JP2002209386A - 電力変換装置及び多相負荷の駆動制御方法 - Google Patents
電力変換装置及び多相負荷の駆動制御方法Info
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Abstract
スイッチング素子におけるスイッチング損失の発生を極
力抑制する。 【解決手段】 指令値変換器は、指令値発生器より出力
される三相の電圧指令値U*,V*,W*の内、何れか
二相の指令値レベルが所定値xよりも小である期間にお
いて(ステップA2,A6,A10:YES)、それら
二相の指令値レベルを最大(ステップA5,A9,A1
3)または最小(ステップA4,A8,A12)に固定
するように変換する。
Description
ータ主回路によって駆動する電力変換装置及び多相負荷
の駆動制御方法に関する。
用される多相交流モータを駆動するインバータ装置の電
気的構成を示すものである。この図25において、6つ
のIGBT1〜6が三相ブリッジ接続されてインバータ
主回路7が構成され、そのインバータ主回路7の直流母
線7a,7bは、駆動用バッテリ8の正極端子,負極端
子に夫々接続されている。その、インバータ主回路7の
出力端子7u,7v,7wは三相の多相交流モータ(例
えば、同期モータやインダクションモータ,ブラシレス
モータなど)9の各相巻線(図示せず)に夫々接続され
ている。また、各IGBT1〜6のコレクタエミッタ間
には、フリーホイールダイオードD1〜D6が逆z並列
接続されている。
*,W*のデータが記憶されているROMを中心として
構成されており、例えば、インバータ主回路7の出力端
子7u〜7wと多相交流モータ(以下、単にモータと称
す)9の各相巻線との間に配置される電流センサ(図示
せず)の出力信号におけるゼロクロス点や、ロータリエ
ンコーダ或いはレゾルバなどの出力信号に基づいて交流
モータ9を構成するロータの位相θを検出し、その位相
に基づいてU,V,W各相についての電圧指令値U*,
V*,W*を読み出し、PWM波形発生器11に出力す
るようになっている。尚、電圧指令値U*,V*,W*
は、例えば正弦波の振幅に基づく指令値である。
電気的構成を示す機能ブロック図である。指令値発生器
10より出力される電圧指令値U*,V*,W*は、コ
ンパレータ12a,12c,12eの非反転入力端子並
びにコンパレータ12b,12d,12fの反転入力端
子に与えられており、コンパレータ12a,12c,1
2eの反転入力端子並びにコンパレータ12b,12
d,12fの非反転入力端子には、搬送波発生器13よ
り出力されるPWM変調の搬送波(三角波)が与えられ
ている。
指令値U*,V*,W*及び搬送波が何れもデジタルデ
ータとして出力される場合はマグニチュードコンパレー
タであり、両者が何れもアナログデータとして出力され
る場合はアナログコンパレータである。
2eからは、搬送波のレベルよりも電圧指令値U*,V
*,W*のレベルが高い場合にハイレベルとなる信号C
1,C3,C5が出力され、コンパレータ12b,12
d,12fからは、信号C1,C3,C5の反転信号C
2,C4,C6が出力されてデッドタイム発生器14に
与えられる。デッドタイム発生器14は、例えば、1つ
のアームについて正側,負側のIGBTが同時にオン状
態となることを防止するために、両者何れもがオフ状態
となるデッドタイムを設けるため、信号C1/C3/C
5,C2/C4/C6間のオンオフタイミングを修正す
るものである。
号G1′〜G6′が出力され、それらのゲート信号G
1′〜G6′は、フォトカプラなどからなるドライバ1
5を介して各IGBT1〜6のゲートにゲート信号G1
〜G6として与えられるようになっている。
えると、指令値U*が搬送波である三角波より大きい場
合はIGBT1がオン,IGBT2がオフとなり、DC
電源の正側の電位が出力される。逆にU*が三角波より
小さい場合はIGBT1がオフ、IGBT2がオンとな
り、DC電源の負側の電位が出力される。この動作によ
り各搬送波の周期で指令値に比例した時間の間、DC電
源の正側の電圧が出力される。
U*,V*,W*が正弦波ならばパルス幅が正弦波にP
WM変調された電圧が出力され出力電流を略正弦波にす
ることができる。また、搬送波の周波数が高いほどより
理想的な正弦波の波形に近い電流を出力でき、当該周波
数を15kHz以上にすれば、モータ9の磁気的騒音を
大幅に低減することができる。そのため、インバータ主
回路7には、このような高速スイッチングが可能である
IGBT1〜6が使用されている。
ータ主回路7が大電力で駆動される場合には電力変換損
失による発熱が大きいため、水冷などによる冷却が必要
であり、システムの小型化、低コスト化の障害となって
いる。また、電力変換損失には、IGBT1〜6におけ
るスイッチング損失が大きな割合を占めている。スイッ
チング損失は、スイッチング周波数が高くなるほど増加
するので、十分高い周波数で使用することができないと
いう問題がある。
あり、その目的は、インバータ主回路を構成するスイッ
チング素子について、スイッチング損失の発生を極力抑
制することができる電力変換装置、及び多相負荷の駆動
制御方法を提供することにある。
装置によれば、指令値出力手段が、多相負荷に対して各
相毎に電圧指令値を出力すると、指令値変換手段は、そ
れらの電圧指令値の内少なくとも何れか二相の電圧指令
値がほぼ等しくなる期間に、それら二相の電圧指令値が
等しく最大または最小となるように変換して出力する。
そして、制御信号出力手段は、指令値変換手段に出力さ
れる電圧指令値により搬送波をパルス幅変調すること
で、前記多相負荷を駆動するインバータ主回路にスイッ
チング制御信号を出力する。
等しくなる期間では、それらの電圧指令値が等しく最大
または最小となるように変換されることで、制御信号出
力手段における変換された電圧指令値に基づく変調度は
100%または0%となる。つまり、前記少なくとも二
相のスイッチング素子についてはスイッチングが停止さ
れることになり、トータルでのスイッチング回数が低減
される。従って、スイッチング周波数を低下させること
なくスイッチング損失を抑制することができ、冷却用の
機構を小形化,簡素化することができるので装置全体を
小型に構成することができる。
を行うので、多相負荷の駆動周期に比較すると極めて高
い周波数によって多数回のスイッチングを行う制御方式
ついて、本発明を有効に適用することができる。
令値変換手段は、変換対象以外の相についての電圧指令
値を、変換対象とする相の電圧指令値夫々との線間電圧
の平均値として出力する。従って、電圧指令値が等しく
最大または最小となるように変換が行われた場合でも、
相電流波形の歪みを抑制することができると共に、トー
タルでの駆動電力を指令値の変換前と略同等に維持する
