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JP2005088863A - 索条牽引式輸送設備の台車牽引構造 - Google Patents

索条牽引式輸送設備の台車牽引構造 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構造であって、また、左右の索条の張力差を良好に吸収し、いずれかの索条が切断した場合であっても安全に台車の逸走を防止することができる索条牽引式輸送設備の台車牽引構造を提供することにある。
【解決手段】車両が索条に牽引されて傾斜した軌道上を昇降する輸送設備において、索条を巻き上げ巻き下げするための巻き上げ機には、一条の索条の両端を固着し、該索条は車両の台車に枢着した牽引滑車に巻き掛けている。台車には前部ストッパー部材と後部ストッパー部材が固設されており、この前部ストッパー部材と後部ストッパー部材との間で索条に索条クランプを挟着させた構造とした。

【選択図】図4

Description

本発明は、車両が索条により牽引されて傾斜した軌道上を昇降する輸送設備において、該車両の台車を牽引するための構造に関するものである。
索条を用いて車両を牽引して人員等の輸送を行う索条牽引式輸送設備は、リフトカー等と称されてゴルフ場や公園などの傾斜地における輸送設備として用いられている。このような索条牽引式輸送設備は、概略、以下の如く構成される。まず、斜面の上部停留場と下部停留場との間には鋼鉄製レール等の軌条を敷設し、この軌条に沿って移動可能に車両を配置する。この車両には索条が固着あるいは結着されており、軌条に沿って上部停留場まで延線されている。上部停留場には巻き上げ機が設置されており、この巻き上げ機により索条を巻き上げ、捲き下げして車両を昇降させるようにしている。
ここで、車両に取りつけられる索条は、特にこの輸送設備が人員輸送を目的としたものである場合には、安全性を考慮して2本の索条を平行に張り渡して牽引するようにすることがある。このとき、2本の索条の長さが相違していたり、2本の索条を巻き上げる速度が同調していないことがあると、いずれか一方の索条が過度の負担を負うことにより疲労を早めてしまったり、車両の走行が安定しない等の不都合が発生する。
このような不都合を解消するために、従来提案されているものとして特許文献1がある。この文献で開示されている技術は以下のように構成されている。巻き上げ機から延線された2本の曳索の各端部には停止部材を取り付けている。この停止部材には1本のチェーンの各端部が取り付けられて連結している。一方、車台の下面には回動自在にチェーンホイールが枢着されており、このチェーンホイールに前記チェーンを掛け回している。このような構成にあっては、2本の曳索に長さの差が生じるとチェーンホイールが回転してこれを吸収し、2本の曳索の張力が均等に保たれる。また、曳索の切断時には前記停止部材のいずれか一方が車台に係止し、リフトカーの逸走落下を防止するようにしている。
しかしながら、上記の文献に示された従来の技術においては、曳索の端部に停止部材を取り付けるためにシージング、ソケット加工等の索端処理を施さなくてはならず、加工作業が煩雑であり、また、専門的な加工能力を必要とする。
実公昭39−20606号公報
上記の課題に鑑みて、本発明の解決しようとする課題は、索条の特別な加工や作業等を必要とせず簡易な構造であって、また、左右の索条の張力差を良好に吸収し、いずれかの索条が切断した場合であっても安全に台車の逸走を防止することができる索条牽引式輸送設備の台車牽引構造を提供することにある。
本発明は、車両が索条に牽引されて傾斜した軌道上を昇降する輸送設備において、索条を巻き上げ巻き下げするための巻き上げ機と、該巻き上げ機に両端を固着された一条の索条と、車両の台車に枢着して前記索条が巻き掛けられた牽引滑車とを具え、該牽引滑車の巻き上げ機側には前部ストッパー部材と後部ストッパー部材が台車に固設されており、該前部ストッパー部材と後部ストッパー部材との間で索条に索条クランプを挟着させたことを特徴とする索条牽引式輸送設備の台車牽引構造として構成したものである。
