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JP2002240513A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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Publication number
JP2002240513A
JP2002240513A JP2001043141A JP2001043141A JP2002240513A JP 2002240513 A JP2002240513 A JP 2002240513A JP 2001043141 A JP2001043141 A JP 2001043141A JP 2001043141 A JP2001043141 A JP 2001043141A JP 2002240513 A JP2002240513 A JP 2002240513A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circumferential
pneumatic tire
tire
groove
tread
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001043141A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Fukunaga
高之 福永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2001043141A priority Critical patent/JP2002240513A/ja
Publication of JP2002240513A publication Critical patent/JP2002240513A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操縦安定性等の他性能を犠牲にすることなく
ウエット性能及び低ノイズ性を高めることのできる空気
入りタイヤを提供すること。 【解決手段】 トレッド12に、排水用の周方向主溝1
4,16及び横溝20,24を形成する。タイヤ赤道面
CL上には周方向に連続するリブ18を設け、高い操縦
安定性を得る。リブ18の両端部には、周方向に長い三
角形の排水用凹部28を周方向に間隔をおいて形成す
る。これらの排水用凹部28によりリブ18と路面との
間に介在する水を周方向主溝14に排出でき、ウエット
性能を向上できる。また、排水用凹部28の形状を周方
向に長い三角形としたので、リブ18の周方向の剛性を
低下させない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トレッド部中央領
域に周方向溝で区画された周方向に連続する1本以上の
周方向陸部と、トレッド部中央側からトレッド端側へ延
び、かつ周方向に対して一方向に傾斜する複数の横溝を
トレッドに備えた空気入りタイヤに係り、特に、他性能
を犠牲にすることなくウエット性能及び低ノイズ性を高
めた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ドライ路面での操縦安定性、特に
微小舵角時のハンドル応答性を向上させる手法として、
トレッド接地面部の略中央に少なくとも1本の周方向に
延びる周方向リブを備え、その周方向リブの幅を拡大す
ることでリブの剛性を高めることが考えられていた。
【0003】しかし、周方向リブの幅を拡大すると、ト
レッド接地部の中央領域のネガティブ比が減少し、排水
性が低下してウエット性能が悪化する問題がある。
【0004】また、上記のように操縦安定性とウエット
性能を両立する手法として、現在では、周方向リブの幅
を拡大し、同じに周方向リブ両側にのみ開口する切欠状
の横溝を備えることが考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、周方向
リブに切欠状の横溝を形成すると、周方向リブの回転方
向の陸部剛性が低下し、ドライ路面での操縦安定性、特
に微小舵角時のハンドル応答性やパターンノイズの悪化
が懸念される。
【0006】本発明は、上記事実を考慮し、トレッド部
中央領域に、周方向溝で区画された周方向に連続する1
本以上の周方向陸部を備えた空気入りタイヤにおいて、
操縦安定性等の他性能を犠牲にすることなくウエット性
能及び低ノイズ性を高めることのできる空気入りタイヤ
