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JP2002050359A - リチウム二次電池用正極材料の製造方法及びリチウム二次電池用正極材料 - Google Patents

リチウム二次電池用正極材料の製造方法及びリチウム二次電池用正極材料

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JP2002050359A
JP2002050359A JP2000237893A JP2000237893A JP2002050359A JP 2002050359 A JP2002050359 A JP 2002050359A JP 2000237893 A JP2000237893 A JP 2000237893A JP 2000237893 A JP2000237893 A JP 2000237893A JP 2002050359 A JP2002050359 A JP 2002050359A
Authority
JP
Japan
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compound
positive electrode
secondary battery
lithium secondary
electrode material
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2000237893A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Shizuka
賢治 志塚
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
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Publication of JP2002050359A publication Critical patent/JP2002050359A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リチウム遷移金属酸化物を使用した場
合、電池特性の低下が起こりにくくなるように改善され
たリチウム二次電池用正極材料が求められていた。 【解決手段】 リチウム遷移金属酸化物に対し、加熱処
理及び/又は減圧処理工程を施した後、処理後のリチウ
ム遷移金属酸化物の表面の吸着サイトに吸着可能な化合
物(A)を混合することを特徴とするリチウム二次電池用
正極材料の製造方法。(但し化合物(A)は電池に特性を
与える化合物である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム二次電池用
正極材料の製造方法及びリチウム二次電池用正極材料に
関し、更にはそれを使用した正極及びリチウム二次電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のリチウム二次電池用正極活物質の
改良はめざましく、高価なLiCoO 2に替わって、L
iNiO2、LiMn24などの比較的安価で資源的に
も豊富な遷移金属元素からなる複合酸化物が実用段階に
入りつつある。リチウムニッケル酸化物は、充放電容量
が大きい、高温サイクル特性に優れるというメリットを
有している。しかし一方で、酸化物自体の貯蔵時の経時
劣化が大きい等の問題を抱えている。リチウムマンガン
酸化物は、特に構成元素としてのマンガンが資源的に豊
富であり、かつ過充電での安全性が高いというメリット
を有している。しかし一方で、高温環境下になるとサイ
クル特性や保存特性といった実用に際して重要な特性
が、支障をきたすレベルに低下してしまうという問題点
を抱えている。前記した様な各々の活物質が抱える問題
を克服することが実用的なリチウム二次電池用正極活物
質とするための課題である。
【0003】例えば、リチウムニッケル酸化物において
は貯蔵時の周囲の雰囲気(湿度や炭酸ガス)を制御するな
ど、経時劣化が進行しないような対策がとられている。
しかし、貯蔵時および使用時の環境を常時一定に制御す
ることは工業的には極めて困難であり、結局のところ上
記のような原因によって電池特性にばらつきが発生しや
すいというのが実情である。
【0004】リチウムマンガン酸化物においては高温環
境下での特性改良を目的とした検討が精力的に行われ、
報告されている。例えば、J.Electrochem.soc.,Vol.14
5,No.8(1998)2726-2732ではリチウムマンガン酸化物の
Mnの一部をGaやCrのような他元素で置換したもの
が開示され、Electrochemical Society Proceedings Vo
lume97-18.494 ではMnの一部をCoで置換したり、酸
素の一部をFで置換して結晶構造の安定性向上を図った
ものが開示されている。しかし、これらは負極として金
属リチウムを使用した時の結果であって、炭素材料のよ
うな実用的な負極材料との組み合わせにおいては、さら
なる性能の向上が求められているのが実情である。
【0005】また、マンガン系リチウム二次電池におい
ては高温環境下でマンガンが溶出しやすいことが高温保
存劣化や高温サイクル劣化の問題点として指摘されてお
り、例えば正極活物質表面を処理したり、正極材中にM
n溶出抑制効果のある物質を添加するといった検討も鋭
意行われている。しかしながら、近年のリチウム二次電
池の高性能化の要求レベルは高く、高温環境下でのサイ
クル特性は更なる性能向上が求められている。
【0006】ところで、特許第3024636号ではス
ピネル型リチウムマンガン複合酸化物と特定の比表面積
又は粒径を持つリチウムニッケル複合酸化物とを組み合
わせて用いることにより高温特性向上を図ったとしてい
る。しかし、依然として比較的高価で資源的にも豊富と
は言えないニッケルを主成分とするリチウムニッケル酸
化物を使用しなければならないことや、それに加え複数
の活物質を組み合わせて使用することによる工業的プロ
セスの煩雑化及びコストアップの問題を抱えることにな
り、必ずしも好ましい改善とは言い難い。
【0007】また、リチウム遷移金属酸化物は一般に、
その保存環境により電池性能にばらつきが生じるという
問題も有していた。また更に、電池の特性向上のために
種々の化合物が正極材や電解液に配合されているが、従
来の方法では単にその化合物の配合目的の効果のみしか
発現さず、電池特性の低下が起こりにくくなるような改
善は期待できなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は正極活物質と
してリチウム遷移金属酸化物を使用した場合、電池特性
の低下が起こりにくくなるように改善されたリチウム二
次電池用正極材料の製造方法及びその正極材料、リチウ
ム二次電池用正極及びリチウム二次電池を提供しようと
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】結晶の表面原子は結合が
不飽和であるので反応性に富み、不純物を吸着しやす
い。通常の条件下では、金属酸化物表面は表面水酸基を
はじめとして種々の吸着質を保持しており、更に常温、
大気中においては通常、水を吸着して物理吸着水(表面
水酸基と水分子とが水素結合を介して吸着)を保持して
いると考えられる。より厳密には金属酸化物の表面状態
は複雑であり、遷移金属元素の種類や組成、結晶構造等
によって異なってくると考えられる。このことはリチウ
ム遷移金属酸化物の場合においても当てはまる。前記し
たことを鑑みると、活物質の種類が異なる場合、例えば
リチウムニッケル酸化物とリチウムマンガン酸化物とで
特性が異なる理由の一つとして各々の表面状態の違いが
挙げられるのではないかと考えた。更には、保存環境に
よる電池性能のばらつきも、保存環境の違いにより表面
状態の違いを生じるためと考えられる。
【0010】リチウムニッケル酸化物を純水中に浸漬さ
せると、浸漬水のpHは強塩基性となる。また、リチウ
ムニッケル酸化物を大気中に放置しておくと、水分や炭