本発明の索条牽引式輸送設備の台車牽引構造は、一条の索条を台車に枢着した牽引滑車に巻き掛けて牽引するようにしたことにより、索条の端部処理における特別な加工作業や専門の加工能力を必要とせず簡易な構造であり、また、左右の索条の張力差ないし索長の不均衡を良好に吸収し安定した走行ができる。さらに、索条が切断した場合であっても索条の移動を二重に制止するようにしており、台車の逸走をより安全に防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明に係る索条牽引式輸送設備の正面図であり、図2は平面図である。各図において、斜面1の下方と上方にはそれぞれ下部停留所2及び上部停留所3が設置されており、ここで車両4への乗客の乗降あるいは、貨物の揚げ降ろしが行われる。下部停留所2と上部停留所3の2地点間には軌条5が敷設されており、車両4はこの軌条5に沿って走行する。この車両4は軌条5上を転走する車輪8,8を具えた台車6と、この上に搭載された客車7により構成されている。
上部停留所3の斜め上方には、巻き上げ機9が設置されている。該巻き上げ機9は、索条10を巻き付けるためのドラム11と、このドラム11を回転させて駆動するための電動機13及び減速機12と、ドラム11の回転を止めるための制動機14を有している。また、この巻き上げ機9から上部停留場3寄りには、索条10をドラム11に誘導するための複数のガイドローラ15が設置されている。
本発明で用いられる索条10は単一、すなわち一条の索条を用いている。索条10の一端はドラム11に固着されており、ガイドローラ15に誘導された後車両4へと延線されている。車両4の台車6には牽引滑車16が枢支されており、索条10は該牽引滑車16に捲き回されて折り返し、再びガイドローラ15に誘導された後、他端をドラム11に固着されている。
このように構成された本発明の索条牽引式輸送設備においては、巻き上げ機9のドラム11を電動機13で駆動することにより、索条10が巻き取り、あるいは巻き出され、該索条10により牽引滑車16を介して牽引される車両4が、下部停留所2と上部停留所3との間を走行するようにしている。
次に、図3、図4及び図5により台車6の構造を説明する。台車6の下枠材19は平面視で枠体を長方形に形成されており、該下枠材19の四隅下部には軌条5上を転走するための車輪8を枢着している。また、台車6を左右方向に案内するための案内輪17、及び台車6が跳ね上がるのを防止するための跳ね上り防止輪18を枢着している。
前記下枠19の中央位置よりやや後方(台車6の進行方向に対し、巻き上げ機9側を前方とし、逆側を後方とする。以後同様に表現する。)には滑車軸20を上下方向に固着し、該滑車軸20に牽引滑車16を回転可能に枢着している。該牽引滑車16において索条10が接触する周部には、ウレタン材あるいは合成ゴム等が装着されており、索条10の摩耗や疲労等を軽減する構造となっている。また、牽引滑車16の直径は各種条件により適宜決定されるのであるが、索条10の疲労等を考慮した場合に索条10の40倍以上の直径とすることが望ましい。
つぎに、台車6の前端部には索条ガイド23,23が具えられており、牽引滑車16に巻き掛けられた索条10は、索条ガイド23,23により間隔を狭められて巻き上げ機9の方向へと延出している。該索条ガイド23,23と前記牽引滑車16との間には、索条10に対して直角をなすように前部ストッパー部材21及び後部ストッパー部材22が固設されており、索条10は前部ストッパー部材21及び後部ストッパー部材22を貫通している。ついで、前部ストッパー部材21及び後部ストッパー部材22の間の中央付近には索条クランプ24,24を挟着している。
図6は索条クランプ24の断面視側面図である。索条クランプ24は上部ブロック30と下部ブロック31を具えており、該上部ブロック30の下面及び下部ブロック31の上面の中央部には索条10に適合するように半円形の溝35,35が形成されている。該溝35,35の左右に振り分けて、上部ブロック30には貫通孔33が設けられており、下部ブロック31にはタップ孔34が設けられている。この貫通孔33にはバネ部材36を介してボルト32が嵌挿された後、ボルト32の先端部がタップ孔34に螺合している。このように構成した索条クランプ24は、ボルト32を締め込むことによりバネ部材36が圧縮され、この反力が作用して上部ブロック30と下部ブロック31が索条10を挟み込み、各ブロックと索条10の摩擦力により索条クランプ24は索条10に保持されている。
