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JP2002371456A5 - - Google Patents

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JP2002371456A5
JP2002371456A5 JP2001174866A JP2001174866A JP2002371456A5 JP 2002371456 A5 JP2002371456 A5 JP 2002371456A5 JP 2001174866 A JP2001174866 A JP 2001174866A JP 2001174866 A JP2001174866 A JP 2001174866A JP 2002371456 A5 JP2002371456 A5 JP 2002371456A5
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【発明の名称】伸縮性複合シートおよび伸縮性複合シートに多数の襞を形成する方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】長手方向へ延びる実質的に非伸縮性のシート部材と、前記長手方向へ延びていて該長手方向と交差する幅方向へ所与寸法離間して並ぶ複数条の伸縮性弾性部材とから構成され、前記弾性部材が前記シート部材に前記長手方向へ伸長状態で取り付けられた伸縮性複合シートにおいて、
前記複合シートは、前記シート部材と前記弾性部材とが前記長手方向へ交互に起伏を繰り返すことにより形成された多数の襞を有し、前記襞が、前記幅方向へ実質的に連続して延び、かつ、前記長手方向へ略等間隔で並んでいることを特徴とする前記伸縮性複合シート。
【請求項2】前記弾性部材が位置する前記襞の頂部から底部までの最大高さ寸法が、前記弾性部材の間に延びる前記襞の頂部から底部までの最大高さ寸法よりも小さく、前記襞の頂部と底部とが、前記幅方向へわずかに起伏を繰り返している請求項1記載の伸縮性複合シート。
【請求項3】前記襞の頂部と底部とが、前記長手方向へ実質的に円弧を画いている請求項2記載の伸縮性複合シート。
【請求項4】前記シート部材が、互いに重なり合う2枚の繊維不織布から形成され、前記弾性部材が、それら不織布の間に介在している請求項1ないし請求項3いずれかに記載の伸縮性複合シート。
【請求項5】長手方向へ延びる実質的に非伸縮性のシート部材と、前記長手方向へ延びていて該長手方向と交差する幅方向へ所与寸法離間して並ぶ複数条の伸縮性弾性部材とから構成され、前記弾性部材が前記シート部材に前記長手方向へ伸長状態で取り付けられた伸縮性複合シートに、前記幅方向へ実質的に連続して延び、かつ、前記長手方向へ略等間隔で並ぶ多数の襞を形成する方法において、
前記方法が、互いに対向して回転する第1ロールと第2ロールとを使用し、前記第2ロールが、その周面を軸方向へ延びていてその周面を周方向へ所与寸法離間して並ぶ複数条の弾性突条を有し、前記第1ロールの周面と前記第2ロールのそれら弾性突条とが、それらロールの回転にともなって互いに当接、離間を繰り返し、
前記方法では、前記長手方向へ所与の張力が付与されて該長手方向へ伸長させた前記複合シートを前記第1ロールと前記第2ロールとの間に供給し、前記第1ロールの周面と前記第2ロールの第1弾性突条とが加圧下に当接して前記複合シートを保持し、前記第1ロールの周面と前記第2ロールの第1弾性突条とが離間する直前に、前記第1ロールの周面と前記第2ロールの第1弾性突条の直後に位置する第2弾性突条とが加圧下に当接して前記複合シートを保持することで、
前記複合シートの張力が前記第2ロールの前記周方向に隣り合う弾性突条どうしの間で順次解除され、前記周方向に隣り合う弾性突条どうしの間に延びる前記シート部材と前記弾性部材とが起伏してそれら弾性突条どうしの間で1条の前記襞が形成されることを特徴とする前記方法。
【請求項6】前記周方向へ隣り合う前記弾性突条の頂部の該周方向における離間寸法が、6〜60mmの範囲にある請求項5記載の方法。
【請求項7】前記襞が、前記幅方向へわずかに起伏を繰り返している請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】前記シート部材が、互いに重なり合う2枚の繊維不織布から形成され、前記弾性部材が、それら不織布の間に介在している請求項5ないし請求項6いずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使い捨ておむつやおむつカバー等の着用物品に使用するのに適した伸縮性複合シートと、伸縮性複合シートに多数の襞を形成する方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