ことができる。
相交流モータが負荷である場合に、本発明を適用するこ
とができる。請求項4記載の電力変換装置によれば、一
般に広く使用される三相交流モータを駆動する構成につ
いて、本発明を適用することができる。
令値出力手段が、多相負荷に対して各相毎に電圧指令値
を出力すると、指令値変換手段は、それらの電圧指令値
の内、少なくとも何れか二相の電圧指令値がほぼ等しく
なる期間において、当該少なくとも何れか二相の電圧指
令値が等しく最大または最小となるように変換する第1
変換期間と、その内の一相の電圧指令値のみを最大また
は最小となるように変換する第2変換期間とを交互に繰
り返すように出力する。そして、制御信号出力手段は、
指令値変換手段に出力される電圧指令値により搬送波を
変調することで、前記多相負荷を駆動するインバータ主
回路にスイッチング制御信号を出力する。
の変調度が100%または0%となる第1変換期間と、
そのうちの一相の電圧指令値の変調度が100%または
0%となる第2変換期間とが交互に実行されることにな
り、多相負荷の相電流の歪みをより低減しながらスイッ
チングの回数を低減することができる。従って、多相負
荷をより低振動且つ低騒音で駆動することができる。
令値変換手段は、変換期間を搬送波周期の整数倍に設定
するので、変換処理を搬送波に同期したタイミングで容
易に実行することができる。更に、第1変換期間と第2
変換期間との切替え時にスイッチングが発生することを
防止できる。
令値変換手段は、第2変換期間において変換対象とする
相を、変換対象以外の相についての電圧指令値との線間
電圧が最大となる相に設定する。斯様に設定すること
で、当該電圧指令値を最大または最小となるように変換
した場合の歪みの影響をより軽減することが可能とな
る。
令値変換手段は、第2変換期間を第1変換期間のn倍と
し、第1変換期間では、変換対象以外の相についての電
圧指令値を第2変換期間で変換対象とする相の電圧指令
値との線間電圧を維持するようにレベルシフトし、第2
変換期間では、第1変換期間においてのみ変換対象とな
る相についての電圧指令値を、第2変換期間で変換対象
とする相の電圧指令値との線間電圧を(1+1/n)倍
とするようにレベルシフトする。
て電圧指令値が最大または最小に変換されることで生じ
る歪みを、変換対象以外の指令値をレベルシフトするこ
とにより補正することができる。また、例えば、第2変
換期間を第1変換期間のn(>1)倍とすれば、第2変
換期間における指令値のレベルシフトは前記線間電圧の
2倍未満となるので、過変調状態となって相電流波形に
歪みが生じることを防止できる。
令値変換手段はnの値を“1”に設定するので、第1変
換期間,第2変換期間は夫々等しい時間となることか
ら、制御が容易となる。
指令値変換手段は、第1変換期間と第2変換期間との比
を変化させるので、電圧指令値の差が変化することに対
応して線間電圧の補正量を変化させることが可能とな
る。従って、過変調状態を防止するように調整を行うこ
とができる。
指令値変換手段は、指令値出力手段によって出力される
第1変換期間における変換対象の変換前の電圧指令値の
差が大となるにつれて、第2変換期間を相対的に長く設
定する。即ち、前記電圧指令値の差が大きくなるのに応
じて線間電圧の補正(レベルシフト)量も増加させるこ
とが望ましい。しかしながら、レベルシフト量を増加さ
せると過変調状態に至るおそれがある。そこで、前記電
圧指令値の差が大きくなるのに応じて第2変換期間を長
く設定すればnの値が大となるので、その分レベルシフ
ト量は低下することになる。従って、過変調状態となる
ことを有効に防止することができる。
一般に広く使用される三相交流負荷駆動する構成につい
て、請求項5乃至10の何れかに記載の発明を適用する
ことができる。
指令値出力手段が、多相負荷の各相に対応する電圧指令
値を出力すると、指令値変換手段は、それらの電圧指令
値の大小関係に基づいて少なくとも何れか二相の電圧指
令値が等しくなる時点を含む特定の期間に、当該少なく
とも二相の電圧指令値が等しく最大または最小となるよ
うに変換して出力する。そして、制御信号出力手段は、
指令値変換手段に出力される電圧指令値により搬送波を
パルス幅変調することで、前記多相負荷を駆動するイン
バータ主回路にスイッチング制御信号を出力する。
の電圧指令値がほぼ等しくなるように固定する特定の期
間を電圧指令値の大小関係のみに基づいて簡単に決定す
ることができる。従って、多相負荷の駆動周波数が高い
領域においては、前記特定期間を短時間で決定して追従
することが可能となる。
指令値出力手段は、正弦波の振幅変化に基づく電圧指令
値を出力するので、多相負荷の相電流波形を略正弦波と
することができ、前記モータを極めて低振動且つ低騒音
で駆動することが可能となる。
1実施例について図1乃至図4を参照して説明する。
尚、図25及び図26と同一部分には同一符号を付して
説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。
電気的構成の機能ブロックを示す図1において、指令値
発生器(指令値出力手段)10とPWM波形発生器(制
御信号出力手段)11との間には、指令値変換器(指令
値変換手段)21が介挿されている。
びPWM波形発生器11と共に例えばDSP(Digital S
ignal Processor)などで構成されており、図2に示すフ
ローチャートの演算プログラムに従って、指令値発生器
10より出力される電圧指令値U*,V*,W*より新
たな電圧指令値U**,V**,W**を変換生成し、PWM
波形発生器11に出力するように構成されている。その
他の構成は、図25,図26と同様である。
4をも参照して説明する。指令値変換器21における演
算プログラムのフローチャートを示す図2において、指
令値変換器21は、先ず、指令値発生器10より出力さ
れる電圧指令値U*,V*,W*を読み込むと(ステッ
プA1)、それらの内何れか二相の電圧指令値の振幅レ
ベルの差の絶対値が所定値xよりも小であるか否かを、
ステップA2,A6及びA10において夫々判断する。
V*,W*の波形データと、PWM波形発生器11にお
いてPWM変調される搬送波の波形を重ねて示すもので
あるが、図示の都合上、搬送波の周期は実際よりも長く
なっている。また、縦軸の振幅を±1としているが、実
際のデータは、例えば8ビットであれば−1〜+1の振
幅レベルを“0〜255”にシフトして出力するように
している。
た部分を拡大して示すもので、電圧指令値V*,W*の
値が交差している近傍であり、両者の値が比較的近似し
ている領域である。図2のフローチャートでは、この図
4(b)に示すように、電圧指令値V*,W*の差の絶
対値が所定値xよりも小である期間においては、指令値
レベルを“0”に変換した指令値V**,W**を出力する