を提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、トレッド部中央領域に、少なくとも周方向溝で区画
された周方向に連続する1本以上の周方向陸部を備えた
空気入りタイヤであって、前記周方向陸部には、少なく
ともタイヤ軸方向の一方の端部に、トレッド表面側から
見て周方向に長い略三角形の凹部が周方向に間隔をおい
て設けられていることを特徴としている。
【0008】次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0009】請求項1に記載の空気入りタイヤでは、ト
レッド部中央領域に周方向に連続する1本以上の周方向
陸部を設けているので、トレッド部中央領域に周方向に
分断されたブロックを設けたパターンに比較してトレッ
ド部中央領域の剛性が高く、ドライ路面での操縦安定
性、特に微小舵角時のハンドル応答性を向上できる。
【0010】また、この空気入りタイヤは、車両前進
時、凹部のタイヤ軸方向の広い側が踏み込み側(最初に
路面に接地する側)となるように方向を指定して装着す
る。
【0011】このように装着することにより、ウエット
路面走行時においては、周方向陸部の端部に設けた周方
向に長く、かつ周方向の一方側から他方側に向けてタイ
ヤ軸方向の幅が漸減している凹部により周方向陸部と路
面との間に介在する水を周方向溝に排出でき、ウエット
性能を向上できる。
【0012】即ち、周方向陸部の幅方向中央側部分と路
面との間に介在する水を、凹部の軸方向に長い部分にて
凹部内に取り込み、取り込んだ水は凹部の周方向に対し
て傾斜した側面(凹部は、周方向の一方側から他方側に
向けてタイヤ軸方向の幅が漸減しているため、側面は周
方向に傾斜する。)に沿って流し、スムーズに周方向溝
へ排出することができる。
【0013】ここで、同一ネガティブ比で比較した場
合、トレッド表面から見て周方向に長く、かつ周方向の
一方側から他方側に向けてタイヤ軸方向の幅が漸減して
いる凹部を設けた周方向陸部は、幅方向に延びて陸部を
横断(または実質的に横断)するタイヤ軸方向に長い横
溝を設けた周方向陸部よりも周方向の陸部剛性を確保す
ることができ、高い操縦安定性が得られる。
【0014】さらに、横溝を設けた周方向陸部を備えた
従来のタイヤでは、タイヤ軸方向に延びる踏み込み側の
エッジ成分が長く、横溝が路面に接触する際に、単位時
間当りの路面に対する横溝の接触面積が急激に増大する
ので騒音が発生し易いが、周方向に長い略三角形の凹部
は、タイヤ軸方向に延びる踏み込み側のエッジ成分が短
く、単位時間当りの路面に対する接触面積の増加が少な
いので騒音を発生し難い。
【0015】なお、トレッド部中央領域とは、トレッド
をタイヤ軸方向に三等分したときの中央部分の領域のこ
とである。
【0016】請求項2に記載の発明は、トレッド部中央
領域に設けられ周方向溝で区画された周方向に連続する
1本以上の周方向陸部と、トレッド部中央側からトレッ
ド端側へ延びる複数の横溝をトレッドに備えた空気入り
タイヤにおいて、前記周方向陸部には、少なくともタイ
ヤ軸方向の一方の端部に、周方向に間隔をおいて凹部が
設けられており、トレッド表面側から見た前記凹部の形
状は、周方向に長く、かつ周方向の一方側から他方側に
向けてタイヤ軸方向の幅が漸減していることを特徴とし
ている。
【0017】次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0018】請求項2に記載の空気入りタイヤでは、ト
レッド部中央領域に周方向に連続する1本以上の周方向
陸部を設けているので、トレッド部中央領域に周方向に
分断されたブロックを設けたパターンに比較してトレッ
ド部中央領域の剛性が高く、ドライ路面での操縦安定
性、特に微小舵角時のハンドル応答性を向上できる。
【0019】また、ウエット路面走行時は、周方向陸部
の端部に設けた周方向に長い略テーパー形状の凹部によ
り周方向陸部と路面との間に介在する水を周方向溝に排
出でき、ウエット性能を向上できる。
【0020】ここで、同一ネガティブ比で比較した場
合、トレッド表面から見て周方向に長い略テーパー形状
の凹部を設けた周方向陸部は、幅方向に延びて陸部を横
断(または実質的に横断)する横溝を設けた周方向陸部
よりも周方向の陸部剛性を確保することができ、高い操
縦安定性が得られる。
【0021】また、横溝を設けた周方向陸部を備えた従
来のタイヤでは、横溝が路面に接触する際に、路面に対
する横溝の接触面積が急激に増大するので騒音が発生し
易いが、周方向に長い凹部は、タイヤ軸方向に延びる踏
み込み側のエッジ成分が短く、単位時間当りの路面に対
する接触面積の増加が少ないので騒音を発生し難い。