伸縮性を有するシートとしては、シート自体が弾性的な伸縮性を有するものの他に、実質的に非伸縮性のシート部材に複数条の伸縮性弾性部材を伸長状態で取り付けた伸縮性複合シートがある。そのような伸縮性複合シートの一例を図10に基づいて説明すると、以下のとおりである。なお、図10では、長手方向を矢印Xで示し、幅方向を矢印Yで示す。
【0003】
複合シート40は、互いに重なり合う実質的に非伸縮性の繊維不織布41,42と、長手方向へ延びていて幅方向へ所与寸法離間して並ぶ複数条の伸縮性弾性部材43とから形成されている。それら弾性部材43は、不織布41,42の間に介在し、長手方向へ伸長状態でそれら不織布41,42に固着されている。複合シート40には、弾性部材43の収縮によって、不織布に不規則な多数の襞44や皺45が形成されている。複合シート40では、それに長手方向へ張力を加えると、それら不規則な襞44や皺45が伸び、複合シート40を長手方向へ伸長させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この複合シート40では、多くの襞44や皺45が形成された部分40aとそれらがあまり形成されていない部分40bとが存在する。多くの襞44や皺45が形成された部分40aでは、複合シート40の長手方向への伸長率は大きいが、襞44や皺45を伸ばすときに高い張力を加えなければならない。襞44や皺45があまり形成されていない部分40bでは、部分40aと比較し、低い張力で襞44や皺45を伸ばすことはできるが、複合シート40の長手方向への伸長率が小さい。この複合シート40では、それの幅方向全域を略均一の張力で長手方向へ略同一長さまで伸長させることができない。
【0005】
本発明の課題は、不規則な多数の皺や襞が形成されることがなく、幅方向全域を略均一の張力で長手方向へ略同一長さまで伸長させることができる伸縮性複合シートと、伸縮性複合シートに多数の襞を形成する方法とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の前提は、長手方向へ延びる実質的に非伸縮性のシート部材と、前記長手方向へ延びていて該長手方向と交差する幅方向へ所与寸法離間して並ぶ複数条の伸縮性弾性部材とから構成され、前記弾性部材が前記シート部材に前記長手方向へ伸長状態で取り付けられた伸縮性複合シートである。
【0007】
前記前提における本発明の複合シートは、前記シート部材と前記弾性部材とが前記長手方向へ交互に起伏を繰り返すことにより形成された多数の襞を有し、前記襞が、前記幅方向へ実質的に連続して延び、かつ、前記長手方向へ略等間隔で並んでいることをその特徴とする。
【0008】
本発明の伸縮性複合シートは、以下の実施態様を有する。
(1)前記弾性部材が位置する前記襞の頂部から底部までの最大高さ寸法が、前記弾性部材の間に延びる前記襞の頂部から底部までの最大高さ寸法よりも小さく、前記襞の頂部と底部とが、前記幅方向へわずかに起伏を繰り返している。
(2)前記襞の頂部と底部とが、前記長手方向へ実質的に円弧を画いている。
(3)前記シート部材が、互いに重なり合う2枚の繊維不織布から形成され、前記弾性部材が、それら不織布の間に介在している。
【0009】
また、前記課題を解決するための本発明の他の前提は、長手方向へ延びる実質的に非伸縮性のシート部材と、前記長手方向へ延びていて該長手方向と交差する幅方向へ所与寸法離間して並ぶ複数条の伸縮性弾性部材とから構成され、前記弾性部材が前記シート部材に前記長手方向へ伸長状態で取り付けられた伸縮性複合シートに、前記幅方向へ実質的に連続して延び、かつ、前記長手方向へ略等間隔で並ぶ多数の襞を形成する方法である。
【0010】
前記前提における本発明の方法は、互いに対向して回転する第1ロールと第2ロールとを使用し、前記第2ロールが、その周面を軸方向へ延びていてその周面を周方向へ所与寸法離間して並ぶ複数条の弾性突条を有し、前記第1ロールの周面と前記第2ロールのそれら弾性突条とが、それらロールの回転にともなって互いに当接、離間を繰り返し、前記長手方向へ所与の張力が付与されて該長手方向へ伸長させた前記複合シートを前記第1ロールと前記第2ロールとの間に供給し、前記第1ロールの周面と前記第2ロールの第1弾性突条とが加圧下に当接して前記複合シートを保持し、前記第1ロールの周面と前記第2ロールの第1弾性突条とが離間する直前に、前記第1ロールの周面と前記第2ロールの第1弾性突条の直後に位置する第2弾性突条とが加圧下に当接して前記複合シートを保持することで、前記複合シートの張力が前記第2ロールの前記周方向に隣り合う弾性突条どうしの間で順次解除され、前記周方向に隣り合う弾性突条どうしの間に延びる前記シート部材と前記弾性部材とが起伏してそれら弾性突条どうしの間で1条の前記襞が形成されることをその特徴とする。