ようになっている。
いては、指令値変換器21はステップA6で「YES」
と判断し、続いて、電圧指令値U*の極性が正であるか
(8ビットデータ値が“127”よりも大か)否かを判
断する(ステップA7)。指令値U*の極性が正であれ
ば(「YES」)、指令値変換器21は、電圧指令値V
**,W**を以下のように変換生成する(ステップA
8)。 V**=W**=−1(データ値“0”) …(1) に変換する。こうすることでV相とW相とPWM信号の
変調度が0%,即ちデューティが0%となってV相とW
相はスイッチングされなくなる。このとき残りのU相に
ついては、線間電圧のV相、W相との線間電圧のずれが
最小となるように以下のようにレベルシフトした電圧指
令値U**に変換する。 U**=U*−(V*+W*)/2−1 …(2) 即ち、(2)式における指令値U**のレベルシフトは、
電圧指令値U*と、V*,W*との各線間電圧の平均値
をとるようにしたものである。そして、ステップA15
に移行すると、変換した電圧指令値U**,V**,W**を
PWM波形発生器11に出力する。
負で交差している場合の変換式であるが、逆に、U相が
負でV相、W相が正で交差している場合の変換式は(ス
テップA7,NO)、(1),(2)式に代えて以下の
(3),(4)式を用いて変換した後(ステップA
9)、ステップA15に移行する。
0%,即ちデューティが100%となってV相とW相は
スイッチングされなくなる。
所定値xよりも小である期間においては、指令値変換器
21はステップA2において「YES」と判断し、ステ
ップA3〜A5においてステップA7〜A9に対応する
処理を相を入れ替えて行うようにする。即ち、指令値W
*の極性が正であれば(ステップA3,「YES」)、
指令値変換器21は、電圧指令値U**,V**,W**を以
下のように変換生成する(ステップA4)。 U**=V**=−1 …(5) W**=W*−(U*+V*)/2−1 …(6) また、指令値W*の極性が負であれば(ステップA3,
「NO」)、指令値変換器21は、電圧指令値U**,V
**,W**を(7),(8)式のように変換する(ステッ
プA5)。 U**=V**=1 …(7) W**=W*−(U*+V*)/2+1 …(8)
値が所定値xよりも小である期間では、指令値変換器2
1はステップA10において「YES」と判断し、ステ
ップA11〜A13においてステップA7〜A9に対応
する処理を相を入れ替えて行うようにする。即ち、指令
値V*の極性が正であれば(ステップA11,「YE
S」)、指令値変換器21は、電圧指令値U**,V**,
W**を以下のように変換生成する(ステップA12)。 U**=W**=−1 …(9) V**=V*−(W*+U*)/2−1 …(10) また、指令値V*の極性が負であれば(ステップA1
1,「NO」)、指令値変換器21は、電圧指令値U*
*,V**,W**を(11),(12)式のように変換す
る(ステップA13)。 U**=W**=1 …(11) V**=V*−(W*+U*)/2+1 …(12)
2,A6及びA12の何れにおいても「NO」と判断し
た場合はステップA14に移行し、電圧指令値U*,V
*,W*をそのまま電圧指令値U**,V**,W**として
ステップA15に移行する。以上のようにして指令値変
換器21により変換された電圧指令値U**,V**,W**
の波形を、図3(d),(e),(f)に示す。
換器21は、三相の電圧指令値U*,V*,W*の内、
何れか二相の指令値レベルが所定値xよりも小である期
間において、それら二相の指令値レベルを最大(+1)
または最小(−1)に固定するように変換したので、そ
の期間内では当該二相についてスイッチングが行われな
くなる。
く、PWM制御によりインバータ主回路7のIGBT
(スイッチング素子)1〜6について行われるスイッチ
ングの回数を減らしてスイッチング損失を低減すること
ができる。故に、冷却を行うための機構を小形化,簡素
化することができ、装置を小形化及び低コスト化するこ
とができる。また、スイッチング周波数をより高く設定
することも可能となる。
残りの一相についての電圧指令値を、変換対象とする二
相の電圧指令値夫々との線間電圧の平均値として出力す
るので、モータ(多相交流モータ,多相負荷)9の相電
流波形の歪みを抑制すると共に、駆動電力を変換前の電
圧指令値によって駆動する場合とほぼ同等にすることが
できる。更に、本実施例によれば、指令値発生器10
は、正弦波の振幅変化に基づく電圧指令値U*,V*,
W*を出力するので、モータ9の相電流波形を略正弦波
とすることができ、モータ9を極めて低振動且つ低騒音
で駆動することが可能となる。
をある期間だけ固定することによって出力電流に若干の
歪みを生じるが、電気自動車やハイブリッド電気自動車
のように比較的大なる負荷を駆動する系においては、若
干の歪みは特に問題とならない。
第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分に
は同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分につ
いてのみ説明する。PWM波形発生器11に代わるPW
M波形発生器(制御信号出力手段)22は、クロック信
号ck1,ck2を指令値変換器21に代わる指令値変
換器(指令値変換手段)23に出力するようになってい
る。
k1は、周期がPWM信号の搬送波周期の2倍であっ
て、前記搬送波のレベルが“0”の時点に同期して立ち
上がるクロック信号である。また、クロック信号ck2
は、そのクロック信号ck1に対して位相が90°遅れ
となるクロック信号である。そして、指令値変換器23
は、クロック信号ck1,ck2のレベルをも参照して
電圧指令値U*,V*,W*の変換処理を行うようにな
っている。
図11をも参照して説明する。図7乃至図9は、指令値
変換器23における変換処理のフローチャートの一部を
示すもので、図7は、第1実施例におけるステップA3
以降,図8は、ステップA7以降,図9は、ステップA
11以降の処理を部分的に変更したものである。
指令値変換器23は、ステップA7において「YES」
と判断すると、指令値V*とW*との差の結果が負(V
*<W*)であるか否かを判断し(ステップA23)、
負である場合は(「YES」)ステップA24に移行し
て、クロック信号ck2のレベルが“1(ハイレベ
ル)”であるか否かを判断する。
れば(「YES」)ステップA25に移行して、電圧指
令値U**,V**,W**を以下のように変換生成する。 U**=U*−V*−1 …(13) V**=W**=−1 …(14) 尚、電圧指令値U**は、元の指令値におけるU相とV相
との線間電圧を維持するようにレベルシフトされてい
る。
号ck2のレベルが“0(ロウレベル)”であれば
