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JP2002087263A - ケーブルカーの車両ブレーキ装置 - Google Patents

ケーブルカーの車両ブレーキ装置

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JP2002087263A
JP2002087263A JP2000318608A JP2000318608A JP2002087263A JP 2002087263 A JP2002087263 A JP 2002087263A JP 2000318608 A JP2000318608 A JP 2000318608A JP 2000318608 A JP2000318608 A JP 2000318608A JP 2002087263 A JP2002087263 A JP 2002087263A
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brake
vehicle
lever
frame
rod
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Atsushi Furukawa
敦 古川
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Nippon Cable Co Ltd
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Nippon Cable Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】傾斜地で乗客を輸送するケーブルカーで、車両
が走行中に牽引するロープの異常で暴走した場合に直ち
に車両を停止させるための車両に備えたブレーキ装置を
提供することにある。 【解決手段】レール3を挟持するブレーキレバー22,
22を具えたブレーキユニット20を台車4へ、該台車
4のフランジ4aと車軸フレーム8と2つの接続ロッド
12,12およびブレーキユニット20のブレーキ枠1
4で上下方向に平行リンク機構を構成し、さらに、車軸
フレーム8にブレーキ枠14を枢着する枢支点を車輪6
の車軸7と同一芯上に位置させてブレーキユニット20
を懸架支持する。また、ブレーキユニット20にはレー
ル3の両側面に当接して転動するガイドローラ39,3
9,…を枢着する。また、車軸フレーム8には車輪6と
歯車50,51で連結した過速度検出器52を取付ける
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は傾斜地に施設される
ケーブルカーで、車両が軌道を走行している途中で車両
に異常が発生した場合に直ちに車両を停止するための車
両に具えた車両ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ケーブルカーで、車両を牽引する牽引ロ
ープの過度の緩みや、切断等の異常が生じた際に、車両
の暴走を阻止するために車両には非常用のブレーキ装置
が装備されている。ブレーキ装置の一般的な構成ないし
構造は、車両が走行する軌道を咬着するブレーキレバー
と、該ブレーキレバーに咬着力、即ち制動力を与えるた
めにのバネ手段と、バネの復元力に抗してブレーキレバ
ーを開閉動作させるための油圧シリンダーとからなる。
また、車両には乗客の乗り心地を良くするために軌道を
転動する車輪と乗客が乗車する車体との間にダンパー機
構を介在させている。しかし、ダンパー機構を設けると
車両に乗車する乗客数や乗車位置でダンパー機構に作用
する荷重が変化してダンパー機構により車輪と車体との
間に主に上下方向の変位が生じることになる。従って、
単に台車にブレーキ装置を取付けると、ブレーキ装置の
ブレーキレバーが軌道を咬着する位置が変化して安定し
た制動力を確保することができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記し
た車体と軌道を転動する車輪の間にダンパー機構を介在