【0011】
本発明の方法は、以下の実施態様を有する。
(4)前記周方向へ隣り合う前記弾性突条の頂部の該周方向における離間寸法が、6〜60mmの範囲にある。
(5)前記襞が、前記幅方向へわずかに起伏を繰り返している。
(6)前記シート部材が、互いに重なり合う2枚の繊維不織布から形成され、前記弾性部材が、それら不織布の間に介在している。
【0012】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明に係る伸縮性複合シートと、伸縮性複合シートに多数の襞を形成する方法との詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0013】
図1,2は、伸縮性複合シート1の斜視図と、図1のA−A線端面図とであり、図3,4は、図1のB−B線端面図と、図1のC−C線矢視断面図とである。図1では、長手方向を矢印Xで示し、幅方向を矢印Yで示す。
【0014】
複合シート1は、互いに重なり合う実質的に非伸縮性の繊維不織布2,3(シート部材)と、長手方向へ延びていて幅方向へ所与寸法離間して並ぶ複数条の伸縮性弾性部材4とから形成されている。複合シート1は、長手方向へ延びる両側縁部1aと、幅方向へ延びる両端縁部1bとを有する。それら弾性部材4は、複合シート1の両側縁部1aに並行して延びている。弾性部材4は、不織布2,3の間に介在し、長手方向へ伸長状態でそれら不織布2,3に固着されている。複合シート1には、弾性部材4の収縮によって、幅方向へ所与寸法離間して並ぶ多数の襞5が形成されている。
【0015】
襞5は、不織布2,3と弾性部材4とが長手方向へ交互に起伏を繰り返すことにより形成されている。襞5は、幅方向へ連続かつ略直状に延び、長手方向へ略等間隔で並んでいる。襞5は、頂部5aと底部5bとを有し、頂部5aと底部5bとが幅方向へ略直状に延びるとともに、長手方向へ円弧を画いている。
【0016】
複合シート1では、弾性部材4が位置する襞5の頂部5aから底部5bまでの最大高さ寸法L1が弾性部材4の間に延びる襞5の頂部5aから底部5bまでの最大高さ寸法L2よりも小さい。ゆえに、複合シート1では、襞5の頂部5aと底部5bとが幅方向へわずかに起伏を繰り返している。
【0017】
複合シート1では、長手方向へ隣り合う襞5の頂部5aの間の離間寸法L3が3〜30mmの範囲にあることが好ましい。離間寸法L3が3mm未満では、長手方向へ並ぶ襞5の本数が必要以上に多くなり、襞5の密度が高くなるので、複合シート1の剛性が増し、複合シート1の柔軟性が低下する。離間寸法L3が30mmを超過すると、それら襞5が倒伏してしまう場合がある。
【0018】
複合シート1では、弾性部材4が位置する襞5の頂部5aから底部5bまでの最大高さ寸法L1が1〜3mmの範囲にあることが好ましく、弾性部材4の間に延びる襞5の頂部5aから底部5bまでの最大高さ寸法L2が3〜10mmの範囲にあることが好ましい。高さ寸法L1が1mm未満では、幅方向へ連続する襞5を形成することができない場合がある。高さ寸法L2が10mmを超過すると、襞5が嵩張って複合シート1の感触が悪くなる。
【0019】
複合シート1では、幅方向に隣り合う弾性部材4どうしの離間寸法L4が3〜30mmの範囲にあることが好ましい。離間寸法L4が3mm未満では、複合シート1に多数の縮緬皺が形成されてしまい、複合シート1に幅方向へ連続かつ略直状に延びる襞5を形成することができない。離間寸法L4が30mmを超過すると、それら弾性部材5の間に延びる複合シート1に襞5が形成されない場合がある。
【0020】
複合シート1では、弾性部材4を取り付けた部位における収縮率が単位長さ当たり40〜80%の範囲にあることが好ましい。単位長さ当たりの収縮率が40%未満では、複合シート1に襞5そのものを形成することができない場合がある。単位長さ当たりの収縮率が80%を超過すると、複合シート1に高い密度の不規則な皺5が形成されてしまい、複合シート1に幅方向へ連続かつ略直状に延びる襞5を形成することができない
