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JP2002249656A - 薄肉情報記録媒体部品用樹脂組成物および成形品 - Google Patents

薄肉情報記録媒体部品用樹脂組成物および成形品

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JP2002249656A
JP2002249656A JP2001270021A JP2001270021A JP2002249656A JP 2002249656 A JP2002249656 A JP 2002249656A JP 2001270021 A JP2001270021 A JP 2001270021A JP 2001270021 A JP2001270021 A JP 2001270021A JP 2002249656 A JP2002249656 A JP 2002249656A
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Japan
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recording medium
resin
parts
resin composition
Prior art date
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Application number
JP2001270021A
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Hideyuki Umetsu
秀之 梅津
Daisuke Sato
大輔 佐藤
Yoshiki Makabe
芳樹 真壁
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JP2002249656A publication Critical patent/JP2002249656A/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄肉流動性、寸法安定性、耐折れ曲げ性、低
そり性に優れた薄肉情報記録媒体用樹脂組成物およびそ
れを成形してなる成形品の取得を課題とする。 【解決手段】ポリカーボネート系樹脂(A)99.5〜
50重量%と液晶性樹脂(B)0.5〜50重量%とか
らなる樹脂組成物からなる最大面の投影面積が3000
mm2以下厚さ2mm以下のサイズからなる薄肉情報記
録媒体の部品用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉流動性、寸法
安定性、耐折れ曲げ性、低そり性に優れ、さらに生産性
良好な薄肉情報記録媒体用樹脂組成物および成形品に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】デジタルカメラ、携帯型プレーヤー、携
帯端末の情報記録媒体として、コンパクトフラッシュ
(R)、MMC(MultiMedia Card)をはじめ、スマートメ
ディア(45mm×37mm×0.76mm厚)、メモ
リースティック(50mm×21.5mm×2.8m
m)などがある。これらの情報記録媒体は、小型であ
り、かつメモリー容量も数MBを越える高記憶容量を有
している。
【0003】これらの情報記録媒体は現在でもコンパク
トなサイズを実現できているが、主にPC/ABSのア
ロイ材を用い、プレス成形により製造されており、生産
性を考えた場合、あまり良好とは言えず、製造コスト低
減からも射出成形による製造が急務である。また、今
後、メモリーカードを記録媒体とする装置の高性能・高
機能化及び小型化により、メモリーカード装着スペース
の削減が不可欠であり、更なる小型、薄肉化が必要とさ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今後の
生産性の改良、あるいは小型、薄肉化に対し、従来の材
料では流動性が足りなくなり、射出成形での生産が難し
く、生産性が急激に低下してしまい、高圧で成形したと
しても無理に成形しているために得られた成形品のソリ
等が発生することがわかった。また、高性能化に伴い、
更なる寸法安定性が必要であることがわかった。
【0005】そこで本発明は上記の問題を解決し、射出
成形可能な薄肉流動性、得られた成形品の寸法安定性、
耐折れ曲げ性、低そり性に優れた薄肉情報記録媒体の部
品用樹脂組成物および成形品を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は(1)ポリカーボネート系樹脂(A)9
9.5〜50重量%と液晶性樹脂(B)0.5〜50重
量%とからなる、最大面の投影面積が3000mm2以
下厚さ2mm以下のサイズからなる薄肉情報記録媒体の
部品用樹脂組成物、(2)ポリカーボネート系樹脂
(A)99.5〜50重量%と液晶性樹脂(B)0.5
〜50重量%からなる樹脂組成物100重量部に対し、
リン酸エステルを0.1〜30重量部配合してなる、最
大面の投影面積が3000mm2以下厚さ2mm以下の
サイズからなる薄肉情報記録媒体の部品用樹脂組成物、
(3)ポリカーボネート系樹脂(A)がフェノール性末
端基(EP)と非フェノール性末端基(EN)の当量比
(EP)/(EN)が1/20以下のものを用いることを
特徴とする上記(1)または(2)記載の薄肉情報記録
媒体の部品用樹脂組成物、(4)ポリカーボネート系樹
脂単体のガラス転移温度に対する薄肉情報記録媒体の部
品用樹脂組成物のガラス転移温度の変化率が5%未満で
あることを特徴とする上記(1)または(3)記載の薄
肉情報記録媒体の部品用樹脂組成物、(4)薄肉情報記
録媒体の部品用樹脂組成物において液晶性樹脂(B)未
配合の樹脂組成物のガラス転移温度(℃)に対する液晶
性樹脂(B)配合後の樹脂組成物のガラス転移温度
(℃)の変化率が5%未満であることを特徴とする上記
(1)〜(3)いずれか記載の薄肉情報記録媒体の部品
用樹脂組成物、(5)上記(1)〜(4)いずれか記載
の薄肉情報記録媒体の部品用樹脂組成物を成形してなる
薄肉情報記録媒体の部品用成形品であって、その成形品
厚みが0.6mm以下の部分の投影面積が全投影面積に
対して、20%以上であることを特徴とする薄肉情報記
録媒体の部品用成形品、(6)上記(5)記載の薄肉情
報記録媒体の部品用成形品が薄肉情報記録媒体のシャー
シまたはフレーム、ケースである薄肉情報記録媒体の部