酸ガスを経時的に吸収して劣化する。これらの結果か
ら、リチウムニッケル酸化物の場合、気相中に存在する
水を解離吸着して表面水酸基を生ずるが、吸着するのは
水素イオンのみで、代わりにLiイオンが放出され、かつ
解離した水酸化物イオンが取り残されていることで電気
中性が保たれていると推察される。表面に生成した水酸
化リチウムは大気中の炭酸ガスと反応するため、経時的
に炭酸濃度が増加し、表面は主として炭酸リチウムで覆
われた状態になっていると思われる。
【0011】炭酸リチウムで表面が覆われたリチウムニ
ッケル酸化物を正極活物質として使用したリチウム二次
電池は、抵抗の増大を引き起こす結果、出力特性や低温
特性を低下させ、また充放電容量が低下する等、種々の
影響を及ぼす。一方、スピネル型リチウムマンガン酸化
物を純水中に浸漬させても、浸漬水のpHはリチウムニ
ッケル酸化物のような強塩基性を示さない。また、該酸
化物を大気中に放置しておいても、炭酸ガスの経時的な
吸収は殆ど観測されない。これらの結果から、リチウム
マンガン酸化物の場合、気相中に存在する水を解離吸着
して表面水酸基を生ずるが、解離した水素イオンと水酸
化物イオンを共に吸着し、Liイオンを放出することがな
いと推察される。従ってリチウムマンガン酸化物は、ま
ず表面水酸基で覆われ、更に水素結合を介して水分子が
物理吸着した状態で安定に存在していると推察される。
【0012】物理吸着水を保持したリチウムマンガン酸
化物を正極活物質として使用したリチウム二次電池は、
該吸着水によって電解液の分解を引き起こす等、非水系
電池にとって致命的な影響を及ぼす。特に、高温環境下
においては該活物質表面が活性な状態となり、触媒的作
用による電池内部の劣化反応を引き起こすと考えられ、
この触媒的作用が吸着水の存在によって助長されると考
えた。
【0013】本発明者は、リチウム遷移金属酸化物の表
面状態を調整する処理工程と、前記処理により調整され
た酸化物表面が再び好ましくない吸着質によって吸着し
た状態に戻らないように、調整された吸着サイトに適当
な化合物を吸着させるための混合工程とを施した正極材
料を用いると、電池特性が改善されることを見出し、本
発明を完成するに至った。前述の適当な化合物は、電池
特性を低下させない化合物であればよいが、本発明にお
いては、電池のある特性を向上さすために配合する種々
の化合物を用いれば、該化合物の配合の目的とする効果
を発現するとともに、本発明の目的とする「電池特性の
低下が起こりにくくなるような改善」の効果を発現する
ことができる。
【0014】即ち、本発明の要旨は、下記(1)〜(3
8)に存する。 (1)リチウム遷移金属酸化物に対し、加熱処理及び/
又は減圧処理工程を施した後、処理後のリチウム遷移金
属酸化物の表面の吸着サイトに吸着可能な化合物(A)を
混合することを特徴とするリチウム二次電池用正極材料
の製造方法。(但し化合物(A)は電池に特性を与える化
合物である。) (2)加熱処理及び/又は減圧処理工程が、100〜2
00℃かつ大気圧以下の状態を0.5〜24時間保持す
るものであることを特徴とする上記(1)に記載のリチ
ウム二次電池用正極材料の製造方法。
【0015】(3)加熱処理及び/又は減圧処理工程
が、室温〜200℃かつ1torr以下の状態を0.5〜2
4時間保持するものであることを特徴とする上記(1)
に記載のリチウム二次電池用正極材料の製造方法。 (4)リチウム遷移金属酸化物を、100〜200℃か
つ大気圧以下の状態を0.5〜24時間保持した後、水
酸基に吸着可能な化合物(A)を混合することを特徴とす
るリチウム二次電池用正極材料の製造方法。(但し化合
物(A)は電池に特性を与える化合物である。) (5)リチウム遷移金属酸化物を、室温〜200℃かつ
1torr以下の状態を0.5〜24時間保持した後、水酸
基に吸着可能な化合物(A)を混合することを特徴とする
リチウム二次電池用正極材料の製造方法。(但し化合物
(A)は電池に特性を与える化合物である。) (6)加熱処理及び/又は減圧処理工程の後、加熱処理
及び/又は減圧処理により発生したガスを排気すること
を特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のリ
チウム二次電池用正極材料の製造方法。
【0016】(7)加熱処理及び/又は減圧処理工程の
後、化合物(A)の混合が終了するまでの作業工程が、露
点−30℃以下の乾燥雰囲気下で行われることを特徴と
する上記(1)〜(6)のいずれかに記載のリチウム二
次電池用正極材料の製造方法。 (8)リチウム遷移金属酸化物が、スピネル構造もしく
は層状構造をもつリチウムマンガン酸化物であることを
特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のリチ
ウム二次電池用正極材料の製造方法。
【0017】(9)リチウム遷移金属酸化物が、立方晶
スピネル構造を有しMnサイトの一部が他元素で置換さ
れたリチウムマンガン酸化物であることを特徴とする上
記(1)〜(8)のいずれかに記載のリチウム二次電池
用正極材料の製造方法。 (10)リチウムマンガン酸化物表面の物理吸着水を除
去して表面水酸基を露出させ、次いで表面水酸基を吸着
サイトとして吸着可能な化合物(A)を混合することによ
り、表面水酸基に化合物(A)を吸着させることを特徴と
するリチウム二次電池用正極材料の製造方法。(但し化
合物(A)は電池に特性を与える化合物である。) (11)リチウムマンガン酸化物表面の物理吸着水の除
去が、100〜200℃かつ大気圧以下の状態を0.5
〜24時間保持することにより行われることを特徴とす
る上記(10)に記載のリチウム二次電池用正極材料の
製造方法。
【0018】(12)リチウムマンガン酸化物表面の物
理吸着水の除去が、室温〜200℃かつ1torr以下の状
態を0.5〜24時間保持することにより行われること
を特徴とする上記(10)に記載のリチウム二次電池用
正極材料の製造方法。 (13)化合物(A)が、非共有電子対及び/又はπ電子
を持つ分子を有する化合物であることを特徴とする上記
(1)〜(12)のいずれかに記載のリチウム二次電池
用正極材料の製造方法。
【0019】(14)化合物(A)が、窒素、リン、砒
素、アンチモン、酸素、硫黄、セレン、テルル、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素から選択される少なくとも1種
以上の元素を有する化合物であることを特徴とする上記
(1)〜(13)のいずれかに記載のリチウム二次電池
用正極材料の製造方法。 (15)化合物(A)が、ヘテロ原子として窒素、酸素、
硫黄から選択される少なくとも1種以上の原子を環内構
成元素に含む複素環化合物であることを特徴とする上記
(1)〜(14)のいずれかに記載のリチウム二次電池
用正極材料の製造方法。
【0020】(16)化合物(A)の配合量が、リチウム
遷移金属酸化物に対して0.1〜10モル%であること
を特徴とする上記(1)〜(15)のいずれかに記載の
リチウム二次電池用正極材料の製造方法。 (17)リチウム遷移金属酸化物に対し、加熱処理及び
/又は減圧処理工程を施した後、該処理後のリチウム遷
移金属酸化物の表面の吸着サイトに吸着可能な化合物
(A)を混合したリチウム二次電池用正極材料。(但し化
合物(A)は電池に特性を与える化合物である。) (18)加熱処理及び/又は減圧処理工程が、100〜
200℃かつ大気圧以下の状態を0.5〜24時間保持
するものであることを特徴とする上記(17)に記載の
リチウム二次電池用正極材料。
【0021】(19)加熱処理及び/又は減圧処理工程
が、室温〜200℃かつ1torr以下の状態を0.5〜2
4時間保持するものであることを特徴とする上記(1
7)に記載のリチウム二次電池用正極材料。 (20)リチウム遷移金属酸化物を、100〜200℃
かつ大気圧以下の状態で0.5〜24時間保持した後、
水酸基に吸着可能な化合物(A)を混合したリチウム二次
電池用正極材料。(但し化合物(A)は電池に特性を与え
る化合物である。) (21)リチウム遷移金属酸化物を、室温〜200℃か
つ1torr以下の状態で0.5〜24時間保持した後、水