上記のように構成した索条クランプ24においては、過度にバネ部材36の反力を作用させてしまうと、索条10の型くずれや断線の原因となってしまうが、本願の構成であればバネ部材36のバネ常数は既知であることから、適正な反力を得るための圧縮量は容易に算出することができ、この圧縮量に基づくバネ部材のセット長hを管理することで容易に適正な反力を得ることができる。
以上説明した台車6は、牽引滑車16に巻き回された索条10が、巻き上げ機9により巻き上げ及び巻き下げすることにより前進及び後進し、このときに左右の索条10に張力差ないし索長の不均衡が生じた場合には、牽引滑車16が回転してこれを吸収し、左右均等な張力で台車6を牽引することにより安定した走行が得られる。
つぎに、何らかの理由でいずれか一方の索条10が切断した場合を図7により説明する。図において、台車6を牽引している索条10A、10Bのうち索条10Aが切断すると、索条10Aは張力を失い牽引滑車16が索条10B側へ回動する。この時、索条10A、10Bの移動と共に、該索条10A、10Bに挟着した索条クランプ24A,24Bも移動し、索条クランプ24Aが先に後部ストッパー部材22に当接して索条10A、10Bがそれ以上移動するのを食い止める。このようにして、一方の索条10Aが切断したとしても残る索条10Bにより台車6は引き留められおり、傾斜を逸走落下することが防止され、さらには、残った索条10Bによる牽引も可能である。
前記の図7においては、索条クランプ24Aが後部ストッパー部材22に係止して索条10A、10Bの移動を阻止した状態を示したものであるが、索条クランプ24A,24Bの取り付け位置によっては、索条クランプ24Bが前部ストッパー部材21に当接する場合もある。
つぎに、上記においては、索条クランプ24A,24Bのうち一の索条クランプ24Aにより索条10A、10Bの移動を制止しているが、もしもこの索条クランプ24Aと索条10Aとの摩擦力が不足しており、索条10Aが索条クランプ24Aに対して滑動してしまった場合には、他方の索条クランプ24Bが前部ストッパー部材21に当接し、二個の索条クランプ24A,24Bが共に作用して索条10A、10Bの移動を制止することができる。このように本願の構成においては二重に索条10A、10Bの移動を制止するものであり、安全性の高いものである。
索条牽引式輸送設備の正面図 索条牽引式輸送設備の平面図 台車の構造を示す断面視正面図 台車の構造を示す平面図 台車の構造を示す側面図 索条クランプの構造を示す断面視側面図 索条が切断した状態を示す台車の平面図
符号の説明
1 斜面
2 下部停留所
3 上部停留所
4 車両
5 軌条
6 台車
7 客車
8 車輪
9 巻き上げ機
10、10A、10B 索条
11 ドラム
12 減速機
13 電動機
14 制動機
15 ガイドローラ
16 牽引滑車
17 案内輪
18 跳ね上り防止輪
19 下枠材
20 滑車軸
21 前部ストッパー部材
22 後部ストッパー部材
23 索条ガイド
24、24A、24B 索条クランプ
30 上部ブロック
31 下部ブロック
32 ボルト
33 貫通孔
34 タップ孔
35 溝
h セット長

Claims (1)

  1. 車両が索条に牽引されて傾斜した軌道上を昇降する輸送設備において、索条を巻き上げ巻き下げするための巻き上げ機と、該巻き上げ機に両端を固着された一条の索条と、車両の台車に枢着して前記索条が巻き掛けられた牽引滑車とを具え、該牽引滑車の巻き上げ機側には前部ストッパー部材と後部ストッパー部材が台車に固設されており、該前部ストッパー部材と後部ストッパー部材との間で索条に索条クランプを挟着させたことを特徴とする索条牽引式輸送設備の台車牽引構造。
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