【0022】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の空気入りタイヤにおいて、前記略三角形の凹部は、前
記周方向溝の溝壁からなる1辺と、前記溝壁からタイヤ
赤道面側へ延びかつ周方向に対して傾斜する2つの辺よ
りなり、前記溝壁と蹴り出し側の辺とのなす角度が鋭角
であることを特徴としている。
【0023】次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0024】先ず、周方向に長い凹部の三角形を、周方
向溝の溝壁からなる1辺と、溝壁からタイヤ赤道面側へ
延び、かつ周方向に対して傾斜する2つの辺から構成
し、溝壁と蹴り出し側の辺とのなす角度を鋭角とする
と、ウエット路面走行時に凹部内に取りこまれた水を、
周方向溝に対する角度が比較的小さく設定される踏み込
み側の辺に沿って流し、スムーズに周方向溝へ排出する
ことができる。
【0025】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の空気入りタイヤにおいて、前記略三角形の凹部は、前
記周方向溝の溝壁からなる1辺と、蹴り出し側の辺とが
同一長さの二等辺三角形であることを特徴としている。
【0026】凹部の形状をこのような二等辺三角形とす
ると、例えば、図9に示すような凹部100が蹴り出し
側の辺100Aよりも周方向溝の溝壁からなる1辺10
0Bの方が極端に短い三角形、図10に示すような踏み
込み側の辺100Cも長い三角形に比較して、効率的に
凹部内へ水を取り込むことができ好ましい。
【0027】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記凹部の底面は、踏み込み側の辺より蹴り出し側の角
に向かい、その深さが漸増する傾斜面であることを特徴
としている。
【0028】次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0029】陸部に凹部が存在すると接地時に騒音を発
生する問題があり、急激に深さが変化したり、凹部の段
差量が大きいと騒音も大きくなる傾向にある。
【0030】請求項5に記載の空気入りタイヤでは、凹
部の底面は、踏み込み側の辺より蹴り出し側の角に向か
い、その深さが漸増する傾斜面であるので、凹部が路面
と接する際に徐々に深さが変化するので、騒音の発生を
抑制することが出来る。
【0031】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の空気入りタイヤにおいて、前記傾斜面がタイヤ径方向
外側へ凸となる滑らかな曲面であることを特徴としてい
る。
【0032】次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0033】傾斜面をタイヤ径方向外側へ凸となる滑ら
かな曲面で形成することにより、騒音の発生をより一層
抑制することが出来る。
【0034】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請
求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記凹部の踏み込み側の端部は、前記周方向陸部の踏面
と同一高さであることを特徴としている。
【0035】次に、請求項7に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0036】路面と最初に接触する凹部の踏み込み側の
端部を、周方向陸部の踏面と同一高さに設定したので、
接触開始時の騒音発生を抑制することが出来る。特に、
請求項6との組み合わせが好ましい。
【0037】請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請
求項7の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記凹部の周方向長さが、接地長の10〜50%の範囲
内に設定されていることを特徴としている。
【0038】次に、請求項8に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0039】凹部の周方向長さが、接地長の10%未満
になると、ウエット性能向上効果が不足する虞れがあ
る。
【0040】凹部の周方向長さが、接地長の50%を越
えると、ウエット性能は向上するが、周方向陸部の剛性
が低下し、操縦安定性が低下す虞がある。
【0041】したがって、凹部の周方向長さを、接地長
の10〜50%の範囲内に設定することが好ましい。