酸基に吸着可能な化合物(A)を添加し、混合したリチウ
ム二次電池用正極材料。
【0022】(22)加熱処理及び/又は減圧処理工程
の後、加熱処理及び/又は減圧処理により発生したガス
を排気することを特徴とする上記(17)〜(21)の
いずれかに記載のリチウム二次電池用正極材料。 (23)加熱処理及び/又は減圧処理工程の後、化合物
(A)の混合が終了するまでの作業工程が、露点−30℃
以下の乾燥雰囲気下で行われることを特徴とする上記
(17)〜(22)のいずれかに記載のリチウム二次電
池用正極材料。
【0023】(24)リチウムマンガン酸化物表面の物
理吸着水を除去して表面水酸基を露出させ、次いで表面
水酸基を吸着サイトとして吸着可能な化合物(A)を混合
することにより、表面水酸基に化合物(A)を吸着させた
リチウム二次電池用正極材料。(但し化合物(A)は電池
に特性を与える化合物である。) (25)リチウムマンガン酸化物表面の物理吸着水の除
去が、100〜200℃かつ大気圧以下の状態を0.5
〜24時間保持することにより行われることを特徴とす
る上記(24)に記載のリチウム二次電池用正極材料。
【0024】(26)リチウムマンガン酸化物表面の物
理吸着水の除去が、室温〜200℃かつ1torr以下の状
態を0.5〜24時間保持することにより行われること
を特徴とする上記(24)に記載のリチウム二次電池用
正極材料。 (27)リチウムマンガン酸化物の表面に、リチウムマ
ンガン酸化物の表面水酸基を介して化合物(A)が吸着し
たリチウム二次電池用正極材料。(但し化合物(A)は電
池に特性を与える化合物である。) (28)化合物(A)が、非共有電子対及び/又はπ電子
を持つ分子を有する化合物であることを特徴とする上記
(17)〜(27)のいずれかに記載のリチウム二次電
池用正極材料。
【0025】(29)化合物(A)が、窒素、リン、砒
素、アンチモン、酸素、硫黄、セレン、テルル、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素から選択される少なくとも1種
以上の元素をする化合物であることを特徴とする上記
(17)〜(28)のいずれかに記載のリチウム二次電
池用正極材料。 (30)化合物(A)が、ヘテロ原子として窒素、酸素、
硫黄から選択される少なくとも1種以上の原子を環内構
成元素に含む複素環化合物であることを特徴とする上記
(17)〜(29)のいずれかに記載のリチウム二次電
池用正極材料。
【0026】(31)化合物(A)の配合量が、リチウム
遷移金属酸化物に対して0.1〜20モル%であること
を特徴とする上記(17)〜(30)のいずれかに記載
のリチウム二次電池用正極材料。 (32)リチウム遷移金属酸化物が、スピネル構造もし
くは層状構造をもつリチウムマンガン酸化物であること
を特徴とする上記(17)〜(31)のいずれかに記載
のリチウム二次電池用正極材料。
【0027】(33)リチウム遷移金属酸化物が、立方
晶スピネル構造を有しMnサイトの一部が他元素で置換
されたリチウムマンガン酸化物であることを特徴とする
上記(17)〜(32)のいずれかに記載のリチウム二
次電池用正極材料。 (34)他元素が、Al、Ti、V、Cr、Fe、L
i、Co、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zrからな
る群から選ばれることを特徴とする上記(33)に記載
のリチウム二次電池用正極材料。
【0028】(35)リチウムマンガン酸化物のBET
比表面積が0.3〜1.5m2/gであることを特徴と
する上記(17)〜(34)のいずれかに記載のリチウ
ム二次電池用正極材料。 (36)上記(17)〜(35)のいずれかに記載のリ
チウム二次電池用正極材料を含むことを特徴とするリチ
ウム二次電池用正極。
【0029】(27)上記(17)〜(35)のいずれ
かに記載のリチウム二次電池用正極材料を含む正極と、
負極及び電解質を有することを特徴とするリチウム二次
電池。 (38)負極の活物質が炭素材料であることを特徴とす
る上記(37)に記載のリチウム二次電池。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明においては、リチウム遷移
金属酸化物に対し、加熱処理及び/又は減圧処理工程を
施した後、該処理後のリチウム遷移金属酸化物の表面の
吸着サイトに吸着可能な化合物(A)を混合することを必
須とする。本発明において「加熱処理及び/又は減圧処
理」は、リチウム遷移金属酸化物の表面状態を調整する
ための処理工程である。通常の条件下では、金属酸化物
表面は表面水酸基をはじめとして種々の吸着質を保持し
ており、更に常温、大気中においては通常、水を吸着し
て物理吸着水(表面水酸基と水分子とが水素結合を介し
て吸着)を保持していると考えられる。これを加熱処理
及び/又は減圧処理することにより吸着水等の吸着物等
を取り除き、リチウム遷移金属酸化物の表面に吸着サイ
トが出現する。加熱温度や減圧条件及び処理時間等を変
えることによって、該酸化物の表面状態は変化しうる。
表面状態としては、物理吸着水等の吸着物が除去されて
表面水酸基が出現した状態、更に表面水酸基が脱離(水
分子が水素イオンと水酸化物イオンに解離して金属酸化
物表面に吸着する表面水酸基生成の逆過程)して、配位
不飽和な金属イオン及び酸素イオンが出現した状態等が
挙げられる。表面水酸基、配位不飽和な金属イオンや酸
素イオン 等は表面に混在していてもよい。温度、減圧
条件、時間等の各パラメータは独立して設定することが
可能である。各リチウム遷移金属酸化物の種類に応じ
て、所望の表面状態とするための条件を任意に決定すれ
ば良い。例えば、一般には金属酸化物表面の物理吸着水
を脱離させたい場合には、常温付近での真空排気を行え
ば良く、表面水酸基まで完全に脱離させたい場合には、
多くの場合800〜1000℃での高温真空排気が必要
である。表面吸着したCO2等の他の吸着分子において
も処理条件を適切に設定することにより脱離可能であ
る。一般に処理時間は処理温度及び/又は排気の程度が
高い程短くすることができ、逆に処理温度及び/又は排
気の程度が低い程、長くする必要がある。具体的には、
本発明における加熱処理及び/又は減圧処理としては、
(A)100〜200℃かつ大気圧以下の状態を0.5
〜24時間保持する処理、(B)加熱処理及び/又は減
圧処理工程が、室温〜200℃かつ1torr以下の状態を
0.5〜24時間保持する処理が挙げられる加熱処理及
び/又は減圧処理により所望の表面状態になったとして
も、熱処理及び/又は減圧処理により発生したガスが残
っている状態で常温・常圧に戻すと、表面からの脱離物
が表面上に再吸着してしまうことがあるので、例えば、
加熱処理及び/又は減圧処理工程の後、加熱処理及び/
又は減圧処理により発生したガスを排気して除去するこ
とが好ましい。
【0031】また、前記処理工程後、化合物(A)の混合
が終了するまでの作業工程においては、調整された表面
状態が外界の水分子やCO2などの再吸着によって汚染
され、化合物(A)が吸着不能になることを極力避けるこ
と肝要である。作業環境としては乾燥雰囲気、低CO2
分圧雰囲気が好ましい。乾燥雰囲気の環境としては、通
常露点0℃以下、好ましくは−30℃以下、より好まし
くは−40℃以下である。低CO2分圧の環境として
は、通常3×10-4気圧以下、好ましくは10-5気圧以
下、より好ましくは10-6気圧以下である。
【0032】本発明において「リチウム遷移金属酸化物
の表面の吸着サイト」とは、配位不飽和な金属イオンや
酸素イオン、又は表面水酸基等、ある吸着分子を吸着可
能なサイトを意味する。本発明における化合物(A)は電
池に特性を与える化合物であり、リチウム遷移金属酸化
物の表面の吸着サイトに吸着可能なものであればよく、
具体的には例えばリチウム遷移金属酸化物表面にある水
酸基、配位不飽和な金属イオンや酸素イオン 等に吸着
可能であればよい。従って、水酸基、配位不飽和な金属
イオンや酸素イオン 等に対する吸着能力を有する化合
物を選択すればよい。
【0033】なお、本発明において電池に特性を与える
