JP2002085593A - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents
マルチピースソリッドゴルフボールInfo
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Abstract
ドスピードの低いゴルファーであっても、打撃時に非常
にソフトで良好な打球感を有し、優れた反発性能と飛行
性能を有するマルチピースソリッドゴルフボールを提供
する。 【解決手段】 本発明は、内層コア(1)および外層コア
(2)から成るコア(4)と該コア上に形成された1層以上の
カバー(3)とから成るマルチピースソリッドゴルフボー
ルにおいて、該外層コア(2)が、ポリブタジエン、共架
橋剤、有機過酸化物および充填材を含有するゴム組成物
から成り、ショアD硬度20〜40および厚さ0.3〜
1.0mm未満を有し、該カバー(3)の最外層のショアD
硬度が62より大きく70未満であり、該カバーの最外
層のショアD硬度(HC)と該外層コア(2)のショアD硬
度(HO)との比(HC/HO)が2より大きいことを特徴
とするマルチピースソリッドゴルフボールに関する。
Description
ッドゴルフボールに関し、特に打撃時にゴルフクラブの
ヘッドスピードの低いゴルファーであっても、打撃時に
非常にソフトで良好な打球感を有し、優れた反発性能と
飛行性能を有するマルチピースソリッドゴルフボールに
関する。
は、ツーピースゴルフボールやスリーピースゴルフボー
ル等のソリッドゴルフボールと糸巻きゴルフボールとが
ある。近年、ソリッドゴルフボールは従来の糸巻きゴル
フボールと同等のソフトな打球感を維持したまま、飛距
離を増大させることが可能となり、市場においても大半
を占めるようになった。またスリーピースゴルフボール
に代表されるマルチピースゴルフボールにおいては、ツ
ーピースゴルフボールに比較して、多種の硬度分布を得
ることができ、優れた飛行性能を損なうことなく良好な
打球感を有するゴルフボールが提供されている(特公平
4‐48473号公報、特開平7‐24084号公報、特開平9‐322
948号公報、特開平10‐216271号公報、特開平11‐15132
0号公報)。
カバーの間に、ゴム素材、即ちツーピースソリッドゴル
フボールのゴム製コアと同様の組成から成る加硫ゴムを
中間層に用いて2層構造コアとしたスリーピースソリッ
ドゴルフボールが、特開平9‐322948号公報、特開平10
‐216271号公報、特開平11‐151320号公報等に開示され
ている。これらに記載のゴルフボールは、いずれも中間
層の厚さが1.5mm以上と比較的厚く制御されていること
が特徴であり、また中間層が内層コアより軟らかいタイ
プであって、大きく反発特性が低下し、特に打撃時のヘ
ッドスピードの低いゴルファーでは飛距離が低下する。
ピースソリッドゴルフボールが、特開平7‐24084号公
報、特公平4‐48473号公報等に開示されている。特開平
7‐24084号公報に記載のゴルフボールは、中間層が内層
コアより軟らかいタイプであって、前述の加硫ゴムを用
いた軟らかいタイプの中間層を有するスリーピースソリ
ッドゴルフボールに比較すると反発特性の低下は抑制さ
れる。しかしながら、ボールの表面に近い部分での部分
変形が大きいため、特に打撃時のヘッドスピードの高い
ゴルファーには重い打球感となる。特公平4-48473号公
報に記載のゴルフボールは、内層コア硬度の適正化が行
われていないため、飛距離、打球感ともに十分とはいえ
ない。
ば特開平11‐226151号公報では、中間層に加硫ゴムを用
い、中間層を内層コアより硬くしたマルチピースゴルフ
ボール(カバー1層以上)が開示されている。しかしな
がら、このゴルフボールにおいては中間層が硬く、打球
感が硬くて悪いものとなる。
オノマー樹脂を用いることによって、優れた飛行性能を
損なうことなく良好な打球感を有するゴルフボールが提
供されている(特開平4‐96771号公報、特開平6‐80718
号公報、特開平6‐114124号公報、特開平6‐312032号公
報、特開平9‐10357号公報、特開平9‐313646号公報、
特開平10‐249号公報、特開平10‐201880号公報、特開
平11‐500649号公報等)。しかしながら、これらのゴル
フボールでは、カバーは高反発化されているものの、中
間層硬度、厚さ等のゴルフボールの構造については適正
化されていないため、更に飛行性能および打球感を改善
する必要がある。
ボールにおいては、飛行性能および打球感の両立という
観点で満足のいくものは得られておらず、更に打球感の