【0042】請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請
求項8の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記凹部の最大深さが、隣接する周方向溝の溝深さの5
0〜100%の範囲内に設定されていることを特徴とし
ている。
【0043】次に、請求項9に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0044】凹部の最大深さが、隣接する周方向溝の溝
深さの50%未満になると、ウエット性能向上効果が不
足する虞れがある。
【0045】請求項10に記載の発明は、請求項1乃至
請求項9の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおい
て、前記凹部のタイヤ軸方向幅は、前記周方向陸部の幅
の5〜60%の範囲内に設定されていることを特徴とし
ている。
【0046】次に、請求項10に記載の空気入りタイヤ
の作用を説明する。
【0047】凹部のタイヤ軸方向幅が、周方向陸部の幅
の5%未満になると、ウエット性能向上効果が不足する
虞れがある。
【0048】凹部のタイヤ軸方向幅が、周方向陸部の幅
の60%を越えると、周方向陸部の剛性が低下し、操縦
安定性が低下す虞がある。
【0049】したがって、凹部のタイヤ軸方向幅を周方
向陸部の幅の5〜60%の範囲内に設定することが好ま
しく、5〜30%の範囲内に設定することがより好まし
い。
【0050】請求項11に記載の発明は、請求項1乃至
請求項10の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおい
て、前記凹部のタイヤ周方向ピッチは、接地長の20〜
75%の範囲内に設定されていることを特徴としてい
る。
【0051】次に、請求項11に記載の空気入りタイヤ
の作用を説明する。
【0052】凹部のタイヤ周方向ピッチが、接地長の2
0%未満になると、周方向陸部の剛性が低下し、操縦安
定性が低下す虞がある。
【0053】凹部のタイヤ周方向ピッチが、接地長の7
5%を越えると、ウエット性能向上効果が不足する虞れ
がある。
【0054】したがって、凹部のタイヤ周方向ピッチ
を、接地長の20〜75%の範囲内に設定することが好
ましい。
【0055】ここで、接地長とは、日本では、空気入り
タイヤをJATMA YEAR BOOK(2001、日
本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに
装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイ
ズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−
負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空
気圧)の100%の内圧を充填し、規格に記載されてい
る適用サイズにおける単輪の最大負荷能力をかけたとき
の接地面のタイヤ周方向の最大寸法とする。
【0056】なお、その他の地域では、リム、内圧、荷
重等はタイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規
格、例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim
Association Inc. のYear Book ”、欧州では”The Eu
ropean Tire and Rim Technical OrganizationのStand
ards Manual”に記載のものを用いる。
【0057】
【発明の実施の形態】本発明の空気入りタイヤの一実施
形態を図1乃至図3に従って説明する。
【0058】図1に示すように、本実施形態の空気入り
タイヤ10のトレッド12には、タイヤ赤道面CLの両
側にタイヤ周方向(矢印A方向及び矢印B方向)に沿っ
延びる周方向主溝14が形成され、周方向主溝14のタ
イヤ軸方向(矢印C方向)両側に周方向主溝16が形成
されている。
【0059】タイヤ赤道面CL上には、周方向に連続す
るリブ18が設けられている。
【0060】周方向主溝14と周方向主溝16との間に
は、これら周方向主溝14、周方向主溝16及びタイヤ
軸方向に対して矢印B方向側に傾斜する横溝20とで区
画される略菱形のブロック22が設けられている。
【0061】また、周方向主溝16のタイヤ軸方向外側
には、周方向主溝16と矢印B方向側に傾斜する横溝2
4とで区画される略菱形のブロック26が設けられてい