させた場合において、車両に乗車する乗客数や乗車位置
によ荷重変動による台車とレール間の変位に影響され
ず、車両に備えたブレーキ装置と車輪が転動するレール
の位置関係を常に一定に保つことで、安定した制動力を
確保することができるケーブルカーの車両ブレーキ装置
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】ケーブルカーの車両の台
車に装備した車両ブレーキ装置であって、前記台車と、
車輪の車軸を枢着した車軸フレームと、接続ロッドと、
レールを挟持するブレーキレバーを具えたブレーキユニ
ットのブレーキ枠とで上下方向に平行リンク機構を構成
し、前記台車に前記ブレーキユニットを懸架支持するよ
うにする。
【0005】さらに、前記平行リンク機構を構成するブ
レーキユニットのブレーキ枠の枢支点を前記車軸フレー
ムに枢着した車軸と同一軸上に設けるようにする。
【0006】さらに、ブレーキユニットは、前記ブレー
キ枠に取付けたレバーブロックと、該レバーブロックに
枢動自在に支持されてレールを挟持する一対のブレーキ
レバーと、該一対のブレーキレバーに制動力を与える皿
バネセットと、該皿バネセットの復元力に抗して前記一
対のブレーキレバーを開放する油圧シリンダーと、前記
一対のブレーキレバーの内の一方のブレーキレバーを拘
束して他方のブレーキレバーをガイドすると共に油圧シ
リンダーのヘッド側に取付けて前記皿バネセットの一端
側が当接するレバーガイドと、前記一対のブレーキレバ
ーの内の他方のブレーキレバーを拘束して前記一方のブ
レーキレバーをガイドして油圧シリンダーのピストンロ
ッド側に取付けたリンクロッドと、該リンクロッドと結
合して前記皿バネセットを挿着すると共に該皿バネセッ
トの他端側が当接すワッシャーを取付けたバネロッド
と、よりなり前記油圧シリンダー、レバーガイド、リン
クロッド、バネロッド、皿バネセットを同一軸心上に配
列すると共に前記一対のブレーキレバーで支持するよう
にする。
【0007】さらに、ブレーキユニットにはレールの両
側面を左右から当接挟持して転動するガイドローラを具
えるようにする。
【0008】さらに、車軸フレームには車輪の回転に連
動して回転する過速度検出器を具え、該過速度検出器の
信号により制御装置を介在してブレーキユニットを制動
動作させるようにする。
【0009】さらに、前記過速度検出器の回転信号より
回転方向を判別する回転方向検出手段を具え、車両の上
り下りの進行方向を判別し、車両が下り方向に進行する
場合にだけ制御装置を介在してブレーキユニットを制動
動作させるようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
【実施例】以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて
説明する。ケーブルカーは山岳の傾斜地に山麓停留場と
山頂停留場を設けて、この間にレール(軌道)を敷設
し、車両がロープで牽引されてレール(軌道)上を走行
して人や物を輸送する設備である。通常、山頂停留場に
は車両を牽引するロープに駆動力を与えるための駆動装
置(原動装置)が設けられている。
【0011】図1は本発明の制動装置を取り付けたケー
ブルカーの車両1の概略構成を示したものである。車両
1は車体1aを台車4上に固定する。これに対し、台車
4の下側には車両1の進行方向の前後に車軸フレーム
8,8を介在してレール3を転動する車輪6,6と車輪
6,6とをそれぞれ枢軸する。車輪6,6の山側には隣
接して本発明のブレーキ装置10,10を設けるように
する。また、台車4の中央にはロープ引留装置5を取付
け、車両1を牽引するためのロープ2を引き留める。
尚、ブレーキ装置10の詳細な構造については後述す
る。
【0012】次に、図2,図3には本発明のブレーキ装
置10でブレーキユニット20の構成と台車4への支持
構造の詳細を示す。台車4には平面視でレール3を中心
とした対称位置であって台車4の側面と底面とにそれぞ
れ一対のブラケット4a,4aおよびブラケット4a,
4aを固接して延出する。各ブラケット4a,4a,…
には側面視斜め下方の端部にボス4c,4c,…を形成
する。