向上した、飛行性能の優れたゴルフボールが望まれてい
る。
な従来のソリッドゴルフボールの有する問題点を解決
し、打撃時にゴルフクラブのヘッドスピードの低いゴル
ファーであっても、打撃時にソフトで良好な打球感を有
し、優れた反発性能と飛行性能を有するマルチピースソ
リッドゴルフボールを提供することを目的とする。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、内層コアおよび外
層コアから成るコアと1層以上のカバーから成るマルチ
ピースソリッドゴルフボールにおいて、外層コアにゴム
組成物を用い、外層コアの硬度および厚さ、並びにカバ
ー硬度を特定範囲に規定することにより、打撃時のヘッ
ドスピードの低いゴルファーであっても、打撃時にソフ
トで良好な打球感を有し、しかも高い反発特性の実現に
より飛行性能を向上させ得ることを見い出し、本発明を
完成した。
コア(2)から成るコア(4)と該コア上に形成された1層以
上のカバー(3)とから成るマルチピースソリッドゴルフ
ボールにおいて、該外層コア(2)が、ポリブタジエン、
共架橋剤、有機過酸化物および充填材を含有するゴム組
成物から成り、ショアD硬度20〜40および厚さ0.
3〜1.0mm未満を有し、該カバー(3)の最外層のショ
アD硬度が62より大きく70未満であり、該カバーの
最外層のショアD硬度(HC)と該外層コア(2)のショア
D硬度(HO)との比(HC/HO)が2より大きいことを
特徴とするマルチピースソリッドゴルフボールに関す
る。
形と打球感および反発性能との関係について鋭意検討し
た結果、特に打撃時にゴルフクラブのヘッドスピードの
低いゴルファーは、ゴルフボール表面付近での変形によ
りボールを飛ばしており、その変形部分付近での反発性
能を向上させる層と打球感を良好にするための衝撃吸収
層とのバランスが非常に重要であることを見出した。そ
こでまず、ゴルフボールの芯体である多層コアの外層に
着目して硬度および厚さの適正化を図り、更にその周り
に被覆されるカバーの硬度等を適正化することにより、
特に打撃時にゴルフクラブのヘッドスピードの低いゴル
ファーにとって、飛行性能を損なうことなく、打球感を
向上させたマルチピースソリッドゴルフボールを完成す
るに至ったものである。
記カバー(3)が、アイオノマー樹脂を主材とする基材樹
脂から形成され、かつ曲げ剛性率300MPa以上およ
び酸含量16重量%以上を有し;初期荷重98Nを負荷
した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでのコ
ア変形量をDC(mm)、ボール変形量をDB(mm)とした場合
に、変形量差(DC−DB)が0.8〜1.6mmであることが好
ましい。
について更に詳しく説明する。図1は、本発明のゴルフ
ボールの1つの態様を示す概略断面図である。図1に示
すように、本発明のゴルフボールは内層コア(1)と該内
層コア上に形成された外層コア(2)とから成るコア(4)
と、該コアを被覆する1層以上のカバー(3)とから成
る。但し、図1では説明をわかりやすくするため、1層
のカバー(3)を有するゴルフボール、即ちスリーピース
ソリッドゴルフボールとした。
(2)共に、ポリブタジエンに共架橋剤、有機過酸化物お
よび充填材を必須成分として含有するゴム組成物を加熱
加圧成形して製造することが好ましい。ポリブタジエン
は、従来からソリッドゴルフボールのコアに用いられて
いるものであればよいが、特にシス-1,4-結合少なくと
も40%以上、好ましくは80%以上を有するいわゆるハイ
シスポリブタジエンゴムが好ましく、所望により上記ポ
リブタジエンゴムには、天然ゴム、ポリイソプレンゴ
ム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン‐プロピレ
ン‐ジエンゴム(EPDM)等を配合してもよい。
クリル酸等のような炭素数3〜8個のα,β‐不飽和カ
ルボン酸の、亜鉛、マグネシウム塩等の一価または二価
の金属塩、またはそれらとアクリルエステルやメタクリ
ルエステルとのブレンド等が挙げられるが、内層コア
(1)には高い反発性を付与するα,β‐不飽和カルボン酸
の亜鉛塩、特にアクリル酸亜鉛が好適であり、外層コア
(2)には金型離型性の良好なα,β‐不飽和カルボン酸の
マグネシウム塩、特にメタクリル酸マグネシウムが好適
である。配合量はポリブタジエン100重量部に対して、
5〜70重量部、好ましくは10〜50重量部、より好ましく
は20〜30重量部である。70重量部より多いと硬くなり過
ぎて打球感が悪くなり、5重量部未満では、適当な硬さ
にするために有機過酸化物の量を増加しなければならず
