JP2002273842A - レトルト包装用多層フィルム - Google Patents
レトルト包装用多層フィルムInfo
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Abstract
面同士が融着せず、レトルト処理後の透明性等の外観に
優れ、破袋強度が改良されたレトルト包装用多層フィル
ムを提供する。 【解決手段】 メルトフローレートが0.1〜20g/
10分であり、密度が900〜930Kg/m3であ
り、組成分布変動係数が0.7以下であり、冷キシレン
可溶部の重量割合(a)と密度(d)が a<(4.8×10-5)×(950−d)3+(1
0-6)×(950−d)4+1 の関係を有するエチレンとα−オレフィンを共重合して
得られるエチレン−α−オレフィン共重合体(I)から
なる中間層の両表面に、密度が935〜950Kg/m
3であり、メルトフローレートが0.1〜20g/10
分であるエチレンとα−オレフィンを共重合して得られ
るエチレン−α−オレフィン共重合体(II)からなる
表面層を積層して得られるレトルト包装用多層フィル
ム。
Description
ィルムに関する。さらに詳しくは、高温でのレトルト処
理においてフィルムの内面同士が融着せず、レトルト処
理後の透明性等の外観に優れ、破袋強度が改良されたレ
トルト包装用多層フィルムに関するものである。
消費されるまで無菌状態に保存できるものである。食品
を無菌状態で保存するために、食品をフィルム容器に充
填して完全に密封し、一定時間、高い温度で加熱、殺菌
処理(レトルト処理と呼ばれている。)が行われる。従
って、レトルト食品を包装するフィルム容器に用いられ
るレトルト包装用フィルムには、フィルムの内面同士が
融着しない耐熱性が要求されている。さらに、最近、レ
トルト食品は冷凍して流通されるため、レトルト包装用
フィルムには落下した場合、破袋しないこと、即ち、低
温での耐衝撃性が要求されている。
いるが、耐熱性が不充分であり、レトルト処理によりフ
ィルムの内面同士が融着することがあるため、レトルト
処理の温度を下げ、殺菌の処理時間を長くする必要があ
り、作業効率が悪くなることがあった。
性を改良する方法として、例えば、特開平8−2559
4号公報には、内層が密度0.945g/cm3以上の
高密度ポリエチレンと軟質ポリマーの樹脂組成物からな
り、中間層が密度0.935g/cm3以上の直鎖状低
密度ポリエチレンを主成分とする樹脂組成物からなり、
外層が中間層と同程度の耐熱性と耐衝撃性を有するポリ
エチレン系樹脂からなる、耐衝撃性、耐熱融着性、安定
したシール性および透明性の優れたレトルト用途に適し
た三層構成のラミネート多層シーラントフィルムが記載
されているが、レトルト処理後の透明性等の外観や破袋
強度は不充分なものであり、改良が望まれていた。
は、耐熱性を有する直鎖状低密度ポリエチレン層と、柔
軟性を有する超低密度ポリエチレン材料の中間層と、耐
熱性を有する直鎖状低密度ポリエチレン層とを3層押し
出し成形手段により一体成形した、衛生的で、レトルト
殺菌に耐えうる耐熱性、透明性、耐落下性および柔軟性
を具備し、レトルト殺菌時にシーリング区域での内面溶
着が生じないプラスチック容器の包装材料が記載されて
いるが、レトルト処理後の透明性等の外観や破袋強度は
不充分なものであり、改良が望まれていた。
最外層を構成するプラスッチクの密度が0.939以
上、中間層を構成するプラスチックの密度が0.910
〜0.925であるポリエチレンまたはエチレン/α−
オレフィン共重合体のフィルムを3層以上ラミネートし
てなる内面材を表面材に積層した、レトルト滅菌時に熱
変形したり、ヒートシール部が剥離したりすることが防
がれ、耐衝撃性および耐寒性に優れ、包装体の輸送中や
取り扱い時に破れる心配がないレトルト包装用積層材が
記載されているが、レトルト処理後の透明性等の外観や
破袋強度は不充分なものであり、改良が望まれていた。
でのレトルト処理においてフィルムの内面同士が融着せ
ず、レトルト処理後の透明性等の外観に優れ、破袋強度
が改良されたレトルト包装用多層フィルムを提供するこ
とにある。
情に鑑み、鋭意検討の結果、メルトフローレートが一定
の範囲であり、密度が特定の範囲であり、組成分布変動
係数(Cx)が特定の範囲であり、冷キシレン可溶部の
重量割合と密度が特定の関係を有する特定のエチレン−
α−オレフィン共重合体からなる中間層の両表面に、密
度が特定の範囲であり、メルトフローレートが一定の範
囲である特定のエチレン−α−オレフィン共重合体から
なる表面層を積層して得られるレトルト包装用多層フィ
ルムが、上記課題を解決できることを見出し、本発明の
完成に至った。
(MFR)が0.1〜20g/10分であり、密度
(d)が900〜930Kg/m3であり、下記(式
1) Cx=σ/SCBave. (式1) (式中、σは組成分布の標準偏差、SCBave.は炭素原
子1000個(1000C)当たりの短鎖分岐数の平均
値(1/1000C)を表わす。)から得られる組成分
布変動係数(Cx)が0.7以下であり、冷キシレン可