品用成形品、(7)上記(5)または(6)記載の成形
品が射出成形によって得られたものである薄肉情報記録
媒体の部品用成形品を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明において「重量」とは「質量」を意味す
る。
【0008】本発明で用いるポリカーボネート系樹脂
(A)としては、カーボネート結合を有し、芳香族二価
フェノール系化合物とホスゲン、または炭酸ジエステル
などとを反応させることにより得られる芳香族ホモまた
はコポリカーボネートが挙げられる。
【0009】該芳香族ホモまたはコポリカーボネート
は、メチレンクロライド中1.0g/dlの濃度で20
℃で測定した対数粘度が0.2〜3.0dl/g、特に
0.3〜1.5dl/gの範囲のものが好ましく用いら
れる。ここで二価フェノール系化合物としては、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プ
ロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使
用でき、これら単独あるいは混合物として使用すること
ができる。上記中、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンが好ましい。
【0010】なかでも本発明で添加する液晶性樹脂
(B)との極端なエステル交換反応による結晶性低下に
よる剛性低下を抑制するために、芳香族二価フェノール
系化合物とホスゲンを反応させることにより得られるフ
ェノール性末端基(EP)と非フェノール性末端基(E
N)の当量比(EP)/(EN)が1/20以下であるポ
リカーボネート系樹脂を用いることが好ましく、より好
ましくは1/40以下であり、さらに好ましくは1/7
0以下である。
【0011】ポリカーボネート系樹脂の末端基の測定
は、例えば、ポリカーボネート系樹脂を酢酸酸性メチレ
ンクロライドに溶解し、四塩化チタンを加え、生成する
赤色錯体を546nmで測光定量して行なうことができ
る。
【0012】かかる末端基を有するポリカーボネートは
ホスゲン法により製造することができる。
【0013】本発明で用いられる液晶性樹脂(B)は、
異方性溶融相を形成し得る樹脂であり、エステル結合を
有するものが好ましい。例えば芳香族オキシカルボニル
単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪
族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ単位などから
選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成す
る液晶性ポリエステル、あるいは、上記構造単位と芳香
族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳香族
イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からなり、
かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルアミド
などである。
【0014】芳香族オキシカルボニル単位としては、例
えば、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸などから生成した構造単位、芳香族ジオキシ
単位としては、例えば、4,4´−ジヒドロキシビフェ
ニル、ハイドロキノン、3,3’,5,5’−テトラメ
チル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、t−ブチル
ハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
および4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなど
から生成した構造単位、芳香族および/または脂肪族ジ
カルボニル単位としては、例えば、テレフタル酸、イソ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’
−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボ
ン酸および4,4’ジフェニルエーテルジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸などから生成した構造単位、ア
ルキレンジオキシ単位としてはエチレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル等から生成した構造単位(なかでもエチレングリコー
ルから生成した構造単位が好ましい。)、芳香族イミノ
オキシ単位としては、例えば、4−アミノフェノールな
どから生成した構造単位が挙げられる。
【0015】液晶性ポリエステルの具体例としては、p
−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、
芳香族ジヒドロキシ化合物および/または脂肪族ジカル
ボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、
4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単
位、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン
酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジ
カルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエ
ステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単
位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフ
タル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エ
チレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸
およびイソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶
性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した
構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、
4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単
位、テレフタル酸および/またはアジピン酸、セバシン
酸等の脂肪族ジカルボンから生成した構造単位からなる
液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成
した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単
位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、
テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単
位からなる液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
【0016】なかでも異方性溶融相を形成する液晶性ポ
リエステルの例としては、下記(I)、(II)、(III)
および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、
または、(I)、(III) および(IV)の構造単位からな
る液晶性ポリエステルなどが好ましく挙げられる。
【0017】特に好ましいのは(I)、(II)、(III)お
よび(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルであ
る。
【0018】
【化1】
【0019】(ただし式中のR1は
【0020】
【化2】
【0021】から選ばれた1種以上の基を示し、R2は
【0022】
【化3】
【0023】から選ばれた1種以上の基を示す。ただし
式中Xは水素原子または塩素原子を示す。)。
【0024】上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香
酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−
テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハ
イドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒド
ロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよ
び4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ば
れた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した
構造単位を、構造単位(III)はエチレングリコールから
生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イ
ソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボ
ン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸
から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成し
た構造単位を各々示す。これらのうちR1が
【0025】
【化4】
【0026】であり、R2が
【0027】
【化5】
【0028】であるものが特に好ましい。
【0029】本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエ
ステルは、上記したように、構造単位(I)、(III)、(IV)
からなる共重合体および上記構造単位(I)、(II)、(II
I)、(IV)からなる共重合体から選択される1種以上であ
り、上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合
量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮させるた
めには次の共重合量であることが好ましい。
【0030】すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(II
I)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)
および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合
計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜85モ
ル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位
(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が
好ましく、60〜15モル%がより好ましい。また、構
造単位(I)の(II)に対するモル比[(I)/(II)]は好まし
くは75/25〜95/5であり、より好ましくは78
/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単
位(II)および(III)の合計と実質的に等モルであること
が好ましい。
【0031】一方、上記構造単位(II) を含まない場合
は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および
(III)の合計に対して40〜90モル%であることが好
ましく、60〜88モル%であることが特に好ましく、
構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モルである
ことが好ましい。
【0032】ここで実質的に等モルとは、末端を除くポ
リマー主鎖を構成するユニットが等モルであるが、末端
を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らな
いことを意味する。
【0033】また液晶性ポリエステルアミドとしては、
上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールか
ら生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性
溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0034】上記好ましく用いることができる液晶性ポ
リエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記構造単
位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニ
ルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸な
どの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン
酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジ
ヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安
息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸などを液
晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめるこ
とができる。
【0035】本発明において使用する上記液晶性樹脂
(B)の製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエス
テルの重縮合法に準じて製造できる。
【0036】例えば、上記液晶性ポリエステルの製造に
おいて、次の製造方法が好ましく挙げられる。 (1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセ
トキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族
ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性
ポリエステルを製造する方法。 (2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒド
ロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無
水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化し
た後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを
製造する方法。 (3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよ
び4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン
などの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール
重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。 (4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを
反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重
縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。 (5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
のポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス
(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)ま
たは(2)の方法により液晶性ポリエステルを製造する
方法。
【0037】また、本発明における液晶性樹脂(B)の
溶融粘度は0.5〜100Pa・sが好ましく、特に1〜5
0Pa・sがより好ましい。また、流動性により優れた組成
物を得ようとする場合には、溶融粘度を40Pa・s以下と
することが好ましい。
【0038】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0039】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分
の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度
(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保
持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し
た後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測さ
れる吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0040】液晶性樹脂(B)の融点は、特に限定され
ないが、ポリカーボネート樹脂(A)への分散性の点か
ら好ましくは340℃以下、より好ましくは330℃以
下である。下限については250℃以上が好ましい。さ
らに好ましくは285〜330℃である。
【0041】本発明で用いるポリカーボネート系樹脂
(A)と液晶性樹脂(B)の配合比は、流動性、寸法安
定性と低そり性、耐折れ曲げ性のバランスの点から、
(A)と(B)の合計に対し、(A)99.5〜50重
量%、(B)0.5〜50重量%、好ましくは(A)9
6〜65重量%、(B)4〜35重量%、より好ましく
は(A)93〜70重量%、(B)7〜30重量%であ
る。
【0042】また、ポリカーボネート系樹脂(A)に対
し、液晶性樹脂(B)を配合すると一部交換反応が起こ
り、得られる組成物のガラス転移温度は液晶樹脂配合前
の(A)のガラス転移温度から変化するが、本発明の効
果を最大限に発揮するためには、(A)に対する得られ
た組成物のガラス転移温度の変化率が好ましくは5%未
満、さらには3%未満であることがとりわけ優れた流動
性を得る点で好ましい。これは、充填材成分を添加した
場合も同様であるが、ただし、リン酸エステル等をはじ
めとする可塑化効果のある添加剤を用いた組成物(D)
のガラス転移温度(℃)は、液晶性樹脂(B)未配合で
もポリカーボネート系樹脂(A)単体に対して低下する
ので、そのような組成物(D)にさらに液晶性樹脂