化合物とは、例えば電池の出力特性、高温特性、低温特
性、サイクル特性、保存特性等を改善する特性、電極の
表面抵抗を抑える特性、ガス発生を抑制する特性、電池
構成材料の劣化を抑制する特性等が挙げられる。即ち、
電池の特性向上のために配合しうる化合物から任意に選
択すればよい。これらの化合物を、加熱処理及び/又は
減圧処理工程を施していないリチウム遷移金属酸化物に
対して配合するだけであれば、その化合物の配合目的の
効果のみが発現されるだけである。本発明では、それら
効果に加えて更なる電池特性の低下が起こりにくくなる
ような改善(具体的には高温特性の改善等)を達成でき
る。
【0034】また電解液にある種の化合物を添加するこ
とにより電池の特性を改良する試みが種々行われている
が、正極活物質と電解液界面で起こる劣化反応の進行を
効果的に抑制できない可能性が高い。加えて化合物(A)
は電解液に不溶もしくは難溶なものもあり、配合量を制
御するのが困難と思われる。たとえ可能だとしても、電
解液の種類に拘束されてしまう恐れがある。本発明は、
化合物(A)をリチウム二次電池用正極活物質の表面に吸
着させることにより、効果的かつ電解液の種類に無関係
に高温特性の改善を可能にしたものである。
【0035】本発明において用いられる化合物(A)とし
ては、非共有電子対及び/又はπ電子を持つ分子を有す
る化合物が好ましい。その一理由として、表面水酸基が
非共有電子対やπ電子を持つ分子に対して吸収サイトと
して働くことが挙げられる。水素結合により水分子が吸
着するのはその一例である。より具体的には窒素、リ
ン、砒素、アンチモン、酸素、硫黄、セレン、テルル、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選択される少なくとも
1種以上の元素をする化合物であり、更にはヘテロ原子
として窒素、酸素、硫黄から選択される少なくとも1種
以上の原子を環内構成元素に含む複素環化合物である。
これらの化合物のうち、表面により強く吸着しうるもの
が好ましく、正極活物質表面で安定に存在させる点で耐
酸化性の高いものが好ましい。また、熱力学的に安定な
ものが好ましく、有機化合物の場合には芳香族複素環化
合物であることが好ましい。更に充放電反応に伴うLi
イオンの挿入・放出や電子伝導に対する障害を少なくす
る点で立体障害性の低い構造をもつものや適度な電気伝
導性を有するものが好ましい。加えて、充電時の発熱や
高温環境下での保存あるいは使用においても安定に存在
しうる点で熱安定性の高いものが好ましい。化合物(A)
に異性体が存在する場合、特定の異性体に限定されな
い。特に好ましい化合物としては硫化ランタン等の金属
硫化物、電子求引性の置換基を有するジアゾール(ニト
ロイミダゾール等)、プリン誘導体、スクシンイミド誘
導体等の特定の含窒素複素環化合物、サッカリンやチア
ントレン、トリチアン等の含硫黄複素環化合物が挙げら
れる。上記化合物は、1種又は複数種組み合わせて使用
しても良く、また相乗効果が期待されるような他の添加
剤と併用しても良い。
【0036】上記化合物の使用量は、リチウム遷移金属
酸化物に対して通常0.01〜20モル%、好ましくは
0.1〜10モル%、より好ましくは1〜5モル%であ
る。使用量が多くなると放電容量が低下する可能性があ
り、逆に少なくなると改善しようとする特性向上効果を
得難くなる可能性がある。リチウム遷移金属酸化物中に
添加された化合物(A)を混合させるには、例えば物理混
合法を採用することができる。物理混合は簡便な混合法
であり、かつ変質の影響がなく、本来の効果を十分に発
揮しうる点で好ましい。本発明における物理混合とは、
複数の物質を単に混ぜ合わせることを意味し、混合物が
化学変化してしまうような程の高温での熱処理などを伴
わない混合を意味する。複数の物質をかき混ぜて正極活
物質中に該化合物を分散させたものが好ましく、均一に
分散されていることが好ましい。物理混合は、乾式混合
が好ましい。物理混合には、乳鉢、ボールミル、ジェッ
トミル、レディゲミキサー等を使用することができる。
また正極材料中に有効に留まらせるために、電解液に溶
解しにくいものが好ましい。本発明においては、加熱処
理及び/又は減圧処理によりチウム遷移金属酸化物の表
面に吸着サイトが存在し、化合物(A)は該吸着サイトに
吸着可能な化合物であるので、上記の混合を行うことに
よりリチウムマンガン酸化物の表面に、リチウムマンガ
ン酸化物の吸着サイトを介して化合物(A)が吸着したリ
チウム二次電池用正極材料が得られる。
【0037】化合物(A)のリチウム遷移金属酸化物の表
面への吸着の有無を判別する分析手法としては、例え
ば、赤外吸収、ラマン分光法、光音響分光法、メスバウ
アー分光法、偏光解析法等の手法が挙げられるが、これ
らに限定されない。本発明において、リチウム遷移金属
酸化物は活物質として用いられている。なお、本発明に
おいて活物質とは該電池の起電反応のもとになる主要物
質であり、Liイオンを吸蔵・放出できる物質を意味す
る。用いられるリチウム遷移金属酸化物は、活物質とし
てLiを可逆的に吸蔵・放出できるものであればよい。
リチウム遷移金属酸化物中に使用される遷移金属として
は、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、バナ
ジウム、チタン、銅等を挙げることができる。好ましく
は、マンガン、ニッケル、コバルトであり、特に好まし
くはマンガン、ニッケルであり、最も好ましくはマンガ
ンである。無論、これらを複数使用することもできる。
好ましいリチウム遷移金属としては、リチウムマンガン
酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸
化物、リチウム鉄酸化物、リチウムクロム酸化物、リチ
ウムバナジウム酸化物、リチウムチタン酸化物、リチウ
ム銅酸化物等を挙げることができる。具体的な組成式と
しては、例えば一般式LiMn24、LiMnO2、L
iNiO2、LiCoO2、LiFeO2、LiCrO2
Li1+x38、LiV24、LiTi24、Li2Cu
2、LiCuO2で表されるような化合物等を挙げるこ
とができる。本発明の効果が顕著である点で、好ましく
はリチウムマンガン酸化物、より好ましくはスピネル構
造もしくは層状構造をもつリチウムマンガン酸化物、特
に特に一般式LiMn24で表されるような立方晶スピ
ネル構造を有するリチウムマンガン酸化物である。な
お、上記の組成において、少量の酸素欠損、不定比性を
持っていてもよい。また、酸素サイトの一部が硫黄やハ
ロゲン元素で置換されていてもよい。さらに、リチウム
遷移金属酸化物の遷移金属が占めるサイトの一部を遷移
金属以外の元素で置換してもよい。
【0038】本発明で使用するリチウム遷移金属酸化物
としては、特定の遷移金属をベースとして、該遷移金属
サイトの一部が他の元素で置換されているのが好まし
い。その結果、結晶構造の安定性を向上させることがで
き、これと前記化合物とを組み合わせることで相乗的に
高温特性の向上を図ることができる。この効果は、特に
リチウムマンガン複合酸化物を使用した際に顕著であ
る。
【0039】この際の該遷移金属サイトの一部を置換す
る他元素(以下、置換元素と表記する)としては、A
l、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、
Cu、Zn、Mg、Ga、Zr等が挙げられ、好ましく
はAl、Cr、Fe、Co、Li、Ni、Mg、Ga、
更に好ましくはAlである。なお、遷移金属サイトは2
種以上の他元素で置換されていてもよい。
【0040】置換元素による置換割合は通常ベースとな
る遷移金属元素の2.5モル%以上、好ましくはベース
となる遷移金属元素の5モル%以上であり、通常ベース
となる遷移金属元素の30モル%以下、好ましくはベー
スとなる遷移金属元素の20モル%以下である。置換割
合が少なすぎるとその高温サイクルの改善効果が充分で
はない場合があり、多すぎると電池にした場合の容量が
低下してしまう場合がある。
【0041】本発明で用いるリチウム遷移金属酸化物の
比表面積は、通常0.01m2/g以上、好ましくは0.