(「NO」)ステップA26に移行して、電圧指令値U
**,V**,W**を以下のように変換生成する。 U**=U*−V*−1 …(15) V**=−1 …(16) W**=2(W*−V*)−1 …(17) この場合、電圧指令値W**は、元の指令値におけるW相
とV相との線間電圧の2倍の電圧を出力するようにレベ
ルシフトされている。即ち、1つ前の搬送波周期におい
て指令値W**が“−1”に固定された分を補うためであ
る。
*とW*との差の結果が正(V*>W*)である場合は
(「NO」)ステップA27に移行して、ステップA2
4と同様にクロック信号ck2のレベルが“1”である
か否かを判断する。クロック信号ck2のレベルが
“1”であれば(「YES」)ステップA28に移行し
て、(13)式を(18)式に置き換えて実行する。 U**=U*−W*−1 …(18)
号ck2のレベルが“0”であれば(「NO」)ステッ
プA29に移行して、電圧指令値U**,V**,W**を以
下のように変換生成する。 U**=U*−W*−1 …(19) V**=2(V*−W*)−1 …(20) W**=−1 …(21) 即ち、ステップA28及びA29における処理は、ステ
ップA25及びA26の処理に対して指令値V*とW*
との大小関係が入れ替わることに基づくものである。
U**,V**,W**を図10に示す。即ち、期間dにおい
て電圧指令値V*とW*とが交差して両者の大小関係が
入れ替わるため、前半の期間a〜dではV*<W*であ
り、後半の期間d〜gではV*>W*となっている。そ
して、期間b,d,f(クロック信号ck2のレベルが
“1”の時)においては、電圧指令値V**,W**を最小
レベルに固定し電圧指令値U**のみで一相変調を行う
(第1変換期間)。
“0”となる前半の期間a,cでは、電圧指令値V**だ
けを最小レベルに固定し、電圧指令値U**,W**で二相
変調を行い、後半の期間e,gにおいては、電圧指令値
W**だけを最小レベルに固定し電圧指令値U**,V**の
みで一相変調を行う(第2変換期間)。従って、一相変
調と二相変調とが搬送波周期毎に交互に実行されるよう
になる(即ち、n=1である)。
A7において「NO」と判断される場合については具体
的には図示していないが、第1実施例と同様に、上記
(13)〜(21)式において、“A**=−1”と記述
されている式を “A**=1” に代え、“A**=B*−C*−1”,或いは、“A**=
2(B*−C*)−1”と記述されている式を“A**=
B*−C*+1”,或いは、“A**=2(B*−C*)
+1”のように一部の符号だけを変更すれば良い(尚、
A,B,CはU,V,W何れかの相)。但し、この場合
はクロック信号ck2に代えてクロック信号ck1を参
照する。また、ステップA23に相当するステップは
“A*−B*<0”と、“A*−B*>0”とする。
3は、ステップA3において「YES」と判断すると、
指令値U*とV*との差の結果が負(U*<V*)であ
るか否かを判断し(ステップA16)、負である場合は
(「YES」)ステップA17に移行する。そして、ク
ロック信号ck2のレベルが“1”であれば(「YE
S」)ステップA18に移行して、電圧指令値U**,V
**,W**を以下のように変換生成する。 U**=V**=−1 …(22) W**=W*−U*−1 …(23)
号ck2のレベルが“0”であれば(「NO」)ステッ
プA19に移行して、電圧指令値U**,V**,W**を以
下のように変換生成する。 U**=−1 …(24) V**=2(V*−U*)−1 …(25) W**=W*−U*−1 …(26) また、U*>V*の場合のステップA21においては、
ステップA18における(23)式を以下の(27)式
に代えて変換を行い、 W**=W*−V*−1 …(27) ステップA22においては、(24)〜(26)式に代
えて、以下の(28)〜(30)式により変換を行う。 U**=2(U*−V*)−1 …(28) V**=−1 …(29) W**=W*−V*−1 …(30)
は、ステップA11において「YES」と判断すると、
指令値W*とU*との差の結果が負(W*<U*)であ
るか否かを判断し(ステップA30)、負である場合は
(「YES」)ステップA31に移行する。そして、ク
ロック信号ck2のレベルが“1”であれば(「YE
S」)ステップA32に移行して、電圧指令値U**,V
**,W**を以下のように変換生成する。 U**=W**=−1 …(31) V**=V*−W*−1 …(32)
号ck2のレベルが“0”であれば(「NO」)ステッ
プA33に移行して、電圧指令値U**,V**,W**を以
下のように変換生成する。 U**=2(U*−W*)−1 …(33) V**=V*−W*−1 …(34) W**=−1 …(35) また、W*>U*の場合のステップA35においては、
ステップA32における(32)式を以下の(36)式
に代えて変換を行い、 V**=V*−U*−1 …(36) ステップA36においては、(33)〜(35)式に代
えて、以下の(37)〜(39)式により変換を行う。 U**=−1 …(37) V**=V*−U*−1 …(38) W**=2(W*−U*)−1 …(39)
**,V**,W**の指令値1周期分の電圧波形を図11に
示す。また、図12(a),(b)は、夫々第1実施
例,第2実施例の電圧指令値U**,V**,W**によって
出力される相電流波形のシミュレーション結果を示すも
のである。両者を比較すると、第1実施例による電流波
形には若干歪みが目立つが、第2実施例による電流波形
では歪みが殆ど生じておらず、改善されていることが分
かる。
変換器23は、三相の電圧指令値U*,V*,W*の
内、何れか二相の指令値レベルが所定値xよりも小であ
る期間において、それら二相の指令値レベルを最大また
は最小に固定し一相変調を行う第1変換期間と、それら
二相の内何れか一相の指令値レベルを最大または最小に
固定して二相変調を行う第2変換期間とを同一の時間比
率で交互に実行するようにした。
の相(例えば、(13)〜(17)式の例ではU相)の
電圧指令値を、第2変換期間で変換対象とする相(同V
相)の電圧指令値との線間電圧を維持するようにレベル
シフトし、第2変換期間では、変換対象とする相(V)
を、変換対象以外の相(U,W)についての電圧指令値
との線間電圧が最大となる相に設定すると共に、第1変
換期間でのみ変換対象となる相(W)の電圧指令値を、
第2変換期間で変換対象とする相(V)の電圧指令値と
の線間電圧を2倍とするようにレベルシフトした。
減少することができると共に、第1,第2変換期間の夫
々において電圧指令値が最大または最小に変換されるこ
とで生じる歪み(線間電圧の不足)を変換対象以外の指
令値をレベルシフトすることで補正して、モータ9に出
力される相電流波形を歪みがより少ないものにすること