(B)を添加する場合は、得られた液晶性樹脂(B)配
合の組成物(E)のガラス転移温度(℃)の変化率は、
液晶性樹脂(B)未配合の樹脂組成物(D)に対するガ
ラス転移温度(℃)の変化率であり、その変化率は、好
ましくは5%未満、さらには3%未満である。
【0043】ガラス転移温度の求め方は、例えば、一般
に用いられる方法であれば、特に規定せず、例えば、示
差熱量測定において、20℃/分の昇温条件で測定した
際に観測される変曲点をガラス転移温度とし、樹脂組成
物が複数成分からなる場合には複数の変曲点が観察され
るが、対象とする変曲点はポリカーボネート系樹脂
(A)由来の変曲点とする。
【0044】また、ポリカーボネート系樹脂(A)中に
おける液晶性樹脂(B)の分散状態については特に規定
されないが、優れた流動性および寸法安定性を発揮する
ためには、成形品の中心部において流れ方向(粒子の配
向方向)に切削した場合、球状分散に近いことが好まし
く、具体的には液晶性樹脂粒子の平均アスペクト比(粒
子の長径/短径)が、6未満が好ましく、より好ましく
は4以下、さらに好ましくは3以下である。また、粒子
の長径を測定した重量平均分散径が、好ましくは0.5
μm以上、より好ましくは1〜10μm、さらに好まし
くは2〜6μmである。液晶性樹脂のポリカーボネート
系樹脂(A)中の分散状態が上記の範囲内の時に本組成
物における最大の効果を発現する。
【0045】液晶性樹脂(B)中のポリカーボネート系
樹脂(A)の数平均分散径の測定方法は、組成物の配向
方向に切削して得られたコア層部分の切片を電子透過型
顕微鏡(TEM)により観察・写真撮影し、分散粒子1
00個の平均値をそれぞれ平均アスペクト比および数平
均分散径として求めた。なお、重量平均分散粒子径は長
径方向で測定するものとする。
【0046】本発明において薄肉情報記録媒体の部品用
樹脂組成物の機械強度その他の特性を付与するために充
填剤を使用することが可能であり、特に限定されるもの
ではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状など非繊維状
の充填剤を使用することができる。具体的には例えば、
ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレ
ス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、
芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラ
ミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミ
ナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊
維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタ
ン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカ
ー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー状
充填剤、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カル
シウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイク
ロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイ
ト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、グ
ラファイトなどの粉状、粒状あるいは板状の充填剤が挙
げられる。上記充填剤中、ガラス繊維、炭素繊維、マイ
カ、カオリンが好ましく使用される。ガラス繊維の種類
は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はな
く、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドス
トランド、ミルドファイバーなどから選択して用いるこ
とができる。また、上記の充填剤は機械強度と真円性の
バランスを得るために2種以上を併用して使用すること
もでき、例えば、ガラス繊維とマイカあるいはカオリ
ン、ガラス繊維とガラスビーズ、炭素繊維とマイカある
いはカオリン、炭素繊維とミルドファイバーあるいはガ
ラスフレーク等が挙げられる。なお、本発明に使用する
上記の充填剤はその表面を公知のカップリング剤(例え
ば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリン
グ剤など)、その他の表面処理剤で処理して用いること
もできる。
【0047】また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル
共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬
化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0048】上記の充填剤の添加量は(A)成分と
(B)成分の合計100重量部に対して通常、0.5〜
100重量部であることが好ましく、より好ましくは1
0〜80重量部、特に好ましくは20〜60重量部であ
る。
【0049】本発明において薄肉情報記録媒体の部品用
樹脂組成物に更なる流動性向上および薄肉難燃性などの
特性を付与するために下記一般式(1)で表される燐酸
エステルを使用することができる。
【0050】本発明に使用される燐酸エステルとして
は、下記式(1)で表されるものが挙げられる。
【0051】
【化6】
【0052】まず前記式(1)で表される難燃剤の構造
について説明する。前記式(1)の式中nは0以上の整
数であり、好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜5
である。上限は難燃性の点から40以下が好ましい。
【0053】またk、mは、それぞれ0以上2以下の整
数であり、かつk+mは、0以上2以下の整数である
が、好ましくはk、mはそれぞれ0以上1以下の整数、
特に好ましくはk、mはそれぞれ1である。
【0054】また前記式(1)の式中、R1〜R8は同
一または相異なる水素または炭素数1〜5のアルキル基
を表す。ここで炭素数1〜5のアルキル基の具体例とし
