢印Zで示す。
【0034】
この物品1Bは、肌当接側に位置する透液性表面シート18と、肌非当接側に位置する不透液性裏面シート19と、それらシート18,19の間に介在する吸液性コア20(吸液性部材)とから形成されている。コア20は、それらシート18,19の少なくとも一方の内面に接合されている。
【0035】
物品1Bは、互いに対向する前後胴周り域M1,M3と、それら胴周り域M1,M3の間に位置する股下域M2とを有する。物品1Bでは、表裏面シート18,19の前後胴周り域M1,M3における胴周り側部3が合掌状に重なり合い、胴周り側部3が縦方向へ間欠的に並ぶ多数の熱融着線4を介して固着されている。物品1Bには、胴周り開口5と一対の脚周り開口6とが画成されている。コア20は、股下域M2を中心に前後胴周り域M1,M3に向かって延びている。物品1Bの前後胴周り域M1,M3には、胴周り方向へ延びる複数条の胴周り用弾性部材9が伸長状態で取り付けられている。
【0036】
胴周り用弾性部材9は、胴周り開口5の縁部5aと股下域M2との間を縦方向へ所与寸法離間して並んでいる。胴周り用弾性部材9は、胴周り開口5の縁部5aに並行して延びている。胴周り用弾性部材9は、表面シート18と裏面シート19との間に介在している。コア20の非存在領域M4に延びる胴周り用弾性部材9は、表面シート18と裏面シート19との内面に固着されている。コア20の存在領域M5に延びる胴周り用弾性部材9は、裏面シート19の内面に固着されている。
【0037】
脚周り開口6の縁部6aには、脚周り方向へ延びる複数条の脚周り用弾性部材21が伸長状態で取り付けられている。脚周り用弾性部材21は、表面シート18と裏面シート19との間に介在し、それらシート18,19の内面に固着されている。
【0038】
前後胴周り域M1,M3におけるコア20の非存在領域M4では、胴周り用弾性部材9の収縮によって表面シート18と裏面シート19とに胴周り方向へ所与寸法離間して並ぶ多数の襞10が形成されている。襞10は、表面シート18と裏面シート19とが胴周り方向へ交互に起伏を繰り返すことにより形成されている。領域M4では、襞10が胴周り開口5から股下域M2へ向かって縦方向へ連続かつ胴周り用弾性部材9と直交して延びるとともに、縦方向へ略直状に延びている。襞10は、胴周り方向へ略等間隔で並んでいる。襞10は、その頂部10aと底部10bとが胴周り方向へ実質的に円弧を画いている。コア20の存在領域M5における裏面シート19には、不規則な多数の襞22が形成されている。
【0039】
物品1Bの領域M4では、襞10の頂部10aと着用者の胴周りとの間に形成された間隙17が股下域M2から胴周り開口5へ向かって縦方向へ略直状に延びるので、物品1Bの内部の湿気を間隙17を介して胴周り開口5から物品1Bの外部へ逃がすことができる。
【0040】
物品1Bの領域M4では、図1のそれと同様に、胴周り用弾性部材9が表裏面シート18,19の起伏に沿って胴周り方向へ交互に起伏を繰り返している。領域M4では、胴周り用弾性部材9が位置する襞10の頂部10aから底部10bまでの最大高さ寸法L2が胴周り用弾性部材9の間に延びる襞10の頂部10aから底部10bまでの最大高さ寸法L3よりも小さい。領域M4では、襞10の頂部10aと底部10bとが縦方向へわずかに起伏を繰り返している。
【0041】
領域M4では、胴周り用弾性部材9が位置する襞10の頂部10aが着用者の胴周りから離間し、胴周り用弾性部材9の間に延びる襞10の底部10bが着用者の胴周りに当接するので、物品1Bの着用者の肌への接触面積を小さくすることができる。
【0042】
物品1Bの領域M4における襞10の離間寸法L1や最大高さ寸法L2,L3、胴周り用弾性部材9の離間寸法L4、表裏面シート18,19の胴周り用弾性部材9を取り付けた部位における収縮率は、図1のそれと同様である。
【0043】
それら図示例の物品1A,1Bでは、胴周り用弾性部材9が前胴周り域M1と後胴周り域M3とのうちの少なくとも一方に取り付けられていればよい。また、それら物品1A,1Bでは、胴周り用弾性部材9が股下域M2に伸長状態で取り付けられていてもよい。それら物品1A,1Bでは、胴周り用弾性部材9が胴周り開口5の縁部5aに並行して延びている必要はない。
【0044】
シート部材2を形成する不織布7,8または表裏面シート13,14は、それらが胴周り用弾性部材9を介して固着されていてもよく、また、それらが胴周り用弾性部材9を介して固着されるとともに、不織布7,8どうしまたは表裏面シート13,14どうしが部分的に固着されていてもよい。
【0045】
胴周り用弾性部材9とシート部材2を形成する不織布7,8や表裏面シート13,14との固着には、ホットメルト型接着剤を使用することが好ましい。胴周り用弾性部材9と不織布7,8やシート13,14とのホットメルト型接着剤による固着には、接着剤をスパイラル状やスプレー状に塗布するパターンを適宜選択することができる。ただし、胴周り用弾性部材9を不織布7,8やシート13,14に確実に固着するには、胴周り用弾性部材9の全表面積に対する接着剤の塗工面積率が20〜80%の範囲にあることが好ましい。接着剤の塗工面積率が20%未満では、胴周り用弾性部材9が不織布7,8やシート13,14から外れてしまう場合がある。接着剤の塗工面積率が80%を超過すると、胴周り用弾性部材9の収縮が接着剤によって妨げられてしまう。