反発が悪くなり飛距離が低下する。
A0重量部、アクリル酸亜鉛配合量をA1重量部、外層コ
ア(2)中の共架橋剤配合量をB0重量部、メタクリル酸マ
グネシウム配合量をB1重量部とした場合に、比(A1/A
0)は0.5以上、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9
以上、最も好ましくは1.0(即ち、共架橋剤としてアク
リル酸亜鉛のみを用いること)が望ましい。比(A1/
A0)が0.5より小さいと、内層コアの硬度が低くなって
反発感のない打球感となったり、反発性が低下して飛距
離が低下したりする。また、比(B1/B0)は0.5以上、好
ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上、最も好まし
くは1.0(即ち、共架橋剤としてメタクリル酸マグネシ
ウムのみを用いること)が望ましい。比(B1/B0)が0.5
より小さいと、外層コアの硬度が低くなって反発性が低
下して飛距離が低下する。
ーオキサイド、1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)‐3,3,
5‐トリメチルシクロヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐
ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ‐t‐ブチルパー
オキサイド等が挙げられ、ジクミルパーオキサイドが好
適である。配合量はポリブタジエン100重量部に対して
0.2〜7.0重量部、好ましくは0.5〜5.0重量部である。0.
2重量部未満では軟らかくなり過ぎて反発が悪くなり飛
距離が低下する。7.0重量部を越えると適切な硬さにす
るために共架橋剤の量を減少しなければならず反発が悪
くなり飛距離が低下する。
コアに通常配合されるものであればよく、例えば無機充
填材、具体的には、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カル
シウム、酸化マグネシウム等が挙げられ、高比重金属充
填材、例えばタングステン粉末、モリブデン粉末等およ
びそれらの混合物と併用してもよい。配合量は、それぞ
れポリブタジエン100重量部に対して3〜50重量部、好
ましくは10〜30重量部である。3重量部未満では重量調
整が難しく、50重量部を越えるとゴムの重量分率が小さ
くなり反発が低くなり過ぎる。
び外層コアには、老化防止剤またはしゃく解剤、その他
ソリッドゴルフボールのコアの製造に通常使用し得る成
分を適宜配合してもよい。配合量は、ポリブタジエン10
0重量部に対して、老化防止剤は0.1〜1.0重量部、しゃ
く解剤は0.1〜5.0重量部であることが好ましい。
アの製造方法を、図2〜図3を用いて説明する。図2
は、本発明のゴルフボールに用いられる外層コア成形用
金型の1つの態様を示す概略断面図である。図3は、本
発明のゴルフボールに用いられるコア成形用金型の1つ
の態様を示す概略断面図である。まず、上記内層コア用
ゴム組成物を、押出機を用いて円筒状の未加硫内層コア
に成形する。次いで、図2に示すような半球状キャビテ
ィを有する半球状金型(5)と内層コアと同形の半球凸部
を有する中子金型(6)とを用いて、上記外層用ゴム組成
物を、例えば120〜160℃で2〜30分間加熱プレスして、
加硫半球殻状外層コア(7)を成形する。続いて、図3に
示すような上下2つのコア用金型(8)を用いて、上記未
加硫内層コア(9)を上記半球殻状外層コア(7)2個で挟ん
で、例えば140〜180℃で10〜60分間一体加硫成形して、
内層コア(1)と該内層コア上に形成された外層コア(2)と
から成るコア(4)を形成する。
は直径34.8〜39.4mm、好ましくは35.5〜3
9.0mm、より好ましくは36.0〜38.5mmを有す
ることが望ましいが、34.8mmより小さいと、外層コ
アまたはカバーを所望の厚さより厚くする必要があり、
その結果、反発性が低下するか、または打球感が硬く悪
いものとなる。また内層コアの直径が39.4mmより大
きいと、外層コアまたはカバーを所望の厚さより薄くす
る必要があり、その結果、外層コアやカバーの効果が十
分発揮されなくなる。尚、内層コア(1)の直径は、上記
のように内層コアと外層コアを一体加硫成形して形成し
たコア(4)を、2等分切断し、切断面において測定した
内層コア(1)の直径を意味する。
が厚さ0.3〜1.0mm未満を有することを要件とする
が、好ましくは0.3〜0.9mm未満、より好ましくは
0.3〜0.8mm未満である。上記外層コア厚さが1.