ては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−
ブチル基、n−イソプロピル、ネオペンチル、tert
−ペンチル基、2ーイソプロピル、ネオペンチル、te
rt−ペンチル基、3−イソプロピル、ネオペンチル、
tert−ペンチル基、ネオイソプロピル、ネオペンチ
ル、tert−ペンチル基などが挙げられるが、水素、
メチル基、エチル基が好ましく、とりわけ水素が好まし
い。
【0055】またAr1、Ar2、Ar3、Ar4は同
一または相異なる芳香族基あるいはハロゲンを含有しな
い有機残基で置換された芳香族基を表す。かかる芳香族
基としては、ベンゼン骨格、ナフタレン骨格、インデン
骨格、アントラセン骨格を有する芳香族基が挙げられ、
なかでもベンゼン骨格、あるいはナフタレン骨格を有す
るものが好ましい。これらはハロゲンを含有しない有機
残基(好ましくは炭素数1〜8の有機残基)で置換され
ていてもよく、置換基の数にも特に制限はないが、1〜
3個であることが好ましい。具体例としては、フェニル
基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、
ナフチル基、インデニル基、アントリル基などの芳香族
基が挙げられるが、フェニル基、トリル基、キシリル
基、クメニル基、ナフチル基が好ましく、特にフェニル
基、トリル基、キシリル基が好ましい。
【0056】またYは直接結合、O、S、SO2、C
(CH3)2、CH2、CHPhを表し、Phはフェニ
ル基を表す。
【0057】このような燐酸エステルとしては、大八化
学社製PX−200、PX−201、PX−130、C
R−733S、TPP、CR−741、CR747、T
CP、TXP、CDPから選ばれる1種または2種以上
が使用することができ、好ましくはPX−200、TP
P、CR−733S、CR−741、CR747から選
ばれる1種または2種以上、特に好ましくはPX−20
0、CR−733S、CR−741を使用することがで
きるが、この中で特に好ましくはPX−200である。
【0058】本発明に用いる燐酸エステルは、いずれか
1種、または2種以上の混合物であってもよい。
【0059】上記燐酸エステルを添加する場合の添加量
は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し
て、通常、0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜2
5重量部、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ま
しくは2〜20重量部である。なかでも3〜15重量部
が、特に好ましい。
【0060】燐酸エステルの添加量が本発明の範囲より
多すぎる場合、機械物性の低下およびガス発生による噛
み込み不良あるいはガス焼け等が発生しやすくなる傾向
にあり、少なすぎる場合、添加による難燃性付与効果が
小さい。
【0061】さらに、本発明の薄肉情報記録媒体の部品
用樹脂組成物には、酸化防止剤および熱安定剤(たとえ
ばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト
類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえ
ばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾー
ル、ベンゾフェノンなど)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩
などの着色防止剤、滑剤、染料(たとえばニグロシンな
ど)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタロシア
ニンなど)を含む着色剤、滑剤および離型剤(モンタン
酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、
ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレ
ンワックスなど)、導電剤あるいは着色剤としてカーボ
ンブラック、結晶核剤、可塑剤、難燃剤(例えばブロム
化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素
化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、メラミンお
よびシアヌール酸またはその塩、赤燐など)、難燃助
剤、摺動性改良剤(グラファイト、フッ素樹脂)、帯電
防止剤などの通常の添加剤を添加して、所定の特性をさ
らに付与することができる。
【0062】また、本発明においては、その他の特性を
付与させるために他の樹脂(例えばABS樹脂、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートな
どのポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポ
リエーテルスルフォン、アクリル樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン、アイオノマー樹脂等)、好ましくはA
BS樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
テレフタレートなどのポリエステル樹脂を配合すること
ができ、その量としては(A)および(B)の合計10
0重量部に対して60重量部以下、好ましくは50重量
部以下、特に好ましくは40重量部以下であることが好
ましい。
【0063】また、更なる特性改良の必要性に応じて無
水マレイン酸などによる酸変性オレフィン系重合体、エ
チレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共
重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合
体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/
メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニ
ル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/
プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体などのオレフ
ィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエラストマ
ー、ポリエステルポリエステルエラストマー等のエラス
トマーから選ばれる1種または2種以上の混合物を添加
して所定の特性をさらに付与することができる。
【0064】本発明の薄肉情報記録媒体の部品用樹脂組
成物は、通常公知の方法で製造される。例えば、ポリカ
ーボネート系樹脂(A)および液晶性樹脂(B)成分
中、その他の必要な添加剤および充填材を予備混合し
て、またはせずに押出機などに供給して十分溶融混練す
ることにより調製される。また、充填材を添加する場
合、充填材の繊維の折損を抑制するために好ましくは、
ポリカーボネート系樹脂(A)、液晶性樹脂(B)およ
び添加剤を押出機の元から投入し、充填材をサイドフィ
ーダーを用いて押出機へ供給することにより調整され
る。
【0065】燐酸エステルを添加する場合には、ハンド
リング性、分散性を向上させるために(A)または
(B)で予め、高濃度品を作成し、添加するマスターペ
レット法を用いることも可能である。
【0066】薄肉情報記録媒体用樹脂組成物を製造する
に際し、例えば“ユニメルト”タイプのスクリューを備
えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプ
の混練機などを用いて180〜350℃で溶融混練して
組成物とすることができるが、本発明の効果をより鮮明
に発揮するためには溶融加工条件を制御することが好ま
しい。
【0067】例えば、溶融混練温度については、配合す
る液晶性樹脂(B)の融点以下かつ液晶開始温度以上で
行うことが好ましく、より好ましくは液晶性樹脂(B)
の融点−5℃〜液晶開始温度であり、さらに好ましくは
液晶性樹脂(B)の融点−10℃〜液晶開始温度であ
る。かかる方法で溶融混練する場合には、組成物のガラ
ス転移温度の変化率を小さくし得る傾向があり、ひいて
は発明の効果である流動性を特に効率よく発揮すること
ができる。本発明においては、溶融混練した組成物を直
接成形してもよいが、一旦ペレタイズなどして成形材料
とした後、成形に供することも可能である。
【0068】ここでいう溶融混練温度とは樹脂温度を指
す。例えば、溶融混練、溶融成形などの溶融加工時にお
いては一般的にせん断発熱により樹脂温度がシリンダー
設定温度より高温になるため、シリンダー設定温度を目
的の樹脂温度になるように若干低温に設定するか、ある
いはそれとともに、スクリュー回転数やスクリューアレ
ンジを制御して樹脂温度を上記範囲におさめること、あ
るいはサイドフィーダー備え付けの押出機を用いる場合
には、サイドから液晶性樹脂(B)を配合する全量の一
部もしくは全部を投入する方法が好ましく用いられる。
液晶開始温度の測定は、剪断応力加熱装置(CSS−4
50)により剪断速度1,000(1/秒)、昇温速度
5.0℃/分、対物レンズ60倍において測定し、視野
全体が流動開始する温度を液晶開始温度とした。
【0069】また、薄肉情報記録媒体の部品用樹脂組成
物を成形するにあたっての成形方法は通常の成形方法
(射出成形、プレス成形、インジェクションプレス成形
など)により、三次元成形品、シート、ケース(筐体)
などに加工することができるが、生産性を考慮した場
合、射出成形あるいはインジェクションプレス成形等が
好ましい。
【0070】かくして得られる成形品は、流動性、寸法
安定性、耐折れ曲げ性、低ソリ性に優れることから、薄
肉情報記録媒体の部品用成形品に有用であり、特に最大
面の投影面積が3000mm2以下、厚さ3mm以下の
サイズからなる媒体、さらには本発明の組成物が流動
性、低そり性に優れることから部品である成形品がその
厚み0.6mm以下の部分の投影面積が全投影面積に対
して20%有するものである場合に特に有用であり、例
えば、コンパクトフラッシュ(R)、MMC(MultiMedia
Card)、スマートメディア、メモリースティック、SD
メモリーカード等のシャーシ、フレーム部材、ケースに
用いられ、特に今後薄肉化が進むと思われるSDメモリ
ーカードのフレームに有用である。
【0071】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0072】参考例1(ポリカーボネート系樹脂) PC PC1:ゼネラルエレクトリック社製”レキサン”14
1(フェノール性末端基(EP)と非フェノール性末端
基(EN)の当量比 (EP)/(EN)は、四塩化チタ
ン錯体測光定量の結果1/100) PC2:ビスフェノールAとジフェニルカーボネートと
の溶融重合により合成したもの(メチレンクロライド中
1.0g/dlの濃度で20℃で測定した対数粘度が
0.45dl/g、(EP)/(EN)=1/3) PC/ABS:上記PC1を55重量%とブタジエンゴム含有
量が9%のABS樹脂45重量%を2軸押出機(池貝P
CM30)を用いてシリンダー温度(樹脂温度)250
℃で溶融混練した。
【0073】参考例2(液晶性樹脂) LCP1 p−ヒドロキシ安息香酸995重量部、4,4’−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレ−ト216重量部及び無水酢酸960重量部を
撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行っ
た。芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族
ジオキシ単位7.5モル当量、エチレンジオキシ単位1
2.5モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量
からなる融点314℃、液晶開始温度293℃の18Pa
・s(324℃、オリフィス0.5φ×10mm、ずり速度
1,000(1/秒))のペレットを得た。
【0074】LCP2 p−ヒドロキシ安息香酸907重量部と6−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸457重量部及び無水酢酸873重量
部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を
行った結果、芳香族オキシカルボニル単位100モル当
量からなる融点283℃、液晶開始温度233℃、29
3℃の溶融粘度が50Pa・s(オリフィス0.5φ×
10mm、ずり速度1,000(1/秒))の液晶性樹脂
が得られた。