3m2/g以上、より好ましくは0.5m2/g以上であ
り、また通常10m2/g以下、好ましくは1.5m2
g以下、より好ましくは1.0m2/g以下である。比
表面積が小さすぎるとレート特性の低下、容量の低下を
招き、大きすぎると電解液等と好ましくない反応を引き
起こし、サイクル特性を低下させることがある。比表面
積の測定はBET法に従う。
【0042】本願発明で用いるリチウム遷移金属酸化物
の平均粒径は、通常0.1μm以上、好ましくは0.2
μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上、最も好ま
しくは0.5μm以上であり、通常300μm以下、好
ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以
下、最も好ましくは20μm以下である。平均粒径が小
さすぎると電池のサイクル劣化が大きくなったり、安全
性に問題が生じたりする場合があり、大きすぎると電池
の内部抵抗が大きくなり、出力が出にくくなる場合があ
る。
【0043】本発明の正極材料は、リチウム二次電池の
正極に使用することができる。本発明の正極は、上記正
極材料とバインダーとを有する。好ましくは、正極は、
正極集電体と、正極材料とバインダーとを含有する正極
層とからなる。このような正極層は、前記処理工程を経
たリチウム遷移金属酸化物、後述の結着剤( バインダ
ー) 及び必要に応じて導電剤を溶媒でスラリー化したも
のを正極集電体に塗布し、乾燥することにより製造する
ことができる。
【0044】正極中には、前記処理工程を経たリチウム
遷移金属酸化物以外のリチウムイオンを吸蔵・放出しう
る活物質をさらに含有していてもよい。正極中の活物質
の割合は、通常10重量%以上、好ましくは30重量%
以上、さらに好ましくは50重量%以上であり、通常9
9.9重量%以下、好ましくは99重量%以下である。
多すぎると電極の機械的強度が劣る傾向にあり、少なす
ぎると容量等電池性能が劣る傾向にある。
【0045】また、正極に使用されるバインダーとして
は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオ
ロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、EPDM
(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、SB
R(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニ
トリル−ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロ
セルロース等が挙げられる。正極層中のバインダーの割
合は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以
上、さらに好ましくは5重量%以上であり、通常80重
量%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好ましく
は40重量%以下、最も好ましくは10重量%以下であ
る。バインダーの割合が低すぎると、活物質を十分に保
持できずに正極の機械的強度が不足し、サイクル特性等
の電池性能を悪化させることがあり、一方高すぎると電
池容量や導電性を下げることがある。
【0046】正極層は、通常導電性を高めるため導電剤
を含有する。導電剤としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の
黒鉛や、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニ
ードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料を挙げるこ
とができる。正極中の導電剤の割合は、通常0.01重
量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好まし
くは1重量%以上であり、通常50重量%以下、好まし
くは30重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下
である。導電剤の割合が低すぎると導電性が不十分にな
ることがあり、逆に高すぎると電池容量が低下すること
がある。
【0047】また、スラリー溶媒としては、通常はバイ
ンダーを溶解あるいは分散する有機溶剤が使用される。
例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチ
ルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミ
ン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を挙げる
ことができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加えてS
BR等のラテックスで活物質をスラリー化することもで
きる。
【0048】正極層の厚さは、通常1〜1000μm、
好ましくは10〜200μm程度である。厚すぎると導
電性が低下する傾向にあり、薄すぎると容量が低下する
傾向にある。正極に使用する集電体の材質としては、ア
ルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が用い
られ、好ましくはアルミニウムである。集電体の厚さ
は、通常1〜1000μm、好ましくは5〜500μm
程度である。厚すぎるとリチウム二次電池全体としての
容量が低下し、薄すぎると機械的強度が不足することが
ある。
【0049】なお、塗布・乾燥によって得られた正極層
は、活物質の充填密度を上げるためローラープレス等に
より圧密されるのが好ましい。本発明のリチウム二次電
池は、前記処理工程を経たリチウム遷移金属酸化物を活
物質として用いた正極と、負極と、電解質層とを有す
る。そして、正極、負極及び電解質層の少なくとも1つ
に前記化合物が含まれてなる。その結果、高温環境下で
も優れた特性を有するリチウム二次電池とすることがで
きる。使用する前記処理工程を経た正極活物質、正極に
ついては前記同様である。
【0050】前記処理工程を経たリチウム遷移金属酸化
物は、正極活物質−電解液界面における劣化反応の効果
的抑制と共に、電解液自身や負極表面に対する安定化に
も寄与すると考えられるため、正極、負極及び電解質層
のどこに存在していてもよいが、正極に含まれるのが本
発明の効果を十分に発揮する上で好ましい。この好まし
い態様は、前記本発明の正極材料を含む正極を使用した
リチウム二次電池と捉えることができる。従って、該好
ましい態様における前記化合物(A)とリチウム遷移金属
酸化物との量比等は前記同様である。
【0051】本発明の二次電池の負極に使用される負極
の活物質としては、リチウムやリチウムアルミニウム合
金合金などのリチウム合金であっても良いが、より安全
性の高いリチウムを吸蔵、放出できる炭素材料が好まし
い。前記炭素材料は特に限定されないが、黒鉛及び、石
炭系コークス、石油系コークス、石炭系ピッチの炭化
物、石油系ピッチの炭化物、あるいはこれらピッチを酸
化処理したものの炭化物、ニードルコークス、ピッチコ
ークス、フェノール樹脂、結晶セルロース等の炭化物等
及びこれらを一部黒鉛化した炭素材、ファーネスブラッ
ク、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維等が挙げら
れる。
【0052】更に、SnO、SnO2、Sn1-xx
(M=Hg、P、B、Si、GeまたはSb、ただし0
≦x<1)、Sn32(OH)2 、Sn3-xx2(O
H)2(M=Mg、P、B、Si、Ge、Sb又はM
n、ただし0≦x<3)、LiSiO2、SiO2又はL
iSnO2等を挙げることができる。なお、これらの中
から選ばれる2種以上の混合物として用いてもよい。
【0053】負極は通常、正極の場合と同様、負極層を
集電体上に形成されてなる。この際使用するバインダー
や、必要に応じて使用される導電剤やスラリー溶媒とし
ては、正極で使用するものと同様のものを使用すること
ができる。また、負極の集電体としては、銅、ニッケ
ル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用され、好
ましくは銅が用いられる。
【0054】正極と負極との間にセパレーターを使用す