る。
【0062】なお、この空気入りタイヤ10は、回転方
向が指定されており、前進時に矢印A方向に回転するよ
うに車両に装着される。
【0063】リブ18のタイヤ軸方向両端部分には、排
水用凹部28が形成されている。
【0064】図2に示すように、本実施形態の排水用凹
部28は、トレッド表面側から見た形状が、周方向主溝
14の溝壁からなる1辺30A、周方向主溝14に対す
る角度が鋭角に設定された蹴り出し側の1辺(排水用凹
部28の側壁)30B、長さの短い踏み込み側の1辺3
0Cとの3辺からなり、周方向溝の溝壁からなる1辺3
0Aと蹴り出し側の辺30Bとが同一長さの二等辺三角
形である。
【0065】図3に示すように、排水用凹部28の底面
32は、踏み込み側の辺30Cより蹴り出し側の角に向
かい、その深さが漸増するタイヤ径方向外側へ凸となる
曲面(本実施形態では曲率半径Rの円弧)であり、踏み
込み側の辺30Cは、リブ18の踏面18Aと同一高さ
である。
【0066】図2に示すように、この排水用凹部28の
周方向長さL1は、接地長L0(図1参照)の10〜50
%の範囲内に設定することが好ましい。なお、本実施形
態では、排水用凹部28の周方向長さL1は、接地長L0
の18%に設定されている。
【0067】図1に示すように、排水用凹部28のタイ
ヤ軸方向幅W1は、リブ18の幅W0の5〜60%の範囲
内に設定することが好ましい。なお、本実施形態では、
排水用凹部28のタイヤ軸方向幅W1は、リブ18の幅
0の33%に設定されている。
【0068】排水用凹部28のタイヤ周方向ピッチP
は、接地長L0(接地形状は図中の2点鎖線で図示。)
の20〜75%の範囲内に設定することが好ましい。な
お、本実施形態では、排水用凹部28のタイヤ周方向ピ
ッチPは、接地長L0の38%に設定されている。
【0069】なお、タイヤ赤道面CLを挟んで一方側に
形成されている排水用凹部28と他方側に形成されてい
る排水用凹部28とは、タイヤ周方向に半ピッチずらし
て配置されている。
【0070】また、図3に示すように、排水用凹部28
の最大深さDは、周方向主溝14の溝深さHの96%で
ある。
【0071】次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の
作用を説明する。
【0072】この空気入りタイヤ10では、トレッド1
2のタイヤ赤道面CL上に、周方向に連続するリブ18
を設けているので、ドライ路面での操縦安定性、特に微
小舵角時のハンドル応答性を向上することができる。
【0073】空気入りタイヤ10は、車両前進時、排水
用凹部28の短い辺30Cが踏み込み側となるように方
向を指定して車両に装着する。
【0074】ウエット路面走行時においては、接地面内
の水は、周方向主溝14,16及び横溝20,24によ
って排水される。
【0075】また、リブ18の両端部に設けた排水用凹
部28がリブ18と路面との間に介在する水をリブ側方
の周方向主溝14にスムーズかつ素早く排出するので、
ウエット性能が向上する。
【0076】この排水用凹部28は、タイヤ軸方向に延
びる踏み込み側のエッジ成分が短く、単位時間当りの路
面に対する接触面積の増加が少なく、路面と接する際に
徐々に深さが変化するので、騒音の発生を抑制すること
が出来る。[第2の実施形態]本発明の空気入りタイヤ
の第2の実施形態を図4にしたがって説明する。
【0077】図4に示すように、本実施形態の空気入り
タイヤ40のトレッド42には、タイヤ赤道面CL上に
タイヤ周方向に沿って延びる周方向主溝44が形成さ
れ、周方向主溝44の両側にタイヤ周方向に沿っ延びる
周方向主溝46が形成され、周方向主溝46のタイヤ軸
方向外側に周方向主溝48が形成されている。
【0078】周方向主溝44と周方向主溝46との間に
は、周方向に連続するリブ50が設けられている。
【0079】周方向主溝46と周方向主溝48との間に
は、周方向主溝46、周方向主溝48、とタイヤ軸方向
に対して矢印B方向側に傾斜する横溝52とで区画され
る略菱形のブロック54が設けられている。
【0080】また、周方向主溝48のタイヤ軸方向外側
には、周方向主溝48とタイヤ軸方向に対して矢印B方
向側に傾斜する横溝56とで区画される略菱形のブロッ
ク58が設けられている。
【0081】リブ50のタイヤ軸方向外側の端部分に
は、第1の実施形態と同様の排水用凹部28が形成され
ている。
【0082】なお、一方のリブ50に形成されている排
水用凹部28と他方のリブ50に形成されている排水用
凹部28とは、タイヤ周方向に半ピッチずらして配置さ
れている。
【0083】本実施形態の空気入りタイヤ40において