ができるので、モータ9の駆動を一層低振動且つ低騒音
で行うことが可能となる。また、指令値変換器23は、
変換期間を搬送波周期の2倍に設定するので、変換処理
を搬送波に同期したタイミングで容易に実行することが
できる。
例を示すものである。第2実施例では、二相の電圧指令
値を最大または最小に固定して一相変調を行う第1変換
期間と、一相の電圧指令値を固定して二相変調を行う第
2変換期間とを搬送波周期毎に交互に実行するようにし
たが、第3実施例では、第1,第2変換期間の比率を
1:2として実行するようにしている。
実施例の例えばステップA26に対応する処理として、
(17)式を(40)式に置き換えて実行する。 W**=1.5(W*−V*)−1 …(40) また、ステップA29に対応する処理として、(20)
式を(41)式に置き換えて実行する。 V**=1.5(V*−W*)−1 …(41)
う第2変換期間が第1変換期間の2倍の長さになったた
め、その分、元の指令値におけるW相,V相の線間電圧
の補正量を減らしているからである。即ち、第1,第2
変換期間の比率が1:nである場合には、例えば(4
0)式は以下のように表される。 W**=(1+1/n)(W*−V*)−1 …(40a) また、逆に、第1,第2変換期間の比率がm:1である
(或いは、1:nとしてnを1未満とする)場合には、
その分線間電圧の補正量を増やす必要があり、(40)
式は以下のように表される。 W**=(1+m)(W*−V*)−1 …(40b)
り方としては、例えば、クロック信号ck2を逓倍して
搬送波と同じ周期のクロック信号を生成し、そのクロッ
ク信号の立上がりエッジの入力により“1〜3”を繰り
返しカウントするステートカウンタを用いる。そして、
カウント値が“1”であれば第1変換期間とし、カウン
ト値が“2,3”であれば第2変換期間として実行すれ
ば良い。
調を行う第1変換期間と二相変調を行う第2変換期間と
の比率を例えば1:2として実行するので、第2実施例
と同様の効果が得られる。そして、二相変調を行う第2
変換期間を第1変換期間に対して相対的に長くするのに
応じて線間電圧の補正(レベルシフト)量を減少させる
ようにしたので、過変調状態となって相電流波形に歪み
が生じることを防止できる。
施例を示すものである。第4実施例は、第1,第2変換
期間の時間比率をダイナミックに変化させるようにした
もので、図14に示す期間a,cにおいては比率を1:
2とし、期間bにおいては比率を1:1としている。即
ち、電圧指令値V*,W*の差が大となるのに応じて、
第2変換期間を相対的に長く設定するようにダイナミッ
クに変化させている。
電圧指令値V*,W*は、両者が所定値x以内で略等し
くなる期間において、指令値のカーブが交差する時点を
基準として値の差が漸次大きくなっている。従って、そ
の差が大きくなるのに応じて線間電圧の補正(レベルシ
フト)量も増加させることが望ましいが、レベルシフト
量を増加させると過変調状態に至るおそれがある。
*,W*の差が大きくなるのに応じて第2変換期間を長
く設定することで、(40a)式におけるnの値が大と
なるのでその分レベルシフト量を低下させることがで
き、過変調状態となることを有効に防止することができ
る。また、第2実施例や第3実施例では、両期間の比率
を1:1や1:2に固定したことにより、その電圧信号
の変化周期(搬送波周期の1/2,1/3)に応じて、
装置より発生する不要輻射の周波数スペクトラムが特定
のポイントに比較的大きなピークを持つことが予想され
る。
信号の変化周期をダイナミックに変化させるため、周波
数スペクトラムを分散させて特定のポイントに集中する
ことを回避できるようになり、不要輻射対策をより容易
に行うことができる。
例を示すものである。第5実施例では、第3実施例とは
逆に、第1,第2変換期間の比率を2:1として実行す
るようにしている。この場合、第2変換期間において
は、(40)式を(42)式に置き換えて実行する。 W**=3(W*−V*)−1 …(42) また、(41)式を(43)式に置き換えて実行する。 V**=3(V*−W*)−1 …(43)
調を行う第1変換期間と二相変調を行う第2変換期間と
の比率を2:1として実行するので、第3実施例と同様
の効果が得られる。
の第6実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部
分についてのみ説明する。図16に示す第6実施例の構
成は、第1実施例における指令値変換器21を指令値変
換器(指令値変換手段)24に置き換えたものであり、
その指令値変換器24には、指令値発生器10と共に位
相指令値θ*が与えられている。その他の構成は第1実
施例と同様である。ここで、位相指令値θ*は、交流モ
ータ9のロータの位相θに基づいて図示しない位相指令
値発生器において生成されるものであり、交流モータ9
の駆動状態に応じて位相θに進み成分や遅れ成分が付加
されている。尚、位相指令値θ*に代えて第1実施例と
同様に位相θをそのまま用いても良い。
び図18をも参照して説明する。指令値発生器10は、
U相の電圧指令値U*の位相を位相指令値θ*の変化に
同期させて出力しており、電圧指令値V*,W*は、電
圧指令値U*の値を夫々2π/3遅れ,2π/3進んだ
値として出力している。そして、指令値変換器24は、
図17に示すステップB1において、各相電圧指令値U
*,V*,W*と共に位相指令値θ*を読み込む。以降
のステップB2〜B7においては、位相指令値θ*が何
れの区間(電気角)内にあるのかを判定する。
区間は、何れも三相の指令値の内何れか二相の指令値が
ほぼ等しくなる区間であり、電気角π/6,π/2,5
π/6,7π/6,3π/2,11π/6を中心とする
範囲である(図18参照)。また、各ステップB2〜B
7における“±φ”は、第1実施例における所定値xに
対応する電気角である。
2において「YES」と判断するとステップB8(ステ
ップA13に対応)に移行し、新たな電圧指令値U**,
V**,W**を変換生成する。それから、ステップA15
と同様の処理を行うステップB15に移行して、電圧指
令値U**,V**,W**をPWM波形発生器11に出力す
る。
3において「YES」と判断するとステップA8に対応
するステップB9に移行し電圧指令値U**,V**,W**
を変換生成するとステップB15に移行する。また、ス
テップB4において「YES」と判断するとステップA
5に対応するステップB10に移行し、ステップB5に
おいて「YES」と判断するとステップA12に対応す
るステップB11に、ステップB6において「YES」
と判断するとステップA9に対応するステップB12
に、ステップB7において「YES」と判断するとステ
ップA4に対応するステップB13に移行する。
いて何れも「NO」)、ステップA14と同様のステッ