0mm以上になると、内層コア性能より外層コア硬度の影
響が大きくなり過ぎて得られるゴルフボールの十分な反
発性能が得られない。0.3mmより小さいと、外層コア
の性能向上効果が十分発揮されない。
ア(2)がショアD硬度20〜40を有することを要件と
するが、好ましくは23〜37、より好ましくは25〜
35である。上記外層コア硬度が、20より小さいと、
軟らかくなり過ぎて反発性が低下し、またボールの一部
が過度に変形するためエネルギーロスが大きく、飛行性
能が低下する。40より大きいと、コア表面が硬くなり
過ぎて打球感が悪くなる。ここで、外層コア(2)の硬度
とは、外層コア用組成物から作製された厚さ2mmの熱成
形シートを、23℃で2週間保存後、ASTM-2240に準じ
て、そのシートを3枚以上重ねて、ショアーD硬度計を
用いて測定した硬度を表す。
径は36.8〜40.0mm、好ましくは37.0〜3
9.5mm、より好ましくは37.5〜39.0mmである
が、36.8mmより小さいと、カバーの影響が大き過ぎ
てコアの効果が十分に得られず、反発性が低下するか、
または打球感が硬く悪いものとなる。40.0mmより大
きいと、カバーの効果が十分に得られず、反発性が低下
して飛距離が低下する。
期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負
荷したときまでの変形量3.2〜4.5mm、好ましくは
3.4〜4.2mm、より好ましくは3.5〜4.0mmで
あることが望ましい。上記変形量が、3.2mmより小さ
いと硬くなり、外層コア硬度を適正化しても、特に打撃
時にゴルフクラブのヘッドスピードの低いゴルファーが
打撃した時には打球感が悪化する。4.5mmより大きい
と軟らかくなり過ぎて、カバー硬度を適正化しても、反
発性が低下して飛距離の向上が得られず、また打球感も
重くて悪くなる。
内層コア(1)と同様にポリブタジエン、共架橋剤、有機
過酸化物および充填材を必須成分として含有するゴム組
成物を加熱成形して形成されることが好ましい。このよ
うに、外層コア(2)が、アイオノマー樹脂、熱可塑性エ
ラストマー、ジエン系共重合体等の熱可塑性樹脂から構
成されるのではなく、上記ゴム組成物の加熱成形体から
構成されることによって、反発性が向上する。また、熱
可塑性樹脂を用いる場合には射出成形法が考えられる
が、前述のように本発明の外層コア(2)は非常に薄い厚
さ0.3〜1.0mm未満を有するため、射出成形法によ
る製造は困難である。更に、内層コア(1)と外層コア(2)
との両層が同様の加硫ゴム組成物から成るために、両層
間の優れた密着性により耐久性も向上する。更に、周知
の通り、ゴムは樹脂に比較して、常温以下の低温領域で
の性能低下が小さいため、それを用いた本発明の外層コ
アは低温反発特性が優れる。
覆する。本発明では、カバー(3)は生産性の観点から単
層構造(即ちスリーピースソリッドゴルフボール)が好
ましいが、2層以上の多層構造を有してもよい。本発明
のゴルフボールでは、カバー(3)の最外層のショアD硬
度が62より大きく70未満であることを要件とする
が、好ましくは64〜69、より好ましくは65〜68
である。上記硬度が62以下であると軟らかくなり過ぎ
て反発性が低下し、70以上であると硬くなり過ぎて打
球感が悪くなる。尚、カバー(3)のショアD硬度とは、
カバー用組成物から作製された厚さ2mmの熱成形シート
を、23℃で2週間保存後、ASTM-2240に準じて、そのシ
ートを3枚以上重ねて、ショアD硬度計を用いて測定し
た硬度を表す。
度(HC)と前述の外層コア硬度(HO)との関係が反発
性能と打球感に非常に重要であり、両者の比(HC/
HO)が2より大きいことを要件とする。上記硬度比が
2以下となると、打球感が悪くなるか、または反発性能
が低下する。上記硬度比が大きくなり過ぎると、外層コ
アが軟らかくなり過ぎて十分な反発性が得られないか、
またはカバーが硬くなり過ぎて打球感が悪くなるため、
上記硬度比は、好ましくは2〜3、より好ましくは2.