【0021】
複合シート1では、それに長手方向へ張力を加えると、襞5が長手方向へ伸びて複合シート1が略扁平に変形し、複合シート1が長手方向へ伸長する。複合シート1では、長手方向へ加えた張力を解除すると、複合シート1が収縮してそれに襞5が復元する。複合シート1では、図10に示す従来技術のように複合シートに襞や皺が不規則に形成される場合と比較し、複合シート1の幅方向全域を略均一の張力で長手方向へ略同一長さまで伸長させることができる。
【0022】
複合シート1では、襞5が幅方向へ連続かつ略直状に延びるとともに、襞5が長手方向へ略等間隔で規則正しく並んでいるので、襞5が部分的に折れ曲がり難く、それら襞5がクッションとなり、複合シート1の感触が向上する。
【0023】
図5,6は、複合シート1を使用したパンツ型の使い捨ておむつ10の部分破断斜視図と、伸長させた状態で示すパンツ型に成形する以前のおむつ10の部分破断平面図とである。図5では、胴周り方向を矢印X、縦方向を矢印Yで示し、脚周り方向を矢印Zで示す。
【0024】
おむつ10は、おむつ本体11と、本体11の内側に取り付けられた吸液性パッド20とから構成されている。本体11は、互いに対向する前後胴周り域12,14とそれら胴周り域12,14の間に位置する股下域13とを有する。本体11は、図1に示す複合シート1から作られている。
【0025】
本体11では、前後胴周り域12,14の胴周り側部15が合掌状に重なり合い、胴周り側部15が縦方向へ間欠的に並ぶ多数の熱融着線16を介して固着されている。本体11は、胴周り開口17とその下方に一対の脚周り開口18とを有する。
【0026】
本体11では、弾性部材4が胴周り開口17の縁部17aと股下域13との間を縦方向へ所与寸法離間して並んでいる。弾性部材4は、胴周り開口17の縁部17aと略並行して延びている。弾性部材4は、本体11を形成する不織布2,3の間に介在し、胴周り方向へ伸長状態でそれら不織布2,3に固着されている。
【0027】
本体11の前後胴周り域12,14には、胴周り方向へ所与寸法離間して並ぶ多数の襞5が形成されている。襞5は、胴周り開口17から股下域13へ向かって縦方向へ連続かつ略直状に延び、胴周り方向へ略等間隔で並んでいる。
【0028】
脚周り開口18の縁部18aには、複数条の弾性部材19が伸長状態で取り付けられている。それら弾性部材19は、不織布2,3の間に介在し、脚周り方向へ伸長状態でそれら不織布2,3に固着されている。
【0029】
吸液性パッド20は、肌当接側に位置する透液性表面シート21と、肌非当接側に位置する不透液性裏面シート22と、表面シート21と裏面シート22との間に介在してそれらシート21,22の少なくとも一方の内面に接合された吸液性コア23とから構成されている。
【0030】
吸液性パッド20は、本体11の股下域13を中心に前後胴周り域12,14へ向かって延びている。吸液性パッド20は、その一部が本体11の前後胴周り域12,14にホットメルト接着剤(図示せず)を介して固着されている。
【0031】
表面シート21には、繊維不織布または微細な多数の開孔を有するプラスチックフィルムを使用することができる。裏面シート22には、疎水性繊維不織布、通気不透液性のプラスチックフィルム、疎水性繊維不織布を重ね合わせた複合不織布、疎水性繊維不織布と通気不透液性のプラスチックフィルムとを重ね合わせた複合シートのいずれかを使用することができる。表面シート21と裏面シート22とは、コア23の周縁から周方向外方へ延びるそれらシート21,22の周縁部が固着されている。
【0032】
コア23は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物、または、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所要の厚みに圧縮されている。コア23は、それの型崩れやポリマー粒子の脱落を防止するため、全体がティッシュペーパーに被覆、接合されていることが好ましい。ポリマー粒子としては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のものを使用することができる。
【0033】
図6の平面図から図5のおむつ10を作るには、吸液性パッド20を内側にし、股下域13を横切る横中心線Sで本体11を折曲して前後胴周り域12,14を重ね合わせ、本体11の前後胴周り域12,14における胴周り側部15を固着する。
【0034】