は、タイヤ赤道面CL両側に設けられた周方向に連続す
る2本のリブ50によってドライ路面での操縦安定性が
向上されている。
【0084】なお、ウエット走行における排水用凹部2
8の作用、効果は第1の実施形態と同様である。
【0085】本実施形態では、リブ50の片側にのみ排
水用凹部28が設けられているが、リブ50の両側に排
水用凹部28を設けても良いのは勿論である。 [その他の実施形態]なお、上記実施形態では、排水用
凹部28のトレッド表面側から見た形状が二等辺三角形
であったが、本発明はこれに限らず、例えば、図5
(A)乃至(H)に示すような三角形以外の形状であっ
ても良い。但し、何れの場合でも、周方向に長く、かつ
周方向の一方向側に向かうにしたがってタイヤ軸方向の
幅が漸減してゆく部分を有している。
【0086】また、上記実施形態では、排水用凹部28
の底面32の形状が側面から見てタイヤ外側へ凸となる
円弧形状であったが、本発明はこれに限らず、底面32
の形状は例えば、図6(A)乃至(C)に示すような形
状であっても良い。 (試験例1)本発明の効果を確かめるために、比較例1
の空気入りタイヤと、本発明の適用された実施例1の空
気入りタイヤとを用意し、ウエットハイドロプレーニン
グ(直線及びコーナリング)試験、ドライ操縦安定性試
験を行うと共に、パターンノイズの計測を行った。
【0087】試験に用いた空気入りタイヤのパターン
は、第1の実施形態の図1に示すパターンである。
【0088】実施例1の空気入りタイヤには、中央のリ
ブに排水用凹部が設けられている。なお、排水用凹部の
各部の寸法は以下の表1に記載した通りである。
【0089】比較例1は、実施例1の空気入りタイヤか
ら排水用凹部を除いた、図7に示すパターンを有する空
気入りタイヤである。
【0090】ウエットハイドロプレーニング(直線)試
験:水深10mmのウエット路面通過時のハイドロプレ
ーニング発生限界速度のフィーリング評価。
【0091】ウエットハイドロプレーニング(コーナリ
ング)試験:水深10mmの半径80mのウエット路面
通過時のハイドロプレーニングが発生する直前の限界横
Gを計測。
【0092】ドライ操縦安定性:ドライ状態のサーキッ
トコースを各種走行モードにてスポーツ走行したときの
テストドライバーのフィーリング評価。
【0093】パターンノイズ:ドライ状態の直線平滑路
を100km/hから惰行した時のテストドライバーに
よる車内音のフィーリング評価。
【0094】なお、試験に用いたタイヤのサイズは、P
SR205/55R16であり、何れの試験も内圧は2
20kpa、荷重は前席2名乗車相当である。また、試
験に用いたタイヤのトレッド幅は140mm、接地長は
160mmである。
【0095】試験の評価は、何れも比較例1を100と
する指数表示であり、数値が大きい程性能に優れている
ことを示す。
【0096】
【表1】
【0097】(試験例2)本発明の効果を確かめるため
に、比較例2の空気入りタイヤと、本発明の適用された
実施例2の空気入りタイヤとを用意し、試験例1と同様
のウエットハイドロプレーニング(直線及びコーナリン
グ)試験、ドライ操縦安定性試験を行うと共に、パター
ンノイズの計測を行った。
【0098】試験に用いた空気入りタイヤのパターン
は、第2の実施形態の図4に示すパターンである。
【0099】実施例2の空気入りタイヤには、中央の2
本のリブに各々排水用凹部が設けられている。なお、排
水用凹部の各部の寸法は以下の表2に記載した通りであ
る。
【0100】比較例2は、実施例2の空気入りタイヤか
ら排水用凹部を除いた、図8に示すパターンを有する空
気入りタイヤである。
【0101】試験の評価は、何れも比較例2を100と
する指数表示であり、数値が大きい程性能に優れている
ことを示す。
【0102】試験の評価は、以下の表2に記載した通り
である。
【0103】
【表2】
【0104】
【発明の効果】以上説明したように本発明の空気入りタ
イヤによれば、他性能を犠牲にすることなくウエット性
能及び低ノイズ性を高めることができる、という優れた
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤ
のトレッドの平面図である。
【図2】リブの拡大平面図である。
【図3】リブの側面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る空気入りタイヤ
のトレッドの平面図である。
【図5】(A)乃至(H)は、排水用凹部のその他の実
施形態を示すリブの平面図である。
【図6】(A)乃至(C)は、排水用凹部のその他の実