1〜2.8であることが望ましい。
曲げ剛性率300MPa以上を有することが望ましく、
300MPaより小さいとカバーでの反発性能が向上せ
ず、飛距離の向上が得られない。上記曲げ剛性率が大き
くなると硬くなって打球感が悪くなるため、上記カバー
(3)の曲げ剛性率は、好ましくは300〜600MP
a、より好ましくは320〜500MPaであることが
望ましい。
は、アイオノマー樹脂を主材とする基材樹脂から形成さ
れることが望ましく、かつ酸含量16重量%以上を有す
ることが望ましい。上記酸含量が16重量%未満となる
と、所望の硬度および反発性能が得られず、飛距離の向
上が得られない。上記酸含量が大きくなると硬くなって
打球感が悪くなるため、上記カバー(3)の酸含量は、好
ましくは16〜21重量%、より好ましくは17〜20
重量%であることが望ましい。
m、好ましくは1.6〜3.0mm、より好ましくは1.
8〜2.8mmであることが望ましいが、1.5mmより小
さいと反発性が低下して飛距離が低下し、3.5mmより
大きいと打球感が硬くて悪くなる。また、カバー(3)が
2層以上の場合、合計厚さが上記範囲内にあればよい。
通常ゴルフボールのカバーに用いられるアイオノマー樹
脂を基材樹脂として含有する。上記アイオノマー樹脂と
しては、エチレンとα,β‐不飽和カルボン酸との共重
合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオン
で中和したもの、またはエチレンとα,β‐不飽和カル
ボン酸とα,β‐不飽和カルボン酸エステルとの三元共
重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオ
ンで中和したものである。上記のα,β‐不飽和カルボ
ン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマ
ル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアク
リル酸とメタクリル酸が好ましい。また、α,β‐不飽
和カルボン酸エステル金属塩としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のメチル、
エチル、プロピル、n‐ブチル、イソブチルエステル等
が用いられ、特にアクリル酸エステルとメタクリル酸エ
ステルが好ましい。上記エチレンとα,β‐不飽和カル
ボン酸との共重合体中や、エチレンとα,β‐不飽和カ
ルボン酸とα,β‐不飽和カルボン酸エステルとの三元
共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和す
る金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウ
ム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アル
ミニウム、錫、ジルコニウム、カドミウムイオン等が挙
げられるが、特にナトリウム、亜鉛、リチウム、マグネ
シウムイオンが反発性、耐久性等からよく用いられ好ま
しい。
それだけに限定されないが、ハイミラン(Hi-milan)155
5、1557、1605、1652、1702、1705、1706、1707、185
5、1856(三井デュポンポリケミカル社製)、サーリン(Su
rlyn)8140、サーリン9120、サーリン8945、サーリン994
5、サーリンAD8511、サーリンAD8512、サーリンAD8542
(デュポン社製)、アイオテック(Iotek)7010、8000(エ
クソン(Exxon)社製)等を例示することができる。これら
のアイオノマーは、上記例示のものをそれぞれ単独また
は2種以上の混合物として用いてもよい。
の例としては、上記のようなアイオノマー樹脂のみであ
ってもよいが、アイオノマー樹脂と熱可塑性エラストマ
ーやジエン系ブロック共重合体等の1種以上とを組合せ
て用いてもよい。上記熱可塑性エラストマーの具体例と
して、例えば東レ(株)から商品名「ペバックス」で市販
されている(例えば、「ペバックス2533」)ポリアミド