プB14に以降して、電圧指令値U*,V*,W*をそ
のまま電圧指令値U**,V**,W**としてステップB1
5に移行する。
変換器24は、位相指令値θ*に基づいて新たな電圧指
令値U**,V**,W**を変換生成するので、第1実施例
と同様の効果が得られる。
の第7実施例を示すものであり、第2,第5実施例と異
なる部分についてのみ説明する。図19に示す第7実施
例の構成は、第2実施例における指令値変換器21を指
令値変換器(指令値変換手段)25に置き換えたもので
あり、その指令値変換器25には、第5実施例の指令値
変換器24と同様に位相指令値θ*が与えられている。
その他の構成は第2実施例と同様である。
も参照して説明する。第7実施例は、第2実施例の処理
を第5実施例と同様に位相指令値θ*に基づいて行うも
のである。即ち、図20に示すように、指令値変換器2
5は、ステップB7において「YES」と判断した場
合、第2実施例のステップA2において「YES」と判
断した場合と同様にステップA16〜A22を実行す
る。
ないが、ステップB3において「YES」と判断した場
合は、ステップA6において「YES」と判断した場合
と同様にステップA25〜A29を実行し、ステップB
5において「YES」と判断した場合は、ステップA1
0において「YES」と判断した場合と同様にステップ
A32〜A36を実行する。その他の場合は第5実施例
と同様である。
変換器25は、位相指令値θ*に基づいて、三相の電圧
指令値U*,V*,W*の内、何れか二相の電圧指令値
レベルが比較的近似する期間において、それら二相の指
令値レベルを最大または最小に固定し一相変調を行う第
1変換期間と、それら二相の内何れか一相の指令値レベ
ルを最大または最小に固定して二相変調を行う第2変換
期間とを同一の時間比率で交互に実行するようにしたの
で、第2実施例と同様の効果が得られる。
例を示すものであり、例えば電気自動車の駆動用に用い
られるブラシレスモータ(多相交流モータ)を駆動制御
するための周知の制御系(電流制御)に本発明を適用し
た場合の機能ブロック図である。即ち、電流指令値iq
*は、スロットルの開度信号やモータの回転速度等に応
じてECU(Electronic Control Unit) により与えられ
るトルク指令値であり、電流指令値id*は、指令値i
q*に応じてテーブルより読み出されて与えられる磁束
指令値である。
算器26a,26bに被減算値として夫々与えられてい
る。電流検出値iu,iv,iwは、インバータ主回路
の出力電流を電流センサにより検出したものであり、u
vw/d−q変換部27に与えられている。uvw/d
−q変換部27は、位相検出値θに基づいて電流検出値
iu,iv,iwをd−q軸(回転座標軸)のベクトル
成分に変換(三相/二相変換)し、二相電流値id,i
qを減算器26a,26bに減算値として出力する。
ばPI制御などを行う電流制御部28a,28bに与え
られて電圧指令値vd′*,vq′*に変換され、減算
器29a,加算器29bに被減算値,被加算値として夫
々与えられている。非干渉化部30は、uvw/d−q
変換部27が出力する二相電流値id,iqに基づいて
ブラシレスモータに発生する逆起電力を検出すると、そ
の逆起電力を減算器29a,加算器29bに減算値,加
算値として出力する。そして、減算器29a,加算器2
9bの出力信号は、電圧指令値vd*,vq*としてd
−q/uvw変換部31に与えられている。
θに基づいて電圧指令値vd*,vq*を三相の電圧指
令値U*,V*,W*に変換し(二相/三相変換)し、
その電圧指令値U*,V*,W*を指令値変換器(指令
値変換手段)32に出力する。ここでの指令値変換器3
2は、第1乃至第7実施例の何れに用いられている指令
値変換手段でも良い。そして、指令値変換器32は、電
圧指令値U*,V*,W*を電圧指令値U**,V**,W
**に変換してPWMパターン発生器11に出力する。以
降の構成は第1実施例等と同様である。尚、第8実施例
の構成は、ハードウエア,ソフトウエアの何れによって
も可能である。
をブラシレスモータの電流制御を行う場合にも適用する
ことができる。
明の第9実施例を示すものであり、第1実施例又は第6
実施例と異なる部分についてのみ説明する。第9実施例
は、第1実施例と同様に電圧指令値U*,V*,W*の
値を参照して一相変調を行う期間を決定するものであ
る。即ち、図22に示すフローチャートにおいて、指令
値変換器21は、ステップA1と同様に電圧指令値U
*,V*,W*を読込むと(ステップC1)、以降の各
判断ステップC2〜C7において、電圧指令値U*,V
*,W*間に夫々の関係が成り立つか否かを判断する。 ステップC2 : (W*>U*)・(U*≧0) ステップC3 : (W*>V*)・(W*≦0) ステップC4 : (U*>V*)・(V*≧0) ステップC5 : (U*>W*)・(U*≦0) ステップC6 : (V*>W*)・(W*≧0) ステップC7 : (V*>U*)・(V*≦0)
て夫々の条件が成り立つ場合(「YES」)は、図23
に示す電圧指令値U*,V*,W*のパターンに示す位
相期間〜に対応しており、各位相期間〜は、電
圧指令値U*の位相θを基準として以下に示す期間とな
っている。
て夫々の条件が成り立つ場合(「YES」)は、第6実
施例のステップB8〜B13と同内容のステップC8〜
C13に移行する。その後は、また、何れの判断ステッ
プC2〜C7においても夫々の条件が成り立たなかった
場合(「NO」)は、ステップB14と同内容のステッ
プC14を実行する。尚、図22に示す各相電圧指令値
U*,V*,W*を示す式に示されている“Va ”は、
電圧指令値の振幅レベルを変化させるためのパラメータ
である。
圧指令値U*,V*,W*の内二相を固定して一相のみ
PWM変調を行う期間は、第1実施例の期間に対してπ
/12(15°)進むことになる。この場合、出力電流
波形の歪みは若干大きくなるが、例えば、交流モータ9
の振動等が多少大きくても問題がないようなアプリケー
ションについては適用が可能である。
想定すると、電気自動車が比較的低速で走行する場合
は、出力電流波形の歪みが大きくなると交流モータ9の
振動レベルが高くなり、乗員の乗り心地に大きく影響を
及ぼす。しかし、電気自動車が比較的高速で走行する場
合は出力電流波形の歪みが多少大きくなったとしても、
その歪みに基づく交流モータ9の振動が乗員の乗り心地
に大きく影響を及ぼすことはない。そして、第9実施例
は、電圧指令値U*,V*,W*間の大小関係のみによ
って一相変調を行う期間の判定を短時間に行うことがで
きるため、交流モータ9の駆動周波数が高い領域におい
て実行するには極めて有効である。
実施例を示すものである。第10実施例は、第7実施例
と第9実施例とを組み合わせた例である。即ち、第7実