【0046】
表面シート13,18には、親水性または疎水性の繊維不織布、または、微細な多数の開孔を有するプラスチックフィルムを使用することができる。裏面シート14,19には、疎水性繊維不織布、通気不透液性のプラスチックフィルム、疎水性繊維不織布を重ね合わせた複合不織布、疎水性繊維不織布と通気不透液性のプラスチックフィルムとを重ね合わせた複合シートのいずれかを使用することができる。裏面シート14,19には、高い耐水性を有するメルトブローン法による繊維不織布を、高い強度を有しかつ柔軟性に富んだスパンボンド法による繊維不織布で挟んだ複合不織布を使用することもできる。
【0047】
不織布としては、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンポンド、ケミカルボンド、エアースルー、の各製法により製造されたものを使用することができる。不織布の構成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン/ポリプロピレンまたはポリエステルからなる芯鞘型複合繊維または並列型複合繊維を使用することができる。
【0048】
図1の物品1Aにおけるシート部材2には、疎水性繊維不織布を重ね合わせた複合不織布の他に、通気不透液性のプラスチックフィルムを重ね合わせた複合シート、または、疎水性繊維不織布と通気不透液性のプラスチックフィルムとを重ね合わせた複合シートのいずれかを使用することができる。
【0049】
コア15,20は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物、または、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所要の厚みに圧縮されている。コア15,20は、それの型崩れやポリマー粒子の脱落を防止するため、全体がティッシュペーパーに被覆、接合されていることが好ましい。ポリマー粒子としては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のものを使用することができる。
【0050】
シート部材2を形成する不織布7,8の固着や表裏面シート13,14,18,19の固着、コア15,20の接合には、ホットメルト型接着剤による接着、または、ヒートシールやソニックシール等の熱による溶着手段を利用することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明にかかるパンツ型の使い捨て着用物品によれば、シート部材に形成された襞の頂部と着用者の胴周りとの間に間隙が形成され、その間隙が股下域から胴周り開口へ向かって縦方向へ連続かつ略直状に延びるので、その内部の湿気を間隙を介して胴周り開口から物品の外部に逃がすことができる。また、この物品では、着用者の胴周りに当接した襞が折れ曲がり難く、それら襞がクッションとなるので、襞が着用者の肌を局所的に圧迫することはない。
【0052】
胴周り用弾性部材が位置する襞の頂部から底部までの高さ寸法が胴周り用弾性部材の間に延びる襞の頂部から底部までの高さ寸法よりも小さい物品では、胴周り用弾性部材が位置する襞の底部が着用者の胴周りから離間し、胴周り用弾性部材の間に延びる襞の底部が着用者の胴周りに当接するので、物品の着用者の肌への接触面積を小さくすることができる。
【0053】
襞の頂部と底部とが胴周り方向へ向かって実質的に円弧を画いている物品では、襞の頂部と底部とが尖形を呈する場合と比較し、襞の特に底部が着用者の胴周りに当接したとしても、不快な刺激を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】使い捨て着用物品の部分破断斜視図。
【図2】パンツ型に成形する以前の物品の部分破断展開平面図。
【図3】図1のA−A線矢視断面図。
【図4】シート部材の部分斜視図。
【図5】図4のB−B線矢視断面図。
【図6】図4のC−C線端面図。
【図7】図4のD−D線端面図。
【図8】他の実施の形態を示す使い捨て着用物品の部分破断斜視図。
【図9】図8のE−E線端面図。
【図10】図8のF−F線端面図。
【符号の説明】
1A,1B パンツ型の使い捨て着用物品
2 シート部材
5 胴周り開口
6 脚周り開口
9 胴周り用弾性部材
10 襞
10a 頂部
10b 底部
12 吸液性部材
18 透液性表面シート
19 不透液性裏面シート
20 吸液性コア
L1 離間寸法
L2 最大高さ寸法
L3 最大高さ寸法
L4 離間寸法
M1 前胴周り域
M2 股下域
M3 後胴周り域
M4 非存在領域
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