系熱可塑性エラストマー、東レ・デュポン(株)から商品
名「ハイトレル」で市販されている(例えば、「ハイト
レル3548」、「ハイトレル4047」)ポリエステル系熱可
塑性エラストマー、武田バーディシュ(株)から商品名
「エラストラン」で市販されている(例えば、「エラス
トランET880」)ポリウレタン系熱可塑性エラストマー
等が挙げられる。
ク共重合体または部分水添ブロック共重合体の共役ジエ
ン化合物に由来する二重結合を有するものである。その
基体となるブロック共重合体とは、少なくとも1種のビ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと少な
くとも1種の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックBとから成るブロック共重合体である。また、部分
水添ブロック共重合体とは、上記ブロック共重合体を水
素添加して得られるものである。ブロック共重合体を構
成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、
α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、p‐t‐ブチル
スチレン、1,1‐ジフェニルスチレン等の中から1種ま
たは2種以上を選択することができ、スチレンが好まし
い。また、共役ジエン化合物としては、例えばブタジエ
ン、イソプレン、1,3‐ペンタジエン、2,3‐ジメチル‐
1,3‐ブタジエン等の中から1種または2種以上を選択
することができ、ブタジエン、イソプレンおよびこれら
の組合せが好ましい。好ましいジエン系ブロック共重合
体の例としては、エポキシ基を含有するポリブタジエン
ブロックを有するSBS(スチレン-ブタジエン-スチレ
ン)構造のブロック共重合体またはエポキシ基を含有す
るポリイソプレンブロックを有するSIS(スチレン-
イソプレン-スチレン)構造のブロック共重合体等が挙
げられる。上記ジエン系ブロック共重合体の具体例とし
ては、例えばダイセル化学工業(株)から商品名「エポフ
レンド」市販されているもの(例えば、「エポフレンド
A1010」)が挙げられる。
ロック共重合体等の配合量は、カバー用の基材樹脂100
重量部に対して、1〜60重量部、好ましくは1〜35
重量部である。1重量部より少ないとそれらを配合する
ことによる打球時の衝撃低下等の効果が不十分となり、
60重量部より多いとカバーが軟らかくなり過ぎて反発
性が低下したり、またアイオノマーとの相溶性が悪くな
って耐久性が低下しやすくなる。
以外に必要に応じて、種々の添加剤、例えば二酸化チタ
ン等の顔料、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安
定剤等を添加してもよい。
アイオノマー樹脂を主材とする基材樹脂から形成され、
かつ曲げ剛性率300MPa以上および酸含量16重量
%以上を有することが望ましいが、特にこのような高い
酸含量は前述の具体例の中でも高い酸含量を有する「サ
ーリン8140」、「サーリン9120」(デュポン社製)等を
用いることにより達成することができる。しかしなが
ら、本発明のゴルフボールのカバー(3)では、最外層の
硬度が前述の範囲を満足すれば、上記のような種々の材
料やそれらの組合せを用いることができる。
も、特に限定されるものではなく、通常のカバーを被覆
する方法で行うことができる。カバー用組成物を予め半
球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてコア
を包み、130〜170℃で1〜5分間加圧成形するか、また
は上記カバー用組成物を直接コア上に射出成形してコア
を包み込む方法が用いられる。そして、カバー成形時
に、必要に応じて、ボール表面にディンプルを形成し、
また、カバー成形後、ペイント仕上げ、スタンプ等も必
要に応じて施し得る。
を負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときま
でのボール変形量が2.0〜3.6mm、好ましくは2.