【0013】つぎに、前記一対のブラケット4a,4a
およびブラケット4a,4aの間に車軸フレーム8を挿
入して、それぞれボス4e,4eと車軸フレーム8側の
ボス8c,8cとを一致させた後に揺動軸14,14を
それぞれ水平に挿入する。こうして、車軸フレーム8の
下部を台車4へ揺動軸14,14を中心として上下方向
に枢動自在に取付ける。
【0014】つづいて、台車4の上面には平面視でレー
ル3を中心に左右で対称となる位置にフランジ4b,4
cとフランジ4b、4cとを固着し、さらに、内側のフ
ランジ4c,4c間にはプレート4dを渡して接続す
る。このフランジ4b,4cおよびフランジ4b,4c
にはショックアブゾーバ45,45の一端側をそれぞれ
ピン47,47で枢支し、他端側は車軸フレーム8に固
着したクレビス46,46に枢支する。さらに、台車4
のプレート4dと対面する車軸フレーム8のプレート8
bとの間には樽形をした弾性体48をガイドロッド48
a,48a…を差し込んで取付ける。こうして、車軸フ
レーム8は下部の揺動軸14,14と上部のショックア
ブゾーバ45,45とで台車4側へ懸架され、また、弾
性体48のガイドロッド48a,48a,…の箇所で車
軸フレーム8の振れを抑制するようにする。車軸フレー
ム8には揺動軸14と反対側の図示右側にはレール3を
転動する車輪6が車軸7により回転可能に枢軸されてい
る。
【0015】つづいて、前記車軸フレーム8には車軸7
と同軸上に位置してボス8a,8aを左右に固着して突
出する。かかる、ボス8a,8aには軸受メタル11,
11を介在してブレーキ装置10のブレーキ枠14を図
示左側の下端部に形成したボス14a,14aの箇所で
上下に枢動自在に枢着する。また、ブレーキ枠14の図
示左側の上端部は前記台車4のブラケット4a,4aへ
2つの接続ロッド12,12をピン13,13とピン1
3,13により枢着して繋ぐようにする。こうして、ブ
レーキ枠14を台車4と車軸フレーム8で支持するよう
にする。この時、図2で示すようにフレーム軸9と車軸
7の間隔と接続ロッド12のブラケット4a側のピン1
3と、ブレーキ枠14側のピン13の間隔を等しい間隔
Aとする。また、ブラケット4a側のフレーム軸9と接
続ロッド12のピン13の間隔とブレーキ枠14側のボ
ス14aの枢動芯と接続ロッド12のピン13との間隔
を等しい間隔Bとする。即ち、台車4のブラケット4
a,4aと車軸フレーム8と接続ロッド8,8およびブ
レーキ枠14とで上下の平行リンク機構を構成するよう
にする。
【0016】さらに、前記した車軸フレーム8の側面に
は過速度検出器52を取付け、回転軸には歯車51を挿
着する。他方、車輪6の片側のボス部6aにも歯車50
を挿着し、過速度検出器52側の歯車51と噛み合うよ
うにする。こうして、車両1がロープ2で牽引されて車
輪6がレール3を転動すると過速度検出器52が歯車5
0と歯車51との回転比で回転する。
【0017】つぎに、ブレーキユニット20の構成につ
いて説明する。図2,3で示すようにブレーキ枠14に
はレバーブロック21を両側面からボルト38,38,
…により固着する。かかるレバーブロック21にはブレ
ーキレバー22およびブレーキレバー22をそれぞれロ
ッド24およびロッド24とで左右対称となるように枢
着する。そして、ブレーキレバー22,22の下端部に
はレール3に当接するブレーキシュー23,23をそれ
ぞれ着脱可能に取付ける。さらに、レバーブロック21
にはブレーキシュー23,23の両横に水平に回転する
ガイドローラ39,39およびガイドローラ39,39
を枢着する。
【0018】つづいて、図4で図示左側のブレーキレバ
ー22はロッド24を挟んで上端部はレバーピン25お
よびナット32,32とでレバーガイド27側に固定す
る。対抗する図示右側のブレーキレバー22はロッド2
4を挟んで上端部は同様にレバーピン25およびナット
32,32とでリンクロッド34側に固定する。前記し
たレバーガイド27の両側面にあるガイドプレート27
a,27aには略長方形のガイド孔27b,27bを形
成し、同様にしてリンクロッド35には同形のガイド孔
35aを形成する。こうして、図示左側のブレーキレバ