溶部の重量割合(a)と密度(d)が下記(式2) a<(4.8×10-5)×(950−d)3 +(10-6)×(950−d)4+1 (式2) (式中、aは冷キシレン可溶部の重量割合(重量%)を
表わし、dは密度(Kg/m3)を表わす。)の関係を
有するエチレンと炭素原子数3〜12のα−オレフィン
を共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合
体(I)からなる中間層(A層)の両表面に、密度が9
35〜950Kg/m3であり、メルトフローレート
(MFR)が0.1〜20g/10分であるエチレンと
炭素原子数3〜12のα−オレフィンを共重合して得ら
れるエチレン−α−オレフィン共重合体(II)からな
る表面層(B層)を積層して得られるレトルト包装用多
層フィルムに係るものである。以下、本発明を詳細に説
明する。
ルムの(A)層に用いられるエチレン−α−オレフィン
共重合体(I)は、エチレンと炭素原子数3〜12のα
−オレフィンを共重合して得られるエチレン−α−オレ
フィン共重合体である。炭素原子数3〜12のα−オレ
フィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペ
ンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−
1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1、4−メチ
ル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、ビニル
シクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、ノ
ルボルネン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられ、好
ましくはヘキセン−1、オクテン−1である。また、上
記の炭素原子数3〜12のα−オレフィンは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1
共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体等が挙げら
れ、好ましくはエチレン−ヘキセン−1共重合体、エチ
レン−オクテン−1共重合体である。
のメルトフローレート(MFR)は0.1〜20g/1
0分、好ましくは1〜10g/10分、より好ましくは
2〜5g/10分である。エチレン−α−オレフィン共
重合体(I)のメルトフローレート(MFR)が0.1
g/10分未満の場合、溶融粘度が高くなりすぎて押出
加工性が不充分であることがあり、20g/10分を超
えた場合、機械的強度や耐熱性が低下したりすることが
ある。
の密度は、935〜950Kg/m 3、好ましくは93
7〜945Kg/m3である。エチレン−α−オレフィ
ン共重合体(I)の密度が、935Kg/m3未満の場
合、耐熱性が劣ったり、レトルト処理時にフィルム間の
熱融着が起こったりすることがあり、950Kg/m3
を超えた場合、透明性や表面光沢等の外観や破袋強度が
低下することがある。
の下記(式1)から得られる組成分布変動係数(Cx)
は0.7以下であり、好ましくは0.3〜0.65であ
る。 Cx=σ/SCBave. (式1) (式中、σは組成分布の標準偏差、SCBave.は1
000C当たりの短鎖分岐の平均値(1/1000C)
を表わす。)
成分布の尺度を示すものであり、この値が小さいほど組
成分布が狭いことを示す。エチレン−α−オレフィン共
重合体(I)の組成分布変動係数(Cx)が0.7を超
えた場合、破袋強度が低下したり、レトルト処理後の透
明性、表面光沢の悪化したりすることがある。
の冷キシレン可溶部の重量割合(a)と密度(d)は下
記(式2)の関係を有する。 a<(4.8×10-5)×(950−d)3 +(10-6)×(950−d)4+1 (式2) (式中、aは冷キシレン可溶部の重量割合(重量%)、
dはエチレン−α−オレフィン共重合体の密度(Kg/
m3)を表わす。) エチレン−α−オレフィン共重合体(I)の冷キシレン
可溶部の重量割合(a)と密度(d)が上記(式2)の
関係を有さない場合(即ち、a>(4.8×10-5)×
(950−d)3+(10-6)×(950−d)4+1
である場合)、フィルムの破袋強度が低下したり、レト
ルト処理後の透明性等の外観が悪化したりすることがあ
る。
の冷キシレン可溶部の重量割合(a)と密度(d)の関
係として、さらに好ましくは下記(式3) a<(4.8×10-5)×(950−d)3 +(10-6)×(950−d)4 (式3) (式中、aは冷キシレン可溶部の重量割合(重量%)、
dはエチレン−α−オレフィン共重合体の密度(Kg/
m3)を表わす。)であり、最も好ましくは下記(式
4) a<(4.8×10-5)×(950−d)3 (式4) (式中、aは冷キシレン可溶部の重量割合(重量%)、
dはエチレン−α−オレフィン共重合体の密度(Kg/
m3)を表わす。)である。
(B)層に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合
体(II)は、エチレンと炭素原子数3〜12のα−オ