2〜3.4mm、より好ましくは2.4〜3.2mmであ
る。上記ボール変形量が2.0mmより小さいとコアの変
形量を適正化しても打撃時にゴルフクラブのヘッドスピ
ードの低いゴルファーには打球感が硬くて悪くなり、
3.6mmより大きいと軟らかくなり過ぎて打球感が重く
て悪くなる。
1275Nを負荷したときまでのコア変形量をDC(m
m)、ボール変形量をDB(mm)とした場合に、変形量差
(DC−DB)が0.8〜1.6mm、好ましくは1.0〜
1.6mm、より好ましくは1.1〜1.5mmであること
が望ましい。上記変形量差が0.8mmより小さいとゴル
フクラブのヘッドスピードの低いゴルファーによる打撃
時に反発性能が低下し、1.6mmより大きいと打球感が
悪くなる。
ドスピードの低いゴルファーであっても、打撃時にソフ
トで良好な打球感を有し、しかも高い反発特性の実現に
より飛行性能を向上させたマルチピースソリッドゴルフ
ボールを提供する。
する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
し、押出成形して円筒状の未加硫成形物を得た。
エンゴム、商品名:BR‐11(1,4‐シス‐ポリブタ
ジエン含量:96%)
し、図2に示すような金型(5、6)内で、同表に示す加硫
条件により加熱プレスすることによって、外層コア用の
半球殻状加硫成形物(7)を得た。上記外層コア用ゴム組
成物から作製した厚さ2mmの熱成形シートを3枚以上重
ねて、ショアーD硬度計を用いて測定した硬度を、外層
コア硬度として表2、4および5に示した。
エンゴム、商品名:BR‐11(1,4‐シス‐ポリブタ
ジエン含量:96%)
i)で作製した2つの外層コア用半球殻状加硫成形物(7)
で挟んで、図3に示すような金型(8)内で、以下の表4
(実施例)および表5(比較例)に示すコア加硫条件によ
り加熱プレスすることによって、2層構造を有するコア
(4)を作製した。得られたコア(4)の初期荷重98Nを負
荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの
変形量DCを測定し、その結果を同表に示した。
よりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物を調
製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回
転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は押
出機のダイの位置で150〜260℃に加熱された。上記カバ
ー用組成物から作製された厚さ2mmの熱成形シートを、
23℃で2週間保存後、ASTM-2240に準じて、そのシート
を3枚以上重ねて、ショアD硬度計を用いて測定した硬
度を、カバーとして表3〜5に示した。
ナトリウムイオン中和エチレン-メタクリル酸共重合体
系アイオノマー樹脂、ショアD硬度=62、曲げ剛性率=
310MPa (注3)三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中
和エチレン-メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹
脂、ショアD硬度=60、曲げ剛性率=270MPa (注4)三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中
和エチレン-メタクリル酸-アクリル酸イソブチル三元共
重合体系アイオノマー樹脂、ショアD硬度=54、曲げ剛
性率=87MPa (注5)デュポン社製の亜鉛イオン中和エチレン-メタクリ
ル酸共重合体系アイオノマー樹脂、MI=1.3、曲げ剛性
率=約242MPa (注6)デュポン社製のナトリウムイオン中和エチレン-メ
タクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂、MI=2.6、曲
げ剛性率=約323MPa (注7)デュポン社製のナトリウムイオン中和エチレン-メ
タクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂、ショアD硬度
=63、曲げ剛性率=270MPa (注8)デュポン社製の亜鉛イオン中和エチレン-メタクリ
ル酸共重合体系アイオノマー樹脂、ショアD硬度=61、
曲げ剛性率=220MPa (注9)アトケム(ATOCHEM)社製のポリエーテルアミド系熱
可塑性エラストマー (注10)ダイセル化学工業(株)製のエポキシ基を含有する
ポリブタジエンブロックを有するスチレン-ブタジエン-
スチレン(SBS)構造のブロック共重合体、JIS-A硬度
=67、スチレン/ブタジエン=40/60(重量比)、エポキシ
含量約1.5〜1.7重量%
のカバー用組成物を、上記のように得られた2層構造を
有するコア(4)上に直接射出成形することにより、表4
(実施例)および表5(比較例)に示すカバー厚さを有
するカバー層(3)を形成し、表面にペイントを塗装し
て、直径42.7mmを有するゴルフボールを作製した。得ら