ー22に挿着されたレバーピン25には平面視で中央に
ガイドシュー26を取付け、該ガイドシュー26がリン
クロッド35に形成したガイド孔35a内を摺動するよ
うに嵌め込む。図示右側のブレーキレバー22に挿着さ
れたレバーピン25には両端のナット32,32に隣接
して2つのガイドシュー26,26を取付け、該ガイド
シュー26,26がレバーガイド27の両側面のガイド
プレート27a,27aに形成したガイド孔27b,2
7b内を摺動するように嵌め込む。
【0019】また、図3,4で示すようにレバーブロッ
ク21には正面視で上下方向にロッド24,24とレバ
ーピン25,25のほぼ中間位置で左右にストッパー4
1,41およびストッパー41,41を固着延出する。
左右のブレーキレバー22,22へもそれぞれストッパ
ー41,41およびストッパー41,41と対抗する位
置にピン40,40およびピン40,40を固着延出す
る。
【0020】図示左側ブレーキレバー22をレバーピン
25で枢着したレバーガイド27の左端のフランジ27
dには油圧シリンダー33を取付ける。つづいて、図示
右側ブレーキレバー22をレバーピン25で枢着したリ
ンクロッド35の左端は前記した油圧シリンダー33の
ピストンロッド34と接続し、右端側はバネロッド28
と接続する。該バネロッド28はレバーガイド27の右
端のフランジ27cを貫通して突出する。その後、バネ
ロッド28へ皿バネセット29を挿入して左端はレバー
ガイド27のフランジ27cに当接して圧縮した後、右
端はバネロッド28にワッシャー30と2つのナット3
1、31とで抜け止めをする。こうして、油圧シリンダ
ー33とリンクロッド35および皿バネセット29を挿
着したバネロッド28を同一軸線上に配置してレバーピ
ン25,25とガイドシュー26,26,26を介在し
て左右のブレーキレバー22,22で支持するようにす
る。つぎに、図3,4でリンクロッド35の上面にはリ
ミットスイッチ44を取付け、レバーガイド27のフラ
ンジ27cにはリミットスイッチ44を動作させるドッ
グ42を取付ける。
【0021】つぎに、図8で上記構成のブレーキユニッ
ト20を動作させる油圧回路について説明する。タンク
70から電動ポンプ61で吐出された圧油は回路70を
2つの逆止弁68,69を通って油圧シリンダー33に
供給される。接続点81から回路73へ分岐した圧油は
電磁弁60で遮断される。また、圧油は接続点83で回
路74へ分岐して逆止弁67で止められる。回路74の
接続点85から分岐した油圧は圧力スイッチ64とリリ
ーフ弁63に向かう。圧力スイッチ64が油圧で動作す
ると、例えば、電動ポンプ61の回転を止めて圧油の供
給を停止するなどの制御を行う。リリーフ弁63では油
圧シリンダー33に供給する油圧の圧力を設定し、設定
した圧力を越えるとタンク70へ圧油を戻す作用をす
る。接続点84から回路76へ分岐した圧油は止め弁6
6で止める。該止め弁66は手動で油圧シリンダー33
に作用する圧油をタンクへ戻す際に使用する。また、回
路74にはタンク70から手動ポンプ62と接続点8
7,88で分岐、合流する回路77に止め弁77を設け
る。手動ポンプ62は手動でブレーキユニット20を開
放する際に使用する。止め弁77は逆止弁67と手動ポ
ンプ62間の背圧を抜くためのものでる。
【0022】図9はブレーキユニット20を油圧シリン
ダー33で開閉動作させる電磁弁60を制御する制御回
路を示した図である。車両1の車輪6の回転は歯車50
と歯車51で過速度検出器52に伝達される。過速度検
出器52で発生した回転信号は回転方向判別手段RDに
送られ、ここで、回転方向信号を付加して制御装置CN
に送られる。制御装置CNではこの回転信号と回転方向
信号を基に上記した電磁弁60のソレノイドを励磁す
る。
【0023】つぎに、上記した構成の車両1に備えたブ
レーキ装置10の動作について説明する。車両1が正常
に走行している場合には図8で示す電磁弁60は励磁さ
れず閉状態にあり、電動ポンプ61からブレーキユニッ
ト20の油圧シリンダー33へ圧油が供給さた状態にと
っている。油圧シリンダー33へ圧油が供給されると、
図6で示すように始めにピストンロッド34とリンクロ