る場合は、微多孔性の高分子フィルムが用いられ、ナイ
ロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリ
スルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポ
リオレフィン高分子よりなるものが用いられる。セパレ
ータの化学的及び電気化学的安定性は重要な因子であ
る。この点からポリオレフィン系高分子が好ましく、電
池セパレータの目的の一つである自己閉塞温度の点から
ポリエチレン製であることが望ましい。
【0055】ポリエチレンセパレーターの場合、高温形
状維持性の点から超高分子量ポリエチレンであることが
好ましく、その分子量の下限は好ましくは50万、さら
に好ましくは100万、最も好ましくは150万であ
る。他方分子量の上限は、好ましくは500万、更に好
ましくは400万、最も好ましくは300万である。分
子量が大きすぎると、流動性が低すぎて加熱された時セ
パレーターの孔が閉塞しない場合があるからである。
【0056】また、本発明のリチウム二次電池における
電解質層を構成する電解質には、例えば公知の有機電解
液、高分子固体電解質、ゲル状電解質、無機固体電解質
等を用いることができるが、中でも有機電解液が好まし
い。有機電解液は、有機溶媒と溶質から構成される。有
機溶媒としては特に限定されるものではないが、例えば
カーボネート類、エーテル類、ケトン類、スルホラン系
化合物、ラクトン類、ニトリル類、塩素化炭化水素類、
エーテル類、アミン類、エステル類、アミド類、リン酸
エステル化合物等を使用することができる。これらの代
表的なものを列挙すると、ジメチルカーボネート、ジエ
チルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレン
カーボネート、ビニレンカーボネート、テトラヒドロフ
ラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキ
サン、4−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジメトキ
シエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラク
トン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジ
オキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルス
ルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾ
ニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、1,2−
ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等の単
独もしくは二種類以上の混合溶媒が使用できる。
【0057】上述の有機溶媒には、電解質を解離させる
ために高誘電率溶媒が含まれることが好ましい。ここ
で、高誘電率溶媒とは、25℃における比誘電率が20
以上の化合物を意味する。高誘電率溶媒の中で、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート及びそれらの
水素原子をハロゲン等の他の元素又はアルキル基等で置
換した化合物が電解液中に含まれることが好ましい。高
誘電率化合物の、電解液に占める割合は、好ましくは2
0重量%以上、更に好ましくは30重量%以上、最も好
ましくは40重量%以上である。該化合物の含有量が少
ないと、所望の電池特性が得られない場合があるからで
ある。
【0058】またこの溶媒に溶解させる溶質として特に
限定されるものではないが、従来公知のいずれもが使用
でき、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiB
4、LiB(C654 、LiCl、LiBr、CH3
SO3Li、CF3SO3Li、LiN(SO2CF32
LiN(SO2252、LiC(SO2CF33、L
iN(SO3CF32等が挙げられ、これらのうち少な
くとも1種以上のものを用いることができる。また、C
2 、 N2O、CO、SO2 等のガスやポリサルファイ
ドSx 2-など負極表面にリチウムイオンの効率よい充放
電を可能にする良好な皮膜を生成する添加剤を任意の割
合で上記単独又は混合溶媒に添加してもよい。
【0059】高分子固体電解質を使用する場合にも、こ
の高分子に公知のものを用いることができ、特にリチウ
ムイオンに対するイオン導電性の高い高分子を使用する
ことが好ましく、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポ
リプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミン等が好ま
しく使用され、またこの高分子に対して上記の溶質と共
に、上記の溶媒を加えてゲル状電解質として使用するこ
とも可能である。
【0060】無機固体電解質を使用する場合にも、この
無機物に公知の結晶質、非晶質固体電解質を用いること
ができる。結晶質の固体電解質としては例えば、Li
I、Li3N、Li1+xxTi2-x(PO43(M=A
l,Sc,Y,La)、Li0.5- 3xRE0.5+xTiO
3(RE=La,Pr,Nd,Sm)等が挙げられ、非
晶質の固体電解質としては例えば、4.9 LiI−34.1L
2O−61B25,33.3Li2O−66.7SiO2 等の酸
化物ガラスや0.45LiI−0.37Li2S−0.26B23
0.30LiI−0.42Li2S−0.28SiS2等の硫化物ガラ
ス等が挙げられる。これらのうち少なくとも1種以上の
ものを用いることができる。
【0061】
【実施例】以下実施例によって本発明の方法をさらに具
体的に説明する。 [リチウムマンガン複合酸化物の調製]スピネル型のリ
チウムマンガン複合酸化物Li[Mn1.85Al0.11Li0.04]O4
以下のように作製した。
【0062】三酸化二マンガン( Mn23)、 炭酸リ
チウム(Li2CO3)、及びベーマイト(AlOOH)
を出発原料とし、それぞれの化合物のモル比が0.9
4:0.52:0.10[Li:Mn:Alのモル比
が、1.04:1.88:0.10]となるように配合
した。この配合物をジェットミルを用いて均一な混合物
とした。得られた混合物を大気中で500℃(昇温速
度:5℃/min)、600℃(昇温速度:5℃/mi
n)、700℃(昇温速度:5℃/min)、800℃
(昇温速度:5℃/min)にて順次各々6時間仮焼
し、次に大気中で900℃(昇温速度:5℃/min)
にて24時間本焼し、次いで300℃まで冷却速度:
0.2℃/minで冷却し、その後自然冷却で室温まで
充分徐冷し取り出した。元素分析したところ、Li[Mn
1.85Al0.11Li0.04]O4が得られていた。
【0063】実施例1 相対湿度25%に保ったデシケータ内に保存したLi
1.04Mn1.85Al0.11 4なる、Mnサイトの一部がL
iとAlで置換された立方晶スピネル構造を有するリチ
ウムマンガン酸化物を120℃、かつ1torr以下の状態
を1時間保持して乾燥処理工程を行った後、4−ニトロ
イミダゾールをリチウムマンガン酸化物に対して2モル
%の割合で添加混合したものを正極材料として用いた。
なお、ここで用いたリチウムマンガン酸化物のBET比
表面積は0.9m2/g、5分間の超音波分散後、レー
ザー回折式粒度分布測定から求めたメジアン径は7.4
μmであった。
【0064】比較例1 実施例1と同様のリチウムマンガン酸化物を、乾燥処理
工程を行わず、かつ化合物(A)も添加・混合せずにその
まま正極材料として用いた。 比較例2 実施例1と同様のリチウムマンガン酸化物(相対湿度2
5%に保ったデシケータ内に保存したもの)を使用し、
乾燥処理工程を行わず、4−ニトロイミダゾールをリチ
ウムマンガン酸化物に対して2モル%の割合で添加混合
したものを正極材料として用いた。
【0065】比較例3 実施例1と同様のリチウムマンガン酸化物を使用し、こ
れを120℃、かつ1torr以下の状態を1時間保持して
乾燥処理工程を行った後、化合物(A)を添加・混合せず
にそのまま正極材料として用いた。 試験例(電池評価) 以下の方法で本発明の実施例、比較例の電池評価を行っ
た。
【0066】1. 正極の作成と容量確認 正極材料を75重量% 、アセチレンブラックを20重