施例において図20に示した部分については、ステップ
B7及びA16に代えてステップC7及びC7′を配置
している。ステップC7′は、以下の条件が成立するか
否かを判断するステップである。 (V*≦U*)・(U*<0) そして、ステップC7において「YES」と判断した場
合はステップA17に移行し、ステップC7で「N
O」,ステップC7′で「YES」と判断した場合はス
テップA20に移行する。また、ステップC7′で「N
O」と判断した場合はステップB14(C14)に移行
する。
第2実施例からの置き換えを行うその他の部分について
も、図24に示すものと同様にして各相電圧指令値を入
れ替えて実施すれば良い。
にのみ限定されるものではなく、次のような変形または
拡張が可能である。第6実施例において、指令値出力手
段と指令値変換手段とを一体に構成しても良い。第8実
施例において、非干渉化部30は必要に応じて設ければ
良い。また、第8実施例の電流制御に限ることなく、速
度制御や位置制御、またはブラシレスモータに対するも
のとは全く異なる制御方式でも、最終的に電圧指令値を
出力するものであれば適用できる。第9実施例におい
て、位相期間〜を夫々π/6遅れ方向にずらして実
施しても良い。また、第6実施例と同様に位相指令値θ
*または位相θを読み込んで、その値に応じて同様の位
相期間を判定しても良い。
基づくものでなくても良く、その他の電圧波形でも良
い。また、以上の各実施例では、三角波比較PWMで説
明したが、変調方式はこのような搬送波をベースにした
ものに限ることはなく、スイッチングによってパルス幅
を変えることで電力を変換するものであれば他の変調方
式でも良い。デジタル制御する場合は、二相を固定する
ことによる線間電圧の不足分をメモリに蓄えておき、1
相のみ固定する期間にリアルタイムで重畳させるように
しても良い。スイッチング素子はIGBTに限ることな
く、例えばパワートランジスタやパワーMOSFETな
どでも良い。電流センサやホールIC,ロータリエンコ
ーダやレゾルバなどを用いてモータ9のロータの位置情
報を得るものに限らず、例えばモータ9の誘起電圧を分
圧抵抗やコンパレータなどにより検出してロータの位置
情報を得る、所謂センサレス駆動方式を採用しても良
い。
に適宜設定すれば良い。また、mについても同様であ
り、m,nは、損失,歪み等、状況に応じて適宜設定す
れば良い。指令値変換手段を中心とする構成は、DSP
を用いるものに限らず、CPUを用いて構成するもので
も良い。例えば、三相交流モータにおいて何れか一相の
みを固定し、二相だけで変調を行う二相変調方式を常時
行っているものについて、その状態から更に一相を固定
することにより、上記各実施例と同様に所定の期間だけ
二相を固定するようにしても良い。この場合、スイッチ
ング回数を更に低減することができる。四相以上の多相
交流モータに適用しても良い。電気自動車やハイブリッ
ド電気自動車などに使用される多相交流モータに限るこ
と無く、UPS(Uninterruptible Power Supply :無停
電電源) など多相の線間電圧を出力するものであれば適
用が可能である。
気的構成を示す機能ブロック図
を示し、(d)〜(f)は電圧指令値U**,V**,W**
を示す
わせて示す図、(b)は(a)の一部を拡大して示す
図、(c)は(b)に対応する電圧指令値U**,V**,
W**を示す図
図
に同期したクロック信号ck1、(c)はクロック信号
ck1に対して90°遅れ位相のクロック信号ck2を
示す
よる相電流波形のシミュレーション結果を示す
動用に用いられるブラシレスモータを駆動制御する制御
系に本発明を適用した場合の機能ブロック図
タ主回路、9は多相交流モータ、10は指令値発生器
(指令値出力手段)、11はPWM波形発生器(制御信
号出力手段)、21は指令値変換器(指令値変換手
段)、22はPWM波形発生器(制御信号出力手段)、
23,24,25及び32は指令値変換器(指令値変換
手段)を示す。
Claims (28)
- 【請求項1】 多相負荷にスイッチング素子を介して相
電圧を印加するインバータ主回路と、 各相毎に電圧指令値を出力する指令値出力手段と、 この指令値出力手段によって出力される電圧指令値の
内、少なくとも何れか二相の電圧指令値がほぼ等しくな
る期間において、当該少なくとも何れか二相の電圧指令
値が等しく最大または最小となるように変換して出力す
る指令値変換手段と、 この指令値変換手段により出力される電圧指令値によっ
て搬送波をパルス幅変調することで、前記インバータ主
回路にスイッチング制御信号を出力する制御信号出力手
段とを備えてなることを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項2】 前記指令値変換手段は、変換対象外の相
についての電圧指令値を、変換対象とする相の電圧指令
値夫々との線間電圧の平均値として出力することを特徴
とする請求項1記載の電力変換装置。 - 【請求項3】 前記多相負荷は多相交流モータであるこ
とを特徴とする請求項1または2記載の電力変換装置。 - 【請求項4】 前記多相交流モータの相数は三であるこ
とを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。 - 【請求項5】 多相負荷にスイッチング素子を介して相
電圧を印加するインバータ主回路と、 各相毎に電圧指令値を出力する指令値出力手段と、 この指令値出力手段によって出力される電圧指令値の
内、少なくとも何れか二相の電圧指令値がほぼ等しくな
る期間において、 当該少なくとも何れか二相の電圧指令値が等しく最大ま
たは最小となるように変換する第1変換期間と、その内
の一相の電圧指令値のみを最大または最小となるように
変換する第2変換期間とを交互に繰り返すように出力す
る指令値変換手段と、 この指令値変換手段により出力される電圧指令値によっ
て搬送波をパルス幅変調することで、前記インバータ主
回路にスイッチング制御信号を出力する制御信号出力手
段とを備えていることを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項6】 前記指令値変換手段は、前記変換期間を
前記搬送波周期の整数倍に設定することを特徴とする請
求項5記載の電力変換装置。 - 【請求項7】 前記指令値変換手段は、前記第2変換期
間において変換対象とする相を、変換対象以外の相につ
いての電圧指令値との線間電圧が最大となる相に設定す
ることを特徴とする請求項5または6記載の電力変換装
置。 - 【請求項8】 前記指令値変換手段は、前記第2変換期
間を前記第1変換期間のn(nは、正の実数)倍とし、 前記第1変換期間においては、変換対象以外の相につい
ての電圧指令値を、前記第2変換期間において変換対象