おむつ10では、それを着用したときに、本体11に形成された襞5の底部5bが着用者の胴周りに当接し、襞5の頂部5aが着用者の胴周りから離間する。おむつ10では、襞5の頂部5aと着用者の胴周りとの間に間隙が形成され、その間隙が股下域13から胴周り開口17へ向かって縦方向へ連続かつ略直状に延びるので、おむつ10の内部の湿気を間隙を介して胴周り開口17から外部へ逃がすことができる。
【0035】
また、おむつ10では、襞5が股下域13から胴周り開口17へ向かって縦方向へ連続かつ略直状に延びるとともに、襞5が胴周り方向へ略等間隔で規則正しく並んでいるので、着用者の胴周りに当接した襞5が部分的に折れ曲がり難く、襞5が着用者の胴周りを局所的に圧迫することはない。また、おむつ10では、それら襞5がクッションとなり、着用時の感触がよい。
【0036】
おむつ10では、襞5の頂部5aと底部5bとが胴周り方向へ向かって円弧を画いているので、頂部と底部とが尖形を呈する場合と比較し、襞5の底部5bが着用者の胴周りに当接したときに、不快な刺激を与えることはない。
【0037】
図7は、複合シート1に襞5を形成する方法に用いるフラットロール30とエンボスロール32との斜視図であり、図8,9は、それらロール30,32の間に複合シート1を供給した状態で示すロール30,32の部分側面図である。それら図では、長手方向を矢印X1、幅方向を矢印Y1で示し、周方向を矢印X2、軸方向を矢印Y2で示す。
【0038】
複合シート1に襞5を形成する方法には、その周面31が実質的にフラットなフラットロール30(第1ロール)と、その周面に複数条の弾性突条33を有するエンボスロール32(第2ロール)とが使用される。
【0039】
弾性突条33は、エンボスロール32の周面34を軸方向へ延び、エンボスロール32の周面34を周方向へ所与寸法離間して並んでいる。弾性突条33は、軸方向へ伸びる略円柱状の弾性部材35から形成されている。エンボスロール32の周面34とそれら弾性部材35とは、プラスチックフィルム36に覆われている。エンボスロール32では、それら弾性突条33のほかに、軸方向へ延びる2条のカッター37を有する。カッター37は、エンボスロール32の周面34を周方向へ約180°離間した位置に形成されている。
【0040】
フラットロール30の周面31とエンボスロール32のそれら弾性突条33とは、図8,9に示すように、それらロール30,32の矢印X3方向の回転にともなって互いに当接、離間を繰り返す。
【0041】
複合シート1は、互いに重なり合って長手方向へ連続する実質的に非伸縮性の繊維不織布2,3(シート部材)と、長手方向へ延びていて幅方向へ所与寸法離間して並ぶ複数条の伸縮性弾性部材4とから形成されている。それら弾性部材4は、不織布2,3の間に介在し、長手方向へ伸長状態でそれら不織布2,3に固着されている。
【0042】
複合シート1には、それらロール30,32と一対のニップロール38との間において長手方向へ所与の張力が加えられる。複合シート1は、長手方向へ伸長状態でフラットロール30とエンボスロール32との間に供給される。
【0043】
この方法では、図8に示すように、フラットロール30の周面31とエンボスロール32の弾性突条33aとが加圧下に当接してそれらロール30,32の間に進入した複合シート1を保持する。次に、図9に示すように、フラットロール30の周面31とエンボスロール32の弾性突条33aとが離間する直前に、フラットロール30の周面31とエンボスロール32の弾性突条33aの直後に位置する弾性突条33bとが加圧下に当接して複合シート1を保持する。
【0044】
この方法では、複合シート1の張力がエンボスロール32の周方向に隣り合う弾性突条33どうしの間で順次解除される。複合シート1では、それがフラットロール30とエンボスロール32との間から排出されたときに、不織布2,3と弾性部材4とが幅方向全域にわたって長手方向へ略同一の収縮率で収縮する。この方法では、周方向に隣り合う弾性突条33どうしの間に延びる不織布2,3と弾性部材4とが起伏することで、それら弾性突条33どうしの間で複合シート1に1条の襞5が形成される。方法では、エンボスロールが約180°回転する毎に、カッター37によって複合シート1が幅方向へ切断される。
【0045】
エンボスロール32では、その周方向へ隣り合う弾性突条33の頂部33cの周方向における離間寸法L5が6〜60mmの範囲にある。離間寸法L5は、6〜30mmの範囲にあることが好ましい。離間寸法L5が6mm未満では、周方向に隣り合う弾性突条33どうしの間に延びる不織布2,3と弾性部材4とが起伏し難く、複合シート1に幅方向へ連続かつ略直状に延びる襞5を形成することができない場合がある。離間寸法L5が60mmを超過すると、周方向に隣り合う弾性突条33どうしの間に2条以上の襞5が形成される場合があり、複合シート1に不規則な襞5が形成されてしまう。