ッド35およびバネロッド28が矢印92、94方向へ
移動し、リンクロッド35にレバーピン25で拘束され
た図示右側のブレーキレバー22はピン40がレバーブ
ロック21のストッパー41に当接するまでロッド24
を軸として矢印96方向に回動し、ブレーキシュー23
がレール3から離れる。この時、レバーピン25に挿着
された2つのガイドシュー26,26はレバーガイド2
7のガイドプレート27a,27aに形成されたガイド
孔27b,27b内をそれぞれ摺動する。さらに、油圧
シリンダー33へ圧油を供給するとピストンロッド34
に相対して油圧シリンダー33とレバーガイド27が矢
印90、91方向へ移動し、該レバーガイド27側にレ
バーピン25で拘束された図示左側のブレーキレバー2
2はピン40がレバーブロック21のストッパー41に
当接するまでロッド24を軸として矢印95方向に回動
し、ブレーキシュー23がレール3から離れる。その
際、皿バネセット29はレバーガイド27のフランジ2
7cとバネロッド28の端部に挿着されたワッシャー3
0との間で復元力に抗してさらに圧縮される。こうして
ブレーキユニット20は開放状態になる。この時、リミ
ットスイッチ44がドッグ42で動作することでブレー
キユニット20の開放状態を電気的に検出して車両1の
運転の保安信号とする。
【0024】つぎに、車両1を牽引するロープ2の破断
や緩み等の異常で車両1が所定の運転速度より速くなる
と車輪6の回転速度も速くなり、車輪6と共に回転する
歯車50に噛み合う過速度検出器52の歯車51で過速
度検出器52が動作して過速度信号を発生し回転方向判
別手段RDに送られて回転方向が判別されて、回転方向
信号が過速度信号と共に制御装置CNに送られる。そし
て、制御装置CNは電磁弁60のソレノイドを励磁す
る。電磁弁60が励磁されると遮断されていた回路73
が開き、圧油が通過して接続点82で分岐する回路82
からタンク70へ戻る。同時に、油圧シリンダー33内
の油圧力が低下して、油圧シリンダー33のピストンロ
ッド34に作用していた軸力がなくなる。
【0025】これにより、図7で示すように圧縮された
皿バネセット29の復元力でピストンロッド34とリン
クロッド35およびバネロッド28が矢印99、101
方向へ移動し、リンクロッド35にレバーピン25で拘
束された図示右側のブレーキレバー22はピン40がレ
バーブロック21のストッパー41から離れてロッド2
4を軸として矢印103方向に回動し、ブレーキシュー
23がレール3と当接する。この時、レバーピン25に
挿着された2つのガイドシュー26,26はレバーガイ
ド27のガイドプレート27a,27aに形成されたガ
イド孔27b,27b内をそれぞれ摺動する。同時に、
相対して油圧シリンダー33とレバーガイド27が矢印
97、98方向へ移動し、該レバーガイド27側にレバ
ーピン25で拘束された図示左側のブレーキレバー22
はピン40がレバーブロック21のストッパー41から
離れてロッド24を軸として矢印102方向に回動し、
ブレーキシュー23がレール3と当接する。こうして、
圧縮された皿バネセット29の復元力でブレーキレバー
22,22がレール3を左右から咬着することで車両1
を制動する。
【0026】車両1は乗客の乗り心地を良くするために
レール3を転動する車輪6を車軸7で回転可能に枢着し
た車軸フレーム8を台車4にショックアブゾーバ45,
45と弾性体48を介在して懸架している。従って、車
両1に乗車する乗客数や乗車位置による荷重変動により
台車4とレール3との間隔に変位が生じる。これに対応
するために、本発明のブレーキ装置10は上記したよう
に、ブレーキユニット20を台車4のブラケット4a,
4aと車軸フレーム8と接続ロッド8,8およびブレー
キ枠14とで上下方向に動作する平行リンク機構により
支持するようにする。しかも、平行リンク機構を構成す
る枢支点を車輪6の車軸7と一致させるようにする。従
って、ブレーキユニット20とレール3との上下間隔は
車体1aの荷重変動に影響されず常に平行かつ一定に保
たれる。さらに、レバーブロック21にはレール3の両
側面に転動するガイドローラ39,39およびガイドロ
ーラ39,39も具えることで、レール3と左右に位置