レフィンを共重合して得られるエチレン−α−オレフィ
ン共重合体であり、炭素原子数3〜12のα−オレフィ
ンとしては、例えば、前述のエチレン−α−オレフィン
共重合体(I)に用いられる炭素原子数3〜12のα−
オレフィンと同様のものが挙げられ、また、エチレン−
α−オレフィン共重合体(II)としては、例えば、前
述のエチレン−α−オレフィン共重合体(I)と同様の
ものが挙げられる。また、本発明のレトルト包装用多層
フィルムの(B)層は、(A)層の両表面に積層される
ものであるが、(A)層の両表面に積層される(B)層
に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体は、同
一であってもよく、異なっていてもよい。
I)のメルトフローレート(MFR)は0.1〜20g
/10分、好ましくは1〜10g/10分、より好まし
くは2〜5g/10分である。エチレン−α−オレフィ
ン共重合体(II)のメルトフローレート(MFR)が
0.1g/10分未満の場合、溶融粘度が高くなりすぎ
て押出加工性が不充分であることがあり、20g/10
分を超えた場合、機械的強度や耐熱性が低下したりする
ことがある。
I)の密度は、900〜935Kg/m3、好ましくは
910〜925Kg/m3である。エチレン−α−オレ
フィン共重合体(II)の密度が、900Kg/m3未
満の場合、レトルト処理時に透明性が低下することがあ
り、935Kg/m3を超えた場合、破袋強度が低下す
ることがある。
I)の密度として、より好ましくは、エチレン−α−オ
レフィン共重合体(I)の密度より、10Kg/m3以
上高いものであり(即ち、エチレン−α−オレフィン共
重合体(II)と(I)の密度差が10Kg/m3以上
であることであり)、さらに好ましくは15Kg/m3
以上高いものである(即ち、エチレン−α−オレフィン
共重合体(II)と(I)の密度差が15Kg/m3以
上である)。
(A)層に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合
体(I)および(B)層に用いられるエチレン−α−オ
レフィン共重合体(II)の製造方法としては、特に制
限されるものではなく、公知の重合触媒を用いる公知の
重合方法等が挙げられる。公知の重合触媒としては、例
えば、チーグラーナッタ系触媒、メタロセン系触媒等が
挙げられ、好ましくはメタロセン系触媒である。公知の
重合方法としては、例えば、溶液重合法、スラリー重合
法、高圧イオン重合法、気相重合法等が挙げられ、好ま
しくは気相重合法、高圧イオン重合法である。
は、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を有
する遷移金属化合物を含む触媒系である。シクロペンタ
ジエン形アニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合
物は、いわゆるメタロセン系化合物であり、通常、一般
式MLaXn-a(式中、Mは元素の周期律表の第4族又は
ランタナイド系列の遷移金属原子である。Lはシクロペ
ンタジエン形アニオン骨格を有する基又はヘテロ原子を
含有する基であり、少なくとも一つはシクロペンタジエ
ン形アニオン骨格を有する基である。複数のLは互いに
架橋していてもよい。Xはハロゲン原子、水素又は炭素
原子数1〜20の炭化水素基である。nは遷移金属原子
の原子価を表し、aは0<a≦nなる整数である。)で
表され、単独で用いてもよく、2種類以上を併用しても
よい。
リエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等
の有機アルミニウム化合物、メチルアルモキサン等のア
ルモキサン化合物、および/またはトリチルテトラキス
ペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルア
ニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート
等のイオン性化合物が組み合わせて用いられる。
メタロセン系化合物に、有機アルミニウム化合物、アル
モキサン化合物および/またはイオン性化合物を、Si
O2、Al2O3等の微粒子状無機担体、ポリエチレン、
ポリスチレン等の微粒子状有機ポリマー担体に担持また
は含浸させた触媒として用いてもよい。
みは、通常20〜200μmであり、好ましくは30〜
100μmである。また、B層の厚みは、通常1μm以
上である。本発明のレトルト包装用多層フィルムの各層
の構成はB層/A層/B層であり、A層の厚みの比率は
全層の厚みに対して通常30〜98%であり、衝撃強
度、破袋強度または耐熱融着性の観点から、好ましくは
50〜98%であり、より好ましくは60〜97%、さ
らに好ましくは80〜96%である。
造方法としては、特に制限されるものではなく、公知の
方法が挙げられ、例えば、共押出法、押出コーティング
法(押出ラミネート法ともいう。)等が挙げられる。そ
して、これらの製造方法に用いられる装置としては、公
知のインフレーションフィルム製造装置やTダイキャス
トフィルム製造装置等が挙げられる。