とする相の電圧指令値との線間電圧を維持するようにレ
ベルシフトし、 前記第2変換期間においては、前記第1変換期間におい
てのみ変換対象となる相についての電圧指令値を、第2
変換期間において変換対象とする相の電圧指令値との線
間電圧を(1+1/n)倍とするようにレベルシフトす
ることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の電
力変換装置。 - 【請求項9】 前記指令値変換手段は、n=1に設定す
ることを特徴とする請求項8記載の電力変換装置。 - 【請求項10】 前記指令値変換手段は、前記第1変換
期間と第2変換期間との比を変化させることを特徴とす
る請求項5乃至8の何れかに記載の電力変換装置。 - 【請求項11】 前記指令値変換手段は、前記指令値出
力手段によって出力される、前記第1変換期間の変換対
象の変換前の電圧指令値の差が大となるにつれて、前記
第2変換期間を相対的に長く設定することを特徴とする
請求項10記載の電力変換装置。 - 【請求項12】 前記多相負荷の相数は三であることを
特徴とする請求項5乃至11の何れかに記載の電力変換
装置。 - 【請求項13】 多相負荷にスイッチング素子を介して
相電圧を印加するインバータ主回路と、 各相毎に電圧指令値を出力する指令値出力手段と、 この指令値出力手段によって出力される電圧指令値の大
小関係に基づいて、少なくとも何れか二相の電圧指令値
が等しくなる時点を含む特定の期間において、当該少な
くとも何れか二相の電圧指令値が等しく最大または最小
となるように変換して出力する指令値変換手段と、 この指令値変換手段により出力される電圧指令値によっ
て搬送波をパルス幅変調することで、前記インバータ主
回路にスイッチング制御信号を出力する制御信号出力手
段とを備えてなることを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項14】 前記指令値出力手段は、正弦波の振幅
変化に基づく電圧指令値を出力することを特徴とする請
求項1乃至13の何れかに記載の電力変換装置。 - 【請求項15】 多相負荷に対して各相毎に電圧指令値
を出力し、 これらの電圧指令値の内、少なくとも何れか二相の電圧
指令値がほぼ等しくなる期間において、当該少なくとも
何れか二相の電圧指令値が等しく最大または最小となる
ように変換し、 前記電圧指令値によって搬送波をパルス幅変調すること
で、前記多相負荷にスイッチング素子を介して相電圧を
印加するインバータ主回路にスイッチング制御信号を出
力することを特徴とする多相負荷の駆動制御方法。 - 【請求項16】 変換対象以外の相についての電圧指令
値を、変換対象とする相の電圧指令値夫々との線間電圧
の平均値として出力することを特徴とする請求項15記
載の多相負荷の駆動制御方法。 - 【請求項17】 前記多相負荷は多相交流モータである
ことを特徴とする請求項15または16記載の多相負荷
の駆動制御方法。 - 【請求項18】 前記多相交流モータの相数を三とする
ことを特徴とする請求項17記載の多相負荷の駆動制御
方法。 - 【請求項19】 多相負荷に対して各相毎に電圧指令値
を出力し、 前記電圧指令値の内、少なくとも何れか二相の電圧指令
値がほぼ等しくなる期間において、当該少なくとも何れ
か二相の電圧指令値が等しく一定となるように変換する
第1変換期間と、その内の一相の電圧指令値のみを一定
となるように変換する第2変換期間とを交互に繰り返す
ように出力し、 前記電圧指令値によって搬送波を変調することで、前記
多相負荷にスイッチング素子を介して相電圧を印加する
インバータ主回路にスイッチング制御信号を出力するこ
とを特徴とする多相負荷の駆動制御方法。 - 【請求項20】 前記変換期間を前記搬送波周期の整数
倍に設定することを特徴とする請求項19記載の多相負
荷の駆動制御方法。 - 【請求項21】 前記第2変換期間において変換対象と
する相を、変換対象以外の相についての電圧指令値との
線間電圧が最大となる相に設定することを特徴とする請
求項19または20記載の多相負荷の駆動制御方法。 - 【請求項22】 前記第2変換期間を前記第1変換期間
のn(nは、正の実数)倍とし、 前記第1変換期間においては、変換対象以外の相につい
ての電圧指令値を、前記第2変換期間において変換対象
とする相の電圧指令値との線間電圧を維持するようにレ
ベルシフトし、 前記第2変換期間においては、前記第1変換期間におい
てのみ変換対象となる相についての電圧指令値を、第2
変換期間において変換対象とする相の電圧指令値との線
間電圧を(1+1/n)倍とするようにレベルシフトす
ることを特徴とする請求項19乃至21の何れかに記載
の多相負荷の駆動制御方法。 - 【請求項23】 n=1に設定することを特徴とする請
求項22記載の多相負荷の駆動制御方法。 - 【請求項24】 変換対象の二相について、前記第1変
換期間と第2変換期間との比を変化させることを特徴と
する請求項19乃至22の何れかに記載の多相負荷の駆
動制御方法。 - 【請求項25】 変換対象の二相について変換前の電圧
指令値の差が大となるにつれて、前記第2変換期間を相
対的に長く設定することを特徴とする請求項24記載の
多相負荷の駆動制御方法。 - 【請求項26】 前記多相負荷の相数は三であることを
特徴とする請求項19乃至25の何れかに記載の多相負
荷の駆動制御方法。 - 【請求項27】 多相負荷の各相に対応する電圧指令値
を出力し、 これらの電圧指令値の大小関係に基づいて、少なくとも
何れか二相の電圧指令値が等しくなる時点を含む特定の
期間において、当該少なくとも何れか二相の電圧指令値
が等しく最大または最小となるように変換し、 前記電圧指令値によって搬送波をパルス幅変調すること
で、前記多相負荷にスイッチング素子を介して相電圧を
印加するインバータ主回路にスイッチング制御信号を出
力することを特徴とする多相負荷の駆動制御方法。 - 【請求項28】 前記指令値出力手段は、正弦波の振幅
変化に基づく電圧指令値を出力することを特徴とする請
求項15乃至27の何れかに記載の多相負荷の駆動制御
方法。
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JP2021005996A (ja) * | 2019-06-26 | 2021-01-14 | 株式会社豊田自動織機 | 電動機の制御装置 |
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2000
- 2000-12-27 JP JP2000397622A patent/JP3760768B2/ja not_active Expired - Fee Related
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