施形態を示すリブの側面図である。
【図7】比較例1の空気入りタイヤのトレッドの平面図
である。
【図8】比較例2の空気入りタイヤのトレッドの平面図
である。
【図9】凹部の平面図である。
【図10】凹部の平面図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ 12 トレッド 14 周方向主溝(周方向溝) 16 周方向主溝(周方向溝) 18 リブ(周方向陸部) 28 排水用凹部(凹部) 32 底面 40 空気入りタイヤ 42 トレッド 44 周方向主溝(周方向溝) 46 周方向主溝(周方向溝) 48 周方向主溝(周方向溝) 50 リブ(周方向陸部)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド部中央領域に、少なくとも周方
    向溝で区画された周方向に連続する1本以上の周方向陸
    部を備えた空気入りタイヤであって、 前記周方向陸部には、少なくともタイヤ軸方向の一方の
    端部に、トレッド表面側から見て周方向に長い略三角形
    の凹部が周方向に間隔をおいて設けられていることを特
    徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 トレッド部中央領域に設けられ周方向溝
    で区画された周方向に連続する1本以上の周方向陸部
    と、トレッド部中央側からトレッド端側へ延びる複数の
    横溝をトレッドに備えた空気入りタイヤにおいて、 前記周方向陸部には、少なくともタイヤ軸方向の一方の
    端部に、周方向に間隔をおいて凹部が設けられており、 トレッド表面側から見た前記凹部の形状は、周方向に長
    く、かつ周方向の一方側から他方側に向けてタイヤ軸方
    向の幅が漸減していることを特徴とする空気入りタイ
    ヤ。
  3. 【請求項3】 前記略三角形の凹部は、前記周方向溝の
    溝壁からなる1辺と、前記溝壁からタイヤ赤道面側へ延
    びかつ周方向に対して傾斜する2つの辺よりなり、 前記溝壁と蹴り出し側の辺とのなす角度が鋭角であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記略三角形の凹部は、前記周方向溝の
    溝壁からなる1辺と、蹴り出し側の辺とが同一長さの二
    等辺三角形であることを特徴とする請求項3に記載の空
    気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記凹部の底面は、踏み込み側の辺より
    蹴り出し側の角に向かい、その深さが漸増する傾斜面で
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1
    項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記傾斜面がタイヤ径方向外側へ凸とな
    る滑らかな曲面であることを特徴とする請求項5に記載
    の空気入りタイヤ。
  7. 【請求項7】 前記凹部の踏み込み側の端部は、前記周
    方向陸部の踏面と同一高さであることを特徴とする請求
    項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイ
    ヤ。
  8. 【請求項8】 前記凹部の周方向長さが、接地長の10
    〜50%の範囲内に設定されていることを特徴とする請
    求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の空気入りタイ
    ヤ。
  9. 【請求項9】 前記凹部の最大深さが、隣接する周方向
    溝の溝深さの50〜100%の範囲内に設定されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に
    記載の空気入りタイヤ。
  10. 【請求項10】 前記凹部のタイヤ軸方向幅は、前記周
    方向陸部の幅の5〜60%の範囲内に設定されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記
    載の空気入りタイヤ。
  11. 【請求項11】 前記凹部のタイヤ周方向ピッチは、接
    地長の20〜75%の範囲内に設定されていることを特
    徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の
    空気入りタイヤ。
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