ムは、基材にラミネートされ複合フィルムとして用いら
れる。基材としては、特に制限されるものではなく、公
知のものが挙げられ、例えば、セロハン、紙、板紙、織
物、アルミニウム箔、ナイロン6やナイロン66等のポ
リアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチ
レンテレフタレート等のポリエステル樹脂、延伸ポリプ
ロピレン等が挙げられる。
ムを基材にラミネートする方法としては、特に制限され
るものではなく、公知の方法が挙げられ、例えば、ドラ
イラミネート法、ウェットラミネート法、サンドラミネ
ート法、ホットメルトラミネート法等が挙げられる。
(A)層に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合
体(I)および(B)層に用いられるエチレン−α−オ
レフィン共重合体(II)には、必要に応じて、本発明
の目的、効果を損なわない範囲で、その他の樹脂、酸化
防止剤、滑剤、帯電防止剤、加工性改良剤、ブロッキン
グ防止剤等を添加してもよく、その他の樹脂や添加剤
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂等が挙げられ、例えば、成形加工性や透明性を改良
するために添加される高圧法低密度ポリエチレン、剛性
や耐熱性を改良するために添加される高密度ポリエチレ
ンやポリプロピレン、衝撃強度を改良するために添加さ
れる低密度エラストマー等が挙げられる。
密度ポリエチレンを添加することは、一般的に行われて
いることであり、用いられる高圧法低密度ポリエチレン
のメルトフローレートは通常0.1〜50g/10分で
あり、密度は通常910〜935Kg/m3である。
ては、一般に、槽型反応器または管型反応器を用いて、
ラジカル発生剤の存在下、重合圧力140〜300MP
a、重合温度200〜300℃の条件下でエチレンを重
合する方法が挙げられ、メルトフローレートを調節する
ために、分子量調節剤として水素、メタンやエタン等の
炭化水素が用いられる。
−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス
[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名:I
RGANOX1010、チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ社製)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキ
シ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネー
ト(商品名:IRGANOX1076、チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ社製)等のフェノール系酸化防止
剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト等のホファイト系酸化
防止剤等が挙げられる。
ド、高級脂肪酸エステル等が挙げられ、帯電防止剤とし
ては、例えば、炭素原子数8〜22の脂肪酸のグリセリ
ンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリ
コールエステル等が挙げられ、加工性改良剤としては、
例えば、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、フ
ッ素系樹脂等が挙げられ、ブロッキング防止剤として
は、無機系ブロッキング防止剤、有機系ブロッキング防
止剤が挙げられ、無機系ブロッキング防止剤としては、
例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げら
れ、有機系ブロッキング防止剤としては、例えば、架橋
ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリ(メタクリル酸メチ
ル−スチレン)共重合体、架橋シリコーン、架橋ポリス
チレンの粉末等が挙げられる。
脂や添加剤の混合方法としては、特に制限されることは
なく、例えば、その他の樹脂や添加剤をあらかじめ単軸
押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等
の各種ミキサーを用いて溶融混練した後フィルム加工に
供する方法、その他の樹脂や添加剤を個々にヘンシェル
ミキサー、タンブラーミキサー等の各種ブレンダーを用
いてドライブレンドした後フィルム加工に供する方法、
または、その他の樹脂や添加剤を一種以上のマスターバ
ッチにしてヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等
の各種ブレンダーを用いてドライブレンドした後フィル
ム加工に供する方法等が挙げられる。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。実施例および比較例に用いた(共)重合体および
フィルムの物性は次の方法に従って測定した。 (1)密度(単位:Kg/m3) JIS K6760に規定された方法に従って測定し