するブレーキレーバー22,22のブレーキシュー2
3,23との間隔も一定に保つことができるので、ブレ
ーキ装置10は安定した制動作用を発揮することが可能
である。さらに、対抗するブレーキレバー22,22に
制動力を与える皿バネセット29と、該皿バネセット2
9の復元力に抗してブレーキレバー22,22を開放す
るための油圧シリンダー33を同一軸心上に配置すると
共に、ブレーキレバー22,22で支持する構造とする
ことで、制動動作がより円滑に行われる。
【0027】
【発明の効果】上記したように、本発明の車両に備えた
車両ブレーキ装置は台車に対して平行リンク機構を用い
てレールを咬着するブレーキユニットを懸架する構造と
し、且つ、平行リンク機構の枢支点をレールを転動する
車輪の車軸と同心上に位置させるようにする。これによ
り、乗客の乗り心地を改善するために台車と車輪間にシ
ョックアブゾーバや弾性体を組み込んだ場合において、
乗客数や乗車位置による荷重変動で台車とレール間に変
位が生じても、ブレーキユニットとレールとの上下方向
の位置関係を常に一定かつ平行に維持することができ
る。さらに、ブレーキユニットにはレールの両側面に左
右から当接して回転するガイドローラを具えて、ブレー
キレバーとレールの水平方向の間隔も一定に維持するこ
とで安定した制動作用が得られる。
【0028】また、ブレーキレバーに制動力を与える皿
バネセットと、該皿バネセットの復元力に抗してブレー
キレバーを制動位置から開放するための油圧シリンダー
をブレーキレバーで支持すると共に、同一軸上に配置す
ることで機構が簡単になり、より円滑な制動動作を行う
ことができる。
【0029】さらに、過速度検出器で検出される車輪の
回転を回転方向判別手段で判別することで車両の進行方
向を判断して例えば車両が上り方向に運行されている場
合にはブレーキ装置を動作させないような制御を行うこ
とで、急激な車両の停止による乗客の転倒等による負傷
を回避することも可能である。従って、本発明は非常に
安全性の優れたケーブルカーの車両ブレーキ装置を提供
することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーキ装置を具えたケーブルカーの
車両の側面図である。
【図2】車両に懸架した本発明のブレーキ装置の側面図
である。
【図3】図2の本発明のブレーキ装置の平面図である。
【図4】本発明のブレーキ装置の正面図である。
【図5】図4のX−X断面を示したブレーキ装置の平面
図である。
【図6】開放状態にある本発明のブレーキ装置の正面図
である。
【図7】制動状態にある本発明のブレーキ装置の正面図
である。
【図8】本発明のブレーキ装置の油圧回路図である。
【図9】本発明のブレーキ装置の制御を示したブロック
図である。
【符号の説明】
1 車両 1a 車体 2 ロープ 3 レール 4 台車 4a,4a ブラケット 4b,4b フランジ 4c、4c フランジ 4d プレート 4e,4e ボス 5 ロープ引留装置 6,6,…車輪 6a,6a,… ボス部 7 車軸 8 車軸フレーム 8a ボス 8b プレート 8c ボス 9 フレーム軸 10 ブレーキ装置 11,11 軸受メタル 12,12 接続ロッド 13,13,13… ピン 14 ブレーキ枠 14a,14a ボス 20 ブレーキユニット 21 レバーブロック 22,22 ブレーキレバー 23,23 ブレーキシュー 24,24 ロッド 25,25 レバーピン 26,26,26 ガイドシュー 27 レバーガイド 27a,27a ガイドプレート 27b,27b ガイド孔 27c,27d フランジ 28 バネロッド 28a ネジ部 29 皿バネセット 30 ワッシャー 31,31 ナット 32,32,… ナット 33 油圧シリンダー 34 ピストンロッド 35 リンクロッド 35a ガイド孔 36,36 支持ブロック 37,37 プレート 38,38,… ボルト 39,39,… ガイドローラ 40,40,… ピン 41,41,… ストッパー 42 ドッグ 43,43 ボルト 44 リミットスイッチ 45,45 ショックアブゾーバ 46,46 クレビス 47,47,… ピン 48 弾性体 48a,48a,… ガイドロッド 50,51 歯車 52 過速度検出器 60 電磁弁 61 電動ポンプ 62 手動ポンプ 63 リリーフ弁 64 圧力スイッチ 65,66 止め弁 67,68,69 逆止弁 70 タンク 71,72,73,74,75,76,77 回路 80,81,82,83,84,85,86,87 接