量%、ポリテトラフロロエチレンパウダーを5重量%の
割合で秤量したものを乳鉢で十分混合し、薄くシート状
にし、9mmφ、12mmφのポンチで打ち抜いた。こ
の際全体重量は各々約8mmg、約18mgになるよう
に調整した。これをAlのエキスパンドメタルに圧着し
て正極とした。
【0067】次に、正極の容量を確認した。即ち、9m
mφに打ち抜いた前記正極を試験極、Li金属を対極と
して電池セルを組んだ。この電池セルに0.5mA/c
2の定電流充電すなわち、正極からリチウムイオンを
放出させる反応を上限4.35Vで行い、ついで0.5
mA/cm2の定電流放電すなわち正極にリチウムイオ
ンを吸蔵させる試験を下限3.2Vで行った。この際の
正極活物質単位重量当たりの初期充電容量をQs(C)(m
Ah/g) 、初期放電容量をQs(D)(mAh/g)と
した。
【0068】2. 負極の作成と容量確認 負極活物質としての平均粒径約8〜10μm の黒鉛粉
末(d002=3.35Å)と、バインダーとしてのポリ
フッ化ビニリデンとを重量比で92.5:7.5の割合
で秤量し、これをN−メチルピロリドン溶液中で混合
し、負極合剤スラリーとした。このスラリーを20μm
厚さの銅箔の片面に塗布し、乾燥して溶媒を蒸発させた
後、12mmφに打ち抜き、0.5ton/cm2でプ
レス処理をしたものを負極とした。
【0069】なお、この負極を試験極、Li金属を対極
として電池セルを組み、0.2mA/cm2の定電流で
負極にLiイオンを吸蔵させる試験を下限0Vで行った
際の負極活物質単位重量当たりの初期吸蔵容量をQf
(mAh/g)とした。 3. 電池セルの組立 コイン型セルを使用して、電池性能を評価した。即ち、
正極缶の上に12mmφに打ち抜いた前記正極を置き、
その上にセパレータとして25μmの多孔性ポリエチレ
ンフィルムを置き、ポリプロピレン製ガスケットで押さ
えた後、前記負極を置き、厚み調整用のスペーサーを置
いた後、非水電解液溶液として、1モル/リットルの六
フッ化リン酸リチウム( LiPF6)を溶解させたエチレ
ンカーボネート( EC) とジエチルカーボネート( DE
C) との体積分率3:7の混合溶媒を用い、これを電池
内に加えて充分しみ込ませた後、負極缶を載せ電池を封
口した。
【0070】なお、この時、正極活物質の重量と負極活
物質重量のバランスは、ほぼ
【0071】
【数1】正極活物質量〔g〕/負極活物質量〔g〕=
(Qf/1.2)/Qs(C) となるよう設定した。 4. 試験方法 この様に得られた電池の高温特性を比較するため、電池
の1時間率電流値、即ち1Cを
【0072】
【数2】 1C[mA]=Qs(D)×正極活物質量〔g〕/〔h〕 と設定し、以下の試験を行った。まず室温で定電流0.
2C充放電2サイクルおよび定電流1C充放電1サイク
ルを行い、次に50℃の高温で定電流0.2C充放電1
サイクル、ついで定電流1C充放電100サイクルの試
験を行った。なお充電上限は4.2V下限電圧は3.0
Vとした。
【0073】この時50℃での1C充放電100サイク
ル試験における1サイクル目放電容量Qh(1)に対する、
100サイクル目の放電容量Qh(100)の割合を高温サイ
クル容量維持率P、即ち、
【0074】
【数3】P〔%〕={Qh(100)/Qh(1)}×100 とし、この値で電池の高温特性を比較した。実施例及び
比較例における、50℃での1C充放電100サイクル
試験での初期放電容量、及び高温サイクル容量維持率P
を表−1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】また、実施例1並びに比較例1乃至3にお
ける、50℃サイクル試験でのサイクル−放電容量維持
率の相関図を図1に示す。実施例と比較例とを比較する
と、本発明品は高温でのサイクル特性がより向上するこ
とが分かる。
【0077】
【発明の効果】本発明により、リチウム遷移金属酸化物
を使用した場合、電池特性の低下が起こりにくくなるよ
うに改善されたリチウム二次電池用正極材料の製造方法
及びその正極材料、リチウム二次電池用正極及びリチウ
ム二次電池を提供しすることができる。しいてはリチウ
ム遷移金属酸化物の保存環境による電池性能のばらつき
を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 50℃での1C充放電100サイクル試験に
おけるサイクル−放電容量維持率相関図である。
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Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム遷移金属酸化物に対し、加熱処
    理及び/又は減圧処理工程を施した後、処理後のリチウ
    ム遷移金属酸化物の表面の吸着サイトに吸着可能な化合
    物(A)を混合することを特徴とするリチウム二次電池用
    正極材料の製造方法。(但し化合物(A)は電池に特性を
    与える化合物である。)
  2. 【請求項2】 加熱処理及び/又は減圧処理工程が、1
    00〜200℃かつ大気圧以下の状態を0.5〜24時
    間保持するものであることを特徴とする請求項1に記載
    のリチウム二次電池用正極材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 加熱処理及び/又は減圧処理工程が、室
    温〜200℃かつ1torr以下の状態を0.5〜24時間
    保持するものであることを特徴とする請求項1に記載の
    リチウム二次電池用正極材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 リチウム遷移金属酸化物を、100〜2
    00℃かつ大気圧以下の状態を0.5〜24時間保持し
    た後、水酸基に吸着可能な化合物(A)を混合することを
    特徴とするリチウム二次電池用正極材料の製造方法。
    (但し化合物(A)は電池に特性を与える化合物であ
    る。)
  5. 【請求項5】 リチウム遷移金属酸化物を、室温〜20
    0℃かつ1torr以下の状態を0.5〜24時間保持した
    後、水酸基に吸着可能な化合物(A)を混合することを特
    徴とするリチウム二次電池用正極材料の製造方法。(但
    し化合物(A)は電池に特性を与える化合物である。)
  6. 【請求項6】 加熱処理及び/又は減圧処理工程の後、
    加熱処理及び/又は減圧処理により発生したガスを排気
    することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    リチウム二次電池用正極材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 加熱処理及び/又は減圧処理工程の後、
    化合物(A)の混合が終了するまでの作業工程が、露点−
    30℃以下の乾燥雰囲気下で行われることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム二次電池用正
    極材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 リチウム遷移金属酸化物が、スピネル構
    造もしくは層状構造をもつリチウムマンガン酸化物であ
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のリ
    チウム二次電池用正極材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 リチウム遷移金属酸化物が、立方晶スピ
    ネル構造を有しMnサイトの一部が他元素で置換された
    リチウムマンガン酸化物であることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極材料
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 リチウムマンガン酸化物表面の物理吸
    着水を除去して表面水酸基を露出させ、次いで表面水酸
    基を吸着サイトとして吸着可能な化合物(A)を混合する
    ことにより、表面水酸基に化合物(A)を吸着させること
    を特徴とするリチウム二次電池用正極材料の製造方法。
    (但し化合物(A)は電池に特性を与える化合物であ