た。 (2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10
分) JIS K6760に規定された方法に従って測定し、
温度は190℃、荷重は2.16kgであった。
るエチレン−α−オレフィン共重合体を145℃に加熱
したオルトジクロルベンゼン(ODCB)溶媒に溶解
(濃度0.2g/20ml)させ、カラムオーブンの中
の海砂を充填したカラムに入れ、オーブンの温度を40
℃/60分の速度で125℃まで降温し、125℃から
−15℃まで14時間をかけて降温した。続いて、10
℃/60分の速度で昇温し、125℃まで上昇させて、
その間に流出した共重合体の相対濃度と分岐度をカラム
に接続したFT−IRで測定した。データは10℃の間
を等間隔で7点取り込んだ。設定した各温度毎に流出し
た共重合体の相対濃度と主鎖炭素1000個あたりの分
岐度(SCB)を求めながら、最終温度まで昇温した。
ただし、各溶出温度と分岐度の関係は、コモノマーの種
類に関係なく(式5)に従った。また、SCBがマイナ
スになる温度では、溶出無しとした。 SCB=−0.7322×溶出温度(℃)+70.68 (式5) 得られた相対濃度と分岐度より組成分布曲線を求め、こ
の曲線より(式6)から炭素1000個あたりの平均短
鎖分岐度(SCBave.)と組成分布の標準偏差(σ)を
求めて、分布の広さを表す組成分布変動係数(Cx)を
下記(式1)から算出した。 Cx=σ/SCBave. (式1) 平均短鎖分岐度(SCBave.)=ΣN(i)・W(i) (式6) N(i):i番目のデータサンプリング点の短鎖分岐度 W(i):i番目のデータサンプリング点の相対濃度、 即ち、ΣW(i)=1 組成分布の標準偏差(σ)={Σ(N(i)−SCBav
e.)}2・W(i)}0.5
%) 米国のcode of federal regulations, Food and Drugs
Administrationの§175.1520に規定された方法に従って
測定した。 (5)Haze(ヘイズ、透明性、単位:%) ASTM D1003に従って測定した。 (6)Gloss(グロス、光沢、単位:%) JIS K7105の規定に従って測定した。なお、入
射角は45°の条件で行なった。
性、単位:%) 縦3cm、横4cmのフィルム試料をレトルト釜を用
い、115℃の熱水中で30分間熱処理を行った。その
後40℃の温水シャワーで10分間冷却後、フィルム試
料のHazeを測定した。レトルト処理後のHazeが
小さいほど透明性が優れることを示す。
せ、その上に500gの荷重をのせ、レトルト釜を用い
120℃の熱水中で30分間熱処理を行なった。その後
40℃の温水シャワーで10分間冷却後、フィルム間の
剪断剥離に要する力を引張試験機を用いて測定した。こ
の値が小さい程、熱融着が弱く、耐熱融着性が優れるこ
とを示す。
せ、縦および横(底部)を1.5cm幅で150℃の条
件で3方ヒートシールを行い、袋を作製した。その中に
50ミリリットルの純水を入れ、横(上部)を同様にヒ
ートシールし、純水を充填したサンプル袋を作製した。
得られたサンプル袋を面方向から金属製の平板により、
3mm/分の速度で圧縮し、破袋を起こした点における
強度を測定した。
た成分およびフィルムの構成を表1に示した。 実施例1〜4、比較例1〜3 表1に示した組成および構成で、A層が中間層、B層が
両外層となるようにプラコー社製50mmφ押出機(L
/D=32)3台と、ダイ径150mmφ、リップ開度
2.0mmからなるインフレーション共押出加工機を用
いて、加工温度170℃、押出量36kg/hr、ブロ
ー比3.0、加工速度8m/分の条件下で厚み50μm
のレトルト包装用多層フィルムを製造した。製造された
レトルト包装用多層フィルムには、インラインでフィル
ム外面が45dyn/cmとなるようコロナ処理を施し
た。コロナ処理を施したレトルト包装用多層フィルムの
Haze(透明性)、Gloss(光沢)および引裂強
度を表1に示した。
記のレトルト包装用多層フィルムを、エーテル系接着剤
(主剤 東洋モートンAD308A、硬化剤 東洋モー
トンCAT8B)を2g/m2となるように塗布した厚
さ15μmの延伸ナイロン基材フィルム(ユニチカ社製
エンブレム)に、40℃、3kg/cmで圧着させた
後、40℃で2日間、加熱熟成することによりドライラ
ミネーション複合フィルムを得た。得られたドライラミ
ネーション複合フィルムのレトルト処理後のHaze
(透明性)、耐熱融着性および破袋強度を表2に示し
た。
(株)製、スミカセンE FV205、MFR=2.0
g/10分、密度=921g/m3、メタロセン触媒
系、組成分布変動係数Cx=0.61、冷キシレン可溶
部の重量割合a=1.0重量%) A2:エチレン−ヘキセン−1共重合体(住友化学工業
(株)製、スミカセンE FV203、MFR=2.0
g/10分、密度=912Kg/m3、メタロセン触媒
系、組成分布変動係数Cx=0.54、冷キシレン可溶
部の重量割合a=1.0重量%) B1:エチレン−ヘキセン−1共重合体(住友化学工業
(株)製、スミカセンα CS8051、MFR=2.