【0075】各評価については、次に述べる方法にした
がって測定した。
【0076】(1)薄肉流動性 ROBOSHOTα−30C(ファナック社製)を用い
て表1中成形時樹脂温度として示したシリンダー温度、
金型温度80℃で12mm幅×150mm長×0.3m
m厚の成形品を射出速度300mm/sec、樹脂圧79M
Paで流動長を評価した。
【0077】(2)寸法安定性 住友ネスタ−ル射出成形機プロマット40/25(住友
重機械工業(株)製)を用いて表1中成形時樹脂温度と
して示したシリンダー温度、金型温度80℃で角形成形
品(80mm×80mm×1mm厚)を成形し、得られ
た成形品の流れ方向の成形収縮率を測定した。
【0078】(3)耐折れ曲げ性 住友ネスタ−ル射出成形機プロマット40/25(住友
重機械工業(株)製)を用いて表1中成形時樹脂温度と
して示したシリンダー温度、金型温度80℃で20mm
幅×40mm長×0.5mm厚の成形品を流れ方向にそ
って60°折り曲げたときの割れ性を評価した。評価
は、○:割れなかった、×:半分に割れたとした。
【0079】(4)低そり性 東芝IS−55EPN(東芝機械(株)社製)を用いて
表1中成形時樹脂温度として示したシリンダー温度、金
型温度80℃で55mm幅×85mm長×0.5mm厚
の名刺型成形品を一点ピンゲートで成形し、そのそり性
を見た。評価は、◎:全く反りなし、○:1mm未満の
中心部の浮きあり、×:中心部の1mm以上の盛り上が
り(ソリ)あるいは成形不可とした。
【0080】(5)Tg変化率 上記(1)で得られた試験片をパーキンエルマー製示差
走査熱量計にて20℃/minでポリカーボネート由来の
変曲点を測定し、液晶性樹脂を配合した組成物(Y)の
ガラス転移点を求めた。また、液晶性樹脂未配合のポリ
カーボネート系樹脂組成物(X)とする以外は同様の方
法で得られた試験片を用い、同様の方法でガラス転移点
を求めた。これらの結果に基づき以下の式で変化率を求
めた。 変化率(%)=(X−Y)/X×100 実施例1〜4、比較例1〜5 表1に示した割合でPCM30型2軸押出機(池貝鉄鋼
社製)を用いてポリカーボネート系樹脂(A)、液晶性
樹脂(B)をドライブレンドし、表1中押出時樹脂温度
として示した樹脂温度で溶融混練してペレットとした。
このペレットを上記評価方法ごとに成形品を得た。
【0081】実施例5、比較例6 表1に示した割合でPCM30型2軸押出機(池貝鉄鋼
社製)を用いてポリカーボネート系樹脂(A)、液晶性
樹脂(B)、燐酸エステル(PX−200;大八化学社
製)をドライブレンドし、表1中押出時樹脂温度として
示した樹脂温度で溶融混練してペレットとした。このペ
レットを上記評価方法ごとに成形品を得た。
【0082】
【表1】
【0083】表1からも明らかなように本発明の組成物
は比較例に比べ、薄肉流動性、寸法安定性、耐折れ曲げ
性、低そり性に優れていることがわかる。
【0084】
【発明の効果】本発明の薄肉情報記録媒体の部品用樹脂
組成物は、薄肉流動性、寸法安定性、耐折れ曲げ性、低
そり性に優れることから、薄肉情報記録媒体の部品用成
形品に好適な材料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA43 AA50 AA86 AC15 AH05 AH12 BC07 4J002 CF042 CF082 CG011 CL082 FD010 GS00 5B035 AA04 AA07 BA05 BB09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネート系樹脂(A)99.5〜
    50重量%と液晶性樹脂(B)0.5〜50重量%とか
    らなる、最大面の投影面積が3000mm2以下厚さ2
    mm以下のサイズからなる薄肉情報記録媒体の部品用樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリカーボネート系樹脂(A)99.5〜
    50重量%と液晶性樹脂(B)0.5〜50重量%から
    なる樹脂組成物100重量部に対し、リン酸エステルを
    0.1〜30重量部配合してなる、最大面の投影面積が
    3000mm2以下厚さ2mm以下のサイズからなる薄
    肉情報記録媒体の部品用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリカーボネート系樹脂(A)がフェノー
    ル性末端基(EP)と非フェノール性末端基(EN)の当
    量比(EP)/(EN)が1/20以下のものを用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載の薄肉情報記録媒体の部品
    用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ポリカーボネート系樹脂単体のガラス転移
    温度に対する薄肉情報記録媒体の部品用樹脂組成物のガ
    ラス転移温度の変化率が5%未満であることを特徴とす
    る請求項1または3記載の薄肉情報記録媒体の部品用樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】薄肉情報記録媒体の部品用樹脂組成物にお
    いて液晶性樹脂(B)未配合の樹脂組成物のガラス転移
    温度(℃)に対する液晶性樹脂(B)配合後の樹脂組成
    物のガラス転移温度(℃)の変化率が5%未満であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の薄肉情報記
    録媒体の部品用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5いずれか記載の薄肉情報記録
    媒体の部品用樹脂組成物を成形してなる薄肉情報記録媒
    体の部品用成形品であって、その成形品厚みが0.6m
    m以下の部分の投影面積が全投影面積に対して、20%
    以上であることを特徴とする薄肉情報記録媒体の部品用
    成形品。
  7. 【請求項7】請求項6記載の薄肉情報記録媒体の部品用
    成形品が薄肉情報記録媒体のシャーシまたはフレーム、
    ケースである薄肉情報記録媒体の部品用成形品。
  8. 【請求項8】請求項6または7記載の成形品が射出成形
    によって得られたものである薄肉情報記録媒体の部品用
    成形品。
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