れたゴルフボールのボール変形量、反発係数、飛距離お
よび打球感を測定または評価し、その結果を同表に示し
た。試験方法は後述の通り行った。
成物を金型内で155℃×35分間加硫成形して、厚さ2mm
のシートを作製し、23℃で2週間保存後、ASTM-2240に
準じて、そのシートを3枚以上重ねて、ASTM‐D 2240‐
68に規定されるスプリング式硬度計ショアD型を用いて
23℃の環境下で測定することにより決定する。 (ii)カバー硬度:カバー硬度は、カバー用組成物を射出
成形により厚さ2mmのシートを作製し、23℃で2週間保
存後、ASTM-2240に準じて、そのシートを3枚以上重ね
て、ASTM‐D 2240‐68に規定されるスプリング式硬度計
ショアD型を用いて23℃の環境下で測定することにより
決定する。
円筒物を40m/秒の速度で衝突させ、衝突後の上記円
筒物およびゴルフボールの速度を測定し、それぞれの衝
突前後の速度および重量から算出した。測定は各ゴルフ
ボールについて12個ずつ行って、その平均値を各ゴル
フボールの反発係数とし、比較例1を1とした時の指数
で表した。これらの指数が大きい程、反発性能に優れる
ことを示す。
ウッド1番クラブ(W#1、ドライバー)を取付け、ゴ
ルフボールをヘッドスピード40m/秒で打撃し、落下点ま
での距離(キャリー)を飛距離として測定した。測定
は、各ゴルフボールについて12個ずつ行い、その平均
を算出して各ゴルフボールの結果とした。
ゴルファー10人により、ウッド1番クラブ(W#1、ド
ライバー)での実打テストを行う。「打撃時の衝撃が小
さく、かつ反発感もあって打球感が良好」と答えたゴル
ファーの人数により評価する。評価基準は以下の通りで
ある。 評価基準 ◎ … 8人以上が打球感が良好と答えた ○ … 6〜7人が打球感が良好と答えた △ … 4〜5が打球感が良好と答えた × … 3人以下が打球感が良好と答えた
さ、並びにカバーの硬度を特定範囲に規定した実施例1
〜5の本発明のゴルフボールは、比較例1〜5のゴルフ
ボールに比べて、打撃時の衝撃が小さく反発感もあって
良好な打球感を有し、しかも優れた反発性能と飛行性能
を有することがわかった。
は、カバー硬度が低く、反発係数および飛距離が悪くな
っており、打球感でも若干反発感がなく実施例のゴルフ
ボールと比べて劣るものであった。比較例2のゴルフボ
ールは、外層コア硬度が高いため、反発係数や飛距離は
大きいものの、コア表面が硬くなり過ぎて打球感が悪く
なっている。
が大きく、内層コアの性能より外層コア硬度の影響が大
きくなり、反発係数が小さくて飛距離が短くなってい
る。比較例4のゴルフボールは、カバー硬度が低いた
め、軟らかくなり過ぎて反発係数が小さくて飛距離が短
くなっており、また打球感も反発感のない悪いものであ
った。
ールは、外層コアの硬度および厚さ、並びにカバー硬度
を特定範囲に規定することにより、打撃時のヘッドスピ
ードの低いゴルファーであっても、打撃時にソフトで良
好な打球感を有し、しかも高い反発特性の実現により飛
行性能を向上させ得たものである。
面図である。
の1つの態様の概略断面図である。
つの態様の概略断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 内層コア(1)および外層コア(2)から成る
コア(4)と該コア上に形成された1層以上のカバー(3)と
から成るマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、 該外層コア(2)が、ポリブタジエン、共架橋剤、有機過
酸化物および充填材を含有するゴム組成物から成り、シ
ョアD硬度20〜40および厚さ0.3〜1.0mm未満
を有し、 該カバー(3)の最外層のショアD硬度が62より大きく
70未満であり、 該カバーの最外層のショアD硬度(HC)と該外層コア
(2)のショアD硬度(HO)との比(HC/HO)が2より大
きいことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボー
ル。 - 【請求項2】 前記カバー(3)が、アイオノマー樹脂を
主材とする基材樹脂から形成され、かつ曲げ剛性率30
0MPa以上および酸含量16重量%以上を有する請求
項1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。 - 【請求項3】 初期荷重98Nを負荷した状態から終荷
重1275Nを負荷したときまでのコア変形量をDC(m
m)、ボール変形量をDB(mm)とした場合に、変形量差
(DC−DB)が0.8〜1.6mmである請求項1または
2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。 - 【請求項4】 前記外層コア(2)の共架橋剤が、α,β‐
不飽和カルボン酸のマグネシウム塩である請求項1〜3
のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボー
ル。
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