    る。)
  11. 【請求項11】 リチウムマンガン酸化物表面の物理吸
    着水の除去が、100〜200℃かつ大気圧以下の状態
    を0.5〜24時間保持することにより行われることを
    特徴とする請求項10に記載のリチウム二次電池用正極
    材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 リチウムマンガン酸化物表面の物理吸
    着水の除去が、室温〜200℃かつ1torr以下の状態を
    0.5〜24時間保持することにより行われることを特
    徴とする請求項10に記載のリチウム二次電池用正極材
    料の製造方法。
  13. 【請求項13】 化合物(A)が、非共有電子対及び/又
    はπ電子を持つ分子を有する化合物であることを特徴と
    する請求項1〜12のいずれかに記載のリチウム二次電
    池用正極材料の製造方法。
  14. 【請求項14】 化合物(A)が、窒素、リン、砒素、ア
    ンチモン、酸素、硫黄、セレン、テルル、フッ素、塩
    素、臭素、ヨウ素から選択される少なくとも1種以上の
    元素を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜
    13のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極材料の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 化合物(A)が、ヘテロ原子として窒
    素、酸素、硫黄から選択される少なくとも1種以上の原
    子を環内構成元素に含む複素環化合物であることを特徴
    とする請求項1〜14のいずれかに記載のリチウム二次
    電池用正極材料の製造方法。
  16. 【請求項16】 化合物(A)の配合量が、リチウム遷移
    金属酸化物に対して0.1〜10モル%であることを特
    徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のリチウム二
    次電池用正極材料の製造方法。
  17. 【請求項17】 リチウム遷移金属酸化物に対し、加熱
    処理及び/又は減圧処理工程を施した後、該処理後のリ
    チウム遷移金属酸化物の表面の吸着サイトに吸着可能な
    化合物(A)を混合したリチウム二次電池用正極材料。
    (但し化合物(A)は電池に特性を与える化合物であ
    る。)
  18. 【請求項18】 加熱処理及び/又は減圧処理工程が、
    100〜200℃かつ大気圧以下の状態を0.5〜24
    時間保持するものであることを特徴とする請求項17に
    記載のリチウム二次電池用正極材料。
  19. 【請求項19】 加熱処理及び/又は減圧処理工程が、
    室温〜200℃かつ1torr以下の状態を0.5〜24時
    間保持するものであることを特徴とする請求項17に記
    載のリチウム二次電池用正極材料。
  20. 【請求項20】 リチウム遷移金属酸化物を、100〜
    200℃かつ大気圧以下の状態で0.5〜24時間保持
    した後、水酸基に吸着可能な化合物(A)を混合したリチ
    ウム二次電池用正極材料。(但し化合物(A)は電池に特
    性を与える化合物である。)
  21. 【請求項21】 リチウム遷移金属酸化物を、室温〜2
    00℃かつ1torr以下の状態で0.5〜24時間保持し
    た後、水酸基に吸着可能な化合物(A)を混合したリチウ
    ム二次電池用正極材料。(但し化合物(A)は電池に特性
    を与える化合物である。)
  22. 【請求項22】 加熱処理及び/又は減圧処理工程の
    後、加熱処理及び/又は減圧処理により発生したガスを
    排気することを特徴とする請求項17〜21のいずれか
    に記載のリチウム二次電池用正極材料。
  23. 【請求項23】 加熱処理及び/又は減圧処理工程の
    後、化合物(A)の混合が終了するまでの作業工程が、露
    点−30℃以下の乾燥雰囲気下で行われることを特徴と
    する請求項17〜22のいずれかに記載のリチウム二次
    電池用正極材料。
  24. 【請求項24】 リチウムマンガン酸化物表面の物理吸
    着水を除去して表面水酸基を露出させ、次いで表面水酸
    基を吸着サイトとして吸着可能な化合物(A)を混合する
    ことにより、表面水酸基に化合物(A)を吸着させたリチ
    ウム二次電池用正極材料。(但し化合物(A)は電池に特
    性を与える化合物である。)
  25. 【請求項25】 リチウムマンガン酸化物表面の物理吸
    着水の除去が、100〜200℃かつ大気圧以下の状態
    を0.5〜24時間保持することにより行われることを
    特徴とする請求項24に記載のリチウム二次電池用正極
    材料。
  26. 【請求項26】 リチウムマンガン酸化物表面の物理吸
    着水の除去が、室温〜200℃かつ1torr以下の状態を
    0.5〜24時間保持することにより行われることを特
    徴とする請求項24に記載のリチウム二次電池用正極材
    料。
  27. 【請求項27】 リチウムマンガン酸化物の表面に、リ
    チウムマンガン酸化物の表面水酸基を介して化合物(A)
    が吸着したリチウム二次電池用正極材料。(但し化合物
    (A)は電池に特性を与える化合物である。)
  28. 【請求項28】 化合物(A)が、非共有電子対及び/又
    はπ電子を持つ分子を有する化合物であることを特徴と
    する請求項17〜27のいずれかに記載のリチウム二次
    電池用正極材料。
  29. 【請求項29】 化合物(A)が、窒素、リン、砒素、ア
    ンチモン、酸素、硫黄、セレン、テルル、フッ素、塩
    素、臭素、ヨウ素から選択される少なくとも1種以上の
    元素をする化合物であることを特徴とする請求項17〜
    28のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極材料。
  30. 【請求項30】 化合物(A)が、ヘテロ原子として窒
    素、酸素、硫黄から選択される少なくとも1種以上の原
    子を環内構成元素に含む複素環化合物であることを特徴
    とする請求項17〜29のいずれかに記載のリチウム二
    次電池用正極材料。
  31. 【請求項31】 化合物(A)の配合量が、リチウム遷移
    金属酸化物に対して0.1〜20モル%であることを特
    徴とする請求項17〜30のいずれかに記載のリチウム
    二次電池用正極材料。
  32. 【請求項32】 リチウム遷移金属酸化物が、スピネル
    構造もしくは層状構造をもつリチウムマンガン酸化物で
    あることを特徴とする請求項17〜31のいずれかに記
    載のリチウム二次電池用正極材料。
  33. 【請求項33】 リチウム遷移金属酸化物が、立方晶ス
    ピネル構造を有しMnサイトの一部が他元素で置換され
    たリチウムマンガン酸化物であることを特徴とする請求
    項17〜32のいずれかに記載のリチウム二次電池用正
    極材料。
  34. 【請求項34】 他元素が、Al、Ti、V、Cr、F
    e、Li、Co、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr
    からなる群から選ばれることを特徴とする請求項33に
    記載のリチウム二次電池用正極材料。
  35. 【請求項35】 リチウムマンガン酸化物のBET比表
    面積が0.3〜1.5m2/gであることを特徴とする
    請求項17〜34のいずれかに記載のリチウム二次電池
    用正極材料。
  36. 【請求項36】 請求項17〜35のいずれかに記載の
    リチウム二次電池用正極材料を含むことを特徴とするリ
    チウム二次電池用正極。
  37. 【請求項37】 請求項17〜35のいずれかに記載の
    リチウム二次電池用正極材料を含む正極と、負極及び電
    解質を有することを特徴とするリチウム二次電池。
  38. 【請求項38】 負極の活物質が炭素材料であることを
    特徴とする請求項37に記載のリチウム二次電池。
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