続点 90,91,92,93,94,95,96,97,9
8,99 矢印100,101,102 矢印 A,B 間隔 CN 制御装置 RD 回転方向判別手段 X,X 矢視

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーブルカーの車両の台車に装備した車両
    ブレーキ装置であって、前記台車と、車輪の車軸を枢着
    した車軸フレームと、接続ロッドと、レールを挟持する
    ブレーキレバーを具えたブレーキユニットのブレーキ枠
    とで上下方向に平行リンク機構を構成し、前記台車に前
    記ブレーキユニットを懸架支持するようにしたことを特
    徴とするケーブルカーの車両ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】前記平行リンク機構を構成するブレーキユ
    ニットのブレーキ枠の枢支点を前記車軸フレームに枢着
    した車軸と同一軸上に設けたことを特徴とする前記請求
    項1項に記載のケーブルカーの車両ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】ブレーキユニットは、前記ブレーキ枠に取
    付けたレバーブロックと、該レバーブロックに枢動自在
    に支持されてレールを挟持する一対のブレーキレバー
    と、該一対のブレーキレバーに制動力を与える皿バネセ
    ットと、該皿バネセットの復元力に抗して前記一対のブ
    レーキレバーを開放する油圧シリンダーと、前記一対の
    ブレーキレバーの内の一方のブレーキレバーを拘束して
    他方のブレーキレバーをガイドすると共に油圧シリンダ
    ーのヘッド側に取付けて前記皿バネセットの一端側が当
    接するレバーガイドと、前記一対のブレーキレバーの内
    の他方のブレーキレバーを拘束して前記一方のブレーキ
    レバーをガイドして油圧シリンダーのピストンロッド側
    に取付けたリンクロッドと、該リンクロッドと結合して
    前記皿バネセットを挿着すると共に該皿バネセットの他
    端側が当接すワッシャーを取付けたバネロッドと、より
    なり前記油圧シリンダー、レバーガイド、リンクロッ
    ド、バネロッド、皿バネセットを同一軸心上に配列する
    と共に前記一対のブレーキレバーで支持するようにした
    ことを特徴とする前記請求項1項、2項および3項に記
    載のケーブルカーの車両ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】前記ブレーキユニットにはレールの両側面
    を左右から当接挟持して転動するガイドローラを具えた
    ことを特徴とする前記請求項1項、2項、3項に記載の
    ケーブルカーの車両ブレーキ装置。
  5. 【請求項5】前記車軸フレームには車輪の回転に連動し
    て回転する過速度検出器を具え、該過速度検出器の信号
    により制御装置を介在してブレーキユニットを制動動作
    させるようにしたことを特徴とする前記請求項3項に記
    載のケーブルカーの車両ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】前記過速度検出器の回転信号より回転方向
    を判別する回転方向検出手段を具え、車両の上り下りの
    進行方向を判別し、車両が下り方向に進行する場合にだ
    け制御装置を介在してブレーキユニットを制動動作させ
    るようにしたことを特徴とする前記請求項1項および4
    項、5項に記載のケーブルカーの車両ブレーキ装置。
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