【0046】
この方法では、長手方向へ所与の張力が加えられた状態にある複合シート1をフラットロール30とエンボスロール32との間に供給するだけで、複合シート1に幅方向へ実質的に連続かつ長手方向へ略等間隔で並ぶ多数の襞5を形成することができる。
【0047】
複合シート1を形成する不織布2,3としては、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンポンド、ケミカルボンド、エアースルー、の各製法により製造されたものを使用することができる。
【0048】
不織布2,3の構成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン/ポリプロピレンまたはポリエステルからなる芯鞘型複合繊維または並列型複合繊維を使用することができる。
【0049】
複合シート1を形成するシート部材には、通気不透液性のプラスチックフィルムを重ね合わせた複合シート、または、疎水性繊維不織布と通気不透液性のプラスチックフィルムとを重ね合わせた複合シートのいずれかを使用することもできる。
【0050】
弾性部材4と弾性部材35とには、天然ゴムや合成ゴムを使用することができる。弾性部材4は、糸状または帯状のものを使用することが好ましい。不織布2,3は、弾性部材4を介して固着されていてもよく、また、それら不織布2,3が弾性部材4を介して固着されるとともに、それら不織布2,3どうしが部分的に固着されていてもよい。
【0051】
不織布2,3と弾性部材4との固着には、ホットメルト型接着剤を使用することが好ましい。不織布2,3と弾性部材4とのホットメルト型接着剤による固着には、接着剤をスパイラル状やスプレー状に塗布するパターンを適宜選択することができる。ただし、弾性部材4を不織布2,3に確実に固着するには、弾性部材4の全表面積に対する接着剤の塗工面積率が20〜80%の範囲にあることが好ましい。接着剤の塗工面積率が20%未満では、弾性部材4が不織布2,3から外れてしまう場合がある。接着剤の塗工面積率が80%を超過すると、弾性部材4の収縮が接着剤によって妨げられてしまう。
【0052】
【発明の効果】
本発明にかかる伸縮性複合シートによれば、襞が幅方向へ連続して延びるとともに、襞が長手方向へ略等間隔で規則正しく並んでいるので、複合シートの幅方向全域を略均一の張力で長手方向へ略同一長さまで伸長させることができる。この複合シートでは、襞が部分的に折れ曲がり難く、それら襞がクッションとなり、複合シートの感触が向上する。複合シートでは、襞の頂部と底部とが長手方向へ向かって実質的に円弧を画いているので、頂部と底部とが尖形を呈する場合と比較し、複合シートの感触がよい。
【0053】
伸縮性複合シートに多数の襞を形成する方法では、長手方向へ所与の張力が付与された状態にある複合シートを第1ロールと第2ロールとの間に供給するだけで、複合シートに幅方向へ実質的に連続して延びるとともに、長手方向へ略等間隔で並ぶ多数の襞を簡単に形成することができる。
【0054】
また、この伸縮性複合シートは、使い捨ておむつやおむつカバー等の着用物品に使用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】伸縮性複合シートの斜視図。
【図2】図1のA−A線端面図。
【図3】図1のB−B線端面図。
【図4】図1のC−C線矢視断面図。
【図5】複合シートを使用したパンツ型の使い捨ておむつの部分破断斜視図。
【図6】パンツ型に成形する以前のおむつの部分破断平面図。
【図7】フラットロールとエンボスロールとの斜視図。
【図8】それらロールの間に複合シートを供給した状態で示すロールの部分側面図。
【図9】それらロールの間に複合シートを供給した状態で示すロールの部分側面図。
【図10】従来技術における伸縮性複合シートの斜視図。
【符号の説明】
1 伸縮性複合シート
2 繊維不織布(シート部材)
3 繊維不織布(シート部材)
4 伸縮性弾性部材
5 襞
5a 頂部
5b 底部
30 フラットロール(第1ロール)
31 周面
32 エンボスロール(第2ロール)
33 弾性突条
34 周面
L1 最大高さ寸法
L2 最大高さ寸法
L5 離間寸法
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