0g/10分、密度=940Kg/m3、チーグラーナ
ッタ触媒系) B2:エチレン−ヘキセン−1共重合体(住友化学工業
(株)製、スミカセンα FZ203−0、MFR=
2.0g/10分、密度=932Kg/m3、チーグラ
ーナッタ触媒系) 高圧法低密度ポリエチレン:住友化学工業(株)製、ス
ミカセン F200−0 滑剤:エルカ酸アミド ブロッキング防止剤:合成アルミノシリケート(水沢化
学社製、シルトンJC−50)
Haze(透明性)、Gloss(光沢)および引裂強
度に優れる3層フィルムであり、それを用いて得られた
ドライラミネーション複合フィルムはレトルト処理後の
Haze(透明性)、耐熱融着性および破袋強度に優れ
るものであることが分かる。
層に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体の密
度を満足しない比較例1は、Haze(透明性)、Gl
oss(光沢)および引裂強度が不充分な3層フィルム
であり、また、それを用いて得られたドライラミネーシ
ョン複合フィルムはレトルト処理後のHaze(透明
性)および破袋強度が不充分であることが分かる。
るエチレン−α−オレフィン共重合体の密度を満足しな
い比較例2は、Haze(透明性)、Gloss(光
沢)が不充分な3層フィルムであり、また、それを用い
て得られたドライラミネーション複合フィルムはレトル
ト処理後のHaze(透明性)、耐熱融着性および破袋
強度が不充分であることが分かる。
いるエチレン−α−オレフィン共重合体の密度を満足し
ない比較例3は、それを用いて得られたドライラミネー
ション複合フィルムの耐熱融着性が不充分であることが
分かる。
て、高温でのレトルト処理においてフィルムの内面同士
が融着せず、レトルト処理後の透明性等の外観に優れ、
破袋強度が改良されたレトルト包装用多層フィルムを得
ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】メルトフローレート(MFR)が0.1〜
20g/10分であり、密度(d)が900〜930K
g/m3であり、下記(式1)から得られる組成分布変
動係数(Cx)が0.7以下であり、冷キシレン可溶部
の重量割合(a)と密度(d)が下記(式2)の関係を
有するエチレンと炭素原子数3〜12のα−オレフィン
を共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合
体(I)からなる中間層(A層)の両表面に、密度が9
35〜950Kg/m3であり、メルトフローレート
(MFR)が0.1〜20g/10分であるエチレンと
炭素原子数3〜12のα−オレフィンを共重合して得ら
れるエチレン−α−オレフィン共重合体(II)からな
る表面層(B層)を積層して得られることを特徴とする
レトルト包装用多層フィルム。 Cx=σ/SCBave. (式1) (式中、σは組成分布の標準偏差、SCBave.は炭素原
子1000個(1000C)当たりの短鎖分岐数の平均
値(1/1000C)を表わす。) a<(4.8×10-5)×(950−d)3 +(10-6)×(950−d)4+1 (式2) (式中、aは冷キシレン可溶部の重量割合(重量%)を
表わし、dは密度(Kg/m3)を表わす。) - 【請求項2】エチレン−α−オレフィン共重合体(I)
とエチレン−α−オレフィン共重合体(II)の密度差
が10Kg/m3以上であることを特徴とする請求項1
記載のレトルト包装用多層フィルム。
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